説明

基板処理装置、フィルタ洗浄方法、およびフィルタ洗浄装置

【課題】フィルタの寿命を延ばすことができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置1は、基板Wに供給される処理液をろ過するフィルタ16を内部で保持するハウジング17と、ハウジング17に保持されている状態のフィルタ16に液滴を衝突させるスプレーノズル23とを含む。フィルタ16に付着している異物は、液滴の衝突によって除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板処理装置、フィルタ洗浄方法、およびフィルタ洗浄装置に関する。基板処理装置によって処理される基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置や液晶表示装置などの製造工程では、半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板に処理液を供給して、当該基板を処理する基板処理装置が用いられる。
たとえば特許文献1には、複数枚の基板を一括して処理するバッチ式の基板処理装置と、基板を一枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置とが開示されている。各基板処理装置は、基板に供給される処理液を循環させる循環経路を備えている。基板に供給された処理液は、循環経路に介装されたフィルタによってろ過された後、再び基板に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−061034号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板に供給された処理液には、異物が含まれている。処理液に含まれる異物は、フィルタによって除去される。したがって、フィルタが、異物によって詰まってしまう場合がある。フィルタが詰まると、処理液がフィルタを通過し難くなるので、循環経路を循環する処理液の圧力が低下してしまう。処理液を送るポンプの出力を増加させれば、圧力の低下を補うことができるが、高負荷でポンプを使用し続けると、ポンプの寿命が短くなる。そのため、定期的にフィルタを交換する必要がある。しかし、フィルタの交換頻度が高いと、基板処理装置のランニングコストが増加してしまう。
【0005】
そこで、この発明の目的は、フィルタの寿命を延ばすことができる基板処理装置を提供することである。
また、この発明の他の目的は、フィルタから異物を除去できるフィルタ洗浄方法およびフィルタ洗浄装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)に供給される処理液をろ過するフィルタ(16)を内部で保持するハウジング(17)と、前記ハウジングに保持されている状態の前記フィルタに液滴を衝突させるスプレーノズル(23)とを含む、基板処理装置(1)である。
この構成によれば、スプレーノズルから洗浄液を噴射させることにより、ハウジングに保持されている状態のフィルタに液滴を衝突させることができる。これにより、フィルタに付着している異物に衝撃を与えて、フィルタから異物を離脱させることができる。したがって、フィルタから異物を除去できる。また、異物がフィルタから離脱しなかったとしても、液滴の衝突によってフィルタに対する異物の結合力が低下するので、フィルタに沿って流れ落ちる洗浄液によって異物を容易に洗い流すことができる。これにより、フィルタから異物を除去できる。したがって、フィルタの目詰まりを軽減して、フィルタの寿命を延ばすことができる。さらに、フィルタがハウジングに保持されている状態で異物を除去できるので、ハウジングからフィルタを取り外すなどの作業が不要である。よって、フィルタの洗浄を簡単に行える。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記フィルタによってろ過すべき処理液と同種の処理液を前記スプレーノズルに供給する同種液供給手段(28、31)をさらに含む、請求項1記載の基板処理装置である。
この構成によれば、フィルタによってろ過すべき処理液と同種の処理液がスプレーノズルから噴射され、この同種の処理液が、ハウジングに保持されているフィルタに供給される。したがって、洗浄後のフィルタには、この同種の処理液が付着している。そのため、洗浄後のフィルタを使って処理液をろ過したときに、当該処理液とは異なる液体が、ろ過された処理液に混入して、処理液の濃度が変化することを抑制または防止できる。これにより、基板に供給される処理液の濃度変化を抑制または防止できる。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記同種液供給手段は、前記フィルタによってろ過すべき処理液と同種で未使用の処理液を前記スプレーノズルに供給する未使用液供給手段(28)を含む、請求項2に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、未使用の処理液がスプレーノズルからハウジングに保持されているフィルタに供給されるので、処理液に含まれる異物がフィルタに付着してフィルタが汚染されることを抑制または防止できる。これにより、フィルタの清浄度を高めることができる。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記同種液供給手段は、前記フィルタによってろ過すべき処理液を前記ハウジングの内部から回収して、回収した処理液を前記スプレーノズルに供給する回収液供給手段(31)を含む、請求項2または3に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、ハウジングの内部から回収された処理液がスプレーノズルからハウジングに保持されているフィルタに供給される。これにより、フィルタに付着している異物が除去される。このように、ハウジングの内部から回収した処理液を利用するので、処理液の消費量を低減できる。
【0010】
請求項5記載の発明は、水を前記スプレーノズルに供給する水供給手段(27)をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、水がスプレーノズルからハウジングに保持されているフィルタに供給される。これにより、フィルタに付着している異物が除去される。このように、水を使ってフィルタを洗浄するので、フィルタの洗浄に伴う異物の発生を抑制または防止できる。すなわち、たとえば酸性の液体がフィルタに付着している状態で、アルカリ性の液体をスプレーノズルからハウジングに保持されているフィルタに供給すると、塩が発生して、フィルタが汚染される場合がある。したがって、水を使ってフィルタを洗浄することにより、酸性またはアルカリ性の液体がフィルタに付着している場合でも、異物の発生を抑制または防止しつつ、フィルタを洗浄できる。
【0011】
請求項6記載の発明は、前記ハウジングの内部に連通する排液配管(38)と、前記排液配管に介装された排液バルブ(40)とをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、排液バルブを閉じることにより、スプレーノズルから噴射された洗浄液をハウジングの内部に貯めることができる。これにより、フィルタだけでなく、ハウジングの内壁面にも、洗浄液を供給することができる。したがって、フィルタの周囲に飛び散ってハウジングの内壁面に付着した異物を洗浄液で洗い流すことができる。さらに、排液バルブを開いて、ハウジングの内部の洗浄液を排液配管に排出することにより、洗浄液に含まれる異物が、フィルタやハウジングの内壁面に再付着することを抑制または防止できる。これにより、フィルタの清浄度を高めることができる。
【0012】
請求項7記載の発明は、基板を保持する基板保持手段(4)と、前記基板保持手段に保持されている基板に処理液を供給する処理液供給手段(2)と、前記処理液供給手段と前記ハウジングとを接続しており、基板に供給された処理液を前記ハウジングの内部に導く上流側配管(18)と、前記処理液供給手段と前記ハウジングとを接続しており、前記ハウジングの内部で前記フィルタによってろ過された処理液を前記処理液供給手段に導く下流側配管(19)とをさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
【0013】
この構成によれば、処理液供給手段から基板保持手段に保持されている基板に処理液を供給することにより、基板を処理できる。また、処理液供給手段、上流側配管、ハウジング、および下流側配管が、環状の循環経路を形成しているので、この循環経路で処理液を循環させることができる。これにより、ハウジングの内部でフィルタによってろ過された処理液を再び基板に供給できる。したがって、処理液の消費量を低減できる。さらに、ハウジングから取り外さずにフィルタを洗浄できるので、フィルタの交換により発生する基板処理装置のダウンタイム(休止時間)を低減できる。そのため、基板処理装置の生産性を向上させることができる。
【0014】
請求項8記載の発明は、前記スプレーノズルは、気体と液体とを衝突させて、液滴を生成する二流体ノズルを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、超音波が付与された液滴をハウジングに保持されているフィルタに衝突させる超音波ノズルなどの他の形式のノズルを用いる場合に比べて、洗浄に伴うフィルタのダメージを低減できる。したがって、フィルタのダメージを低減しながら、フィルタを洗浄することができる。これにより、フィルタの寿命をさらに延ばすことができる。
【0015】
請求項9記載の発明は、液体をろ過するフィルタに液滴を衝突させて前記フィルタを洗浄する洗浄ステップ(S3〜S5)を含む、フィルタ洗浄方法である。この方法によれば、請求項1の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項10記載の発明は、前記洗浄ステップは、前記フィルタによってろ過すべき液体と同種の液体の液滴を前記フィルタに衝突させる液体噴霧ステップ(S4、S5)を含む、請求項9に記載のフィルタ洗浄方法である。この方法によれば、請求項2の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0016】
請求項11記載の発明は、前記液体噴霧ステップは、前記フィルタによってろ過すべき液体と同種で未使用の液体の液滴を前記フィルタに衝突させる未使用液噴霧ステップ(S5)を含む、請求項10に記載のフィルタ洗浄方法である。この方法によれば、請求項3の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項12記載の発明は、前記液体噴霧ステップは、前記フィルタを内部で保持するハウジングの内部から回収された、前記フィルタによってろ過すべき液体の液滴を前記フィルタに衝突させる回収液噴霧ステップ(S4)を含む、請求項10または11に記載のフィルタ洗浄方法である。この方法によれば、請求項4の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0017】
請求項13記載の発明は、前記洗浄ステップは、水滴を前記フィルタに衝突させる水噴霧ステップ(S3)を含む、請求項9〜12のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄方法である。この方法によれば、請求項5の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項14記載の発明は、前記洗浄ステップは、前記フィルタに液滴を衝突させる噴霧ステップ(S5)と、前記噴霧ステップと並行して、前記フィルタに噴霧された液体を前記フィルタを内部で保持するハウジングの内部に貯留する貯留ステップ(S5)と、前記貯留ステップが行われた後に、前記ハウジングの内部に貯留されている液体を排出させる排出ステップ(S5)とを含む、請求項9〜13のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄方法である。
【0018】
この方法によれば、フィルタを洗浄する洗浄液の液滴がフィルタに吹き付けられると共に、フィルタを内部で保持するハウジングの内部に洗浄液が貯められる。その後、ハウジングの内部に貯められた洗浄液が排出される。ハウジングの内部に洗浄液が貯められることにより、フィルタだけでなく、ハウジングの内壁面にも、洗浄液が供給される。したがって、フィルタの周囲に飛び散ってハウジングの内壁面に付着した異物を洗浄液で洗い流すことができる。さらに、ハウジングの内部の洗浄液を排出することにより、洗浄液に含まれる異物が、フィルタやハウジングの内壁面に再付着することを抑制または防止できる。これにより、フィルタの清浄度を高めることができる。
【0019】
請求項15記載の発明は、前記洗浄ステップが行われる前に、前記フィルタを内部で保持するハウジングの内部を含む環状の循環経路(P1)で液体を循環させる循環ステップと、前記洗浄ステップが行われる前に、前記循環経路での液体の循環を中断させる中断ステップ(S1)と、前記洗浄ステップが行われる前であって、前記中断ステップが行われた後に、前記ハウジングの内部から液体を排出させて、前記ハウジングに保持されている状態の前記フィルタを液体から露出させる排出ステップ(S2)と、前記洗浄ステップが行われた後に、前記循環経路での液体の循環を再開させる再開ステップ(S6)とをさらに含む、請求項9〜14のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄方法である。
【0020】
この方法によれば、ハウジングの内部を含む環状の循環経路での液体の循環が中断される。その後、ハウジングの内部から液体が排出され、ハウジングに保持されている状態のフィルタが液体から露出される。その後、液滴の衝突によってフィルタが洗浄される。そして、ハウジングの内部に再び液体が供給され、循環経路での液体の循環が再開される。このように、ハウジングに保持されている状態でフィルタを洗浄できるので、フィルタの交換頻度を低下させることができる。したがって、ランニングコストを低減できる。
【0021】
請求項16記載の発明は、液体をろ過するフィルタ(16)が取り付けられ、取り付けられた前記フィルタを内部で保持するハウジング(17)と、前記ハウジングに保持されている状態の前記フィルタに液滴を衝突させるスプレーノズル(23)とを含む、フィルタ洗浄装置(201)である。この構成によれば、請求項1の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0022】
請求項17記載の発明は、前記フィルタによってろ過すべき液体と同種の液体を前記スプレーノズルに供給する同種液供給手段(28、31)をさらに含む、請求項16に記載のフィルタ洗浄装置である。この構成によれば、請求項2の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項18記載の発明は、前記同種液供給手段は、前記フィルタによってろ過すべき液体と同種で未使用の液体を前記スプレーノズルに供給する未使用液供給手段(28)を含む、請求項17に記載のフィルタ洗浄装置である。この構成によれば、請求項3の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0023】
請求項19記載の発明は、水を前記スプレーノズルに供給する水供給手段(27)をさらに含む、請求項16〜18のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄装置である。この構成によれば、請求項5の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
請求項20記載の発明は、前記ハウジングの内部に連通する排液配管(38)と、前記排液配管に介装された排液バルブ(40)とをさらに含む、請求項16〜19のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄装置である。この構成によれば、請求項6の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
【0024】
請求項21記載の発明は、前記スプレーノズルは、気体と液体とを衝突させて、液滴を生成する二流体ノズルを含む、請求項16〜20のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄装置である。この構成によれば、請求項8の発明に関して述べた効果と同様な効果を奏することができる。
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の概略構成を説明するための模式図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るフィルタ洗浄機構について説明するための模式図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置によってフィルタを洗浄するときの動作例を説明するための図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るフィルタ洗浄装置の概略構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
[基板処理装置]
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1の概略構成を説明するための模式図である。
基板処理装置1は、たとえば、複数枚の基板Wを一括して処理するバッチ式の基板処理装置である。基板処理装置1は、処理液の一例である薬液を貯留する処理槽2(処理液供給手段)と、処理槽2に薬液を供給する薬液ノズル3と、処理槽2に貯留されている薬液に基板Wを浸漬させるリフター4(基板保持手段)と、処理槽2に貯留されている薬液を循環させる循環機構5と、基板処理装置1に備えられた各機器やバルブを制御する制御装置6とを含む。
【0027】
処理槽2は、上向きに開いた内槽7および外槽8を含む。薬液ノズル3は、薬液バルブ9が介装された薬液配管10に接続されている。制御装置6が薬液バルブ9を開くと、薬液ノズル3から吐出された薬液が、内槽7内に供給される。そして、内槽7から薬液が溢れると、溢れた薬液は、外槽8によって受け止められる。リフター4によって保持されている基板Wは、内槽7に貯留されている薬液に浸漬される。
【0028】
リフター4は、水平に延びる複数の保持棒11を含む。複数枚の基板Wは、複数の保持棒11によって鉛直な姿勢で支持される。リフター4は、図示しない昇降機構を含む。昇降機構は、リフター4に保持されている基板Wが内槽7内に位置する処理位置(図1に示す位置)と、リフター4に保持されている基板Wが内槽7の上方に位置する退避位置との間でリフター4を昇降させる。したがって、昇降機構がリフター4を処理位置に移動させることにより、リフター4に保持されている複数枚の基板Wが薬液に浸漬される。これにより、基板Wが処理される。
【0029】
循環機構5は、処理槽2から排出された薬液を処理槽2に導く循環配管12と、循環配管12に接続された複数の循環ノズル13と、循環配管12から循環ノズル13に薬液を送る循環ポンプ14と、循環配管12を流れる薬液を加熱するヒータ15とを含む。循環配管12の上流側の端部は、外槽8に接続されており、循環配管12の下流側の端部は、複数の循環ノズル13に接続されている。循環ノズル13は、内槽7に取り付けられている。循環ノズル13は、内槽7内で薬液を吐出する。循環ポンプ14およびヒータ15は、循環配管12に介装されている。また、循環配管12を流れる薬液をろ過するフィルタ16は、循環配管12に介装されている。フィルタ16は、循環配管12に介装された後述するハウジング17(図2参照)の内部で保持されている。
【0030】
基板処理装置1は、処理槽2と、循環配管12と、ハウジング17とを含む環状の循環経路P1を備えている。処理槽2に貯留されている薬液は、この循環経路P1を循環する。具体的には、内槽7から溢れた薬液は、外槽8によって受け止められた後、循環ポンプ14によって循環配管12から循環ノズル13に送られる。これにより、循環ノズル13から薬液が吐出され、内槽7内に薬液が供給される。そのため、内槽7に貯留されている薬液が溢れる。この溢れた薬液は、外槽8によって受け止められた後、循環ポンプ14によって循環配管12から循環ノズル13に送られる。そして、循環ノズル13から薬液が吐出され、内槽7内に薬液が供給される。このようにして、薬液の循環が継続される。
【0031】
薬液が循環配管12を通過することにより、ヒータ15によって薬液が加熱される。したがって、薬液の循環が継続されることにより、処理槽2に貯留されている薬液が高温(室温(20〜30℃)より高い温度)に保たれる。さらに、薬液が循環配管12を通過することにより、フィルタ16によって薬液がろ過される。これにより、薬液に含まれる異物が除去される。また、高温の薬液がフィルタ16に供給されるので、薬液によってフィルタ16が加熱される。したがって、薬液が循環経路P1を循環している状態では、フィルタ16が高温に保たれる。
【0032】
図2は、本発明の第1実施形態に係るフィルタ洗浄機構22について説明するための模式図である。
基板処理装置1は、フィルタ16を内部で保持するハウジング17を含む。フィルタ16は、ハウジング17に保持されている。ハウジング17は、開閉可能であり、フィルタ16は、ハウジング17に取り外し可能に取り付けられている。フィルタ16は、たとえば、上端が閉塞された筒状である。ハウジング17の内部は、フィルタ16によって上流側空間X1と下流側空間X2とに仕切られている。上流側空間X1は、ろ過すべき液体が供給されるフィルタ16の外側の空間であり、下流側空間X2は、フィルタ16によってろ過された液体が供給されるフィルタ16の内側の空間である。ハウジング17は、上流側空間X1に連通する流入部17aと、下流側空間X2に連通する流出部17bとを含む。
【0033】
循環配管12は、薬液の流通方向に関してハウジング17より上流側に配置された上流側配管18と、ハウジング17より下流側に配置された下流側配管19とを含む。循環機構5は、上流側配管18に介装された上流側バルブ20と、下流側配管19に介装された下流側バルブ21とをさらに含む。上流側配管18の端部は、ハウジング17の流入部17aに接続されており、下流側配管19の端部は、ハウジング17の流出部17bに接続されている。したがって、上流側配管18内を流れる薬液は、流入部17aを介して、上流側配管18から上流側空間X1に流入する。また、フィルタ16によってろ過された薬液は、流出部17bを介して、下流側空間X2から下流側配管19に流出する。
【0034】
薬液が循環経路P1を循環している状態では、ハウジング17の内部が薬液によって満たされている。したがって、この状態では、循環ポンプ14の供給圧が、フィルタ16の表面16aに加わっている。ハウジング17内(上流側空間X1)の薬液は、循環ポンプ14の供給圧によってフィルタ16の表面16aを通過し、ろ過される。これにより、薬液が、上流側空間X1から下流側空間X2に移動する。そして、下流側空間X2に移動した薬液は、流出部17bから下流側配管19に排出され、循環ノズル13に送られる。これにより、ろ過された薬液が、内槽7に供給される。
【0035】
基板処理装置1は、フィルタ16を洗浄するフィルタ洗浄機構22を含む。フィルタ洗浄機構22は、前述のハウジング17と、ハウジング17の内部でフィルタ16に液滴を衝突させる複数のスプレーノズル23とを含む。スプレーノズル23は、たとえば、気体と液体とを衝突させて、液滴を生成する二流体ノズルである。各スプレーノズル23は、ハウジング17によって保持されている。複数のスプレーノズル23は、フィルタ16の周囲に配置されている。さらに、複数のスプレーノズル23は、複数のスプレーノズル23によって生成された多数の液滴が、フィルタ16の表面16a全域に均一に吹き付けられるように配置されている。
【0036】
フィルタ洗浄機構22は、スプレーノズル23に気体を供給する気体配管24と、スプレーノズル23に液体を供給する液体配管25と、気体配管24に介装された気体バルブ26とを含む。気体配管24および液体配管25は、スプレーノズル23ごとに設けられており、気体配管24および液体配管25の端部は、共通のスプレーノズル23に接続されている。図2では、1つのスプレーノズル23に対応する気体配管24および液体配管25のみを図示しており、それ以外の気体配管24および液体配管25の図示を省略している。スプレーノズル23は、気体配管24および液体配管25から供給された気体および液体を衝突させることにより、多数の液滴を生成し、これらの液滴をハウジング17に保持されているフィルタ16に衝突させる。
【0037】
気体配管24からスプレーノズル23には、たとえば、窒素ガスなどの不活性ガスや、酸素ガスや、炭酸ガスや、清浄空気などが供給される。第1実施形態では、たとえば、窒素ガスが気体配管24からスプレーノズル23に供給される。また、液体配管25からスプレーノズル23には、たとえば、純水(脱イオン水:Deionzied Water)、およびフィルタ16によってろ過すべき液体と同種の液体(第1実施形態では、薬液)が洗浄液として供給される。すなわち、フィルタ洗浄機構22は、純水を液体配管25に供給する水配管27(水供給手段)と、フィルタ16によってろ過すべき液体と同種で未使用の液体(未使用の薬液)を液体配管25に供給する新液配管28(同種液供給手段、未使用液供給手段)と、水配管27に介装された水バルブ29と、新液配管28に介装された新液バルブ30とを含む。制御装置6が水バルブ29を開くと、水配管27から液体配管25に供給された水がスプレーノズル23に供給される。同様に、制御装置6が新液バルブ30を開くと、新液配管28から液体配管25に供給された新液(未使用の薬液)がスプレーノズル23に供給される。
【0038】
また、フィルタ洗浄機構22は、ハウジング17内から液体を回収して、回収した液体をスプレーノズル23に供給する回収機構31(同種液供給手段、回収液供給手段)を含む。回収機構31は、ハウジング17内から排出された液体を貯留するタンク32と、ハウジング17内の液体をタンク32に導く第1回収配管33と、タンク32内の液体を液体配管25に導く第2回収配管34と、第1回収配管33に介装された第1回収バルブ35と、第2回収配管34に介装された第2回収バルブ36と、第2回収配管34に介装された回収ポンプ37とを含む。第1回収配管33の一端部は、ハウジング17の下端部に接続されており、第1回収配管33の他端部は、タンク32に接続されている。第2回収配管34の一端部は、タンク32の下端部に接続されており、第2回収配管34の他端部は、液体配管25に接続されている。
【0039】
第1回収バルブ35が開かれると、ハウジング17内の液体が、第1回収配管33に排出され、タンク32内に供給される。これにより、ハウジング17内の液体がタンク32に回収される。また、第2回収バルブ36が開かれ、回収ポンプ37が駆動されると、タンク32内の液体が、第2回収配管34を介して液体配管25に供給される。これにより、ハウジング17から回収された液体(第1実施形態では、使用済みの薬液)が、スプレーノズル23に供給される。そして、スプレーノズル23に供給された使用済みの薬液は、スプレーノズル23から吐出され、ハウジング17内に戻される。このように、液体配管25、タンク32、第1回収配管33、および第2回収配管34は、ハウジング17から回収された液体をハウジング17内に戻す回収経路P2を構成している。
【0040】
フィルタ洗浄機構22は、ハウジング17に接続された排液配管38および大気連通配管39と、排液配管38に介装された排液バルブ40と、大気連通配管39に介装された連通バルブ41とを含む。排液配管38の一端部は、ハウジング17の下端部に接続されており、排液配管38の他端部は、図示しない廃液機構に接続されている。大気連通配管39の一端部は、ハウジング17の上端部に接続されており、大気連通配管39の他端部は、大気に連通している。排液配管38および大気連通配管39は、ハウジング17の内部に連通している。排液バルブ40が開かれると、ハウジング17内の液体が、排液配管38に排出され、図示しない廃液機構に導かれる。また、連通バルブ41が開かれると、ハウジング17の内部が大気に連通する。
【0041】
図3は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1によってフィルタ16を洗浄するときのフローチャートである。以下では、図2および図3を参照する。最初に図3の第1動作例について説明する。
フィルタ16が洗浄されるときには、最初に、循環経路P1での薬液の循環が中断される(S1)。具体的には、制御装置6は、フィルタ洗浄機構22の各バルブ26、29、30、35、36、40、41が閉じられている状態で、上流側バルブ20および下流側バルブ21を閉じる。これにより、上流側配管18からハウジング17内への薬液の供給が停止され、循環経路P1での薬液の循環が停止される。薬液が循環経路P1を循環している状態では、フィルタ16に一定の圧力(薬液の供給圧)が加わっている。したがって、循環経路P1での薬液の循環が停止されることにより、フィルタ16に加わる液圧が減少する。そのため、薬液の循環が中断される前よりも、異物がフィルタ16から離脱し易い状態になる。
【0042】
次に、ハウジング17内の薬液が排出される(S2)。具体的には、制御装置6は、第1回収バルブ35および連通バルブ41を開く。これにより、大気連通配管39からハウジング17内に空気が導入されながら、ハウジング17内の薬液が第1回収配管33に排出される。第1回収配管33がタンク32に接続されているので、ハウジング17内の薬液は、タンク32内に回収される。制御装置6は、ハウジング17内の全ての薬液が排出されるまで、すなわち、ハウジング17内が空になるまで、第1回収バルブ35および連通バルブ41が開いた状態を維持する。そして、ハウジング17内が空になると、制御装置6は、第1回収バルブ35および連通バルブ41を閉じる。ハウジング17内が空になることにより、フィルタ16は、液体から露出される。
【0043】
次に、水がフィルタ16に吹き付けられる(S3)。具体的には、制御装置6は、水バルブ29、気体バルブ26、および排液バルブ40を開く。これにより、純水と窒素ガスとが、各スプレーノズル23に供給され、多数の水滴がフィルタ16に吹き付けられる。そのため、フィルタ16に付着している異物に衝撃が加わり、フィルタ16から異物が剥がれ落ちる。また、純水がフィルタ16に沿って流れ落ちることにより、フィルタ16に付着している異物が純水によって洗い流される。水滴の衝突によって落下した異物や、純水によって洗い流された異物は、純水と共に排液配管38から排出される。これにより、フィルタ16に対する異物の再付着が抑制または防止される。制御装置6は、フィルタ16の表面16a全域に水滴を衝突させた後、水バルブ29、気体バルブ26、および排液バルブ40を閉じる。
【0044】
次に、タンク32に回収された薬液がフィルタ16に吹き付けられる(S4)。具体的には、制御装置6は、第2回収バルブ36、気体バルブ26、および排液バルブ40を開くと共に、回収ポンプ37を駆動する。これにより、薬液と窒素ガスとが、各スプレーノズル23に供給され、多数の薬液の液滴がフィルタ16に吹き付けられる。そのため、フィルタ16から異物が落下すると共に、フィルタ16に付着している異物が薬液によって洗い流される。そして、異物を含む薬液が、排液配管38から排出される。制御装置6は、フィルタ16の表面16a全域に薬液の液滴を衝突させた後、第2回収バルブ36、気体バルブ26、および排液バルブ40を閉じ、回収ポンプ37を停止させる。このように、制御装置6は、フィルタ16によってろ過すべき液体と同種の液体であり、ハウジング17から回収された液体であるタンク32内の薬液を、フィルタ16を洗浄する洗浄液としてフィルタ16に噴霧させる。したがって、洗浄液として使用される薬液の消費量を低減することができる。
【0045】
次に、未使用の薬液がフィルタ16に吹き付けられる(S5)。具体的には、制御装置6は、第1回収バルブ35および排液バルブ40が閉じられている状態で、新液バルブ30、気体バルブ26、および連通バルブ41を開く。これにより、未使用の薬液と窒素ガスとが、各スプレーノズル23に供給され、多数の薬液の液滴がフィルタ16に吹き付けられる。そのため、フィルタ16から異物が落下すると共に、フィルタ16に付着している異物が薬液によって洗い流される。また、第1回収バルブ35および排液バルブ40が閉じられているので、各スプレーノズル23から噴射された薬液は、ハウジング17内に溜まっていく。制御装置6は、各スプレーノズル23からの薬液の噴射を継続させることにより、ハウジング17内を薬液で満たす。そして、制御装置6は、ハウジング17内が薬液で満たされた後、新液バルブ30および気体バルブ26を閉じ、排液バルブ40を開く。これにより、ハウジング17内の薬液が、排液配管38に排出され、ハウジング17内が空になる。そして、制御装置6は、ハウジング17内が空になった後、排液バルブ40および連通バルブ41を閉じる。
【0046】
このように、制御装置6は、未使用の薬液の液滴をフィルタ16に衝突させると共に、未使用の薬液によるフィルタ16およびハウジング17の仕上げ洗浄を行う。すなわち、液滴の衝突によってフィルタ16から除去された異物は、薬液と共に排液配管38に排出される。さらに、ハウジング17内が薬液で満たされるので、ハウジング17の内壁面にも薬液が供給される。したがって、ハウジング17の内壁面に付着している異物は、当該内壁面に供給される薬液によって洗い流される。そして、これらの異物は、薬液と共に排液配管38に排出される。これにより、フィルタ16の表面16aだけでなく、ハウジング17の内壁面からも異物が除去される。したがって、フィルタ16に対する異物の再付着を抑制または防止できる。さらに、ハウジング17から回収された薬液や、未使用の薬液が、フィルタ16に供給されることにより、フィルタ16に付着している純水が薬液に置換される。そのため、循環経路P1での薬液の循環が再開されたときに、純水が薬液に混入して、基板Wに供給される薬液の濃度が変化することを抑制または防止できる。
【0047】
次に、循環経路P1での薬液の循環が再開される(S6)。具体的には、制御装置6は、フィルタ洗浄機構22の各バルブ26、29、30、35、36、40、41が閉じられている状態で、上流側バルブ20および下流側バルブ21を開く。さらに、制御装置6は、薬液ノズル3から内槽7に薬液を吐出させる。これにより、内槽7から薬液が溢れ、外槽8に薬液が供給される。そして、外槽8に供給された薬液は、上流側配管18からハウジング17内に供給される。これにより、ハウジング17内が薬液で満たされ、薬液の供給圧がフィルタ16に加わる。ハウジング17内に供給された薬液は、フィルタ16を通過した後、つまり、フィルタ16によってろ過された後、下流側配管19に排出される。これにより、循環経路P1での薬液の循環が再開される。
【0048】
このように、第1動作例では、水スプレー(S3)が行われた後に、回収液のスプレー(S4)および新液のスプレー(S5)が順次行われ、その後、循環経路P1での薬液の循環が再開される場合について説明した。しかし、図3の第2動作例および第3動作例に示すように、回収液のスプレー(S4)または新液のスプレー(S5)が省略されてもよい。また、図3の第4動作例に示すように、水スプレー(S3)が省略され、ハウジング17内の排液(S2)が行われた後に、回収液のスプレー(S4)および新液のスプレー(S5)が順次行われてもよい。さらに、図3の第5動作例に示すように、回収液のスプレー(S4)および新液のスプレー(S5)が省略され、水スプレー(S3)が行われた後に、循環経路P1での薬液の循環が再開されてもよい。
【0049】
以上のように第1実施形態では、スプレーノズル23から洗浄液を噴射させることにより、ハウジング17に保持されている状態のフィルタ16に液滴を衝突させることができる。これにより、フィルタ16から異物を除去できる。したがって、フィルタ16の寿命を延ばすことができ、フィルタ16の交換頻度を低下させることができる。そのため、基板処理装置1のランニングコストを低減できる。さらに、フィルタ16の目詰まりを抑制できるので、循環ポンプ14の出力を増加させずに、安定した圧力で薬液を循環させることができる。これにより、循環ポンプ14の寿命を延ばすことができる。したがって、基板処理装置1のランニングコストをさらに低減できる。また、ハウジング17から取り外さずにフィルタ16を洗浄できるので、洗浄に伴うフィルタ16の取り外し作業や取り付け作業が不要である。したがって、フィルタ16の交換により発生する基板処理装置1のダウンタイムを低減できる。これにより、基板処理装置1の生産性を向上させることができる。
【0050】
[フィルタ洗浄装置]
図4は、本発明の第2実施形態に係るフィルタ洗浄装置201の概略構成を説明するための模式図である。
フィルタ洗浄装置201は、ハウジング17を含む。フィルタ16は、ハウジング17に取り外し可能に取り付けられる。フィルタ16は、ハウジング17の内部で保持される。フィルタ洗浄装置201は、さらに、複数のスプレーノズル23と、気体配管24と、液体配管25と、気体バルブ26と、水配管27と、新液配管28と、水バルブ29と、新液バルブ30とを含む。さらに、フィルタ洗浄装置201は、排液配管38および大気連通配管39と、排液バルブ40および連通バルブ41とを含む。フィルタ洗浄装置201は、フィルタ洗浄装置201に備えられた各機器やバルブを制御する制御装置6を含む。
【0051】
フィルタ洗浄装置201によってフィルタ16が洗浄されるときには、フィルタ16がハウジング17に取り付けられる。その後、各バルブ26、29、30、35、36、40、41が制御装置6によって開閉されることにより、図3を参照して説明したフィルタ16の洗浄と同様に、洗浄液の液滴がハウジング17に保持されている状態のフィルタ16に吹き付けられる。ただし、第2実施形態では、回収機構31が、フィルタ洗浄装置201に設けられていないので、純水および/または未使用の薬液がスプレーノズル23に供給され、水滴および/または薬液の液滴が、ハウジング17に保持されている状態のフィルタ16に吹き付けられる。これにより、フィルタ16に付着している異物が除去される。
【0052】
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の第1および第2実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述の第1および第2実施形態では、スプレーノズル23がハウジング17に固定されている状態で、スプレーノズル23から洗浄液を噴射させる場合について説明したが、スプレーノズル23から洗浄液を噴射させながら、スプレーノズル23を移動させてもよい。
【0053】
また前述の第1および第2実施形態では、フィルタ16によってろ過すべき薬液と同種の薬液がスプレーノズル23に供給される場合について説明したが、フィルタ16によってろ過すべき薬液とは異なる種類の薬液がスプレーノズル23に供給されてもよい。さらに、前述の第1実施形態では、窒素ガスがスプレーノズル23に供給される場合について説明したが、スプレーノズル23に供給される気体は、窒素ガス以外の気体であってもよい。
【0054】
具体的には、硫酸の液体と酸素ガスとをスプレーノズル23に供給してもよいし、純水と炭酸ガスとをスプレーノズル23に供給してもよい。硫酸の液体と酸素ガスとをスプレーノズル23に供給した場合、フィルタ16に付着している異物を酸化させて、フィルタ16に対する異物の結合力を低下させることができる。また、純水と炭酸ガスとをスプレーノズル23に供給した場合、フィルタ16の帯電を抑制または防止できるので、フィルタ16の帯電によって異物がフィルタ16に付着することを抑制または防止できる。
【0055】
また前述の第1および第2実施形態では、スプレーノズル23が、二流体ノズルである場合について説明したが、スプレーノズル23は、二流体ノズル以外のノズルであってもよい。
また前述の第1および第2実施形態では、フィルタ16が洗浄されるときに、ポンプやバルブが制御装置6によって制御される場合について説明したが、ポンプからの送液の開始および停止、ならびにバルブの開閉は、手動操作により行われてもよい。
【0056】
また前述の第1および第2実施形態では、フィルタ16が筒状である場合について説明したが、フィルタ16は、筒状以外の形状であってもよい。
また前述の第1実施形態では、基板処理装置1が、バッチ式の基板処理装置である場合について説明したが、基板処理装置1は、基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置であってもよい。
【0057】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 基板処理装置
2 処理槽(処理液供給手段)
4 リフター(基板保持手段)
16 フィルタ
17 ハウジング
18 上流側配管
19 下流側配管
23 スプレーノズル(二流体ノズル)
27 水配管(水供給手段)
28 新液配管(同種液供給手段、未使用液供給手段)
31 回収機構(同種液供給手段、回収液供給手段)
38 排液配管
40 排液バルブ
201 フィルタ洗浄装置
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に供給される処理液をろ過するフィルタを内部で保持するハウジングと、
前記ハウジングに保持されている状態の前記フィルタに液滴を衝突させるスプレーノズルとを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記フィルタによってろ過すべき処理液と同種の処理液を前記スプレーノズルに供給する同種液供給手段をさらに含む、請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記同種液供給手段は、前記フィルタによってろ過すべき処理液と同種で未使用の処理液を前記スプレーノズルに供給する未使用液供給手段を含む、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記同種液供給手段は、前記フィルタによってろ過すべき処理液を前記ハウジングの内部から回収して、回収した処理液を前記スプレーノズルに供給する回収液供給手段を含む、請求項2または3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
水を前記スプレーノズルに供給する水供給手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記ハウジングの内部に連通する排液配管と、前記排液配管に介装された排液バルブとをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板を保持する基板保持手段と、
前記基板保持手段に保持されている基板に処理液を供給する処理液供給手段と、
前記処理液供給手段と前記ハウジングとを接続しており、基板に供給された処理液を前記ハウジングの内部に導く上流側配管と、
前記処理液供給手段と前記ハウジングとを接続しており、前記ハウジングの内部で前記フィルタによってろ過された処理液を前記処理液供給手段に導く下流側配管とをさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記スプレーノズルは、気体と液体とを衝突させて、液滴を生成する二流体ノズルを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
液体をろ過するフィルタに液滴を衝突させて前記フィルタを洗浄する洗浄ステップを含む、フィルタ洗浄方法。
【請求項10】
前記洗浄ステップは、前記フィルタによってろ過すべき液体と同種の液体の液滴を前記フィルタに衝突させる液体噴霧ステップを含む、請求項9に記載のフィルタ洗浄方法。
【請求項11】
前記液体噴霧ステップは、前記フィルタによってろ過すべき液体と同種で未使用の液体の液滴を前記フィルタに衝突させる未使用液噴霧ステップを含む、請求項10に記載のフィルタ洗浄方法。
【請求項12】
前記液体噴霧ステップは、前記フィルタを内部で保持するハウジングの内部から回収された、前記フィルタによってろ過すべき液体の液滴を前記フィルタに衝突させる回収液噴霧ステップを含む、請求項10または11に記載のフィルタ洗浄方法。
【請求項13】
前記洗浄ステップは、水滴を前記フィルタに衝突させる水噴霧ステップを含む、請求項9〜12のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄方法。
【請求項14】
前記洗浄ステップは、前記フィルタに液滴を衝突させる噴霧ステップと、前記噴霧ステップと並行して、前記フィルタに噴霧された液体を前記フィルタを内部で保持するハウジングの内部に貯留する貯留ステップと、前記貯留ステップが行われた後に、前記ハウジング内に貯留されている液体を排出させる排出ステップとを含む、請求項9〜13のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄方法。
【請求項15】
前記洗浄ステップが行われる前に、前記フィルタを内部で保持するハウジングの内部を含む環状の循環経路で液体を循環させる循環ステップと、
前記洗浄ステップが行われる前に、前記循環経路での液体の循環を中断させる中断ステップと、
前記洗浄ステップが行われる前であって、前記中断ステップが行われた後に、前記ハウジングの内部から液体を排出させて、前記ハウジングに保持されている状態の前記フィルタを液体から露出させる排出ステップと、
前記洗浄ステップが行われた後に、前記循環経路での液体の循環を再開させる再開ステップとをさらに含む、請求項9〜14のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄方法。
【請求項16】
液体をろ過するフィルタが取り付けられ、取り付けられた前記フィルタを内部で保持するハウジングと、
前記ハウジングに保持されている状態の前記フィルタに液滴を衝突させるスプレーノズルとを含む、フィルタ洗浄装置。
【請求項17】
前記フィルタによってろ過すべき液体と同種の液体を前記スプレーノズルに供給する同種液供給手段をさらに含む、請求項16に記載のフィルタ洗浄装置。
【請求項18】
前記同種液供給手段は、前記フィルタによってろ過すべき液体と同種で未使用の液体を前記スプレーノズルに供給する未使用液供給手段を含む、請求項17に記載のフィルタ洗浄装置。
【請求項19】
水を前記スプレーノズルに供給する水供給手段をさらに含む、請求項16〜18のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄装置。
【請求項20】
前記ハウジングの内部に連通する排液配管と、前記排液配管に介装された排液バルブとをさらに含む、請求項16〜19のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄装置。
【請求項21】
前記スプレーノズルは、気体と液体とを衝突させて、液滴を生成する二流体ノズルを含む、請求項16〜20のいずれか一項に記載のフィルタ洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−27842(P2013−27842A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167238(P2011−167238)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】