基板処理装置
【課題】不具合が発生した場合でも、装置全体を停止することなく基板処理を継続できる可能性の高い基板処理装置を提供する。
【解決手段】
基板処理装置1は、基板Wを搬送するための第1、第2の基板搬送機構141a、141bと、当該基板搬送機構141a、141bの左右両側に各々設けられ、同一の処理が行われる処理ユニットの列U1〜U4と、を備えた第1、第2の処理ブロック14a、14bを備えている。処理ユニットの列U1、U3及び、他方側の処理ユニットの列U2、U4は各々共通化された処理流体の供給系3a、3bと接続されている。そしていずれかの基板搬送機構141a、141b、処理流体の供給系3a、3bに不具合が発生すると、健全な基板搬送機構141b、141a、処理流体の供給系3b、3aが受け持つ処理ユニットの列U1〜U4にて基板Wを処理する。
【解決手段】
基板処理装置1は、基板Wを搬送するための第1、第2の基板搬送機構141a、141bと、当該基板搬送機構141a、141bの左右両側に各々設けられ、同一の処理が行われる処理ユニットの列U1〜U4と、を備えた第1、第2の処理ブロック14a、14bを備えている。処理ユニットの列U1、U3及び、他方側の処理ユニットの列U2、U4は各々共通化された処理流体の供給系3a、3bと接続されている。そしていずれかの基板搬送機構141a、141b、処理流体の供給系3a、3bに不具合が発生すると、健全な基板搬送機構141b、141a、処理流体の供給系3b、3aが受け持つ処理ユニットの列U1〜U4にて基板Wを処理する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウエハなどの基板を搬送する基板搬送機構を用いて、前記基板に対して液処理や表面処理などの流体処理を実行する複数個の処理ユニットに対して基板を搬送し、処理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスなどの製造工程には、半導体ウエハ(以下、ウエハという)などの基板の表面に薬液や純水などの処理液を供給して基板に付着したパーティクルや汚染物質の除去を行う液処理がある。
【0003】
こうした液処理を行う液処理装置の一つに、スピンチャック上に基板を一枚ずつ載置し、基板を回転させながら当該基板の表面に処理液を供給して液処理を実行する液処理装置がある。この種の液処理装置には例えば同種の液処理を実行可能な複数の液処理ユニットに対して共通の基板搬送機構を用いて基板を搬送することにより、複数の液処理ユニットにて並行して液処理を実行しながら連続的に基板を入れ替え、単位時間当たりの基板の処理枚数(スループット)を向上させたものがある(特許文献1)。
【0004】
本件発明者は、このような構造を備えた液処理装置の更なるスループット向上を検討しており、その手法として、共通の基板搬送機構を用いて複数の液処理ユニットに基板を搬送する処理ブロックを1台の液処理装置内に複数ブロック設けることにより、並行して処理可能な基板の枚数を増やすことを検討している。
【0005】
ところがこのように1台の液処理装置で処理可能な基板の枚数を増やしていくと、例えば各液処理ユニットや基板搬送機構、液処理ユニットへの処理液の供給系などにおいて不具合があったときに、液処理装置を停止することにより発生するロスが大きくなる。特に、上述のように液処理装置内に複数の処理ブロックを設けた場合には、不具合の発生箇所以外のブロックは稼動を継続することが可能であるにも係らず装置全体を停止すると機会ロスが発生してしまい、液処理装置の効率的な稼動の妨げになる。
【0006】
ここで特許文献2には、半導体ウエハへの塗布液の塗布処理、熱処理及び露光後の現像処理といった一連の処理を行う塗布、現像装置について、当該の一連の処理を実行する処理ラインを複数ライン設け、1つの処理ラインに含まれる機器が故障した場合であっても残る処理ラインの稼動を継続することが可能な塗布、現像装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−34490号公報:0020段落、図1
【特許文献2】特開2004−87675号公報:0040段落、0108段落、図1〜図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献2に記載の塗布、現像装置では、各処理ラインに含まれる機器が故障した場合には、その故障箇所に係らず当該故障した機器を含む処理ライン全体を停止する必要がある。これに対して既述のように、1つの基板搬送機構を用いて複数の液処理ユニットに基板を搬送する液処理ブロックを構成し、この液処理ブロックを複数個設ける場合には、ある液処理ブロックを稼動させるために必要な機器に不具合が発生した場合であっても当該液処理ブロックに含まれる他の液処理ユニットにて液処理を継続することが可能な場合もあるので、特許文献2に記載の技術を適用しても液処理装置を効率的に稼動できるとはいえない場合がある。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、不具合が発生した場合でも、装置全体を停止することなく基板処理を継続できる可能性の高い基板処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る基板処理装置は、基板を収納した基板収納容器が載置される容器載置部と、この容器載置部に載置された基板収納容器に対して基板の受け渡しを行う受け渡し機構と、を含む基板搬入ブロックと、
この基板搬入ブロックに隣接して設けられ、当該基板搬入ブロックから受け取った基板を処理するための処理ブロックであって、基板を直線搬送路に沿って搬送するための第1の基板搬送機構と、この基板搬送機構の左右両側に各々設けられ、前記第1の基板搬送機構により基板の受け渡しが行われると共に基板に対して各々処理流体により同一の処理を行う複数の処理ユニットからなる処理ユニットの列と、を含む第1の処理ブロックと、
この第1の処理ブロックに隣接して設けられ、前記基板搬入ブロックから受け取った基板を処理するための処理ブロックであって、基板を直線搬送路に沿って搬送するための第2の基板搬送機構と、この基板搬送機構の左右両側に各々設けられ、前記第2の基板搬送機構により基板の受け渡しが行われると共に基板に対して各々前記処理ユニットと同一の処理を行う複数の処理ユニットからなる処理ユニットの列と、を含む第2の処理ブロックと、
前記第1の処理ブロックにおける左右の処理ユニットの列の一方と、前記第2の処理ブロックにおける左右の処理ユニットの列の一方と、に対して共通化された一方の処理流体の供給系と、
前記第1の処理ブロックにおける左右の処理ユニット列の他方と、前記第2の処理ブロックにおける左右の処理ユニットの列の他方と、に対して共通化された他方の処理流体の供給系と、
前記第1の処理ブロック及び第2の処理ブロックの一方の処理ブロックの基板搬送機構に不具合が発生したときには、他方の処理ブロックを使用して基板を処理し、一方の処理流体の供給系及び他方の処理流体の供給系のいずれかに不具合が発生したときには、不具合が発生していない処理流体の供給系が受け持つ処理ユニットの列を使用して基板を処理するように制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
前記基板処理装置は以下の特徴を備えていてもよい。
(a)前記制御部は、処理ユニットのいずれかに不具合が発生したときには、当該処理ユニットが含まれる処理ユニットの列の使用を停止し、他の処理ユニットの列を使用して基板を処理するように制御することを特徴とする。
(b)前記第1の処理ブロックと第2の処理ブロックとは、互に積層されていること。
(c)前記第2の処理ブロックは第1の処理ブロックに対して基板搬入ブロックとは反対側に設けられていること。
(d)前記第1の処理ブロックと第2の処理ブロックとの間で基板の受け渡しを行うための基板載置部と、
前記基板搬入ブロックの受け渡し機構から受け取った基板を第1の処理ブロックまたは前記基板載置部に搬送するために前記第1の基板搬送機構とは別個に設けられた第1のブロック間搬送機構と、
前記基板載置部に載置された基板を第2の処理ブロックに搬送するために前記第2の基板搬送機構とは別個に設けられた第2のブロック間搬送機構と、を備えたこと。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、各基板搬送機構で基板の受け渡しが行われる処理ユニットの列の組み合わせと、共通化された処理流体の各供給系に接続される処理ユニットの列の組み合わせとが互いに異なっている。このため、例えば基板搬送機構の一方側で不具合が発生しても他方側の基板搬送機構を用いて基板の処理が継続可能であり、この状態のときに、さらに処理流体の供給系の一方側で不具合が発生したとしても、不具合の発生していない基板搬送機構及び処理流体の供給系の供給系を使用して基板の処理を継続可能な処理ユニットの列が残される。この結果、不具合の発生に対して装置全体を停止することなく、基板処理を継続する可能性を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る液処理装置の横断平面図である。
【図2】前記液処理装置の縦断側面図である。
【図3】前記液処理装置の内部構成を示す斜視図である。
【図4】前記液処理装置に搭載されている液処理ユニットの構成を示す説明図である。
【図5】前記液処理ユニットへの処理液の供給系統を示す説明図である。
【図6】前記液処理装置の電気的構成を示す説明図である。
【図7】前記液処理装置において、不具合発生箇所に応じて停止する液処理ユニットの列を定めたグループ分けテーブルである。
【図8】前記液処理装置の不具合発生時における動作の流れを示すフロー図である。
【図9】前記液処理装置の動作を示す第1の説明図である。
【図10】前記液処理装置の動作を示す第2の説明図である。
【図11】第2の実施の形態に係る液処理装置の例を示す横断平面図である。
【図12】前記第2の実施の形態に係る液処理装置の縦断側面図である。
【図13】前記第2の実施の形態に係る液処理装置の内部構成を示す斜視図である。
【図14】前記第2の実施の形態に係る液処理装置の動作を示す第1の説明図である。
【図15】前記第2の実施の形態に係る液処理装置の動作を示す第2の説明図である。
【図16】前記第2の実施の形態に係る液処理装置の動作を示す第3の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の基板処理装置に係る実施の形態として、基板であるウエハWに処理液である薬液を供給して基板に付着したパーティクルや汚染物質を除去する液処理を行う液処理装置1の構成について図1〜図7を参照しながら説明する。図1は液処理装置1の全体構成を示す横断平面図、図2は縦断側面図であり、これらの図に向かって左側を前方とすると、液処理装置1は複数枚のウエハWを収納した基板収納容器であるFOUP(Front-Opening Unified Pod)7が載置される載置ブロック11と、このFOUP7からウエハWを取り出して液処理装置1内に搬入する搬送ブロック12と、搬送ブロック12にて取り出されたウエハWを後段の液処理ブロック14a、14bに受け渡すための受け渡しブロック13と、受け渡しブロック13から受け渡されたウエハWを液処理ユニット2に搬入して液処理を実行する液処理ブロック14a、14bと、を前方からこの順番に接続した構造となっている。ここで本実施の形態に係る液処理装置1は、スループット向上の観点から、上下に積層された(隣接して設けられた)2つの液処理ブロック14a、14bを備えている。本例では例えば上段側の液処理ブロック14aが第1の処理ブロックに相当し、下段側の液処理ブロック14bが第2の処理ブロックに相当している。
【0015】
載置ブロック11は、例えば4個のFOUP7を載置可能な載置台として構成され、載置台上に載置された各FOUP7を固定して搬送ブロック12に接続する容器載置部としての役割を果たす。搬送ブロック12は、各FOUP7との接続面に設けられた開閉扉を開閉する不図示の開閉機構と、FOUP7と受け渡しブロック13との間でのウエハWの受け渡しを行う受け渡し機構である搬入出アーム121とを共通の筐体内に設けた構造となっている。
【0016】
搬入出アーム121は例えば前後方向に進退自在、左右方向に移動自在及び、回動、昇降自在に構成された搬送アーム及びその駆動部から構成されており、搬送ブロック12と受け渡しブロック13とを区画する区画壁に設けられた第1の開口部123を介して、受け渡しブロック13との間でウエハWの受け渡しを行う役割を果たす。
【0017】
受け渡しブロック13は、前後を搬送ブロック12及び液処理ブロック14a、14bに挟まれた位置に設けられた筐体内の空間であり、例えば搬送ブロック12側の第1の開口部123に接続された第1の受け渡し棚133と、この第1の受け渡し棚133の上方位置及び下方位置に各々設けられ、当該第1の受け渡し棚133と各液処理ブロック14a、14b側の区画壁に設けられた第2の開口部132a、132bとの間で、液処理前後のウエハWの受け渡しを行うための第2の受け渡し棚131a、131bと、を設けた構造となっている。各第2の受け渡し棚131a、131bは例えば8枚のウエハWを載置可能であり、受け渡しブロック13の空間内の上方側と下方側の位置に設けられている。各受け渡し棚131a、131bは搬送ブロック12側から搬入されるウエハW及び、液処理ブロック14a、14b側から搬出されるウエハWを一時的に載置する役割を果たす。
【0018】
また図1に示すように、受け渡し部13内には、上下方向に昇降自在、前後方向に進退自在に構成された昇降搬送機構134が設けられている。この昇降搬送機構134は、第1の受け渡し棚133と第2の受け渡し棚131a、131bとの間でウエハWの搬送を行う役割を果たす。
以上に説明した載置ブロック11、搬送ブロック12、受け渡しブロック13は、本実施の形態の基板搬入ブロックを構成している。
【0019】
受け渡しブロック13の後段には、当該受け渡しブロック13に隣接して2つの液処理ブロック14a、14bが上下に積層して配置されている。これらの液処理ブロック14a、14bは、互いにほぼ同様の構成を備えており、ウエハWに対する液処理が実行される複数個、例えば12個の液処理ユニット2を筐体内に配置した構造となっている。各液処理ブロック14a、14bには、前後方向に伸びるウエハWの直線搬送路である搬送路142a、142bが設けられており、この搬送路142a、142bを挟んで左右に各々6台の液処理ユニット2が互いに対向するように列設されている。
【0020】
図1、図3に示すように各搬送路142a、142b内には、搬送路142a、142bに沿って移動可能、搬送路142a、142bの左右に設けられた各液処理ユニット2に向けて進退可能、そして鉛直軸回りに回転可能、昇降可能に構成され、各々本実施の形態の第1、第2の基板搬送機構に相当するプロセスアーム141a、141bが設けられており、受け渡しブロック13側の、各々の液処理ブロック14a、14bに対応する第2の受け渡し棚131a、131bと各液処理ユニット2との間でウエハWを搬送することができる。ここで図1〜図3には各液処理ブロック14a、14bに1台のプロセスアーム141a、141bを設けた例を示したが、液処理ユニット2の台数などに応じて2台以上のプロセスアーム141a、141bを設けてもよい。
【0021】
以上に説明した内容をまとめると、本例の液処理装置1には図1〜図3に示すように、上段側の液処理ブロック14aに12台、下段側の液処理ブロック14bに12台の計24台の液処理ユニット2が配置されている。そして、上段側の液処理ブロック14aにおいては前方側から見て搬送路142aの右側に列設された6台の液処理ユニット2の列(U1)、左側に列設された6台の液処理ユニット2の列(U2)の各列に含まれる液処理ユニット2に対して共通のプロセスアーム141aを用いてウエハWの搬入出が行われる。また下段側の液処理ブロック14bでは前方側から見て搬送路142bの右側に列設された6台の液処理ユニット2の列(U3)、左側に列設された6台の液処理ユニット2の列(U4)の各列に含まれる液処理ユニット2に対して共通のプロセスアーム141bを用いてウエハWの搬入出が行われる。
【0022】
次に図4、図5を参照しながら各液処理ブロック14a、14bに設けられた液処理ユニット2の構成及び各液処理ユニット2への薬液の供給、回収系統について説明する。液処理ユニット2は、ウエハWに対する液処理、リンス洗浄、振切乾燥の各処理が実行される密閉された処理空間を形成するアウターチャンバー21と、このアウターチャンバー21内に設けられ、ウエハWをほぼ水平に保持した状態で回転させるウエハ保持機構23と、ウエハ保持機構23に保持されたウエハWの上面側に薬液を供給するノズルアーム24と、ウエハ保持機構23を取り囲むようにアウターチャンバー21内に設けられ、回転するウエハWから周囲に飛散した薬液を受けるためのインナーカップ22とを備えている。
【0023】
アウターチャンバー21は、図1〜図3に示すように互いに隣り合う他の液処理ユニット2とは区画された筐体内に設けられており、不図示のウエハ搬入口を介してプロセスアーム141a、141bによりウエハWが搬入出される。アウターチャンバー21の底面に設けられた26は、アウターチャンバー21の底面に溜まったDIWなどの排水を排出するための排水ライン、27はアウターチャンバー21内の雰囲気を排気するための排気ラインである。またウエハ保持機構23の内部には薬液供給路231が形成されており、回転するウエハWの下面に当該薬液供給路231を介して薬液を供給することができる。
【0024】
ノズルアーム24は、先端部に薬液供給用のノズルを備えており、不図示の駆動機構によってウエハ保持機構23に保持されたウエハW中央側の上方位置と、例えばアウターチャンバー21の外部に設けられた待機位置との間で前記ノズルを移動させることができる。インナーカップ22は、ウエハ保持機構23に保持されたウエハWを取り囲む処理位置と、この処理位置の下方へ退避した退避位置との間を昇降し、回転するウエハW表面に供給された各種の薬液を受け止めて、インナーカップ22の底面に設けられた排液ライン25を介してこれらの薬液を液処理ユニット2外へと排出する役割を果たす。
【0025】
次に各液処理ユニット2への薬液の供給機構について説明すると、ノズルアーム24に設けられたノズルは上面側供給ライン47に接続されており、この上面側供給ライン47はIPA供給ライン411と薬液供給中間ライン44とに分岐している。IPA供給ライン411はIPA供給部31に接続されており、このIPA供給部31は高い揮発性を利用してウエハWを乾燥させるためのIPAをウエハWの上面側に供給する役割を果たす。IPA供給ライン411にはマスフローコントローラ42が介設されており、所定量のIPAをノズルアーム24aに供給することができる。
【0026】
上面側供給ライン47から分岐したもう一方側の薬液供給中間ライン44は、切替弁43を介して3系統の薬液供給ライン412、413、414に接続されている。これらのうち、DIW供給ライン412の上流には、薬液処理後のウエハWに残存するDHF液やSC1液を除去するリンス液であるDIW(DeIonized Water)を供給するためのDIW供給部32が設けられている。SC1供給ライン413の上流側にはウエハW表面のパーティクルや有機性の汚染物質を除去する薬液であるSC1液(アンモニアと過酸化水素水の混合液)を供給するSC1供給部33が設けられている。そして残るDHF供給ライン414の上流側にはウエハW表面の自然酸化膜を除去する酸性薬液である希フッ酸水溶液(以下、DHF(Diluted HydroFluoric acid)液という)を供給するDHF供給部34が設けられている。
【0027】
またこれらのDIW供給部32、SC1供給部33、DHF供給部34が接続された薬液供給中間ライン44は、ウエハWの下面に薬液を供給する薬液供給路231とも下面側供給ライン48を介して接続されている。図4中、45、46は、各々ノズルアーム24側、ウエハ保持機構23側への薬液供給量を調整するマスフローコントローラである。
【0028】
以上に説明したIPA供給部31、DIW供給部32、SC1供給部33、DHF供給部34は、例えば共通の薬液供給ユニット3a、3b内にまとめて配置されており、例えば図5にはこれらの各供給部31、32、33、34をまとめて総括的に記載してある。ここで本実施の形態に係る液処理装置1においては、図3、図5に示すように例えば前方側から見て搬送路142a、142bの右側に上下に重ねて配置されている液処理ユニット2の列(U1、U3)が共通の薬液供給ユニット3aに接続されており、搬送路142a、142bの左側に上下に重ねて配置されている液処理ユニット2の列(U2、U4)が共通の薬液供給ユニット3bに接続されている。これら薬液供給ユニット3a、3bは本実施の形態における処理流体の供給系に相当し、当該供給系が液処理ユニット2の列U1、U3及びU2、U4にて共通化されていることになる。
【0029】
上述のように、搬送路142a、142bを挟んで液処理ユニットの列U1、U3と他の列U2、U4とに別々に薬液供給ユニット3a、3bを接続することにより、例えばプロセスアーム141a、141bやその電源系統などと干渉せずに各供給ライン411〜414などを配設することが可能となり、配管設計が容易となったり、配管距離を短くすることができるといった利点がある。また図5では図示の便宜上、液処理ユニットの列U1、U3に薬液供給ユニット3aが接続されている様子を代表的に示してあるが、液処理ユニットの列U2、U4に対する薬液供給ユニット3bの接続状態についてもほぼ同様である。
【0030】
図5に総括的に記載したように、各薬液の供給部31、32、33、34は各種の薬液を貯留する循環タンク301に接続された薬液供給ライン401に、供給ポンプ302と、フィルター303と、ヒーター304と、を介設し、この下流側にて当該薬液供給ライン401が液処理ブロック14a、14bの各液処理ユニット2と接続される分岐ライン402に分岐した構成となっている。これら薬液供給ライン401及び分岐ライン402は図4に示す各供給ライン412〜413に相当しており、例えば各液処理ユニット2の下部に設けられた切替弁43にて各供給ライン412〜413の分岐ライン402が合流している。
【0031】
一方、各液処理ユニット2のインナーカップ22底部に設けられた排液ライン25は、例えば不図示の切替弁を介して各供給部31、33、34の循環タンク301へと薬液を回収する薬液回収ライン403に接続されており、使用済みの薬液を回収することができるようになっている。またアウターチャンバー21の排水ライン26については、薬液回収ライン403を介してDIW供給部32の循環タンク301に排水を回収する代わりに、例えば工場の排水処理設備に接続されており、排水の回収を行わない点が図5に示した各薬液供給部31、33、34の薬液回収ライン403と異なる。
【0032】
このような構成を備えた薬液供給ユニット3a、3bは例えば液処理装置1が配置された工場の床面下などに配置することができる。図3には液処理ユニットの列U1、U3及びU2、U4に接続された薬液供給ユニット3a、3bの配置状態を模式的に示してあり、各薬液の供給部31、32、33、34に接続された薬液供給ライン401は1本の配管として簡略化して記載してある。また薬液回収ライン403の記載は省略してある。
【0033】
図1に示すように液処理装置1には制御部6が接続されている。制御部6は例えばCPUと記憶部とを備えたコンピュータからなり、記憶部には当該液処理装置1の作用、各液処理ブロック14a、14bの液処理ユニット2にウエハWを搬入して液処理を行った後、液処理後のウエハWをFOUP7に格納するまでの動作に係わる制御についてのステップ(命令)群が組まれたプログラムが記録されている。このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカード等の記憶媒体に格納され、そこからコンピュータにインストールされる。
【0034】
以上に説明した構成を備えた液処理装置1は、例えばプロセスアーム141a、141bや薬液供給ユニット3a、3bなどにおいて不具合があった場合に、当該不具合の影響を受ける液処理ユニット2についてのみ稼動を停止し、他の液処理ユニット2については稼動を継続することができるようになっている。以下、その詳細な構成について説明する。
【0035】
図6は液処理装置1の電気的構成を示すブロック図を示しており、各液処理ユニット2や薬液供給ユニット3a、3b、プロセスアーム141a、141b、搬入出アーム121は、既述の制御部6(例えばCPU61と記憶部62とから構成されている)に接続されていて、これらの機器2、3a、3b、141a、141b、121にて不具合が発生したことを検知することができる。
【0036】
また液処理装置1内の液処理ユニット2は、各液処理ユニットの列U1〜U4毎に異なる電源部5に接続されており、各電源部5は制御部6からの指示に基づいて液処理ユニットの列U1〜U4単位で各液処理ユニット2への電力の給断を行うことができるようになっている。
【0037】
制御部6の例えば記憶部62には停止・稼動制御プログラム621が記憶されており、例えば記憶部62に記憶されたグループ分けテーブル622を参照して、不具合の発生した機器2、3a、3b、141a、141b、121に応じて電力の供給を遮断する液処理ユニットの列U1〜U4を変更すると共に、停止対象とならなかった液処理ユニットの列U1〜U4内の液処理ユニット2を利用してウエハWの液処理を継続するように構成されている。
【0038】
図7は本例に係るグループ分けテーブル622の一例を示しており、当該テーブル622の各列には不具合の発生した機器を示し、各行には当該不具合発生機器に応じて停止する液処理ユニットの列U1〜U4を示してある。図中「○」は液処理ユニット2の稼動継続を示し、「×」は停止することを表している。
【0039】
図7のグループ分けテーブル622によれば、各液処理ユニットの列U1〜U4に含まれる液処理ユニット2にて不具合が発生したときには、当該液処理ユニット2を含む各液処理ユニットの列U1〜U4のみを停止し、他の列U1〜U4においては液処理ユニット2の稼動を継続する。停止した液処理ユニットの列U1〜U4以外の液処理ユニットの列U1〜U4の稼動を継続する点については、以下、他の機器の場合も同様である。
【0040】
プロセスアーム141a、141bに不具合があったときには、上段のプロセスアーム141a(図7には「PA1」と記載してある)の場合は液処理ユニットの列U1、U2の稼動を停止し、下段のプロセスアーム141b(同じく「PA2」と記載してある)の場合は液処理ユニットの列U3、U4の稼動を停止する。薬液供給ユニット3a、3b不具合発生時は、前方から見て右手の薬液供給ユニット3a(図7には「CU1」と記載してある)の場合に液処理ユニットの列U1、U3を停止、左手の薬液供給ユニット3b(同じく「CU2」と記載してある)では液処理ユニットの列U2、U4を停止する。
【0041】
また搬入出アーム121にて不具合が発生した場合には、後段のいずれの液処理ブロック14a、14bからもウエハWの搬入出を行うことができないので、全ての液処理ユニットの列U1〜U4が停止されることになる。
【0042】
以上に説明した構成を備えた液処理装置1の作用について以下に説明する。液処理装置1にて処理を開始すると、搬入出アーム121は載置ブロック11に載置されたFOUP7からウエハWを取り出し、第1の受け渡し棚133内にウエハWを載置する。昇降搬送機構134は、当該第1の受け渡し棚133からウエハWを取り出して、各液処理ブロック14a、14bに対応する第2の受け渡し棚131a、131bにウエハWを順次載置する。
【0043】
各液処理ブロック14a、14bではプロセスアーム141a、141bが第2の受け渡し棚131a、131bからウエハWを受け取り、液処理ユニット2の一つに進入して、当該ウエハWをウエハ保持機構23に受け渡す。ウエハWが保持されたらノズルアーム24をウエハW中央側の上方位置まで移動させ、インナーカップ22を処理位置まで上昇させて、ウエハ保持機構23によりウエハWを回転させながらウエハ保持機構23側のノズル及びウエハ保持機構23側の薬液供給路231よりウエハWの上下面両側にSC1液を供給する。これによりウエハWに薬液の液膜が形成されてアルカリ性薬液洗浄が行われる。
【0044】
アルカリ性薬液洗浄が終了すると、インナーカップ22が退避位置に移動し、またインナーカップ22及びウエハ保持機構23の薬液供給路231へDIWを供給することによりウエハW表面のSC1液を除去するリンス洗浄が実行される。
【0045】
リンス洗浄を終えたら振切乾燥実行し、しかる後、再びインナーカップ22を処理位置まで上昇させ、ウエハWを回転させながら、ノズルアーム24及びウエハ保持機構23の薬液供給路231より、ウエハWの上下面にDHF液を供給する。これによりこれらの面にDHF液の液膜が形成され、酸性薬液洗浄が行われる。そして所定時間の経過後、インナーカップ22を退避位置に下降させ、薬液の供給系統を純水に切り替えて再びリンス洗浄を行う。
【0046】
リンス洗浄の後、インナーカップ22を処理位置まで上昇させ、液処理ユニット2の上面にIPAを供給しながらウエハWを回転させ、IPAの揮発性を利用したIPA乾燥を実行する。これによりウエハW表面に残存するリンス後の純水が完全に除去される。しかる後、インナーカップ22を退避位置まで退避させ、不図示の搬入出口を開き、液処理ユニット2内にプロセスアーム141a、141bを進入させて処理後のウエハWを搬出する。
【0047】
液処理を終えたウエハWは搬入時とは逆の経路で第2の受け渡し棚131a、131b、昇降搬送機構134、第1の受け渡し棚133、搬入出アーム121へと受け渡され、載置ブロック11のFOUP7内に格納される。これらの動作を連続的に行うことにより液処理装置1は上下2段に設けられた液処理ブロック14a、14b内の合計24台の液処理ユニット2を並行して稼動させ、例えば液処理ブロック14aを1組(例えば液処理ユニット2が12台)備える従来の液処理装置と比較して単位時間により多くのウエハWを洗浄、乾燥することができる。
【0048】
以上に説明した動作に基づき、ウエハWの液処理を実行する液処理装置1の予め定められた機器において不具合が発生したときの動作を図8のフロー図及び図9〜図10を参照しながら説明する。
【0049】
まず液処理装置1は、稼動を開始した後(スタート)、例えば図6のブロック図に示した各機器2、3a、3b、141a、141b、121にて不具合が発生したか否かを監視し、不具合の発生がない場合には(ステップS101;NO)そのまま稼動を継続する。
【0050】
不具合が発生すると(ステップS101;YES)、その不具合が液処理ユニット2におけるものであるか否かを確認し、例えばウエハ保持機構23の回転駆動機構の停止やウエハWの受け渡し機構の不調など、液処理ユニット2における不具合である場合には(ステップS102;YES)、当該不具合のあった液処理ユニット2を含む液処理ユニットの列U1〜U4のみを停止し(ステップS105)不具合に対する対応動作を終える(エンド)。
【0051】
図9(a)は例えば液処理ユニットの列U1に含まれる液処理ユニット2にて不具合があった場合における各液処理ユニットの列U1〜U4の稼動状態を示しており、グレーで塗りつぶした液処理ユニットの列U1は停止していることを示している。このとき、残る3つの液処理ユニットの列U2〜U4では稼動を継続している一方、停止している液処理ユニットの列U1では例えば当該液処理ユニットの列U1の外装体を成す液処理ブロック14a、14bの筐体面に設けられたアクセス扉を開いて不具合のあった液処理ユニット2のメンテナンスを行うことができる。不具合のあった液処理ユニット2を含む液処理ユニットの列U1〜U4全体を停止することにより、メンテナンススタッフがアクセス扉の開放時に薬液の供給雰囲気に晒されることを避けることができる。
【0052】
図8のフロー図の説明に戻ると、液処理ユニット2の不具合でない場合には(ステップS102;NO)、次にその不具合がプロセスアーム141a、141bで発生したものであるかを確認する。例えば駆動機構の不具合など、プロセスアーム141a、141bで発生したものである場合には(ステップS103;YES)、グループ分けテーブル622に基づき当該プロセスアーム141a、141bと共に、これに対応する液処理ユニットの列U1、U2(または液処理ユニットの列U3、U4)を停止し(ステップS106)、不具合の対応動作を終える(エンド)。図9(b)は上段側のプロセスアーム141aで不具合が発生したときの各液処理ユニットの列U1〜U4の稼動状態を示している。
【0053】
不具合がプロセスアーム141a、141bでなければ(ステップS103;NO)、次にその不具合が薬液供給ユニット3a、3bで発生したものであるかを確認する。例えば循環タンク301のレベル低や供給ポンプ302の停止、フィルター303の圧力損失上昇など、薬液供給ユニット3a、3bにおける不具合の場合には(ステップS104;YES)、グループ分けテーブル622に基づき当該薬液供給ユニット3a、3bと共に、これに対応する液処理ユニットの列U1、U3(または液処理ユニットの列U2、U4)を停止し(ステップS108)不具合の対応動作を終える(エンド)。図10(a)は手前から見て右側の薬液供給ユニット3aで不具合が発生したときの各液処理ユニットの列U1〜U4の稼動状態を示している。ここで本実施の形態に係る液処理ユニット2の構成では、図5に示した切替弁43やマスフローコントローラ45、46などの不具合は液処理ユニット2担体の不具合(ステップS105)に含まれる。
【0054】
不具合が液処理ユニット2、受け渡し棚131a、131b、薬液供給ユニット3a、3bのいずれでもない場合には(ステップS104;NO)、搬入出アーム121の例えば駆動機構などの不具合であるので全液処理ユニットの列U1〜U4を停止(即ち液処理装置1全体を停止)して(ステップS107)不具合の対応動作を終える(エンド)。図10(b)は搬入出アーム121にて不具合が発生した場合の各液処理ユニットの列U1〜U4の稼動状態を示している。
【0055】
このように、不具合の発生した機器2、3a、3b、141a、141b、121に応じて当該不具合の影響を受ける液処理ユニット2についてのみ稼動を停止したら、例えばメンテナンススタッフが当該機器の不具合を解消し、稼動を開始可能な状態となったら、例えば制御部6に復帰信号を入力して、停止している液処理ユニットの列U1〜U4の稼動を再開する(スタート)。そして例えばプロセスアーム141a、141bの一方が停止している期間中に、さらに薬液供給ユニット3a、3bの一方が停止した場合であっても、残るプロセスアーム141b、141a、薬液供給ユニット3b、3aにて稼動を継続可能な液処理ユニットの列U1〜U2が1列残されており、この液処理ユニットの列U1〜U2内の液処理ユニット2にて液処理を継続することができる。
【0056】
本実施の形態に係る液処理装置1によれば以下の効果がある。各基板搬送機構で基板の受け渡しが行われる処理ユニットの列の組み合わせと、共通化された処理流体の各供給系に接続される処理ユニットの列の組み合わせとが互いに異なっている。このため、例えばプロセスアーム141a、141bの一方側で不具合が発生しても他方側のプロセスアーム141b、141aを用いてウエハWの液処理が継続可能であり、この状態のときに、さらに薬液供給ユニット3a、3bの一方側で不具合が発生したとしても、不具合の発生していないプロセスアーム141b、141a及び薬液供給ユニット3b、3aを使用してウエハWの液処理を継続可能な処理ユニットの列U1〜U4が残される。この結果、不具合の発生に対して液処理装置1全体を停止することなく、ウエハW処理を継続する可能性を高めることが可能になる。
【0057】
図11〜図13は第2の実施の形態に係る液処理装置1aの構成を示している。第2の実施の形態に係る液処理装置1aは受け渡しブロック13の後段に配置された2つの液処理ブロック14a、14bが前後方向に配置されている点が、液処理ブロック14a、14bを上下に積層した既述の液処理装置1と異なっている。言い替えると、液処理ブロック14b(第2の処理ブロック)は液処理ブロック14a(第1の処理ブロック)に対して受け渡しブロック13(基板搬入ブロック)とは反対側に設けられていることになる。図11〜図13に示した液処理装置1aにおいて、図1〜図3に示した液処理装置1と同様の構成要素には、これらの図と同じ符号を付してある。
【0058】
各液処理ブロック14a、14bには、中央の搬送路142a、142bを挟んで前方から見て左右に液処理ユニットの列U1〜U4が設けられており、各液処理ユニットの列U1〜U4内には、前後方向に2列、上下方向に3段の6台の液処理ユニット2が配置されている。従って本例の液処理装置1aには、前段側の液処理ブロック14aに12台、後段側の液処理ブロック14bに12台の計24台の液処理ユニット2が配置されていることになる。
【0059】
そして、前段側の液処理ブロック14aにおいては前方側から見て搬送路142aの右側に積み上げられた前後2列、上下3段に液処理ユニット2の列(U1)に含まれる液処理ユニット2、左側に同様に積み上げられた6台の液処理ユニット2の列(U2)に含まれる液処理ユニット2に対して共通のプロセスアーム141aを用いてウエハWの搬入出が行われる。また後段側の液処理ブロック14bでは前方側から見て搬送路142bの右側に積み上げられた6台液処理ユニット2の列(U3)に含まれる液処理ユニット2、左側に積み上げられた6台の液処理ユニット2の列(U4)に含まれる液処理ユニット2に対して共通のプロセスアーム141bを用いてウエハWの搬入出が行われる。
【0060】
一方、薬液供給ユニット3a、3bについては、図13に示すように前段の液処理ブロック14aの前方側から見て搬送路142a(プロセスアーム141a)の右手に設けられた液処理ユニットの列U1と、後段の液処理ブロック14bの搬送路142b(プロセスアーム141b)の右手に設けられた液処理ユニットの列U3とが共通の薬液供給ユニット3aに接続されている。一方、前段の液処理ブロック14aの同じく左手に設けられた液処理ユニットの列U2と、後段の液処理ブロック14bの左手に設けられた液処理ユニットの列U4とが共通の薬液供給ユニット3bに接続されている。
【0061】
液処理装置1aにおいては、受け渡しブロック13は1個の受け渡し棚131を備え、搬送ブロック12と液処理ブロック14a、14bとの間を搬送されるウエハWはいずれもこの受け渡し棚131に載置される。また前段の液処理ブロック14aと後段の液処理ブロック14bとの間には、受け渡しブロック15が設けられており、この受け渡しブロック15内に設けられた基板載置部である受け渡し棚151を介してこれら前後段間でのウエハWの受け渡しが行われる。なお、図13〜図16の各図では受け渡しブロック15の記載は省略してある
【0062】
さらに前段の液処理ブロック14aの例えば手前から見て右手の液処理ユニットの列U1の1段目の液処理ユニット2と2段目の液処理ユニット2との間には、これらの段間に設けられた空間内でウエハWを搬送すると共に、受け渡し棚131と前段の液処理ブロック14aに設けられたプロセスアーム141a及び、受け渡し棚151との間でウエハWの受け渡しを行う第1のブロック間搬送機構であるシャトルアーム143aが設けられている。
【0063】
一方、後段の液処理ブロック14bの例えば手前から見て右手の液処理ユニットの列U3の1段目の液処理ユニット2と2段目の液処理ユニット2との間には、これらの段間に設けられた空間内でウエハWを搬送すると共に、受け渡し棚151と後段の液処理ブロック14bに設けられたプロセスアーム141bとの間でウエハWの受け渡しを行う第2のブロック間搬送機構であるシャトルアーム143bが設けられている。
【0064】
これらの構成を備えることにより、前段の液処理ブロック14a内の液処理ユニット2にて液処理を行うために受け渡し棚131に載置されたウエハWは、シャトルアーム143a→プロセスアーム141aと受け渡されて各液処理ユニット2内に搬入されることになる。一方、後段の液処理ブロック14b内の液処理ユニット2にて液処理を行うために受け渡し棚131に載置されたウエハWは、シャトルアーム143a→受け渡し棚151→シャトルアーム143b→プロセスアーム141bと受け渡されて各液処理ユニット2内に搬入されるようになっている。
【0065】
かかる構成を備えた液処理装置1aの各機器2、3a、3b、141a、141b、143a、143b、121にて発生した不具合に応じた稼動状態について説明する。図14(a)は例えば液処理ユニットの列U1の最上段に設けられた液処理ユニット2で不具合が発生したときの稼動状態を示している。既述のようにメンテナンス用のアクセス扉が液処理ブロック14a、14bの段毎に設けられている場合には、液処理ユニットの列U1全体を停止する必要はなく、本例では不具合の発生した液処理ユニット2を含む液処理ユニットの列U1内のアクセス扉が共通する段の液処理ユニット2のみを停止している。
【0066】
プロセスアーム141a、141bの不具合発生時には、当該プロセスアーム141a、141bと共にその左右に設けられた液処理ユニットの列U1、U2(またはU3、U4)の稼動を停止する。図14(b)は前段側のプロセスアーム141aにおける不具合発生時の稼動状態を示している。
【0067】
薬液供給ユニット3a、3bの不具合発生時には、当該薬液供給ユニット3a、3bに接続された液処理ユニットの列U1、U3(またはU2、U4)の稼動を薬液供給ユニット3a、3bと共に停止する。図15(a)は手前から見て右手の薬液供給ユニット3aで不具合が発生した時の稼動状態を示している。
【0068】
次に前段の液処理ブロック14aに設けられたシャトルアーム143aにて不具合が発生した場合には、当該液処理ブロック14aのプロセスアーム141a及び後段の受け渡し棚151との間でウエハWの受け渡しをすることができなくなってしまう。このため図15(b)に示すように全液処理ユニットの列U1〜U4を停止することになる。本例では図示を省略したが、搬入出アーム121の停止の場合も同様である。
【0069】
一方、後段の液処理ブロック14bに設けられたシャトルアーム143bにて不具合が発生した場合には、当該シャトルアーム143bと受け渡し棚151との間でウエハWの受け渡しをすることができなくなるのみで前段側のシャトルアーム143aは液処理ブロック14aのプロセスアーム141aにウエハWを受け渡すことができる。従って液処理ブロック14bの液処理ユニットの列U3、U4のみが停止状態となる(図16)。
【0070】
ここで、第1の実施の形態に係る液処理装置1のように、上下方向に積層される液処理ブロック14a、14bの段数や、第2の実施の形態に係る液処理装置1aのように前後方向に並べて設けられる液処理ブロック14a、14bの数はこれらの例に示したものに限らず、例えば3段以上であってもよいし、3列以上であってもよく、例えば3列×3段といったように上下方向の積層と前後方向の列設を組み合わせてもよい。
【0071】
また第1の実施の形態に係る液処理装置1に示したように横方向にウエハWを搬送するプロセスアーム141a、141bを備えた液処理ブロック14a、14bを例えば受け渡しブロック15を介して前後方向に接続してもよいし、第2の実施の形態に示した液処理装置1aのように垂直方向にウエハWを搬送するプロセスアーム141a、141bを備えた液処理ブロック14a、14bを上下に積層する構成にしてもよい。さらには、工場内のレイアウト上許容される場合には、例えば液処理ブロック14a、14bを手前から見て左右方向に並べて受け渡しブロック13に接続し、互いに隣接する液処理ユニットの列U1〜U2同士の薬液供給ユニット3a、3bを共通化してもよい。
【0072】
また、上述の各実施の形態では、監視対象の各機器2、3a、3b、141a、141b、143a、143b、121において、不具合が発生したことを検知した場合に、グループ分けテーブル622の設定に基づいて選択した液処理ユニットの列U1〜U4を直ちに停止する例を示したが、停止時期はこれに限られるものではない。例えば液処理ユニット2の単体の不具合やプロセスアーム141a、141b、搬入出アーム121の不具合の場合には、停止対象の液処理ユニットの列U1〜U4内にも処理を継続可能な液処理ユニット2が含まれている。このような場合に、現在実行中のウエハWの処理を終えて、ウエハWを取り出し可能な状態としてから選択された液処理ユニットの列U1〜U4を停止する構成としてもよい。
【0073】
また例えばプロセスアーム141a、141bからもバッファ棚133へのアクセスが可能な構成としておき、例えば搬入出アーム121の不具合発生時には全液処理ユニットの列U1〜U4内でのウエハWの処理を終えて各液処理ユニット2からウエハWを取り出し、バッファ棚133にウエハWを格納してから液処理ユニットの列U1〜U4を停止してもよい。
【0074】
このほか、薬液供給ユニット3a、3bは、搬送路142a、142bを挟んで同じ方向に位置する液処理ユニットの列U1とU3、U2とU4にて共通化する場合に限らず、例えば搬送路142a、142bを挟んで交差するように液処理ユニットの列U1とU4、U3とU2にて共通化してもよい。
【0075】
さらに上述の各実施の形態では、制御部6にて各機器2、3a、3b、141a、141b、143a、143b、121の不具合発生を積極的に検知し、グループ分けテーブル622に基づいて選択した液処理ユニットの列U1〜U4の電源部5からの電力供給を遮断する場合について説明したが、各液処理ユニットの列U1〜U4はこのように積極的に電力供給を遮断することにより停止する場合に限定されない。例えばプロセスアーム141a、141bや搬入出アーム121の不具合の場合には、各液処理ユニット2はレシピに基づいてウエハWの処理を実行し、プロセスアーム141a、141bや搬入出アーム121が停止したことに起因してそれ以上シーケンスを進行させることができなくなった時点で、図7のグループ分けテーブル622に示した液処理ユニットの列U1〜U4が結果的に停止することになるようにしてもよい。薬液供給ユニット3a、3bの不具合の場合には、薬液供給ができなくなるので、電力供給を遮断しなくても不具合発生の時点でその薬液供給ユニット3a、3bに接続された液処理ユニットの列U1〜U4が停止することになる。
【0076】
また流体を使う処理は上述の液処理に限られるものではなく、例えばウエハWにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)などの蒸気を供給してウエハWの表面を疎水化する処理装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0077】
U1〜U4 液処理ユニットの列
W ウエハ
1、1a 液処理装置
11 載置ブロック
12 搬入出ブロック
121 搬入出アーム
13 受け渡しブロック
14a、14b
液処理ブロック
141a、141b
プロセスアーム
143a、143b
シャトルアーム
3a、3b 薬液供給ユニット
5 電源部
6 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体ウエハなどの基板を搬送する基板搬送機構を用いて、前記基板に対して液処理や表面処理などの流体処理を実行する複数個の処理ユニットに対して基板を搬送し、処理を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスなどの製造工程には、半導体ウエハ(以下、ウエハという)などの基板の表面に薬液や純水などの処理液を供給して基板に付着したパーティクルや汚染物質の除去を行う液処理がある。
【0003】
こうした液処理を行う液処理装置の一つに、スピンチャック上に基板を一枚ずつ載置し、基板を回転させながら当該基板の表面に処理液を供給して液処理を実行する液処理装置がある。この種の液処理装置には例えば同種の液処理を実行可能な複数の液処理ユニットに対して共通の基板搬送機構を用いて基板を搬送することにより、複数の液処理ユニットにて並行して液処理を実行しながら連続的に基板を入れ替え、単位時間当たりの基板の処理枚数(スループット)を向上させたものがある(特許文献1)。
【0004】
本件発明者は、このような構造を備えた液処理装置の更なるスループット向上を検討しており、その手法として、共通の基板搬送機構を用いて複数の液処理ユニットに基板を搬送する処理ブロックを1台の液処理装置内に複数ブロック設けることにより、並行して処理可能な基板の枚数を増やすことを検討している。
【0005】
ところがこのように1台の液処理装置で処理可能な基板の枚数を増やしていくと、例えば各液処理ユニットや基板搬送機構、液処理ユニットへの処理液の供給系などにおいて不具合があったときに、液処理装置を停止することにより発生するロスが大きくなる。特に、上述のように液処理装置内に複数の処理ブロックを設けた場合には、不具合の発生箇所以外のブロックは稼動を継続することが可能であるにも係らず装置全体を停止すると機会ロスが発生してしまい、液処理装置の効率的な稼動の妨げになる。
【0006】
ここで特許文献2には、半導体ウエハへの塗布液の塗布処理、熱処理及び露光後の現像処理といった一連の処理を行う塗布、現像装置について、当該の一連の処理を実行する処理ラインを複数ライン設け、1つの処理ラインに含まれる機器が故障した場合であっても残る処理ラインの稼動を継続することが可能な塗布、現像装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−34490号公報:0020段落、図1
【特許文献2】特開2004−87675号公報:0040段落、0108段落、図1〜図3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前記特許文献2に記載の塗布、現像装置では、各処理ラインに含まれる機器が故障した場合には、その故障箇所に係らず当該故障した機器を含む処理ライン全体を停止する必要がある。これに対して既述のように、1つの基板搬送機構を用いて複数の液処理ユニットに基板を搬送する液処理ブロックを構成し、この液処理ブロックを複数個設ける場合には、ある液処理ブロックを稼動させるために必要な機器に不具合が発生した場合であっても当該液処理ブロックに含まれる他の液処理ユニットにて液処理を継続することが可能な場合もあるので、特許文献2に記載の技術を適用しても液処理装置を効率的に稼動できるとはいえない場合がある。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、不具合が発生した場合でも、装置全体を停止することなく基板処理を継続できる可能性の高い基板処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る基板処理装置は、基板を収納した基板収納容器が載置される容器載置部と、この容器載置部に載置された基板収納容器に対して基板の受け渡しを行う受け渡し機構と、を含む基板搬入ブロックと、
この基板搬入ブロックに隣接して設けられ、当該基板搬入ブロックから受け取った基板を処理するための処理ブロックであって、基板を直線搬送路に沿って搬送するための第1の基板搬送機構と、この基板搬送機構の左右両側に各々設けられ、前記第1の基板搬送機構により基板の受け渡しが行われると共に基板に対して各々処理流体により同一の処理を行う複数の処理ユニットからなる処理ユニットの列と、を含む第1の処理ブロックと、
この第1の処理ブロックに隣接して設けられ、前記基板搬入ブロックから受け取った基板を処理するための処理ブロックであって、基板を直線搬送路に沿って搬送するための第2の基板搬送機構と、この基板搬送機構の左右両側に各々設けられ、前記第2の基板搬送機構により基板の受け渡しが行われると共に基板に対して各々前記処理ユニットと同一の処理を行う複数の処理ユニットからなる処理ユニットの列と、を含む第2の処理ブロックと、
前記第1の処理ブロックにおける左右の処理ユニットの列の一方と、前記第2の処理ブロックにおける左右の処理ユニットの列の一方と、に対して共通化された一方の処理流体の供給系と、
前記第1の処理ブロックにおける左右の処理ユニット列の他方と、前記第2の処理ブロックにおける左右の処理ユニットの列の他方と、に対して共通化された他方の処理流体の供給系と、
前記第1の処理ブロック及び第2の処理ブロックの一方の処理ブロックの基板搬送機構に不具合が発生したときには、他方の処理ブロックを使用して基板を処理し、一方の処理流体の供給系及び他方の処理流体の供給系のいずれかに不具合が発生したときには、不具合が発生していない処理流体の供給系が受け持つ処理ユニットの列を使用して基板を処理するように制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
前記基板処理装置は以下の特徴を備えていてもよい。
(a)前記制御部は、処理ユニットのいずれかに不具合が発生したときには、当該処理ユニットが含まれる処理ユニットの列の使用を停止し、他の処理ユニットの列を使用して基板を処理するように制御することを特徴とする。
(b)前記第1の処理ブロックと第2の処理ブロックとは、互に積層されていること。
(c)前記第2の処理ブロックは第1の処理ブロックに対して基板搬入ブロックとは反対側に設けられていること。
(d)前記第1の処理ブロックと第2の処理ブロックとの間で基板の受け渡しを行うための基板載置部と、
前記基板搬入ブロックの受け渡し機構から受け取った基板を第1の処理ブロックまたは前記基板載置部に搬送するために前記第1の基板搬送機構とは別個に設けられた第1のブロック間搬送機構と、
前記基板載置部に載置された基板を第2の処理ブロックに搬送するために前記第2の基板搬送機構とは別個に設けられた第2のブロック間搬送機構と、を備えたこと。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、各基板搬送機構で基板の受け渡しが行われる処理ユニットの列の組み合わせと、共通化された処理流体の各供給系に接続される処理ユニットの列の組み合わせとが互いに異なっている。このため、例えば基板搬送機構の一方側で不具合が発生しても他方側の基板搬送機構を用いて基板の処理が継続可能であり、この状態のときに、さらに処理流体の供給系の一方側で不具合が発生したとしても、不具合の発生していない基板搬送機構及び処理流体の供給系の供給系を使用して基板の処理を継続可能な処理ユニットの列が残される。この結果、不具合の発生に対して装置全体を停止することなく、基板処理を継続する可能性を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る液処理装置の横断平面図である。
【図2】前記液処理装置の縦断側面図である。
【図3】前記液処理装置の内部構成を示す斜視図である。
【図4】前記液処理装置に搭載されている液処理ユニットの構成を示す説明図である。
【図5】前記液処理ユニットへの処理液の供給系統を示す説明図である。
【図6】前記液処理装置の電気的構成を示す説明図である。
【図7】前記液処理装置において、不具合発生箇所に応じて停止する液処理ユニットの列を定めたグループ分けテーブルである。
【図8】前記液処理装置の不具合発生時における動作の流れを示すフロー図である。
【図9】前記液処理装置の動作を示す第1の説明図である。
【図10】前記液処理装置の動作を示す第2の説明図である。
【図11】第2の実施の形態に係る液処理装置の例を示す横断平面図である。
【図12】前記第2の実施の形態に係る液処理装置の縦断側面図である。
【図13】前記第2の実施の形態に係る液処理装置の内部構成を示す斜視図である。
【図14】前記第2の実施の形態に係る液処理装置の動作を示す第1の説明図である。
【図15】前記第2の実施の形態に係る液処理装置の動作を示す第2の説明図である。
【図16】前記第2の実施の形態に係る液処理装置の動作を示す第3の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の基板処理装置に係る実施の形態として、基板であるウエハWに処理液である薬液を供給して基板に付着したパーティクルや汚染物質を除去する液処理を行う液処理装置1の構成について図1〜図7を参照しながら説明する。図1は液処理装置1の全体構成を示す横断平面図、図2は縦断側面図であり、これらの図に向かって左側を前方とすると、液処理装置1は複数枚のウエハWを収納した基板収納容器であるFOUP(Front-Opening Unified Pod)7が載置される載置ブロック11と、このFOUP7からウエハWを取り出して液処理装置1内に搬入する搬送ブロック12と、搬送ブロック12にて取り出されたウエハWを後段の液処理ブロック14a、14bに受け渡すための受け渡しブロック13と、受け渡しブロック13から受け渡されたウエハWを液処理ユニット2に搬入して液処理を実行する液処理ブロック14a、14bと、を前方からこの順番に接続した構造となっている。ここで本実施の形態に係る液処理装置1は、スループット向上の観点から、上下に積層された(隣接して設けられた)2つの液処理ブロック14a、14bを備えている。本例では例えば上段側の液処理ブロック14aが第1の処理ブロックに相当し、下段側の液処理ブロック14bが第2の処理ブロックに相当している。
【0015】
載置ブロック11は、例えば4個のFOUP7を載置可能な載置台として構成され、載置台上に載置された各FOUP7を固定して搬送ブロック12に接続する容器載置部としての役割を果たす。搬送ブロック12は、各FOUP7との接続面に設けられた開閉扉を開閉する不図示の開閉機構と、FOUP7と受け渡しブロック13との間でのウエハWの受け渡しを行う受け渡し機構である搬入出アーム121とを共通の筐体内に設けた構造となっている。
【0016】
搬入出アーム121は例えば前後方向に進退自在、左右方向に移動自在及び、回動、昇降自在に構成された搬送アーム及びその駆動部から構成されており、搬送ブロック12と受け渡しブロック13とを区画する区画壁に設けられた第1の開口部123を介して、受け渡しブロック13との間でウエハWの受け渡しを行う役割を果たす。
【0017】
受け渡しブロック13は、前後を搬送ブロック12及び液処理ブロック14a、14bに挟まれた位置に設けられた筐体内の空間であり、例えば搬送ブロック12側の第1の開口部123に接続された第1の受け渡し棚133と、この第1の受け渡し棚133の上方位置及び下方位置に各々設けられ、当該第1の受け渡し棚133と各液処理ブロック14a、14b側の区画壁に設けられた第2の開口部132a、132bとの間で、液処理前後のウエハWの受け渡しを行うための第2の受け渡し棚131a、131bと、を設けた構造となっている。各第2の受け渡し棚131a、131bは例えば8枚のウエハWを載置可能であり、受け渡しブロック13の空間内の上方側と下方側の位置に設けられている。各受け渡し棚131a、131bは搬送ブロック12側から搬入されるウエハW及び、液処理ブロック14a、14b側から搬出されるウエハWを一時的に載置する役割を果たす。
【0018】
また図1に示すように、受け渡し部13内には、上下方向に昇降自在、前後方向に進退自在に構成された昇降搬送機構134が設けられている。この昇降搬送機構134は、第1の受け渡し棚133と第2の受け渡し棚131a、131bとの間でウエハWの搬送を行う役割を果たす。
以上に説明した載置ブロック11、搬送ブロック12、受け渡しブロック13は、本実施の形態の基板搬入ブロックを構成している。
【0019】
受け渡しブロック13の後段には、当該受け渡しブロック13に隣接して2つの液処理ブロック14a、14bが上下に積層して配置されている。これらの液処理ブロック14a、14bは、互いにほぼ同様の構成を備えており、ウエハWに対する液処理が実行される複数個、例えば12個の液処理ユニット2を筐体内に配置した構造となっている。各液処理ブロック14a、14bには、前後方向に伸びるウエハWの直線搬送路である搬送路142a、142bが設けられており、この搬送路142a、142bを挟んで左右に各々6台の液処理ユニット2が互いに対向するように列設されている。
【0020】
図1、図3に示すように各搬送路142a、142b内には、搬送路142a、142bに沿って移動可能、搬送路142a、142bの左右に設けられた各液処理ユニット2に向けて進退可能、そして鉛直軸回りに回転可能、昇降可能に構成され、各々本実施の形態の第1、第2の基板搬送機構に相当するプロセスアーム141a、141bが設けられており、受け渡しブロック13側の、各々の液処理ブロック14a、14bに対応する第2の受け渡し棚131a、131bと各液処理ユニット2との間でウエハWを搬送することができる。ここで図1〜図3には各液処理ブロック14a、14bに1台のプロセスアーム141a、141bを設けた例を示したが、液処理ユニット2の台数などに応じて2台以上のプロセスアーム141a、141bを設けてもよい。
【0021】
以上に説明した内容をまとめると、本例の液処理装置1には図1〜図3に示すように、上段側の液処理ブロック14aに12台、下段側の液処理ブロック14bに12台の計24台の液処理ユニット2が配置されている。そして、上段側の液処理ブロック14aにおいては前方側から見て搬送路142aの右側に列設された6台の液処理ユニット2の列(U1)、左側に列設された6台の液処理ユニット2の列(U2)の各列に含まれる液処理ユニット2に対して共通のプロセスアーム141aを用いてウエハWの搬入出が行われる。また下段側の液処理ブロック14bでは前方側から見て搬送路142bの右側に列設された6台の液処理ユニット2の列(U3)、左側に列設された6台の液処理ユニット2の列(U4)の各列に含まれる液処理ユニット2に対して共通のプロセスアーム141bを用いてウエハWの搬入出が行われる。
【0022】
次に図4、図5を参照しながら各液処理ブロック14a、14bに設けられた液処理ユニット2の構成及び各液処理ユニット2への薬液の供給、回収系統について説明する。液処理ユニット2は、ウエハWに対する液処理、リンス洗浄、振切乾燥の各処理が実行される密閉された処理空間を形成するアウターチャンバー21と、このアウターチャンバー21内に設けられ、ウエハWをほぼ水平に保持した状態で回転させるウエハ保持機構23と、ウエハ保持機構23に保持されたウエハWの上面側に薬液を供給するノズルアーム24と、ウエハ保持機構23を取り囲むようにアウターチャンバー21内に設けられ、回転するウエハWから周囲に飛散した薬液を受けるためのインナーカップ22とを備えている。
【0023】
アウターチャンバー21は、図1〜図3に示すように互いに隣り合う他の液処理ユニット2とは区画された筐体内に設けられており、不図示のウエハ搬入口を介してプロセスアーム141a、141bによりウエハWが搬入出される。アウターチャンバー21の底面に設けられた26は、アウターチャンバー21の底面に溜まったDIWなどの排水を排出するための排水ライン、27はアウターチャンバー21内の雰囲気を排気するための排気ラインである。またウエハ保持機構23の内部には薬液供給路231が形成されており、回転するウエハWの下面に当該薬液供給路231を介して薬液を供給することができる。
【0024】
ノズルアーム24は、先端部に薬液供給用のノズルを備えており、不図示の駆動機構によってウエハ保持機構23に保持されたウエハW中央側の上方位置と、例えばアウターチャンバー21の外部に設けられた待機位置との間で前記ノズルを移動させることができる。インナーカップ22は、ウエハ保持機構23に保持されたウエハWを取り囲む処理位置と、この処理位置の下方へ退避した退避位置との間を昇降し、回転するウエハW表面に供給された各種の薬液を受け止めて、インナーカップ22の底面に設けられた排液ライン25を介してこれらの薬液を液処理ユニット2外へと排出する役割を果たす。
【0025】
次に各液処理ユニット2への薬液の供給機構について説明すると、ノズルアーム24に設けられたノズルは上面側供給ライン47に接続されており、この上面側供給ライン47はIPA供給ライン411と薬液供給中間ライン44とに分岐している。IPA供給ライン411はIPA供給部31に接続されており、このIPA供給部31は高い揮発性を利用してウエハWを乾燥させるためのIPAをウエハWの上面側に供給する役割を果たす。IPA供給ライン411にはマスフローコントローラ42が介設されており、所定量のIPAをノズルアーム24aに供給することができる。
【0026】
上面側供給ライン47から分岐したもう一方側の薬液供給中間ライン44は、切替弁43を介して3系統の薬液供給ライン412、413、414に接続されている。これらのうち、DIW供給ライン412の上流には、薬液処理後のウエハWに残存するDHF液やSC1液を除去するリンス液であるDIW(DeIonized Water)を供給するためのDIW供給部32が設けられている。SC1供給ライン413の上流側にはウエハW表面のパーティクルや有機性の汚染物質を除去する薬液であるSC1液(アンモニアと過酸化水素水の混合液)を供給するSC1供給部33が設けられている。そして残るDHF供給ライン414の上流側にはウエハW表面の自然酸化膜を除去する酸性薬液である希フッ酸水溶液(以下、DHF(Diluted HydroFluoric acid)液という)を供給するDHF供給部34が設けられている。
【0027】
またこれらのDIW供給部32、SC1供給部33、DHF供給部34が接続された薬液供給中間ライン44は、ウエハWの下面に薬液を供給する薬液供給路231とも下面側供給ライン48を介して接続されている。図4中、45、46は、各々ノズルアーム24側、ウエハ保持機構23側への薬液供給量を調整するマスフローコントローラである。
【0028】
以上に説明したIPA供給部31、DIW供給部32、SC1供給部33、DHF供給部34は、例えば共通の薬液供給ユニット3a、3b内にまとめて配置されており、例えば図5にはこれらの各供給部31、32、33、34をまとめて総括的に記載してある。ここで本実施の形態に係る液処理装置1においては、図3、図5に示すように例えば前方側から見て搬送路142a、142bの右側に上下に重ねて配置されている液処理ユニット2の列(U1、U3)が共通の薬液供給ユニット3aに接続されており、搬送路142a、142bの左側に上下に重ねて配置されている液処理ユニット2の列(U2、U4)が共通の薬液供給ユニット3bに接続されている。これら薬液供給ユニット3a、3bは本実施の形態における処理流体の供給系に相当し、当該供給系が液処理ユニット2の列U1、U3及びU2、U4にて共通化されていることになる。
【0029】
上述のように、搬送路142a、142bを挟んで液処理ユニットの列U1、U3と他の列U2、U4とに別々に薬液供給ユニット3a、3bを接続することにより、例えばプロセスアーム141a、141bやその電源系統などと干渉せずに各供給ライン411〜414などを配設することが可能となり、配管設計が容易となったり、配管距離を短くすることができるといった利点がある。また図5では図示の便宜上、液処理ユニットの列U1、U3に薬液供給ユニット3aが接続されている様子を代表的に示してあるが、液処理ユニットの列U2、U4に対する薬液供給ユニット3bの接続状態についてもほぼ同様である。
【0030】
図5に総括的に記載したように、各薬液の供給部31、32、33、34は各種の薬液を貯留する循環タンク301に接続された薬液供給ライン401に、供給ポンプ302と、フィルター303と、ヒーター304と、を介設し、この下流側にて当該薬液供給ライン401が液処理ブロック14a、14bの各液処理ユニット2と接続される分岐ライン402に分岐した構成となっている。これら薬液供給ライン401及び分岐ライン402は図4に示す各供給ライン412〜413に相当しており、例えば各液処理ユニット2の下部に設けられた切替弁43にて各供給ライン412〜413の分岐ライン402が合流している。
【0031】
一方、各液処理ユニット2のインナーカップ22底部に設けられた排液ライン25は、例えば不図示の切替弁を介して各供給部31、33、34の循環タンク301へと薬液を回収する薬液回収ライン403に接続されており、使用済みの薬液を回収することができるようになっている。またアウターチャンバー21の排水ライン26については、薬液回収ライン403を介してDIW供給部32の循環タンク301に排水を回収する代わりに、例えば工場の排水処理設備に接続されており、排水の回収を行わない点が図5に示した各薬液供給部31、33、34の薬液回収ライン403と異なる。
【0032】
このような構成を備えた薬液供給ユニット3a、3bは例えば液処理装置1が配置された工場の床面下などに配置することができる。図3には液処理ユニットの列U1、U3及びU2、U4に接続された薬液供給ユニット3a、3bの配置状態を模式的に示してあり、各薬液の供給部31、32、33、34に接続された薬液供給ライン401は1本の配管として簡略化して記載してある。また薬液回収ライン403の記載は省略してある。
【0033】
図1に示すように液処理装置1には制御部6が接続されている。制御部6は例えばCPUと記憶部とを備えたコンピュータからなり、記憶部には当該液処理装置1の作用、各液処理ブロック14a、14bの液処理ユニット2にウエハWを搬入して液処理を行った後、液処理後のウエハWをFOUP7に格納するまでの動作に係わる制御についてのステップ(命令)群が組まれたプログラムが記録されている。このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカード等の記憶媒体に格納され、そこからコンピュータにインストールされる。
【0034】
以上に説明した構成を備えた液処理装置1は、例えばプロセスアーム141a、141bや薬液供給ユニット3a、3bなどにおいて不具合があった場合に、当該不具合の影響を受ける液処理ユニット2についてのみ稼動を停止し、他の液処理ユニット2については稼動を継続することができるようになっている。以下、その詳細な構成について説明する。
【0035】
図6は液処理装置1の電気的構成を示すブロック図を示しており、各液処理ユニット2や薬液供給ユニット3a、3b、プロセスアーム141a、141b、搬入出アーム121は、既述の制御部6(例えばCPU61と記憶部62とから構成されている)に接続されていて、これらの機器2、3a、3b、141a、141b、121にて不具合が発生したことを検知することができる。
【0036】
また液処理装置1内の液処理ユニット2は、各液処理ユニットの列U1〜U4毎に異なる電源部5に接続されており、各電源部5は制御部6からの指示に基づいて液処理ユニットの列U1〜U4単位で各液処理ユニット2への電力の給断を行うことができるようになっている。
【0037】
制御部6の例えば記憶部62には停止・稼動制御プログラム621が記憶されており、例えば記憶部62に記憶されたグループ分けテーブル622を参照して、不具合の発生した機器2、3a、3b、141a、141b、121に応じて電力の供給を遮断する液処理ユニットの列U1〜U4を変更すると共に、停止対象とならなかった液処理ユニットの列U1〜U4内の液処理ユニット2を利用してウエハWの液処理を継続するように構成されている。
【0038】
図7は本例に係るグループ分けテーブル622の一例を示しており、当該テーブル622の各列には不具合の発生した機器を示し、各行には当該不具合発生機器に応じて停止する液処理ユニットの列U1〜U4を示してある。図中「○」は液処理ユニット2の稼動継続を示し、「×」は停止することを表している。
【0039】
図7のグループ分けテーブル622によれば、各液処理ユニットの列U1〜U4に含まれる液処理ユニット2にて不具合が発生したときには、当該液処理ユニット2を含む各液処理ユニットの列U1〜U4のみを停止し、他の列U1〜U4においては液処理ユニット2の稼動を継続する。停止した液処理ユニットの列U1〜U4以外の液処理ユニットの列U1〜U4の稼動を継続する点については、以下、他の機器の場合も同様である。
【0040】
プロセスアーム141a、141bに不具合があったときには、上段のプロセスアーム141a(図7には「PA1」と記載してある)の場合は液処理ユニットの列U1、U2の稼動を停止し、下段のプロセスアーム141b(同じく「PA2」と記載してある)の場合は液処理ユニットの列U3、U4の稼動を停止する。薬液供給ユニット3a、3b不具合発生時は、前方から見て右手の薬液供給ユニット3a(図7には「CU1」と記載してある)の場合に液処理ユニットの列U1、U3を停止、左手の薬液供給ユニット3b(同じく「CU2」と記載してある)では液処理ユニットの列U2、U4を停止する。
【0041】
また搬入出アーム121にて不具合が発生した場合には、後段のいずれの液処理ブロック14a、14bからもウエハWの搬入出を行うことができないので、全ての液処理ユニットの列U1〜U4が停止されることになる。
【0042】
以上に説明した構成を備えた液処理装置1の作用について以下に説明する。液処理装置1にて処理を開始すると、搬入出アーム121は載置ブロック11に載置されたFOUP7からウエハWを取り出し、第1の受け渡し棚133内にウエハWを載置する。昇降搬送機構134は、当該第1の受け渡し棚133からウエハWを取り出して、各液処理ブロック14a、14bに対応する第2の受け渡し棚131a、131bにウエハWを順次載置する。
【0043】
各液処理ブロック14a、14bではプロセスアーム141a、141bが第2の受け渡し棚131a、131bからウエハWを受け取り、液処理ユニット2の一つに進入して、当該ウエハWをウエハ保持機構23に受け渡す。ウエハWが保持されたらノズルアーム24をウエハW中央側の上方位置まで移動させ、インナーカップ22を処理位置まで上昇させて、ウエハ保持機構23によりウエハWを回転させながらウエハ保持機構23側のノズル及びウエハ保持機構23側の薬液供給路231よりウエハWの上下面両側にSC1液を供給する。これによりウエハWに薬液の液膜が形成されてアルカリ性薬液洗浄が行われる。
【0044】
アルカリ性薬液洗浄が終了すると、インナーカップ22が退避位置に移動し、またインナーカップ22及びウエハ保持機構23の薬液供給路231へDIWを供給することによりウエハW表面のSC1液を除去するリンス洗浄が実行される。
【0045】
リンス洗浄を終えたら振切乾燥実行し、しかる後、再びインナーカップ22を処理位置まで上昇させ、ウエハWを回転させながら、ノズルアーム24及びウエハ保持機構23の薬液供給路231より、ウエハWの上下面にDHF液を供給する。これによりこれらの面にDHF液の液膜が形成され、酸性薬液洗浄が行われる。そして所定時間の経過後、インナーカップ22を退避位置に下降させ、薬液の供給系統を純水に切り替えて再びリンス洗浄を行う。
【0046】
リンス洗浄の後、インナーカップ22を処理位置まで上昇させ、液処理ユニット2の上面にIPAを供給しながらウエハWを回転させ、IPAの揮発性を利用したIPA乾燥を実行する。これによりウエハW表面に残存するリンス後の純水が完全に除去される。しかる後、インナーカップ22を退避位置まで退避させ、不図示の搬入出口を開き、液処理ユニット2内にプロセスアーム141a、141bを進入させて処理後のウエハWを搬出する。
【0047】
液処理を終えたウエハWは搬入時とは逆の経路で第2の受け渡し棚131a、131b、昇降搬送機構134、第1の受け渡し棚133、搬入出アーム121へと受け渡され、載置ブロック11のFOUP7内に格納される。これらの動作を連続的に行うことにより液処理装置1は上下2段に設けられた液処理ブロック14a、14b内の合計24台の液処理ユニット2を並行して稼動させ、例えば液処理ブロック14aを1組(例えば液処理ユニット2が12台)備える従来の液処理装置と比較して単位時間により多くのウエハWを洗浄、乾燥することができる。
【0048】
以上に説明した動作に基づき、ウエハWの液処理を実行する液処理装置1の予め定められた機器において不具合が発生したときの動作を図8のフロー図及び図9〜図10を参照しながら説明する。
【0049】
まず液処理装置1は、稼動を開始した後(スタート)、例えば図6のブロック図に示した各機器2、3a、3b、141a、141b、121にて不具合が発生したか否かを監視し、不具合の発生がない場合には(ステップS101;NO)そのまま稼動を継続する。
【0050】
不具合が発生すると(ステップS101;YES)、その不具合が液処理ユニット2におけるものであるか否かを確認し、例えばウエハ保持機構23の回転駆動機構の停止やウエハWの受け渡し機構の不調など、液処理ユニット2における不具合である場合には(ステップS102;YES)、当該不具合のあった液処理ユニット2を含む液処理ユニットの列U1〜U4のみを停止し(ステップS105)不具合に対する対応動作を終える(エンド)。
【0051】
図9(a)は例えば液処理ユニットの列U1に含まれる液処理ユニット2にて不具合があった場合における各液処理ユニットの列U1〜U4の稼動状態を示しており、グレーで塗りつぶした液処理ユニットの列U1は停止していることを示している。このとき、残る3つの液処理ユニットの列U2〜U4では稼動を継続している一方、停止している液処理ユニットの列U1では例えば当該液処理ユニットの列U1の外装体を成す液処理ブロック14a、14bの筐体面に設けられたアクセス扉を開いて不具合のあった液処理ユニット2のメンテナンスを行うことができる。不具合のあった液処理ユニット2を含む液処理ユニットの列U1〜U4全体を停止することにより、メンテナンススタッフがアクセス扉の開放時に薬液の供給雰囲気に晒されることを避けることができる。
【0052】
図8のフロー図の説明に戻ると、液処理ユニット2の不具合でない場合には(ステップS102;NO)、次にその不具合がプロセスアーム141a、141bで発生したものであるかを確認する。例えば駆動機構の不具合など、プロセスアーム141a、141bで発生したものである場合には(ステップS103;YES)、グループ分けテーブル622に基づき当該プロセスアーム141a、141bと共に、これに対応する液処理ユニットの列U1、U2(または液処理ユニットの列U3、U4)を停止し(ステップS106)、不具合の対応動作を終える(エンド)。図9(b)は上段側のプロセスアーム141aで不具合が発生したときの各液処理ユニットの列U1〜U4の稼動状態を示している。
【0053】
不具合がプロセスアーム141a、141bでなければ(ステップS103;NO)、次にその不具合が薬液供給ユニット3a、3bで発生したものであるかを確認する。例えば循環タンク301のレベル低や供給ポンプ302の停止、フィルター303の圧力損失上昇など、薬液供給ユニット3a、3bにおける不具合の場合には(ステップS104;YES)、グループ分けテーブル622に基づき当該薬液供給ユニット3a、3bと共に、これに対応する液処理ユニットの列U1、U3(または液処理ユニットの列U2、U4)を停止し(ステップS108)不具合の対応動作を終える(エンド)。図10(a)は手前から見て右側の薬液供給ユニット3aで不具合が発生したときの各液処理ユニットの列U1〜U4の稼動状態を示している。ここで本実施の形態に係る液処理ユニット2の構成では、図5に示した切替弁43やマスフローコントローラ45、46などの不具合は液処理ユニット2担体の不具合(ステップS105)に含まれる。
【0054】
不具合が液処理ユニット2、受け渡し棚131a、131b、薬液供給ユニット3a、3bのいずれでもない場合には(ステップS104;NO)、搬入出アーム121の例えば駆動機構などの不具合であるので全液処理ユニットの列U1〜U4を停止(即ち液処理装置1全体を停止)して(ステップS107)不具合の対応動作を終える(エンド)。図10(b)は搬入出アーム121にて不具合が発生した場合の各液処理ユニットの列U1〜U4の稼動状態を示している。
【0055】
このように、不具合の発生した機器2、3a、3b、141a、141b、121に応じて当該不具合の影響を受ける液処理ユニット2についてのみ稼動を停止したら、例えばメンテナンススタッフが当該機器の不具合を解消し、稼動を開始可能な状態となったら、例えば制御部6に復帰信号を入力して、停止している液処理ユニットの列U1〜U4の稼動を再開する(スタート)。そして例えばプロセスアーム141a、141bの一方が停止している期間中に、さらに薬液供給ユニット3a、3bの一方が停止した場合であっても、残るプロセスアーム141b、141a、薬液供給ユニット3b、3aにて稼動を継続可能な液処理ユニットの列U1〜U2が1列残されており、この液処理ユニットの列U1〜U2内の液処理ユニット2にて液処理を継続することができる。
【0056】
本実施の形態に係る液処理装置1によれば以下の効果がある。各基板搬送機構で基板の受け渡しが行われる処理ユニットの列の組み合わせと、共通化された処理流体の各供給系に接続される処理ユニットの列の組み合わせとが互いに異なっている。このため、例えばプロセスアーム141a、141bの一方側で不具合が発生しても他方側のプロセスアーム141b、141aを用いてウエハWの液処理が継続可能であり、この状態のときに、さらに薬液供給ユニット3a、3bの一方側で不具合が発生したとしても、不具合の発生していないプロセスアーム141b、141a及び薬液供給ユニット3b、3aを使用してウエハWの液処理を継続可能な処理ユニットの列U1〜U4が残される。この結果、不具合の発生に対して液処理装置1全体を停止することなく、ウエハW処理を継続する可能性を高めることが可能になる。
【0057】
図11〜図13は第2の実施の形態に係る液処理装置1aの構成を示している。第2の実施の形態に係る液処理装置1aは受け渡しブロック13の後段に配置された2つの液処理ブロック14a、14bが前後方向に配置されている点が、液処理ブロック14a、14bを上下に積層した既述の液処理装置1と異なっている。言い替えると、液処理ブロック14b(第2の処理ブロック)は液処理ブロック14a(第1の処理ブロック)に対して受け渡しブロック13(基板搬入ブロック)とは反対側に設けられていることになる。図11〜図13に示した液処理装置1aにおいて、図1〜図3に示した液処理装置1と同様の構成要素には、これらの図と同じ符号を付してある。
【0058】
各液処理ブロック14a、14bには、中央の搬送路142a、142bを挟んで前方から見て左右に液処理ユニットの列U1〜U4が設けられており、各液処理ユニットの列U1〜U4内には、前後方向に2列、上下方向に3段の6台の液処理ユニット2が配置されている。従って本例の液処理装置1aには、前段側の液処理ブロック14aに12台、後段側の液処理ブロック14bに12台の計24台の液処理ユニット2が配置されていることになる。
【0059】
そして、前段側の液処理ブロック14aにおいては前方側から見て搬送路142aの右側に積み上げられた前後2列、上下3段に液処理ユニット2の列(U1)に含まれる液処理ユニット2、左側に同様に積み上げられた6台の液処理ユニット2の列(U2)に含まれる液処理ユニット2に対して共通のプロセスアーム141aを用いてウエハWの搬入出が行われる。また後段側の液処理ブロック14bでは前方側から見て搬送路142bの右側に積み上げられた6台液処理ユニット2の列(U3)に含まれる液処理ユニット2、左側に積み上げられた6台の液処理ユニット2の列(U4)に含まれる液処理ユニット2に対して共通のプロセスアーム141bを用いてウエハWの搬入出が行われる。
【0060】
一方、薬液供給ユニット3a、3bについては、図13に示すように前段の液処理ブロック14aの前方側から見て搬送路142a(プロセスアーム141a)の右手に設けられた液処理ユニットの列U1と、後段の液処理ブロック14bの搬送路142b(プロセスアーム141b)の右手に設けられた液処理ユニットの列U3とが共通の薬液供給ユニット3aに接続されている。一方、前段の液処理ブロック14aの同じく左手に設けられた液処理ユニットの列U2と、後段の液処理ブロック14bの左手に設けられた液処理ユニットの列U4とが共通の薬液供給ユニット3bに接続されている。
【0061】
液処理装置1aにおいては、受け渡しブロック13は1個の受け渡し棚131を備え、搬送ブロック12と液処理ブロック14a、14bとの間を搬送されるウエハWはいずれもこの受け渡し棚131に載置される。また前段の液処理ブロック14aと後段の液処理ブロック14bとの間には、受け渡しブロック15が設けられており、この受け渡しブロック15内に設けられた基板載置部である受け渡し棚151を介してこれら前後段間でのウエハWの受け渡しが行われる。なお、図13〜図16の各図では受け渡しブロック15の記載は省略してある
【0062】
さらに前段の液処理ブロック14aの例えば手前から見て右手の液処理ユニットの列U1の1段目の液処理ユニット2と2段目の液処理ユニット2との間には、これらの段間に設けられた空間内でウエハWを搬送すると共に、受け渡し棚131と前段の液処理ブロック14aに設けられたプロセスアーム141a及び、受け渡し棚151との間でウエハWの受け渡しを行う第1のブロック間搬送機構であるシャトルアーム143aが設けられている。
【0063】
一方、後段の液処理ブロック14bの例えば手前から見て右手の液処理ユニットの列U3の1段目の液処理ユニット2と2段目の液処理ユニット2との間には、これらの段間に設けられた空間内でウエハWを搬送すると共に、受け渡し棚151と後段の液処理ブロック14bに設けられたプロセスアーム141bとの間でウエハWの受け渡しを行う第2のブロック間搬送機構であるシャトルアーム143bが設けられている。
【0064】
これらの構成を備えることにより、前段の液処理ブロック14a内の液処理ユニット2にて液処理を行うために受け渡し棚131に載置されたウエハWは、シャトルアーム143a→プロセスアーム141aと受け渡されて各液処理ユニット2内に搬入されることになる。一方、後段の液処理ブロック14b内の液処理ユニット2にて液処理を行うために受け渡し棚131に載置されたウエハWは、シャトルアーム143a→受け渡し棚151→シャトルアーム143b→プロセスアーム141bと受け渡されて各液処理ユニット2内に搬入されるようになっている。
【0065】
かかる構成を備えた液処理装置1aの各機器2、3a、3b、141a、141b、143a、143b、121にて発生した不具合に応じた稼動状態について説明する。図14(a)は例えば液処理ユニットの列U1の最上段に設けられた液処理ユニット2で不具合が発生したときの稼動状態を示している。既述のようにメンテナンス用のアクセス扉が液処理ブロック14a、14bの段毎に設けられている場合には、液処理ユニットの列U1全体を停止する必要はなく、本例では不具合の発生した液処理ユニット2を含む液処理ユニットの列U1内のアクセス扉が共通する段の液処理ユニット2のみを停止している。
【0066】
プロセスアーム141a、141bの不具合発生時には、当該プロセスアーム141a、141bと共にその左右に設けられた液処理ユニットの列U1、U2(またはU3、U4)の稼動を停止する。図14(b)は前段側のプロセスアーム141aにおける不具合発生時の稼動状態を示している。
【0067】
薬液供給ユニット3a、3bの不具合発生時には、当該薬液供給ユニット3a、3bに接続された液処理ユニットの列U1、U3(またはU2、U4)の稼動を薬液供給ユニット3a、3bと共に停止する。図15(a)は手前から見て右手の薬液供給ユニット3aで不具合が発生した時の稼動状態を示している。
【0068】
次に前段の液処理ブロック14aに設けられたシャトルアーム143aにて不具合が発生した場合には、当該液処理ブロック14aのプロセスアーム141a及び後段の受け渡し棚151との間でウエハWの受け渡しをすることができなくなってしまう。このため図15(b)に示すように全液処理ユニットの列U1〜U4を停止することになる。本例では図示を省略したが、搬入出アーム121の停止の場合も同様である。
【0069】
一方、後段の液処理ブロック14bに設けられたシャトルアーム143bにて不具合が発生した場合には、当該シャトルアーム143bと受け渡し棚151との間でウエハWの受け渡しをすることができなくなるのみで前段側のシャトルアーム143aは液処理ブロック14aのプロセスアーム141aにウエハWを受け渡すことができる。従って液処理ブロック14bの液処理ユニットの列U3、U4のみが停止状態となる(図16)。
【0070】
ここで、第1の実施の形態に係る液処理装置1のように、上下方向に積層される液処理ブロック14a、14bの段数や、第2の実施の形態に係る液処理装置1aのように前後方向に並べて設けられる液処理ブロック14a、14bの数はこれらの例に示したものに限らず、例えば3段以上であってもよいし、3列以上であってもよく、例えば3列×3段といったように上下方向の積層と前後方向の列設を組み合わせてもよい。
【0071】
また第1の実施の形態に係る液処理装置1に示したように横方向にウエハWを搬送するプロセスアーム141a、141bを備えた液処理ブロック14a、14bを例えば受け渡しブロック15を介して前後方向に接続してもよいし、第2の実施の形態に示した液処理装置1aのように垂直方向にウエハWを搬送するプロセスアーム141a、141bを備えた液処理ブロック14a、14bを上下に積層する構成にしてもよい。さらには、工場内のレイアウト上許容される場合には、例えば液処理ブロック14a、14bを手前から見て左右方向に並べて受け渡しブロック13に接続し、互いに隣接する液処理ユニットの列U1〜U2同士の薬液供給ユニット3a、3bを共通化してもよい。
【0072】
また、上述の各実施の形態では、監視対象の各機器2、3a、3b、141a、141b、143a、143b、121において、不具合が発生したことを検知した場合に、グループ分けテーブル622の設定に基づいて選択した液処理ユニットの列U1〜U4を直ちに停止する例を示したが、停止時期はこれに限られるものではない。例えば液処理ユニット2の単体の不具合やプロセスアーム141a、141b、搬入出アーム121の不具合の場合には、停止対象の液処理ユニットの列U1〜U4内にも処理を継続可能な液処理ユニット2が含まれている。このような場合に、現在実行中のウエハWの処理を終えて、ウエハWを取り出し可能な状態としてから選択された液処理ユニットの列U1〜U4を停止する構成としてもよい。
【0073】
また例えばプロセスアーム141a、141bからもバッファ棚133へのアクセスが可能な構成としておき、例えば搬入出アーム121の不具合発生時には全液処理ユニットの列U1〜U4内でのウエハWの処理を終えて各液処理ユニット2からウエハWを取り出し、バッファ棚133にウエハWを格納してから液処理ユニットの列U1〜U4を停止してもよい。
【0074】
このほか、薬液供給ユニット3a、3bは、搬送路142a、142bを挟んで同じ方向に位置する液処理ユニットの列U1とU3、U2とU4にて共通化する場合に限らず、例えば搬送路142a、142bを挟んで交差するように液処理ユニットの列U1とU4、U3とU2にて共通化してもよい。
【0075】
さらに上述の各実施の形態では、制御部6にて各機器2、3a、3b、141a、141b、143a、143b、121の不具合発生を積極的に検知し、グループ分けテーブル622に基づいて選択した液処理ユニットの列U1〜U4の電源部5からの電力供給を遮断する場合について説明したが、各液処理ユニットの列U1〜U4はこのように積極的に電力供給を遮断することにより停止する場合に限定されない。例えばプロセスアーム141a、141bや搬入出アーム121の不具合の場合には、各液処理ユニット2はレシピに基づいてウエハWの処理を実行し、プロセスアーム141a、141bや搬入出アーム121が停止したことに起因してそれ以上シーケンスを進行させることができなくなった時点で、図7のグループ分けテーブル622に示した液処理ユニットの列U1〜U4が結果的に停止することになるようにしてもよい。薬液供給ユニット3a、3bの不具合の場合には、薬液供給ができなくなるので、電力供給を遮断しなくても不具合発生の時点でその薬液供給ユニット3a、3bに接続された液処理ユニットの列U1〜U4が停止することになる。
【0076】
また流体を使う処理は上述の液処理に限られるものではなく、例えばウエハWにHMDS(ヘキサメチルジシラザン)などの蒸気を供給してウエハWの表面を疎水化する処理装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0077】
U1〜U4 液処理ユニットの列
W ウエハ
1、1a 液処理装置
11 載置ブロック
12 搬入出ブロック
121 搬入出アーム
13 受け渡しブロック
14a、14b
液処理ブロック
141a、141b
プロセスアーム
143a、143b
シャトルアーム
3a、3b 薬液供給ユニット
5 電源部
6 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を収納した基板収納容器が載置される容器載置部と、この容器載置部に載置された基板収納容器に対して基板の受け渡しを行う受け渡し機構と、を含む基板搬入ブロックと、
この基板搬入ブロックに隣接して設けられ、当該基板搬入ブロックから受け取った基板を処理するための処理ブロックであって、基板を直線搬送路に沿って搬送するための第1の基板搬送機構と、この基板搬送機構の左右両側に各々設けられ、前記第1の基板搬送機構により基板の受け渡しが行われると共に基板に対して各々処理流体により同一の処理を行う複数の処理ユニットからなる処理ユニットの列と、を含む第1の処理ブロックと、
この第1の処理ブロックに隣接して設けられ、前記基板搬入ブロックから受け取った基板を処理するための処理ブロックであって、基板を直線搬送路に沿って搬送するための第2の基板搬送機構と、この基板搬送機構の左右両側に各々設けられ、前記第2の基板搬送機構により基板の受け渡しが行われると共に基板に対して各々前記処理ユニットと同一の処理を行う複数の処理ユニットからなる処理ユニットの列と、を含む第2の処理ブロックと、
前記第1の処理ブロックにおける左右の処理ユニットの列の一方と、前記第2の処理ブロックにおける左右の処理ユニットの列の一方と、に対して共通化された一方の処理流体の供給系と、
前記第1の処理ブロックにおける左右の処理ユニット列の他方と、前記第2の処理ブロックにおける左右の処理ユニットの列の他方と、に対して共通化された他方の処理流体の供給系と、
前記第1の処理ブロック及び第2の処理ブロックの一方の処理ブロックの基板搬送機構に不具合が発生したときには、他方の処理ブロックを使用して基板を処理し、一方の処理流体の供給系及び他方の処理流体の供給系のいずれかに不具合が発生したときには、不具合が発生していない処理流体の供給系が受け持つ処理ユニットの列を使用して基板を処理するように制御する制御部と、を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、処理ユニットのいずれかに不具合が発生したときには、当該処理ユニットが含まれる処理ユニットの列の使用を停止し、他の処理ユニットの列を使用して基板を処理するように制御することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1の処理ブロックと第2の処理ブロックとは、互に積層されていることを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第2の処理ブロックは第1の処理ブロックに対して基板搬入ブロックとは反対側に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1の処理ブロックと第2の処理ブロックとの間で基板の受け渡しを行うための基板載置部と、
前記基板搬入ブロックの受け渡し機構から受け取った基板を第1の処理ブロックまたは前記基板載置部に搬送するために前記第1の基板搬送機構とは別個に設けられた第1のブロック間搬送機構と、
前記基板載置部に載置された基板を第2の処理ブロックに搬送するために前記第2の基板搬送機構とは別個に設けられた第2のブロック間搬送機構と、を備えたことを特徴とする請求項4記載の基板処理装置。
【請求項1】
基板を収納した基板収納容器が載置される容器載置部と、この容器載置部に載置された基板収納容器に対して基板の受け渡しを行う受け渡し機構と、を含む基板搬入ブロックと、
この基板搬入ブロックに隣接して設けられ、当該基板搬入ブロックから受け取った基板を処理するための処理ブロックであって、基板を直線搬送路に沿って搬送するための第1の基板搬送機構と、この基板搬送機構の左右両側に各々設けられ、前記第1の基板搬送機構により基板の受け渡しが行われると共に基板に対して各々処理流体により同一の処理を行う複数の処理ユニットからなる処理ユニットの列と、を含む第1の処理ブロックと、
この第1の処理ブロックに隣接して設けられ、前記基板搬入ブロックから受け取った基板を処理するための処理ブロックであって、基板を直線搬送路に沿って搬送するための第2の基板搬送機構と、この基板搬送機構の左右両側に各々設けられ、前記第2の基板搬送機構により基板の受け渡しが行われると共に基板に対して各々前記処理ユニットと同一の処理を行う複数の処理ユニットからなる処理ユニットの列と、を含む第2の処理ブロックと、
前記第1の処理ブロックにおける左右の処理ユニットの列の一方と、前記第2の処理ブロックにおける左右の処理ユニットの列の一方と、に対して共通化された一方の処理流体の供給系と、
前記第1の処理ブロックにおける左右の処理ユニット列の他方と、前記第2の処理ブロックにおける左右の処理ユニットの列の他方と、に対して共通化された他方の処理流体の供給系と、
前記第1の処理ブロック及び第2の処理ブロックの一方の処理ブロックの基板搬送機構に不具合が発生したときには、他方の処理ブロックを使用して基板を処理し、一方の処理流体の供給系及び他方の処理流体の供給系のいずれかに不具合が発生したときには、不具合が発生していない処理流体の供給系が受け持つ処理ユニットの列を使用して基板を処理するように制御する制御部と、を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、処理ユニットのいずれかに不具合が発生したときには、当該処理ユニットが含まれる処理ユニットの列の使用を停止し、他の処理ユニットの列を使用して基板を処理するように制御することを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1の処理ブロックと第2の処理ブロックとは、互に積層されていることを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第2の処理ブロックは第1の処理ブロックに対して基板搬入ブロックとは反対側に設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1の処理ブロックと第2の処理ブロックとの間で基板の受け渡しを行うための基板載置部と、
前記基板搬入ブロックの受け渡し機構から受け取った基板を第1の処理ブロックまたは前記基板載置部に搬送するために前記第1の基板搬送機構とは別個に設けられた第1のブロック間搬送機構と、
前記基板載置部に載置された基板を第2の処理ブロックに搬送するために前記第2の基板搬送機構とは別個に設けられた第2のブロック間搬送機構と、を備えたことを特徴とする請求項4記載の基板処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2011−82279(P2011−82279A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232056(P2009−232056)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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