説明

基板処理装置及び処理液付与方法

【課題】移動するノズルから吐出される処理液の流量の変動を抑えられる技術を提供する。
【解決手段】基板処理装置20は、基板200を略水平に保持する基板保持部30と、基板200に対して略平行な主走査方向に沿って延びる主走査機構ガイド部42と、主走査機構ガイド部42により主走査方向に沿って移動可能に支持されたスライダ44と、を有する主走査機構40と、スライダ44により主走査方向に沿って移動可能に支持され、基板200に塗布液を吐出する吐出部50と、吐出部50に接続されるとともに吐出部50に塗布液を導く可撓性の塗布液配管80bと、塗布液配管80bの途中の部分を支持するとともに、主走査の繰返しによるスライダ44の周期的な動きに追随してその向きが周期的に変化する可動配管支持部100と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板、PDP(Plasma Display Panel)用ガラス基板、有機EL表示パネル用ガラス基板、太陽電池用基板、磁気或は光ディスク用のガラス或はセラミック基板等の各種被処理基板に塗布される処理液の流量の一定性を保持する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
吐出ノズルが、表面に隔壁の配列が形成された基板の表面を走査しつつ、有機ELのような画素形成材料を塗布液として塗布する技術が知られている。この場合、可撓性を有する配管が、走査移動する吐出ノズルに接続されており、配管を流れた塗布液が吐出ノズルから吐出される。
【0003】
このような技術として、例えば、特許文献1には、主走査方向に沿って延びるガイド部と、ガイド部との間にエア層を介在させた状態で、ガイド部により主走査方向に沿って移動可能に支持されたスライダと、スライダに支持され、塗布液を吐出するノズルと、スライダ及びノズルに接続された配管の途中部分を支持する配管支持部材と、を備える塗布装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、ガイド部に係合しつつ主走査方向に移動可能に支持されたスライダと、スライダに支持されたノズルと、を有し、スライダ及びノズルに流体を導く複数の配管がノズル及びスライダに対してガイド部の軸を挟んで両側に分けて固定された構成の塗布装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−072974号公報
【特許文献2】特開2011−072975号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1又は特許文献2に開示されているこれらの配管は可撓性を有するため、スライダの移動又は振動によって配管の一部にねじれなどの変形が生じやすい。変形後の配管の形状によっては、スライダの走査移動時に塗布液が本来の流れ方向とは逆方向に配管内を流れてしまうため、吐出ノズルから吐出される塗布液の流量が変動する場合があった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、移動するノズルから吐出される処理液の流量の変動を抑えられる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、基板処理装置であって、基板を略水平に保持する基板保持部と、前記基板に対して略平行な主走査方向に沿って延びるガイド部と、前記ガイド部により前記主走査方向に沿って移動可能に支持された移動部と、を有する主走査機構と、前記移動部により前記主走査方向に沿って移動可能に支持され、前記基板に処理液を吐出する吐出部と、前記吐出部に接続されるとともに前記吐出部に処理液を導く可撓性の配管と、前記配管の途中の部分を支持するとともに、主走査の繰返しによる前記移動部の周期的な動きに追随してその向きが周期的に変化する可動配管支持部と、を備える。
【0009】
第2の発明は、第1の発明に係る基板処理装置であって、前記配管のうち、前記可動配管支持部による支持箇所と、前記吐出部への接続箇所との間の区間が鉛直面内でアーチ形状に形成されている。
【0010】
第3の発明は、第2の発明に係る基板処理装置であって、前記配管の前記区間は、上に凸のアーチ形状となっている。
【0011】
第4の発明は、第1の発明に係る基板処理装置であって、前記ガイド部に沿って延びる補助ガイド部と、前記補助ガイド部により前記主走査方向に沿って移動可能に支持された補助移動部と、を有する補助走査機構をさらに備え、前記配管のうち、前記可動配管支持部による支持箇所と、前記吐出部への接続箇所との間の所定部分が前記補助移動部に支持されている。
【0012】
第5の発明は、第4の発明に係る基板処理装置であって、前記可動配管支持部が前記補助移動部に連結されていることを特徴とする。
【0013】
第6の発明は、第4の発明又は第5の発明に係る基板処理装置であって、前記配管のうち、前記可動配管支持部による支持箇所と、前記補助移動部への接続箇所との間の区間が鉛直面内でアーチ形状に形成されている。
【0014】
第7の発明は、第4の発明ないし第6の発明のいずれか一つに係る基板処理装置であって、前記主走査機構は前記補助走査機構よりも下方に配置されていることを特徴とする。
【0015】
第8の発明は、第1の発明ないし第7の発明のいずれか一つに係る基板処理装置であって、前記可動配管支持部の向きを調節する駆動部をさらに備える。
【0016】
第9の発明は、処理液付与方法であって、基板を略水平に保持する工程と、吐出部から処理液を吐出させながら、前記吐出部を支持する移動部を主走査方向に沿って基板上を周期的に走査移動させる工程と、前記吐出部に前記処理液を導く可撓性の配管の途中の部分を支持する可動配管支持部の向きを、走査移動する前記移動部に追随して周期的に変化させる工程と、を備える。
【発明の効果】
【0017】
第1の発明から第9の発明において、可動配管支持部は、配管の途中の部分を支持するとともに、移動部の周期的な動きに追随してその向きが周期的に変化する。このため、移動部が移動しても、それに追随して可動配管支持部の向きが変化するため、可動配管支持部に支持された配管の部分にねじれが生じることを抑えられる。この結果、吐出部から吐出される処理液の流量が変動することを抑えられる。
【0018】
特に、第2の発明において、可動配管支持部による支持箇所と吐出部への接続箇所との間の区間が鉛直面内でアーチ形状に形成されている。従って配管は長くなるため、配管の暴れや揺れは配管全体で平滑化され、その影響を小さくすることができる。これによって、吐出部から吐出される処理液の流量の変動を抑えられる。
【0019】
特に、第3の発明において、配管の区間が上に凸のアーチ形状となっている。このため、主走査機構に接続された吐出部から延び出た配管の端末が上方に立ち上がるため、移動部が移動しても、処理液が配管内を逆流する方向に力が生じにくい。これによって、吐出部から吐出される処理液の流量の変動を抑えられる。
【0020】
特に、第4の発明において、可動配管支持部による支持箇所と吐出部への接続箇所との間の所定部分が補助移動部に支持されている。従って、配管の揺れや暴れが生じても吐出部に伝わりにくいため、吐出部から吐出される塗布液の流量の変動を抑えられる。
【0021】
特に、第5の発明において、可動配管支持部が補助移動部に連結されている。従って、補助移動部の駆動によって、可動配管支持部の向きを確実に変化させることができる。
【0022】
特に、第6の発明において、可動配管支持部による支持箇所と補助移動部への接続箇所との間の区間が鉛直面内でアーチ形状に形成されている。従って、配管は長くなるため、配管の揺れや暴れはアーチ形状の配管全体で平滑化され、その影響を小さくすることができる。
【0023】
特に、第7の発明において、主走査機構は補助走査機構よりも下方に配置されている。従って、吐出部に接続された配管の端末は上方に立ち上がった状態に維持されやすくなる。従って、移動部が移動しても処理液が逆流する方向に力が生じにくく、処理液の流量の変動を抑えられる。
【0024】
特に、第8の発明において、可動配管支持部の向きを調節する駆動部によって、可動配管支持部は確実に移動部に追随してその向きを調節される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施形態に係る基板処理装置を示す概略平面図である。
【図2】同上の基板処理装置を示す概略正面図である。
【図3】図2におけるI−I線概略断面図である。
【図4】実施形態に係る基板処理装置の主たる構成要素の配置関係を示す概略斜視図である。
【図5】処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】変形例における基板処理装置の主たる構成要素の配置関係を示す概略斜視図である。
【図7】変形例における基板処理装置の主たる構成要素の配置関係を示す概略斜視図である。
【図8】変形例における基板処理装置の主たる構成要素の配置関係を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
【0027】
図1は、本実施形態に係る基板処理装置20を示す概略平面図である。図2は、基板処理装置20を示す概略正面図である。図3は、図2に示す基板処理装置20のI−I線概略断面図である。また、図4は、基板処理装置20の主要部の配置関係を概略的に記載した概略斜視図である。
【0028】
なお、以下の説明においては、方向及び向きを示す際に、適宜図中に示すXYZ直交座標を用いる。ここで、X軸及びY軸方向は水平方向、Z軸方向は鉛直方向(+Z側が上側、−Z側が下側)を示す。また、便宜上、Y軸方向を基板の搬送方向(+Y側が下流側、−Y側が上流側)とし、X軸方向を移動部の主走査方向(+X側、−X側)とする。
【0029】
基板処理装置20は、基板200に対して処理液として塗布液を塗布する装置である。基板200としては、方形状の基板、例えば、平面表示装置用のガラス基板等が想定される。また、塗布液としては、基板200に形成すべきパターン等の形成材料、例えば、有機EL表示装置の製造を想定した場合には、有機EL材料及びその溶媒等を含む液等が想定される。
【0030】
この基板処理装置20は、基板200を保持する基板保持部30と、主走査機構40と、塗布液を吐出する吐出部50と、補助走査機構60と、可撓性の樹脂チューブなどで構成される塗布液配管80bを支持する可動配管支持部100と、を主に備えている。
【0031】
基板保持部30は、基板200を略水平姿勢で保持可能に構成されている。ここでは、基板保持部30は、その主面を所定高さ位置で上向き略水平姿勢に配設したステージ32を有している。そして、基板200の主面をステージ32の上向き主面に当接させるように基板200をステージ32上に載置することで、基板200が一定位置及び姿勢で保持可能に構成されている。基板保持部は、その他、基板の周囲を把持することで当該基板を保持する構成であってもよい。
【0032】
また、基板保持部30の下方には、吐出部50に対して基板200をY方向(副走査方向)に沿って相対移動させる基板移動機構34が設けられている。ここでは、基板移動機構34は、上方にステージ32を支持する台部36と、一対のスライド受部37とを有している。スライド受部37は、台部36の下端部に設けられ、Y方向に沿って延びる一対の副走査方向ガイド部39上をスライド移動可能に構成されている。そして、リニアモータ等の基板移動駆動部(図示省略)からの駆動力を受けることで、基板移動機構34が、上記ステージ32及び基板200と共に、Y方向に沿って移動する構成とされている。なお、基板200をY方向に沿って移動させる代りに、主走査機構40及び吐出部50を、基板200に対してY方向に沿って移動させる構成であってもよい。なお、上記ステージ32は、基板移動機構34に対して鉛直軸周りに回転駆動可能に構成されていてもよい。
【0033】
主走査機構40は、主走査機構ガイド部42と、主走査機構ガイド部42に沿って移動するスライダ44とを有している。主走査機構ガイド部42は、基板200の上方位置で、基板200に対して略平行な主走査方向(X方向)に沿って延びる長尺状部材に形成されている。スライダ44は、主走査機構ガイド部42を挿通配置可能な内部空間を有する部材であり、当該主走査機構ガイド部42によってX方向に沿って移動可能に支持されている。なお、本実施形態では、スライダ44が移動部に相当する。移動部は、スライダに限られず、主走査機構ガイド部42に沿って移動可能な部材であればよい。
【0034】
より具体的には、主走査機構ガイド部42は、略角棒状部材に形成されている。スライダ44の外形状は、図4に示されるように、略直方体状に形成されている。また、スライダ44の内部には、主走査機構ガイド部42の外周面を、間隔を有して取り囲むことが可能な内部空間44Sが形成されている。後述するエア供給源86からエア配管80aを介して供給されるエアの一部は、スライダ44の内周面に向けて吐出される。これによって、スライダ44は、主走査機構ガイド部42の外周面との間にエア層を介在させた状態で、X方向に沿って移動可能に支持された状態となる。この結果、スライダ44は、高速高加速移動可能かつ、耐久性に優れた態様で支持されることになる。
【0035】
なお、ここでは、図3に示されるように、主走査機構ガイド部42の上面に、上方に開口しかつX方向に沿って延びる凹溝43が形成され、スライダ44の上部幅方向(Y方向)中間部に、上記凹溝43に対応する幅のスリット45aが形成されている。そして、このスリット45a部分に、ベルト取付ブラケット45が取付けられ、上記凹溝43内で、スライダ44を駆動するための駆動ベルト74がベルト取付ブラケット45に取付けられている。
【0036】
もっとも、これらの構成は必須ではない。例えば、主走査機構ガイド部は、単純な角棒状或は丸棒状で、スライダ内には当該単純な角棒状或は丸棒状よりも一回り大きな内部空間が形成された構成であってもよい。また、主走査機構ガイド部は、複数の棒状部材を有していてもよい。なお、スライダは、主走査機構ガイド部に対してエア層を介在させた状態で移動自在に支持されている必要はない。例えば、スライダは、長尺状の主走査機構ガイド部に対して、他の低摩擦部材、転動体等を介して接触した状態で、移動自在に支持される構成であってもよい。
【0037】
また、ここでは、主走査機構ガイド部42の上方に、カウンタ用ガイド部46及びカウンタ用スライダ48が設けられている。
【0038】
カウンタ用ガイド部46は、X方向に沿って延びる長尺棒状部材に形成されている。カウンタ用スライダ48は、カウンタ用ガイド部46を挿通配置可能な内部空間を有する部材であり、当該カウンタ用ガイド部46によってX方向に沿って移動可能に支持されている。
【0039】
ここでは、カウンタ用ガイド部46は、略丸棒状に形成され、上記主走査機構ガイド部42の上方に略平行状態で2本設けられている。また、カウンタ用スライダ48の内部には、各カウンタ用ガイド部46の外周面を、間隔を有して取り囲むことが可能な丸穴状の内部空間48Sが形成されている。後述するエア供給源86からエア配管80aを介して供給されるエアの一部は、カウンタ用スライダ48の内周面に向けて吐出される。これによって、カウンタ用スライダ48は、カウンタ用ガイド部46の外周面との間にエア層を介在させた状態で、X方向に沿って移動可能に支持された状態となる。
【0040】
なお、ここで、カウンタ用スライダがカウンタ用ガイド部に対して移動可能に支持される構成は、上記主走査機構40に関して述べたのと同様、種々構成を採用し得る。つまり、カウンタ用スライダは、上記のようにカウンタ用ガイド部に対してエア層を介在させた状態で移動自在に支持されている必要はない。例えば、カウンタ用スライダは、長尺状のカウンタ用ガイド部に対して、他の低摩擦部材、転動体等を介して接触した状態で、移動自在に支持される構成であってもよい。
【0041】
吐出部50は、上記スライダ44によってX方向に沿って移動可能に支持されると共に、基板200に対して塗布液を吐出可能に構成されている。ここでは、吐出部50は、ノズル支持部52と少なくとも一つのノズル54とを有している。本実施形態では図示の都合上、ノズル54は3つ設けられているものとする。
【0042】
ノズル支持部52は、スライダ44の一側面に取付けられる基端部52aと、基端部52aの下端部より外方に向けて延出するノズル取付板部52bとを有している。そして、複数のノズル54が、X方向及びY方向に位置をずらしつつ、ノズル取付板部52bに取付固定されている。各ノズル54は、それぞれ塗布液を吐出可能な吐出口を有しており、当該吐出口をノズル取付板部52bの下向きにした姿勢で、ノズル取付板部52bに固定されている。そして、上記スライダ44をX方向に移動させつつ、各ノズル54から塗布液を吐出することで、当該塗布液がステージ32上に載置された基板200に塗布されるようになっている。
【0043】
なお、上記スライダ44のうち吐出部50に対して反対側の側部に、ノズルカウンタ44Cが設けられている。
【0044】
補助走査機構60は、補助走査機構ガイド部62と、補助走査機構ガイド部62に沿って移動する補助スライダ65とを備える。補助走査機構60の補助スライダ65は、スライダ44に追随してX方向に沿って移動可能に構成されている。ここでは、この補助走査機構60は主走査機構40よりも上方で、主走査機構40よりも基板200の搬送方向下流側に設けられている。なお、補助スライダ65が本実施形態における補助移動部に相当する。補助移動部は、補助走査機構ガイド部に沿って移動可能な部材である。
【0045】
補助走査機構ガイド部62は、基板200の上方位置で、X方向に沿って延びる長尺状部材に形成されている。つまり、主走査機構ガイド部42の延在方向に沿うようにして補助走査機構ガイド部62は形成されている。また、補助スライダ65は、補助走査機構ガイド部62を挿通配置可能な内部空間を有する部材であり、当該補助走査機構ガイド部62によってX方向に沿って移動可能に支持されている。この補助走査機構60は主走査機構40と同期駆動するが、それについては後に詳述する。
【0046】
より具体的には、補助走査機構ガイド部62は、略角棒状の部材に形成されている。補助スライダ65の外形状は略直方体状に形成され、補助スライダ65内には、補助走査機構ガイド部62の外周面を、間隔を有して取り囲むことが可能な内部空間64Sが形成されている。後述するエア供給源86からエア配管80aを介して供給されるエアの一部は、補助スライダ65の内周面に向けて吐出される。これによって、補助スライダ65は、補助走査機構ガイド部62の外周面との間にエア層を介在させた状態で、X方向に沿って移動可能に支持された状態となる。
【0047】
なお、ここで、補助スライダ65が補助走査機構ガイド部62に対して移動可能に支持される構成は、上記主走査機構40に関して述べたのと同様、種々構成を採用し得る。もっとも、この補助スライダは、上記のように配管支持用ガイド部に対してエア層を介在させた状態で移動自在に支持されている必要はない。例えば、補助スライダは、長尺状の補助走査機構ガイド部に対して、他の低摩擦部材、転動体等を介して接触した状態で、移動自在に支持される構成であってもよい。
【0048】
可動配管支持部100は、ステージ32の上方に設置されており、X方向に沿って移動するスライダ44及び補助スライダ65の位置に応じてその方向を変化させることが可能な可動部材である。この可動配管支持部100は、一端の部分61aが、基板200が搬送される経路に跨るようにして設けられた台部69に固定されているとともに、他端の部分61bが自由端として回転自在な揺動軸61と、揺動軸61に接続された板状のプレート部63と、プレート部63から略水平方向に延び出るとともに補助スライダ65に接続されたアーム部材67と、を備える。
【0049】
プレート部63は、その主面に後述する塗布液配管80bの部分を支持する支持機構630を有する。この支持機構630は、例えばプレート部63に対して塗布液配管80bを結束するベルト状の結束部材、又はクリップ状の挟込部材など、塗布液配管80bの口径に影響を与えない限り、種々の形態が採用可能である。
【0050】
このプレート部63の一端が、軸心方向が鉛直方向に沿うようにして配置されている揺動軸61の可動部分61bの外周面に接続されている。即ち、プレート部63は揺動軸61の動作に応じて揺動可能に配設されており、X方向及びY方向で規定される面内で自在にその方向を変化させることができる。
【0051】
アーム部材67は、揺動軸61との接続部分63aとは反対側のプレート部63の端部63bと補助スライダ65とを連結する剛性を有する部材である。従って、補助スライダ65が補助走査機構ガイド部62に沿って往復移動すると、アーム部材67を介してプレート部63及び揺動軸61は従動し、プレート部63は揺動軸61を中心にしてその周りを揺動する。つまり、補助走査機構60がプレート部63の駆動源として機能する。
【0052】
より具体的には、補助走査機構60の補助スライダ65の移動に応じて、アーム部材67は補助スライダ65から引張力又は押込力を受ける。これらの力のうちX方向に沿って作用する力の成分によって、プレート部63の向きは補助スライダ65に追随して周期的に変化する。
【0053】
なお、板状のプレート部63の代わりに他の形状の部材が使用されてもよい。例えば棒状の部材など、塗布液配管80bを支持可能であればその形状については種々の形態が採用可能である。また、プレート部63とアーム部材67とが剛性を有する一体物として構成されていても構わない。
【0054】
また、補助スライダ65の位置に応じて、より具体的には補助スライダ65が補助走査機構ガイド部62の中間部に位置するときと、補助走査機構ガイド部62の両端部に位置するときとで、補助スライダ65と可動配管支持部100との距離は変動する。従って、アーム部材67としては、たとえば互いに異なる径を持つ筒状部材67a、67bのペアを伸縮自在に組み合わせたテレスコピック構造を採用することができるし、パンタグラフ構造なども利用可能である。また、これらの代替として、アーム部材67と補助スライダ65との接続部分、又はアーム部材67とプレート部63との接続部分などには、補助スライダ65と可動配管支持部100との間の距離を調節可能な構造が採用されてもよい。これによって、直進移動する補助スライダ65の位置に応じてアーム部材67の長さが調節される。
【0055】
配管80は、エア配管80aと、塗布液配管80bとを含んでいる。各配管80a、80bは、エア又は塗布液の送り方向上流側でエア供給源86或は塗布液供給源88に接続されるとともに、本基板処理装置20の上方で吊すように支持されている。以下の説明において、両配管を区別する場合には、エア配管80a或は塗布液配管80bといい、総称する場合には配管80という場合がある。なお、図3においては、エア配管80aの記載は省略されている。
【0056】
エア配管80aは、エア供給源86からのエアを導く、可撓性を有する樹脂などの管によって構成されており、ここでは、2つのエア配管80aを有している。2つのエア配管80aの一端部はそれぞれエア供給源86に接続されている。一方のエア配管80aの他端部はスライダ44にエア供給可能に接続され、他方のエア配管80aの他端部は補助スライダ65にエア供給可能に接続されている。一方のエア配管80aの他端部は、スライダ44に直接的に固定されていてもよいし、吐出部50の固定箇所を経由してスライダ44に接続されていてもよい。
【0057】
塗布液配管80bは、塗布液供給源88からの塗布液を導く、可撓性を有する樹脂などの管によって構成されており、ノズル54と同数設けられている。各塗布液配管80bの一端部はそれぞれ塗布液供給源88に接続されており、他端部はそれぞれノズル54に塗布液を供給可能に接続されている。塗布液配管80bの他端部は、吐出部50に直接的に固定されていてもよいし、スライダ44或はノズル支持部52への固定箇所を経由してノズル54に接続されていてもよい。
【0058】
このような塗布液配管80bは複数本が束ねられた状態で塗布液配管保護部材85に収容されている。この塗布液配管保護部材85は樹脂などの可撓性を有する材料で構成されており、複数の塗布液配管80bは一括に保持される。ここでは、図3に示されるように、塗布液配管保護部材85がノズル支持部52の固定箇所を経由して、各塗布液配管80bがノズル54各々に接続されている。この塗布液配管保護部材85がノズル支持部52において固定される機構についても、上述のプレート部63における支持機構630と同様の種々の形態が採用可能である。
【0059】
吐出部50での固定箇所又はスライダ44或はノズル支持部52での固定箇所よりも塗布液の流れ方向の上流側の塗布液配管80bの一部分が、補助スライダ65の補助スライダ保持部621に支持されている。この補助スライダ保持部621が有する塗布液配管80bを支持する機構についても、上述のプレート部63における支持機構630と同様の種々の形態が採用可能である。
【0060】
ここでは、補助走査機構60は、主走査機構40よりも上方に位置している。従って、塗布液配管80bについては、吐出部50での固定箇所又はスライダ44或はノズル支持部52での固定箇所から上方に立ち上がった状態が維持されやすくなる。
【0061】
そして、この補助スライダ65での固定箇所よりも塗布液の流れ方向上流側の塗布液配管80bの一部分が、上述のようにプレート部63で固定されている。このように、本実施形態では、塗布液配管80bの途中の部分が補助スライダ65とプレート部63との2箇所で支持されている。
【0062】
ここでは、補助スライダ65で支持された部分とプレート部63で支持された部分との間に位置する塗布液配管80bの部分は、塗布液配管保護部材85に保持されつつ、図3に示されるように上方に凸のアーチ形状に形成されている。従って、当該部分における塗布液配管80bの長さは、補助スライダ65とプレート部63との間の長さよりも長くなる。なお、塗布液配管80bは、下方に凸のアーチ形状に形成されていてもよい。つまり、塗布液配管80bのうち、可動配管支持部100による支持箇所と、吐出部50への接続箇所との間の区間が鉛直面内でアーチ形状に形成されていることが望ましい。
【0063】
この基板処理装置20は、X方向に沿って、スライダ44と補助スライダ65とを周期的に同期駆動する走査駆動機構70を備えている。ここで、スライダ44と補助スライダ65とを同期駆動するとは、スライダ44と補助スライダ65とを、略同速度及び略同移動範囲で移動駆動することをいう。ここでは、走査駆動機構70は、スライダ44を駆動するスライダ駆動機構72と、補助スライダ65を駆動する補助スライダ駆動機構76とを有している。
【0064】
スライダ駆動機構72は、主走査機構ガイド部42の両端部に設けられた一対のプーリ体73、73と、一対のプーリ体73、73に巻掛けられた駆動ベルト74と、一方のプーリ体73を正逆両方向に回転駆動可能なモータ75とを有している。一対のプーリ体73、73間を走行する2経路の駆動ベルト74のうち一方側(下側)には、上記スライダ44のベルト取付ブラケット45が連結固定されている。また、一対のプーリ体73、73間を走行する2経路の駆動ベルト74のうち他方側(上側)には、上記カウンタ用スライダ48が連結固定されている。なお、カウンタ用スライダ48は、スライダ44の往復移動範囲の中央位置(通常は、一対のプーリ体73、73の中央位置)を挟んでスライダ44と略対称位置に配設されるように、駆動ベルト74に連結固定されている。そして、回転方向及び回転速度、回転量等を制御しつつモータ75を回転駆動することで、スライダ44及び吐出部50がX方向に沿って往復移動駆動される。また、この際、カウンタ用スライダ48は、スライダ44に対して、一対のプーリ体73、73の中央位置を挟んで対称位置を保ちつつ、X方向に沿って往復移動するようになっている。
【0065】
補助スライダ駆動機構76は、補助走査機構ガイド部62の両端部に設けられた一対のプーリ体77、77と、一対のプーリ体77、77に巻掛けられた駆動ベルト78と、一方のプーリ体77を正逆両方向に回転駆動可能なモータ79とを有している。一対のプーリ体77、77間を走行する2経路の駆動ベルト78のうち一方側(下側)には、上記補助スライダ65が連結固定されている。そして、上記スライダ44と補助スライダ65とを同期駆動するように、つまり回転方向及び回転速度、回転量等を制御しつつモータ79を回転駆動することで、補助スライダ65がX方向に沿って往復移動駆動される。もっとも、スライダ44と補助スライダ65との間を通る配管80に対して大きな引張力が作用するのを抑制し得る範囲内では、補助スライダ65とスライダ44とがX方向に沿って多少ずれてもよい。
【0066】
なお、ここでは、スライダ44と補助スライダ65とを別々のモータ75、79によって駆動する例で説明したが、共通するモータからの回転駆動力を歯車或はプーリ及びベルト等を用いた伝達機構によって2つに分けて伝達することによって駆動するようにしてもよい。また、スライダ44と補助スライダ65とを共通する駆動ベルトに連結することによって同期駆動するようにしてもよい。また、スライダ44或は補助スライダ65を駆動する機構、特に、補助スライダ65を駆動する機構は、上記例に限られず、その他、リニアモータ等の各種リニアアクチュエータを用いてもよい。
【0067】
ハードウェアとしての構成は、一般的なコンピュータと同様である。即ち、制御部90は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるRОM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAM及び制御用ソフトウェア、又はデータなどを記憶しておく磁気ディスク、キーボード及びマウスなどの入力部をバスラインに接続して構成されている。このような制御部90に予め格納されたソフトウェアプログラムに従って基板処理装置20の動作制御が行われる。バスラインには、塗布液供給源88、エア供給源86、モータ75,79が接続されている。制御部90は、エア供給源86からエアを供給すると共に、塗布液供給源88からの塗布液供給を開始して各ノズル54から塗布液を吐出させた状態で、スライダ44と補助スライダ65とを同期駆動するように、各モータ75、79を駆動制御する処理を行うように構成されている。
【0068】
このように構成された基板処理装置20では、スライダ44及び補助スライダ65がX方向に沿って周期的に往復移動すると、アーム部材67を介して補助スライダ65に連結されたプレート部63が揺動軸61の周りを周期的に往復揺動する。つまり、補助スライダ65に同期駆動するスライダ44に追随してプレート部63の向きが周期的に変化する。このときのアーム部材67の水平揺動が、図1中において、矢印SWおよびアーム部材67の他の状態67mとして例示されている。
【0069】
以下において、このような基板処理装置20を用いた処理の流れについて図5に示されるフローチャートを用いて説明する。
【0070】
はじめに、前工程にて処理が施された基板200が基板保持部30のステージ32上に保持された状態で、基板処理装置20に所定の速度で搬送されてくる(ステップS1)。制御部90は、基板200が搬送されてきたことを例えばセンサなどで検出すると、塗布液供給源88にも信号を送信し、塗布液の供給を開始させる(ステップS2)。
【0071】
さらに、制御部90は、主走査機構40の駆動機構であるモータ75、補助走査機構60の駆動機構であるモータ79に信号を送信する。この信号を受けて、主走査機構40のスライダ44及び補助走査機構60の補助スライダ65は、X方向に沿って同期しつつ走査移動を行う(ステップS3)。この走査移動が繰り返して周期的に行われることによって、基板200の表面に塗布液の領域が形成される。
【0072】
この補助走査機構60の補助スライダ65が走査移動することによって、補助スライダ65に連結されたアーム部材67を介して可動配管支持部100のプレート部63は揺動する。つまり、可動配管支持部100のプレート部63の向きが補助スライダ65、そして補助スライダ65に同期駆動するスライダ44に追随して変化する(ステップS4)。
【0073】
このようにノズル54から塗布液が吐出された状態で、主走査機構40によるX軸方向の主走査と基板200のY軸方向への移動とが繰り返し行われることによって、基板200の表面全体に塗布液が吐出される。
【0074】
制御部90が基板200の全面に塗布液が塗布されたか否かを判断し(ステップS5)、塗布液が塗布された基板200は基板保持部30によって下流工程へと搬送される。
【0075】
以上のように、基板処理装置20は、塗布液配管80bの途中の部分を支持するとともに、主走査の繰り返しによるスライダ44の周期的な動きに追随してその向きが周期的に変化する可動配管支持部100を備える。つまり、可動配管支持部100の向きは一定方向に維持されるのではなく、スライダ44の動きに追随して周期的に変化する。このため、可動配管支持部100に支持された塗布液配管80bの部分にねじれが生じることを抑えられる。また、可動配管支持部100に支持されている塗布液配管80bの部分に外部から力が加わりにくくなるため、初期状態における塗布液配管80bの姿勢が維持されやすくなる。つまり、塗布液配管80bの暴れが生じにくい。これらの結果、吐出部50から吐出される塗布液の流量が変動することを抑えられる。
【0076】
特に、製品に使用される基板の大型化に伴い、基板処理装置が大型化した場合には、ノズルの本数が増加して塗布液配管の本数が増加するため、塗布液配管の暴れはより増大すると考えられる。従って、本発明を従来よりも大型の基板処理装置に適用することはより有効である。
【0077】
また、基板処理装置20は補助走査機構60をさらに備え、塗布液配管80bの部分は補助走査機構60の補助スライダ65に支持されている。従って、塗布液配管80bの揺れや暴れが直接吐出部50に伝わりにくくなる。また、塗布液配管80bを支持する箇所が増えるため、より塗布液配管80bの姿勢は安定する。これらによって、吐出部50から吐出される塗布液の流量の変動を抑えられる。
【0078】
また、可動配管支持部100はアーム部材67を介して補助スライダ65に連結されている。可動配管支持部100はアーム部材67の駆動によって、確実にその向きを変化させることができる。
【0079】
また、塗布液配管80bは可動配管支持部100による支持箇所と補助スライダ65との接続箇所との間で上に凸のアーチ形状に形成されている。従って、当該箇所における塗布液配管80bは長くなるため、補助走査機構60の揺れはアーチ形状の塗布液配管80b全体で平滑化され、その影響を小さくすることができる。また、補助スライダ65の接続箇所から延び出た塗布液配管80bの部分801が上方に立ち上がるため、補助走査機構60のスライダ44が往復移動しても、塗布液が塗布液配管80b内を逆流する方向に力が生じにくい。これらによって、吐出部50から吐出される塗布液の流量の変動を抑えられる。
【0080】
塗布液配管80bの揺れの平滑化効果については、可動配管支持部100による支持箇所と補助スライダ65との接続箇所との間の塗布液配管80bの区間が、下に凸のアーチ形状に形成されていても達成される。したがって、このような平滑化効果に着目した場合には、一般に、塗布液配管80b(可撓性の処理液配管)における上記区間が、鉛直面内でアーチ形状に設けられることが好ましいことになる。ここで言うアーチ形状とは、必要最小長さ(すなわち、最小の主走査の振幅を考慮して可動配管支持部100による支持部分と補助スライダ65との接続部分との間に必要とされる最小距離)よりも塗布液配管80bが長く、冗長度を持つことをいう。
【0081】
また、主走査機構40は補助走査機構60よりも下方に配置されている。従って、主走査機構40が有する吐出部50に接続された塗布液配管80bの端末802は上方に立ち上がった状態に維持されやすくなる。従って、主走査機構40が有するスライダ44が往復移動しても塗布液が逆流する方向に力が生じにくく、塗布液の流量の変動を抑えられる。
【0082】
<変形例>
以下、各種変形例について説明する。
【0083】
まず、上記実施形態では、塗布液配管80bのうち、可動配管支持部100による支持箇所と、吐出部50への接続箇所との間の区間が上に凸のアーチ形状に形成されていたが、このような形態には限られない。図6には、可動配管支持部100による支持箇所と、吐出部50への接続箇所との間の区間がアーム部材67に沿って配設された形態が示されている。図6に示すように、当該区間における塗布液配管80bが、アーム部材67の延出方向に沿って、アーム部材67に接するようにして配設されていても構わない。また、この他にも、塗布液配管80bがアーム部材67の周囲に巻き付けられた構成であっても構わない。これらの場合、上述の区間における塗布液配管80bはアーム部材67によって確実に支持されるため、当該区間における塗布液配管80bの揺れや暴れは確実に抑えられる。これによって、吐出部50から吐出される塗布液の流量が変動することを抑えられる。
【0084】
また、上記実施形態において、補助走査機構60は駆動機構を備えていたが、必ずしもこのような形態に限られない。補助走査機構60の補助スライダ65は、主走査機構40のスライダ44が駆動機構によって駆動することによって動作し、往復移動する機構であってもよい。つまり、主走査機構40が補助走査機構60と可動配管支持部100とを従動させる形態であってもよい。
【0085】
また、可動配管支持部100は、補助走査機構60又は主走査機構40に従動する形態に限られない。可動配管支持部100が例えばモータなどの駆動機構を有していてもよい。可動配管支持部100自体がその向きを調節する駆動機構を備える場合、可動配管支持部100の向きは確実にスライダ44及び補助スライダ65に追随して周期的に変化させることが可能である。
【0086】
また、可動配管支持部が駆動機構を有する場合、可動配管支持部は回転モータと回転モータに接続されたリンク機構を有するアーム部材とで構成される形態であっても構わない。この場合、リンク機構を有するアーム部材は回転モータから回転駆動力を与えられ、リンク機構を有するアーム部材に接続された補助スライダ、及びスライダを直線運動させる。
【0087】
また、図7には、アーム部材67がプレート部63と補助スライダ65との間に設けられていない状態の基板処理装置の主要部の配置関係が示されている。図7に示される可動配管支持部100bは補助スライダ65を備えていない。このような形態であっても構わない。この場合、可動配管支持部100bのプレート部63の向きを変化させるための駆動機構、例えばモータ68が設置されていることが望ましい。モータ68は制御部90によって制御され、制御部90は、プレート部63の向きが、往復移動するスライダ44及び補助スライダ65に追随して周期的に変化するように、モータ68を駆動させて揺動軸61の可動部分61bを揺動させる。
【0088】
このように、可動配管支持部100自体がその方向を調節する駆動機構を備える場合、可動配管支持部100の向きは確実にスライダ44及び補助スライダ65に追随して周期的に変化させることが可能である。
【0089】
なお、可動配管支持部100bは必ずしも駆動機構を備えていなくてもよい。補助スライダ65の移動に応じて、塗布液配管80bが可動配管支持部100bを引っ張ることによって可動配管支持部100bの向きを変化させる形態であってもよい。
【0090】
また、基板処理装置20は補助走査機構60を必ずしも備えていなくても構わない。つまり、主走査機構40、可動配管支持部100cを主たる構成とする基板処理装置であってもよい。
【0091】
図8には、この場合における主要部の配置関係が概略的に記載されている。主走査機構40のスライダ44の往復移動に追随して、プレート部63の向きは周期的に変化する。ここでは、可動配管支持部100cは、駆動機構としてモータ68を備えている。なお、上述のように塗布液配管80bは、可動配管支持部100cと、吐出部50との間の区間でアーチ形状に形成されていることが望ましい。より望ましくは、この区間が上に凸のアーチ形状とされる。その理由は、図1〜図4で示す実施形態について述べた理由と同様である。また、可動配管支持部100cがアーム部材を備える形態であってもよい。つまり、可動配管支持部100cがスライダ44に連結されていても構わない。
【0092】
この発明は、一般に、塗布液のみならず、略水平姿勢の基板に処理液を与する基板処理装置および処理液付与方法に適用可能である。
【符号の説明】
【0093】
20 基板処理装置
30 基板保持部
40 主走査機構
42 主走査機構ガイド部
44 スライダ
50 吐出部
54 ノズル
60 補助走査機構
61 揺動軸
62 補助走査機構ガイド部
63 プレート部
65 補助スライダ
67 アーム部材
80b 塗布液配管
86 エア供給源
88 塗布液供給源
90 制御部
100 可動配管支持部
200 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を略水平に保持する基板保持部と、
前記基板に対して略平行な主走査方向に沿って延びるガイド部と、前記ガイド部により前記主走査方向に沿って移動可能に支持された移動部と、を有する主走査機構と、
前記移動部により前記主走査方向に沿って移動可能に支持され、前記基板に処理液を吐出する吐出部と、
前記吐出部に接続されるとともに前記吐出部に処理液を導く可撓性の配管と、
前記配管の途中の部分を支持するとともに、主走査の繰返しによる前記移動部の周期的な動きに追随してその向きが周期的に変化する可動配管支持部と、
を備える基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記配管のうち、前記可動配管支持部による支持箇所と、前記吐出部への接続箇所との間の区間が鉛直面内でアーチ形状に形成されている、基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置であって、
前記配管の前記区間は、上に凸のアーチ形状となっている、基板処理装置。
【請求項4】
請求項1に記載の基板処理装置であって、
前記ガイド部に沿って延びる補助ガイド部と、前記補助ガイド部により前記主走査方向に沿って移動可能に支持された補助移動部と、を有する補助走査機構をさらに備え、
前記配管のうち、前記可動配管支持部による支持箇所と、前記吐出部への接続箇所との間の所定部分が前記補助移動部に支持されている、基板処理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板処理装置であって、
前記可動配管支持部が前記補助移動部に連結されていることを特徴とする、基板処理装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の基板処理装置であって、
前記配管のうち、前記可動配管支持部による支持箇所と、前記補助移動部への接続箇所との間の区間が鉛直面内でアーチ形状に形成されている、基板処理装置。
【請求項7】
請求項4ないし6のいずれか一つに記載の基板処理装置であって、
前記主走査機構は前記補助走査機構よりも下方に配置されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一つに記載の基板処理装置であって、
前記可動配管支持部の向きを調節する駆動部をさらに備える、基板処理装置。
【請求項9】
基板を略水平に保持する工程と、
吐出部から処理液を吐出させながら、前記吐出部を支持する移動部を主走査方向に沿って基板上を周期的に走査移動させる工程と、
前記吐出部に前記処理液を導く可撓性の配管の途中の部分を支持する可動配管支持部の向きを、走査移動する前記移動部に追随して周期的に変化させる工程と、
を備える処理液付与方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−59706(P2013−59706A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−197998(P2011−197998)
【出願日】平成23年9月12日(2011.9.12)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】