説明

基板処理装置及び基板処理方法

【課題】基板表面に対するダメージの発生及び処理力の低下を防止することができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置1において、被処理面を有する基板Wを保持して回転させる回転機構5と、回転機構5により回転する基板Wの被処理面に対して処理液を供給する供給ノズル6と、供給ノズル6を基板Wの周縁に向かって並ぶ複数の供給位置に順次移動させる移動機構7と、被処理面上の処理液の液膜厚を測定する測定部8と、測定部8により測定された液膜厚に応じて、複数の供給位置毎に基板Wの回転数を変更し、被処理面上に形成された液膜厚が一定になるように基板Wの回転数を制御する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置及び基板処理方法に関し、特に、基板表面に処理液を供給して基板を処理する基板処理装置及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置は、半導体装置や液晶表示装置などの製造工程において、半導体ウエハやガラス基板などの基板の表面に対して処理液を供給し、その基板表面を処理する装置である。この基板処理装置としては、例えば、基板表面から不要になったレジスト膜を剥離するレジスト剥離装置や基板表面に付着したパーティクル(粒子)を除去して洗浄する洗浄装置などが挙げられる。
【0003】
このような基板処理装置の中には、複数の基板を一括して処理するバッチ式の基板処理装置や基板を一枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置がある。この枚葉式の基板処理装置は、基板を水平面内で回転させながら、基板表面に沿って供給ノズルを移動させて基板表面に処理液を供給する(例えば、特許文献1参照)。なお、基板表面に供給された処理液は、基板の回転による遠心力によりその供給位置から基板の周縁に向けて拡がって流れる。
【0004】
通常、基板表面には、信号線や電気回路などの微細なパターンが形成されているため、処理液の衝撃力によって基板表面に与えられるダメージを極力抑える必要がある。ここで、基板表面上の処理液の液膜厚は厚い方が基板表面に対するダメージは小さくなるが処理力(洗浄力や剥離力など)が減少し、薄い方が基板表面に対するダメージは大きくなるが処理力が増加する。したがって、基板表面上の処理液の液膜厚を、基板表面がダメージを受けない液膜厚であって可能な限り薄い液膜厚にすることが望まれている。
【特許文献1】特開2007−150375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述の基板処理装置では、各供給位置での処理液の液膜厚は均一にならず、特に、基板中心と基板周縁とでは遠心力の大きさが異なるため、液膜厚の均一化は難しく、基板表面全面の液膜厚分布は一定にならない。したがって、基板表面上の処理液の液膜厚を、基板表面がダメージを受けない液膜厚であって可能な限り薄い液膜厚に均一にすることは困難であり、各供給位置においてダメージが発生したり、あるいは、処理力が低下したりしてしまう。
【0006】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板表面に対するダメージの発生及び処理力の低下を防止することができる基板処理装置及び基板処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、基板処理装置において、被処理面を有する基板を保持して回転させる回転機構と、回転機構により回転する基板の被処理面に対して処理液を供給する供給ノズルと、供給ノズルを基板の周縁に向かって並ぶ複数の供給位置に順次移動させる移動機構と、被処理面上の処理液の液膜厚を測定する測定部と、測定部により測定された液膜厚に応じて、複数の供給位置毎に基板の回転数を変更し、被処理面上に形成された液膜厚が一定になるように基板の回転数を制御する手段とを備えることである。
【0008】
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、基板処理方法において、被処理面を有する基板を保持して回転させる工程と、被処理面に対して処理液を供給する供給ノズルを基板の周縁に向かって並ぶ複数の供給位置に順次移動させ、回転する基板の被処理面に対して処理液を供給する工程とを有し、供給する工程では、被処理面上の処理液の液膜厚を測定し、測定した液膜厚に応じて、複数の供給位置毎に基板の回転数を変更し、被処理面上に形成された液膜厚が一定になるように基板の回転数を制御することである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、基板表面に対するダメージの発生及び処理力の低下を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の一形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る基板処理装置1は、処理室となる処理ボックス2と、その処理ボックス2内に設けられたカップ3と、そのカップ3内に設けられ基板Wを水平状態で保持する保持テーブル4と、その保持テーブル4を水平面内で回転させる回転機構5と、保持テーブル4上の基板Wに対して上方から処理液を供給する供給ノズル6と、その供給ノズル6を基板Wの表面である被処理面に沿って移動させる移動機構7と、保持テーブル4上の基板Wに供給された処理液の液膜厚を測定する測定部8と、供給ノズル6に処理液を供給する液体供給部9と、供給ノズル6に気体を供給する気体供給部10と、各部を制御する制御部11とを備えている。
【0012】
処理ボックス2は、カップ3や保持テーブル4、供給ノズル6、測定部8などを収容している。この処理ボックス2の上部には、ダウンフロー用のフィルタ付きファン2aが設けられている。このファン2aは制御部11に電気的に接続されており、その駆動が制御部11により制御される。
【0013】
カップ3は、円筒形状に形成されており、その内部に保持テーブル4を収容する。このカップ3の周壁の上部は径方向の内側に向かって傾斜している。また、保持テーブル4は、カップ3の内部であってその上部側に水平面内で回転可能に設けられており、挟持部材4aにより基板Wを着脱可能に保持する。
【0014】
回転機構5は、保持テーブル4に連結された回転軸5aと、その回転軸5aを回転させる駆動源となるモータ5bとを有している。このモータ5bは制御部11に電気的に接続されており、その駆動が制御部11により制御される。回転機構5は、モータ5bにより回転軸5aをR方向(図1中)に回転させ、保持テーブル4を基板Wの被処理面に交差する回転軸5aまわりに回転させる。
【0015】
供給ノズル6は、保持テーブル4の上方に移動可能に配置されており、保持テーブル4上の基板Wに対して処理液を供給する。例えば、供給ノズル6は二流体を使用する二流体ノズルである。この供給ノズル6は、第一流体として処理液が供給される中央流路となる内筒やその内筒を収容して第二流体として気体が供給されるリング状の流路となる外筒などを有しており、外筒のノズル孔から排出される気体により内筒のノズル孔から処理液を液滴化(霧化)して噴射する。なお、供給ノズル6としては、二流体を使用する二流体ノズルが用いられているが、これに限るものではなく、例えば、液体だけを供給する一流体ノズルが用いられてもよい。
【0016】
移動機構7は、供給ノズル6を支持するアーム7aと、そのアーム7aに連結された回転軸7bと、その回転軸7bを回転させる駆動源となるモータ7cとを有している。このモータ7cは制御部11に電気的に接続されており、その駆動が制御部11により制御される。移動機構7は、モータ7cにより回転軸7bをR方向(図1中)に回転させ、アーム7aを介して供給ノズル6を基板Wの被処理面に沿って基板Wの半径方向であるX方向(図1中)に移動させる。なお、移動機構7は供給ノズル6を上下方向であるZ軸方向(図1中)に移動させる機構も有している。
【0017】
測定部8は、保持テーブル4上の基板Wの被処理面を撮像して被処理面上の処理液の液膜厚を測定する撮像部であり、処理ボックス2の天井面に設けられている。その撮像部は、被処理面全域を撮像し、被処理面の中心から周縁までの複数のポイントを見ている。このような測定部8は制御部11に電気的に接続されており、撮像画像を測定信号として制御部11に送信する。この撮像画像が制御部11により画像処理されて干渉縞が求められ、その干渉縞から被処理面上の処理液の液膜厚が求められる。なお、測定部8としては、例えば、CCDカメラが用いられるが、これに限られるものではなく、レーザ変位計などが用いられてもよい。測定部8としてレーザ変位計を用いる場合には、そのレーザ変位計は供給ノズル6と共に移動可能に供給ノズル6の側面に固定されて設けられる。
【0018】
液体供給部9は、液体供給流路となる配管9aとその配管9aの流路途中に設けられたバルブ9bとを介して供給ノズル6に接続されており、その供給ノズル6に液体を供給する。バルブ9bは制御部11に電気的に接続されており、その駆動が制御部11により制御される。ここで、基板Wに対する処理がレジスト膜を除去するレジスト剥離処理である場合には、液体として例えば硫酸などのレジスト剥離液が供給ノズル6に供給され、その処理がパーティクルを除去する洗浄処理である場合には、液体として例えば純水などの洗浄液が供給ノズル6に供給される。
【0019】
気体供給部10は、気体供給流路となる配管10aとその配管10aの流路途中に設けられたバルブ10bとを介して供給ノズル6に接続されており、その供給ノズル6に気体を供給する。バルブ10bは制御部11に電気的に接続されており、その駆動が制御部11により制御される。ここで、基板Wに対する処理がレジスト膜を除去するレジスト剥離処理である場合には、気体として例えばオゾンガスや窒素ガス、空気などのガスが供給ノズル6に供給され、その処理がパーティクルを除去する洗浄処理である場合には、気体として例えば窒素ガスなどの不活性ガスが供給ノズル6に供給される。
【0020】
制御部11は、各部を集中的に制御するマイクロコンピュータと、基板処理に関する基板処理情報や各種プログラムなどを記憶する記憶部11aとを備えている。この制御部11は、基板処理情報や各種プログラムに基づいて、回転機構5により保持テーブル4を回転させ、その状態で移動機構7により供給ノズル6を基板Wの周縁(外縁)に向かって並ぶ複数の供給位置に順次移動させながら、その供給ノズル6から処理液を回転する基板Wの被処理面上に供給し、基板処理を行う。なお、各供給位置は基板Wの回転半径方向にほぼ沿って並んでいる。
【0021】
記憶部11aには、図2に示すような相関関数(y=x1.5)が相関関係情報として記憶されている。図2では、横軸が液膜厚比率(%)であり、縦軸が基板Wの回転数逆数比率(%)である。この図2に示す相関関数を求めるためには、まず、供給ノズル6を所定の供給位置(遠心力が十分作用する供給位置、例えば、回転半径方向における中央付近の位置)に移動させ、その状態で保持テーブル4を回転させて保持テーブル4上の基板Wの被処理面に処理液を供給する。
【0022】
次に、処理液を供給している状態で、基板Wの回転数(すなわち、保持テーブル4の回転数)を変化させ、回転数毎に前述の供給位置での被処理面上の処理液の液膜厚を測定する。例えば、図3に示すように、基板Wの回転数(設定値)を500min−1、750min−1及び1000min−1と替え、それぞれの液膜厚を測定する。これにより、液膜厚の測定値として、115μm、90μm及び75μmが得られる。
【0023】
次いで、基板Wの回転数500min−1を100%とすると、基板Wの回転数比率Nは上から100%、150%及び200%となり、基板Wの回転数逆数比率1/Nは上から100%、67%及び50%となる。また、基板Wの回転数500min−1での液膜厚115μmを100%とすると、液膜厚の比率tは上から100%、78%及び65%となる。この液膜厚比率tが横軸(X軸)にされ、基板Wの回転数逆数比率が縦軸(Y軸)にされてプロットが行われ、各点を通過する相関関数が求められる。これにより、図2に示す曲線の相関関数(y=x1.5)が得られる。
【0024】
制御部11は、前述の相関関数を用いて、供給ノズル6の供給位置に応じて基板Wの回転数(すなわち、保持テーブル4の回転数)を制御する。まず、制御部11は、基板Wの回転数を制御する前に、保持テーブル4を所定回転数で回転させ、その保持テーブル4上の基板Wの中央付近に処理液を供給し、測定部8により基板W上の被処理面を撮像して基板W上の処理液の液膜厚を測定する。これにより、被処理面上の液膜厚が一度で測定されて液膜厚情報として得られ、基板Wの中央付近に処理液を供給した場合の各供給位置での液膜厚を把握することが可能となる。
【0025】
例えば、液膜厚情報として図4に示すような曲線Aが得られる。図4には、基板半径方向位置(供給ノズル6が順次位置付けられる各供給位置)と基板W上の液膜厚との関係を表す曲線A、及び、基板半径方向位置(供給ノズル6の各供給位置)と基板到達衝撃力との関係を表す曲線Bが示されている。なお、横軸は基板半径方向の位置であり、横軸の基板半径方向において数値の増加方向が基板Wの周縁に向かう方向である。また、曲線Bは曲線Aから理論的に基板到達衝撃力を算出することにより求められる。図4に示すように、基板W上の処理液の液膜厚は中央付近の供給位置から基板Wの周縁に向かって徐々に薄くなることがわかり(曲線A参照)、さらに、液膜厚が薄くなるほど、基板到達衝撃力が大きくなることがわかる(曲線B参照)。
【0026】
その後、制御部11は、把握した各供給位置での液膜厚において、基板Wの中央付近の供給位置(基準供給位置)での液膜厚を100%に、そのときの基板Wの所定回転数(基準回転数)を100%とし、中央付近の供給位置での液膜厚と各供給位置での液膜厚との液膜厚比率をそれぞれ求め、求めた各液膜厚比率に対応する基板Wの回転数逆数比率を図2に示すような相関関数から求める。さらに、制御部11は、求めた基板Wの回転数逆数比率を前述の所定回転数である基準回転数にかけて、基板Wの回転数を変更する。この処理は各供給位置で同様に行われる。
【0027】
例えば、前述の中央付近の供給位置での液膜厚と現在の供給位置での液膜厚との液膜厚比率が70%であった場合には、図2に示す相関関係から基板Wの回転数逆数比率が55%となるので、その55%を基準回転数にかけて基板Wの回転数を変更し、基板Wの回転数を下げる。これにより、現在の供給位置での液膜厚が中央付近での液膜厚と同等の厚さとなる。したがって、各供給位置での液膜厚比率を求めることができれば、各供給位置での液膜厚が一定になるように基板Wの回転数を変更することが可能となる。
【0028】
次に、前述の基板処理装置1が行う基板処理動作(基板処理方法)について説明する。
【0029】
図5に示すように、まず、制御部11は、移動機構7により基板Wの中央付近に対向する供給開始位置まで供給ノズル6を移動させ(ステップS1)、回転機構5により保持テーブル4の回転を開始し、保持テーブル4上の基板Wを回転させる(ステップS2)。
【0030】
その後、制御部11は、バルブ9b及びバルブ10bを開け、回転する基板Wの被処理面に対して供給ノズル6により処理液を噴射して供給し、基板Wに対する処理液の供給を開始する(ステップS3)。
【0031】
次いで、制御部11は、測定部8により基板W上の処理液の液膜厚を測定し(ステップS4)、測定した被処理面上の処理液の液膜厚に基づいて、現在の供給位置での液膜厚に対応する基板Wの回転数を関係式、例えば図2に示すような相関関数から求め(ステップS5)、求めた回転数に基板Wの回転数を変更する(ステップS6)。
【0032】
なお、ステップS5では、測定した被処理面上の処理液の液膜厚に基づいて、現在の供給位置での液膜厚と中央付近の供給位置(基準供給位置)での液膜厚とから液膜厚比率を算出し、算出した液膜厚比率に対応する基板Wの回転数逆数比率を図2に示すような相関関数から求め、その回転数逆数比率を用いて基板Wの回転数を求める。
【0033】
その後、制御部11は、現在の供給位置での所定の基板処理時間が経過したか否かを判断し(ステップS7)、所定の基板処理時間が経過するまでその位置を維持する(ステップS7のNO)。これにより、現在の供給位置での基板処理が所定時間だけ行われる。
【0034】
現在の供給位置での所定の基板処理時間が経過したと判断した場合には(ステップS7のYES)、全ての供給位置での基板処理が完了したか否かを判断する(ステップS8)。
【0035】
全ての供給位置での基板処理が完了していないと判断した場合には(ステップS8のNO)、供給ノズル6を現在の供給位置から次の供給位置に移動させ(ステップS9)、処理をステップS5に戻し、ステップS5〜ステップS8を繰り返す。これにより、各供給位置での液膜厚が均一となるように基板Wの回転数が変更されることになる。
【0036】
一方、全ての供給位置での基板処理が完了したと判断した場合には(ステップS8のYES)、バルブ9b及びバルブ10bを閉じ、供給ノズル6による基板Wに対する処理液の供給を停止し(ステップS10)、さらに、回転機構5による基板Wの回転を停止する(ステップS11)。
【0037】
このようにして、基板処理中には、各供給位置での液膜厚が均一になるように供給位置毎に基板Wの回転数が調整されるので、基板表面上の処理液の液膜厚はどの供給位置でも同等となる。これにより、被処理面の処理部分に対して常に均一な液膜厚が提供されるので、各供給位置での液膜厚を被処理面がダメージを受けない厚さであって可能な限り薄い厚さで一定にすることが可能になる。したがって、各供給位置での液膜厚が不均一になることに起因して、基板表面に対するダメージが発生したり、あるいは、処理力が低下したりすることが抑えられるので、基板表面に対するダメージの発生及び処理力の低下を防止することができる。
【0038】
以上説明したように、本発明の実施の形態によれば、測定部8により測定された液膜厚に応じて、複数の供給位置毎に基板Wの回転数を設定し、供給位置毎の液膜厚が一定になるように基板Wの回転数を制御することによって、各供給位置での液膜厚は供給位置に依存することなく均一となるので、全ての供給位置での液膜厚を被処理面がダメージを受けない厚さであって可能な限り薄い厚さに設定することが可能になり、基板表面である被処理面に対するダメージの発生及び処理力の低下を防止することができる。
【0039】
また、被処理面上の処理液の液膜厚比率と基板Wの回転数逆数比率との相関関係情報(例えば、相関関数)を取得し、測定部8により測定された液膜厚に応じて、複数の供給位置毎に、基準供給位置(例えば、中央付近の供給位置)での液膜厚と現在の供給位置での液膜厚との液膜厚比率を求め、求めた液膜厚比率に対応する基板Wの回転数逆数比率を前述の相関関係情報から求め、求めた基板Wの回転数逆数比率を基準供給位置での基板Wの回転数にかけて、基板Wの回転数を変更することから、全ての供給位置での液膜厚を確実に均一化することができる。さらに、複雑な計算処理を行うことなく、基板Wの回転数を変更することが可能となるので、計算処理のために複雑な構成を用いる必要がなく、基板処理装置1の構成を簡略化することができる。
【0040】
なお、本発明は、前述の実施の形態に限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。例えば、前述の実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、前述の実施の形態においては、各種の数値を挙げているが、それらの数値は例示であり、限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施の一形態に係る基板処理装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】液膜厚比率と基板の回転数逆数比率との関係を説明するための説明図である。
【図3】図2に示す相関関数を求める手順を説明するための説明図である。
【図4】供給ノズルの供給位置と、液膜厚及び基板到達衝撃力との関係を説明するための説明図である。
【図5】図1に示す基板処理装置が行う基板処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0042】
1 基板処理装置
5 回転機構
5a 回転軸
6 供給ノズル
7 移動機構
8 測定部
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被処理面を有する基板を保持して回転させる回転機構と、
前記回転機構により回転する前記基板の前記被処理面に対して処理液を供給する供給ノズルと、
前記供給ノズルを前記基板の周縁に向かって並ぶ複数の供給位置に順次移動させる移動機構と、
前記被処理面上の前記処理液の液膜厚を測定する測定部と、
前記測定部により測定された前記液膜厚に応じて、前記複数の供給位置毎に前記基板の回転数を変更し、前記被処理面上に形成された前記液膜厚が一定になるように前記基板の回転数を制御する手段と、
を備えることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記制御する手段は、
前記被処理面上の前記処理液の液膜厚比率と前記基板の回転数逆数比率との相関関係情報を記憶しており、
前記測定部により測定された前記液膜厚に応じて、前記複数の供給位置毎に、基準供給位置での液膜厚と現在の供給位置での液膜厚との液膜厚比率を求め、求めた前記液膜厚比率に対応する前記基板の回転数逆数比率を前記相関関係情報から求め、求めた前記基板の回転数逆数比率を前記基準供給位置での前記基板の回転数にかけて、前記基板の回転数を変更することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
被処理面を有する基板を保持して回転させる工程と、
前記被処理面に対して処理液を供給する供給ノズルを前記基板の周縁に向かって並ぶ複数の供給位置に順次移動させ、回転する前記基板の前記被処理面に対して前記処理液を供給する工程と、
を有し、
前記供給する工程では、前記被処理面上の前記処理液の液膜厚を測定し、測定した前記液膜厚に応じて、前記複数の供給位置毎に前記基板の回転数を変更し、前記被処理面上に形成された前記液膜厚が一定になるように前記基板の回転数を制御することを特徴とする基板処理方法。
【請求項4】
前記供給する工程では、
前記被処理面上の前記処理液の液膜厚比率と前記基板の回転数逆数比率との相関関係情報を取得し、
測定した前記液膜厚に応じて、前記複数の供給位置毎に、基準供給位置での液膜厚と現在の供給位置での液膜厚との液膜厚比率を求め、求めた前記液膜厚比率に対応する前記基板の回転数逆数比率を前記相関関係情報から求め、求めた前記基板の回転数逆数比率を前記基準供給位置での前記基板の回転数にかけて、前記基板の回転数を変更することを特徴とする請求項3記載の基板処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−62259(P2010−62259A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224958(P2008−224958)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】