説明

基板処理装置、基板処理方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】基板を安定して保持し得るとともに基板を適切に処理し得る基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置10は、基板Wの板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する装置である。基板処理装置10は、上方に突出した突出部材22を複数有した回転可能なベースプレート20を含むテーブル15と、ベースプレートを回転駆動する回転駆動機構35と、を備える。テーブルは、突出部材が基板に下方から接触して、当該基板とテーブルとの間に隙間Gを形成するようにして基板を回転保持し得る。基板処理装置10は、基板の中央部Waに対面する位置において隙間にその一端が開放された吸引用管路56と、吸引用管路の他端に連結された吸引機構58と、を有する圧力調節装置55をさらに備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理装置および基板処理方法に係り、とりわけ、基板を安定して保持し得るとともに基板を適切に処理し得る基板処理装置および基板処理方法に関する。また、本発明は、基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理方法であって、基板を安定して保持し得るとともに基板を適切に処理し得る基板処理方法を、実行するためのプログラムおよび当該プログラムを記憶した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に開示されているように、基板の板面が水平方向に沿うようにして基板を保持した状態で、当該基板を回転させながら処理する基板処理装置および基板処理方法が、広く知られている。このような処理においては、処理装置内で基板を回転可能に保持することが必要となる。とりわけ、薄板状であることから回転中にばたつき(跳ね)やすく、かつ、略円形状の外輪郭を有することから回転中に処理装置に対して滑り(ずれ)やすくなる円板状の基板、例えば半導体ウエハ(以下において、単にウエハとも呼ぶ)を処理する場合には、基板を安定して保持することが求められる。
【0003】
従来、基板の保持方法として、基板の周縁部を機械的に把持するメカチャック方式と、基板に接触して基板を吸着する吸着方式と、が広く用いられている。
【特許文献1】特開平6−9713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、メカチャック方式では、基板の処理に用いられる薬液に応じて、ばね等の構成部品に腐食や結晶の析出等が生じることがある。このような場合、基板を安定して保持することは困難となる。
【0005】
一方、吸着方式においては、基板の表面が、吸着のための構成部品により広い面積に亘って覆われてしまう。そして、基板の表面のうち、この吸着のための構成部品によって覆われた領域には、適切に処理を行うことができない。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、基板を安定して保持し得るとともに基板を適切に処理し得る基板処理装置および基板処理方法を提供することを目的とする。また、本件明は、基板を安定して保持し得るとともに基板を適切に処理し得る基板処理方法を実行するためのプログラムおよび当該プログラムを記憶した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本件発明者らは、鋭意研究を重ねた結果として、基板を回転させた場合に、基板と基板を下方から支持するテーブルとの間の隙間に負圧が生じること、さらには、この負圧を利用して基板をテーブルに向けて吸引し当該基板をテーブル上に安定して保持可能であること、を知見した。本発明は、本件発明者らのこのような知見に基づくものである。
【0008】
本発明による基板処理装置は、基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理装置であって、上方に突出した突出部材を複数有した回転可能なベースプレートを含むテーブルであって、前記突出部材が基板に下方から接触して、当該基板とテーブルとの間に隙間を形成するようにして基板を支持し得るテーブルと、前記ベースプレートを回転駆動する回転駆動機構と、前記隙間にその一端が開放された吸引用管路と、前記吸引用管路に連結された吸引機構と、を有する圧力調節装置と、を備える
ことを特徴とする。
【0009】
本発明による基板処理装置が、前記回転駆動機構および前記圧力調節装置に接続された制御装置を、さらに備え、前記制御装置は、前記ベースプレートが回転駆動されている際に、少なくとも前記回転駆動機構の駆動による前記ベースプレートの回転速度に基づいて、前記圧力調節装置による吸引を制御するように、構成されていてもよい。このような本発明による基板処理装置において、前記制御装置は、前記回転駆動機構の駆動による前記ベースプレートの回転速度が、予め設定された回転速度以下である場合または前記予め設定された回転速度未満である場合に、前記圧力調節装置による吸引を実施し、予め設定された回転速度を超える場合または前記予め設定された回転速度以上である場合に、前記圧力調節装置による吸引を停止するように、構成されていてもよい。
【0010】
また、本発明による基板処理装置において、前記ベースプレートには、前記基板に対面する位置に開口部が形成され、前記テーブルは、前記ベースプレートの前記開口部に配置された昇降プレートをさらに含み、前記基板処理装置は、前記ベースプレートに連結されるとともに、前記回転駆動機構に回転駆動されるように連結された回転軸部材であって、前記ベースプレートの前記開口部に連通する中空部を有する回転軸部材と、前記回転軸部材に対して摺動可能に前記回転軸部材の前記中空部内を延び、前記昇降プレートに連結された昇降軸部材と、前記昇降軸部材に連結され、前記昇降軸部材を昇降駆動する昇降駆動機構と、をさらに備え、前記吸引用管路は前記昇降軸部材内を延び、前記吸引用管路の一端が、前記昇降プレートと前記基板との間に位置する前記隙間に開放されるようになっていてもよい。
【0011】
あるいは、本発明による基板処理装置が、前記ベースプレートに連結されるとともに、前記回転駆動機構に回転駆動されるように連結された回転軸部材を、さらに備え、前記吸引用管路は前記回転軸部材内を延び、前記吸引用管路の一端が、前記ベースプレートと前記基板との間に位置する前記隙間に開放されるようになっていてもよい。
【0012】
さらに、本発明による基板処理装置において、前記突出部材は、前記基板の周縁部に下方から接触するようになる支持部と、前記支持部よりもさらに上方まで延び、前記基板の周縁部の側方に位置するようになる規制部と、を含むようにしてもよい。
【0013】
本発明による第1の基板処理方法は、基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理方法であって、上方に突出した突出部材を複数有したテーブルの前記突出部材上に基板を載置し、前記基板と前記テーブルとの間に隙間を形成するようにして前記基板を支持する支持工程と、前記支持した基板を回転させはじめ、基板の回転速度を加速していく加速工程と、前記基板を回転させながら、前記基板を処理する処理工程と、を備え、前記加速工程中の少なくとも一期間、前記隙間にその一端が開放された吸引用管路と、前記吸引用管路に連結された吸引機構と、を有する圧力調節装置によって前記隙間の雰囲気を吸引すること特徴とする。
【0014】
本発明による第1の基板処理方法の前記加速工程中の圧力調節装置による吸引は、少なくとも基板の回転速度が予め定められた回転速度以上となるまで又は前記予め定められた回転速度を超えるまで、実施されるようにしてもよい。
【0015】
また、本発明による第1の基板処理方法が、前記支持工程の後であって前記加速工程の前に実施される工程であって、前記圧力調節装置によって前記隙間の雰囲気を吸引し、前記基板をテーブルに向けて吸引して保持する保持工程を、さらに備えるようにしてもよい。
【0016】
本発明による第2の基板処理方法は、基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理方法であって、上方に突出した突出部材を複数有したテーブルの前記突出部材上に基板を載置し、前記基板と前記テーブルとの間に隙間を形成するようにして前記基板を支持する支持工程と、前記隙間にその一端が開放された吸引用管路と、前記吸引用管路に連結された吸引機構と、を有する圧力調節装置によって前記隙間の雰囲気を吸引し、前記基板をテーブルに向けて吸引して保持する保持工程と、前記基板を回転させながら、前記基板を処理する処理工程と、を備えることを特徴とする。
【0017】
本発明による第1または第2の基板処理方法において、前記処理工程中の少なくとも一期間、前記圧力調節装置による吸引を停止するようにしてもよい。
【0018】
また、本発明による第1または第2の基板処理方法において、前記処理工程は、前記回転中の基板に対して異なる処理を行う複数の工程を含み、複数の工程のうちの少なくともいずれか一つの工程中、圧力調節装置による吸引を停止するようにしてもよい。
【0019】
さらに、本発明による第1または第2の基板処理方法において、前記処理工程中、基板の回転速度が予め定められた回転速度以上となっている間または前記予め定められた回転速度を超えている間、圧力調節装置による吸引を停止するようにしてもよい。
【0020】
本発明による第1のプログラムは、基板処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムであって、前記制御装置によって実行されることにより、基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理方法であって、上方に突出した突出部材を複数有したテーブルの前記突出部材上に基板を載置し、前記基板と前記テーブルとの間に隙間を形成するようにして前記基板を支持する支持工程と、前記支持した基板を回転させはじめ、基板の回転速度を加速していく加速工程と、前記基板を回転させながら、前記基板を処理する処理工程と、を備え、前記加速工程中の少なくとも一期間、前記隙間にその一端が開放された吸引用管路と、前記吸引用管路に連結された吸引機構と、を有する圧力調節装置によって前記隙間の雰囲気を吸引する、被処理基板の処理方法を基板処理装置に実施させることを特徴とする。
【0021】
本発明による第2のプログラムは、基板処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムであって、前記制御装置によって実行されることにより、基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理方法であって、上方に突出した突出部材を複数有したテーブルの前記突出部材上に基板を載置し、前記基板と前記テーブルとの間に隙間を形成するようにして前記基板を支持する支持工程と、前記隙間にその一端が開放された吸引用管路と、前記吸引用管路に連結された吸引機構と、を有する圧力調節装置によって前記隙間の雰囲気を吸引し、前記基板をテーブルに向けて吸引して保持する保持工程と、前記基板を回転させながら、前記基板を処理する処理工程と、を備える、被処理基板の処理方法を基板処理装置に実施させることを特徴とする。
【0022】
本発明による第1の記録媒体は、基板処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムが記録された記録媒体であって、前記プログラムが前記制御装置によって実行されることにより、基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理方法であって、上方に突出した突出部材を複数有したテーブルの前記突出部材上に基板を載置し、前記基板と前記テーブルとの間に隙間を形成するようにして前記基板を支持する支持工程と、前記支持した基板を回転させはじめ、基板の回転速度を加速していく加速工程と、前記基板を回転させながら、前記基板を処理する処理工程と、を備え、前記加速工程中の少なくとも一期間、前記隙間にその一端が開放された吸引用管路と、前記吸引用管路に連結された吸引機構と、を有する圧力調節装置によって前記隙間の雰囲気を吸引する、被処理基板の処理方法を基板処理装置に実施させることを特徴とする。
【0023】
本発明による第2の記録媒体は、基板処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムが記録された記録媒体であって、前記プログラムが前記制御装置によって実行されることにより、基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理方法であって、上方に突出した突出部材を複数有したテーブルの前記突出部材上に基板を載置し、前記基板と前記テーブルとの間に隙間を形成するようにして前記基板を支持する支持工程と、前記隙間にその一端が開放された吸引用管路と、前記吸引用管路に連結された吸引機構と、を有する圧力調節装置によって前記隙間の雰囲気を吸引し、前記基板をテーブルに向けて吸引して保持する保持工程と、前記基板を回転させながら、前記基板を処理する処理工程と、を備える、被処理基板の処理方法を基板処理装置に実施させることを特徴とする。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0025】
図1乃至図4は本発明の一実施の形態を説明するための図である。このうち図1は基板処理装置を示す縦断面図であり、図2は基板処理装置を示す上面図であり、図3は基板処理装置の動作を説明するための図であり、図4は基板処理方法を説明するためのフローチャートである。なお、図1は、図2におけるI−I線に沿った断面を示している。
【0026】
なお、以下の実施の形態において、本発明による基板処理装置および基板処理方法を、外輪郭が略円形状である薄板状の半導体ウエハ(被処理基板の一例)を洗浄することに適用した例を示している。しかしながら、当然に、本発明による基板処理装置および基板処理方法は、ウエハの洗浄への適用に限定されるものではない。
【0027】
図1乃至図3に示すように、基板処理装置10は、ウエハWの板面(上面および下面)が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する装置であり、ウエハWとの間に隙間(空隙)Gを形成するようにしてウエハWを回転可能に支持する円板状のテーブル15を有している。なお、図2ではウエハWが二点鎖線で示されている。
【0028】
図1乃至図3に示すように、テーブル15は、言い換えると、ウエハWの中央部Waに対面するようになる部分に開口部(貫通孔)20aが形成されたベースプレート20と、ベースプレート20の開口部20aに配置された昇降プレート25と、を含んでいる。昇降プレート25は、円板状のテーブル15の中央部に位置し、ウエハWの中央部Waに対面するようになる。そして、ベースプレート20は、ウエハWの中央部Wa以外の外方部Wbに対面するようになる。
【0029】
ベースプレート20は、プレート部材24と、プレート部材24の上面24aに設けられた複数の突出部材22と、を有している。図2に示す例において、突出部材22は、円板状のテーブル15の中心を中心とする円周上に略等間隔を空けて三つ配置されている。ベースプレート20のプレート部材24から上方に突出した突出部材22は、ウエハWの周縁部においてウエハWに下方から接触するようになる支持部22aと、支持部22aよりもさらに上方まで延び上がった規制部22bと、を有している。支持部22aが、ウエハWに下方から接触することによって、ベースプレート20(テーブル15)上にウエハWを支持することができるようになっている。なお、支持部22aの高さhは例えば1mmから10mm程度とすることができ、この場合、後述するように隙間G内での圧力変動を生じやすくすることができる。また、規制部22bは、図2に示すように、支持部22aよりも水平方向外方に配置され、図1および図3に示すように、支持部22a上に載置されたウエハWの周縁部の水平方向外方に位置するようになる。このため、規制部22bは、支持部22a上に載置されたウエハWの水平方向への移動を規制することができる。
【0030】
昇降プレート25は、円板状のテーブル15の中心に向けて下方に傾斜していく上面を有した本体部29と、本体部29の周縁部に設けられ上方に突出するリフトピン27と、を有している。図2に示す例において、リフトピン27は、円板状のテーブル15の中心を中心とした円周上に略等間隔を空けて三つ配置されている。
【0031】
図1に示すように、基板処理装置10は、ベースプレート20の下面に固定連結され鉛直方向に延びる回転軸部材30と、回転軸部材30に連結され回転軸部材30を回転駆動する回転駆動機構35と、をさらに有している。図示するように、回転軸部材30は筒状に形成されており、回転軸部材30の中空部30aはベースプレート20の開口部20aに連通している。回転軸部材30は、ベアリング32によって、鉛直方向に延びる軸心を中心として回転可能に保持されている。回転駆動機構35は、回転軸部材30に外方から固定されたプーリー37と、プーリー37に駆動ベルト38を介して駆動力を付与する駆動部材(例えば、モータ)36と、を有している。
【0032】
また、図1に示すように、基板処理装置10は、昇降プレート25の下面に固定連結され鉛直方向に延びる昇降軸部材40と、昇降軸部材40に連結され昇降軸部材40を昇降駆動する昇降駆動機構42と、をさらに有している。昇降軸部材40は、回転軸部材30に対して摺動可能に、筒状の回転軸部材30の中空部30a内を延びている。昇降駆動機構42による昇降駆動によって、昇降プレート25は、図3において二点鎖線で示されたベースプレート20の開口部20a内にある位置と、図3において実線で示されたベースプレート20の上方にある位置と、の間を鉛直方向に移動可能となっている。
【0033】
さらに、図1に示すように、基板処理装置10は、テーブル15上に載置されたウエハWとテーブル15との間の隙間Gの圧力を測定可能な圧力監視装置50と、テーブル15上に載置されたウエハWとテーブル15との間の隙間Gの圧力を調節可能な圧力調節装置55と、を有している。
【0034】
圧力監視装置50は、ウエハWの中央部Waに対面する位置において隙間Gにその一端が開放された圧力測定用管路51と、圧力測定用管路51の他端に連結された圧力センサ53と、を含んでいる。ここで、圧力測定管路51は、その両端のみが開口されている。したがって、他端が圧力センサ53によって実質的に塞がれている圧力測定管路51内には、気流が実質的に形成されることはない。このため、圧力センサ53は、圧力測定用管路51の一端が開放されている領域での圧力を、当該領域から離れた位置に配置されているにもかかわらず、精度良く測定することができる。図1に示すように、圧力測定用管路51は昇降軸部材56内を延び、さらに、昇降プレート25のうちのウエハWの中央部Waに対面するようになる部分を通過している。この結果、圧力測定用管路51の一端が、テーブル15とウエハWとの間に形成される隙間Gのうちの、昇降プレート25とウエハWとの間に位置する部分に開放されるようになる。
【0035】
一方、圧力調節装置55は、ウエハWの中央部Waに対面する位置において隙間Gにその一端が開放された吸引用管路56と、吸引用管路56の他端に連結された吸引機構58と、を含んでいる。ここで、吸引用管路56は、その両端のみが開口されている。したがって、吸引機構58は、吸引用管路56の一端が開放された領域における雰囲気を吸引して、当該領域における圧力を調節することができる。図1に示すように、吸引用管路56は昇降軸部材56内を延び、さらに、昇降プレート25のうちのウエハWの中央部Waに対面するようになる部分を通過している。この結果、吸引用管路56の一端が、テーブル15とウエハWとの間に形成される隙間Gのうちの、昇降プレート25とウエハWとの間に位置する部分に開放されるようになる。
【0036】
また、図2に示すように、圧力測定用管路51および吸引用管路56以外に、ガス供給管路45および処理液供給管路47が昇降プレート25を貫通している。ガス供給管路45の一端および処理液供給管路47の一端も、圧力測定用管路51の一端および吸引用管路56の一端と同様に、ウエハWの中央部Waに対面する位置においてウエハWとテーブル15との間の隙間Gに開放されている。ガス供給管路45および処理液供給管路47は、圧力測定用管路51および吸引用管路56と同様に、昇降軸部材40内を通過している。
【0037】
処理液供給管路47は、薬液を供給する薬液源、リンス液を供給するリンス液源、乾燥液を供給する乾燥液源等に、切り換えバルブ等を介して接続されている。
【0038】
一方、ガス供給管路45は、例えば窒素ガス等の不活性ガスを供給するガス源に接続されている。なお、ガス供給管路45の隙間Gに開放する先端(上端)は、圧力測定用管路51、吸引用管路56および処理液供給管路47の上端よりも高い位置に配置されている。そして、このガス供給管路45の先端(上端)は、ベースプレート20上に載置されたウエハWの下面(裏面)近傍に配置され、また、先細りするように形成されている。このため、ガス供給管路45から供給されるガスは、流速が低下する前に、すなわち高速で、ウエハWの下面に供給されるようになる。
【0039】
また、図1に示すように、テーブル15の上方には、テーブル15のベースプレート20上に支持されたウエハWの上面(表面)に、処理液を供給する表面側処理液供給部12およびガスを供給する表面側ガス供給部13が設けられている。表面側処理液供給部12および表面側ガス供給部13は、ベースプレート20に支持されたウエハWの上方を移動可能な移動アーム11に支持されている。移動アーム11は、例えば図2に示すように揺動可能に構成されており、表面側処理液供給部12および表面側ガス供給部13を、ウエハWの中心に上方から対面する位置(図2における二点鎖線)やウエハWの周縁部に上方から対面する位置、さらにはウエハWの上方から外方へずれた位置(図2における実線)等に配置することができる。表面側処理液供給部12は、薬液を供給する薬液源、リンス液を供給するリンス液源、乾燥液を供給する乾燥液源等に、切り換えバルブ等を介して接続されている。表面側ガス供給部13は、例えば窒素ガス等の不活性ガスを供給するガス源に接続されている。
【0040】
なお、処理液供給管路47および表面側処理液供給部12から供給される薬液として、例えば、希フッ酸、アンモニア過水(SC1)、塩酸過水(SC2)などを用いることができる。また、処理液供給管路47および表面側処理液供給部12から、リンス液として水、とりわけ純水(DIW)が供給されるようにしてもよい。さらに、処理液供給管路47および表面側処理液供給部12から、乾燥液としてイソプロピルアルコールが(IPA)が供給されるようにしてもよい。
【0041】
ところで、基板処理装置10は、図1に示すように、以上の各構成要素に接続され各構成要素を制御する制御装置60をさらに備えている。具体的には、制御装置60は、上述した回転駆動機構35、昇降駆動機構42、圧力監視装置50、圧力調節装置55、および各弁類等に接続され、これらの機器類の動作を制御する。
【0042】
とりわけ、本実施の形態による制御装置60は、圧力監視装置50によって測定される隙間G内の圧力に基づき、ウエハWの状態、例えば、ウエハWが載置されているか否か、ウエハWが正常に支持されているか否か、ウエハWが正常に保持されているか否か等を確認し得るように、構成されている。より具体的には、制御装置60は、圧力監視装置50によって測定された圧力が、測定時にウエハWが回転されているか否かと、回転されている場合には測定時のウエハWの回転速度(単位は例えばrpm)と、に少なくとも基づいて定められる所定の値を超える場合または当該所定の値以上である場合に、ウエハWが配置されていない或いはウエハWが正常に支持または保持されていない、といったウエハWの状態に関する異常が存在すると判断するように、構成されている。
【0043】
また、本実施の形態による制御装置60は、ベースプレート20が回転駆動されている際に、少なくとも回転駆動機構35の駆動によるベースプレート20の回転速度に基づいて、圧力調節装置55による吸引を制御するように、構成されている。より具体的には、制御装置60は、回転駆動機構35の駆動によるベースプレート20の回転速度が予め設定された回転速度以下である場合または当該予め設定された回転速度未満である場合に、圧力調節装置55による吸引を実施するように、構成されている。
【0044】
なお、制御装置60には、工程管理者等が基板処理装置10を管理するためにコマンドの入力操作等を行うキーボードや、基板処理装置10の稼働状況を可視化して表示するディスプレイ等からなる入出力装置が接続されている。また、制御装置60は、基板処理装置10で実行される処理を実現するためのプログラム等が記録された記録媒体62にアクセス可能となっている。記録媒体62は、ROMおよびRAM等のメモリ、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROMおよびフレキシブルディスク等のディスク状記録媒体等、既知のプログラム記録媒体から構成され得る。
【0045】
次に、以上のような構成からなる基板処理装置10を用いて実行され得る基板処理方法の一例について、主に図4に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、以下に説明する基板処理方法を実行するための各構成要素の動作は、予めプログラム記録媒体62に格納されたプログラムに基づいた制御装置60からの制御信号によって制御される。
【0046】
まず、テーブル15の突出部材22上に処理対象となるウエハWを載置し、ウエハWとテーブル15との間に隙間Gを形成するようにしてウエハWをテーブル15上に支持する(S1)。具体的には、図3に示すように、処理対象となるウエハWが、テーブル15の上方に搬送装置65によって持ち込まれる。このときウエハWは、搬送装置65の搬送アーム66上に支持されている。次に、昇降駆動機構42の駆動によって、昇降プレート25が上昇する(S11)。上昇中の昇降プレート25は、搬送装置65の搬送アーム66からウエハWを受け取り、リフトピン27によってウエハWを下方から支持するようになる(S12)。搬送装置65の搬送アーム66は、昇降プレート25にウエハWを受け渡した後、水平方向外方へ移動し、テーブル15の上方の領域から待避する。その後、昇降駆動機構42の駆動によって、昇降プレート25が下降する(S13)。図1に示すように、昇降プレート25が下降した状態において、昇降プレート25のリフトピン27の先端は、ベースプレート20の突出部材22の先端よりも低い位置に配置されるようになる。したがって、昇降プレート25の下降中、昇降プレート25のリフトピン27上に支持されていたウエハWは、ベースプレート20の突出部材22の突出部材22上に支持されるようになる。このようにして、ウエハWが、テーブル15との間に隙間Gを空けてテーブル15上に支持されるようになる。
【0047】
なお、本実施の形態において、テーブル15が、回転可能なベースプレート20と、昇降可能な昇降プレート25と、から構成されている。そして、ベースプレート20から上昇した昇降プレート25上において、搬送装置65との間でウエハWの受け渡しを実施することができる。このような本実施の形態によれば、ウエハWを下方から支持して、ウエハWをテーブル15の上方へ搬送する搬送アーム65の厚さt2(図3参照)を考慮することなく、突出部材22の突出高さhを適切に設定することができる。したがって、突出部材22の突出高さhを搬送アーム65の厚さt2(図3参照)よりも薄くし、これにより、突出部材22上に支持されたウエハWとテーブル15との間の隙間Gの厚さt1(図3参照)を十分に薄くすることができる。この結果、後述するように、隙間G内での圧力変動が生じやすくなり、隙間G内での負圧の形成を促進することができる。
【0048】
次に、テーブル15上に載置されたウエハWをテーブル上に保持する(S2)。なお、ここでいう「保持」とは、載置する(下方から支持する)ことのみよって生ずる重力だけの作用だけでなく、ウエハWをテーブル15上に留めておこうとする作用を積極的に及ぼすことを意味する。具体的には、圧力調節装置55によって、ウエハWとテーブル15との間に形成された隙間G内の雰囲気を吸引する。図1および図2から理解され得るように、隙間Gの周縁は開放されている。しかしながら、上述したように、隙間Gの周縁を構成するベースプレート20のプレート部材24の上面24aとウエハWの下面との隙間Gの厚みt1は、十分に薄く設定され得る。このため、圧力調節装置55の吸引機構58の出力を適宜調整することにより、テーブル15上に支持されたウエハWの上方の圧力よりもウエハWの下方の隙間Gにおける圧力を低下させることが可能となる。すなわち、隙間Gに負圧を生じさせ、ウエハWをテーブル15に向けて吸引し、ウエハWを安定して保持することが可能となる。
【0049】
なお、この工程S2中、圧力監視装置50は隙間G内の圧力、より厳密には、圧力測定用管路51の一端の近傍における隙間G内の圧力の変動を監視している。上述したように、ウエハWが突出部材22の支持部22aに正常に支持されている場合、隙間Gの厚みt1は十分に薄くなり、圧力調節装置55による吸引によって、隙間G内の圧力を低下させることができる。このときの隙間G内における圧力変動の挙動は、予め調査され、制御装置60または記録装置62に予め記録されている。そして、制御装置60は、ウエハWを吸引によって保持する工程S2の間、圧力監視装置50によって測定される圧力の変化と、予め記録された正常時の圧力変動の挙動と、を比較する。
【0050】
ウエハWが突出部材22の支持部22aに正常に支持されていない場合には、圧力調節装置55の吸引に起因した隙間G内における圧力変動の挙動は、ウエハが正常に支持されている場合における挙動とは異なるようになる。多くの場合、ウエハWが正常に支持されていないことから、隙間Gの厚みt1が少なくともウエハWの周縁部の一部分において厚くなり、圧力の低下速度が遅くなる、あるいは、圧力が低下していかない。したがって、隙間G内の圧力変動を監視することによって、ウエハWの状態、すなわち、ウエハWが、所定の位置に正確に載置され、正常に支持されているか否かを精度良く確認することができる。ウエハWの支持が正常に行われていないと判断された場合には、当該ウエハWに対する処理を中止する。一方、ウエハWの支持が正常に行われていると確認され、さらに、圧力監視装置50によって測定された隙間G内の圧力が所定の圧力未満に又は当該所定の圧力以下に低下したと確認された場合、次の工程S3が実行されるようになる。
【0051】
ウエハWが吸引によってテーブル15上に保持されると、回転駆動機構35により、ベースプレート20がウエハWとともに回転駆動される。回転駆動機構35は、ベースプレート20の回転速度(ウエハWの回転速度)が予め設定された回転速度(ここでは第1回転速度とする)に到達するまで、ベースプレート20の回転を加速させる(S3)。なお、ベースプレート20およびウエハWの回転速度は、制御装置60に接続された図示しない回転速度計によって測定される。そして、制御装置60は、回転速度計によって測定される回転速度を監視している。
【0052】
加速工程S3中、圧力調節装置55による隙間G内の雰囲気の吸引が、継続して実施される。ウエハWの回転速度を加速している間、ウエハWの突出部材22上でのばたつき(跳ね)やウエハWの突出部材22上での滑り(ずれ)等の異常が生じやすくなる。しかしながら、本実施の形態によれば、ウエハWの回転速度を加速させていく加速工程S3中にウエハWの中央部Waとテーブル15との間の隙間Gの圧力を十分に低下させ、異常の生じやすい加速工程S3中にウエハWをテーブル15上に安定して保持することが可能となる。
【0053】
また、ウエハWおよびベースプレート20が回転させられると、ベースプレート20上の凹凸(例えば突出部材22)による推進や、ベースプレート20の上面またはウエハWの下面との摩擦等に起因して、隙間G内の雰囲気(気体)もベースプレート20の回転軸心を中心として回転させられ、この結果、当該雰囲気(気体)に遠心力が働くようになる。すなわち、隙間G内の気体は、基板Wおよび回転するテーブル15に対し、回転軸心から放射方向外方へ相対移動するようになる。これにより、ウエハWとテーブル15との間の隙間Gの圧力は、ウエハWの上方の圧力よりも低くなっていく。とりわけ、ウエハWの中央部Waに対面する位置における隙間Gの圧力が最も低下するようなる。また、ウエハWおよびベースプレート20の回転速度が速いほど、隙間G内の圧力はより低下するようになる。さらに、テーブル15とウエハWとの間の隙間Gの厚さt1が薄いほど、隙間G内の気体に遠心力が有効に働き、隙間G内における圧力の低下はより顕著となる。このようにして、ウエハWおよびベースプレート20の回転速度を上昇させていくことによって、隙間G内における負圧の形成が促進され、ウエハWをよりテーブル15上に安定して保持することが可能となる。
【0054】
なお、加速工程S3中、圧力監視装置50による隙間G内の圧力の監視も、継続して実施される。加速工程S3においてウエハWが正常に保持され続けている場合、隙間G内の圧力は回転速度の増加にともなってしだいに低下していく。このときの隙間G内における圧力変動の挙動は、予め調査され、制御装置60または記録装置62に予め記録されている。そして、制御装置60は、回転速度を加速する工程S3の間、圧力監視装置50によって測定される圧力の変化と、予め記録された正常時の圧力変動の挙動と、を比較する。この結果、ウエハWの状態、すなわち、ウエハWがテーブル15上に正常に保持されているか否かを精度良く確認することができる。ウエハWの保持が正常に行われていないと判断された場合には、当該ウエハWに対する処理を中止する。
【0055】
一方で、隙間G内の圧力が正常に低下していくことからウエハWの保持が正常に行われていると確認され、さらに、ベースプレート20およびウエハWの回転速度が所定の回転速度(前記第1回転速度)まで到達した場合、次の工程S4が実行されるようになる。
【0056】
なお、ベースプレート20およびウエハWの回転速度が第1回転速度まで到達すると、圧力調節装置55による吸引が停止する。すなわち、制御装置60は、回転駆動機構35の駆動によるベースプレート20の回転速度が第1回転速度以上になると又は当該第1回転速度を超えると、圧力調節装置55による吸引を停止する。ただし、圧力調節装置55による吸引が停止したとしても、ベースプレート20およびウエハWの回転速度は十分に速い。このため、隙間Gに十分な負圧が形成され、ウエハWを安定してテーブル上に回転保持し続けることが可能となる。
【0057】
次に、ウエハWを回転させながら当該ウエハWを処理する処理工程S4が実施される。本実施の形態において、処理工程S4は、薬液によってウエハWを薬液洗浄する薬液処理工程S41と、薬液処理されたウエハWをリンス液(純水)によってリンス処理するリンス処理工程S42と、ウエハWを乾燥させる乾燥処理工程S43と、を含んでいる。
【0058】
薬液処理工程S41では、表面側処理液供給部12および処理液供給管路47からウエハWの上面(表面)および下面(裏面)に薬液が供給され、ウエハWの上面(表面)および下面(裏面)が同時に処理されていく。薬液処理工程S41中、回転駆動機構35による回転駆動によって、ベースプレート20およびウエハWは第1回転速度(例えば500rpm)で回転させられ続ける。
【0059】
次に、リンス処理工程S42では、表面側処理液供給部12および処理液供給管路47からウエハWの上面(表面)および下面(裏面)にリンス液が供給され、ウエハWの上面(表面)および下面(裏面)が同時にリンス処理されていく。薬液処理工程S42中、回転駆動機構35による回転駆動によって、ベースプレート20およびウエハWは、第1回転速度よりも速い第2回転速度(例えば1000rpm)で回転させられ続ける。
【0060】
その後、乾燥処理工程S43が実行される。一例として、乾燥処理工程S43は、置換工程と、振り切り乾燥工程と、を含むようにしてもよい。置換工程では、表面側処理液供給部12および処理液供給管路47から乾燥液が供給され、ウエハWの上面および下面上に残留するリンス液(純水)が乾燥液によって置換される。置換工程中、ベースプレート20およびウエハWは、第1回転速度よりも速い第3回転速度(例えば700rpm)で回転させられ続ける。また、振り切り乾燥工程では、ベースプレート20およびウエハWを第1回転速度よりも速い第4回転速度(例えば1000rpm)で回転させながら、表面側ガス供給部13およびガス供給管路45から不活性ガスが供給され、ウエハWの上面および下面上からウエハ上に残留する液体が吹き飛ばされる。
【0061】
このようにして、ウエハWに対して処理工程S4が行われる。本実施の形態においては、ウエハWおよびベースプレート20の回転にともなってウエハWとテーブル15との間の隙間Gに形成された負圧により、ウエハWがテーブル15上に保持される。ウエハWに接触しているのは突出部材22のみであり、しかも、突出部材22とウエハWの接触面積は極めて小さくすることができる。したがって、ベースプレート20の回転中にウエハWの周囲の気流を乱してしまうことを効果的に防止することができる。この結果、テーブル15上に安定して保持されたウエハWに対し、極めて適切に処理を施すことが可能となる。
【0062】
なお、処理工程S4において、ウエハWが定速で回転させられている間、圧力調節装置55による隙間G内雰囲気の吸引は停止している。しかしながら、処理工程S4の間、ウエハWは比較的高速である第1回転速度以上の回転速度で回転している。このため、隙間Gには十分な負圧が形成され、処理工程S4の間、ウエハWをテーブル15上に安定して保持し続けることが可能となる。
【0063】
また、処理工程S4中、圧力監視装置50による隙間G内の圧力の監視は、継続して実施される。処理工程S4において、ウエハWが正常に保持され続けて、ウエハWおよびベースプレート20がほぼ定速で回転させられると、隙間G内の圧力はほぼ一定の値をとるようになる。そして、第1乃至第4の回転速度で回転させた場合での隙間G内の圧力が、予め調査され、制御装置60または記録装置62に予め記録されている。制御装置60は、処理工程S4の間、圧力監視装置50によって測定される圧力と、予め記録された正常時の圧力と、を比較する。この結果、ウエハWの状態、すなわち、ウエハWがテーブル15上に正常に保持され続けているか否かを精度良く確認することができる。ウエハWの保持状態が正常ではないと判断された場合には、当該ウエハWに対する処理を中止する。ウエハWが正常に保持された状態で処理されたと判断された場合、次の工程S5が実行されるようになる。
【0064】
次に、それまで第4回転速度で回転していたベースプレート20およびウエハWの回転速度を減速していく(S5)。なお、この減速工程S5中、圧力調節装置55による隙間G内の雰囲気の吸引が実施される。すなわち、制御装置60は、回転駆動機構35の駆動によるベースプレート20の回転速度が第4回転速度以下になると又は当該第4回転速度未満になると、圧力調節装置55による吸引を実施する。このため、ベースプレート20およびウエハWの回転速度が低くなり、ベースプレート20およびウエハWの回転に起因した隙間G内における負圧の形成が不十分となっても、圧力調節装置55による吸引に起因して隙間G内に十分な負圧が形成される。この結果、ウエハWの突出部材22上でのばたつき(跳ね)やウエハWの突出部材22上での滑り(ずれ)等の異常が生じやすくなる減速工程S5中に、ウエハWをテーブル15上に安定して保持し続けることが可能となる。
【0065】
また、この減速工程S5中、圧力監視装置50による隙間G内の圧力の監視が、継続して実施される。減速工程S5においてウエハWが正常に保持され続けている場合、隙間G内の圧力は回転速度の低下にともなってしだいに低下していく。このときの隙間G内における圧力変動の挙動は、予め調査され、制御装置60または記録装置62に予め記録されている。そして、制御装置60は、回転速度を減速する工程S5の間、圧力監視装置50によって測定される圧力の変化と、予め記録された正常時の圧力変動の挙動と、を比較する。この結果、ウエハWの状態、すなわち、ウエハWがテーブル15上に正常に保持されているか否かを精度良く確認することができる。
【0066】
ベースプレート20およびウエハWの回転が停止すると、圧力調節装置55による吸引が停止され、減速工程S5が終了する。
【0067】
その後、処理済みウエハWの排出が実施される(S6)。排出工程S6においては、まず、昇降プレート25が上昇する(S61)。昇降プレート25が上昇する際、ベースプレート20の突出部材22上に支持されていた処理済みのウエハWは、昇降プレート25のリフトピン27上に移載される。そして、ウエハWを支持した昇降プレート25が所定の位置まで上昇すると、ウエハWは、昇降プレート25から搬送装置65の搬送アーム66へ受け渡される(S62)。
【0068】
このようにしてウエハWに対する一連の処理が終了する。また、次に処理されるべきウエハWが搬送装置65によって持ち込まれ、このウエハWに対して上述した処理と同様の処理が施されていく。
【0069】
以上のような本実施の形態によれば、ベースプレート20とウエハWとを回転させている際にウエハWとテーブル15との間の隙間Gに形成される負圧により、ウエハWをテーブル側へ吸引してテーブル15上に保持することができる。また、ウエハWの中央部Waに対面する位置においてウエハWとのテーブル15との間の隙間Gにその一端が開放された吸引用管路56と、吸引用管路56の他端に連結された吸引機構58と、を有する圧力調節装置55が設けられている。したがって、ウエハWの回転速度が遅い場合には、圧力調節装置55を用いて、ウエハWとテーブル15との間に形成される隙間Gの圧力を十分低くすることができ、これにより、ウエハWをテーブル15上に安定して保持することができる。
【0070】
具体的には、ウエハWの回転速度を加速させていく加速工程S3中および減速工程S5中にウエハWの中央部Waとテーブル15との間の隙間Gの圧力を十分に低下させ、異常の生じやすい加速工程S3中や減速工程S5中にウエハWをテーブル15上に安定して保持することができる。これにより、ウエハWが薄板状であることに起因して加速工程S3中や減速工程S5中に生じやすくなるウエハWのテーブル15上でばたつき(跳ね)や、ウエハWが略円形状の外輪郭を有することに起因して加速工程S3中や減速工程S5中に生じやすくなるウエハWのテーブル15上での滑り(ずれ)等の発生を効果的に防止することができる。
【0071】
また、ウエハWの回転を開始する前に、テーブル15上に支持されたウエハWとテーブル15との間の隙間Gの雰囲気を圧力調節装置55によって吸引し、ウエハWをテーブル15に向けて吸引して保持することも可能である。この場合、ウエハWのテーブル15上でばたつき(跳ね)や、ウエハWのテーブル15に対する滑り(ずれ)等がとりわけ発生しやすいウエハWの回転開始直後に、ウエハWを安定して保持することができる。
【0072】
なお、圧力調節装置55はウエハWに接触することがなく、また、ウエハWの周囲における気流を乱すこともない。したがって、安定して保持されたウエハWに対して適切な処理を施すことができる。
【0073】
また、本実施の形態によれば、ベースプレート20から上昇した昇降プレート25上においてウエハWの受け渡しを実施することができる。この場合、ウエハWをテーブル15の上方へ搬送する搬送アーム66の厚さt2を考慮することなく、突出部材22の突出高さhを設定することができる。したがって、突出部材22の突出高さhを適切に設定して、突出部材22上に支持されたウエハWとテーブル15との間の隙間Gの厚みt1を十分に薄くすることができる。この結果、ウエハWの中央部Waとテーブル15との間における隙間Gの圧力の変化が生じやすくなる。すなわち、ウエハWを回転させることによって、あるいは、圧力調節装置55のよる吸引によって、隙間G内の圧力を大きく低下させることが可能となる。これにより、ウエハWをよりテーブル15上に安定して保持することが可能となる。
【0074】
さらに、本実施の形態によれば、突出部材22がウエハWの周縁部の水平方向外方に位置するようになる規制部22bを有している。したがって、この規制部22bによって、突出部材22の支持部22a上に載置されたウエハWの水平方向への移動を規制することができる。これにより、ウエハWをテーブル15上に安定して保持することができる。
【0075】
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について説明する。
【0076】
例えば、上述した実施の形態において、圧力監視装置50によって測定された隙間G内の圧力によって、ウエハWの状態、例えば、テーブル15上にウエハWが持ち込まれているか否か、ウエハWの支持位置が正常であるか否か、ウエハWの保持状態が正常であるか否か等を確認する例を示したが、これに限られない。一例として、光学系のセンサ(典型的には光電センサ)を用いて、テーブル15上におけるウエハWの状態を確認するようにしてもよい。
【0077】
また、上述した実施の形態において、圧力調節装置55による隙間G内の雰囲気の吸引が、加速工程S3および減速工程S5の全期間にわたって、実施される例を示したが、これに限られない。圧力調節装置55による吸引が、加速工程S3中の一部の期間内だけ、または、減速工程S5中の一部の期間内だけ、実施されるようにしてもよい。一例として、ウエハW(ベースプレート20)の回転速度が予め定められた回転速度(例えば400rpm)以上となっている間または当該予め定められた回転速度を超えている間、圧力調節装置55による吸引が停止されるようにしてもよい。このような制御においては、加速工程S3中における開始時を含む一定の期間、および、減速工程S5中における終了時を含む一定の期間に、圧力調節装置55による吸引が実施されるようになる。
【0078】
さらに、上述した実施の形態においては、処理工程S4中の全期間にわたって、圧力調節装置55による吸引が停止されるようにした例を示したが、これに限られない。例えば、ウエハW(ベースプレート20)の回転速度が比較的に低速となる傾向のある薬液処理工程S41中に、圧力調節装置55による吸引が実施されるようにしてもよい。これにより、ウエハWをさらに安定して保持することが可能となる。
【0079】
さらに、上述した実施の形態において、支持工程S1中に、圧力調節装置55による吸引が実施されない例を示したがこれに限られず、支持工程S1中に、とりわけ、ウエハWを支持した昇降プレート25の下降中に、圧力調節装置55による吸引が実施されるようにしてもよい。この場合、圧力調節装置55による吸引によって、ウエハWが所定の位置に正確に配置されるよう、ウエハWを誘導することが可能となる。また、支持工程S1中に、圧力調節装置55による吸引を実施するとともに、圧力監視装置50によって測定されるウエハW載置前後における圧力の変化に基づき、ウエハWが所定の位置に載置されたか否かを確認するようにしてもよい。圧力調節装置55による吸引を実施しながらウエハWをテーブル15上に載置した場合、ウエハWがテーブル15上の所定の位置に正確に配置されて、ウエハWとテーブル15との間に所定の薄い隙間Gが形成されると、ウエハWの載置前後において隙間G内の圧力が大きく変動するようになる。したがって、圧力監視装置50によって測定される圧力の変化に基づいて、ウエハWがテーブル15上の所定の位置に正確に支持されたか否かを、容易かつ正確に確認することができる。
【0080】
さらに、上述した実施の形態において、制御装置60がベースプレート20の回転速度に基づいて圧力調節装置55による吸引の有無を制御する例を示したが、これに限られない。例えば、制御装置60が隙間G内の圧力に基づいて圧力調節装置55による吸引の有無を制御するようにしてもよい。具体的には、制御装置60が、隙間G内の圧力が予め設定された圧力を超える場合または前記予め設定された圧力以上である場合に、圧力調節装置55による吸引を実施するようにしてもよい。
【0081】
さらに、上述した実施の形態において、テーブル15がベースプレート20と昇降プレート25とからなる例を示したが、これに限られない。例えば、隙間Gにおける圧力を、ウエハWをテーブル15に吸引して保持できる圧力に低下させる隙間がとれるような搬送方式を取る場合、テーブル15が円板状のベースプレートからなるようにしてもよい。この例において、圧力測定用管路51は、回転軸部材30内を延び、さらに、円板状のベースプレートのうちのウエハWの中央部Waに対面するようになる部分を通過して、圧力測定用管路51の一端が、円板状のベースプレートとウエハWの中央部Waとの間に位置する隙間Gに開放されるようにしてもよい。
【0082】
さらに、上述した実施の形態において、昇降プレート25が上昇時にウエハWを下方から支持するように構成されている例を示したが、これに限られず、昇降プレート25が上昇時にウエハWを下方から吸着するように構成されていてもよい。
【0083】
さらに、上述した実施の形態において、圧力測定用管路51の一端および吸引用管路56の一端が、ウエハ(基板)Wの中央部(中心およびその周囲)Waに対面する位置において隙間Gに開放されている例を示したが、これに限られず、中央部Wa以外、例えば中央部Waの周辺において隙間Gに開放されていてもよい。
【0084】
なお、以上において上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。
【0085】
また、以上の説明においては、本発明による基板処理装置を、ウエハWの洗浄処理を行うための装置に適用した例を示しているが、そもそもこれに限られず、LCD基板やCD基板の洗浄処理および乾燥処理に適用してもよく、さらには洗浄処理以外の種々の処理に適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】図1は、本発明による一実施の形態を説明するための図であって、基板処理装置を示す縦断面図である。
【図2】図2は、図1の基板処理装置を示す上面図である。
【図3】図3は、図1の基板処理装置の昇降プレートの動作を説明するための図である。
【図4】図4は、図1の基板処理装置によって実施され得る基板処理方法の一例を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
10 基板処理装置
15 テーブル
20 ベースプレート
20a 開口部
22 突出部材
22a 支持部
22b 規制部
25 昇降プレート
30 回転軸部材
30a 中空部
35 回転駆動機構
40 昇降軸部材
42 昇降駆動機構
55 圧力調節装置
56 吸引用管路
58 吸引機構
60 制御装置
62 記録手段(記憶手段)
W 基板(半導体ウエハ)
G 隙間(空隙)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理装置であって、
上方に突出した突出部材を複数有した回転可能なベースプレートを含むテーブルであって、前記突出部材が基板に下方から接触して、当該基板とテーブルとの間に隙間を形成するようにして基板を支持し得るテーブルと、
前記ベースプレートを回転駆動する回転駆動機構と、
前記隙間にその一端が開放された吸引用管路と、前記吸引用管路に連結された吸引機構と、を有する圧力調節装置と、を備える
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記回転駆動機構および前記圧力調節装置に接続された制御装置を、さらに備え、
前記制御装置は、前記ベースプレートが回転駆動されている際に、少なくとも前記回転駆動機構の駆動による前記ベースプレートの回転速度に基づいて、前記圧力調節装置による吸引を制御するように、構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記回転駆動機構の駆動による前記ベースプレートの回転速度が、予め設定された回転速度以下である場合または前記予め設定された回転速度未満である場合に、前記圧力調節装置による吸引を実施し、予め設定された回転速度を超える場合または前記予め設定された回転速度以上である場合に、前記圧力調節装置による吸引を停止するように、構成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記ベースプレートには、前記基板に対面する位置に開口部が形成され、前記テーブルは、前記ベースプレートの前記開口部に配置された昇降プレートをさらに含み、
前記基板処理装置は、前記ベースプレートに連結されるとともに、前記回転駆動機構に回転駆動されるように連結された回転軸部材であって、前記ベースプレートの前記開口部に連通する中空部を有する回転軸部材と、前記回転軸部材に対して摺動可能に前記回転軸部材の前記中空部内を延び、前記昇降プレートに連結された昇降軸部材と、前記昇降軸部材に連結され、前記昇降軸部材を昇降駆動する昇降駆動機構と、をさらに備え、
前記吸引用管路は前記昇降軸部材内を延び、前記吸引用管路の一端が、前記昇降プレートと前記基板との間に位置する前記隙間に開放されるようになる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記ベースプレートに連結されるとともに、前記回転駆動機構に回転駆動されるように連結された回転軸部材を、さらに備え、
前記吸引用管路は前記回転軸部材内を延び、前記吸引用管路の一端が、前記ベースプレートと前記基板との間に位置する前記隙間に開放されるようになる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記突出部材は、前記基板の周縁部に下方から接触するようになる支持部と、前記支持部よりもさらに上方まで延び、前記基板の周縁部の側方に位置するようになる規制部と、を含む
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理方法であって、
上方に突出した突出部材を複数有したテーブルの前記突出部材上に基板を載置し、前記基板と前記テーブルとの間に隙間を形成するようにして前記基板を支持する支持工程と、
前記支持した基板を回転させはじめ、基板の回転速度を加速していく加速工程と、
前記基板を回転させながら、前記基板を処理する処理工程と、を備え、
前記加速工程中の少なくとも一期間、前記隙間にその一端が開放された吸引用管路と、前記吸引用管路に連結された吸引機構と、を有する圧力調節装置によって前記隙間の雰囲気を吸引する
こと特徴とする基板処理方法。
【請求項8】
前記加速工程中の圧力調節装置による吸引は、少なくとも基板の回転速度が予め定められた回転速度以上となるまで又は前記予め定められた回転速度を超えるまで、実施される
ことを特徴とする請求項7に記載の基板処理方法。
【請求項9】
前記支持工程の後であって前記加速工程の前に実施される工程であって、前記圧力調節装置によって前記隙間の雰囲気を吸引し、前記基板をテーブルに向けて吸引して保持する保持工程を、さらに備える
ことを特徴とする請求項7または8に記載の基板処理方法。
【請求項10】
基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理方法であって、
上方に突出した突出部材を複数有したテーブルの前記突出部材上に基板を載置し、前記基板と前記テーブルとの間に隙間を形成するようにして前記基板を支持する支持工程と、
前記隙間にその一端が開放された吸引用管路と、前記吸引用管路に連結された吸引機構と、を有する圧力調節装置によって前記隙間の雰囲気を吸引し、前記基板をテーブルに向けて吸引して保持する保持工程と、
前記基板を回転させながら、前記基板を処理する処理工程と、を備える
ことを特徴とする基板処理方法。
【請求項11】
前記処理工程中の少なくとも一期間、前記圧力調節装置による吸引を停止する
ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記処理工程は、前記回転中の基板に対して異なる処理を行う複数の工程を含み、
複数の工程のうちの少なくともいずれか一つの工程中、圧力調節装置による吸引を停止する
ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか一項に基板処理方法。
【請求項13】
前記処理工程中、基板の回転速度が予め定められた回転速度以上となっている間または前記予め定められた回転速度を超えている間、圧力調節装置による吸引を停止する
ことを特徴とする請求項7乃至12のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項14】
基板処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムであって、
前記制御装置によって実行されることにより、
基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理方法であって、
上方に突出した突出部材を複数有したテーブルの前記突出部材上に基板を載置し、前記基板と前記テーブルとの間に隙間を形成するようにして前記基板を支持する支持工程と、
前記支持した基板を回転させはじめ、基板の回転速度を加速していく加速工程と、
前記基板を回転させながら、前記基板を処理する処理工程と、を備え、
前記加速工程中の少なくとも一期間、前記隙間にその一端が開放された吸引用管路と、前記吸引用管路に連結された吸引機構と、を有する圧力調節装置によって前記隙間の雰囲気を吸引する、被処理基板の処理方法を
基板処理装置に実施させることを特徴とするプログラム。
【請求項15】
基板処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムであって、
前記制御装置によって実行されることにより、
基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理方法であって、
上方に突出した突出部材を複数有したテーブルの前記突出部材上に基板を載置し、前記基板と前記テーブルとの間に隙間を形成するようにして前記基板を支持する支持工程と、
前記隙間にその一端が開放された吸引用管路と、前記吸引用管路に連結された吸引機構と、を有する圧力調節装置によって前記隙間の雰囲気を吸引し、前記基板をテーブルに向けて吸引して保持する保持工程と、
前記基板を回転させながら、前記基板を処理する処理工程と、を備える、被処理基板の処理方法を
基板処理装置に実施させることを特徴とするプログラム。
【請求項16】
基板処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムが記録された記録媒体であって、
前記プログラムが前記制御装置によって実行されることにより、
基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理方法であって、
上方に突出した突出部材を複数有したテーブルの前記突出部材上に基板を載置し、前記基板と前記テーブルとの間に隙間を形成するようにして前記基板を支持する支持工程と、
前記支持した基板を回転させはじめ、基板の回転速度を加速していく加速工程と、
前記基板を回転させながら、前記基板を処理する処理工程と、を備え、
前記加速工程中の少なくとも一期間、前記隙間にその一端が開放された吸引用管路と、前記吸引用管路に連結された吸引機構と、を有する圧力調節装置によって前記隙間の雰囲気を吸引する、被処理基板の処理方法を
基板処理装置に実施させることを特徴とする記録媒体。
【請求項17】
基板処理装置を制御する制御装置によって実行されるプログラムが記録された記録媒体であって、
前記プログラムが前記制御装置によって実行されることにより、
基板の板面が水平方向に沿うようにして当該基板を回転させながら処理する基板処理方法であって、
上方に突出した突出部材を複数有したテーブルの前記突出部材上に基板を載置し、前記基板と前記テーブルとの間に隙間を形成するようにして前記基板を支持する支持工程と、
前記隙間にその一端が開放された吸引用管路と、前記吸引用管路に連結された吸引機構と、を有する圧力調節装置によって前記隙間の雰囲気を吸引し、前記基板をテーブルに向けて吸引して保持する保持工程と、
前記基板を回転させながら、前記基板を処理する処理工程と、を備える、被処理基板の処理方法を
基板処理装置に実施させることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−295669(P2009−295669A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−145744(P2008−145744)
【出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】