説明

基板処理装置および基板処理方法

【課題】基板の裏面の任意の領域に液体が回り込む量を調整することで、基板の表面に液体を供給して処理するだけでなく基板の裏面の任意の領域にも液体を供給して処理することができる基板処理装置および基板処理方法を提供する。
【解決手段】基板Wを回転可能に保持する基板保持部11と、制御部100と、制御部100の指令により基板Wの表面Sに処理用の液体を供給する液体供給部18と、基板保持部11と基板Wの裏面Bの間に形成される裏面空間領域32に、制御部100の指令により不活性ガスを吐き出す吐出ガス供給系15と、制御部100の指令により裏面空間領域32内の空間圧力を制御するエアー吸引系16を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、基板の処理対象面を処理するための基板処理装置および基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置が、半導体ウェーハや液晶基板のような基板の面に対して、液体を供給して処理を行う場合には、基板を回転させながら行う。この種の基板処理装置では、基板処理を行う場合に基板の表面は液体を用いて処理を行い、基板の裏面には液体が回り込まないようにしている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−48814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、基板に対して例えばエッチング液のような液体を供給してエッチング処理する際には、基板の表面にはエッチング液を供給して処理をするとともに、基板の裏面の任意の一部の周辺部領域にもエッチング液を供給して処理することが要望されるようになってきている。
【0005】
しかし、上述のような従来の基板処理装置では、基板の裏面の任意の一部の周辺部領域に対して、エッチング液の回り込み量の供給量を調整して供給することはできず、基板の裏面の任意の一部の周辺部領域だけをエッチング処理することができない。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、基板の裏面の任意の領域に液体が回り込む量を調整することで、基板の表面に液体を供給して処理するだけでなく基板の裏面の任意の領域にも液体を供給して処理することができる基板処理装置および基板処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、処理槽内で回転する基板に処理用の液体を供給して前記基板を処理する基板処理装置であって、前記基板を回転可能に保持する基板保持部と、制御部と、前記制御部の指令により前記基板の表面に前記処理用の液体を供給する液体供給部と、前記基板保持部と前記基板の裏面の間に形成される裏面空間領域に、前記制御部の指令により不活性ガスを吐き出す吐出ガス供給系と、前記制御部の指令により前記裏面空間領域内の空間圧力を制御するエアー吸引系と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の他の一態様によれば、処理槽内で回転する基板に処理用の液体を供給して前記基板を処理する基板処理方法であって、前記基板を基板保持部に保持して回転して前記処理用の液体により処理をする際に、液体供給部が制御部の指令により前記基板の表面に前記処理用の液体を供給し、吐出ガス供給系が前記制御部の指令により前記基板保持部と前記基板の裏面の間に形成される裏面空間領域に不活性ガスを吐き出し、エアー吸引系が前記制御部の指令により前記裏面空間領域内の空間圧力を制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基板の裏面の任意の領域に液体が回り込む量を調整することで、基板の表面に液体を供給して処理するだけでなく基板の裏面の任意の領域にも液体を供給して処理することができる基板処理装置および基板処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置を示す平面図である。
【図2】図1に示す基板処理装置の処理ユニットの好ましい構成例を示す図である。
【図3】基板処理装置の処理ユニットのチャックピン部材を上から見た平面図である。
【図4】基板の表面と裏面におけるエッチング処理の範囲例を示す図である。
【図5】図2に示すマスフローコントロールバルブの電空レギュレータのコントロール例を示す図である。
【図6】裏面空間領域内の空間圧力と、アスピレータのエアー流量と、そしてウェーハの裏面への回り込みエッチング量の相関関係例を示す図である。
【図7】窒素ガス流量と基板Wの裏面空間領域内の空間圧力の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の一形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置を示す平面図である。
【0013】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る基板処理装置1は、例えばカセットステーション2と、ロボット3と、複数の処理ユニット4を有している。
【0014】
この基板処理装置1は、枚葉式の基板処理を行う装置である。カセットステーション2は、複数のカセット5を有しており、各カセット5は複数の基板Wを収容している。基板Wとしては、例えばシリコンウェーハのような半導体ウェーハ基板であるが。基板Wの種類は特にこれに限定されない。
【0015】
図1に示すロボット3は、カセットステーション2と複数の処理ユニット4の間に配置されている。ロボット3は、各カセット5に収容されている基板Wを、別のカセット5に搬送する。また、ロボット3は、処理ユニット4側において処理後の基板Wを、別のカセット5に搬送して戻す。各処理ユニット4は、例えば基板Wを保持して連続回転させて、基板Wの表面だけではなく、基板Wの裏面の任意の一部の周辺部領域に対しても、各種の処理、好ましくは例えばエッチング処理するのに用いられる。
【0016】
図2は、図1に示す基板処理装置1の処理ユニット4の好ましい構成例を示している。
図2に示す枚葉式の処理ユニット4は、処理槽10と、基板保持部11と、移動操作部12と、ダウンフロー用のフィルタ付きファン(例えばULPA)13と、カップ14と、吐出ガス供給系15と、エアー吸引系16と、純水(DIW)供給系17と、液体供給部18と、そして制御部100を有している。
【0017】
図2に示す処理ユニット4は、半導体ウェーハのような基板Wの表面S(一方の面)の全面と、基板Wの裏面B(他方の面)の任意の一部の周辺部領域40に対して、液体(薬液ともいう)を用いて処理、例えば液体としてエッチング液を用いてエッチング処理をすることができる。しかし、この処理ユニット4は、後で説明する構造を採用することにより、基板Wの裏面Bにおいては、基板Wの裏面Bの任意の一部の周辺部領域40を除く部分には、液体が回り込まないように制御(抑制)して、基板Wの裏面Bの任意の一部の周辺部領域40を除く部分にはこのエッチング処理を施さないようにすることができる構造を有している。
【0018】
図2に示す処理槽10は、基板保持部11と、移動操作部12と、液体供給部18と、カップ14を内部に収容している。フィルタ付きファン13が、処理槽10の上部に配置されており、このフィルタ付きファン13は、制御部100の指令により回転させて、処理槽10内に清浄空気を送り込んでいる。フィルタ付きファン13は、例えば、インバータ制御によって制御されている。処理槽10は、処理槽内圧力計10Mを有しており、この処理槽内圧力計10Mは、処理槽10内の空間圧力を検出して、検出信号を制御部100に送る。この処理槽内圧力計10Mは、空間圧力、つまり処理槽10の内圧を一定に保つ制御をし、ここでの処理槽10の内圧は、処理槽10の外の圧力(大気圧)よりも低い圧力になるように制御する。
【0019】
図2に示す基板保持部11は、円盤状の基板Wを着脱自在に保持でき、しかも制御部100がモータMを駆動制御することにより、基板保持部11は、保持した基板WとともにR方向に任意の回転数で連続回転できる。
【0020】
図2に示す基板保持部11は、円盤状のスピンテーブル20を有している。スピンテーブル20の周囲には、カップ14が配置され、スピンテーブル20の中心位置の開口部には、ノズル部材30が固定されている。ノズル部材30は、裏面排液ノズル部ともいう。このカップ14は、基板Wを処理した後のエッチング液や純水(排液)を分離して回収する。
【0021】
図2に示すように、スピンテーブル20は、ほぼ円盤状の部材である。スピンテーブル20は、チャックピン部材22と、円盤状のデコレーションカップ23を有している。モータMが駆動することで、基板保持部11は、固定されたノズル部材30を中心として、このノズル部材30の回りを連続回転する。
【0022】
図2に示すように、デコレーションカップ23は、本体部23Mと本体部23Mの周囲に形成された周縁部21を有している。チャックピン部材22は、デコレーションカップ23の本体部23Mと周縁部21との間のはめ込み溝部分にはめ込んで固定されている。また、チャックピン部材22は、メンテナンス時に交換するために、本体部23Mと周縁部21との間から取り外すことができる構造になっている。
【0023】
図2に示すチャックピン部材22とデコレーションカップ23は、好ましくは撥水性材料により作られている。この撥水性材料としては、例えばPVC(ポリ塩化ビニル)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)等を採用できる。この撥水性材料は、エッチング液に対する接触角が30度以上であることが望ましい。これにより、純水とエッチング液がチャックピン部材22とデコレーションカップ23に付着してしまうのを防止して、エッチング液と純水を、カップ14側に確実に排出させることができる。これによって、排出されたエッチング液や純水の回収効率が上がる。
【0024】
図2に示すチャックピン部材22は、図3に示すような構造を有している。図3は、チャックピン部材22を上から見た平面図であり、図2に示す基板Wの周辺部領域40の複数位置を多点保持するために、図3に示すように複数の支持ピン22Pを有している。これらの支持ピン22Pは、チャックピン部材22の中心に関して、例えば同じ角度をおいて内側に向けて6つ形成されている。これにより、チャックピン部材22は、基板Wの周辺部領域40を複数点で保持できる。ただし、支持ピン22Pの数は、6つに限らず、6つ以上であっても良い。
【0025】
図2に戻ると、デコレーションカップ23の本体部23Mは、チャックピン部材22側からノズル部材30側に向けて下がるように傾斜した傾斜面31を有している。この傾斜面31が形成されていることにより、処理に使用した使用済みのエッチング液や純水を、ノズル部材30側に案内する。ノズル部材30には、排出管の役割があり、ノズル部材30の配管の先には、処理液を回収する気液分離タンク(図示せず)が接続されている。この傾斜面31は、装着した基板Wの裏面Bに対面している。これにより、チャックピン部材22と、デコレーションカップ23の傾斜面31と、ノズル部材30の上面と、基板Wの裏面Bは、裏面空間領域32を形成している。
【0026】
図2に示すように、液体供給部18は、基板Wの上部に配置されている。液体供給部18は、移動操作部12に連結されており、制御部100が移動操作部12を駆動制御することで、液体供給部18は、Z方向(上下方向)とX方向(基板Wの半径方向)に移動可能である。これにより、液体供給部18は、処理用の液体であるエッチング液や純水を、基板Wの表面Sに供給することができる。
【0027】
液体供給部18は、例えば純水供給ノズル18Dとエッチング液供給ノズル18Eを有している。純水供給ノズル18Dは、バルブ18Fを介して純水供給部18Hに接続され、エッチング液供給ノズル18Eは、バルブ18Gを介してエッチング液供給部18Kに接続されている。これにより、制御部100がバルブ18F、18Gをそれぞれ開閉制御することで、純水供給ノズル18Dは、純水供給部18H内の純水Hを基板Wに供給でき、エッチング液供給ノズル18Eは、エッチング液供給部18K内のエッチング液Eを基板Wに供給できる。
【0028】
次に、図2に示す吐出ガス供給系15とエアー吸引系16と純水供給系17の構成例を説明する。
【0029】
図2に示すように、吐出ガス供給系15は、不活性ガスを裏面空間領域32内に供給するために設けられている。吐出ガス供給系15は、裏面吐出ガスノズル41と、流量計42と、バルブ43と、吐出ガス供給部44を有している。裏面吐出ガスノズル41の吐出し先端部は、ノズル部材30に配置されており基板Wの裏面Bに対して上方に向いている。裏面吐出ガスノズル41は、流量計42と、マスフローコントロールバルブ154と、そしてバルブ43を通じて、吐出ガス供給部44に接続されている。マスフローコントロールバルブ154は、電空レギュレータ154Mを有する。制御部100が電空レギュレータ154Mを制御することにより、マスフローコントロールバルブ154の開度が調整できる。これにより、制御部100がマスフローコントロールバルブ154の開度とバルブ42の開度を制御することで、吐出ガス供給部44内の不活性ガス例えば窒素ガス(N2)は、裏面吐出ガスノズル41の吐出し先端部から裏面空間領域32に供給できる。
【0030】
図2に示すように、エアー吸引系16は、裏面空間領域32内の空間圧力を制御するために設けられている。エアー吸引系16は、エアー排気ノズル51と、減圧具としてのアスピレータ52と、流量計53と、マスフローコントロールバルブ54と、バルブ55と、エアー供給部56を有している。エアー排気ノズル51は、エアー供給先端部51Bと開放端51Cを有している。エアー排気ノズル51のエアー供給先端部51Bは、ノズル部材30の中央の穴部30Hに臨むようにして配置されている。
【0031】
このエアー排気ノズル51は、アスピレータ52と流量計53とマスフローコントロールバルブ54とバルブ55を通じて、エアー供給部56に接続されている。マスフローコントロールバルブ54は、電空レギュレータ54Mを有する。制御部100が電空レギュレータ54Mを制御することにより、マスフローコントロールバルブ54の開度が調整できる。マスフローコントロールバルブ54を通じて供給されたエアーは、アスピレータ52を通過することで、エアー排気ノズル51から裏面空間領域32に供給されている不活性ガスを吸引することができる。これは、ベンチュリー効果によるもので、アスピレータ52に接続されるエアー排気ノズル51側に減圧状態を作り出している。
【0032】
これにより、エアー供給部56のエアーは、バルブ55とマスフローコントロールバルブ54と流量計53を通じてアスピレータ52に送られると、アスピレータ52は、マスフローコントロールバルブ54からのエアー供給量に応じて裏面空間領域32を吸引して開放端(ドレイン)51Cから排出することで、裏面空間領域32内の空間圧力の調整を行うことができる。
【0033】
以上説明したように、基板Wの裏面空間領域32内は、エアー吸引系16による排気量コントロールと、供給側の吐出ガス供給系15によるガス供給量のコントロールで、雰囲気を維持するようになっている。
【0034】
図2に示すように、純水供給系17は、裏面空間領域32内の基板Wの裏面Bに対して純水を供給する。この純水供給系17は、純水ノズル61と、流量計62と、バルブ63と、温度調節部64と、純水供給部65を有している。温度調節部64は、制御部100の指令により、純水供給部65の純水の温度を任意の温度に調整することができる。純水ノズル61の純水吐出し先端部は、基板Wの裏面Bに向けるようにしてノズル部材30に配置されている。純水ノズル61は、流量計62とバルブ63と温度調節部64を通じて、純水供給部65に接続されている。これにより、制御部100が、バルブ63の開度を調整することで、純水の圧力調整ができる。そして、純水ノズル61の純水吐出し先端部から裏面空間領域32の基板Wの裏面Bに対して供給できる。
【0035】
なお、図2では、流量計42,53,62は、図面の簡単化のために制御部100に対する電気配線を図示していないが、それぞれ計測した流量値を制御部100に通知するようになっている。バルブ43,55、63の開度の制御は、それぞれ制御部100の指令により行われる。
【0036】
裏面空間領域32内の空間圧力は、ノズル部材30に設けられた圧力計70により測定して、制御部100に通知できる。
【0037】
次に、図4を参照すると、図4は、基板Wの表面Sと裏面Bにおけるエッチング処理範囲例を示している。
【0038】
図4には、中央部の図示を省略した基板Wを示しており、基板Wの表面Sの全面SAと、基板Wの裏面Bの任意の一部の周辺部領域40に対してエッチング液を供給してエッチング処理をして、基板Wの裏面Bの任意の一部の周辺部領域40を除く部分CAにはエッチング液が回り込まないように制御(抑制)して、基板Wの裏面Bの任意の一部の周辺部領域40を除く部分CAにはこのエッチング処理を施さない。この基板Wの裏面Bの任意の一部の周辺部領域40の半径方向の幅は、基板Wの外周部分39から半径方向に沿って例えば0.5mmの範囲であるが、特に限定されない。
【0039】
図5は、図2に示すマスフローコントロールバルブ54の電空レギュレータ54Mのコントロール例を示している。図5では、既に図2に従って説明したエアー吸引系16のエアー排気ノズル51と、アスピレータ52と、流量計53と、マスフローコントロールバルブ54と、バルブ55と、エアー供給部56と、コンピュータ101を示している。
【0040】
図5に示すように、予め定めたプロセス処理データDTが、図2に示す制御部100のコンピュータ101に与えられると、コンピュータ101は、後で説明するこのプロセス処理データDTに従って、電空レギュレータ54Mを駆動制御してマスフローコントロールバルブ54の開度制御を行うとともに、電空レギュレータ154Mを駆動制御してマスフローコントロールバルブ154の開度制御を行うことができる。
【0041】
すなわち、この電空レギュレータ54Mは、制御部100から送られる電気信号の電圧の増加に応じてマスフローコントロールバルブ54の開度大きくするように調整して、アスピレータ52へのエアー供給量を増加させる。これにより、図2に示すエアー供給部56のエアーは、バルブ55とマスフローコントロールバルブ54と流量計53を通じてアスピレータ52に送られる。アスピレータ52は、裏面空間領域32内を吸引して開放端(ドレイン)51Cから排出する。しかも、この電空レギュレータ154Mは、制御部100から送られる電気信号の電圧の増加に応じてマスフローコントロールバルブ154の開度大きくするように調整して、吐出ガス供給部44から裏面空間領域32内への吐出ガスの供給量を増加させる。これにより、図2に示す吐出ガス供給部44からの吐出ガスは、バルブ43とマスフローコントロールバルブ154と流量計42を通じて、吐出し端部41Tから裏面空間領域32内に送られる。
【0042】
このように、コンピュータ101は、電空レギュレータ54Mを駆動制御してマスフローコントロールバルブ54の開度制御を行うとともに、電空レギュレータ154Mを駆動制御してマスフローコントロールバルブ154の開度制御を行うことで、裏面空間領域32内の圧力調整を行うことができるようになっている。
【0043】
次に、上述した構成の基板処理装置1の処理ユニット4による基板Wの処理例を説明する。
【0044】
以下に説明する処理では、処理用の液体としてはエッチング液と純水を用い、吐出ガスとしては不活性ガスの中で例えば窒素(N2)を用いている。処理ユニット4が基板Wの表面Sの全面SAと、基板Wの裏面Bの任意の一部の周辺部領域40に対して、エッチング処理を行う処理例を説明する。
【0045】
図5を参照して、プロセス処理データDTに従って、基板Wにエッチング処理する処理例を説明する。ここでは、基板Wの裏面B側の周辺部領域40に回り込ますエッチング液の範囲は、0.5mmである。
【0046】
まず、図2に示すように、基板Wは、この基板Wの表面Sを上にしてスピンテーブル20のチャックピン部材22により複数点で保持する。
【0047】
図2の制御部100はモータMを駆動することで、基板保持部11とともに基板Wを連続回転させる。純水供給ノズル18Dとエッチング液供給ノズル18Eは、Z方向に沿って下げて所定の高さに維持され、移動操作部12の動作によりX方向に所定の速度で揺動される。これにより、基板Wの表面S側に供給されるエッチング液Eを、基板Wの裏面Bの任意の一部の周辺部領域40にまで回り込んで供給して基板Wの裏面Bの任意の一部の周辺部領域40をエッチング処理することができる。
【0048】
図5に示すプロセス処理データDTの例では、処理ステップS1から処理ステップS3を有する。
【0049】
<ステップS1>
図5の処理ステップS1において、図4に示す基板Wの表面Sに対してエッチング液Eを供給する。基板Wの表面Sに供給したエッチング液Eが基板Wの裏面Bに対して窒素ガスを供給して、基板Wの裏面Bの任意の一部の周辺部領域40にまで回り込んで基板Wの裏面Bの任意の一部の周辺部領域40をエッチング処理する。すなわち、図2に示すエッチング液供給ノズル18Eは、エッチング液供給部18K内のエッチング液Eを基板Wの表面Sに供給する。しかも、図2の制御部100のコンピュータ101は、電空レギュレータ154Mを駆動制御してマスフローコントロールバルブ154の開度制御を行う。このため、図2の吐出ガス供給部44内の不活性ガスである例えば窒素ガス(N2)は、裏面吐出ガスノズル41の吐出し先端部41Tから裏面空間領域32に供給される。
【0050】
この窒素ガスの供給を行いながら、図2の制御部100のコンピュータ101は、図5のプロセス処理データDTに従って、電空レギュレータ54Mを駆動制御してマスフローコントロールバルブ54の開度制御を行う。このため、図2に示すエアー供給部56のエアーは、バルブ55とマスフローコントロールバルブ54と流量計53を通じてアスピレータ52に送られる。アスピレータ52は、裏面空間領域32内を吸引して窒素ガスやエアーを裏面空間領域32内から開放端(ドレイン)51Cを通じて排出する。
【0051】
このように、制御部100の指令により、裏面空間領域32に窒素ガスの供給量を制御して供給しながら、マスフローコントロールバルブ54からアスピレータ52へのエアー供給量を調整することで、基板Wの裏面Bとデコレーションカップ23の間の空間、すなわち裏面空間領域32内の空間圧力の制御を行うことができる。
【0052】
ステップS1では、基板Wの表面Sに対してエッチング液を供給し、基板Wの裏面Bに対して窒素ガスを供給し、裏面空間領域32内の空間圧力の制御(詳細は後述)を行うことで、基板Wの裏面Bへのエッチング液の回り込み量は0.5mmに設定できる。つまり、図4に示す基板Wの周辺部40の半径方向に沿ったエッチング液の回り込み量は0.5mmに設定できる。
【0053】
<ステップS2>
次に、図5に示す処理ステップS2では、図2に示す基板Wの表面Sに対して純水(DIW)を供給するとともに、基板Wの裏面Bに対しても純水(DIW)を供給する。すなわち、図2に示す制御部100は、バルブ18Fを開閉制御することで、図2に示す純水供給ノズル18Dは、純水供給部18H内の純水液Hを基板Wの表面Sに供給する。同様にして、制御部100は、バルブ63を開閉制御することで、純水供給部65から純水を裏面空間領域32内に供給する。このように、制御部100の指令により、基板Wの表面Sと、基板Wの裏面B側の裏面空間領域32に、それぞれ純水を供給して基板Wの表面Sと裏面Bを洗浄する。
【0054】
<ステップS3>
続いて、図5に示すステップS3の乾燥工程では、基板Wの表面Sに対してはエッチング液も純水はともに供給せずに、基板Wの裏面Bに対して窒素ガスを供給する。すなわち、図2に示す制御部100は、バルブ43の開度を制御することで、吐出ガス供給部44内の窒素ガスは、裏面吐出ガスノズル41の吐出し先端部から裏面空間領域32に供給される。この乾燥工程では、処理液およびガスの供給を停止して、基板の回転数を上げて、基板Wの表面Sに残留する純水を振り切る形で乾燥する。また、基板の裏面も同様にして基板Wの回転による遠心力で純水を振り切ることと、裏面空間領域32に供給される窒素ガスで乾燥させる。
【0055】
ところで、図2に示す基板保持部11を構成しているチャックピン部材22とデコレーションカップ23は、すでに説明したように好ましくは撥水性材料により作られており、チャックピン部材22とデコレーションカップ23のエッチング液に対する接触角の大きさ30度以上に管理されている。これにより、基板Wの裏面Bへのエッチング液の回り込み量を制御(抑制)して、基板Wの裏面Bの任意の一部の周辺部領域40にエッチング液を回してエッチング処理することができる。このように、チャックピン部材22とデコレーションカップ23のエッチング液に対する接触角を管理することにより、基板Wの裏面Bへのエッチング液がチャックピン部材22とデコレーションカップ23に無駄に付着してしまうのを防ぐことができる。このため、チャックピン部材22とデコレーションカップ23から、使用したエッチング液や純水を効率よく排出させることができる。
【0056】
上述した本発明の一実施形態では、図2に示す制御部100が、チャックピン部材22と、デコレーションカップ23の傾斜面31と、ノズル部材30の上面とにより形成される裏面空間領域32の空間圧力を、裏面B側の裏面空間領域32に吐き出される吐出ガスである窒素の流量と、アスピレータ52に供給されるエアー供給量を制御することにより制御して、基板Wの裏面B側に形成される回り込みエッチング量を制御することができる。
【0057】
すでに説明したように、基板Wの裏面B側に形成される回り込みエッチング量は、図5に示すプロセス処理データDTをエッチング処理レシピとしてコンピュータ101に転送することで設定できる。これにより、制御部100のコンピュータ101は、プロセス処理データDTに従って、アスピレータ52に送るエアー供給量を調整して、裏面空間領域32内の圧力を制御できる。
【0058】
図2に示す処理槽10内の圧力は、処理槽内圧力計10Mにより常時監視することができ、制御部100がフィルタ付きファン13は、この処理槽10内の圧力値に基づいての駆動制御することができ、処理槽10内における圧力は、一定に保持することができる。処理槽10内の圧力を制御する理由としては、裏面空間領域32に供給された窒素ガスが基板Wの外周部から吹き抜けているため、処理槽10内の圧力に変化を生じさせるので、フィルタ付きファン(HEPA)13側のファンの回転数を下げる制御を行っている。処理槽10内の気圧としては、処理槽10の外の圧力(大気圧)よりも低い圧力になるように制御する。図2のカップ14の先には、処理液排出管があり気液分離回収をするタンクと排気用の吸引ポンプが配置されている。これにより、HEPA側のファンの回転数の制御(ダウンフロー供給量の制御)と、吸引ポンプの排気量の制御により、処理槽10内の圧力を維持する。このようにするのは、処理槽10内の圧力の変化が、処理液のミストや処理槽10内のパーティクル等が舞う原因となり、基板処理面に影響が出てしまうことが背景にあるためである。
【0059】
図2に示すように、純水供給系17の流量と温度は制御部100により制御でき、最適な温度に設定された純水が任意に設定された流量で基板Wの裏面Bに対して吐出できる。
図6は、裏面空間領域32内の空間圧力と、アスピレータ52のエアー流量と、そして基板(ウェーハ)Wの裏面Bへの回り込みエッチング量の相関関係例を示している。
【0060】
図6では、図2に示すマスフローコントロールバルブ54からアスピレータ52へのエアー供給量が大きくなると、裏面空間領域32からの吸気圧が上がって裏面空間領域32内の空間圧力が下がり、基板Wの裏面Bの周辺部に対して回り込むエッチング液の回り込み量が増加することが分かる。このことから、処理ユニット4では、マスフローコントロールバルブ54からアスピレータ52へのエアー供給量を適切に調整することで、基板Wの表面Sの全面領域をエッチング液によりエッチング処理するとともに、制御部100の指令により基板Wの裏面空間領域32内の空間圧力を制御することにより、基板Wの裏面Bの任意の一部の周辺部領域40に対して回り込むことができるようにエッチング液の回り込み量を調整できる。図7を参照すると、基板Wの裏面空間領域内に供給する窒素ガス流量が増加すると、基板Wの裏面空間領域32内の空間圧力をリニアに増加させることができ、基板の裏面空間領域の雰囲気の制御を行うことができる。
【0061】
図7は、窒素ガス流量と基板Wの裏面空間領域内の空間圧力の関係例を示している。図7を参照すると、基板Wの裏面空間領域内に供給する窒素ガス流量が増加すると、基板Wの裏面空間領域32内の空間圧力をリニアに増加させることができ、基板の裏面空間領域の雰囲気の制御を行うことができる。
【0062】
図6と図7を参照すると、本発明の実施例では、すでに説明したように基板Wの裏面Bへのエッチング液の回り込み量は0.5mmに設定されているので、図6から空間圧力を50Paにすることが判る。ここから、空間圧力が50Paであると、図7に示すように、裏面空間領域に供給するN2の流量を100L/Minを供給するようにして、しかも図6に示すように、図2のアスピレータ52に供給するエアー流量を20L/Min供給するレシピが、制御装置側で設定されている。この設定されたレシピになるように、図2の電空レギュレータ54Mおよび電空レギュレータ154Mが、制御部100により制御される。
【0063】
本発明の実施形態では、基板Wのエッチング処理だけでなく、例えば処理液をエッチング液から洗浄液に代えることで、例えば洗浄処理等の各種のプロセス処理も行える。処理ユニットの部品の組み換えをすることなく基板Wの各種の処理が行え、基板Wの生産性が向上し、基板Wの生産時の歩留まりが向上する。
【0064】
本発明の実施形態の基板処理装置は、基板を回転可能に保持する基板保持部と、制御部と、制御部の指令により基板の表面に処理用の液体を供給する液体供給部と、基板保持部と基板の裏面の間に形成される裏面空間領域に、制御部の指令により不活性ガスを吐き出す吐出ガス供給系と、制御部の指令により裏面空間領域内の空間圧力を制御するエアー吸引系と、を備える。これにより、裏面空間領域に不活性ガスを吐き出し、裏面空間領域内の空間圧力を制御することで、基板の裏面の任意の領域に液体が回り込む量を調整することができ、基板の表面に液体を供給して処理するだけでなく基板の裏面の任意の一部の周辺部領域にも液体を供給して処理することができる。
【0065】
エアー吸引系は、制御部の指令により開度が調整されるバルブと、バルブを通過するエアーが供給されると裏面空間領域内を減圧して裏面空間領域内の圧力を制御する減圧具の例としてアスピレータを有する。これにより、エアーを供給するだけで、減圧具は裏面空間領域内を減圧して裏面空間領域内の圧力を容易に制御できる。
【0066】
処理槽は、処理槽に配置されるファンと、処理槽内の差圧を検出して制御部に信号を供給する処理槽内圧力計を有する。これにより、裏面空間領域内の空間圧力を制御しても、制御部は、裏面空間領域内の圧力に対する処理槽内の圧力を一定に保持することができる。
【0067】
基板保持部と基板の裏面の間に形成される裏面空間領域に、流量と温度制御された純水を供給する純水供給系を有する。これにより、温度と供給量が調整された純水を基板の裏面に供給でき、基板の裏面を洗浄することができる。
【0068】
処理用の液体はエッチング液であり、基板保持部は、基板を保持するチャックピン部材と、チャックピン部材を保持するデコレーションカップを有し、チャックピン部材とデコレーションカップは、撥水性材料により作られている。これにより、基板保持部のチャックピン部材とデコレーションカップは、処理用の液体や純水の付着を防いで処理用の液体や純水を効率よく基板保持部の外部に排出することができる。
【0069】
本発明の実施形態の基板処理方法では、基板を基板保持部に保持して回転して処理用の液体により処理をする際に、液体供給部が制御部の指令により基板の表面に処理用の液体を供給し、吐出ガス供給系が制御部の指令により基板保持部と基板の裏面の間に形成される裏面空間領域に不活性ガスを吐き出し、エアー吸引系が制御部の指令により裏面空間領域内の空間圧力を制御する。これにより、裏面空間領域に不活性ガスを吐き出しエアー吸引系が裏面空間領域内のエアーを吸引して、裏面空間領域内の空間圧力を制御することで、基板の裏面の任意の領域に液体が回り込む量を調整することで、基板の表面に処理用の液体を供給して処理するだけでなく基板の裏面の任意の一部の周辺部領域にも処理用の液体を供給して処理することができる。
【0070】
従来の基板処理装置では、基板の回転数が低い状態で基板処理している。処理液(剥離液)が基板のレジストに反応するのに時間がかかるために、基板回転数を数百回転で処理をすると、レジストに反応する前に処理液が基板から排出されてしまう状態になってしまう。このため、基板処理をする際の基板回転数は、一分間に50回転させるような低速回転で処理させる。つまり、基板の回転は低速なので、遠心力による処理液が排出する作用が少ないので、基板の裏面外周に回り込んだ液が、排出されにくくなる。
【0071】
本発明の実施形態において、裏面空間領域内の圧力を維持させていることは、基板の裏面外周方向に圧力を掛けているので、回り込んだ処理液を堰きとめる作用で、基板の裏面外周面のレジストと処理液の反応をさせるようにしている。
【0072】
また、本発明の実施形態では、デコレーションカップの材質を疎水性にすることで、基板の裏面外周面側に処理液が滞留しないで、円滑に排出をすることを狙っている。つまり、レジストと反応済みの処理液がいつまでも外周に留まらずに、新しく供給された処理液を基板の裏面外周部に供給することが可能となる。
【0073】
なお、本発明の実施形態では、基板の裏面空間領域の雰囲気を吸引量制御することと、基板の裏面空間領域への気体供給量制御をすることで、裏面空間領域の雰囲気を制御しているが、例えば供給側を一定の供給量にして、吸引側のみで制御させて、裏面空間領域の雰囲気を一定に保つこともできる。
【0074】
以上、本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0075】
図2に示す吐出ガス供給系15の裏面吐出ガスノズル41は、次に示すような特徴を持たせることができる。裏面吐出ガスノズル41が、例えば電動アクチュエータを作動することにより、上下方向(Z方向)に駆動できるようにしても良い。これにより、裏面吐出ガスノズル41の吐出し先端部41Tが、基板Wのエッチング工程では上昇し、基板Wの乾燥工程では下降するようにする。具体的には、エッチング工程では、裏面吐出ノズル41の吐出し先端部41Tが基板Wの裏面の近くに上昇する。このように、吐出し先端部41Tを基板Wの裏面に近づけることで、吐出されたガスが基板Wに沿って流れる流速が早くなり、ガスが外周に拡散して、エッチングコントロールがし易いメリットがある。
【0076】
また、乾燥工程での裏面吐出ガスノズル41の吐出し先端部41Tは、下降した状態になる。この吐出し先端部41Tが下降した状態で、窒素ガス(不活性ガス)を吐出することで、窒素ガス(不活性ガス)を拡散しながら裏面空間領域32に吐出が可能になるので、裏面空間領域32の全体を乾燥することができる。また、吐出し先端部41Tが出ていることで、純水ノズル61から供給された純水が裏面吐出ガスノズル41に当って供給された状態になる。このことにより、裏面吐出ガスノズル41付近に液溜まりが発生させてしまい、乾燥工程で基板Wを高速回転する時において、裏面空間領域32内の乱流により、液溜まりが舞うような現象を抑制することができる。
【0077】
また、裏面吐出ガスノズル41の別の構造例としては、裏面吐出ガスノズル41自体が収縮自在な機構を採用することもできる。
【0078】
本発明の一実施形態では、エアー吸引系16では、裏面空間領域32内の空間圧力を制御する減圧具としては、吸引圧を発生して裏面空間領域32内の空間圧力を下げるアスピレータ52を使用している。しかし、エアー吸引系16では、アスピレータ52に代えて、裏面空間領域32内を吸引して空間圧力を減圧制御するために、電動ポンプを使用することもできる。
【符号の説明】
【0079】
1 基板処理装置
4 処理ユニット
10 処理槽
11 基板保持部
12 移動操作部
13 ダウンフロー用のフィルタ付きファン
14 カップ
15 吐出ガス供給系
16 エアー吸引系
17 純水(DIW)供給系
18 液体供給部
22 チャックピン部材
23 デコレーションカップ
32 裏面空間領域
40 基板の裏面の任意の一部の周辺部領域
52 アスピレータ
54 マスフローコントロールバルブ(制御バルブの例)
100 制御部
H 純水
E エッチング液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理槽内で回転する基板に処理用の液体を供給して前記基板を処理する基板処理装置であって、
前記基板を回転可能に保持する基板保持部と、
制御部と、
前記制御部の指令により前記基板の表面に前記処理用の液体を供給する液体供給部と、
前記基板保持部と前記基板の裏面の間に形成される裏面空間領域に、前記制御部の指令により不活性ガスを吐き出す吐出ガス供給系と、
前記制御部の指令により前記裏面空間領域内の空間圧力を制御するエアー吸引系と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記エアー吸引系は、
前記制御部の指令により開度が調整されるバルブと、
前記バルブを通過する前記エアーが供給されると前記裏面空間領域内を減圧して前記裏面空間領域内の圧力を制御する減圧具と、
を有することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記処理槽は、
前記処理槽に配置されるファンと、
前記処理槽内の圧力を検出して前記制御部に信号を供給する処理槽内圧力計と、
を有することを特徴とする請求項1または請求項2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板保持部と前記基板の裏面の間に形成される裏面空間領域に、流量と温度制御された純水を供給する純水供給系を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記処理用の液はエッチング液であり、前記基板保持部は、前記基板を保持するチャックピン部材と、前記チャックピン部材を保持するデコレーションカップを有し、前記チャックピン部材と前記デコレーションカップは、撥水性材料により作られていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記吐出ガス供給系は、前記基板の前記裏面空間領域に、前記不活性ガスを吐き出す裏面吐出ガスノズルを有し、前記裏面吐出ガスノズルは、上下に駆動可能になっていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
処理槽内で回転する基板に処理用の液体を供給して前記基板を処理する基板処理方法であって、
前記基板を基板保持部に保持して回転して前記処理用の液体により処理をする際に、液体供給部が制御部の指令により前記基板の表面に前記処理用の液体を供給し、
吐出ガス供給系が前記制御部の指令により前記基板保持部と前記基板の裏面の間に形成される裏面空間領域に不活性ガスを吐き出し、エアー吸引系が前記制御部の指令により前記裏面空間領域内の空間圧力を制御することを特徴とする基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−74243(P2013−74243A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214304(P2011−214304)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】