説明

基板処理装置およびデバイスの製造方法

基板処理装置は、基板を処理する処理炉以外の場所で処理前および処理後の少なくとも一方の基板表面の放射率を測定する放射率測定部材(21、22、23)と、測定結果を保存する記憶部11とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板処理装置およびデバイスの製造方法に関し、特に、半導体装置を製造する際に好適に使用される基板処理装置およびそれを用いたデバイスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の基板処理装置として、例えば、図1に示すような装置が使用されている。
図1に示すように、この基板処理装置の処理炉100は、処理室101の内部にサセプタ103が設置され、サセプタ103の上にはウエハ102が搭載される。ウエハ102は加熱手段104によって加熱され、必要に応じて処理室101内に所定の反応ガスを流してウエハ102の処理を行う。ウエハ102の温度は、温度測定用プローブ107によって測定されるが、温度測定用プローブ107によって測定されたウエハ温度は、放射率測定部106に設けられた放射率測定用プローブ105によって測定された放射率により補正されて、ウエハ102の温度が検出される。
【0003】
しかしながら、このような従来の基板処理装置では、処理炉内で放射率を測定するため、処理時間が長くなる欠点がある。
また、このような従来の基板処理装置では、ウエハの上部に放射率測定部があることにより、ウエハが局部的に温度低下するため、ウエハ均一性を悪化させる欠点がある。
【0004】
本発明の主な目的は、基板の処理の短時間化が図れ、基板処理の均一性を向上させることができる基板処理装置およびそれを使用するデバイスの製造方法を提供することにある。
【発明の開示】
【0005】
本発明の一態様によれば、
基板を処理する処理炉以外の場所で処理前および処理後の少なくとも一方の基板表面の放射率を測定する放射率測定部材と、測定結果を保存する記憶部とを備えることを特徴とする基板処理装置が提供される。
【0006】
本発明の他の態様によれば、
基板を処理する処理炉と、
前記処理炉の中に設けられた放射率測定器と、
基板上の膜の膜厚によって放射率が変化する膜を処理する場合に、前記基板処理中に周期的に前記放射率測定器によって前記膜の放射率をモニタし、測定された放射率が目標となる膜厚より予め求めておいた放射率値となったときに、前記膜の処理を停止するように前記放射率測定器および前記処理炉を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする基板処理装置が提供される。
【0007】
本発明のさらに他の態様によれば、
基板を処理する処理炉以外の場所で処理前および処理後の少なくとも一方の基板表面の放射率を測定する放射率測定部材と、測定結果を保存する記憶部とを備える基板処理装置を用いて前記基板を処理する工程を備えることを特徴とするデバイスの製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来の基板処理装置に使用している処理炉を説明するための概略縦断面図である。
【図2】本発明の実施例で使用される放射率測定および温度測定システムを説明するための概略図である。
【図3】本発明の実施例の基板処理装置を説明するための概略縦断面図である。
【図4】シリコンの放射率と波長との関係を示す図である。
【図5】Si上のSiOの膜厚と放射率の関係を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の好ましい形態によれば、基板を処理する処理炉以外の場所で処理前および処理後の少なくとも一方の基板表面の放射率を測定する放射率測定手段と、測定結果を保存する記憶部とを有することを特徴とする基板処理装置が提供される。
【0010】
好ましくは、大気搬送室(アラナイ部)、ロードロック室または冷却室に放射率測定手段を備える。そして、さらに好ましくは、放射率測定手段で測定した放射率を自動的に基板処理に反映する。
【0011】
また、好ましくは、基板処理装置に一つまたは複数のカセットを投入後、自動的に一つまたは複数の基板の放射率を測定し、その結果を全ての基板処理に自動的に反映する。この場合、基本的には、温度補正の初期値に役立てる。
【0012】
また、好ましくは、全ての基板の放射率を自動的に測定する。
【0013】
また、好ましくは、大気搬送室(アラナイ部)またはロードロック室または冷却室に放射率測定手段を備え、処理前または処理後または処理前後の基板にて放射率測定手段で放射率を測定し異常(前工程のプロセスを含む)を検出する。処理前の基板にて放射率を測定することにより、例えば、ロードされた基板が、正規または前工程で正常に処理されているかを判別することができ、処理後の基板にて放射率を測定することにより、例えば、規定値との比較により処理状況を調べることができ、また、処理前後の基板にて放射率を測定することにより、例えば、成膜等の基板の処理が正常に行われたか否かを調べることができる。
【0014】
また、好ましくは、放射温度計にて基板の温度を測定し、処理炉の中または外に放射率測定器を備え、放射率測定器の測定結果により、放射温度計にて測定したウエハ温度を補正するシステムを備え、放射温度計の光フィルタと放射率測定器の光フィルタのフィルタ特性を同じにする。また、好ましくは、放射温度計の光電変換素子と放射率測定器の光電変換素子とを同じにする。
【0015】
また、好ましくは、基板より放射される光強度(光子密度、光放射量)をもとにして温度を測定する測定器と、その測定器の内部に光の波長を限定する光フィルタであって、光フィルタの中心値が0.5〜1.1μmで光フィルタの半値幅が0.2μm以下である光フィルタと、を備える。
【0016】
また、好ましくは、基板より放射される光強度(光子密度、光放射量)をもとにして放射率を測定する測定器と、その測定器の内部に光の波長を限定する光フィルタであって、光フィルタの中心値が0.5〜1.1μmで光フィルタの半値幅が0.2μm以下である光フィルタと、を備える。
【0017】
なお、処理炉の中に放射測定器を備え、処理炉へ基板を搬入してから搬出するまでの間の一部または全てで、一時または周期的に放射率測定器で放射率を測定し、その測定結果より異常を検出することもできる。
【0018】
また、処理炉の中に放射率測定器を備え、処理炉へウエハを搬入してから搬出するまでの間の一部または全てで、一時または周期的に放射率測定器で放射率を測定し、その測定結果よりプロセス処理終了点を検出することもできる。
【0019】
本発明の他の好ましい形態によれば、
基板を処理する処理炉と、
前記処理炉の中に設けられた放射率測定器と、
基板上の膜の膜厚によって放射率が変化する膜を処理する場合に、前記基板処理中に周期的に前記放射率測定器によって前記膜の放射率をモニタし、測定された放射率が目標となる膜厚より予め求めておいた放射率値となったときに、前記膜の処理を停止するように前記放射率測定器および前記処理炉を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする基板処理装置が提供される。
【0020】
本発明のさらに他の好ましい形態によれば、
基板を処理する処理炉以外の場所で処理前および処理後の少なくとも一方の基板表面の放射率を測定する放射率測定部材と、測定結果を保存する記憶部とを備える基板処理装置を用いて前記基板を処理する工程を備えることを特徴とするデバイスの製造方法が提供される。
【0021】
次に、図面を参照して、本発明の好ましい実施例を説明する。
図4に示されるように、シリコンは0.5〜1.1μmでは放射率が温度にほとんど依存しない。よって、シリコンの温度測定・放射率測定には、ピーク波長が0.5〜1.1μmの光フィルタを備える測定器が適している。また、ピーク波長が0.5〜1.1μmであっても、半値幅が広い光フィルタを使用すると放射率が温度に依存しない領域から外されるため、半値幅は0.2μm以下の光フィルタを備える測定器が適している。
【0022】
次に、図2を参照し、本発明の実施例で使用される放射率測定および温度測定システムを説明する。ウエハ20から放射率測定用プローブ21へ入射した光は光ファイバケーブル22をとおり光子密度検出部23に入る。光子密度検出部23にて、レンズ24を通った後、ピーク波長0.9μm半値幅20nmの光フィルタ25で0.9μm前後以外の波長の光はカットされ、その後、シリコンを検出素子とした光電変換素子26により電気信号に変換される。その後、電気信号となった光子密度(光強度)は電子回路27を経て、処理炉主制御部10に出力される。処理炉主制御部10にて、その電気信号より放射率を算出し、それを記憶部11で保存する。
【0023】
なお、ウエハ20の放射率の測定は、次のようにして行う。まず、放射率測定用プローブ21をウエハ20の真上のリファレンスランプ(図示せず)に向くように回転し、リファレンスランプ(図示せず)を点灯する。そして、放射率測定用プローブ21はリファレンスランプ(図示せず)からの入射光子密度を測定する。リファレンスランプ(図示せず)が点灯している間、放射率測定用プローブ21は、その後、回転し、リファレンスランプ(図示せず)真下のウエハ20に向く。このポジションにおいて、放射率測定用プローブ21はウエハ20の反射光子密度を測定する。プランクの法則によれば、特定の表面に放出されたエネルギーは表面温度の四乗に関係する。その比例定数はシュテファン・ボルツマン定数と表面放射率との積から成る。従って、非接触における表面温度の決定時には、表面放射率を使用するのが好ましい。以下の式を用いてウエハ20の全半球反射率を計算し、引き続きキルヒホフの法則により放射率が得られる。
(1)ウエハ反射率=反射光強度/入射光強度
(2)放射率=(1−ウエハ反射率)
【0024】
また、ウエハ20から温度測定用プローブ18へ入射した光は光ファイバケーブル17をとおり温度検出部12に入る。温度検出部12の内部にて、レンズ13を通った後、ピーク波長0.9μm半値幅20nmの光フィルタ14で0.9μm前後以外の波長の光はカットされ、その後、シリコンを検出素子とした光電変換素子15により電気信号に変換される。その後、電気信号となった光子密度(光強度)は電子回路内部16でウエハ温度が算出され、そのウエハ温度が処理炉主制御部10に出力される。
【0025】
温度測定用プローブ18にて算出されたウエハ温度は、放射率測定用プローブ21にて算出され記憶部11で保存された放射率により補正されることで、ウエハ温度の検出を可能としている。
【0026】
また、本発明の実施例で使用される放射率測定および温度測定システムでは、温度検出部12内部の光フィルタ14が光子密度検出部23内部の光フィルタ25と全く同じであり、温度検出部12内部の光電変換素子15が光子密度検出部23内部の光電変換素子26と全く同じであることにより、放射率測定用プローブ21にて算出された放射率の波長帯と温度測定用プローブ18にて算出されたウエハ温度の波長帯が、正確に同じであるため、放射率により補正されたウエハ温度は正確である。
【0027】
図3は、本発明の一実施例の基板処理装置1を説明するための概略縦断面図である。この基板処理装置1は、処理炉41と、処理炉41に接続された真空搬送室42と、真空搬送室42に接続されたロードロック室44と、真空搬送室42に設けられ基板としてのウエハ20を処理炉41とロードロック室44との間で搬送する真空ロボット43と、ロードロック室44に接続されて設けられた大気搬送室45と、大気搬送室45に設けられ大気搬送室45とカセット48との間でウエハを搬送する大気ロボット47と、大気搬送室45に設けられたアライナ46と、処理炉主制御部10と、処理炉主制御部10に設けられた記憶部11と、ウエハ20の搬送を制御し処理炉主制御部10に接続された搬送系主制御部34と、ロードロック室44の上部に設けられた放射率測定部33と、放射率測定部33と処理炉主制御部10との間に接続された光子密度検出部32と、処理炉41内のウエハ20からの放射光によりウエハ20の温度を検出し処理炉主制御部10に接続された温度検出部31とを備えている。
【0028】
ロードロック室44の上部の放射率測定部33に、ウエハ20の放射率を測定し、その温度を計算するための非接触式の放射率測定用プローブ等の放射率測定手段(図示せず)を備えている。ロードロック室44の上部にあることで、ロードロック室44の雰囲気を大気から真空、また、真空から大気へと変更している間に放射率を測定でき、プロセス処理時間を短縮できる。光子密度検出部32で放射率測定部33からの測定信号により光子密度(光強度)を検出し、光子密度検出部32からの信号に基づき処理炉主制御部10で放射率を算出し、算出された放射率を記憶部11で記憶する。
【0029】
処理炉41は、温度検出部31に温度検出手段である複数の温度測定用プローブ(図示せず)を備える。これらの温度測定用プローブは処理炉のチャンバ蓋(図示せず)に固定され、すべての処理条件においてウエハ20のデバイス面から放射される光子密度を常に測定する。温度測定用プローブによって測定された光子密度に基づき温度検出部31にてウエハ温度に算出され、処理炉主制御部10にて設定温度と比較される。温度検出部31にて算出されたウエハ温度は、放射率測定部33にて測定され、記憶部11に記憶された放射率により処理炉主制御部10内で補正されることで、ウエハ温度の検出を可能としている。処理炉主制御部10は比較の結果、あらゆる偏差を計算し、加熱制御部(図示せず)を介してヒータアッセンブリ(図示せず)内の加熱手段であるランプ(図示せず)の複数のゾーンへの電力供給量をそれぞれ制御する。
【0030】
ウエハカセット48投入後、ウエハ20は一枚づつ、大気搬送室45→アライナ46→ロードロック室44→真空搬送室42→処理炉41→真空搬送室42→ロードロック室44→大気搬送室45のルートで処理される。すべてのウエハについて、ロードロック室44を通過する際、放射率測定部33に設けた放射率測定手段にて放射率を自動的に測定し、記憶部11に記憶する。その後、処理炉41にてウエハ20を処理する際、温度検出部31により検出されたウエハ温度を、記憶部11に記憶された放射率により処理炉主制御部内10で自動的に補正することで、ウエハ温度を検出する。
【0031】
なお、放射率測定手段を備える放射率測定部33は、冷却室(図死せず)上部またはアラナイ46上部などに設ける場合もある。冷却室の場合は冷却中に、アラナイ部の場合はアライニング中に放射率を測定でき、プロセス処理時間を短縮できる。なお、冷却室は、処理炉41で処理された基板を冷却するために使用され、真空搬送室42の側壁に取り付けられ、処理炉41で処理された基板は冷却室に運ばれ、そこで冷却された後に、ロードロック室44に運ばれる。
【0032】
また、放射率によってウエハ温度を補正するには、次のようにしてもよい。
ウエハカセット48投入後、ウエハ20は一枚づつ、大気搬送室45→アライナ46→ロードロック室44→真空搬送室42→処理炉41→真空搬送室42→ロードロック室44→大気搬送室45のルートで処理される。最初に通過するデバイスウエハ(ダミーウエハを除く)のみ、ロードロック室を通過する際、放射率測定部33に設けた放射測定手段にて放射率を自動的に測定し、記憶部11に記憶する。その後、処理炉41にてその1枚目のデバイスウエハ20を処理する際、温度検出部31により検出されたウエハ温度は、その記憶部11に記憶された放射率により処理炉主制御部内10で自動的に補正されることで、ウエハ温度の検出を可能としている。2枚目以降のデバイスウエハは、処理炉41にてウエハ20を処理する際、最初のデバイスウエハによって求められ記憶部11に記憶された放射率により処理炉主制御部10内で自動的に補正することで、ウエハ温度を検出する。
【0033】
本発明の他の実施例として、図3のようにロードロック室44に放射率測定部33がある場合のウエハのモニタについて説明する。ロードロック室44に処理前のウエハ20が搬送された際、放射率を測定し“前回の放射率から求めた規定値”と比較して、例えば、0.01以上異なる場合は、異常と判断しエラーを発生する。
【0034】
また、アニールなどの放射率が変化しないプロセスでは、ロードロック室44に処理後のウエハ20が搬送された際、放射率を測定し“前回の放射率から求めた規定値”と比較して、例えば、0.01以上異なる場合は、異常と判断しエラーを発生する。
【0035】
さらに、Siを酸化するプロセスなどでは、膜厚によって放射率が変化する。図5に、Si上のSiOの膜厚と放射率の関係を示す。このように膜厚によって放射率が変化する膜のプロセスでは、ロードロック室44に処理後のウエハ20が搬送された際、放射率を測定し推定放射率と比較して、例えば、0.03以上異なる場合は、異常と判断しエラーを発生する。
【0036】
次に、処理炉41に放射率測定部33がある場合のモニタについて説明する。放射率は、ウエハ表面の膜により異なる値を示す。また、非接触式の放射率測定用プローブ等の放射率測定器では、表1に示されるようにウエハが傾くと間違った放射率を示す。前工程の処理ミスまたはウエハずれにより処理前のウエハの放射率が異常値を示す場合がある。処理炉41にウエハ20が搬送された後、処理前に放射率を測定し“前回の放射率などから求めた規定値”と比較して例えば、0.01以上異なる場合は、異常と判断しエラーを発生する。次の表1は、ウエハの傾き角と測定放射率の関係を示す表である。
【0037】
【表1】

【0038】
また、図4より分かるように、シリコンにおいても0.9μm付近では、放射率は温度によって変化しない。ウエハ処理中も放射率を周辺的にモニタし、アニールなどの放射率が変化しないプロセスでは、規定値と比較して、例えば、0.01以上異なる場合は、異常と判断しエラーを発生する。
【0039】
Siを酸化するプロセスなどでは、膜厚によって放射率が変化する。このように膜厚によって放射率が変化する膜のプロセスでは、ウエハ処理中に周期的に放射率をモニタし、その時の推定膜厚を求めた放射率と比較して、例えば、0.03以上異なる場合は、異常と判断しエラーを発生する。
【0040】
また、膜厚によって放射率が変化する膜のプロセスでは、ウエハ処理中に周期的に放射率をモニタし、目標となる膜厚より求めた放射率値となったときに、プロセスを停止(ガス停止、温度下降)する。
【0041】
明細書、特許請求の範囲、図面および要約書を含む2003年9月24日提出の日本国特許出願2003−332485号の開示内容全体は、そのまま引用してここに組み込まれる。
【0042】
種々の典型的な実施の形態を示しかつ説明してきたが、本発明はそれらの実施の形態に限定されない。従って、本発明の範囲は、次の請求の範囲によってのみ限定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上説明したように、本発明の好ましい形態によれば、基板の処理の短時間化が図れ、基板処理の均一性を向上させることができる基板処理装置およびそれを使用したデバイスの製造方法が提供される。
その結果、本発明は、半導体ウエハを処理する基板処理装置およびそれを使用した半導体デバイスの製造方法に特に好適に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理炉以外の場所で処理前および処理後の少なくとも一方の基板表面の放射率を測定する放射率測定部材と、測定結果を保存する記憶部とを備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
大気搬送室、ロードロック室および冷却室の少なくともひとつと、制御部とをさらに備え、前記放射率測定部材は前記大気搬送室、前記ロードロック室および前記冷却室の少なくともひとつに備えられ、前記制御部は前記放射率測定部材で測定した放射率を基板処理に反映させることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記基板処理装置に一つまたは複数のカセットを投入後、前記放射率測定部材にて前記一つまたは複数のカセットに収容されている少なくとも一つの基板の放射率を測定し、前記制御部が前記測定結果を前記一つまたは複数のカセットに収容されている全ての基板処理に反映させることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項4】
処理前または処理後または処理前後の基板の放射率を前記放射率測定部材により測定し、その測定結果に基づき、前記制御部が当該基板に対する処理状況を判断することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項5】
処理前の基板の放射率を測定し、当該測定結果と規定値とを比較して、当該基板が正規または前工程で正常に処理されているかを判断することを特徴とする請求項4記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記規定値と0.01以上放射率が異なる場合、異常と判断することを特徴とする請求項5記載の基板処理装置。
【請求項7】
処理後の基板の放射率を測定し、当該測定結果と前記規定値とを比較して、当該処理における処理状況を判断することを特徴とする請求項4記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記処理がアニール処理であって、前記規定値と0.01以上放射率が異なる場合、異常と判断することを特徴とする請求項7記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記処理が基板上に膜を堆積する処理であって、所望の膜厚に対する放射率と、処理後の放射率とを比較して、当該堆積処理が正常に行われたかを判断することを特徴とする請求項7記載の基板処理装置。
【請求項10】
処理前後の基板の放射率を測定し、該処理前後の放射率を比較して、当該基板に対して当該処理が正常に行われたか否かを判断することを特徴とする請求項4記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記処理炉の内部に基板の温度を測定する放射温度計と、前記放射率測定部材の測定結果により、前記放射温度計にて測定した基板温度を補正する制御部とをさらに備え、前記放射温度計の光フィルタと前記放射率測定部材の光フィルタのフィルタ特性を同じとすることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記各光フィルタは、中心値が0.5乃至1.1μm、半値幅が0.2μm以下であり、取り込む光の波長を限定することを特徴とする請求項11記載の基板処理装置。
【請求項13】
基板を処理する処理炉と、
前記処理炉の中に設けられた放射率測定器と、
基板上の膜の膜厚によって放射率が変化する膜を処理する場合に、前記基板処理中に周期的に前記放射率測定器によって前記膜の放射率をモニタし、測定された放射率が目標となる膜厚より予め求めておいた放射率値となったときに、前記膜の処理を停止するように前記放射率測定器および前記処理炉を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項14】
基板を処理する処理炉以外の場所で処理前および処理後の少なくとも一方の基板表面の放射率を測定する放射率測定部材と、測定結果を保存する記憶部とを備える基板処理装置を用いて前記基板を処理する工程を備えることを特徴とするデバイスの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【国際公開番号】WO2005/029020
【国際公開日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【発行日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−514095(P2005−514095)
【国際出願番号】PCT/JP2004/013779
【国際出願日】平成16年9月22日(2004.9.22)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】