説明

基板処理装置、基板処理方法、プログラムならびに記録媒体

【課題】乾燥ユニットにおける基板に対する乾燥性能を向上させることができる基板処理装置、基板処理方法、プログラムならびに記録媒体を提供する。
【解決手段】まず乾燥ユニット23においてチャンバー壁39を加熱する。そして、チャンバー壁39の外部にある大気の温度よりも低い温度のガスである冷却ガスを乾燥ユニット23のチャンバー23a内に供給することによりチャンバー23a内にある加熱されたN2ガスを冷却ガスに置換する。その後、ウエハWを洗浄槽22内から乾燥ユニット23のチャンバー23a内まで移動させる。そして、ウエハWを洗浄槽22内から乾燥ユニット23のチャンバー23a内まで移動させる間に、またはウエハWを洗浄槽22内から乾燥ユニット23のチャンバー23a内まで移動させた後に、チャンバー23a内に乾燥ガスを供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウエハやLCD用ガラス基板等の基板を薬液やリンス液等の洗浄液に浸漬して洗浄した後、この洗浄が行われた基板を乾燥するような基板処理装置、基板処理方法、プログラムならびに記録媒体に関し、とりわけ、乾燥ユニットにおける基板に対する乾燥性能を向上させることができる基板処理装置、基板処理方法、プログラムならびに記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、半導体製造装置における製造工程においては、半導体ウエハやLCD用ガラス等の基板(以下にウエハ等という)を、薬液やリンス液等の洗浄液が貯留された洗浄槽に順次浸漬して洗浄を行う洗浄処理方法が広く採用されている。また、洗浄後のウエハ等の表面に例えばIPA(イソプロピルアルコール)等の揮発性を有する有機溶剤の蒸気からなる乾燥ガスを接触させて、乾燥ガスの蒸気をウエハ等の表面に凝縮あるいは吸着させて、その後N2ガス等の不活性ガスをウエハ等の表面に供給することによりウエハ等の表面にある水分の除去及び乾燥を行う乾燥処理方法が知られている。
【0003】
この種の洗浄処理方法および乾燥処理方法の両方を行う基板処理装置においては、薬液やリンス液等の洗浄液を貯留する洗浄槽が設置されており、この洗浄槽の上方に、当該洗浄槽の洗浄液に浸漬されたウエハを乾燥するための乾燥ユニットが設けられている。この乾燥ユニットは、チャンバー(乾燥室)を内部に形成するチャンバー壁を有しており、洗浄槽内の洗浄液に浸漬されたウエハは乾燥ユニットのチャンバー内に移動させられ、このチャンバー内に乾燥ガスが供給されることによりウエハの乾燥が行われるようになっている(例えば、特許文献1等参照)。
【0004】
特許文献1等に示す従来の基板処理装置においては、まず洗浄槽に貯留された洗浄液にウエハ等を浸し、このウエハ等の洗浄を行う。この際に、チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも高い温度の高温N2ガスを予めチャンバー内に供給しておき、チャンバー内を高温ガスで充満させるとともに、チャンバー壁を加熱しておく。ここで、チャンバー壁を加熱するために、チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも高い温度の高温N2ガスをチャンバー内に供給する代わりに、チャンバー壁にヒータを設け、このヒータによりチャンバー壁を加熱してもよい。この場合でも、チャンバー壁がヒータにより加熱されると、このチャンバー壁によりチャンバー内のガスは加熱されて高温ガスとなる。
【0005】
その後、ウエハを洗浄槽内の洗浄液から引き上げて乾燥ユニットのチャンバー内に移動させ、シャッタ等によりチャンバーを密閉状態にする。そして、チャンバー内に乾燥ガスを供給し、この乾燥ガスをウエハ等の表面に接触させることにより、乾燥ガスの蒸気をウエハの表面に凝縮あるいは吸着させる。その後、不活性ガスをウエハ等の表面に供給することによりウエハ等の表面にある水分の除去及び乾燥を行う。
【0006】
【特許文献1】特開平10−154688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のような基板処理装置において、ウエハを洗浄槽内の洗浄液から引き上げて乾燥ユニットのチャンバー内に移動させる前に、チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも高い温度の高温N2ガスを予めチャンバー内に供給しておき、チャンバー内を高温ガスで充満させるとともに、チャンバー壁を加熱している。ウエハをチャンバー内に移動させる前にチャンバー壁を予め加熱しておく理由としては、もしチャンバー壁の温度が低い場合には、チャンバー内に乾燥ガスを供給した際にこの乾燥ガスがチャンバー壁により冷却されて凝縮してしまい、ウエハの表面に凝縮あるいは吸着される乾燥ガスの量が低減し、ウエハに対する乾燥性能が劣るようになってしまうからである。また、上述のような基板処理装置においては、チャンバー内に乾燥ガスを供給するためのノズルを用いて、チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも高い温度の高温N2ガスをチャンバー内に供給するのが一般的である。このため、このようなノズルで高温N2ガスをチャンバー内に供給すれば、当該ノズル内に残留した乾燥ガスがこのノズル内で結露することを防止することができる。
【0008】
しかしながら、チャンバー壁が加熱されるとチャンバー内のガスも高温ガスとなるため、ウエハを洗浄槽内の洗浄液から引き上げて乾燥ユニットのチャンバー内に移動させたときに、このウエハの温度も上昇してしまう。ウエハの温度が上昇すると、当該ウエハの表面に凝縮あるいは吸着される乾燥ガスの量が低減してしまい、ウエハに対する乾燥性能が低下するおそれがある。
【0009】
このように、本願の発明者は、乾燥ユニットにおいてウエハの乾燥を行う際に、チャンバー壁を高温に維持しつつ、チャンバー内のガスを大気の温度よりも低い温度にした場合に、乾燥ガスがチャンバー壁により冷却されて凝縮してしまうことを防止することができ、かつチャンバー内に移動させられるウエハの温度が上昇することを抑制し、このウエハの表面に凝縮あるいは吸着される乾燥ガスの量が低減してしまうことを防止することができるということを発見した。
【0010】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、乾燥ユニットのチャンバー壁を予め加熱しておき、チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも低い温度のガスである冷却ガスをチャンバー内に供給することによりチャンバー内にある加熱されたガスを冷却ガスに置換することにより、チャンバー壁を高温に維持しつつ、チャンバー内のガスを大気の温度よりも低い温度にすることで、乾燥ガスがチャンバー壁により冷却されて凝縮してしまうことを防止しつつ、チャンバー内に移動させられる基板の温度が上昇することを抑制し、この基板の表面に凝縮あるいは吸着される乾燥ガスの量が低減してしまうことを防止し、このことにより、乾燥ユニットにおける基板に対する乾燥性能を向上させることができる基板処理装置、基板処理方法、プログラムならびに記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の基板処理装置は、基板の洗浄液を貯留する洗浄槽と、前記洗浄槽の近傍に配置された乾燥ユニットであって、チャンバーを内部に形成するチャンバー壁、前記チャンバー壁を加熱するためのチャンバー壁加熱部、および前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも低い温度のガスである冷却ガスを前記チャンバー内に供給する冷却ガス供給部を有し、前記チャンバー内に乾燥ガスを供給することにより基板の乾燥を行う乾燥ユニットと、基板を保持して当該基板を前記洗浄槽内と前記乾燥ユニットのチャンバー内との間で移動させる保持部と、前記チャンバー壁加熱部、前記冷却ガス供給部および前記保持部の制御を行う制御部であって、まず前記洗浄槽に貯留された洗浄液に基板を浸し、次に前記乾燥ユニットにおいて前記チャンバー壁加熱部によりチャンバー壁を加熱し、前記冷却ガス供給部により冷却ガスを前記チャンバー内に供給することにより前記チャンバー内にある加熱されたガスを冷却ガスに置換し、その後前記保持部により基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させるよう、前記チャンバー壁加熱部、前記冷却ガス供給部および前記保持部の制御を行う制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
このような基板処理装置によれば、まず乾燥ユニットにおいてチャンバー壁を加熱し、チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも低い温度のガスである冷却ガスをチャンバー内に供給することによりチャンバー内にある加熱されたガスを冷却ガスに置換し、その後、基板を洗浄槽内から乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させている。そして、チャンバー内に乾燥ガスを供給することにより基板の乾燥を行っている。
【0013】
このように、乾燥ユニットにおいてチャンバー壁を加熱した後、冷却ガスをチャンバー内に供給することにより、チャンバー内にある加熱されたガスを冷却ガスに置換しているので、チャンバー壁を高温に維持しつつ、チャンバー内のガスを大気の温度よりも低い温度にすることができる。
【0014】
このため、乾燥ガスがチャンバー壁により冷却されて凝縮してしまうことを防止しつつ、チャンバー内に移動させられる基板の温度が上昇することを抑制し、この基板の表面に凝縮あるいは吸着される乾燥ガスの量が低減してしまうことを防止することができる。このことにより、乾燥ユニットにおける基板に対する乾燥性能を向上させることができる。
【0015】
ここで、前記冷却ガス供給部により前記チャンバー内に供給される冷却ガスは不活性ガスであることが好ましい。
【0016】
本発明の基板処理装置においては、前記チャンバー壁加熱部は、前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも高い温度のガスを前記チャンバー内に供給する加熱ガス供給部であることが好ましい。
【0017】
この場合、前記チャンバー内において、前記冷却ガス供給部は前記加熱ガス供給部よりも上方に配置されていることがより好ましい。このことにより、加熱ガス供給部よりも上方の位置から冷却ガス供給部により冷却ガスをチャンバー内に供給することができるようになり、チャンバー内にある加熱されたガスを、より一層確実に、冷却ガスに置換することができるようになる。さらに、前記冷却ガス供給部は、前記チャンバーの上部領域において前記チャンバー壁の近傍に設けられていることが好ましい。このことにより、冷却ガス供給部によりチャンバー内に供給される冷却ガスはこのチャンバー内で下方に流れることとなり、チャンバー内にある加熱されたガスを、さらに確実に、冷却ガスに置換することができるようになる。また、この場合、前記乾燥ユニットのチャンバー壁には、チャンバー内のガスの排気を行う排気口が設けられており、この排気口は前記加熱ガス供給部よりも下方に配置されていることが好ましい。このことにより、チャンバー内のガスは下方に流れて排気口から排出されるようになるので、チャンバー内にある加熱されたガスを、さらに確実に、冷却ガスに置換することができるようになる。
【0018】
上述の基板処理装置においては、前記制御部は、前記冷却ガス供給部により冷却ガスを前記チャンバー内に供給する際に前記加熱ガス供給部により前記チャンバー内に供給されるガスの流量を低減させるよう前記冷却ガス供給部および前記加熱ガス供給部の制御を行うことが好ましい。あるいは、前記制御部は、前記冷却ガス供給部により冷却ガスを前記チャンバー内に供給する際に前記加熱ガス供給部による前記チャンバー内へのガスの供給を停止させるよう前記冷却ガス供給部および前記加熱ガス供給部の制御を行うようになっていてもよい。このように、冷却ガス供給部により冷却ガスをチャンバー内に供給する際に、加熱ガス供給部によりチャンバー内に供給されるガスの流量を低減したり加熱ガス供給部によるガスの供給を停止させたりするようにしているので、チャンバー内にある加熱されたガスを、より一層確実に、冷却ガス供給部から供給される冷却ガスに置換することができるようになる。
【0019】
本発明の基板処理装置においては、前記チャンバー壁加熱部は、前記チャンバー壁に設けられたヒータであることが好ましい。
【0020】
本発明の基板処理装置においては、前記乾燥ユニットは、前記チャンバー内に乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給部を有し、前記乾燥ガス供給部は、前記チャンバー内に配置され当該チャンバー内に乾燥ガスを噴射するノズルを有し、このノズルには、当該ノズルを加熱する加熱部が設けられていることが好ましい。このことにより、乾燥ガス供給部のノズルから乾燥ガスが供給された後、このノズルの内部に残留した乾燥ガスは、加熱部により加熱させられる。このため、ノズルの内部に残留した乾燥ガスがこのノズル内で結露することを防止することができる。
【0021】
本発明の基板処理装置においては、前記乾燥ガスは、有機溶剤の蒸気であってもよい。
【0022】
本発明の基板処理方法は、基板の洗浄液を貯留する洗浄槽および当該洗浄槽の近傍に配置された乾燥ユニットを備えた基板処理装置における基板の処理方法であって、前記洗浄槽に貯留された洗浄液に基板を浸す工程と、前記乾燥ユニットにおいて、チャンバーを内部に形成するチャンバー壁を加熱する工程と、前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも低い温度のガスである冷却ガスを前記チャンバー内に供給することにより前記チャンバー内にある加熱されたガスを冷却ガスに置換する工程と、基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させる工程と、基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させる間に、または基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させた後に、前記チャンバー内に乾燥ガスを供給する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
このような基板処理方法によれば、まず乾燥ユニットにおいてチャンバー壁を加熱し、チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも低い温度のガスである冷却ガスをチャンバー内に供給することによりチャンバー内にある加熱されたガスを冷却ガスに置換し、その後、基板を洗浄槽内から乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させている。そして、基板を洗浄槽内から乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させる間に、または基板を洗浄槽内から乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させた後に、チャンバー内に乾燥ガスを供給することにより基板の乾燥を行っている。
【0024】
このように、乾燥ユニットにおいてチャンバー壁を加熱した後、冷却ガスをチャンバー内に供給することにより、チャンバー内にある加熱されたガスを冷却ガスに置換しているので、チャンバー壁を高温に維持しつつ、チャンバー内のガスを大気の温度よりも低い温度にすることができる。
【0025】
このため、乾燥ガスがチャンバー壁により冷却されて凝縮してしまうことを防止しつつ、チャンバー内に移動させられる基板の温度が上昇することを抑制し、この基板の表面に凝縮あるいは吸着される乾燥ガスの量が低減してしまうことを防止することができる。このことにより、乾燥ユニットにおける基板に対する乾燥性能を向上させることができる。
【0026】
本発明の基板処理方法においては、前記チャンバー壁を加熱する際に、前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも高い温度のガスを前記チャンバー内に供給し、このチャンバー内に供給されたガスにより前記チャンバー壁を加熱することが好ましい。
【0027】
この場合、冷却ガスを前記チャンバー内に供給する際に、当該チャンバー内に供給される前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも高い温度のガスの流量を低減させることがより好ましい。あるいは、冷却ガスを前記チャンバー内に供給する際に、前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも高い温度のガスの前記チャンバー内への供給を停止させてもよい。このように、冷却ガスをチャンバー内に供給する際に、当該チャンバー内に供給される加熱されたガスの流量を低減したり加熱されたガスの供給を停止させたりするようにしているので、チャンバー内にある加熱されたガスを、より一層確実に、冷却ガスに置換することができるようになる。
【0028】
本発明の基板処理方法においては、前記チャンバー壁を加熱する際に、このチャンバー壁に設けられたヒータにより当該チャンバー壁を加熱することが好ましい。
【0029】
本発明のプログラムは、基板の洗浄液を貯留する洗浄槽および当該洗浄槽の近傍に配置された乾燥ユニットを備えた基板処理装置の制御コンピュータにより実行することが可能なプログラムであって、当該プログラムを実行することにより、前記制御コンピュータが前記基板処理装置を制御して基板処理方法を実行させるものにおいて、前記基板処理方法が、前記洗浄槽に貯留された洗浄液に基板を浸す工程と、前記乾燥ユニットにおいて、チャンバーを内部に形成するチャンバー壁を加熱する工程と、前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも低い温度のガスである冷却ガスを前記チャンバー内に供給することにより前記チャンバー内にある加熱されたガスを冷却ガスに置換する工程と、基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させる工程と、基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させる間に、または基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させた後に、前記チャンバー内に乾燥ガスを供給する工程と、を備えたものであることを特徴とする。
【0030】
本発明の記録媒体は、基板の洗浄液を貯留する洗浄槽および当該洗浄槽の近傍に配置された乾燥ユニットを備えた基板処理装置の制御コンピュータにより実行することが可能なプログラムが記録された記録媒体であって、当該プログラムを実行することにより、前記制御コンピュータが前記基板処理装置を制御して基板処理方法を実行させるものにおいて、前記基板処理方法が、前記洗浄槽に貯留された洗浄液に基板を浸す工程と、前記乾燥ユニットにおいて、チャンバーを内部に形成するチャンバー壁を加熱する工程と、前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも低い温度のガスである冷却ガスを前記チャンバー内に供給することにより前記チャンバー内にある加熱されたガスを冷却ガスに置換する工程と、基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させる工程と、基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させる間に、または基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させた後に、前記チャンバー内に乾燥ガスを供給する工程と、を備えたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明の基板処理装置、基板処理方法、プログラムならびに記録媒体によれば、乾燥ユニットにおける基板に対する乾燥性能を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この実施形態では本発明を半導体ウエハの洗浄処理システムに適用した場合について説明する。
【0033】
図1は本発明に係る基板処理装置を適用した洗浄処理システムの一例を示す概略平面図であり、図2はその概略側面図である。
【0034】
図1、2に示す洗浄処理システムは、被処理体である半導体ウエハW(以下にウエハという)を水平状態に収納する容器例えばキャリア1を搬入、搬出するための搬送部2と、ウエハWを薬液、洗浄液等で処理すると共に乾燥処理を行う処理部3と、搬送部2と処理部3との間に位置してウエハWの受渡し、位置調整及び姿勢変換等を行うインターフェース部4とで主に構成されている。
【0035】
搬送部2は、洗浄処理システムの一側端部に併設して設けられる搬入部5と搬出部6とで構成されている。また、搬入部5及び搬出部6におけるキャリア1の搬入口5a及び搬出口6aには、キャリア1を搬入部5、搬出部6に出し入れ自在のスライド式の載置テーブル7が設けられている。また、搬入部5と搬出部6には、それぞれキャリアリフタ8が配設されており、このキャリアリフタ8によって搬入部間又は搬出部間でのキャリア1の搬送を行うことができると共に、空のキャリア1について搬送部2上方に設けられたキャリア待機部9への受け渡し及びキャリア待機部9からの受け取りを行うことができるように構成されている(図2参照)。
【0036】
インターフェース部4は、区画壁4cによって搬入部5に隣接する第1の室4aと、搬出部6に隣接する第2の室4bとに区画されている。そして、第1の室4a内には、搬入部5のキャリア1から複数枚のウエハWを取り出して搬送する水平方向(X・Y方向)移動、鉛直方向(Z方向)移動及び回転(θ方向)可能なウエハ取出しアーム10と、ウエハWに設けられたノッチを検出するノッチアライナー11と、ウエハ取出しアーム10によって取り出された複数枚のウエハWの間隔を調整する間隔調整機構12とを具備すると共に、水平状態のウエハWを垂直状態に変換する第1の姿勢変換装置13が配設されている。
【0037】
また、第2の室4b内には、処理済みの複数枚のウエハWを処理部3から垂直状態のまま受け取って搬送するウエハ受渡しアーム14と、ウエハ受渡しアーム14から受け取ったウエハWを垂直状態から水平状態に変換する第2の姿勢変換装置13Aと、この第2の姿勢変換装置13Aによって水平状態に変換された複数枚のウエハWを受け取って搬出部6に搬送された空のキャリア1内に収納する水平方向(X・Y方向)移動、鉛直方向(Z方向)移動及び回転(θ方向)可能なウエハ収納アーム15が配設されている。なお、第2の室4bは外部から密閉されており、図示しない不活性ガス例えば窒素(N2)ガスの供給源から供給されるN2ガスによって室内の雰囲気がN2ガスに置換されるように構成されている。
【0038】
一方、処理部3には、ウエハWに付着するパーティクルや有機物汚染を除去する第1の処理ユニット16と、ウエハWに付着する金属汚染を除去する第2の処理ユニット17と、ウエハWに付着する化学酸化膜を除去すると共に乾燥処理を行う洗浄・乾燥処理ユニット18及びチャック洗浄ユニット19とが直線状に配列されている。これらの各ユニット16〜19と対向する位置に設けられた搬送路20に、水平方向(X・Y方向)移動、鉛直方向(Z方向)移動及び回転(θ)可能なウエハ搬送アーム21が配設されている。
【0039】
次に、本発明に係る基板処理装置(洗浄・乾燥処理ユニット18)の構成の詳細について図3を用いて以下に説明する。図3は、本発明に係る基板処理装置の断面図である。
【0040】
洗浄・乾燥処理ユニット18は、図3に示すように、例えばフッ化水素酸等の薬液や純水等の洗浄液を貯留(収容)し、貯留した洗浄液にウエハWを浸漬する洗浄槽22と、洗浄槽22の上方に位置する乾燥ユニット23と、複数枚、例えば50枚のウエハWを保持してこのウエハWを洗浄槽22内及び乾燥ユニット23のチャンバー(乾燥室)23a内の間で移動させるウエハボード24(保持部)とで主に構成されている。また、洗浄・乾燥処理ユニット18において、各構成要素の制御を行う制御部60が設けられている。
【0041】
洗浄槽22は、例えば石英製部材やポリプロピレンにて形成される内槽22aと、この内槽22aの上端部外側に配設されて内槽22aからオーバーフローした洗浄液を受け止める外槽22bとで構成されている。また、内槽22aの下部両側には洗浄槽22内に位置するウエハWに向かって洗浄液を噴射する左右一対の洗浄液供給ノズル25が配設されている。この洗浄液供給ノズル25に接続される図示しない薬液供給源及び純水供給源から切換弁によって当該洗浄液供給ノズル25に薬液又は純水が供給されて洗浄槽22内に薬液又は純水が貯留されるようになっている。また、内槽22aの底部には排出口が設けられており、この排出口に、排出バルブ26aが介設されたドレン管26が接続されている。外槽22bの底部に設けられた排出口にも、排出バルブ27aが介設されたドレン管27が接続されている。なお、外槽22bの外側には排気ボックス28が配設されており、この排気ボックス28に設けられた排気口に、バルブ29aが介設された排気管29が接続されている。
【0042】
上述のように構成される洗浄槽22と排気ボックス28は、有底筒状のボックス30内に配設されている。ボックス30を水平に仕切る仕切板31によって、洗浄槽22側の上部室32aと、内槽22a及び外槽22bに接続するドレン管26、27の排液口ならびに排気管29の排気口が各々あるような下部室32bとが区画されている。このことにより、下部室32b内の雰囲気や、飛散した排液等が、上部室32a内に入り込むことを防ぎ、上部室32a内が清浄に保たれる。なお、上部室32aの側壁には排気窓33が設けられている。一方、下部室32bの上部側壁には排気窓34が、下部側壁には排液口35がそれぞれ設けられている。
【0043】
乾燥ユニット23は、チャンバー23aを内部に形成するチャンバー壁39を有している。図3に示すように、チャンバー壁39は、断面逆U字形状の石英製部材により形成された上部分39bと、Oリング38等のシール部材を介して上部分39bに密接する、石英製部材により形成された下部分39cとから構成されている。また、乾燥ユニット23のチャンバー23a内においてチャンバー壁39の下部分39cの近傍には、チャンバー壁39に沿って設けられた左右一対の下部ガス供給ノズル44および左右一対の上部ガス供給ノズル42が配設されている。図3に示すように、各下部ガス供給ノズル44および各上部ガス供給ノズル42は、チャンバー23a内において上下方向に近接して配設されている。さらに、チャンバー23a内において、上部ガス供給ノズル42の上方には左右一対の冷却ガス供給ノズル40が配設されている。各冷却ガス供給ノズル40は、チャンバー23aの上部領域においてチャンバー壁39の上部分39bの頂部の近傍に設けられている。各ガス供給ノズル40、42、44の詳細については後述する。
【0044】
チャンバー壁39の上部分39bの頂部には貫通孔39aが設けられており、この貫通孔39a内にウエハボート24のロッド(図示せず)が鉛直方向(図3の上下方向)に摺動可能に貫通している。そして、貫通孔39aとロッドとの隙間にシール機構が介設されて貫通孔39aとロッドとの間の隙間の気密性が保持されている。
【0045】
チャンバー壁39の下部分39cにおける、下部ガス供給ノズル44よりも下方の位置には、チャンバー23a内のガスを排気させるガス排気孔80が設けられており、このガス排気孔80にはガス排気管82が接続されている。また、ガス排気管82にはバルブ84が介設されている。バルブ84が開状態のときには、チャンバー23a内にあるガスはガス排気孔80からガス排気管82を介して外部に自然排気されるようになっている。一方、バルブ84が閉状態のときには、チャンバー23a内にあるガスは外部に排気されることはない。このようなバルブ84の開閉は、制御部60により行われるようになっている。
【0046】
下部ガス供給ノズル44は、略水平方向に延びるパイプおよびこのパイプに等間隔で設けられた複数のノズル孔から構成されており、各ノズル孔は、略水平方向、略水平方向よりも斜め下方または鉛直方向下方に向いている。このことにより、チャンバー23a内においてこの下部ガス供給ノズル44から、IPA等の揮発性を有する有機溶剤の蒸気からなる乾燥ガスやN2ガスが略水平方向、略水平方向よりも斜め下方または鉛直方向下方に供給されるようになっている。
【0047】
上部ガス供給ノズル42は、略水平方向に延びるパイプおよびこのパイプに等間隔で設けられた複数のノズル孔から構成されており、各ノズル孔は、略水平方向よりも斜め上方または鉛直方向上方に向いている。このことにより、チャンバー23a内においてこの上部ガス供給ノズル42から、乾燥ガスやN2ガスが略水平方向よりも斜め上方または鉛直方向上方に供給されるようになっている。
【0048】
冷却ガス供給ノズル40は、略水平方向に延びるパイプおよびこのパイプに等間隔で設けられた複数のノズル孔から構成されており、各ノズル孔は、鉛直方向下方に向いている。このことにより、チャンバー23a内においてこの冷却ガス供給ノズル42から、N2ガスが冷却されたガスである冷却N2ガスが鉛直方向下方に供給されるようになっている。
【0049】
図3に示すように、各下部ガス供給ノズル44はガス供給管44aに接続されており、また各上部ガス供給ノズル42はガス供給管42aに接続されている。そして、ガス供給管44aおよびガス供給管42aは合流してガス供給管48に接続されている。なお、ガス供給管44aおよびガス供給管42aの合流箇所の近傍においてガス供給管44aにバルブ44bが介設されているとともにガス供給管42aにバルブ42bが介設されている。そして、各バルブ42b、44bが制御部60によって制御されることにより、ガス供給管48からのガス供給管44aまたはガス供給管42aへのガスの流れが切り換えられるようになっている。
【0050】
また、各冷却ガス供給ノズル40はガス供給管40aに接続されている。図3に示すように、このガス供給管40aには冷却機構41が介設されており、後述するN2ガスの供給源56からガス供給管40aに送られたN2ガスは冷却機構41により冷却されるようになっている。このため、各冷却ガス供給ノズル40に送られるガスは、チャンバー壁39の外部にある大気の温度よりも低い温度(具体的には例えば15〜20℃)のものとなっている。
【0051】
図3に示すように、IPA等の揮発性を有する有機溶剤の蒸気からなる70〜80℃の乾燥ガスの供給源50(図3ではIPAと表記している)および40〜50℃のN2ガスの供給源52(図3ではN2と表記している)が設置されており、各供給源50、52はそれぞれガス供給管48に接続されている。各供給源50、52からガス供給管48への乾燥ガスまたはN2ガスの供給は、バルブ50a、52aにより調整されるようになっている。バルブ50a、52aはそれぞれ制御部60によって制御されるようになっている。このことにより、制御部60の制御によって、上部ガス供給ノズル42および下部ガス供給ノズル44の各々に、乾燥ガスまたはN2ガスを選択的に送ることができるようになっている。
【0052】
また、N2ガスの供給源56(図3ではN2と表記している)が更に設置されており、この供給源56はガス供給管40aに接続されている。供給源56からガス供給管40aへのN2ガスの供給は、バルブ56aにより調整されるようになっている。バルブ56aは制御部60によって制御されるようになっている。このことにより、制御部60の制御によって、冷却ガス供給ノズル40に、チャンバー壁39の外部にある大気の温度よりも低い温度のガスである冷却ガスを送ることができるようになっている。
【0053】
また、図3に示すように、洗浄槽22の開口部22cの両側には、N2ガスを開口部22c中心に向かって噴射するN2ガス供給ノズル46が設置されている。このN2ガス供給ノズル46は、略水平方向に延びるパイプおよびこのパイプに等間隔で設けられた複数のノズル孔から構成されており、各ノズル孔は、N2ガスを開口部22cの中心に向かって噴射するよう略水平方向に向いている。各N2ガス供給ノズル46はガス供給管46aに接続されており、このガス供給管46aはN2ガスの供給源54に接続されている。N2ガスの供給源54からガス供給管46aへのN2ガスの供給はバルブ54aにより調整されるようになっており、このバルブ54aは制御部60によって制御されるようになっている。このことにより、制御部60の制御によって、N2ガス供給ノズル46にN2ガスを送ることができるようになっている。
【0054】
ウエハボード24は、複数枚、例えば50枚のウエハWを僅かな隙間を隔てて立位状態で保持するようになっている。このウエハボード24は、ウエハボード駆動機構(図示せず)により洗浄槽22内と乾燥ユニット23のチャンバー23a内との間で鉛直方向に移動させられるようになっている。具体的には、ウエハボード24が洗浄槽22内に移動させられたときには、このウエハボード24に保持されるウエハWは洗浄槽22内の洗浄液に浸されるようになっている。一方、ウエハボード24がチャンバー23a内に移動させられたときには、このウエハボード24に保持されるウエハWはチャンバー23a内に完全に収容されるようになる。
【0055】
シャッタ36は、図3の実線に示すようにチャンバー23aを閉じる閉止位置と、図3の二点鎖線に示すようにチャンバー23aを開く開放位置との間で水平方向に往復移動するようになっている。このようなシャッタ36の往復移動はシャッタ駆動機構58により行われるようになっており、シャッタ駆動機構58は制御部60により制御されるようになっている。シャッタ36の上面にはシール部材が設けられており、シャッタ36が閉止位置にあるときにおいてこのシール部材によりチャンバー23aが密閉状態とされるようになっている。
【0056】
次に、制御部60について説明する。上述したように、制御部60は、洗浄・乾燥処理ユニット18の各構成要素に接続され、各構成要素の動作を制御するようになっている。制御部60における制御内容は、図4における洗浄・乾燥処理ユニット18の一連の動作の流れを示す説明図および図5におけるフローチャートに示されるようなものとなっているが、その詳細については後述する。本実施の形態において、制御部60は、CPUからなる制御コンピュータと、この制御コンピュータに接続された記録媒体とを有している。
記録媒体には、後述するウエハWの処理方法を実行するためのプログラムが、各種の設定データ等とともに格納されている。記録媒体は、ROMやRAMなどのメモリー、ハードディスク、CD−ROMなどのディスク状記録媒体、その他の公知な記録媒体から構成され得る。
【0057】
次に、このような構成からなる洗浄・乾燥処理ユニット18の動作について、図4および図5を用いて説明する。図4は、本発明に係る基板処理装置(洗浄・乾燥処理ユニット18)における一連の洗浄処理および乾燥処理の動作を順に示す説明図であり、図5は、本発明に係る基板処理装置(洗浄・乾燥処理ユニット18)における一連の洗浄処理および乾燥処理の動作を示すフローチャートである。なお、以下に示すような一連の洗浄処理および乾燥処理は、制御部60の記憶媒体に記憶されたプログラムに従って、制御部60の制御コンピュータが洗浄・乾燥処理ユニット18のバルブ42b、44b、50a、52a、54a、56a、シャッタ駆動機構58、ウエハボード駆動機構(図示せず)、バルブ84等を制御することにより行われる。
【0058】
まず、図4(a)に示すように、洗浄液供給ノズル25から洗浄槽22内に洗浄液を供給し、この洗浄槽22の上部から洗浄液を溢れさせるようにする。溢れ出た洗浄液は外槽22bにより回収され、ドレン管27から排出される。この排出された洗浄液は再利用されるようになっていてもよい。この際に、シャッタ36は開放位置に位置させられるようになっている。洗浄槽22に洗浄液が貯留された状態で、ウエハボード24によりウエハが洗浄液に浸される(図5のStep1)。この際に、左右一対の上部ガス供給ノズル42から例えば40〜50℃のN2ガスが略水平方向よりも斜め上方または鉛直方向上方に向かって噴射される。このことにより、乾燥ユニット23のチャンバー23a内およびチャンバー壁39が温められ、チャンバー23a内における液溜まりが解消される(図5のStep2)。このときに、ガス排気管82に介設されたバルブ84は開かれており、上部ガス供給ノズル42からチャンバー23a内に供給された40〜50℃のN2ガスは、ガス排気孔80からガス排気管82を介して外部に自然排気される。
【0059】
また、左右一対のN2ガス供給ノズル46から、洗浄槽22の開口部22cの中心に向かってN2ガスが噴射される。このことにより、洗浄槽22の洗浄液が蒸発することにより生成される蒸気がチャンバー壁39の内面に接触してこの内面で水滴が生成されてしまうことを防止することができる。
【0060】
次に、図4(b)に示すように、左右一対の上部ガス供給ノズル42からのチャンバー23a内への40〜50℃のN2ガスの噴射を停止し、その後、左右一対の冷却ガス供給ノズル40からチャンバー23a内へ冷却N2ガスが鉛直方向下方に噴射する。この冷却N2ガスは、前述のように、チャンバー壁39の外部にある大気の温度よりも低い温度のガスである。チャンバー23a内において冷却N2ガスを鉛直方向下方に噴射することにより、チャンバー23a内にあった40〜50℃のN2ガスはガス排気孔80から外部に押し出され、このようにして、チャンバー23aにおいて40〜50℃のN2ガスが冷却N2ガスに置換される(図5のStep3)。
【0061】
なお、図4および図5においては、左右一対の冷却ガス供給ノズル40からチャンバー23a内へ冷却N2ガスを供給する際に、左右一対の上部ガス供給ノズル42からチャンバー23a内への40〜50℃のN2ガスの供給を停止させているが、40〜50℃のN2ガスの噴射を供給させる代わりに、上部ガス供給ノズル42からチャンバー23a内への40〜50℃のN2ガスの供給量を低減させるようにしてもよい。
【0062】
次に、図4(c)に示すように、左右一対の冷却ガス供給ノズル40からチャンバー23a内への冷却N2ガスの噴射を停止し、その後、左右一対の下部ガス供給ノズル44からチャンバー23a内に70〜80℃の乾燥ガス(図4ではIPAと表記している)を略水平方向、略水平方向よりも斜め下方、または鉛直方向下方に噴射する(図5のStep4)。なお、図4および図5では乾燥ガスを斜め下方に噴射した例について示している。また、この際に、左右一対のN2ガス供給ノズル46からのN2ガスの噴射も停止する。このときも、ガス排気管82に介設されたバルブ84は引き続き開かれており、下部ガス供給ノズル44からチャンバー23a内に供給された乾燥ガスは、ガス排気孔80からガス排気管82を介して外部に自然排気される。
【0063】
次に、下部ガス供給ノズル44がチャンバー23a内に乾燥ガスを略水平方向、略水平方向よりも斜め下方、または鉛直方向下方に噴射し続けたまま、ウエハボード24によりウエハWを洗浄槽22内から乾燥ユニット23に向かって上方に引き上げはじめる(図5のStep5)。
【0064】
次に、図4(d)に示すように、ウエハボード24によりウエハWが乾燥ユニット23のチャンバー23aに向かって移動させられている際に、ウエハWの一部分(上部分)が洗浄槽22内の洗浄液の液面よりも上方に露出し、ウエハWの一部分(下部分)が洗浄槽22内の洗浄液に浸された状態となったときに、図4(e)に示すように、下部ガス供給ノズル44からのチャンバー23a内への乾燥ガスの噴射を停止する。具体的には、ウエハWの下部分1/5程度の領域が洗浄槽22内の洗浄液に浸されるような状態までウエハボード24によりウエハWが乾燥ユニット23に向かって引き上げられたときに、下部ガス供給ノズル44からの乾燥ガスの噴射を停止する。
【0065】
また、下部ガス供給ノズル44からのチャンバー23a内への乾燥ガスの噴射が停止したときに、ガス排気管82に介設されたバルブ84が閉じられる。このことにより、チャンバー23a内にある乾燥ガスは外部に排気されることはない。
【0066】
その後、ウエハWは停止させられることなくウエハボード24により引き続き上方に引き上げられる。
【0067】
そして、図4(f)に示すように、ウエハWが乾燥ユニット23のチャンバー23a内まで完全に引き上げられたら、シャッタ36がシャッタ駆動機構により駆動させられ、このシャッタ36が開放位置から閉止位置まで移動させられる。このことにより、シャッタ36によってチャンバー23a内が密閉状態となる(図5のStep6)。
【0068】
なお、図4(c)〜図4(f)に示すように、ウエハを洗浄槽22内から乾燥ユニット23のチャンバー23a内まで移動させる間にこのチャンバー23a内に下部ガス供給ノズル44から乾燥ガスを噴射させる代わりに、ウエハを洗浄槽22内から乾燥ユニット23のチャンバー23a内まで移動させ、チャンバー23内を密閉状態とした後に、チャンバー23a内に下部ガス供給ノズル44から乾燥ガスを噴射させるようにしてもよい。
【0069】
次に、ウエハWがチャンバー23a内に収容され、このチャンバー23a内が密閉状態とされたときに、チャンバー23a内において上部ガス供給ノズル42から乾燥ガスを略水平方向よりも斜め上方または鉛直方向上方に噴射する(図5のStep7)。なお、図5では乾燥ガスを斜め上方に噴射した例について示している。チャンバー23a内において上部ガス供給ノズル42から乾燥ガスを供給する際に、ガス排気管82に介設されたバルブ84を再び開く。このことにより、上部ガス供給ノズル42からチャンバー23a内に供給された乾燥ガスは、ガス排気孔80からガス排気管82を介して外部に自然排気される。
【0070】
次に、上部ガス供給ノズル42からの乾燥ガスの噴射を停止し、その後、代わりに上部ガス供給ノズル42からN2ガスをチャンバー23a内に噴射する(図5のStep7)。このことにより、ウエハWの表面に凝縮または吸着された乾燥ガスの蒸気が除去され、ウエハWの表面の乾燥が均一に行われる。このときも、ガス排気管82に介設されたバルブ84は引き続き開かれており、上部ガス供給ノズル42からチャンバー23a内に噴射されたN2ガスは、ガス排気孔80からガス排気管82を介して外部に自然排気される。
【0071】
その後、上部ガス供給ノズル42からのチャンバー23a内へのN2ガスの噴射を停止し、代わりに下部ガス供給ノズル44からN2ガスを略水平方向よりも斜め下方に噴射する。そして、一定時間が経過した後、下部ガス供給ノズル44からのN2ガスの噴射を停止し、代わりに再び上部ガス供給ノズル42からN2ガスを噴射する。このようにして、チャンバー23a内がN2ガスによって温められながら、チャンバー23a内の雰囲気について乾燥ガスからN2ガスへの置換が行われるとともに、ウエハWの表面の乾燥が引き続き行われる。
【0072】
その後、上部ガス供給ノズル42および下部ガス供給ノズル44の両方のノズルからのN2ガスの供給を停止し、一連の洗浄処理および乾燥処理を終了させる。
【0073】
以上のように本実施の形態の基板処理装置(洗浄・乾燥処理ユニット18)および基板処理方法によれば、まず乾燥ユニット23においてチャンバー壁39を加熱し、そして、冷却N2ガスをチャンバー23a内に供給することによりチャンバー23a内にある加熱されたN2ガスを冷却N2ガスに置換し、その後、ウエハWを洗浄槽22内から乾燥ユニット23のチャンバー23a内まで移動させている。そして、ウエハWを洗浄槽22内から乾燥ユニット23のチャンバー23a内まで移動させる間に、またはウエハWを洗浄槽22内から乾燥ユニット23のチャンバー23a内まで移動させた後に、チャンバー23a内に乾燥ガスを供給するようになっている。
【0074】
このように、乾燥ユニット23においてチャンバー壁39を加熱した後、冷却N2ガスをチャンバー23a内に供給することにより、チャンバー23a内にある加熱されたN2ガスを冷却N2ガスに置換しているので、チャンバー壁39を高温に維持しつつ、チャンバー23a内のN2ガスを大気の温度よりも低い温度にすることができる。
【0075】
このため、乾燥ガスがチャンバー壁39により冷却されて凝縮してしまうことを防止しつつ、チャンバー23a内に移動させられるウエハWの温度が上昇することを抑制し、このウエハWの表面に凝縮あるいは吸着される乾燥ガスの量が低減してしまうことを防止することができる。このことにより、乾燥ユニット23におけるウエハWに対する乾燥性能を向上させることができる。
【0076】
また、図3に示すように、チャンバー23a内において、冷却ガス供給ノズル40は上部ガス供給ノズル42よりも上方に配置されている。このことにより、上部ガス供給ノズル42よりも上方の位置から冷却ガス供給ノズル40により冷却N2ガスをチャンバー23a内に供給することができるようになり、チャンバー23a内にある加熱されたガスを、より一層確実に、冷却ガス供給ノズル40から供給される冷却N2ガスに置換することができるようになる。
【0077】
また、冷却ガス供給ノズル40は、チャンバー23aの上部領域においてチャンバー壁39の上部分39bの頂部の近傍に設けられているので、冷却ガス供給ノズル40によりチャンバー23a内に供給される冷却N2ガスはこのチャンバー23a内で下方に流れることとなり、チャンバー23a内にある加熱されたガスを、さらに確実に、冷却ガス供給ノズル40から供給される冷却N2ガスに置換することができるようになる。
【0078】
また、乾燥ユニット23のチャンバー壁39には、チャンバー23a内のガスの排気を行うガス排気孔80が設けられており、このガス排気孔80は上部ガス供給ノズル42や下部ガス供給ノズル44よりも下方に配置されている。このため、チャンバー23a内のガスは下方に流れてガス排気孔80から排出されるようになるので、チャンバー23a内にある加熱されたガスを、さらに確実に、冷却ガス供給ノズル40から供給される冷却N2ガスに置換することができるようになる。
【0079】
また、冷却ガス供給ノズル40により冷却N2ガスをチャンバー23a内に供給する際に、上部ガス供給ノズル42によりチャンバー23a内に供給される40〜50℃のN2ガスの流量を低減したりこの40〜50℃のN2ガスの供給を停止させるようにしているので、チャンバー23a内にある加熱されたガスを、より一層確実に、冷却ガス供給ノズル40から供給される冷却N2ガスに置換することができるようになる。
【0080】
なお、本発明による基板処理装置(洗浄・乾燥処理ユニット18)および基板処理方法は、上記の態様に限定されるものではなく、様々の変更を加えることができる。例えば、上記の態様では、本発明による基板処理装置を半導体ウエハの洗浄処理システムに適用した場合について説明したが、洗浄処理以外の処理システムにも適用することができる。また、半導体ウエハ以外のLCD用ガラス基板等にも適用することができる。
【0081】
また、図6に示すように、乾燥ユニット23のチャンバー壁39に、当該チャンバー壁39を加熱するためのヒータ37を設けてもよい。このヒータ37は制御部60により制御されるようになっている。
【0082】
図6に示すような洗浄・乾燥処理ユニット18においては、乾燥ユニット23のチャンバー23a内にウエハWを移動させる前にこのチャンバー23a内およびチャンバー壁39を温める際に、図4(a)に示すように上部ガス供給ノズル42から例えば40〜50℃のN2ガスをチャンバー23a内に噴射する代わりに、ヒータ37によりチャンバー壁39を直接加熱する。このことにより、チャンバー壁39の温度が高くなり、このチャンバー壁39によりチャンバー23a内のガスが温められる。
【0083】
上部ガス供給ノズル42から例えば40〜50℃のN2ガスをチャンバー23a内に噴射する代わりに図6に示すようなヒータ37を用いる方法によっても、乾燥ユニット23のチャンバー23a内およびチャンバー壁39を温めることができ、チャンバー23a内における液溜まりが解消される。
【0084】
また、乾燥ユニット23のチャンバー23a内に乾燥ガスを噴射する際に用いられる上部ガス供給ノズル42および下部ガス供給ノズル44に、これらの上部ガス供給ノズル42および下部ガス供給ノズル44を加熱する加熱部がそれぞれ設けられていてもよい。この加熱部の構成の詳細について図7を用いて説明する。
【0085】
図7は、上部ガス供給ノズル42に設けられた加熱部を説明するための図である。なお、下部ガス供給ノズル44に加熱部が設けられた場合についても同様である。図7に示すように、上部加熱供給部分42は、内管42cおよび外管42dからなる二重管構造となっている。内管42cには、乾燥ガスの供給源50やN2ガスの供給源52から送られた乾燥ガスやN2ガスが流れるようになっており、この内管42cの端部は開口端42eとなっている。そして、乾燥ガスの供給源50やN2ガスの供給源52から内管42cに送られた乾燥ガスやN2ガスは、この開口端42eからチャンバー23a内に噴射されるようになっている。一方、外管42dには例えば加熱された水が循環して流れるようになっており、この外管42dの端部は閉じられている。そして、内管42c内にある乾燥ガスやN2ガスは、外管42d内で流れる加熱された水により加熱させられるようになっている。
【0086】
このことにより、上部ガス供給ノズル42や下部ガス供給ノズル44から乾燥ガスが噴射された後、これらの上部ガス供給ノズル42や下部ガス供給ノズル44の内管42c内に残留した乾燥ガスは、外管42dで流れる加熱された水により加熱させられる。このため、内管42c内に残留した乾燥ガスがこの内管42c内で結露することを防止することができる。
【0087】
また、洗浄・乾燥処理ユニット18の更に他の構成としては、図8に示すように、乾燥ユニット23のチャンバー壁39の内部に洗浄槽22が設けられていてもよい。この場合でも、ウエハボード24が洗浄槽22内の位置と乾燥ユニット23内における洗浄槽22よりも上方のチャンバー23aの位置との間で往復移動を行うようになっている。そして、ウエハボード24が洗浄槽22内に移動させられたときには、このウエハボード24に保持されるウエハWは洗浄槽22内の洗浄液に浸されるようになっており、一方ウエハボード24が洗浄槽22から上方に移動させられたときには、このウエハボード24に保持されるウエハWはチャンバー23a内に収容されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明に係る基板処理装置を適用した洗浄処理システムの一例を示す概略平面図である。
【図2】図1に示す洗浄処理システムの概略側面図である。
【図3】本発明に係る基板処理装置の断面図である。
【図4】本発明に係る基板処理装置における一連の洗浄処理および乾燥処理の動作を順に示す説明図である。
【図5】本発明に係る基板処理装置における一連の洗浄処理および乾燥処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る他の基板処理装置の断面図である。
【図7】図3に示す基板処理装置における上部ガス供給ノズルや下部ガス供給ノズルに設けられた加熱部の構成の詳細を示す概略構成図である。
【図8】本発明に係る更に他の基板処理装置の断面図である。
【符号の説明】
【0089】
1 キャリア
2 搬送部
3 処理部
4 インターフェース部
4a 第1の室
4b 第2の室
4c 区画壁
5 搬入部
5a 搬入口
6 搬出部
6a 搬出口
7 載置テーブル
8 キャリアリフタ
9 キャリア待機部
10 ウエハ取出しアーム
11 ノッチアライナー
12 間隔調整機構
13 第1の姿勢変換装置
13A 第2の姿勢変換装置
14 ウエハ受渡しアーム
15 ウエハ収納アーム
16 第1の処理ユニット
17 第2の処理ユニット
18 洗浄・乾燥処理ユニット
19 チャック洗浄ユニット
20 搬送路
21 ウエハ搬送アーム
22 洗浄槽
22a 内槽
22b 外槽
22c 開口部
23 乾燥ユニット
23a チャンバー
24 ウエハボード
25 洗浄液供給ノズル
26 ドレン管
26a 排出バルブ
27 ドレン管
27a 排出バルブ
28 排気ボックス
29 排気管
29a バルブ
30 ボックス
31 仕切板
32a 上部室
32b 下部室
33 排気窓
34 排気窓
35 排液口
36 シャッタ
37 ヒータ
38 Oリング
39 チャンバー壁
39a 貫通孔
39b 上部分
39c 下部分
40 冷却ガス供給ノズル
40a ガス供給管
41 冷却機構
42 上部ガス供給ノズル
42a ガス供給管
42b バルブ
42c 内管
42d 外管
42e 開口端
44 下部ガス供給ノズル
44a ガス供給管
44b バルブ
46 N2ガス供給ノズル
46a ガス供給管
48 ガス供給管
50 乾燥ガスの供給源
50a バルブ
52 N2ガスの供給源
52a バルブ
54 N2ガスの供給源
54a バルブ
56 N2ガスの供給源
56a バルブ
58 シャッタ駆動機構
60 制御部
80 ガス排気孔
82 ガス排気管
84 バルブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の洗浄液を貯留する洗浄槽と、
前記洗浄槽の近傍に配置された乾燥ユニットであって、チャンバーを内部に形成するチャンバー壁、前記チャンバー壁を加熱するためのチャンバー壁加熱部、および前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも低い温度のガスである冷却ガスを前記チャンバー内に供給する冷却ガス供給部を有し、前記チャンバー内に乾燥ガスを供給することにより基板の乾燥を行う乾燥ユニットと、
基板を保持して当該基板を前記洗浄槽内と前記乾燥ユニットのチャンバー内との間で移動させる保持部と、
前記チャンバー壁加熱部、前記冷却ガス供給部および前記保持部の制御を行う制御部であって、まず前記洗浄槽に貯留された洗浄液に基板を浸し、次に前記乾燥ユニットにおいて前記チャンバー壁加熱部によりチャンバー壁を加熱し、前記冷却ガス供給部により冷却ガスを前記チャンバー内に供給することにより前記チャンバー内にある加熱されたガスを冷却ガスに置換し、その後前記保持部により基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させるよう、前記チャンバー壁加熱部、前記冷却ガス供給部および前記保持部の制御を行う制御部と、
を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記冷却ガス供給部により前記チャンバー内に供給される冷却ガスは不活性ガスであることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記チャンバー壁加熱部は、前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも高い温度のガスを前記チャンバー内に供給する加熱ガス供給部であることを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記チャンバー内において、前記冷却ガス供給部は前記加熱ガス供給部よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項3記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記冷却ガス供給部は、前記チャンバーの上部領域において前記チャンバー壁の近傍に設けられていることを特徴とする請求項4記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記乾燥ユニットのチャンバー壁には、チャンバー内のガスの排気を行う排気口が設けられており、この排気口は前記加熱ガス供給部よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項4または5記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記冷却ガス供給部により冷却ガスを前記チャンバー内に供給する際に前記加熱ガス供給部により前記チャンバー内に供給されるガスの流量を低減させるよう前記冷却ガス供給部および前記加熱ガス供給部の制御を行うことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、前記冷却ガス供給部により冷却ガスを前記チャンバー内に供給する際に前記加熱ガス供給部による前記チャンバー内へのガスの供給を停止させるよう前記冷却ガス供給部および前記加熱ガス供給部の制御を行うことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記チャンバー壁加熱部は、前記チャンバー壁に設けられたヒータであることを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記乾燥ユニットは、前記チャンバー内に乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給部を有し、
前記乾燥ガス供給部は、前記チャンバー内に配置され当該チャンバー内に乾燥ガスを噴射するノズルを有し、このノズルには、当該ノズルを加熱する加熱部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記乾燥ガスは、有機溶剤の蒸気からなることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
基板の洗浄液を貯留する洗浄槽および当該洗浄槽の近傍に配置された乾燥ユニットを備えた基板処理装置における基板の処理方法であって、
前記洗浄槽に貯留された洗浄液に基板を浸す工程と、
前記乾燥ユニットにおいて、チャンバーを内部に形成するチャンバー壁を加熱する工程と、
前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも低い温度のガスである冷却ガスを前記チャンバー内に供給することにより前記チャンバー内にある加熱されたガスを冷却ガスに置換する工程と、
基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させる工程と、
基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させる間に、または基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させた後に、前記チャンバー内に乾燥ガスを供給する工程と、
を備えたことを特徴とする基板処理方法。
【請求項13】
前記チャンバー壁を加熱する際に、前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも高い温度のガスを前記チャンバー内に供給し、このチャンバー内に供給されたガスにより前記チャンバー壁を加熱することを特徴とする請求項12記載の基板処理方法。
【請求項14】
冷却ガスを前記チャンバー内に供給する際に、当該チャンバー内に供給される前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも高い温度のガスの流量を低減させることを特徴とする請求項13記載の基板処理方法。
【請求項15】
冷却ガスを前記チャンバー内に供給する際に、前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも高い温度のガスの前記チャンバー内への供給を停止させることを特徴とする請求項13記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記チャンバー壁を加熱する際に、このチャンバー壁に設けられたヒータにより当該チャンバー壁を加熱することを特徴とする請求項12記載の基板処理方法。
【請求項17】
基板の洗浄液を貯留する洗浄槽および当該洗浄槽の近傍に配置された乾燥ユニットを備えた基板処理装置の制御コンピュータにより実行することが可能なプログラムであって、当該プログラムを実行することにより、前記制御コンピュータが前記基板処理装置を制御して基板処理方法を実行させるものにおいて、
前記基板処理方法が、
前記洗浄槽に貯留された洗浄液に基板を浸す工程と、
前記乾燥ユニットにおいて、チャンバーを内部に形成するチャンバー壁を加熱する工程と、
前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも低い温度のガスである冷却ガスを前記チャンバー内に供給することにより前記チャンバー内にある加熱されたガスを冷却ガスに置換する工程と、
基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させる工程と、
基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させる間に、または基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させた後に、前記チャンバー内に乾燥ガスを供給する工程と、
を備えたものであることを特徴とするプログラム。
【請求項18】
基板の洗浄液を貯留する洗浄槽および当該洗浄槽の近傍に配置された乾燥ユニットを備えた基板処理装置の制御コンピュータにより実行することが可能なプログラムが記録された記録媒体であって、当該プログラムを実行することにより、前記制御コンピュータが前記基板処理装置を制御して基板処理方法を実行させるものにおいて、
前記基板処理方法が、
前記洗浄槽に貯留された洗浄液に基板を浸す工程と、
前記乾燥ユニットにおいて、チャンバーを内部に形成するチャンバー壁を加熱する工程と、
前記チャンバー壁の外部にある大気の温度よりも低い温度のガスである冷却ガスを前記チャンバー内に供給することにより前記チャンバー内にある加熱されたガスを冷却ガスに置換する工程と、
基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させる工程と、
基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させる間に、または基板を前記洗浄槽内から前記乾燥ユニットのチャンバー内まで移動させた後に、前記チャンバー内に乾燥ガスを供給する工程と、
を備えたものであることを特徴とする記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−253026(P2009−253026A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−99272(P2008−99272)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】