基板処理装置および半導体装置の製造方法
【課題】フットプリント(占有床面積)を抑制することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置10は、基板を保持する基板ホルダ18が設置された処理室12と、該処理室に隣接して配置されたターゲット室23と、該ターゲット室に挿入された回転軸29を回転させる回転装置28と、前記ターゲット室に設置され、前記回転軸が回転軸線に連結された錐形状のターゲットホルダ30であって、錐面において複数のターゲットを保持するターゲットホルダと、イオンを前記ターゲットホルダに保持された前記ターゲットに照射するイオン源40と、を有している。
【解決手段】基板処理装置10は、基板を保持する基板ホルダ18が設置された処理室12と、該処理室に隣接して配置されたターゲット室23と、該ターゲット室に挿入された回転軸29を回転させる回転装置28と、前記ターゲット室に設置され、前記回転軸が回転軸線に連結された錐形状のターゲットホルダ30であって、錐面において複数のターゲットを保持するターゲットホルダと、イオンを前記ターゲットホルダに保持された前記ターゲットに照射するイオン源40と、を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造方法において、半導体装置を作り込む基板に多層膜を形成する基板処理装置としては、搬送槽に複数のスパッタリング装置を設けたもの(以下、マルチチャンバ装置という)がある。例えば、特許文献1参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−124792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、マルチチャンバ装置においては、フットプリント(占有床面積)が大きくなるという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、フットプリントを抑制することができる基板処理装置およびそれを使用した半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
基板を保持する基板ホルダが設置された処理室と、
該処理室に隣接して配置されたターゲット室と、
該ターゲット室に挿入された回転軸を回転させる回転装置と、
前記ターゲット室に設置され、前記回転軸が回転軸線に連結された錐形状のターゲットホルダであって、錐面において複数のターゲットを保持するターゲットホルダと、
イオンを前記ターゲットホルダに保持された前記ターゲットに照射するイオン源と、を有している基板処理装置。
【発明の効果】
【0007】
この手段によれば、フットプリントを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第一実施形態である基板処理装置を示す正面図である。
【図2】その平面図である。
【図3】その側面断面図である。
【図4】イオン源を示す側面断面図である。
【図5】イオン源の他の実施形態を示す側面断面図である。
【図6】SPRAMの成膜例を示す断面図である。
【図7】スパッタリング後のアルゴンイオンの軌跡を示す側面断面図である。
【図8】本発明の第二実施形態である基板処理装置を示す正面断面図である。
【図9】本発明の第三実施形態である基板処理装置の第一例を示す一部省略正面図である。
【図10】同じく第二例を示す側面断面図である。
【図11】本発明の第四実施形態である基板処理装置の第一例を示す側面断面図である。
【図12】同じく第二例を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に即して説明する。
図1〜図5は本発明の第一実施形態を示している。
本実施形態において、本発明に係る基板処理装置は、半導体装置の一例であるMRAM(Magnetic Random Access Memory )を製造するものとして構成されている。
MRAMはスピン注入磁化反転方式を利用したメモリーである。MRAMの製造方法においては、数原子層レベルの薄膜を積層して、MTJ(Magnetic tunnel Junction) 素子を作製する。絶縁膜(目標値で1nm以下のMgO膜(酸化マグネシウム膜))を電子の反転を利用するための磁性膜(CoFeB膜)によって挟んだ極薄膜が、膜の中心部分である。
本実施形態に係る基板処理装置は、基板としてのシリコンウエハ(以下、ウエハという)に複数の薄膜を積層する。
【0010】
図1〜図3に示されているように、本実施形態に係る基板処理装置10は、直方体函形状に形成された第一収納容器としての第一真空容器11を備えており、第一真空容器11は処理室12を構成している。第一真空容器11の正面壁には、処理室12に基板としてのウエハ1を搬入したり搬出するための開口13が設けられている。開口13はゲートバルブ14によって開閉される。
【0011】
処理室12の右側壁にはチルト装置15が設置されている。チルト装置15はチルト軸16を所定角度旋回可能に構成されており、例えば、90度だけ往復回転させる。チルト軸16は処理室12内に挿入されている。チルト軸16はチルトブロック17を処理室12内において支持する。チルトブロック17には基板ホルダとしてのウエハホルダ18が配置されている。チルトブロック17内には回転装置19が設置されている。回転装置19はウエハホルダ18を回転させる。
チルト装置15はウエハホルダ18が保持したウエハ1を、水平姿勢と垂直姿勢との間でチルトさせる。
処理室12の底壁には昇降装置20が設置されている。昇降装置20は処理室12内に配置された邪魔板21を昇降させる。邪魔板21はチルトブロック17の背面側に配置されており、昇降装置20によって昇降される。
【0012】
第一真空容器11の背面壁には、直方体函形状に形成された第二収納容器としての第二真空容器22が連結されている。第二真空容器22はターゲット室23を構成している。ターゲット室23の容積は処理室12の容積よりも大きい。すなわち、処理室12の容積はターゲット室23の容積よりも小さい。
第一真空容器11と第二真空容器22との合わせ壁は、処理室12とターゲット室23とを仕切る隔壁24を構成している。隔壁24には連通孔25が所定の位置に設けられている。所定の位置は、後述するターゲットに照射されて反射したイオンの一部が通過し、他部が隔壁24の壁面に衝突する位置、である。
第二真空容器22の背面壁下部には、第一真空ポンプとしてのターボ分子ポンプ26と、第二真空ポンプとしてのクライオポンプ27が設置されている。ターボ分子ポンプ26およびクライオポンプ27はターゲット室23、処理室12および後述するイオン源室を排気する。
【0013】
第二真空容器22の背面壁の上部には回転装置28が水平方向に設置されている。回転装置28の回転軸29はターゲット室23に前後方向に延在するように水平に挿入されている。回転軸29はターゲットホルダ30をターゲット室23内で支持している。
ターゲットホルダ30は錐形状で形成されている。具体的には、ターゲットホルダ30は、八角錐(八方錐)台(切頭八角錐)形状に形成されており、錐の回転軸線(頂点の垂線)31に回転軸29が連結されている。図3に示されているように、錐の回転軸線31と錐面32とがなす夾角33は鋭角で設定され、例えば、45度に設定されている。すなわち、回転軸線31と直交する面31Aと錐面32とがなす夾角33Aは、45度である。
錐面32は台形形状の側壁面34を8枚備えている。8枚の側壁面34は周方向に等間隔にそれぞれ位置している。8枚の側壁面34にはターゲットチャック35が1台ずつ設置されている。ターゲットチャック35はターゲット36を側壁面34と平行に保持する。したがって、ターゲット36は回転軸29に対して45度分傾斜する。ターゲット36は、平板状の直方体で形成されている。また、隣り合うターゲット36、36の隣接する一端同士は、鋭角としての40度の夾角を構成する。つまり、隣接するターゲット36、36間の間隙が、回転軸線31と直交する面31A側の方が回転軸末端側より大きく形成されている。したがって、隣り合うターゲット36、36同士は、充分な間隙を挟む。
なお、第二真空容器22は、回転軸線31より下方に配置されている。
【0014】
第二真空容器22の底壁には射出孔39が設けられている。第二真空容器22の底壁下面にはイオン源40が設置されている。射出孔39の上方にはターゲット36が位置する。45度傾斜したターゲット36は射出孔39と連通孔25とに対向する。
【0015】
図4に示されているように、イオン源40はイオン源室41、フィラメント42、平板状の加速電極43、平板状の減速電極44を備えている。
イオン源室41内はターゲット室23に射出孔39によって連通している。フィラメント42はイオン源室41内に設けられる。加速電極43および減速電極44は射出孔39を横断するように設けられる。加速電極43および減速電極44はフィラメント42に対向する。フィラメント42にはフィラメント電源およびアーク電源から電力が供給され、加速電極43および減速電極44には加速電源および減速電源から電圧が印加される。
加速電極43および減速電極44は耐熱金属、例えば、モリブデン(Mo)によって形成される。加速電極43と減速電極44とは所定間隙dを置いて平行に配される。加速電極43は多数個の加速通過孔43aを有する。減速電極44は多数個の減速通過孔44aを有する。
減速通過孔44aは対向する加速通過孔43aに対して、軸心がずれる(偏心する)ようにそれぞれ配置される。この配置は、加速電極43からのイオンビーム45を偏向させるので、図4に示されているように、イオンビーム45はターゲット36上において収束する。イオンビーム45の収束は、イオンビーム密度(電流密度)を高め、成膜速度を増大させるので、不純物の発生を抑制し、ウエハ1の汚染を防止する。また、この配置は、ターゲット36を小型化し、イオン源40を小型化する。
【0016】
イオン源40にはガス供給源50が接続されている。ガス供給源50はイオン化されるガスをイオン源室41内に供給する。ガスとしては、通常、アルゴン(Ar)ガスが用いられる。
アルゴンガスがイオン源室41内に供給され、フィラメント42にアーク電力が供給されると、フィラメント42とイオン源室41の側壁との間においてアーク放電が起こる。このアーク放電により、アルゴンのプラスイオン(以下、アルゴンイオンという)と電子とが混在した状態(プラズマ状態)になる。加速電極43および減速電極44はアルゴンイオンに運動エネルギを与えることにより、アルゴンイオンを加速通過孔43aと減速通過孔44aとを通して、ターゲット室23内に引き出す。
ターゲット室23に引き出されたアルゴンイオンは、イオンビーム45となってターゲット36に照射する。ターゲット36に照射したイオンビーム45は、ターゲット36の構成材料を成分とする粒子(以下、スパッタ粒子という)46をターゲット36から叩き出す。スパッタ粒子46は大きな平均自由行程でターゲット室23および処理室12内を飛翔し、処理室12内のウエハ1上に付着する。ウエハ1上に付着したスパッタ粒子46は堆積することにより、ターゲット36の構成材料を成分とする薄膜を形成する。
【0017】
図5はイオン源の他の実施形態を示している。
本実施形態に係るイオン源40Aにおける加速電極47および減速電極48は、ターゲット36に対向する面が凹面となるように弯曲した球面形状に形成されている。加速電極47および減速電極48にそれぞれ穿たれた多数個の加速通過孔47aと多数個の減速通過孔48aとは、一つずつが互いに対向している。対向した一対の加速通過孔47aと減速通過孔48aとは、同一軸心上に位置し、その軸心は球面の中心に向っている。
凹面に弯曲した加速電極47および減速電極48はイオンビーム45を収束する。したがって、本実施形態に係るイオン源40Aは前記実施形態に係るイオン源40と同様の作用および効果を奏する。
【0018】
図3に示されているように、基板処理装置10はコントローラ60を備えており、コントローラ60はパーソナルコンピュータまたはパネルコンピュータ等によって構成されている。コントローラ60はチルト装置15、ウエハホルダ18、回転装置19、昇降装置20、ターボ分子ポンプ26、クライオポンプ27、回転装置28、イオン源40およびガス供給源50等々を制御する。
【0019】
以下、本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施形態を、前記構成に係る基板処理装置を使用したSPRAM(Spin Transfer Torque Magnetic Rondom Access Memory) の製造方法における薄膜形成工程について説明する。
SPRAMはMRAMの一種であり、スピン注入磁化反転するものである。
図6はSPRAMの成膜例を示す断面図である。
この成膜例では、SiO2 (二酸化珪素)もしくはSi(シリコン)材で構成されるウエハ上に、Ta(タングステン)膜、Ta膜上にPtMn膜、その上にCoFe膜、第一のRu(ルテニウム)膜、第一のCoFeB膜、MgO膜、第二のCoFeB膜、第二のTa膜、第二のRu膜の順に積層され、トータル6種類の膜種にて9層の金属膜が積層される。
【0020】
以下の基板処理装置の作動はコントローラ60が制御する。
初期状態において、ゲートバルブ14は開口13を閉じている。チルト装置15はチルトブロック17を水平姿勢に維持し、ウエハホルダ18を解除している。回転装置19は停止している。昇降装置20は邪魔板21を下限に位置させている。
ターゲットホルダ30はホームポジションを維持している。すなわち、ターゲットホルダ30はTaのターゲット36を保持したターゲットチャック35をイオン源40に対向させている。
処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41の内圧はクライオポンプ27の排気により、10-5Pa(パスカル)以上10-7Pa以下に維持されている。
【0021】
ウエハローディングステップにおいて、コントローラ60はクライオポンプ27からターボ分子ポンプ26に切り替え、処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41の内圧を、10-3Pa以上10-4Pa以下に維持する。ゲートバルブ14の動作により、開口13を開く。ウエハ移載装置(図示せず)はウエハ1を処理室12内へ予備室(図示せず)から搬入し、ウエハホルダ18上に移載する。ウエハホルダ18はウエハ1を保持する。
【0022】
減圧ステップにおいて、コントローラ60はゲートバルブ14によって開口13を閉じた後に、ターボ分子ポンプ26からクライオポンプ27に切り替え、処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41を10-3Pa以上10-4Pa以下の内圧から10-6Paに真空引きする。
次いで、クライオポンプ27からターボ分子ポンプ26へ切り替え、処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41の内圧を、10-7Paに維持する。
【0023】
成膜(Ta)ステップにおいて、ガス供給源50はアルゴンガスをイオン源室41に供給する。フィラメント42には電力が供給され、加速電極43および減速電極44には電圧が印加される。必要に応じて、中和電源がONされる。
チルト装置15はチルトブロック17を処理位置である垂直姿勢に移行させる。回転装置19はウエハ1を回転させる。昇降装置20は邪魔板21を所定位置へ上昇させる。
アーク電力が供給されると、イオン源40はイオンビーム45をTaで構成されるターゲット36に照射する。ターゲット36に照射したイオンビーム45はTaで構成されるスパッタ粒子46をターゲット36から叩き出す。スパッタ粒子46は処理室12内に飛翔し、ウエハホルダ18に保持されたウエハ1上に付着する。ウエハ1上に付着したスパッタ粒子46は堆積することにより、Ta膜を形成する。この時の処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41の内圧は、10-2Paに維持されている。
予め、設定された処理時間が経過すると、アーク電源がOFFされる。中和電源がONしている場合にはOFFさせる。この時の処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41の内圧は、10-2Pa以上10-3Pa以下に維持される。
【0024】
次の成膜(PtMn)ステップにおいて、回転装置28はターゲットホルダ30を回転して、PtMnのターゲット36をイオン源40およびウエハ1に対向させる。必要に応じて、フィラメント42の電力値を変更し、加速電極43および減速電極44の電圧値を変更する。
続いて、必要に応じて、供給量が調整されて、アルゴンガスがイオン源室41に供給され、フィラメント42には電力が供給され、加速電極43および減速電極44には電圧が印加され、必要に応じて、中和電源がONされる。回転装置19はウエハ1を回転させる。必要に応じて、昇降装置20は邪魔板21を所定位置へ上昇させる。
アーク電源がONされると、イオン源40はイオンビーム45をPtMnで構成されるターゲット36に照射する。ターゲット36に照射したイオンビーム45は、PtMnによって構成されるスパッタ粒子46をターゲット36から叩き出す。スパッタ粒子46は処理室12内に飛翔し、ウエハホルダ18に保持されたウエハ1のTa膜上に付着する。ウエハ1のTa膜上に付着したスパッタ粒子46は堆積することにより、PtMn膜を形成する。
予め、設定された処理時間が経過すると、アーク電源がOFFされる。中和電源がONしている場合にはOFFさせる。
【0025】
以降、コントローラ60は使用するターゲット36を前述した成膜ステップに準じて切り替えることにより、ウエハ1上に図6に示された各種の膜を順次成膜して積層する。
【0026】
最後の成膜ステップとしての、第二のRu膜成膜ステップが終了すると、コントローラ60はウエハアンローディグステップを実施する。
ウエハアンローディングステップにおいては、フィラメント42への電力供給が停止され、加速電極43および減速電極44への電圧印加が停止され、必要に応じて、中和電源がOFFされると、ターゲットホルダ30はTaのターゲット36をホームポジションに戻す。回転装置19が回転を停止し、昇降装置20が邪魔板21を下限位置に下降させると、チルト装置15はチルトブロック17を水平姿勢に移行させる。イオン源室41へのアルゴンガスの供給は停止する。この時、処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41の内圧が10-5Pa以上10-7Pa以下に維持される。
次に、処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41の内圧が、10-3Pa以上10-4Pa以下に維持されると、ゲートバルブ14は開口13を開く。ウエハ移載装置は処理済のウエハ1をウエハホルダ18上からピックアップし、処理室12内から予備室へ搬出する(ウエハアンローディグする)。
【0027】
ところで、イオンビームのアルゴンイオンは高運動エネルギを有するため、ターゲットにおいて反射したアルゴンイオンがウエハに衝突すると、ウエハに悪影響を及ぼす。悪影響としては、次のような例がある。ウエハに形成した多層膜相互間の界面を暈す。多層膜に圧縮応力を生じさせる。意図しない結晶(例えば、柱状結晶) が成長する。
これらを抑制するためには、以下のいずれか1つ、好ましくは複数の構成を採用するとよい。
(1)イオンビームのエネルギを低減する。例えば、加速電極の印加電圧を下げる。
(2)不活性ガスのうちアルゴンよりもキセノンのような質量が大きいイオン源ガスを選択する。
(3)ターゲットとウエハとの位置関係を調整して、アルゴンイオン(キセノンイオン)がウエハに衝突し難くする。
【0028】
ここで、スパッタリング後のアルゴンイオンのウエハに対する軌跡を、図7について説明する。
ターゲット室23および処理室12の内圧が低いので、スパッタリング後のアルゴンイオンの平均自由行程は長い。したがって、イオンビーム45がターゲット36に衝突した後に反射し、アルゴンイオン49はウエハ1に到達する可能性がある。また、ターゲット36に入射したアルゴンイオン49がターゲット36内で電気的に中性化して残留し、ターゲット36を構成する原子(例えば、Ta、PtMn)のスパッタ粒子と共に、スパッタリングされて、ウエハ1に到達する可能性もある。
一般に、ターゲット36からウエハ1に到達するスパッタ粒子46のスパッタ粒子密度分布は、cosΘ曲線分布に近似する。このΘはイオンビーム45のターゲット36に対する入射角である。したがって、アルゴンイオン49は、図7に破線斜線で示された末広がりの範囲内の何処かに存在する確率が高く、特に、破線斜線の中心線付近に最も多く存在する確率が高い。
そのため、好ましくは、垂直姿勢にウエハホルダ18に保持されたウエハ1が、破線斜線の中心線上に位置しないように、ウエハホルダ18の位置を設定するとよい。これにより、アルゴンイオン49によるウエハ1への悪影響を低減することができる。換言すれば、ウエハホルダ18に保持されたウエハ1に到達するアルゴンイオン49よりもウエハ1以外に到達するアルゴンイオンの方が多くなるような位置に、ウエハホルダ18を設定するとよい。
また、アルゴンイオンはスパッタ粒子である金属粒子より軽い。そのため、アルゴンイオンは、図7に示された破線斜線の中心線に対し下方側より上方側に多く存在する確率が高い。一方、スパッタ粒子は、破線斜線の中心線に対し上方側より下方側に多く存在する確率が高い。
そのため、好ましくは、垂直姿勢にウエハホルダ18に保持されたウエハ1が破線斜線の中心線より下方側に位置するように、ウエハホルダ18の位置を設定するとよい。さらに好ましくは、図7に示すように、破線斜線で示された範囲のうち、破線斜線の中心線に対し上方側のアルゴンイオンが処理室12内へ通過しないように、連通孔125の位置を設定するとよい。
【0029】
また、スパッタ粒子はアルゴンイオン49に比べて重いため、スパッタ粒子密度分布領域に対応する図7の破線斜線範囲よりも下方にも飛散し、衝突する可能性がある。この下方への飛散は不均一なため、ウエハ1上へ成膜する際の膜厚均一性の悪化や同じ膜厚を成膜する再現性を悪化させてしまう。そのため、好ましくは、ウエハ1のスパッタ粒子密度分布領域外、特に、ウエハホルダ18に垂直姿勢に保持されたウエハ1の中心より下方側を邪魔板21によって被覆するとよい。これにより、膜厚均一性や再現性の悪化を防止することができる。換言すれば、スパッタ粒子密度分布領域外を飛翔する金属粒子がウエハ1に衝突する確率は、邪魔板21の被覆によって無くなる。
邪魔板21はスパッタ粒子密度分布領域内外のスパッタ粒子46を遮るので、必然的に、ウエハ1に堆積する膜の膜厚分布均一性を制御することができる。
邪魔板21の高さは昇降装置20によって制御する。邪魔板21の遮蔽範囲および形状は、実験、コンピュータシミュレーション等によって評価して最適なものを選択することが望ましい。
なお、邪魔板21がチルトブロック17に干渉するのを防止するために、チルトブロック17が所定の位置(例えば、ウエハ1が垂直になる位置)に無い場合には、チルト装置15は昇降装置20を作動させないインタロックを設けることが望ましい。
【0030】
なお、アルゴンイオンのウエハへの衝突を防止する手段としては、ウエハ1の傾斜角を変更することも有効である。ちなみに、ウエハ1の傾斜角を変更することは、均一に成膜する手段としても有効である。
しかしながら、スパッタリングによって形成した膜の膜質の悪化が懸念される。なぜならば、スパッタ粒子の入射角が浅くなることにより、結晶の成長に影響が及ぶ可能性があるためである。
【0031】
ところで、ターゲットはアルゴンおよび他のターゲットのスパッタ粒子によって汚染される可能性がある。したがって、ターゲットをプレクリーニングすることが望ましい。プレクリーニングは1枚のウエハ処理毎でもよいし、複数枚のウエハ処理毎でもよい。
プレクリーニングはアルゴンをターゲットに照射することにより実施する。
なお、窒素(N2 )ガスはターゲット室23および処理室12等を大気復帰させる場合にのみ使用される。
ちなみに、アルゴンガスがイオン源室41に導入されていない時に、フィラメント42の電源をONさせないインタロックを設けることが望ましい。これは、アルゴンガスを導入しない状態で、フィラメント電源をONすると、蒸気圧の関係からフィラメント42の寿命が短くなるので、これを避けるためである。
【0032】
前記実施形態によれば、次の効果のうち少なくとも1つ以上の効果が得られる。
【0033】
1) マルチチャンバ装置に比べてフットプリントを小さく抑えることができる。また、真空を封止するシール部を減少させることできるので、マルチチャンバ装置に比べてイニシャルコストおよびランニングコストを低減することができる。
【0034】
2) ウエハホルダをターゲットホルダ側方に配置しているので、ターゲットホルダ等に付着した異物がウエハ上に落下してウエハを汚染するのを防止することができる。すなわち、超高真空のターゲット室では重力の影響を大きく受けるために、ターゲットホルダ等に付着した異物は真下に落下するが、ウエハはターゲットホルダ等の真下にないので、ウエハ上には落下しない。
【0035】
3) イオンビームをターゲットに収束させて照射しているので、ターゲットからのスパッタ粒子の無駄な飛散を抑制することができる。したがって、高価なターゲットの表面積を小さく抑制することができる。また、スパッタ粒子の飛散領域を小さくすることができるので、ターゲット室内の汚染するのを防止することができる。
【0036】
4) イオン源がターゲット室の下側に設置されているので、イオン源のメンテナンスを簡単化することができる。
【0037】
5) 材質が異なる複数のターゲットが同一のターゲットホルダに保持されているので、ターゲットを順番に交換することにより、材質が異なる膜をウエハに順番に積層して行くことができる。
【0038】
6) ターゲットをイオンビームによってスパッタリングして成膜するので、マグネトロンスパッタリングによって成膜するのに比較して、良好な平坦性および膜質を得ることができ、しかも、プラズマダメージを回避することができる。処理室(成膜室)とプラズマ発生室(イオン源室およびターゲット室)とが分離されていることにより、プラズマダメージが無くなるので、平坦性が良くなり、また、ターゲットに照射するイオンビームのエネルギおよびイオン密度を最適値に制御することにより、成膜(スパッタリング)条件を適正かつ精密に制御することができるので、膜質を向上させることができる。
【0039】
7) スパッタリングに際してウエハを邪魔板によって遮蔽することができるので、成膜の膜厚均一性を向上させることができる。
【0040】
8) 錐形状のターゲットホルダであって、錐面において複数のターゲットを保持するターゲットホルダを備えているので、ターゲット室の容積を小さくすることができ、スループットの向上やフットプリントを抑制することができる。また、複数のターゲット間に充分な間隙を挟むことができるので、種類の異なるターゲットが隣接された場合にも、クロスコンタミネーションを抑制することができる。
【0041】
図8は本発明の第二実施形態を示している。
本実施形態が第一実施形態と異なる点は、ターゲットホルダ30のターゲットチャック35、35間に遮蔽板37を備える点、である。好ましくは、遮蔽板37は、側壁面34からターゲット36の上面より高い位置に至るまで設けるとよい。
本実施形態によれば、遮蔽板37が隣のターゲット36側へのコンタミネーションの浮遊を抑制するので、クロスコンタミネーションを抑制することができる。
【0042】
図9および図10は本発明の第三実施形態を示している。
本実施形態が第一実施形態と異なる点は、本処理(スパッタリング)に使用するイオン源(以下、本処理イオン源という)40とは別に、プレクリーニングに使用するイオン源(以下、クリーニングイオン源という)40Aが配置されている点、である。
図9が示す例においては、第二真空容器22の底壁に配置された本処理イオン源40とは別に、クリーニングイオン源40Aが第二真空容器22の一側壁に配置されている。
図10が示す例においては、クリーニングイオン源40Aが第二真空容器22の正面壁に配置されている。
本実施形態によれば、本処理前(スパッタリング前)にターゲット36をクリーニングイオン源40Aによってプレクリーニングすることができるので、ターゲット36を清浄に維持することができる。特に、複数の膜を順番に形成する場合において、本処理イオン源40による本処理中(スパッタリング中)に、次に使用するターゲット36をクリーニングイオン源40Aによってプレクリーニングすることができるので、スループットの低下を防止しつつ、ターゲット36を清浄に維持することができる。
【0043】
図11および図12は本発明の第四実施形態を示している。
本実施形態が第一実施形態と異なる点は、本処理イオン源40とは別に、ウエハをスパッタリングするイオン源(以下、ウエハスパッタリング源という)40Bが配置されている点、である。
図11が示す例においては、ウエハスパッタリング源40Bが第一真空容器11のウエハ1をスパッタリング可能な位置に配置されている。
図12が示す例においては、ウエハスパッタリング源40Bが第二真空容器22のウエハ1をスパッタリング可能な位置に配置されている。
本実施形態によれば、本処理前(スパッタリング前)に、ウエハ1をウエハスパッタリング源40Bによってスパッタリングすることにより、ウエハ1上の不純物を除去したり、クリーニングしたりすることができる。また、本処理中(スパッタリング中)に、ウエハ1をウエハスパッタリング源40Bによって直接的にスパッタリングすることにより、ターゲット36からのスパッタ粒子46をイオン種に活性化することにより、ウエハ1への成膜をアシストすることができる。例えば、MgO成膜時にMgとOとの割合を見て、酸素(O2 )が不足している場合に、酸素のイオンビームをウエハ1に当てアシストすることができる。
【0044】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0045】
例えば、ターゲットホルダは、八角錐(八角錐台を含む。他の錐も同じ)に形成するに限らず、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐、七角錐等々のように多角錐に形成してもよいし、円錐に形成してもよい。
例えば、ターゲットホルダの横断面形状の外郭線が、回転軸からの距離が相対的に長い第一領域と回転軸からの距離が相対的に短い第二領域とを複数有し、縦断面形状の外郭線の一部がウエハホルダ側の回転軸の延長方向であって、基板ホルダ側に近づくに従って漸次、回転軸からの距離を短くしている第二領域でターゲットを保持するように形成してもよい。
【0046】
ターゲット間の汚染防止等のために、ターゲットをターゲットホルダに一つ置きに配置してもよい。例えば、異なる材質のターゲットを一つ置きに配置することは、複数種の膜を積層する場合に有効である。
しかし、ターゲットホルダの高速回転の点では不利になる。
【0047】
ターゲットホルダに対するターゲットの傾斜角度は、各ターゲット毎に相異させてもよい。ターゲットホルダに対するターゲットの傾斜角度は基本的には45度であるが、他方で、ターゲットの傾斜角度は均一性等を考慮した成膜条件の一つであるとも考えられる。したがって、ターゲットホルダに対するターゲットの傾斜角度は、例えば、ターゲットの材質によって最適値を選択することが望ましい。
【0048】
基板はウエハに限らず、プリント配線基板、液晶パネル、磁気ディスクやコンパクトディスク等であってもよい。
【0049】
本発明の好ましい態様を付記する。
(1)基板を保持する基板ホルダが設置された処理室と、
該処理室に隣接して配置されたターゲット室と、
該ターゲット室に挿入された回転軸を回転させる回転装置と、
前記ターゲット室に設置され、前記回転軸が回転軸線に連結された錐形状のターゲットホルダであって、錐面において複数のターゲットを保持するターゲットホルダと、
イオンを前記ターゲットホルダに保持された前記ターゲットに照射するイオン源と、
を有している基板処理装置。
(2)前記ターゲットホルダは、前記複数のターゲットを互いに間隙を介してそれぞれ保持する、(1)の基板処理装置。
(3)前記処理室は前記ターゲット室よりも小さい容積に形成されている、(1)の基板処理装置。
(4)前記処理室と前記ターゲット室とを仕切る隔壁が設けられ、該隔壁には連通孔が前記ターゲットに照射されて反射したイオンの一部が通過し、他部が前記隔壁の壁面に衝突する位置に配置されている、(3)の基板処理装置。
(5)ターゲット室に設置された錐形状のターゲットホルダであって錐面において複数のターゲットを保持するターゲットホルダに保持された第一ターゲットにイオン源のイオンを照射し、該第一ターゲットから発生する第一ターゲット成分を基板ホルダに保持された基板に堆積させるステップと、
前記ターゲット室に挿入された回転軸および該回転軸が連結された前記ターゲットホルダを回転装置によって回転させて、前記ターゲットホルダが保持した第二ターゲットを前記イオン源に対向させるステップと、
前記イオン源のイオンを前記第二ターゲットに照射し、該第二ターゲットから発生する第二ターゲット成分を前記基板ホルダに保持された基板に堆積させるステップと、
を有する半導体装置の製造方法。
(6)イオンを発生させるイオン源と、
該イオン源から発生するイオンが照射されるターゲットと、
横断面形状の外郭線が、回転軸からの距離が相対的に長い第一領域と前記回転軸からの距離が相対的に短い第二領域とを複数有し、縦断面形状の外郭線の一部が前記回転軸の延長方向であって、基板ホルダ側に近づくに従って前記回転軸からの距離を漸次短くしている前記第二領域で前記ターゲットを保持するターゲットホルダと、
前記回転軸を回転中心として前記ターゲットホルダを回転させる回転装置と、
前記回転軸の延長方向であって前記ターゲットから発生するターゲット成分が堆積する位置で基板を保持する基板ホルダと、
を有している基板処理装置。
(7)前記ターゲットホルダは、隣接する前記第二領域に保持された前記ターゲット間の間隙が相対的に短い前記基板ホルダ側の一端と、該間隙が相対的に長い前記基板ホルダ側とは反対側の他端と、を有している、(6)の基板処理装置。
(8)前記ターゲットおよび前記ターゲットホルダが収納される第一収納容器と、該第一収納容器の前記回転軸の延長方向に隣設され、前記基板ホルダが収納される第二収納容器と、を有しており、前記第二収納容器は前記第一収納容器よりも小さい容積で形成されている、(6)の基板処理装置。
(9)前記第二収納容器は前記回転軸の延長線より下方に配置されている、(8)の基板処理装置。
(10)前記イオン源にガスを供給するガス供給源を有し、前記第一収納容器は、前記第二収納容器側の第一壁面に前記第二収納容器と連通させる連通孔を有し、前記連通孔は、前記ターゲットで反射した前記イオンの一部が前記連通孔を通過し、前記イオンの他部が前記第一壁面に衝突する位置に配置されている、(8)の基板処理装置。
(11)前記イオン源にガスを供給するガス供給源を有し、前記基板ホルダは前記ターゲットで反射した前記イオンのうち、前記基板ホルダに保持された基板に到達する第一イオンより前記基板以外に到達する第二イオンの方が多くなる位置に配置されている、(8)の基板処理装置。
(12)前記ターゲットホルダは、前記第二領域の縦断面形状外郭線延長線と、前記回転軸延長線との交差する角度が鋭角となるように前記第二領域が形成されている、(6)の基板処理装置。
(13)前記ターゲットホルダは、前記第一領域に隣接する前記第二領域に設けられた前記ターゲット同士を仕切る遮蔽板を有する、(6)の基板処理装置。
(14)横断面形状の外郭線が、回転軸からの距離が相対的に長い第一領域と前記回転軸からの距離が相対的に短い第二領域とを複数有し、前記第二領域における縦断面形状の外郭線の一部が前記基板ホルダ側に近づくに従って漸次前記回転軸からの距離を短くしているターゲットホルダの前記第二領域に保持されたターゲットにイオン源が発生させたイオンを照射させて前記ターゲットから発生するターゲット成分が前記回転軸の延長方向に位置する基板ホルダに保持された基板に堆積するステップと、
前記回転軸を回転中心として前記ターゲットホルダを回転装置により回転させるステップと、
を有する半導体装置の製造方法。
(15)前記回転ステップの後、前記ターゲットに隣設するターゲットに前記イオン源が発生させたイオンを照射させて前記ターゲットから発生するターゲット成分が前記基板ホルダに保持された基板に堆積するステップ、をさらに有する、(14)の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0050】
1…ウエハ(基板)、
10…基板処理装置、11…第一真空容器、12…処理室、13…開口、14…ゲートバルブ、
15…チルト装置、16…チルト軸、17…チルトブロック、18…ウエハホルダ(基板ホルダ)、19…回転装置、
20…昇降装置、21…邪魔板、
22…第二真空容器、23…ターゲット室、24…隔壁、25…連通孔、26…ターボ分子ポンプ(第一真空ポンプ)、27…クライオポンプ(第二真空ポンプ)、28…回転装置、29…回転軸、30…ターゲットホルダ、31…回転軸線(頂点の垂線)、31A…回転軸線と直交する面、32…錐面、33…夾角、34…側壁面、35…ターゲットチャック、36…ターゲット、37…遮蔽板、
39…射出孔、40…イオン源、41…イオン源室、42…フィラメント、43…加速電極、44…減速電極、43a…加速通過孔、44a…減速通過孔、45…イオンビーム、46…スパッタ粒子(アルゴン成分粒子)、47…加速電極、47a…加速通過孔、48…減速電極、48a…減速通過孔、49…アルゴンイオン、
50…ガス供給源、60…コントローラ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造方法において、半導体装置を作り込む基板に多層膜を形成する基板処理装置としては、搬送槽に複数のスパッタリング装置を設けたもの(以下、マルチチャンバ装置という)がある。例えば、特許文献1参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−124792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、マルチチャンバ装置においては、フットプリント(占有床面積)が大きくなるという問題点があった。
【0005】
本発明の目的は、フットプリントを抑制することができる基板処理装置およびそれを使用した半導体装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段のうち代表的なものは、次の通りである。
基板を保持する基板ホルダが設置された処理室と、
該処理室に隣接して配置されたターゲット室と、
該ターゲット室に挿入された回転軸を回転させる回転装置と、
前記ターゲット室に設置され、前記回転軸が回転軸線に連結された錐形状のターゲットホルダであって、錐面において複数のターゲットを保持するターゲットホルダと、
イオンを前記ターゲットホルダに保持された前記ターゲットに照射するイオン源と、を有している基板処理装置。
【発明の効果】
【0007】
この手段によれば、フットプリントを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第一実施形態である基板処理装置を示す正面図である。
【図2】その平面図である。
【図3】その側面断面図である。
【図4】イオン源を示す側面断面図である。
【図5】イオン源の他の実施形態を示す側面断面図である。
【図6】SPRAMの成膜例を示す断面図である。
【図7】スパッタリング後のアルゴンイオンの軌跡を示す側面断面図である。
【図8】本発明の第二実施形態である基板処理装置を示す正面断面図である。
【図9】本発明の第三実施形態である基板処理装置の第一例を示す一部省略正面図である。
【図10】同じく第二例を示す側面断面図である。
【図11】本発明の第四実施形態である基板処理装置の第一例を示す側面断面図である。
【図12】同じく第二例を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に即して説明する。
図1〜図5は本発明の第一実施形態を示している。
本実施形態において、本発明に係る基板処理装置は、半導体装置の一例であるMRAM(Magnetic Random Access Memory )を製造するものとして構成されている。
MRAMはスピン注入磁化反転方式を利用したメモリーである。MRAMの製造方法においては、数原子層レベルの薄膜を積層して、MTJ(Magnetic tunnel Junction) 素子を作製する。絶縁膜(目標値で1nm以下のMgO膜(酸化マグネシウム膜))を電子の反転を利用するための磁性膜(CoFeB膜)によって挟んだ極薄膜が、膜の中心部分である。
本実施形態に係る基板処理装置は、基板としてのシリコンウエハ(以下、ウエハという)に複数の薄膜を積層する。
【0010】
図1〜図3に示されているように、本実施形態に係る基板処理装置10は、直方体函形状に形成された第一収納容器としての第一真空容器11を備えており、第一真空容器11は処理室12を構成している。第一真空容器11の正面壁には、処理室12に基板としてのウエハ1を搬入したり搬出するための開口13が設けられている。開口13はゲートバルブ14によって開閉される。
【0011】
処理室12の右側壁にはチルト装置15が設置されている。チルト装置15はチルト軸16を所定角度旋回可能に構成されており、例えば、90度だけ往復回転させる。チルト軸16は処理室12内に挿入されている。チルト軸16はチルトブロック17を処理室12内において支持する。チルトブロック17には基板ホルダとしてのウエハホルダ18が配置されている。チルトブロック17内には回転装置19が設置されている。回転装置19はウエハホルダ18を回転させる。
チルト装置15はウエハホルダ18が保持したウエハ1を、水平姿勢と垂直姿勢との間でチルトさせる。
処理室12の底壁には昇降装置20が設置されている。昇降装置20は処理室12内に配置された邪魔板21を昇降させる。邪魔板21はチルトブロック17の背面側に配置されており、昇降装置20によって昇降される。
【0012】
第一真空容器11の背面壁には、直方体函形状に形成された第二収納容器としての第二真空容器22が連結されている。第二真空容器22はターゲット室23を構成している。ターゲット室23の容積は処理室12の容積よりも大きい。すなわち、処理室12の容積はターゲット室23の容積よりも小さい。
第一真空容器11と第二真空容器22との合わせ壁は、処理室12とターゲット室23とを仕切る隔壁24を構成している。隔壁24には連通孔25が所定の位置に設けられている。所定の位置は、後述するターゲットに照射されて反射したイオンの一部が通過し、他部が隔壁24の壁面に衝突する位置、である。
第二真空容器22の背面壁下部には、第一真空ポンプとしてのターボ分子ポンプ26と、第二真空ポンプとしてのクライオポンプ27が設置されている。ターボ分子ポンプ26およびクライオポンプ27はターゲット室23、処理室12および後述するイオン源室を排気する。
【0013】
第二真空容器22の背面壁の上部には回転装置28が水平方向に設置されている。回転装置28の回転軸29はターゲット室23に前後方向に延在するように水平に挿入されている。回転軸29はターゲットホルダ30をターゲット室23内で支持している。
ターゲットホルダ30は錐形状で形成されている。具体的には、ターゲットホルダ30は、八角錐(八方錐)台(切頭八角錐)形状に形成されており、錐の回転軸線(頂点の垂線)31に回転軸29が連結されている。図3に示されているように、錐の回転軸線31と錐面32とがなす夾角33は鋭角で設定され、例えば、45度に設定されている。すなわち、回転軸線31と直交する面31Aと錐面32とがなす夾角33Aは、45度である。
錐面32は台形形状の側壁面34を8枚備えている。8枚の側壁面34は周方向に等間隔にそれぞれ位置している。8枚の側壁面34にはターゲットチャック35が1台ずつ設置されている。ターゲットチャック35はターゲット36を側壁面34と平行に保持する。したがって、ターゲット36は回転軸29に対して45度分傾斜する。ターゲット36は、平板状の直方体で形成されている。また、隣り合うターゲット36、36の隣接する一端同士は、鋭角としての40度の夾角を構成する。つまり、隣接するターゲット36、36間の間隙が、回転軸線31と直交する面31A側の方が回転軸末端側より大きく形成されている。したがって、隣り合うターゲット36、36同士は、充分な間隙を挟む。
なお、第二真空容器22は、回転軸線31より下方に配置されている。
【0014】
第二真空容器22の底壁には射出孔39が設けられている。第二真空容器22の底壁下面にはイオン源40が設置されている。射出孔39の上方にはターゲット36が位置する。45度傾斜したターゲット36は射出孔39と連通孔25とに対向する。
【0015】
図4に示されているように、イオン源40はイオン源室41、フィラメント42、平板状の加速電極43、平板状の減速電極44を備えている。
イオン源室41内はターゲット室23に射出孔39によって連通している。フィラメント42はイオン源室41内に設けられる。加速電極43および減速電極44は射出孔39を横断するように設けられる。加速電極43および減速電極44はフィラメント42に対向する。フィラメント42にはフィラメント電源およびアーク電源から電力が供給され、加速電極43および減速電極44には加速電源および減速電源から電圧が印加される。
加速電極43および減速電極44は耐熱金属、例えば、モリブデン(Mo)によって形成される。加速電極43と減速電極44とは所定間隙dを置いて平行に配される。加速電極43は多数個の加速通過孔43aを有する。減速電極44は多数個の減速通過孔44aを有する。
減速通過孔44aは対向する加速通過孔43aに対して、軸心がずれる(偏心する)ようにそれぞれ配置される。この配置は、加速電極43からのイオンビーム45を偏向させるので、図4に示されているように、イオンビーム45はターゲット36上において収束する。イオンビーム45の収束は、イオンビーム密度(電流密度)を高め、成膜速度を増大させるので、不純物の発生を抑制し、ウエハ1の汚染を防止する。また、この配置は、ターゲット36を小型化し、イオン源40を小型化する。
【0016】
イオン源40にはガス供給源50が接続されている。ガス供給源50はイオン化されるガスをイオン源室41内に供給する。ガスとしては、通常、アルゴン(Ar)ガスが用いられる。
アルゴンガスがイオン源室41内に供給され、フィラメント42にアーク電力が供給されると、フィラメント42とイオン源室41の側壁との間においてアーク放電が起こる。このアーク放電により、アルゴンのプラスイオン(以下、アルゴンイオンという)と電子とが混在した状態(プラズマ状態)になる。加速電極43および減速電極44はアルゴンイオンに運動エネルギを与えることにより、アルゴンイオンを加速通過孔43aと減速通過孔44aとを通して、ターゲット室23内に引き出す。
ターゲット室23に引き出されたアルゴンイオンは、イオンビーム45となってターゲット36に照射する。ターゲット36に照射したイオンビーム45は、ターゲット36の構成材料を成分とする粒子(以下、スパッタ粒子という)46をターゲット36から叩き出す。スパッタ粒子46は大きな平均自由行程でターゲット室23および処理室12内を飛翔し、処理室12内のウエハ1上に付着する。ウエハ1上に付着したスパッタ粒子46は堆積することにより、ターゲット36の構成材料を成分とする薄膜を形成する。
【0017】
図5はイオン源の他の実施形態を示している。
本実施形態に係るイオン源40Aにおける加速電極47および減速電極48は、ターゲット36に対向する面が凹面となるように弯曲した球面形状に形成されている。加速電極47および減速電極48にそれぞれ穿たれた多数個の加速通過孔47aと多数個の減速通過孔48aとは、一つずつが互いに対向している。対向した一対の加速通過孔47aと減速通過孔48aとは、同一軸心上に位置し、その軸心は球面の中心に向っている。
凹面に弯曲した加速電極47および減速電極48はイオンビーム45を収束する。したがって、本実施形態に係るイオン源40Aは前記実施形態に係るイオン源40と同様の作用および効果を奏する。
【0018】
図3に示されているように、基板処理装置10はコントローラ60を備えており、コントローラ60はパーソナルコンピュータまたはパネルコンピュータ等によって構成されている。コントローラ60はチルト装置15、ウエハホルダ18、回転装置19、昇降装置20、ターボ分子ポンプ26、クライオポンプ27、回転装置28、イオン源40およびガス供給源50等々を制御する。
【0019】
以下、本発明に係る半導体装置の製造方法の一実施形態を、前記構成に係る基板処理装置を使用したSPRAM(Spin Transfer Torque Magnetic Rondom Access Memory) の製造方法における薄膜形成工程について説明する。
SPRAMはMRAMの一種であり、スピン注入磁化反転するものである。
図6はSPRAMの成膜例を示す断面図である。
この成膜例では、SiO2 (二酸化珪素)もしくはSi(シリコン)材で構成されるウエハ上に、Ta(タングステン)膜、Ta膜上にPtMn膜、その上にCoFe膜、第一のRu(ルテニウム)膜、第一のCoFeB膜、MgO膜、第二のCoFeB膜、第二のTa膜、第二のRu膜の順に積層され、トータル6種類の膜種にて9層の金属膜が積層される。
【0020】
以下の基板処理装置の作動はコントローラ60が制御する。
初期状態において、ゲートバルブ14は開口13を閉じている。チルト装置15はチルトブロック17を水平姿勢に維持し、ウエハホルダ18を解除している。回転装置19は停止している。昇降装置20は邪魔板21を下限に位置させている。
ターゲットホルダ30はホームポジションを維持している。すなわち、ターゲットホルダ30はTaのターゲット36を保持したターゲットチャック35をイオン源40に対向させている。
処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41の内圧はクライオポンプ27の排気により、10-5Pa(パスカル)以上10-7Pa以下に維持されている。
【0021】
ウエハローディングステップにおいて、コントローラ60はクライオポンプ27からターボ分子ポンプ26に切り替え、処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41の内圧を、10-3Pa以上10-4Pa以下に維持する。ゲートバルブ14の動作により、開口13を開く。ウエハ移載装置(図示せず)はウエハ1を処理室12内へ予備室(図示せず)から搬入し、ウエハホルダ18上に移載する。ウエハホルダ18はウエハ1を保持する。
【0022】
減圧ステップにおいて、コントローラ60はゲートバルブ14によって開口13を閉じた後に、ターボ分子ポンプ26からクライオポンプ27に切り替え、処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41を10-3Pa以上10-4Pa以下の内圧から10-6Paに真空引きする。
次いで、クライオポンプ27からターボ分子ポンプ26へ切り替え、処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41の内圧を、10-7Paに維持する。
【0023】
成膜(Ta)ステップにおいて、ガス供給源50はアルゴンガスをイオン源室41に供給する。フィラメント42には電力が供給され、加速電極43および減速電極44には電圧が印加される。必要に応じて、中和電源がONされる。
チルト装置15はチルトブロック17を処理位置である垂直姿勢に移行させる。回転装置19はウエハ1を回転させる。昇降装置20は邪魔板21を所定位置へ上昇させる。
アーク電力が供給されると、イオン源40はイオンビーム45をTaで構成されるターゲット36に照射する。ターゲット36に照射したイオンビーム45はTaで構成されるスパッタ粒子46をターゲット36から叩き出す。スパッタ粒子46は処理室12内に飛翔し、ウエハホルダ18に保持されたウエハ1上に付着する。ウエハ1上に付着したスパッタ粒子46は堆積することにより、Ta膜を形成する。この時の処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41の内圧は、10-2Paに維持されている。
予め、設定された処理時間が経過すると、アーク電源がOFFされる。中和電源がONしている場合にはOFFさせる。この時の処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41の内圧は、10-2Pa以上10-3Pa以下に維持される。
【0024】
次の成膜(PtMn)ステップにおいて、回転装置28はターゲットホルダ30を回転して、PtMnのターゲット36をイオン源40およびウエハ1に対向させる。必要に応じて、フィラメント42の電力値を変更し、加速電極43および減速電極44の電圧値を変更する。
続いて、必要に応じて、供給量が調整されて、アルゴンガスがイオン源室41に供給され、フィラメント42には電力が供給され、加速電極43および減速電極44には電圧が印加され、必要に応じて、中和電源がONされる。回転装置19はウエハ1を回転させる。必要に応じて、昇降装置20は邪魔板21を所定位置へ上昇させる。
アーク電源がONされると、イオン源40はイオンビーム45をPtMnで構成されるターゲット36に照射する。ターゲット36に照射したイオンビーム45は、PtMnによって構成されるスパッタ粒子46をターゲット36から叩き出す。スパッタ粒子46は処理室12内に飛翔し、ウエハホルダ18に保持されたウエハ1のTa膜上に付着する。ウエハ1のTa膜上に付着したスパッタ粒子46は堆積することにより、PtMn膜を形成する。
予め、設定された処理時間が経過すると、アーク電源がOFFされる。中和電源がONしている場合にはOFFさせる。
【0025】
以降、コントローラ60は使用するターゲット36を前述した成膜ステップに準じて切り替えることにより、ウエハ1上に図6に示された各種の膜を順次成膜して積層する。
【0026】
最後の成膜ステップとしての、第二のRu膜成膜ステップが終了すると、コントローラ60はウエハアンローディグステップを実施する。
ウエハアンローディングステップにおいては、フィラメント42への電力供給が停止され、加速電極43および減速電極44への電圧印加が停止され、必要に応じて、中和電源がOFFされると、ターゲットホルダ30はTaのターゲット36をホームポジションに戻す。回転装置19が回転を停止し、昇降装置20が邪魔板21を下限位置に下降させると、チルト装置15はチルトブロック17を水平姿勢に移行させる。イオン源室41へのアルゴンガスの供給は停止する。この時、処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41の内圧が10-5Pa以上10-7Pa以下に維持される。
次に、処理室12、ターゲット室23およびイオン源室41の内圧が、10-3Pa以上10-4Pa以下に維持されると、ゲートバルブ14は開口13を開く。ウエハ移載装置は処理済のウエハ1をウエハホルダ18上からピックアップし、処理室12内から予備室へ搬出する(ウエハアンローディグする)。
【0027】
ところで、イオンビームのアルゴンイオンは高運動エネルギを有するため、ターゲットにおいて反射したアルゴンイオンがウエハに衝突すると、ウエハに悪影響を及ぼす。悪影響としては、次のような例がある。ウエハに形成した多層膜相互間の界面を暈す。多層膜に圧縮応力を生じさせる。意図しない結晶(例えば、柱状結晶) が成長する。
これらを抑制するためには、以下のいずれか1つ、好ましくは複数の構成を採用するとよい。
(1)イオンビームのエネルギを低減する。例えば、加速電極の印加電圧を下げる。
(2)不活性ガスのうちアルゴンよりもキセノンのような質量が大きいイオン源ガスを選択する。
(3)ターゲットとウエハとの位置関係を調整して、アルゴンイオン(キセノンイオン)がウエハに衝突し難くする。
【0028】
ここで、スパッタリング後のアルゴンイオンのウエハに対する軌跡を、図7について説明する。
ターゲット室23および処理室12の内圧が低いので、スパッタリング後のアルゴンイオンの平均自由行程は長い。したがって、イオンビーム45がターゲット36に衝突した後に反射し、アルゴンイオン49はウエハ1に到達する可能性がある。また、ターゲット36に入射したアルゴンイオン49がターゲット36内で電気的に中性化して残留し、ターゲット36を構成する原子(例えば、Ta、PtMn)のスパッタ粒子と共に、スパッタリングされて、ウエハ1に到達する可能性もある。
一般に、ターゲット36からウエハ1に到達するスパッタ粒子46のスパッタ粒子密度分布は、cosΘ曲線分布に近似する。このΘはイオンビーム45のターゲット36に対する入射角である。したがって、アルゴンイオン49は、図7に破線斜線で示された末広がりの範囲内の何処かに存在する確率が高く、特に、破線斜線の中心線付近に最も多く存在する確率が高い。
そのため、好ましくは、垂直姿勢にウエハホルダ18に保持されたウエハ1が、破線斜線の中心線上に位置しないように、ウエハホルダ18の位置を設定するとよい。これにより、アルゴンイオン49によるウエハ1への悪影響を低減することができる。換言すれば、ウエハホルダ18に保持されたウエハ1に到達するアルゴンイオン49よりもウエハ1以外に到達するアルゴンイオンの方が多くなるような位置に、ウエハホルダ18を設定するとよい。
また、アルゴンイオンはスパッタ粒子である金属粒子より軽い。そのため、アルゴンイオンは、図7に示された破線斜線の中心線に対し下方側より上方側に多く存在する確率が高い。一方、スパッタ粒子は、破線斜線の中心線に対し上方側より下方側に多く存在する確率が高い。
そのため、好ましくは、垂直姿勢にウエハホルダ18に保持されたウエハ1が破線斜線の中心線より下方側に位置するように、ウエハホルダ18の位置を設定するとよい。さらに好ましくは、図7に示すように、破線斜線で示された範囲のうち、破線斜線の中心線に対し上方側のアルゴンイオンが処理室12内へ通過しないように、連通孔125の位置を設定するとよい。
【0029】
また、スパッタ粒子はアルゴンイオン49に比べて重いため、スパッタ粒子密度分布領域に対応する図7の破線斜線範囲よりも下方にも飛散し、衝突する可能性がある。この下方への飛散は不均一なため、ウエハ1上へ成膜する際の膜厚均一性の悪化や同じ膜厚を成膜する再現性を悪化させてしまう。そのため、好ましくは、ウエハ1のスパッタ粒子密度分布領域外、特に、ウエハホルダ18に垂直姿勢に保持されたウエハ1の中心より下方側を邪魔板21によって被覆するとよい。これにより、膜厚均一性や再現性の悪化を防止することができる。換言すれば、スパッタ粒子密度分布領域外を飛翔する金属粒子がウエハ1に衝突する確率は、邪魔板21の被覆によって無くなる。
邪魔板21はスパッタ粒子密度分布領域内外のスパッタ粒子46を遮るので、必然的に、ウエハ1に堆積する膜の膜厚分布均一性を制御することができる。
邪魔板21の高さは昇降装置20によって制御する。邪魔板21の遮蔽範囲および形状は、実験、コンピュータシミュレーション等によって評価して最適なものを選択することが望ましい。
なお、邪魔板21がチルトブロック17に干渉するのを防止するために、チルトブロック17が所定の位置(例えば、ウエハ1が垂直になる位置)に無い場合には、チルト装置15は昇降装置20を作動させないインタロックを設けることが望ましい。
【0030】
なお、アルゴンイオンのウエハへの衝突を防止する手段としては、ウエハ1の傾斜角を変更することも有効である。ちなみに、ウエハ1の傾斜角を変更することは、均一に成膜する手段としても有効である。
しかしながら、スパッタリングによって形成した膜の膜質の悪化が懸念される。なぜならば、スパッタ粒子の入射角が浅くなることにより、結晶の成長に影響が及ぶ可能性があるためである。
【0031】
ところで、ターゲットはアルゴンおよび他のターゲットのスパッタ粒子によって汚染される可能性がある。したがって、ターゲットをプレクリーニングすることが望ましい。プレクリーニングは1枚のウエハ処理毎でもよいし、複数枚のウエハ処理毎でもよい。
プレクリーニングはアルゴンをターゲットに照射することにより実施する。
なお、窒素(N2 )ガスはターゲット室23および処理室12等を大気復帰させる場合にのみ使用される。
ちなみに、アルゴンガスがイオン源室41に導入されていない時に、フィラメント42の電源をONさせないインタロックを設けることが望ましい。これは、アルゴンガスを導入しない状態で、フィラメント電源をONすると、蒸気圧の関係からフィラメント42の寿命が短くなるので、これを避けるためである。
【0032】
前記実施形態によれば、次の効果のうち少なくとも1つ以上の効果が得られる。
【0033】
1) マルチチャンバ装置に比べてフットプリントを小さく抑えることができる。また、真空を封止するシール部を減少させることできるので、マルチチャンバ装置に比べてイニシャルコストおよびランニングコストを低減することができる。
【0034】
2) ウエハホルダをターゲットホルダ側方に配置しているので、ターゲットホルダ等に付着した異物がウエハ上に落下してウエハを汚染するのを防止することができる。すなわち、超高真空のターゲット室では重力の影響を大きく受けるために、ターゲットホルダ等に付着した異物は真下に落下するが、ウエハはターゲットホルダ等の真下にないので、ウエハ上には落下しない。
【0035】
3) イオンビームをターゲットに収束させて照射しているので、ターゲットからのスパッタ粒子の無駄な飛散を抑制することができる。したがって、高価なターゲットの表面積を小さく抑制することができる。また、スパッタ粒子の飛散領域を小さくすることができるので、ターゲット室内の汚染するのを防止することができる。
【0036】
4) イオン源がターゲット室の下側に設置されているので、イオン源のメンテナンスを簡単化することができる。
【0037】
5) 材質が異なる複数のターゲットが同一のターゲットホルダに保持されているので、ターゲットを順番に交換することにより、材質が異なる膜をウエハに順番に積層して行くことができる。
【0038】
6) ターゲットをイオンビームによってスパッタリングして成膜するので、マグネトロンスパッタリングによって成膜するのに比較して、良好な平坦性および膜質を得ることができ、しかも、プラズマダメージを回避することができる。処理室(成膜室)とプラズマ発生室(イオン源室およびターゲット室)とが分離されていることにより、プラズマダメージが無くなるので、平坦性が良くなり、また、ターゲットに照射するイオンビームのエネルギおよびイオン密度を最適値に制御することにより、成膜(スパッタリング)条件を適正かつ精密に制御することができるので、膜質を向上させることができる。
【0039】
7) スパッタリングに際してウエハを邪魔板によって遮蔽することができるので、成膜の膜厚均一性を向上させることができる。
【0040】
8) 錐形状のターゲットホルダであって、錐面において複数のターゲットを保持するターゲットホルダを備えているので、ターゲット室の容積を小さくすることができ、スループットの向上やフットプリントを抑制することができる。また、複数のターゲット間に充分な間隙を挟むことができるので、種類の異なるターゲットが隣接された場合にも、クロスコンタミネーションを抑制することができる。
【0041】
図8は本発明の第二実施形態を示している。
本実施形態が第一実施形態と異なる点は、ターゲットホルダ30のターゲットチャック35、35間に遮蔽板37を備える点、である。好ましくは、遮蔽板37は、側壁面34からターゲット36の上面より高い位置に至るまで設けるとよい。
本実施形態によれば、遮蔽板37が隣のターゲット36側へのコンタミネーションの浮遊を抑制するので、クロスコンタミネーションを抑制することができる。
【0042】
図9および図10は本発明の第三実施形態を示している。
本実施形態が第一実施形態と異なる点は、本処理(スパッタリング)に使用するイオン源(以下、本処理イオン源という)40とは別に、プレクリーニングに使用するイオン源(以下、クリーニングイオン源という)40Aが配置されている点、である。
図9が示す例においては、第二真空容器22の底壁に配置された本処理イオン源40とは別に、クリーニングイオン源40Aが第二真空容器22の一側壁に配置されている。
図10が示す例においては、クリーニングイオン源40Aが第二真空容器22の正面壁に配置されている。
本実施形態によれば、本処理前(スパッタリング前)にターゲット36をクリーニングイオン源40Aによってプレクリーニングすることができるので、ターゲット36を清浄に維持することができる。特に、複数の膜を順番に形成する場合において、本処理イオン源40による本処理中(スパッタリング中)に、次に使用するターゲット36をクリーニングイオン源40Aによってプレクリーニングすることができるので、スループットの低下を防止しつつ、ターゲット36を清浄に維持することができる。
【0043】
図11および図12は本発明の第四実施形態を示している。
本実施形態が第一実施形態と異なる点は、本処理イオン源40とは別に、ウエハをスパッタリングするイオン源(以下、ウエハスパッタリング源という)40Bが配置されている点、である。
図11が示す例においては、ウエハスパッタリング源40Bが第一真空容器11のウエハ1をスパッタリング可能な位置に配置されている。
図12が示す例においては、ウエハスパッタリング源40Bが第二真空容器22のウエハ1をスパッタリング可能な位置に配置されている。
本実施形態によれば、本処理前(スパッタリング前)に、ウエハ1をウエハスパッタリング源40Bによってスパッタリングすることにより、ウエハ1上の不純物を除去したり、クリーニングしたりすることができる。また、本処理中(スパッタリング中)に、ウエハ1をウエハスパッタリング源40Bによって直接的にスパッタリングすることにより、ターゲット36からのスパッタ粒子46をイオン種に活性化することにより、ウエハ1への成膜をアシストすることができる。例えば、MgO成膜時にMgとOとの割合を見て、酸素(O2 )が不足している場合に、酸素のイオンビームをウエハ1に当てアシストすることができる。
【0044】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であることはいうまでもない。
【0045】
例えば、ターゲットホルダは、八角錐(八角錐台を含む。他の錐も同じ)に形成するに限らず、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐、七角錐等々のように多角錐に形成してもよいし、円錐に形成してもよい。
例えば、ターゲットホルダの横断面形状の外郭線が、回転軸からの距離が相対的に長い第一領域と回転軸からの距離が相対的に短い第二領域とを複数有し、縦断面形状の外郭線の一部がウエハホルダ側の回転軸の延長方向であって、基板ホルダ側に近づくに従って漸次、回転軸からの距離を短くしている第二領域でターゲットを保持するように形成してもよい。
【0046】
ターゲット間の汚染防止等のために、ターゲットをターゲットホルダに一つ置きに配置してもよい。例えば、異なる材質のターゲットを一つ置きに配置することは、複数種の膜を積層する場合に有効である。
しかし、ターゲットホルダの高速回転の点では不利になる。
【0047】
ターゲットホルダに対するターゲットの傾斜角度は、各ターゲット毎に相異させてもよい。ターゲットホルダに対するターゲットの傾斜角度は基本的には45度であるが、他方で、ターゲットの傾斜角度は均一性等を考慮した成膜条件の一つであるとも考えられる。したがって、ターゲットホルダに対するターゲットの傾斜角度は、例えば、ターゲットの材質によって最適値を選択することが望ましい。
【0048】
基板はウエハに限らず、プリント配線基板、液晶パネル、磁気ディスクやコンパクトディスク等であってもよい。
【0049】
本発明の好ましい態様を付記する。
(1)基板を保持する基板ホルダが設置された処理室と、
該処理室に隣接して配置されたターゲット室と、
該ターゲット室に挿入された回転軸を回転させる回転装置と、
前記ターゲット室に設置され、前記回転軸が回転軸線に連結された錐形状のターゲットホルダであって、錐面において複数のターゲットを保持するターゲットホルダと、
イオンを前記ターゲットホルダに保持された前記ターゲットに照射するイオン源と、
を有している基板処理装置。
(2)前記ターゲットホルダは、前記複数のターゲットを互いに間隙を介してそれぞれ保持する、(1)の基板処理装置。
(3)前記処理室は前記ターゲット室よりも小さい容積に形成されている、(1)の基板処理装置。
(4)前記処理室と前記ターゲット室とを仕切る隔壁が設けられ、該隔壁には連通孔が前記ターゲットに照射されて反射したイオンの一部が通過し、他部が前記隔壁の壁面に衝突する位置に配置されている、(3)の基板処理装置。
(5)ターゲット室に設置された錐形状のターゲットホルダであって錐面において複数のターゲットを保持するターゲットホルダに保持された第一ターゲットにイオン源のイオンを照射し、該第一ターゲットから発生する第一ターゲット成分を基板ホルダに保持された基板に堆積させるステップと、
前記ターゲット室に挿入された回転軸および該回転軸が連結された前記ターゲットホルダを回転装置によって回転させて、前記ターゲットホルダが保持した第二ターゲットを前記イオン源に対向させるステップと、
前記イオン源のイオンを前記第二ターゲットに照射し、該第二ターゲットから発生する第二ターゲット成分を前記基板ホルダに保持された基板に堆積させるステップと、
を有する半導体装置の製造方法。
(6)イオンを発生させるイオン源と、
該イオン源から発生するイオンが照射されるターゲットと、
横断面形状の外郭線が、回転軸からの距離が相対的に長い第一領域と前記回転軸からの距離が相対的に短い第二領域とを複数有し、縦断面形状の外郭線の一部が前記回転軸の延長方向であって、基板ホルダ側に近づくに従って前記回転軸からの距離を漸次短くしている前記第二領域で前記ターゲットを保持するターゲットホルダと、
前記回転軸を回転中心として前記ターゲットホルダを回転させる回転装置と、
前記回転軸の延長方向であって前記ターゲットから発生するターゲット成分が堆積する位置で基板を保持する基板ホルダと、
を有している基板処理装置。
(7)前記ターゲットホルダは、隣接する前記第二領域に保持された前記ターゲット間の間隙が相対的に短い前記基板ホルダ側の一端と、該間隙が相対的に長い前記基板ホルダ側とは反対側の他端と、を有している、(6)の基板処理装置。
(8)前記ターゲットおよび前記ターゲットホルダが収納される第一収納容器と、該第一収納容器の前記回転軸の延長方向に隣設され、前記基板ホルダが収納される第二収納容器と、を有しており、前記第二収納容器は前記第一収納容器よりも小さい容積で形成されている、(6)の基板処理装置。
(9)前記第二収納容器は前記回転軸の延長線より下方に配置されている、(8)の基板処理装置。
(10)前記イオン源にガスを供給するガス供給源を有し、前記第一収納容器は、前記第二収納容器側の第一壁面に前記第二収納容器と連通させる連通孔を有し、前記連通孔は、前記ターゲットで反射した前記イオンの一部が前記連通孔を通過し、前記イオンの他部が前記第一壁面に衝突する位置に配置されている、(8)の基板処理装置。
(11)前記イオン源にガスを供給するガス供給源を有し、前記基板ホルダは前記ターゲットで反射した前記イオンのうち、前記基板ホルダに保持された基板に到達する第一イオンより前記基板以外に到達する第二イオンの方が多くなる位置に配置されている、(8)の基板処理装置。
(12)前記ターゲットホルダは、前記第二領域の縦断面形状外郭線延長線と、前記回転軸延長線との交差する角度が鋭角となるように前記第二領域が形成されている、(6)の基板処理装置。
(13)前記ターゲットホルダは、前記第一領域に隣接する前記第二領域に設けられた前記ターゲット同士を仕切る遮蔽板を有する、(6)の基板処理装置。
(14)横断面形状の外郭線が、回転軸からの距離が相対的に長い第一領域と前記回転軸からの距離が相対的に短い第二領域とを複数有し、前記第二領域における縦断面形状の外郭線の一部が前記基板ホルダ側に近づくに従って漸次前記回転軸からの距離を短くしているターゲットホルダの前記第二領域に保持されたターゲットにイオン源が発生させたイオンを照射させて前記ターゲットから発生するターゲット成分が前記回転軸の延長方向に位置する基板ホルダに保持された基板に堆積するステップと、
前記回転軸を回転中心として前記ターゲットホルダを回転装置により回転させるステップと、
を有する半導体装置の製造方法。
(15)前記回転ステップの後、前記ターゲットに隣設するターゲットに前記イオン源が発生させたイオンを照射させて前記ターゲットから発生するターゲット成分が前記基板ホルダに保持された基板に堆積するステップ、をさらに有する、(14)の半導体装置の製造方法。
【符号の説明】
【0050】
1…ウエハ(基板)、
10…基板処理装置、11…第一真空容器、12…処理室、13…開口、14…ゲートバルブ、
15…チルト装置、16…チルト軸、17…チルトブロック、18…ウエハホルダ(基板ホルダ)、19…回転装置、
20…昇降装置、21…邪魔板、
22…第二真空容器、23…ターゲット室、24…隔壁、25…連通孔、26…ターボ分子ポンプ(第一真空ポンプ)、27…クライオポンプ(第二真空ポンプ)、28…回転装置、29…回転軸、30…ターゲットホルダ、31…回転軸線(頂点の垂線)、31A…回転軸線と直交する面、32…錐面、33…夾角、34…側壁面、35…ターゲットチャック、36…ターゲット、37…遮蔽板、
39…射出孔、40…イオン源、41…イオン源室、42…フィラメント、43…加速電極、44…減速電極、43a…加速通過孔、44a…減速通過孔、45…イオンビーム、46…スパッタ粒子(アルゴン成分粒子)、47…加速電極、47a…加速通過孔、48…減速電極、48a…減速通過孔、49…アルゴンイオン、
50…ガス供給源、60…コントローラ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板ホルダが設置された処理室と、
該処理室に隣接して配置されたターゲット室と、
該ターゲット室に挿入された回転軸を回転させる回転装置と、
前記ターゲット室に設置され、前記回転軸が回転軸線に連結された錐形状のターゲットホルダであって、錐面において複数のターゲットを保持するターゲットホルダと、
イオンを前記ターゲットホルダに保持された前記ターゲットに照射するイオン源と、
を有している基板処理装置。
【請求項2】
前記ターゲットホルダは、前記複数のターゲットを互いに間隙を介してそれぞれ保持する、請求項1の基板処理装置。
【請求項3】
前記処理室は前記ターゲット室よりも小さい容積に形成されている、請求項1の基板処理装置。
【請求項4】
前記処理室と前記ターゲット室とを仕切る隔壁が設けられ、該隔壁には連通孔が前記ターゲットに照射されて反射したイオンの一部が通過し、他部が前記隔壁の壁面に衝突する位置に配置されている、請求項3の基板処理装置。
【請求項5】
ターゲット室に設置された錐形状のターゲットホルダであって、錐面において複数のターゲットを保持するターゲットホルダに保持された第一ターゲットに、イオン源のイオンを照射し、該第一ターゲットから発生する第一ターゲット成分を基板ホルダに保持された基板に堆積させるステップと、
前記ターゲット室に挿入された回転軸および該回転軸が連結された前記ターゲットホルダを回転装置によって回転させて、前記ターゲットホルダが保持した第二ターゲットを前記イオン源に対向させるステップと、
前記イオン源のイオンを前記第二ターゲットに照射し、該第二ターゲットから発生する第二ターゲット成分を前記基板ホルダに保持された基板に堆積させるステップと、
を有する半導体装置の製造方法。
【請求項1】
基板を保持する基板ホルダが設置された処理室と、
該処理室に隣接して配置されたターゲット室と、
該ターゲット室に挿入された回転軸を回転させる回転装置と、
前記ターゲット室に設置され、前記回転軸が回転軸線に連結された錐形状のターゲットホルダであって、錐面において複数のターゲットを保持するターゲットホルダと、
イオンを前記ターゲットホルダに保持された前記ターゲットに照射するイオン源と、
を有している基板処理装置。
【請求項2】
前記ターゲットホルダは、前記複数のターゲットを互いに間隙を介してそれぞれ保持する、請求項1の基板処理装置。
【請求項3】
前記処理室は前記ターゲット室よりも小さい容積に形成されている、請求項1の基板処理装置。
【請求項4】
前記処理室と前記ターゲット室とを仕切る隔壁が設けられ、該隔壁には連通孔が前記ターゲットに照射されて反射したイオンの一部が通過し、他部が前記隔壁の壁面に衝突する位置に配置されている、請求項3の基板処理装置。
【請求項5】
ターゲット室に設置された錐形状のターゲットホルダであって、錐面において複数のターゲットを保持するターゲットホルダに保持された第一ターゲットに、イオン源のイオンを照射し、該第一ターゲットから発生する第一ターゲット成分を基板ホルダに保持された基板に堆積させるステップと、
前記ターゲット室に挿入された回転軸および該回転軸が連結された前記ターゲットホルダを回転装置によって回転させて、前記ターゲットホルダが保持した第二ターゲットを前記イオン源に対向させるステップと、
前記イオン源のイオンを前記第二ターゲットに照射し、該第二ターゲットから発生する第二ターゲット成分を前記基板ホルダに保持された基板に堆積させるステップと、
を有する半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−54739(P2011−54739A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201943(P2009−201943)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】
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