基板処理装置、基板処理方法及びその基板処理方法を実行させるためのプログラムを記録した記憶媒体
【課題】基板の膜種、表面状態等に影響されることなく、基板の保持状態を正確に検出することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板を処理する基板処理装置において、基板が載置される載置台32と、載置台32に載置されている基板の周縁部を保持する保持部44と、保持部44に光を照射する光源98と、保持部44からの光の光量を検出することによって、保持部に保持されている基板の保持状態を検出する検出部99とを有する。
【解決手段】基板を処理する基板処理装置において、基板が載置される載置台32と、載置台32に載置されている基板の周縁部を保持する保持部44と、保持部44に光を照射する光源98と、保持部44からの光の光量を検出することによって、保持部に保持されている基板の保持状態を検出する検出部99とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、基板処理方法及びその基板処理方法を実行させるためのプログラムを記録した記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスやフラットパネルディスプレー(FPD)の製造プロセスにおいては、半導体ウェハやガラス基板等の各種の基板に処理液を供給して処理を行うプロセスが多用されている。このようなプロセスとしては、例えば、基板の表面に付着したパーティクルや、大気との接触により形成された自然酸化膜を除去するための、各種の処理液による洗浄処理等を挙げることができる。
【0003】
上記したような洗浄処理等のプロセスを基板に対して行う基板処理装置としては、枚葉式の複数の基板処理部と、搬送部とを備えたものが用いられている。搬送部は、これら基板処理部への基板の搬入出を行う。
【0004】
基板処理部は、例えば、回転テーブル、複数の保持部及びノズルヘッドを有する。保持部は、回転テーブルに複数設けられ、搬送部により回転テーブルに載置される基板の周縁部を保持する。ノズルヘッドは、回転テーブルの上面側に位置しており、回転テーブルに載置された基板の上面に処理液等を供給する。
【0005】
また、基板処理装置には、保持部に保持された基板の保持状態を検出する検出手段を有するものがある(例えば、特許文献1参照。)。検出手段は、光源と受光素子を含む。光源は、例えばレーザ光よりなる光を出力するものであり、回転テーブル径方向外方の上部に配置されている。受光素子は、光源と同様、回転テーブルの径方向外方の上部に配置されている。受光素子は、光源から照射され、基板の上面で反射した光が受光素子に入射されるように、配置されており、受光素子に入射する光の光量の変化から保持部に保持された基板の水平からの傾き角度を検出することによって、基板の保持状態を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−229403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記した基板処理装置における基板処理方法においては、次のような問題がある。
【0008】
例えばレーザ光を基板の上面で反射させると、想定された光量を検出することができないことがある。そのため、実際は基板を正常に保持しているにも関わらず、基板を正常に保持していないものと判断され、基板の保持状態が誤検出されることがある。本発明の発明者は、このような誤検出が基板上に形成されている膜種、基板上で加工されている膜の表面状態等の影響により発生することを見出した。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、基板の膜種、表面状態等に影響されることなく、基板の保持状態を正確に検出することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明の一実施例によれば、基板を処理する基板処理装置において、基板が載置される載置台と、前記載置台に載置されている基板の周縁部を保持する保持部と、前記保持部に光を照射する光源と、前記保持部からの光量を検出することによって、前記保持部に保持されている前記基板の保持状態を検出する検出部とを有する、基板処理装置が提供される。
【0012】
また、本発明の他の一実施例によれば、基板を処理する基板処理方法において、載置台に載置されている基板の周縁部を保持部により保持する保持工程と、光源により前記保持部に光を照射し、前記保持部からの光量を検出部により検出することによって、前記保持部に保持されている前記基板の保持状態を検出する検出工程を有する、基板処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基板の膜種、表面状態等に影響されることなく、基板の保持状態を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】液処理ユニットの縦断面図である。
【図3】液処理ユニットの処理液供給機構の構成を示す概略図である。
【図4】保持プレート、クランプ部材及び保持部材の構成を示す平面図である。
【図5】液処理ユニットの基板保持機構の構成を示す縦断面であって、リフトピンプレート及び洗浄液供給管が下方位置にあるときの状態を示す図である。
【図6】液処理ユニットの基板保持機構の構成を示す縦断面であって、リフトピンプレート及び洗浄液供給管が上方位置にあるときの状態を示す図である。
【図7】保持部材を保持プレートの周方向から視た側面図である。
【図8】保持部材を保持プレートの上方から視た図である。
【図9】実施の形態に係る基板処理装置を用いた基板処理方法における各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】ウェハの保持状態が正常であるときの、保持部材とウェハの状態を示す図(その1)である。
【図11】ウェハの保持状態が正常であるときの、保持部材とウェハの状態を示す図(その2)である。
【図12】ウェハの保持状態が正常でないときの、保持部材とウェハの状態を示す図(その1)である。
【図13】ウェハの保持状態が正常でないときの、保持部材とウェハの状態を示す図(その2)である。
【図14】第2の実施の形態に係る基板処理装置における、レーザセンサ、保持部材及びウェハの位置関係を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態について図面と共に説明する。ここでは、本発明を半導体ウェハ(以下、単に「ウェハ」と記す。)の表面洗浄を行う基板処理装置に適用した場合について示す。
(実施の形態)
始めに、図1を参照し、本発明の実施の形態に係る基板処理装置の概略構成について説明する。
【0016】
図1は本実施の形態に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
【0017】
この基板処理装置10は、複数のウェハWを収容するウェハキャリアWCを載置し、ウェハWの搬入・搬出を行う搬入出ステーション(基板搬入出部)1と、ウェハWに洗浄処理を施すための処理ステーション(液処理部)2とを備えている。搬入出ステーション(基板搬入出部)1及び処理ステーション(液処理部)2は、隣接して設けられている。
【0018】
搬入出ステーション1は、キャリア載置部11、搬送部12、受け渡し部13及び筐体14を有している。キャリア載置部11は、複数のウェハWを水平状態で収容する4個のウェハキャリアWCを載置する。搬送部12は、ウェハWの搬送を行う。受け渡し部13は、ウェハWの受け渡しを行う。筐体14は、搬送部12および受け渡し部13を収容する。
【0019】
搬送部12は、搬送機構15を有している。搬送機構15は、ウェハWを保持するウェハ保持アーム15a及びウェハ保持アーム15aを前後に移動させる機構を有している。また搬送機構15は、ウェハキャリアWCの配列方向であるX方向に延在する水平ガイド17に沿って移動させる機構、垂直方向に設けられた図示しない垂直ガイドに沿って移動させる機構、水平面内で回転させる機構を有している。この搬送機構15により、ウェハキャリアWCと受け渡し部13との間でウェハWが搬送される。
【0020】
受け渡し部13は、受け渡しステージ19上に、ウェハWを載置可能な載置部を複数備えた受け渡し棚20を有している。受け渡し部13は、この受け渡し棚20を介して処理ステーション2との間でウェハWの受け渡しが行われるようになっている。
【0021】
処理ステーション2は、直方体状をなす筐体21を有している。処理ステーション2は、筐体21内には、その中央にウェハキャリアWCの配列方向であるX方向に直交するY方向に沿って延びる搬送路を構成する搬送室21aと、搬送室21aの両側に設けられた2つのユニット室21b、21cとを有している。ユニット室21b、21cにはそれぞれ搬送室21aに沿って6個ずつ合計12個の液処理ユニット22が水平に配列されている。
【0022】
搬送室21aの内部には搬送機構24が設けられている。搬送機構24は、ウェハWを保持するウェハ保持アーム24aを前後に移動させる機構を有している。また、搬送機構24は、搬送室21aに設けられた水平ガイド25に沿ってY方向に移動させる機構、垂直方向に設けられた図示しない垂直ガイドに沿って移動させる機構、水平面内で回転させる機構を有している。この搬送機構24により、各液処理ユニット22に対するウェハWの搬入出が行われる。
【0023】
次に、本実施の形態に係る基板処理装置に搭載された液処理ユニット22について説明する。
【0024】
図2は、液処理ユニット22の縦断面図である。
【0025】
液処理ユニット22は、ケーシング31と、ケーシング31内に設けられ、ウェハWを保持する基板保持機構32と、基板保持機構32によって保持されたウェハWに処理液を供給する処理液供給機構33と、基板保持機構32を回転させる回転機構35(モータ51)とを備えている。
【0026】
なお、基板保持機構32は、保持部材44の載置面にウェハWが載置されることによって、ウェハWを保持するものであり、本発明における載置台に相当する。また、保持部材44は、本発明における保持部に相当する。また、クランプ部材43は、本発明における第2の保持部に相当する。また、回転機構35は、本発明における回転部に相当する。
【0027】
ケーシング31内であって基板保持機構32の周縁外方には、ウェハWを洗浄した後の処理液を受ける環状の排液カップ36が配置されている。そして、この排液カップ36には、排液カップ36を経た処理液を排出する排液管37が連結されている。また、ケーシング31の側壁には、ウェハWを出し入れするための出入口31aが設けられている。
【0028】
なお、ケーシング31は、本発明における筐体に相当する。
【0029】
基板保持機構32は、リフトピンプレート41、保持プレート42、クランプ部材43、保持部材44を有する。リフトピンプレート41及び保持プレート42は、水平に設けられており、円板状をなしている。保持プレート42の周縁部には、ウェハWの周縁部を保持するためのクランプ部材43及び保持部材44が設けられている。なお、リフトピンプレート41、保持プレート42、クランプ部材43及び保持部材44の詳細な構造については、後述する。
【0030】
保持プレート42の下面の中心部には、下方鉛直に延びる円筒状の回転軸42aが連結されている。また、保持プレート42の中心部には、円筒状の回転軸42aの孔42bに連通する円形の孔42cが形成されており、回転軸42aの孔42bの内部には、洗浄液供給管46が設けられている。洗浄液供給管46内には、ウェハWの裏面(下面)に向けて処理液を供給する裏面処理液供給路46aが設けられている。
【0031】
洗浄液供給管46は、第1の部材46bを介して昇降機構47に接続されており、上下方向に昇降自在に設けられている。
【0032】
洗浄液供給管46には、第2の部材46cが接続されている。そして、第2の部材46cには、3つの棒状の第3の部材46dが第2の部材46cから上方に延びるように接続されている。第3の部材46dは、リフトピンプレート41の裏面から下方に延びるように設けられた、後述する各接続部材41cに対応して設けられている。また、第3の部材46dは、昇降部材47により洗浄液供給管46が上方に移動する際に、接続部材41cを上方に押し上げることができる。
【0033】
回転軸42aは、軸受け部材48を介してベースプレート40に回転可能に支持されており、回転機構35により回転駆動される。
【0034】
ケーシング31内の上方部には、基板処理装置のファン・フィルター・ユニット(FFU)(図示せず)からの気体を、導入口31bを介して導入するための気体導入部55が設けられている。そして、導入口31bを介して導入された清浄空気(気体)を、基板保持機構32に保持されたウェハW上方の空間に供給する。
【0035】
また、気体導入部55と、ケーシング31内であって基板保持機構32等が設けられている空間56との間には、仕切り部材57が設けられている。仕切り部材57には、気体導入部55から空間56へ気体が流れるため、及び、後述するレーザセンサと保持部材との間でレーザ光が通過するために、孔部57aが形成されている。
【0036】
排液カップ36の周縁外方には、気体導入部55から供給されてウェハWを経た清浄空気を取り込んで排気する環状の排気カップ58が配置されている。排気カップ58には、排気カップ58を経た気体を排出する排気管59が連結されている。
【0037】
図3は、液処理ユニット22の処理液供給機構33の構成を示す概略図である。
【0038】
図2及び図3に示すように、処理液供給機構33は、基板保持機構32によって保持されたウェハWの表面に処理液を供給するノズル61a、61bを有するノズルブロック61を有している。また、処理液供給機構33は、ノズルブロック61に連結され、ノズルブロック61を基板保持機構32に保持されたウェハWの表面に沿って移動させるノズルアーム62と、ノズルアーム62から下方鉛直方向に向かって延びるノズル揺動軸63とを有している。また、処理液供給機構33は、ノズル揺動軸63を駆動するノズル駆動部64を有している。
【0039】
処理液供給機構33のノズル61a、61bを有するノズルブロック61、ノズルアーム62およびノズル揺動軸63内には、処理液が通過する処理液流路70と、リンス液が通過するリンス液流路71が設けられている。
【0040】
処理液流路70は、第1バルブ77を介してアンモニア過水(SC1)を供給するSC1供給源73と連通されている。また、リンス液流路71は、第2バルブ79を介して純水(DIW)を供給するDIW供給源75と連通されている。
【0041】
また、裏面処理液供給路46aへ処理液を供給する機構は、上述した処理液供給機構33と同様の構成からなっている。
【0042】
第1バルブ77、第2バルブ79の各々には制御部100が接続されており、それぞれのバルブは、制御部100により制御される。
【0043】
なお、SC1以外に、例えば希フッ酸(DHF)、BHF(HFとNH4Fの混合溶液)、LAL(BHFと界面活性剤との混合溶液)を供給してもよい。また、乾燥溶媒として例えばIPA(イソプロピルアルコール)を供給してもよい。
【0044】
図4は、保持プレート42、クランプ部材43及び保持部材44の構成を示す平面図である。図5及び図6は、液処理ユニット22の基板保持機構32の構成を示す縦断面であって、リフトピンプレート41及び洗浄液供給管46がそれぞれ下方位置又は上方位置にあるときの状態を示す図である。
【0045】
図4に示すように、保持プレート42の周縁部近傍において、周方向に沿って互いに異なる位置に各々が配置された複数の保持部材44が設けられている。本実施の形態では、一例として、3つの保持部材44が設けられている。また、保持プレート42の周縁部近傍において、周方向に沿って保持部材44と異なる位置に配置された、複数のクランプ部材43が設けられている。本実施の形態では、一例として、3つのクランプ部材43が設けられている。
【0046】
なお、以下では、クランプ部材43は、保持プレート42の周縁部近傍において、周方向に保持部材44と異なる位置に設けられた場合を例として説明する。しかし、保持部材44とクランプ部材43の保持部材43bを本発明の保持部材として一体化してもよく、このとき、クランプ部材43は、保持プレート42の周縁部近傍において、周方向に沿って保持部材44と同一の位置に配置されていてもよい。
【0047】
リフトピンプレート41は円板形状のものからなり、その中心部分には貫通孔41aが形成されている。貫通孔41aには洗浄液供給管46が通されている。リフトピンプレート41の表面には、3本のリフトピン41bが設けられている。リフトピン41bは、リフトピンプレート41の中心部と周縁部との間において、周方向に沿って等間隔で設けられている。また、リフトピンプレート41の裏面には、下方に延びる3つの棒状の接続部材41cが設けられている。接続部材41cは、リフトピンプレート41の中心部と周縁部との間において、周方向に等間隔で設けられている。
【0048】
保持プレート42には、接続部材41cの各々が通過するように、3つの貫通孔42dが形成されている。各貫通孔42dは、保持プレート42の周方向に等間隔で設けられている。また、保持プレート42の裏面において、各貫通孔42dの箇所には、保持プレート42の裏面から下方に延びる3つの円筒形状の収容部材42eが設けられている。各収容部材42eは、各接続部材41cを収容する。これらの収容部材42eは、保持プレート42の周縁部近傍において周方向に等間隔で設けられている。
【0049】
円筒形状の各収容部材42eの内径は各接続部材41cの外径よりもやや大きくなっており、各収容部材42eの長手方向(図5及び図6の上下方向)に沿って各接続部材41cが各収容部材42e内で移動できる。図5に示すように、リフトピンプレート41が下方位置にあるときは、各接続部材41cは各収容部材42eに収容された状態となる。これにより、保持プレート42を回転させたときに、各接続部材41cを介してリフトピンプレート41も連動して回転する。一方、図6に示すように、リフトピンプレート41が上方位置にあるときは、各接続部材41cはその下部における一部分のみが各収容部材42eに収容された状態となり、各接続部材41cは貫通孔42dを通過して保持プレート42から上方に突出する。
【0050】
各収容部材42eの中空部分にはバネ42fが圧縮された状態で収容されている。バネ42fが圧縮状態から元の状態に戻ろうとする力により、接続部材41cには常に下向きの力(保持プレート42から下方に移動しようとする力)が加えられている。
【0051】
保持プレート42には、ウェハWを側方からクランプするためのクランプ部材43が設けられている。クランプ部材43は、図5に示すようにリフトピンプレート41が下方位置にあるときにウェハWを側方から保持し、一方、図6に示すようにリフトピンプレート41が上方位置にあるときにウェハWから離間する。
【0052】
クランプ部材43は、ウェハWを側方から保持する保持部材43bと、軸43aに関して保持部材43bと反対側に設けられた被押圧部材43cとを有し、保持プレート42に軸支する軸43aを中心として回動する。
【0053】
クランプ部材43は、リフトピンプレート41が上方位置から下方位置に移動したときに、リフトピンプレート41の下面により被押圧部材43cが下方に押圧されることによって、軸43aを中心として回転する。そして、クランプ部材43が軸43aを中心として回動することによって、保持部材43bがウェハWに向かってウェハWの側方から移動し、ウェハWに対して前進する。これにより、図5に示すように、リフトピンプレート41が下方位置に到達したときに、ウェハWがクランプ部材43により側方から保持されることとなる。また、図5に示すように、ウェハWがクランプ部材43により側方から保持されたときに、ウェハWはリフトピン41bの先端から上方に離間し、リフトピン41bから上方に浮いた状態となる。
【0054】
なお、クランプ部材43は、ウェハWに対して進退可能に設けられてなるとともに、ウェハWに対して前進することによってウェハWの周縁部を保持するものであればよく、軸43aを中心として回動可能に設けられる場合に限られない。
【0055】
図7は、保持部材44を保持プレート42の周方向(θ方向)から視た側面図である。図8は、保持部材44を保持プレート42の上方から視た図である。
【0056】
図7及び図8に示すように、保持部材44は、台座部91、載置部92、囲み部93及び案内部94を有する。台座部91は、保持プレート42の周縁部近傍において、周方向(θ方向)に沿って互いに異なる位置、例えば等間隔に設けられている。
【0057】
載置部92は、台座部91上に設けられており、ウェハWが載置されるためのものである。載置部92には、ウェハWの周縁部の下面又は側周面の下端付近が接触した状態で、ウェハWが載置される。載置部92には、ウェハWが載置される載置面92aが形成されている。載置面92aは、水平面であってもよく、図7及び図8に示すように、保持プレート42の外周側から中心側に向かって下降する傾斜面であってもよい。
【0058】
囲み部93は、載置部92上に設けられている。囲み部93は、クランプ部材43に保持されることによって保持プレート42上の所定の位置に載置されているウェハWを側方から囲むように設けられている。すなわち、囲み部93は、保持プレート42に保持されているウェハWの周縁部が所定の位置から位置ずれしないように、水平方向に拘束するためのものである。囲み部93には、ウェハWを側方から囲む囲み面93aが形成されていてもよい。囲み面93aは、図7及び図8に示すように、保持プレート42の外周側から中心側を向くように形成された略垂直な面であってもよい。
【0059】
案内部94は、囲み部93上に設けられている。案内部94は、ウェハWがリフトピン41bに載置されている状態で、リフトピンプレート41が上方位置から下方位置に下がるときに、リフトピン41bに載置されているウェハWの周縁部が、囲み部93の囲み面93aよりも保持プレート42の中心側に納まるように、ウェハWを案内するためのものである。案内部94には、ウェハWが案内される案内面94aが形成されている。案内面94aは、ウェハWの側周面の下端付近をスライドさせることによってウェハWの周縁部を案内することができるように、保持プレート42の外周側から中心側に向かって下降する傾斜面とされている。
【0060】
囲み部93と案内部94とは、保持プレート42の周方向(θ方向)に沿って2つに分割され、爪部95、96を形成していてもよい。そして、2つの爪部95、96の間に、溝部97が設けられていてもよい。溝部97が設けられることによって、例えば処理液供給機構33からウェハWの上面に供給され、回転するウェハWの遠心力によってウェハWの外周側に拡散させられた処理液が、ウェハWと囲み部93及び案内部94との間に滞留することを抑制することができる。
【0061】
図8に示すように、爪部95、96の周方向(θ方向)に沿った幅寸法をW1とし、溝部97の周方向(θ方向)に沿った幅寸法をW2とする。
【0062】
保持部材44は、少なくとも囲み部93と案内部94が半透明の樹脂又は白色系樹脂よりなることが好ましい。これらの樹脂として、例えばポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いることができる。これにより、保持部材44は、各種の処理液に対する耐性に優れるとともに、後述するように、保持部材44に照射された光源からの光を、効率よく反射させることができる。
【0063】
次に、レーザセンサ45について説明する。レーザセンサ45は、例えば反射型レーザセンサよりなり、光源98及び受光素子99を有する。なお、受光素子99は、本発明における検出部に相当する。
【0064】
光源98は、光を保持部材44に照射する。光源98として、例えば赤色レーザ光等のレーザ光を発光するレーザ、発光ダイオード(LED)等を用いることができる。
【0065】
受光素子99は、保持部材44で反射された光の光量を検出することによって、保持部材44に保持されたウェハWの保持状態を検出する。受光素子99として、フォトダイオード、フォトトランジスタ等を用いることができる。
【0066】
なお、光源98と受光素子99とは、別体で設けられていてもよく、光源98が受光素子99と異なる位置に設けられていてもよい。更に、光源98を保持部材44中に埋め込み、保持部材44自体から光を発するようにしてもよい。あるいは、保持部材44を挟んで光源98と受光素子99とが反対側になるように配置し、光源98から照射された光が、保持部材44を透過し、保持部材44を透過した光が受光素子99に受光されるようにしてもよい。
【0067】
レーザセンサ45は、ケーシング31の外側に設けられている。このとき、ケーシング31は、少なくとも一部が保持部材44からのレーザ光を透過する透過部材31cよりなる。そして、ケーシング31、透過部材31c、及びレーザセンサ45は、レーザセンサ45の光源98からのレーザ光が透過部材31cを通過して保持部材44に照射されるとともに、保持部材44から反射した光が透過部材31cを通過してレーザセンサ45の受光素子99に受光されるように、配置されている。透過部材31cとしては、透明性、及び、処理液等の各種の薬品への耐性の点から、例えばポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂又は石英ガラスを用いることができる。
【0068】
また、図8に示すように、光源98からのレーザ光は、囲み部93に向けて照射される。照射されるレーザ光の光束LBは、保持プレート42の周方向(θ方向)に沿った幅寸法WLが、保持部材44の幅寸法W3(=W1×2+W2)と略等しくなることが好ましい。光束LBの幅寸法WLが、保持部材44の幅寸法W3よりも小さいときは、光束LBの幅寸法WLが小さくなるに伴って、モータ51により回転する保持部材44が所定の検出位置からずれたときに、保持部材44が光束LBの幅寸法WLに入らず、保持部材44に光が当たらない可能性が大きくなるからである。また、光束LBの幅寸法WLが保持部材44の幅寸法W3よりも大きいときは、保持部材44以外の部材にレーザ光が照射されることとなり、保持部材44以外から反射した光を受光してしまうおそれがあるからである。
【0069】
制御部100は、マイクロプロセッサ(コンピュータ)からなるプロセスコントローラ101を有しており、基板処理装置10の各構成部がこのプロセスコントローラ101に接続されて制御される構成となっている。また、プロセスコントローラ101には、工程管理者が基板処理装置10の各構成部を管理するためにコマンドの入力操作などを行うキーボードや、基板処理装置10の各構成部の可動状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース102が接続されている。さらに、プロセスコントローラ101には、基板処理装置10で実行される各種処理をプロセスコントローラ101の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じて基板処理装置10の各構成部に所定の処理を実行させるための制御プログラムすなわちレシピが格納された記憶部103が接続されている。レシピは記憶部103の中の記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスクや半導体メモリであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。
【0070】
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース102からの指示等にて任意のレシピを記憶部103から呼び出してプロセスコントローラ101に実行させる。これにより、プロセスコントローラ101の制御下で、モータ51、昇降機構47、レーザセンサ45、処理液供給機構33を含む各部材を制御し、基板処理装置10での所望の処理が行われる。
【0071】
次に、上記した制御部100により液処理ユニット22を用いて行なわれる基板処理方法について説明する。
【0072】
図9は、本実施の形態に係る基板処理装置を用いた基板処理方法における各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
【0073】
予め、搬入出ステーション1のキャリア載置部11に載置されたウェハキャリアWCから搬送機構15によりウェハWを取り出して受け渡し棚20の載置部に載置し、この動作を連続的に行う。
【0074】
そして、ステップS11では、受け渡し棚20の載置部に載置されたウェハWは、処理ステーション2の搬送機構24により順次搬送されて、いずれかの液処理ユニット22に搬入される。液処理ユニット22では、ウェハ保持アーム24aが、出入口31aを通って、ケーシング31の外部から内部へ前進する。ウェハ保持アーム24aがケーシング31の内部へ前進した状態で、昇降機構47によりリフトピンプレート41が下方位置から上方位置に移動し、ウェハWは、ウェハ保持アーム24aからリフトピンプレート41のリフトピン41bに受け渡される。リフトピン41bにウェハWが受け渡された状態で、ウェハ保持アーム24aを出入口31aを通ってケーシング31の内部から外部へ後退させ、昇降機構47によりリフトピンプレート41を上方位置から下方位置に移動させる。そして、リフトピンプレート41を下方位置に移動させるときに、リフトピンプレート41の下面により被押圧部材43cが下方に押圧され、クランプ部材43が軸43aを中心として回動することによって、ウェハWはクランプ部材43に側方から保持される(保持工程)。
【0075】
次いで、ステップS12では、レーザセンサ45の光源98からレーザ光Lを発光し、ケーシング31の透過部材31cを通して保持部材44に照射する。そして、保持部材44で反射した光L´をレーザセンサ45の受光素子99で受光し、光量を検出する(検出工程)。そして、ステップS13では、検出した光量が所定値よりも小さいか否かを比較する。
【0076】
この所定値は、処理を行う前に予め決定しておく。具体的には、ウェハWの保持状態が正常であるときにレーザセンサ45で検出される光量(正常時の光量)と、ウェハWの保持状態が正常でないときにレーザセンサ45で検出される光量(異常時の光量)を予め測定する。そして、所定値が、正常時の光量の最小値と異常時の光量の最大値の間になるように、所定値を決定する。
【0077】
図10及び図11に示すように、ウェハWが所定の位置に保持されているとき、すなわちウェハWの保持状態が正常であるときは、レーザセンサ45からのレーザ光Lは、保持部材44の例えば囲み部93又は案内部94に照射される。囲み部93又は案内部94にレーザ光Lが照射されると、例えば半透明の樹脂よりなる保持部材44の表面でレーザ光が受光素子99に向けて反射される。そして、反射された光L´のうち、透過部材31cを通って再びレーザセンサ45に戻る光がレーザセンサ45の受光素子99に受光されることによって、保持部材44で反射された光の光量が検出される。このとき、受光素子99で検出される光量は、相対的に大きくなる。
【0078】
一方、図12及び図13に示すように、例えば保持部材44の上に乗り上げているときなど、ウェハWが所定の位置に保持されていないとき、すなわちウェハWの保持状態が正常でないときを考える。ウェハWが保持部材44の上に乗り上げていると、レーザセンサ45からのレーザ光Lは、ウェハWに遮られて保持部材44に当たらない。レーザ光は、保持部材44の上に乗り上げているウェハWの上面に照射され、反射される。乗り上げているウェハWの上面は、レーザ光に対して保持部材44とは異なる角度となっているので、ウェハW上面で反射された光は、保持部材44で反射した場合とは異なる方向に反射する。そのため、レーザセンサ45の受光素子99で受光する光量は、ほとんど零近くまで減少する。従って、受光素子99で検出される光量は、相対的に小さくなる。
【0079】
これにより、検出した光量が所定値よりも大きいときは、ウェハWの保持状態は正常であると判定することができ(ステップS14)、検出した光量が所定値よりも小さいときは、ウェハWの保持状態は正常でないと判定することができる(ステップS15)。
【0080】
なお、ステップS13〜ステップS15は、本発明における判定工程に相当する。
【0081】
そして、ウェハWの保持状態が正常でないと判定されたときは(ステップS15)、ステップS16を行う(再保持工程)。ステップS16では、昇降機構47によりリフトピンプレート41を下方位置から上方位置に移動させ、リフトピンプレート41の下面により被押圧部材43cへの下方への押圧を解除し、クランプ部材43を軸43aを中心として回動させることによって、一旦、クランプ部材43によるウェハWの保持を解除する(図6参照)。その後、リフトピンプレート41を再び下方位置に移動させ、リフトピンプレート41の下面により被押圧部材43cが下方に押圧され、クランプ部材43が軸43aを中心として回動することによって、ウェハWはクランプ部材43の保持部材43bにより側方から再度保持される(図5参照)。
【0082】
すなわち、ウェハWの保持状態が正常でないと判定されたときに、クランプ部材43の保持部材43bをウェハWに対して後退及び前進させることによってウェハWを保持し直す。
【0083】
次いで、ステップS17では、ステップS12と同様に、レーザセンサ45の光源98からレーザ光Lを発光し、ケーシング31の透過部材31cを通して保持部材44に照射する。そして、保持部材44で反射した光L´をレーザセンサ45の受光素子99で受光し、光量を検出する(再検出工程)。そして、ステップS18では、ステップS13と同様に、検出した光量が所定値よりも小さいか否かを比較する。再び検出した光量が所定値よりも大きいときは、ウェハWの保持状態は正常であると判定することができ(ステップS19)、再び検出した光量が所定値よりも小さいときは、ウェハWの保持状態は正常でないと判定することができる(ステップS20)。そして、再びウェハWの保持状態が正常でないと判定されたときは(ステップS20)、ステップS21を行う。ステップS21では、警報を出力し、処理を中止する(警報出力工程)。なお、ステップS18〜ステップS20は、再判定工程である。
【0084】
一方、ステップS13〜ステップS15(判定工程)、及び、ステップS18〜ステップS20(再判定工程)において、ウェハWの保持状態が正常であると判定されたときは(ステップS14、ステップS19)、ステップS22を行う。ステップS22では、各種の基板処理を行う(基板処理工程)。
【0085】
例えば、回転機構35により保持プレート42を回転させることによって、クランプ部材43及び保持部材44に保持されているウェハWを回転させる。そして、回転しているウェハWに、ノズルブロック61により、例えばSC1等の処理液を供給する。次いで、処理液を供給したウェハWに、ノズルブロック61により、例えば純水等のリンス液を供給する。次いで、リンス液を供給したウェハWを高速で回転させて、振り切り乾燥する。乾燥後、もう1度判定処理を行ってもよい。次いで、回転機構35のモータ51が停止され、クランプ部材43及び保持部材44に保持されているウェハWの回転も停止される。そして、昇降機構47によって、リフトピンプレート41が上方位置に移動させられて、ウェハWが受け渡し位置(上方位置)に上昇する。そして、搬送機構24により液処理ユニット22からウェハWを搬出し、受け渡しステージ19の受け渡し棚20に載置し、受け渡し棚20から搬送機構15によりウェハキャリアWCに戻される。
【0086】
以上の一連の工程により、一枚のウェハWの処理が終了する。
【0087】
本実施の形態によれば、レーザセンサの光源からのレーザ光を保持部材に照射し、保持部材から反射した光の光量をレーザセンサの受光素子により検出する。従って、基板の上面でレーザ光を反射させないので、基板の膜種、表面状態等に影響されることなく、基板の保持状態を正確に検出することができる。
(第1の実施の形態の変形例)
次いで、第1の実施の形態の変形例に係る基板処理方法について説明する。
【0088】
本変形例に係る基板処理方法では、ウェハを回転させ、複数の保持部材の各々が所定の検出位置に位置するときに、各々の保持部材からの光量を、1つのレーザセンサにより、順次検出する。
【0089】
なお、本変形例でも、第1の実施の形態に係る基板処理装置を用いることができるため、基板処理装置についての説明を省略する。
【0090】
本変形例に係る基板処理方法も、図9のフローチャートに示した工程に基づいて説明することができる。
【0091】
ステップS11(保持工程)の後、回転機構35を回転させ、ウェハWを回転させる。そして、複数の保持部材44の各々が所定の検出位置に位置するときに、ステップS12(検出工程)を行って、複数の保持部材44の各々からの光量を、順次検出する。そして、ステップS13〜ステップS15では、各々の保持部材44について、検出した光量が所定値よりも小さいか否かを比較し、ウェハWの保持状態が正常であるか否かを判定する。
【0092】
このとき、複数の保持部材44のいずれかについて、光量が所定値よりも小さく、保持状態が正常でないと判定されたときに、クランプ部材43をウェハWに対して後退及び前進させることによってウェハWを保持し直してもよい(ステップS16)。そして、ウェハWを保持し直した後、回転機構35を回転させ、複数の保持部材44が所定の検出位置に位置するときに、保持部材44からの光量を検出することによって、ウェハWの保持状態を、順次再検出してもよい(ステップS17)。そして、再検出した光量が所定値よりも小さいか否かを比較し、ウェハWの保持状態が正常であるか否かを再判定してもよい(ステップS18〜ステップS20)。これにより、ウェハの膜種、表面状態等に影響されることなく、ウェハの保持状態を正確に検出することができる。
【0093】
一方、複数の保持部材44の全てについて、光量が所定値よりも小さく、ウェハWの保持状態が正常でないと判定されたときに、ウェハWの処理を中止するようにしてもよい。これにより、ウェハがない状態、又はウェハが割れている状態を検出することができる。
【0094】
本変形例によれば、各々の保持部材からの光量を、1つのレーザセンサにより、順次検出する。従って、レーザセンサが1つだけでよく、装置構成が複雑にならない。
(第2の実施の形態)
次いで、第2の実施の形態に係る基板処理装置及び基板処理方法について説明する。
【0095】
本実施の形態に係る基板処理装置では、複数の保持部材の各々に対応して複数のレーザセンサが設けられている。
【0096】
図14は、本実施の形態に係る基板処理装置における、レーザセンサ45、保持部材44及びウェハWの位置関係を模式的に示す図である。
【0097】
複数のレーザセンサ45と複数の保持部材44とは、回転するウェハWが所定の検出位置に位置するときに、各々のレーザセンサが各々の保持部材からの光量を検出できるように配置されている。すなわち、複数のレーザセンサ45と複数の保持部材44とは、各々の保持部材44が、対応する各々のレーザセンサ45により光量を検出できる検出位置に同時に位置することができるように配置されている。
【0098】
なお、本実施の形態では、複数の保持部材44の各々に対応して複数のレーザセンサ45が設けられている点を除き、第1の実施の形態に係る基板処理装置と同一の基板処理装置を用いることができるため、基板処理装置についての説明を省略する。
【0099】
また、本実施の形態に係る基板処理方法では、ウェハを回転させ、複数の保持部材の各々が所定の検出位置に位置するときに、複数の保持部材44の各々からの光量を、各々の保持部材44に対応して設けられたレーザセンサ45により、同時に検出する。
【0100】
本実施の形態に係る基板処理方法も、図9のフローチャートに示した工程に基づいて説明することができる。
【0101】
ステップS11(保持工程)の後、回転機構35を回転させ、ウェハWを回転させる。そして、複数の保持部材44について、回転するウェハWが所定の検出位置に位置するときに、ステップS12(検出工程)を行って、複数の保持部材44の各々からの光量を、同時に検出する。そして、ステップS13〜ステップS15では、検出した光量が所定値よりも小さいか否かを比較し、ウェハWの保持状態が正常であるか否かを判定する。
【0102】
このとき、複数の保持部材44のいずれかについて、光量が所定値よりも小さく、保持状態が正常でないと判定されたときに、クランプ部材43をウェハWに対して後退及び前進させることによってウェハWを保持し直してもよい(ステップS16)。そして、ウェハWを保持し直した後、回転機構35を回転させ、ウェハWが所定の検出位置に位置するときに、複数の保持部材44からの光量を同時に検出することによって、ウェハWの保持状態を再検出してもよい(ステップS17)。そして、再検出した光量が所定値よりも小さいか否かを比較し、ウェハWの保持状態が正常であるか否かを再判定してもよい(ステップS18〜ステップS20)。これにより、ウェハの膜種、表面状態等に影響されることなく、ウェハの保持状態を正確に検出することができる。
【0103】
一方、複数の保持部材44の全てについて、光量が所定値よりも小さく、ウェハWの保持状態が正常でないと判定されたときに、ウェハWの処理を中止するようにしてもよい。これにより、ウェハがない状態、又はウェハが割れている状態を検出することができる。
【0104】
本実施の形態によれば、複数の保持部材の各々からの光量を、各々の保持部材に対応して設けられたレーザセンサにより、同時に検出する。従って、ウェハを回転させる時間が省けるので短時間で検出でき、スループットに影響を及ぼさない。
【0105】
以上、本発明の好ましい実施の形態について記述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0106】
例えば、保持部から光が発せられればよく、光源が保持部に埋め込まれている場合も含め、光源が保持部と一体になっているものであってもよい。また、光源から照射される光はレーザ光である場合に限られず、LED等の各種の光源から照射される光であってもよい。
【0107】
また、例えば、処理液による処理として、レジスト膜を塗布する塗布処理、塗布されたレジスト膜を加熱又は冷却する熱処理、レジスト膜を露光した後、例えばアルカリ性の現像液により現像する現像処理、及び現像処理後のリンス処理にも適用可能である。
【符号の説明】
【0108】
10 基板処理装置
32 基板保持機構
35 回転機構
42 保持プレート
43 クランプ部材
44 保持部材
45 レーザセンサ
98 光源
99 受光素子
100 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、基板処理方法及びその基板処理方法を実行させるためのプログラムを記録した記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造プロセスやフラットパネルディスプレー(FPD)の製造プロセスにおいては、半導体ウェハやガラス基板等の各種の基板に処理液を供給して処理を行うプロセスが多用されている。このようなプロセスとしては、例えば、基板の表面に付着したパーティクルや、大気との接触により形成された自然酸化膜を除去するための、各種の処理液による洗浄処理等を挙げることができる。
【0003】
上記したような洗浄処理等のプロセスを基板に対して行う基板処理装置としては、枚葉式の複数の基板処理部と、搬送部とを備えたものが用いられている。搬送部は、これら基板処理部への基板の搬入出を行う。
【0004】
基板処理部は、例えば、回転テーブル、複数の保持部及びノズルヘッドを有する。保持部は、回転テーブルに複数設けられ、搬送部により回転テーブルに載置される基板の周縁部を保持する。ノズルヘッドは、回転テーブルの上面側に位置しており、回転テーブルに載置された基板の上面に処理液等を供給する。
【0005】
また、基板処理装置には、保持部に保持された基板の保持状態を検出する検出手段を有するものがある(例えば、特許文献1参照。)。検出手段は、光源と受光素子を含む。光源は、例えばレーザ光よりなる光を出力するものであり、回転テーブル径方向外方の上部に配置されている。受光素子は、光源と同様、回転テーブルの径方向外方の上部に配置されている。受光素子は、光源から照射され、基板の上面で反射した光が受光素子に入射されるように、配置されており、受光素子に入射する光の光量の変化から保持部に保持された基板の水平からの傾き角度を検出することによって、基板の保持状態を検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−229403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、上記した基板処理装置における基板処理方法においては、次のような問題がある。
【0008】
例えばレーザ光を基板の上面で反射させると、想定された光量を検出することができないことがある。そのため、実際は基板を正常に保持しているにも関わらず、基板を正常に保持していないものと判断され、基板の保持状態が誤検出されることがある。本発明の発明者は、このような誤検出が基板上に形成されている膜種、基板上で加工されている膜の表面状態等の影響により発生することを見出した。
【0009】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、基板の膜種、表面状態等に影響されることなく、基板の保持状態を正確に検出することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明の一実施例によれば、基板を処理する基板処理装置において、基板が載置される載置台と、前記載置台に載置されている基板の周縁部を保持する保持部と、前記保持部に光を照射する光源と、前記保持部からの光量を検出することによって、前記保持部に保持されている前記基板の保持状態を検出する検出部とを有する、基板処理装置が提供される。
【0012】
また、本発明の他の一実施例によれば、基板を処理する基板処理方法において、載置台に載置されている基板の周縁部を保持部により保持する保持工程と、光源により前記保持部に光を照射し、前記保持部からの光量を検出部により検出することによって、前記保持部に保持されている前記基板の保持状態を検出する検出工程を有する、基板処理方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、基板の膜種、表面状態等に影響されることなく、基板の保持状態を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
【図2】液処理ユニットの縦断面図である。
【図3】液処理ユニットの処理液供給機構の構成を示す概略図である。
【図4】保持プレート、クランプ部材及び保持部材の構成を示す平面図である。
【図5】液処理ユニットの基板保持機構の構成を示す縦断面であって、リフトピンプレート及び洗浄液供給管が下方位置にあるときの状態を示す図である。
【図6】液処理ユニットの基板保持機構の構成を示す縦断面であって、リフトピンプレート及び洗浄液供給管が上方位置にあるときの状態を示す図である。
【図7】保持部材を保持プレートの周方向から視た側面図である。
【図8】保持部材を保持プレートの上方から視た図である。
【図9】実施の形態に係る基板処理装置を用いた基板処理方法における各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
【図10】ウェハの保持状態が正常であるときの、保持部材とウェハの状態を示す図(その1)である。
【図11】ウェハの保持状態が正常であるときの、保持部材とウェハの状態を示す図(その2)である。
【図12】ウェハの保持状態が正常でないときの、保持部材とウェハの状態を示す図(その1)である。
【図13】ウェハの保持状態が正常でないときの、保持部材とウェハの状態を示す図(その2)である。
【図14】第2の実施の形態に係る基板処理装置における、レーザセンサ、保持部材及びウェハの位置関係を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明を実施するための形態について図面と共に説明する。ここでは、本発明を半導体ウェハ(以下、単に「ウェハ」と記す。)の表面洗浄を行う基板処理装置に適用した場合について示す。
(実施の形態)
始めに、図1を参照し、本発明の実施の形態に係る基板処理装置の概略構成について説明する。
【0016】
図1は本実施の形態に係る基板処理装置の概略構成を示す平面図である。
【0017】
この基板処理装置10は、複数のウェハWを収容するウェハキャリアWCを載置し、ウェハWの搬入・搬出を行う搬入出ステーション(基板搬入出部)1と、ウェハWに洗浄処理を施すための処理ステーション(液処理部)2とを備えている。搬入出ステーション(基板搬入出部)1及び処理ステーション(液処理部)2は、隣接して設けられている。
【0018】
搬入出ステーション1は、キャリア載置部11、搬送部12、受け渡し部13及び筐体14を有している。キャリア載置部11は、複数のウェハWを水平状態で収容する4個のウェハキャリアWCを載置する。搬送部12は、ウェハWの搬送を行う。受け渡し部13は、ウェハWの受け渡しを行う。筐体14は、搬送部12および受け渡し部13を収容する。
【0019】
搬送部12は、搬送機構15を有している。搬送機構15は、ウェハWを保持するウェハ保持アーム15a及びウェハ保持アーム15aを前後に移動させる機構を有している。また搬送機構15は、ウェハキャリアWCの配列方向であるX方向に延在する水平ガイド17に沿って移動させる機構、垂直方向に設けられた図示しない垂直ガイドに沿って移動させる機構、水平面内で回転させる機構を有している。この搬送機構15により、ウェハキャリアWCと受け渡し部13との間でウェハWが搬送される。
【0020】
受け渡し部13は、受け渡しステージ19上に、ウェハWを載置可能な載置部を複数備えた受け渡し棚20を有している。受け渡し部13は、この受け渡し棚20を介して処理ステーション2との間でウェハWの受け渡しが行われるようになっている。
【0021】
処理ステーション2は、直方体状をなす筐体21を有している。処理ステーション2は、筐体21内には、その中央にウェハキャリアWCの配列方向であるX方向に直交するY方向に沿って延びる搬送路を構成する搬送室21aと、搬送室21aの両側に設けられた2つのユニット室21b、21cとを有している。ユニット室21b、21cにはそれぞれ搬送室21aに沿って6個ずつ合計12個の液処理ユニット22が水平に配列されている。
【0022】
搬送室21aの内部には搬送機構24が設けられている。搬送機構24は、ウェハWを保持するウェハ保持アーム24aを前後に移動させる機構を有している。また、搬送機構24は、搬送室21aに設けられた水平ガイド25に沿ってY方向に移動させる機構、垂直方向に設けられた図示しない垂直ガイドに沿って移動させる機構、水平面内で回転させる機構を有している。この搬送機構24により、各液処理ユニット22に対するウェハWの搬入出が行われる。
【0023】
次に、本実施の形態に係る基板処理装置に搭載された液処理ユニット22について説明する。
【0024】
図2は、液処理ユニット22の縦断面図である。
【0025】
液処理ユニット22は、ケーシング31と、ケーシング31内に設けられ、ウェハWを保持する基板保持機構32と、基板保持機構32によって保持されたウェハWに処理液を供給する処理液供給機構33と、基板保持機構32を回転させる回転機構35(モータ51)とを備えている。
【0026】
なお、基板保持機構32は、保持部材44の載置面にウェハWが載置されることによって、ウェハWを保持するものであり、本発明における載置台に相当する。また、保持部材44は、本発明における保持部に相当する。また、クランプ部材43は、本発明における第2の保持部に相当する。また、回転機構35は、本発明における回転部に相当する。
【0027】
ケーシング31内であって基板保持機構32の周縁外方には、ウェハWを洗浄した後の処理液を受ける環状の排液カップ36が配置されている。そして、この排液カップ36には、排液カップ36を経た処理液を排出する排液管37が連結されている。また、ケーシング31の側壁には、ウェハWを出し入れするための出入口31aが設けられている。
【0028】
なお、ケーシング31は、本発明における筐体に相当する。
【0029】
基板保持機構32は、リフトピンプレート41、保持プレート42、クランプ部材43、保持部材44を有する。リフトピンプレート41及び保持プレート42は、水平に設けられており、円板状をなしている。保持プレート42の周縁部には、ウェハWの周縁部を保持するためのクランプ部材43及び保持部材44が設けられている。なお、リフトピンプレート41、保持プレート42、クランプ部材43及び保持部材44の詳細な構造については、後述する。
【0030】
保持プレート42の下面の中心部には、下方鉛直に延びる円筒状の回転軸42aが連結されている。また、保持プレート42の中心部には、円筒状の回転軸42aの孔42bに連通する円形の孔42cが形成されており、回転軸42aの孔42bの内部には、洗浄液供給管46が設けられている。洗浄液供給管46内には、ウェハWの裏面(下面)に向けて処理液を供給する裏面処理液供給路46aが設けられている。
【0031】
洗浄液供給管46は、第1の部材46bを介して昇降機構47に接続されており、上下方向に昇降自在に設けられている。
【0032】
洗浄液供給管46には、第2の部材46cが接続されている。そして、第2の部材46cには、3つの棒状の第3の部材46dが第2の部材46cから上方に延びるように接続されている。第3の部材46dは、リフトピンプレート41の裏面から下方に延びるように設けられた、後述する各接続部材41cに対応して設けられている。また、第3の部材46dは、昇降部材47により洗浄液供給管46が上方に移動する際に、接続部材41cを上方に押し上げることができる。
【0033】
回転軸42aは、軸受け部材48を介してベースプレート40に回転可能に支持されており、回転機構35により回転駆動される。
【0034】
ケーシング31内の上方部には、基板処理装置のファン・フィルター・ユニット(FFU)(図示せず)からの気体を、導入口31bを介して導入するための気体導入部55が設けられている。そして、導入口31bを介して導入された清浄空気(気体)を、基板保持機構32に保持されたウェハW上方の空間に供給する。
【0035】
また、気体導入部55と、ケーシング31内であって基板保持機構32等が設けられている空間56との間には、仕切り部材57が設けられている。仕切り部材57には、気体導入部55から空間56へ気体が流れるため、及び、後述するレーザセンサと保持部材との間でレーザ光が通過するために、孔部57aが形成されている。
【0036】
排液カップ36の周縁外方には、気体導入部55から供給されてウェハWを経た清浄空気を取り込んで排気する環状の排気カップ58が配置されている。排気カップ58には、排気カップ58を経た気体を排出する排気管59が連結されている。
【0037】
図3は、液処理ユニット22の処理液供給機構33の構成を示す概略図である。
【0038】
図2及び図3に示すように、処理液供給機構33は、基板保持機構32によって保持されたウェハWの表面に処理液を供給するノズル61a、61bを有するノズルブロック61を有している。また、処理液供給機構33は、ノズルブロック61に連結され、ノズルブロック61を基板保持機構32に保持されたウェハWの表面に沿って移動させるノズルアーム62と、ノズルアーム62から下方鉛直方向に向かって延びるノズル揺動軸63とを有している。また、処理液供給機構33は、ノズル揺動軸63を駆動するノズル駆動部64を有している。
【0039】
処理液供給機構33のノズル61a、61bを有するノズルブロック61、ノズルアーム62およびノズル揺動軸63内には、処理液が通過する処理液流路70と、リンス液が通過するリンス液流路71が設けられている。
【0040】
処理液流路70は、第1バルブ77を介してアンモニア過水(SC1)を供給するSC1供給源73と連通されている。また、リンス液流路71は、第2バルブ79を介して純水(DIW)を供給するDIW供給源75と連通されている。
【0041】
また、裏面処理液供給路46aへ処理液を供給する機構は、上述した処理液供給機構33と同様の構成からなっている。
【0042】
第1バルブ77、第2バルブ79の各々には制御部100が接続されており、それぞれのバルブは、制御部100により制御される。
【0043】
なお、SC1以外に、例えば希フッ酸(DHF)、BHF(HFとNH4Fの混合溶液)、LAL(BHFと界面活性剤との混合溶液)を供給してもよい。また、乾燥溶媒として例えばIPA(イソプロピルアルコール)を供給してもよい。
【0044】
図4は、保持プレート42、クランプ部材43及び保持部材44の構成を示す平面図である。図5及び図6は、液処理ユニット22の基板保持機構32の構成を示す縦断面であって、リフトピンプレート41及び洗浄液供給管46がそれぞれ下方位置又は上方位置にあるときの状態を示す図である。
【0045】
図4に示すように、保持プレート42の周縁部近傍において、周方向に沿って互いに異なる位置に各々が配置された複数の保持部材44が設けられている。本実施の形態では、一例として、3つの保持部材44が設けられている。また、保持プレート42の周縁部近傍において、周方向に沿って保持部材44と異なる位置に配置された、複数のクランプ部材43が設けられている。本実施の形態では、一例として、3つのクランプ部材43が設けられている。
【0046】
なお、以下では、クランプ部材43は、保持プレート42の周縁部近傍において、周方向に保持部材44と異なる位置に設けられた場合を例として説明する。しかし、保持部材44とクランプ部材43の保持部材43bを本発明の保持部材として一体化してもよく、このとき、クランプ部材43は、保持プレート42の周縁部近傍において、周方向に沿って保持部材44と同一の位置に配置されていてもよい。
【0047】
リフトピンプレート41は円板形状のものからなり、その中心部分には貫通孔41aが形成されている。貫通孔41aには洗浄液供給管46が通されている。リフトピンプレート41の表面には、3本のリフトピン41bが設けられている。リフトピン41bは、リフトピンプレート41の中心部と周縁部との間において、周方向に沿って等間隔で設けられている。また、リフトピンプレート41の裏面には、下方に延びる3つの棒状の接続部材41cが設けられている。接続部材41cは、リフトピンプレート41の中心部と周縁部との間において、周方向に等間隔で設けられている。
【0048】
保持プレート42には、接続部材41cの各々が通過するように、3つの貫通孔42dが形成されている。各貫通孔42dは、保持プレート42の周方向に等間隔で設けられている。また、保持プレート42の裏面において、各貫通孔42dの箇所には、保持プレート42の裏面から下方に延びる3つの円筒形状の収容部材42eが設けられている。各収容部材42eは、各接続部材41cを収容する。これらの収容部材42eは、保持プレート42の周縁部近傍において周方向に等間隔で設けられている。
【0049】
円筒形状の各収容部材42eの内径は各接続部材41cの外径よりもやや大きくなっており、各収容部材42eの長手方向(図5及び図6の上下方向)に沿って各接続部材41cが各収容部材42e内で移動できる。図5に示すように、リフトピンプレート41が下方位置にあるときは、各接続部材41cは各収容部材42eに収容された状態となる。これにより、保持プレート42を回転させたときに、各接続部材41cを介してリフトピンプレート41も連動して回転する。一方、図6に示すように、リフトピンプレート41が上方位置にあるときは、各接続部材41cはその下部における一部分のみが各収容部材42eに収容された状態となり、各接続部材41cは貫通孔42dを通過して保持プレート42から上方に突出する。
【0050】
各収容部材42eの中空部分にはバネ42fが圧縮された状態で収容されている。バネ42fが圧縮状態から元の状態に戻ろうとする力により、接続部材41cには常に下向きの力(保持プレート42から下方に移動しようとする力)が加えられている。
【0051】
保持プレート42には、ウェハWを側方からクランプするためのクランプ部材43が設けられている。クランプ部材43は、図5に示すようにリフトピンプレート41が下方位置にあるときにウェハWを側方から保持し、一方、図6に示すようにリフトピンプレート41が上方位置にあるときにウェハWから離間する。
【0052】
クランプ部材43は、ウェハWを側方から保持する保持部材43bと、軸43aに関して保持部材43bと反対側に設けられた被押圧部材43cとを有し、保持プレート42に軸支する軸43aを中心として回動する。
【0053】
クランプ部材43は、リフトピンプレート41が上方位置から下方位置に移動したときに、リフトピンプレート41の下面により被押圧部材43cが下方に押圧されることによって、軸43aを中心として回転する。そして、クランプ部材43が軸43aを中心として回動することによって、保持部材43bがウェハWに向かってウェハWの側方から移動し、ウェハWに対して前進する。これにより、図5に示すように、リフトピンプレート41が下方位置に到達したときに、ウェハWがクランプ部材43により側方から保持されることとなる。また、図5に示すように、ウェハWがクランプ部材43により側方から保持されたときに、ウェハWはリフトピン41bの先端から上方に離間し、リフトピン41bから上方に浮いた状態となる。
【0054】
なお、クランプ部材43は、ウェハWに対して進退可能に設けられてなるとともに、ウェハWに対して前進することによってウェハWの周縁部を保持するものであればよく、軸43aを中心として回動可能に設けられる場合に限られない。
【0055】
図7は、保持部材44を保持プレート42の周方向(θ方向)から視た側面図である。図8は、保持部材44を保持プレート42の上方から視た図である。
【0056】
図7及び図8に示すように、保持部材44は、台座部91、載置部92、囲み部93及び案内部94を有する。台座部91は、保持プレート42の周縁部近傍において、周方向(θ方向)に沿って互いに異なる位置、例えば等間隔に設けられている。
【0057】
載置部92は、台座部91上に設けられており、ウェハWが載置されるためのものである。載置部92には、ウェハWの周縁部の下面又は側周面の下端付近が接触した状態で、ウェハWが載置される。載置部92には、ウェハWが載置される載置面92aが形成されている。載置面92aは、水平面であってもよく、図7及び図8に示すように、保持プレート42の外周側から中心側に向かって下降する傾斜面であってもよい。
【0058】
囲み部93は、載置部92上に設けられている。囲み部93は、クランプ部材43に保持されることによって保持プレート42上の所定の位置に載置されているウェハWを側方から囲むように設けられている。すなわち、囲み部93は、保持プレート42に保持されているウェハWの周縁部が所定の位置から位置ずれしないように、水平方向に拘束するためのものである。囲み部93には、ウェハWを側方から囲む囲み面93aが形成されていてもよい。囲み面93aは、図7及び図8に示すように、保持プレート42の外周側から中心側を向くように形成された略垂直な面であってもよい。
【0059】
案内部94は、囲み部93上に設けられている。案内部94は、ウェハWがリフトピン41bに載置されている状態で、リフトピンプレート41が上方位置から下方位置に下がるときに、リフトピン41bに載置されているウェハWの周縁部が、囲み部93の囲み面93aよりも保持プレート42の中心側に納まるように、ウェハWを案内するためのものである。案内部94には、ウェハWが案内される案内面94aが形成されている。案内面94aは、ウェハWの側周面の下端付近をスライドさせることによってウェハWの周縁部を案内することができるように、保持プレート42の外周側から中心側に向かって下降する傾斜面とされている。
【0060】
囲み部93と案内部94とは、保持プレート42の周方向(θ方向)に沿って2つに分割され、爪部95、96を形成していてもよい。そして、2つの爪部95、96の間に、溝部97が設けられていてもよい。溝部97が設けられることによって、例えば処理液供給機構33からウェハWの上面に供給され、回転するウェハWの遠心力によってウェハWの外周側に拡散させられた処理液が、ウェハWと囲み部93及び案内部94との間に滞留することを抑制することができる。
【0061】
図8に示すように、爪部95、96の周方向(θ方向)に沿った幅寸法をW1とし、溝部97の周方向(θ方向)に沿った幅寸法をW2とする。
【0062】
保持部材44は、少なくとも囲み部93と案内部94が半透明の樹脂又は白色系樹脂よりなることが好ましい。これらの樹脂として、例えばポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いることができる。これにより、保持部材44は、各種の処理液に対する耐性に優れるとともに、後述するように、保持部材44に照射された光源からの光を、効率よく反射させることができる。
【0063】
次に、レーザセンサ45について説明する。レーザセンサ45は、例えば反射型レーザセンサよりなり、光源98及び受光素子99を有する。なお、受光素子99は、本発明における検出部に相当する。
【0064】
光源98は、光を保持部材44に照射する。光源98として、例えば赤色レーザ光等のレーザ光を発光するレーザ、発光ダイオード(LED)等を用いることができる。
【0065】
受光素子99は、保持部材44で反射された光の光量を検出することによって、保持部材44に保持されたウェハWの保持状態を検出する。受光素子99として、フォトダイオード、フォトトランジスタ等を用いることができる。
【0066】
なお、光源98と受光素子99とは、別体で設けられていてもよく、光源98が受光素子99と異なる位置に設けられていてもよい。更に、光源98を保持部材44中に埋め込み、保持部材44自体から光を発するようにしてもよい。あるいは、保持部材44を挟んで光源98と受光素子99とが反対側になるように配置し、光源98から照射された光が、保持部材44を透過し、保持部材44を透過した光が受光素子99に受光されるようにしてもよい。
【0067】
レーザセンサ45は、ケーシング31の外側に設けられている。このとき、ケーシング31は、少なくとも一部が保持部材44からのレーザ光を透過する透過部材31cよりなる。そして、ケーシング31、透過部材31c、及びレーザセンサ45は、レーザセンサ45の光源98からのレーザ光が透過部材31cを通過して保持部材44に照射されるとともに、保持部材44から反射した光が透過部材31cを通過してレーザセンサ45の受光素子99に受光されるように、配置されている。透過部材31cとしては、透明性、及び、処理液等の各種の薬品への耐性の点から、例えばポリ塩化ビニル(PVC)等の樹脂又は石英ガラスを用いることができる。
【0068】
また、図8に示すように、光源98からのレーザ光は、囲み部93に向けて照射される。照射されるレーザ光の光束LBは、保持プレート42の周方向(θ方向)に沿った幅寸法WLが、保持部材44の幅寸法W3(=W1×2+W2)と略等しくなることが好ましい。光束LBの幅寸法WLが、保持部材44の幅寸法W3よりも小さいときは、光束LBの幅寸法WLが小さくなるに伴って、モータ51により回転する保持部材44が所定の検出位置からずれたときに、保持部材44が光束LBの幅寸法WLに入らず、保持部材44に光が当たらない可能性が大きくなるからである。また、光束LBの幅寸法WLが保持部材44の幅寸法W3よりも大きいときは、保持部材44以外の部材にレーザ光が照射されることとなり、保持部材44以外から反射した光を受光してしまうおそれがあるからである。
【0069】
制御部100は、マイクロプロセッサ(コンピュータ)からなるプロセスコントローラ101を有しており、基板処理装置10の各構成部がこのプロセスコントローラ101に接続されて制御される構成となっている。また、プロセスコントローラ101には、工程管理者が基板処理装置10の各構成部を管理するためにコマンドの入力操作などを行うキーボードや、基板処理装置10の各構成部の可動状況を可視化して表示するディスプレイ等からなるユーザーインターフェース102が接続されている。さらに、プロセスコントローラ101には、基板処理装置10で実行される各種処理をプロセスコントローラ101の制御にて実現するための制御プログラムや、処理条件に応じて基板処理装置10の各構成部に所定の処理を実行させるための制御プログラムすなわちレシピが格納された記憶部103が接続されている。レシピは記憶部103の中の記憶媒体に記憶されている。記憶媒体は、ハードディスクや半導体メモリであってもよい。また、他の装置から、例えば専用回線を介してレシピを適宜伝送させるようにしてもよい。
【0070】
そして、必要に応じて、ユーザーインターフェース102からの指示等にて任意のレシピを記憶部103から呼び出してプロセスコントローラ101に実行させる。これにより、プロセスコントローラ101の制御下で、モータ51、昇降機構47、レーザセンサ45、処理液供給機構33を含む各部材を制御し、基板処理装置10での所望の処理が行われる。
【0071】
次に、上記した制御部100により液処理ユニット22を用いて行なわれる基板処理方法について説明する。
【0072】
図9は、本実施の形態に係る基板処理装置を用いた基板処理方法における各工程の手順を説明するためのフローチャートである。
【0073】
予め、搬入出ステーション1のキャリア載置部11に載置されたウェハキャリアWCから搬送機構15によりウェハWを取り出して受け渡し棚20の載置部に載置し、この動作を連続的に行う。
【0074】
そして、ステップS11では、受け渡し棚20の載置部に載置されたウェハWは、処理ステーション2の搬送機構24により順次搬送されて、いずれかの液処理ユニット22に搬入される。液処理ユニット22では、ウェハ保持アーム24aが、出入口31aを通って、ケーシング31の外部から内部へ前進する。ウェハ保持アーム24aがケーシング31の内部へ前進した状態で、昇降機構47によりリフトピンプレート41が下方位置から上方位置に移動し、ウェハWは、ウェハ保持アーム24aからリフトピンプレート41のリフトピン41bに受け渡される。リフトピン41bにウェハWが受け渡された状態で、ウェハ保持アーム24aを出入口31aを通ってケーシング31の内部から外部へ後退させ、昇降機構47によりリフトピンプレート41を上方位置から下方位置に移動させる。そして、リフトピンプレート41を下方位置に移動させるときに、リフトピンプレート41の下面により被押圧部材43cが下方に押圧され、クランプ部材43が軸43aを中心として回動することによって、ウェハWはクランプ部材43に側方から保持される(保持工程)。
【0075】
次いで、ステップS12では、レーザセンサ45の光源98からレーザ光Lを発光し、ケーシング31の透過部材31cを通して保持部材44に照射する。そして、保持部材44で反射した光L´をレーザセンサ45の受光素子99で受光し、光量を検出する(検出工程)。そして、ステップS13では、検出した光量が所定値よりも小さいか否かを比較する。
【0076】
この所定値は、処理を行う前に予め決定しておく。具体的には、ウェハWの保持状態が正常であるときにレーザセンサ45で検出される光量(正常時の光量)と、ウェハWの保持状態が正常でないときにレーザセンサ45で検出される光量(異常時の光量)を予め測定する。そして、所定値が、正常時の光量の最小値と異常時の光量の最大値の間になるように、所定値を決定する。
【0077】
図10及び図11に示すように、ウェハWが所定の位置に保持されているとき、すなわちウェハWの保持状態が正常であるときは、レーザセンサ45からのレーザ光Lは、保持部材44の例えば囲み部93又は案内部94に照射される。囲み部93又は案内部94にレーザ光Lが照射されると、例えば半透明の樹脂よりなる保持部材44の表面でレーザ光が受光素子99に向けて反射される。そして、反射された光L´のうち、透過部材31cを通って再びレーザセンサ45に戻る光がレーザセンサ45の受光素子99に受光されることによって、保持部材44で反射された光の光量が検出される。このとき、受光素子99で検出される光量は、相対的に大きくなる。
【0078】
一方、図12及び図13に示すように、例えば保持部材44の上に乗り上げているときなど、ウェハWが所定の位置に保持されていないとき、すなわちウェハWの保持状態が正常でないときを考える。ウェハWが保持部材44の上に乗り上げていると、レーザセンサ45からのレーザ光Lは、ウェハWに遮られて保持部材44に当たらない。レーザ光は、保持部材44の上に乗り上げているウェハWの上面に照射され、反射される。乗り上げているウェハWの上面は、レーザ光に対して保持部材44とは異なる角度となっているので、ウェハW上面で反射された光は、保持部材44で反射した場合とは異なる方向に反射する。そのため、レーザセンサ45の受光素子99で受光する光量は、ほとんど零近くまで減少する。従って、受光素子99で検出される光量は、相対的に小さくなる。
【0079】
これにより、検出した光量が所定値よりも大きいときは、ウェハWの保持状態は正常であると判定することができ(ステップS14)、検出した光量が所定値よりも小さいときは、ウェハWの保持状態は正常でないと判定することができる(ステップS15)。
【0080】
なお、ステップS13〜ステップS15は、本発明における判定工程に相当する。
【0081】
そして、ウェハWの保持状態が正常でないと判定されたときは(ステップS15)、ステップS16を行う(再保持工程)。ステップS16では、昇降機構47によりリフトピンプレート41を下方位置から上方位置に移動させ、リフトピンプレート41の下面により被押圧部材43cへの下方への押圧を解除し、クランプ部材43を軸43aを中心として回動させることによって、一旦、クランプ部材43によるウェハWの保持を解除する(図6参照)。その後、リフトピンプレート41を再び下方位置に移動させ、リフトピンプレート41の下面により被押圧部材43cが下方に押圧され、クランプ部材43が軸43aを中心として回動することによって、ウェハWはクランプ部材43の保持部材43bにより側方から再度保持される(図5参照)。
【0082】
すなわち、ウェハWの保持状態が正常でないと判定されたときに、クランプ部材43の保持部材43bをウェハWに対して後退及び前進させることによってウェハWを保持し直す。
【0083】
次いで、ステップS17では、ステップS12と同様に、レーザセンサ45の光源98からレーザ光Lを発光し、ケーシング31の透過部材31cを通して保持部材44に照射する。そして、保持部材44で反射した光L´をレーザセンサ45の受光素子99で受光し、光量を検出する(再検出工程)。そして、ステップS18では、ステップS13と同様に、検出した光量が所定値よりも小さいか否かを比較する。再び検出した光量が所定値よりも大きいときは、ウェハWの保持状態は正常であると判定することができ(ステップS19)、再び検出した光量が所定値よりも小さいときは、ウェハWの保持状態は正常でないと判定することができる(ステップS20)。そして、再びウェハWの保持状態が正常でないと判定されたときは(ステップS20)、ステップS21を行う。ステップS21では、警報を出力し、処理を中止する(警報出力工程)。なお、ステップS18〜ステップS20は、再判定工程である。
【0084】
一方、ステップS13〜ステップS15(判定工程)、及び、ステップS18〜ステップS20(再判定工程)において、ウェハWの保持状態が正常であると判定されたときは(ステップS14、ステップS19)、ステップS22を行う。ステップS22では、各種の基板処理を行う(基板処理工程)。
【0085】
例えば、回転機構35により保持プレート42を回転させることによって、クランプ部材43及び保持部材44に保持されているウェハWを回転させる。そして、回転しているウェハWに、ノズルブロック61により、例えばSC1等の処理液を供給する。次いで、処理液を供給したウェハWに、ノズルブロック61により、例えば純水等のリンス液を供給する。次いで、リンス液を供給したウェハWを高速で回転させて、振り切り乾燥する。乾燥後、もう1度判定処理を行ってもよい。次いで、回転機構35のモータ51が停止され、クランプ部材43及び保持部材44に保持されているウェハWの回転も停止される。そして、昇降機構47によって、リフトピンプレート41が上方位置に移動させられて、ウェハWが受け渡し位置(上方位置)に上昇する。そして、搬送機構24により液処理ユニット22からウェハWを搬出し、受け渡しステージ19の受け渡し棚20に載置し、受け渡し棚20から搬送機構15によりウェハキャリアWCに戻される。
【0086】
以上の一連の工程により、一枚のウェハWの処理が終了する。
【0087】
本実施の形態によれば、レーザセンサの光源からのレーザ光を保持部材に照射し、保持部材から反射した光の光量をレーザセンサの受光素子により検出する。従って、基板の上面でレーザ光を反射させないので、基板の膜種、表面状態等に影響されることなく、基板の保持状態を正確に検出することができる。
(第1の実施の形態の変形例)
次いで、第1の実施の形態の変形例に係る基板処理方法について説明する。
【0088】
本変形例に係る基板処理方法では、ウェハを回転させ、複数の保持部材の各々が所定の検出位置に位置するときに、各々の保持部材からの光量を、1つのレーザセンサにより、順次検出する。
【0089】
なお、本変形例でも、第1の実施の形態に係る基板処理装置を用いることができるため、基板処理装置についての説明を省略する。
【0090】
本変形例に係る基板処理方法も、図9のフローチャートに示した工程に基づいて説明することができる。
【0091】
ステップS11(保持工程)の後、回転機構35を回転させ、ウェハWを回転させる。そして、複数の保持部材44の各々が所定の検出位置に位置するときに、ステップS12(検出工程)を行って、複数の保持部材44の各々からの光量を、順次検出する。そして、ステップS13〜ステップS15では、各々の保持部材44について、検出した光量が所定値よりも小さいか否かを比較し、ウェハWの保持状態が正常であるか否かを判定する。
【0092】
このとき、複数の保持部材44のいずれかについて、光量が所定値よりも小さく、保持状態が正常でないと判定されたときに、クランプ部材43をウェハWに対して後退及び前進させることによってウェハWを保持し直してもよい(ステップS16)。そして、ウェハWを保持し直した後、回転機構35を回転させ、複数の保持部材44が所定の検出位置に位置するときに、保持部材44からの光量を検出することによって、ウェハWの保持状態を、順次再検出してもよい(ステップS17)。そして、再検出した光量が所定値よりも小さいか否かを比較し、ウェハWの保持状態が正常であるか否かを再判定してもよい(ステップS18〜ステップS20)。これにより、ウェハの膜種、表面状態等に影響されることなく、ウェハの保持状態を正確に検出することができる。
【0093】
一方、複数の保持部材44の全てについて、光量が所定値よりも小さく、ウェハWの保持状態が正常でないと判定されたときに、ウェハWの処理を中止するようにしてもよい。これにより、ウェハがない状態、又はウェハが割れている状態を検出することができる。
【0094】
本変形例によれば、各々の保持部材からの光量を、1つのレーザセンサにより、順次検出する。従って、レーザセンサが1つだけでよく、装置構成が複雑にならない。
(第2の実施の形態)
次いで、第2の実施の形態に係る基板処理装置及び基板処理方法について説明する。
【0095】
本実施の形態に係る基板処理装置では、複数の保持部材の各々に対応して複数のレーザセンサが設けられている。
【0096】
図14は、本実施の形態に係る基板処理装置における、レーザセンサ45、保持部材44及びウェハWの位置関係を模式的に示す図である。
【0097】
複数のレーザセンサ45と複数の保持部材44とは、回転するウェハWが所定の検出位置に位置するときに、各々のレーザセンサが各々の保持部材からの光量を検出できるように配置されている。すなわち、複数のレーザセンサ45と複数の保持部材44とは、各々の保持部材44が、対応する各々のレーザセンサ45により光量を検出できる検出位置に同時に位置することができるように配置されている。
【0098】
なお、本実施の形態では、複数の保持部材44の各々に対応して複数のレーザセンサ45が設けられている点を除き、第1の実施の形態に係る基板処理装置と同一の基板処理装置を用いることができるため、基板処理装置についての説明を省略する。
【0099】
また、本実施の形態に係る基板処理方法では、ウェハを回転させ、複数の保持部材の各々が所定の検出位置に位置するときに、複数の保持部材44の各々からの光量を、各々の保持部材44に対応して設けられたレーザセンサ45により、同時に検出する。
【0100】
本実施の形態に係る基板処理方法も、図9のフローチャートに示した工程に基づいて説明することができる。
【0101】
ステップS11(保持工程)の後、回転機構35を回転させ、ウェハWを回転させる。そして、複数の保持部材44について、回転するウェハWが所定の検出位置に位置するときに、ステップS12(検出工程)を行って、複数の保持部材44の各々からの光量を、同時に検出する。そして、ステップS13〜ステップS15では、検出した光量が所定値よりも小さいか否かを比較し、ウェハWの保持状態が正常であるか否かを判定する。
【0102】
このとき、複数の保持部材44のいずれかについて、光量が所定値よりも小さく、保持状態が正常でないと判定されたときに、クランプ部材43をウェハWに対して後退及び前進させることによってウェハWを保持し直してもよい(ステップS16)。そして、ウェハWを保持し直した後、回転機構35を回転させ、ウェハWが所定の検出位置に位置するときに、複数の保持部材44からの光量を同時に検出することによって、ウェハWの保持状態を再検出してもよい(ステップS17)。そして、再検出した光量が所定値よりも小さいか否かを比較し、ウェハWの保持状態が正常であるか否かを再判定してもよい(ステップS18〜ステップS20)。これにより、ウェハの膜種、表面状態等に影響されることなく、ウェハの保持状態を正確に検出することができる。
【0103】
一方、複数の保持部材44の全てについて、光量が所定値よりも小さく、ウェハWの保持状態が正常でないと判定されたときに、ウェハWの処理を中止するようにしてもよい。これにより、ウェハがない状態、又はウェハが割れている状態を検出することができる。
【0104】
本実施の形態によれば、複数の保持部材の各々からの光量を、各々の保持部材に対応して設けられたレーザセンサにより、同時に検出する。従って、ウェハを回転させる時間が省けるので短時間で検出でき、スループットに影響を及ぼさない。
【0105】
以上、本発明の好ましい実施の形態について記述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0106】
例えば、保持部から光が発せられればよく、光源が保持部に埋め込まれている場合も含め、光源が保持部と一体になっているものであってもよい。また、光源から照射される光はレーザ光である場合に限られず、LED等の各種の光源から照射される光であってもよい。
【0107】
また、例えば、処理液による処理として、レジスト膜を塗布する塗布処理、塗布されたレジスト膜を加熱又は冷却する熱処理、レジスト膜を露光した後、例えばアルカリ性の現像液により現像する現像処理、及び現像処理後のリンス処理にも適用可能である。
【符号の説明】
【0108】
10 基板処理装置
32 基板保持機構
35 回転機構
42 保持プレート
43 クランプ部材
44 保持部材
45 レーザセンサ
98 光源
99 受光素子
100 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理装置において、
基板が載置される載置台と、
前記載置台に載置されている基板の周縁部を保持する保持部と、
前記保持部に光を照射する光源と、
前記保持部からの光量を検出することによって、前記保持部に保持されている前記基板の保持状態を検出する検出部と
を有する、基板処理装置。
【請求項2】
前記保持部は、前記載置台に載置されている基板の外周に沿って互いに異なる位置に各々が設けられてなる複数の保持部である、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
複数の前記光源と、複数の前記検出部とを有し、
前記検出部は、複数の前記保持部からの光量を同時に検出することによって、前記基板の保持状態を検出するものである、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記載置台の中心を回転軸として、前記保持部を前記基板とともに回転させる回転部を有し、
前記検出部は、前記複数の保持部の各々について、前記回転部により回転する前記保持部が所定の検出位置に位置するときに、前記保持部からの光量を検出することによって、前記基板の保持状態を検出するものである、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記載置台が内部に設けられ、少なくとも一部が前記保持部からの光を透過する透過部材で形成されている筐体をさらに有し、
前記検出部は、前記筐体の外部に設けられ、前記透過部材を通過した前記保持部からの光量を検出することによって、前記基板の保持状態を検出するものである、請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記光源は、前記光源からの光束を前記保持部に照射するものであり、
前記保持部に照射される光束の、前記載置台の周方向に沿った幅寸法は、前記保持部の幅寸法と等しい、請求項1から請求項5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記検出部の動作を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記検出部が検出した光量が所定値よりも小さいときに、前記基板の保持状態が正常でないと判定する、請求項1から請求項6のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記基板の外周に沿って前記保持部と異なる位置に、前記基板に対して進退可能に設けられてなるとともに、前記基板に対して前進することによって前記基板の周縁部を保持する複数の第2の保持部を有し、
前記制御部は、前記第2の保持部の動作を制御するものであり、
前記制御部は、前記基板の保持状態が正常でないと判定されたときに、前記第2の保持部を前記基板に対して後退及び前進させることによって前記基板を保持し直した後、再び前記検出部が検出した光量が前記所定値よりも小さいときに、警報を出力する、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記保持部は、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン又はポリテトラフルオロエチレンよりなる、請求項1から請求項8のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板を処理する基板処理方法において、
載置台に載置されている基板の周縁部を保持部により保持する保持工程と、
光源により前記保持部に光を照射し、前記保持部からの光量を検出部により検出することによって、前記保持部に保持されている前記基板の保持状態を検出する検出工程を有する、基板処理方法。
【請求項11】
前記検出工程は、前記載置台に載置されている基板の外周に沿って互いに異なる位置に設けられている複数の保持部について検出する、請求項10に記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記検出工程は、複数の前記光源により複数の前記保持部に光を照射し、複数の前記保持部からの光量を、複数の前記検出部により同時に検出することによって、前記基板の保持状態を検出する、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記検出工程は、前記複数の保持部について、前記載置台の中心を回転軸として、前記基板とともに回転する前記保持部が所定の検出位置に位置するときに、前記保持部からの光の光量を検出することによって、前記基板の保持状態を検出するものである、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記検出工程は、内部に前記載置台が設けられた筐体における透過部材を通過した光の光量を、前記筐体の外部に設けられた前記検出部により検出することによって、前記基板の保持状態を検出するものである、請求項10から請求項13のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記検出工程は、前記載置台の周方向に沿った幅寸法が前記保持部の幅寸法と等しい光束を前記保持部に照射する、請求項10から請求項14のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記検出部が検出した光量が所定値よりも小さいときに、前記基板の保持状態が正常でないと判定する判定工程を有する、請求項10から請求項15のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記保持工程は、前記基板の外周に沿って前記保持部と異なる位置に、前記基板に対して進退可能に設けられた複数の第2の保持部を、前記基板に対して前進させることによって、前記基板の周縁部を保持するものであり、
前記判定工程において前記基板の保持状態が正常でないと判定されたときに、前記第2の保持部を前記基板に対して後退及び前進させることによって前記基板を保持し直した後、再び前記検出部が検出した光量が前記所定値よりも小さいときに、警報を出力する警報出力工程を有する、請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記検出部が検出した光量が所定値よりも小さいときに、前記基板の保持状態が正常でないと判定する判定工程を有し、
前記複数の保持部の全てについて、前記判定工程において、前記基板の保持状態が正常でないと判定されたときに、前記基板の処理を中止する、請求項11から請求項15のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記検出部が検出した光量が所定値よりも小さいときに、前記基板の保持状態が正常でないと判定する判定工程を有し、
前記保持工程は、前記基板の外周に沿って前記保持部と異なる位置に、前記基板に対して進退可能に設けられた複数の第2の保持部を、前記基板に対して前進させることによって、前記基板の周縁部を保持するものであり、
前記複数の保持部のいずれかについて、前記判定工程において、前記基板の保持状態が正常でないと判定されたときに、前記第2の保持部を前記基板に対して後退及び前進させることによって前記基板を保持し直した後、前記複数の保持部のいずれかからの光量を検出することによって、前記基板の保持状態を検出する、請求項11から請求項15のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項20】
コンピュータに請求項10から請求項19のいずれかに記載の基板処理方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項1】
基板を処理する基板処理装置において、
基板が載置される載置台と、
前記載置台に載置されている基板の周縁部を保持する保持部と、
前記保持部に光を照射する光源と、
前記保持部からの光量を検出することによって、前記保持部に保持されている前記基板の保持状態を検出する検出部と
を有する、基板処理装置。
【請求項2】
前記保持部は、前記載置台に載置されている基板の外周に沿って互いに異なる位置に各々が設けられてなる複数の保持部である、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
複数の前記光源と、複数の前記検出部とを有し、
前記検出部は、複数の前記保持部からの光量を同時に検出することによって、前記基板の保持状態を検出するものである、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記載置台の中心を回転軸として、前記保持部を前記基板とともに回転させる回転部を有し、
前記検出部は、前記複数の保持部の各々について、前記回転部により回転する前記保持部が所定の検出位置に位置するときに、前記保持部からの光量を検出することによって、前記基板の保持状態を検出するものである、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記載置台が内部に設けられ、少なくとも一部が前記保持部からの光を透過する透過部材で形成されている筐体をさらに有し、
前記検出部は、前記筐体の外部に設けられ、前記透過部材を通過した前記保持部からの光量を検出することによって、前記基板の保持状態を検出するものである、請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記光源は、前記光源からの光束を前記保持部に照射するものであり、
前記保持部に照射される光束の、前記載置台の周方向に沿った幅寸法は、前記保持部の幅寸法と等しい、請求項1から請求項5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記検出部の動作を制御する制御部を有し、
前記制御部は、前記検出部が検出した光量が所定値よりも小さいときに、前記基板の保持状態が正常でないと判定する、請求項1から請求項6のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記基板の外周に沿って前記保持部と異なる位置に、前記基板に対して進退可能に設けられてなるとともに、前記基板に対して前進することによって前記基板の周縁部を保持する複数の第2の保持部を有し、
前記制御部は、前記第2の保持部の動作を制御するものであり、
前記制御部は、前記基板の保持状態が正常でないと判定されたときに、前記第2の保持部を前記基板に対して後退及び前進させることによって前記基板を保持し直した後、再び前記検出部が検出した光量が前記所定値よりも小さいときに、警報を出力する、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記保持部は、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン又はポリテトラフルオロエチレンよりなる、請求項1から請求項8のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板を処理する基板処理方法において、
載置台に載置されている基板の周縁部を保持部により保持する保持工程と、
光源により前記保持部に光を照射し、前記保持部からの光量を検出部により検出することによって、前記保持部に保持されている前記基板の保持状態を検出する検出工程を有する、基板処理方法。
【請求項11】
前記検出工程は、前記載置台に載置されている基板の外周に沿って互いに異なる位置に設けられている複数の保持部について検出する、請求項10に記載の基板処理方法。
【請求項12】
前記検出工程は、複数の前記光源により複数の前記保持部に光を照射し、複数の前記保持部からの光量を、複数の前記検出部により同時に検出することによって、前記基板の保持状態を検出する、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項13】
前記検出工程は、前記複数の保持部について、前記載置台の中心を回転軸として、前記基板とともに回転する前記保持部が所定の検出位置に位置するときに、前記保持部からの光の光量を検出することによって、前記基板の保持状態を検出するものである、請求項11に記載の基板処理方法。
【請求項14】
前記検出工程は、内部に前記載置台が設けられた筐体における透過部材を通過した光の光量を、前記筐体の外部に設けられた前記検出部により検出することによって、前記基板の保持状態を検出するものである、請求項10から請求項13のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項15】
前記検出工程は、前記載置台の周方向に沿った幅寸法が前記保持部の幅寸法と等しい光束を前記保持部に照射する、請求項10から請求項14のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記検出部が検出した光量が所定値よりも小さいときに、前記基板の保持状態が正常でないと判定する判定工程を有する、請求項10から請求項15のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記保持工程は、前記基板の外周に沿って前記保持部と異なる位置に、前記基板に対して進退可能に設けられた複数の第2の保持部を、前記基板に対して前進させることによって、前記基板の周縁部を保持するものであり、
前記判定工程において前記基板の保持状態が正常でないと判定されたときに、前記第2の保持部を前記基板に対して後退及び前進させることによって前記基板を保持し直した後、再び前記検出部が検出した光量が前記所定値よりも小さいときに、警報を出力する警報出力工程を有する、請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記検出部が検出した光量が所定値よりも小さいときに、前記基板の保持状態が正常でないと判定する判定工程を有し、
前記複数の保持部の全てについて、前記判定工程において、前記基板の保持状態が正常でないと判定されたときに、前記基板の処理を中止する、請求項11から請求項15のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記検出部が検出した光量が所定値よりも小さいときに、前記基板の保持状態が正常でないと判定する判定工程を有し、
前記保持工程は、前記基板の外周に沿って前記保持部と異なる位置に、前記基板に対して進退可能に設けられた複数の第2の保持部を、前記基板に対して前進させることによって、前記基板の周縁部を保持するものであり、
前記複数の保持部のいずれかについて、前記判定工程において、前記基板の保持状態が正常でないと判定されたときに、前記第2の保持部を前記基板に対して後退及び前進させることによって前記基板を保持し直した後、前記複数の保持部のいずれかからの光量を検出することによって、前記基板の保持状態を検出する、請求項11から請求項15のいずれかに記載の基板処理方法。
【請求項20】
コンピュータに請求項10から請求項19のいずれかに記載の基板処理方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−16535(P2013−16535A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146243(P2011−146243)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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