説明

基板処理装置

【課題】容易にメンテナンス作業を行うことができる基板処理装置を提供する。
【解決手段】基板処理装置は、基板に対して所定の処理を行う複数の処理部を有している。複数の処理部のうち少なくとも1つは、枠体710と、枠体710を固定する固定脚712と、引き出し方向に転動可能なメインローラ718を有し、長さが調整可能なキャスター脚714と、を備える。枠体710の引き出し時には、キャスター脚714を固定脚712よりも長くすることで、枠体710をキャスター脚714で支持するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、特に半導体ウェハなどの基板を平坦かつ鏡面状に研磨するために用いられる基板処理装置に関するものである。また、本発明は、かかる基板処理装置において用いられる基板搬送装置に関するものである。さらに、本発明は、かかる基板搬送装置や反転機において用いられる基板把持装置に関するものである。また、本発明は、上述した基板処理装置において用いられる薬液処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの高集積化が進むにつれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くなりつつある。特に線幅が0.5μm以下の光リソグラフィの場合、焦点深度が浅くなるためステッパーの結像面の平坦度を必要とする。このような半導体ウェハの表面を平坦化する一手段として、化学機械研磨(CMP)を行う研磨装置が知られている。
【0003】
この種の化学機械研磨(CMP)装置は、研磨布を上面に有する研磨テーブルとトップリングとを備えている。そして、研磨テーブルとトップリングとの間に研磨対象物(ウェハ)を介在させて、研磨布の表面に砥液(スラリ)を供給しつつ、トップリングによって研磨対象物を研磨テーブルに押圧して、研磨対象物の表面を平坦かつ鏡面状に研磨している。
【0004】
このような研磨装置をはじめとする基板処理装置においては、基板処理プロセスのタクトタイムを向上することが求められている。また、最近では、容易にメンテナンス作業を行うことができる基板処理装置が要望されている。
【0005】
上記基板処理装置においては、基板を搬送するために基板搬送装置が用いられるが、これらの基板搬送装置のタクトタイムを短縮して、基板処理プロセス全体のタクトタイムを向上することが求められている。さらに、これらの基板搬送装置の部品の数を少なくして構造をシンプルにし、コストダウンを図ることも要望されている。
【0006】
また、基板処理装置においては、基板を把持した状態でそれぞれの処理を行うために基板把持装置が各部に設けられる。従来の基板把持装置では、基板の大きさが異なると確実に基板を把持することが難しいという問題があった。
【0007】
さらに、上述した基板処理装置においては各種の薬液が用いられ、これらの薬液を基板処理装置の各部に供給するために薬液供給装置が設けられる。このような薬液供給装置については、その設置スペースを小さくしてコストダウンを図るとともに、メンテナンスの作業性を向上することが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、容易にメンテナンス作業を行うことができる基板処理装置を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、基板処理プロセスのタクトタイムを向上することができる基板処理装置を提供することを第2の目的とする。
さらに、本発明は、部品の数を少なくして構造をシンプルにし、コストダウンを図ることができる基板搬送装置を提供することを第3の目的とする。
また、本発明は、基板処理プロセスのタクトタイムを向上することができる基板搬送装置を提供することを第4の目的とする。
さらに、本発明は、確実に基板を把持することができる基板把持装置を提供することを第5の目的とする。
また、本発明は、設置スペースを小さくしてコストダウンを図るとともに、メンテナンスの作業性を向上することができる薬液供給装置を提供することを第6の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、容易にメンテナンス作業を行うことができる基板処理装置が提供される。この基板処理装置は、基板に対して所定の処理を行う複数の処理部を備えている。上記複数の処理部のうち少なくとも1つは、枠体と、上記枠体を固定する固定脚と、引き出し方向に転動可能なメインローラを有し、長さが調整可能なキャスター脚とを備え、前記枠体の引き出し時には、前記キャスター脚を前記固定脚よりも長くすることで、前記枠体を前記キャスター脚で支持するように構成されている。このような構成によれば、複数の処理部のうち少なくとも1つを他の処理部から容易に取り外すことができ、メンテナンス作業が容易になる。
【0010】
上記キャスター脚は、隣接する部材に当接するサイドローラを有することが好ましい。また、上記枠体は、該枠体に隣接して設けられた上記引き出し方向に延びる一対のガイド体の間に配置される突起部を有していてもよい。
【0011】
本発明の一参考例によれば、基板処理プロセスのタクトタイムを向上することができる基板処理装置が提供される。この基板処理装置は、基板に対して所定の処理を行う複数の処理部と、上記複数の処理部間で上記基板を搬送する基板搬送機構とを備えている。上記基板搬送機構は、上記基板を把持する基板把持機構と、上記複数の処理部のうち1つの処理部の筐体のフレームに沿って上記基板把持機構を上下動させる上下動機構と、上記フレームを中心としてまたは上記フレームに隣接する軸を中心として上記基板把持機構を旋回させる旋回機構とを備えている。
【0012】
このような基板搬送機構は、従来の搬送ロボットのようにアームを伸縮させる必要がなく、上下動機構、旋回機構、および基板把持機構によって構成することができるので、基板搬送機構の構成を簡略化することができ、小さな荷重で駆動することができる。したがって、基板の搬送が迅速化され、基板処理プロセスのタクトタイムが向上する。また、研磨部などの処理部のフレームを利用して基板搬送機構を構成しているので、アームの伸び縮みのスペースが必要なくなり、基板搬送機構を小型化してその設置面積を小さくすることができる。また、基板搬送機構の剛性を高くすることができる。
【0013】
本発明の他の参考例によれば、基板処理プロセスのタクトタイムを向上することができる基板処理装置が提供される。この基板処理装置は、基板に対して第1の処理を行う第1の処理部と、上記第1の処理部で処理された基板を反転する反転機と、上記反転機で反転された基板に対して第2の処理を行う第2の処理部とを備えている。上記反転機は、上記基板を把持する把持部と、上記把持部により把持された基板を反転する反転機構と、上記把持部の下方に上下動可能に配置され、上記反転機構により反転された基板を保持する仮置部とを備えている。このような仮置部は基板を搬送する際のバッファとして利用することができるので、基板処理プロセスのタクトタイムを向上することができる。
【0014】
上記基板処理装置は、上記第1の処理部または上記第2の処理部と上記反転機の上記把持部または上記仮置部との間で上記基板を受け渡しする基板搬送機構をさらに備えていてもよい。
【0015】
本発明のさらに他の参考例によれば、基板処理プロセスのタクトタイムを向上することができる基板処理装置が提供される。この基板処理装置は、基板に対して所定の処理を行う複数の処理部と、上記複数の処理部間で上記基板を搬送する基板搬送機構とを備えている。上記基板搬送機構は、上記基板を水平に保持した状態で該基板の表面に平行な一方向に沿って上記基板を所定の処理部間で搬送する水平搬送機構と、上記所定の処理部をスキップするように、上記基板を垂直に保持した状態で上記一方向に沿って上記基板を搬送する垂直搬送機構とを備えている。
【0016】
このような基板処理装置によれば、ある処理部からのコンタミネーションの影響を受けることなく、クリーンな状態で基板を別の処理部に搬送することができる。また、水平搬送機構による搬送と垂直搬送機構による搬送とを別ルートで行うことができるので、基板搬送機構における基板の滞留を抑えることができる。したがって、基板処理プロセスのタクトタイムが向上する。
【0017】
本発明のさらに他の参考例によれば、容易にメンテナンス作業を行うことができる基板処理装置が提供される。この基板処理装置は、基板に対して所定の処理を行う複数のユニットを枠体に収容している。上記枠体は、上記ユニットの脚に取り付けられたスライドブロックを摺動させる例えば樹脂からなるプレートと、上記プレート上を摺動されるスライドブロックを引き出し方向にガイドするガイド体とを備えている。このような構成によれば、基板に対して所定の処理を行うユニットを基板処理装置から容易に取り外すことができ、メンテナンス作業が容易になる。
【0018】
本発明のさらに他の参考例によれば、部品の数を少なくして構造をシンプルにし、コストダウンを図ることができる基板搬送装置が提供される。この基板搬送装置は、基板を保持するトップリングを保持するガイドステージと、上記ガイドステージに対して上下動可能なプッシュステージと、上記ガイドステージを上下動させるボールスプライン機構を有するシリンダと、上記ガイドステージのセンタリングを行うリニアウェイとを備えている。このような構成により、基板搬送装置の部品の数を少なくして構造をシンプルにすることができ、コストダウンを図ることができる。
【0019】
本発明のさらに他の参考例によれば、基板処理プロセスのタクトタイムを向上することができる基板搬送装置が提供される。この基板搬送装置は、基板の中心を挟んで互いに対向し、上記基板の外周部を把持する一対の把持部を有する複数のチャッキングユニットと、上記一対の把持部を互いに近接する方向または互いに離間する方向に開閉させる開閉機構と、上記把持部を上記チャッキングユニットの配列方向に沿った軸を中心として回転させる回転機構と、上記複数のチャッキングユニットを上下動させる上下動機構と、上記複数のチャッキングユニットを上記チャッキングユニットの配列方向に沿って移動させる移動機構とを備えている。
【0020】
このような構成により、複数の基板を複数のチャッキングユニットにより同時に搬送することができる。また、基板搬送装置により基板を搬送し終わった後、処理部の外部に把持部を出すことで、処理部の内部では処理を行いつつ、基板搬送装置を所望の待機位置に移動させることができる。したがって、処理部における処理の開始時間を早くすることができ、タクトタイムを向上することができる。
【0021】
本発明のさらに他の参考例によれば、基板に対して所定の処理を行う処理部と、基板を上記処理部に搬入および搬送する上記基板搬送装置と、を備えた基板処理装置が提供される。上記処理部は、基板を保持して回転させる複数のローラと、上記基板搬送装置によって搬送された基板の上下方向の移動を許容しつつ、水平方向の移動を規制する複数の位置決めガイドとを有する。上記複数のローラは、基板が載置される支持部をそれぞれ有する。
【0022】
本発明のさらに他の参考例によれば、基板に対して所定の処理を行う複数の処理部と、上記複数の処理部間で上記基板を搬送する上記基板搬送装置と、を備えた基板処理装置が提供される。上記基板搬送装置は、上記把持部により上記基板を上記処理部に受け渡し、上記把持部を上記処理部から出した後に上記把持部を回転させ、その後上記把持部を所定の位置に移動させる。
【0023】
本発明のさらに他の参考例によれば、確実に基板を把持することができる基板把持装置が提供される。この基板把持装置は、基板の外周部に接触する少なくとも2つのチャック機構を有し、上記基板の中心を挟んで互いに対向する一対の把持部と、上記一対の把持部を互いに近接する方向または互いに離間する方向に開閉させる開閉機構とを備えている。
【0024】
このような構成の基板把持装置によれば、一対の把持部を1方向に互いに反対向きに移動することによって基板の把持とリリースとを行うことができるので、確実に基板を把持することができる。
【0025】
上記基板の外周部に点接触するコマ、あるいは上記基板の外周部に線接触するチャック部により上記チャック機構を構成してもよい。この場合において、上記チャック部は、上記基板の径方向内側から外側に向かって次第に高くなる傾斜面と、上記傾斜面の最外周に設けられた突起部とを有することが好ましい。
【0026】
本発明のさらに他の参考例によれば、設置スペースを小さくしてコストダウンを図るとともに、メンテナンスの作業性を向上することができる薬液供給装置が提供される。この薬液供給装置は、薬液を供給する薬液供給配管と、上記薬液供給配管を流れる薬液の圧力を検出する圧力センサと、上記薬液供給配管を流れる薬液の流量を調整する第1のエアオペレートバルブと、上記薬液供給配管に純水を供給する純水供給配管と、上記純水供給配管を流れる純水の流量を調整する第2のエアオペレートバルブと、上記薬液供給配管を流れる薬液が上記純水供給配管に逆流することを防止するチェッキ弁と、使用しない薬液を上記薬液供給配管から戻す薬液戻し配管と、上記薬液戻し配管を流れる薬液の流量を調整する第3のエアオペレートバルブとを同一のユニット内に備えている。
【0027】
このような薬液供給装置によれば、圧力センサ、第1、第2、第3のエアオペレートバルブ、チェッキ弁などを一体化しているので、設置スペースが小さくなり、コストダウンを図ることができる。また、これらの部材が1箇所に集まるので、メンテナンスの作業性が向上する。
【0028】
本発明のさらに他の参考例によれば、基板に対して所定の処理を行う複数の処理部と、前記複数の処理部間で前記基板を搬送する基板搬送機構とを有する基板処理装置が提供される。上記基板搬送機構は、基板の中心に向かって延びる上側突起部と下側突起部とを有する突起部と、上記下側突起部の上面に上記基板の外周部を載置した後、退避する搬送ロボットと、上記突起部を上記基板の中心に向かって開閉させ、上記下側突起部の上面に上記基板の外周部が載置されたときに上記突起部を閉じる開閉機構とを備えている。
【0029】
上述したように、本発明によれば、基板処理プロセスのタクトタイムを向上することができる。また、容易にメンテナンス作業を行うことができる。さらに、基板搬送装置の部品の数を少なくして構造をシンプルにし、コストダウンを図ることができる。また、基板把持装置により確実に基板を把持することができる。さらに、薬液供給装置の設置スペースを小さくしてコストダウンを図るとともに、メンテナンスの作業性を向上することできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の一実施形態における基板処理装置としての研磨装置の全体構成を示す平面図である。
【図2】図2は、図1に示す研磨装置の概要を示す斜視図である。
【図3】図3(a)および図3(b)は、図1に示す研磨装置のフロントロード部を示す図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は側面図である。
【図4】図4は、図1に示す研磨装置の搬送ロボットを示す側面図である。
【図5】図5は、本発明の他の実施形態における搬送ロボットのハンドを示す平面図である。
【図6】図6は、図1に示す研磨装置のトップリングの構造を示す部分的に断面された側面図である。
【図7】図7は、図1に示す研磨装置のドレッサを示す縦断面図であり、ダイヤモンドドレッサを示す。
【図8】図8は、図1に示す研磨装置のドレッサを示す縦断面図であり、ブラシドレッサを示す。
【図9】図9は、図1に示す研磨装置におけるスイングトランスポータおよび洗浄部の反転機を示す斜視図である。
【図10】図10は、図1に示す研磨装置の第1リニアトランスポータを示す正面図である。
【図11】図11は、図10の平面図である。
【図12】図12は、図1に示す研磨装置の第2リニアトランスポータを示す正面図である。
【図13】図13は、図12の平面図である。
【図14】図14は、図1に示す研磨装置における第1研磨部の反転機を示す斜視図である。
【図15】図15は、図14の平面図である。
【図16】図16は、図14の側面図である。
【図17】図17は、図14の反転機の開閉機構を示す縦断面図である。
【図18】図18は、図14の反転機の開閉機構を示す縦断面図である。
【図19】図19は、図15のXIX-XIX線断面図である。
【図20】図20は、図14の反転機のウェハ受取時の状態を示す平面図である。
【図21】図21は、図20の反転機のウェハ受取時の状態を示す斜視図である。
【図22】図22は、図14の反転機のウェハ反転時の状態を示す斜視図である。
【図23】図23は、図1に示す研磨装置における洗浄部の反転機の仮置部を示す斜視図である。
【図24】図24は、図23の仮置部が上昇した状態を示す斜視図である。
【図25】図25は、図1に示す研磨装置のリフタを示す縦断面図である。
【図26】図26は、図1に示す研磨装置のプッシャの縦断面図である。
【図27】図27は、図1に示す研磨装置の搬送ユニットを示す斜視図である。
【図28】図28(a)および図28(b)は、図27に示す搬送ユニットの動作を示す模式図である。
【図29】図29は、図27に示す搬送ユニットのアームを持ち上げた状態を示す斜視図である。
【図30】図30(a)および図30(b)は、図27に示す搬送ユニットの動作の説明に付する図であり、図30(a)は横断面図、図30(b)は縦断面図である。
【図31】図31(a)は、図27に示す搬送ユニットの待機時の状態を模式的に示す側面図である。図31(b)は、図31(a)の背面図である。
【図32】図32(a)は、図27に示す搬送ユニットの移動時の状態を模式的に示す側面図である。図32(b)は、図32(a)の背面図である。図32(c)は、図27に示す搬送ユニットの移動時の状態を模式的に示す側面図である。図32(d)は、図32(c)の背面図である。
【図33】図33は、1次洗浄機42を模式的に示す斜視図である。
【図34】図34は、1次洗浄機42を模式的に示す平面図である。
【図35】図35は、1次洗浄機42にウェハが搬入されるときの動作を示す模式図である。
【図36】図36は、1次洗浄機42のローラ(肩部)にウェハが載置されるときの動作を示す模式図である。
【図37】図37は、ウェハが保持されるときの動作を示す模式図である。
【図38】図38は、ウェハが保持され、処理されるときの動作を示す模式図である。
【図39】図39(a)から図39(d)は、ウェハをシリーズ処理する場合の第1リニアトランスポータの動作を示す模式図である。
【図40】図40(a)から図40(d)は、ウェハをシリーズ処理する場合の第1リニアトランスポータの動作を示す模式図である。
【図41】図41(a)から図41(d)は、ウェハをシリーズ処理する場合の第1リニアトランスポータの動作を示す模式図である。
【図42】図42(a)から図42(d)は、ウェハをシリーズ処理する場合の第1リニアトランスポータの動作を示す模式図である。
【図43】図43(a)から図43(d)は、ウェハをシリーズ処理する場合の第2リニアトランスポータの動作を示す模式図である。
【図44】図44(a)から図44(d)は、ウェハをシリーズ処理する場合の第2リニアトランスポータの動作を示す模式図である。
【図45】図45(a)から図45(e)は、ウェハをシリーズ処理する場合の第2リニアトランスポータの動作を示す模式図である。
【図46】図46(a)から図46(d)は、ウェハをパラレル処理する場合の第1リニアトランスポータの動作を示す模式図である。
【図47】図47(a)から図47(d)は、ウェハをパラレル処理する場合の第1リニアトランスポータの動作を示す模式図である。
【図48】図48(a)から図48(e)は、ウェハをパラレル処理する場合の第1リニアトランスポータの動作を示す模式図である。
【図49】図49(a)から図49(d)は、ウェハをパラレル処理する場合の第2リニアトランスポータの動作を示す模式図である。
【図50】図50(a)から図50(d)は、ウェハをパラレル処理する場合の第2リニアトランスポータの動作を示す模式図である。
【図51】図51(a)から図51(e)は、ウェハをパラレル処理する場合の第2リニアトランスポータの動作を示す模式図である。
【図52】図52は、図1に示す研磨装置の変形例を示す模式図である。
【図53】図53は、図1に示す研磨装置の枠体の構成を示す斜視図である。
【図54】図54は、図53に示す洗浄部の枠体の下部を示す模式図である。
【図55】図55は、図53に示す洗浄部の枠体に取り付けられるキャスター脚を示す斜視図である。
【図56】図56は、図53に示す洗浄部の枠体を引き出すときの状態を示す斜視図である。
【図57】図57は、図53に示す洗浄部の枠体の下部を示す模式図である。
【図58】図58は、図53に示す洗浄部の枠体に隣接して設けられるガイド体を示す模式図である。
【図59】図59は、図53に示す洗浄部の構造を示す斜視図である。
【図60】図60は、図59に示す1つの洗浄部の取付構造を示す斜視図である。
【図61】図61は、図1に示す研磨装置の薬液供給装置を示すブロック図である。
【図62】図62は、図61の薬液供給装置を示す縦断面図である。
【図63】図63は、図61の薬液供給装置を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係る研磨装置の一実施形態について図1から図63を参照して詳細に説明する。なお、図1から図63において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0032】
図1は本発明の一実施形態に係る研磨装置の全体構成を示す平面図、図2は図1に示す研磨装置の概要を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態における研磨装置は、略矩形状のハウジング1を備えており、ハウジング1の内部は隔壁1a,1b,1cによってロード/アンロード部2と研磨部3(3a,3b)と洗浄部4とに区画されている。これらのロード/アンロード部2、研磨部3a,3b、および洗浄部4は、それぞれ独立に組み立てられ、独立に排気されるものである。
【0033】
ロード/アンロード部2は、多数の半導体ウェハをストックするウェハカセットを載置する2つ以上(本実施形態では4つ)のフロントロード部20を備えている。これらのフロントロード部20は、研磨装置の幅方向(長手方向と垂直な方向)に隣接して配列されている。フロントロード部20には、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載することができる。ここで、SMIF、FOUPは、内部にウェハカセットを収納し、隔壁で覆うことにより、外部空間とは独立した環境を保つことができる密閉容器である。
【0034】
また、ロード/アンロード部2には、フロントロード部20の並びに沿って走行機構21が敷設されており、この走行機構21上にウェハカセットの配列方向に沿って移動可能な搬送ロボット22が設置されている。搬送ロボット22は走行機構21上を移動することによってフロントロード部20に搭載されたウェハカセットにアクセスできるようになっている。この搬送ロボット22は上下に2つのハンドを備えており、例えば、上側のハンドをウェハカセットに半導体ウェハを戻すときに使用し、下側のハンドを研磨前の半導体ウェハを搬送するときに使用して、上下のハンドを使い分けることができるようになっている。
【0035】
ロード/アンロード部2は最もクリーンな状態を保つ必要がある領域であるため、ロード/アンロード部2の内部は、装置外部、研磨部3、および洗浄部4のいずれよりも高い圧力に常時維持されている。また、搬送ロボット22の走行機構21の上部には、HEPAフィルタやULPAフィルタなどのクリーンエアフィルタを有するフィルタファンユニット(図示せず)が設けられており、このフィルタファンユニットによりパーティクルや有毒蒸気、ガスが除去されたクリーンエアが常時下方に向かって吹き出している。
【0036】
研磨部3は、半導体ウェハの研磨が行われる領域であり、第1研磨ユニット30Aと第2研磨ユニット30Bとを内部に有する第1研磨部3aと、第3研磨ユニット30Cと第4研磨ユニット30Dとを内部に有する第2研磨部3bとを備えている。これらの第1研磨ユニット30A、第2研磨ユニット30B、第3研磨ユニット30C、および第4研磨ユニット30Dは、図1に示すように、装置の長手方向に沿って配列されている。
【0037】
図1に示すように、第1研磨ユニット30Aは、研磨面を有する研磨テーブル300Aと、半導体ウェハを保持しかつ半導体ウェハを研磨テーブル300Aに対して押圧しながら研磨するためのトップリング301Aと、研磨テーブル300Aに研磨液やドレッシング液(例えば、水)を供給するための研磨液供給ノズル302Aと、研磨テーブル300Aのドレッシングを行うためのドレッサ303Aと、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素)の混合流体または液体(例えば純水)を霧状にして、1または複数のノズルから研磨面に噴射するアトマイザ304Aとを備えている。また、同様に、第2研磨ユニット30Bは、研磨テーブル300Bと、トップリング301Bと、研磨液供給ノズル302Bと、ドレッサ303Bと、アトマイザ304Bとを備えており、第3研磨ユニット30Cは、研磨テーブル300Cと、トップリング301Cと、研磨液供給ノズル302Cと、ドレッサ303Cと、アトマイザ304Cとを備えており、第4研磨ユニット30Dは、研磨テーブル300Dと、トップリング301Dと、研磨液供給ノズル302Dと、ドレッサ303Dと、アトマイザ304Dとを備えている。
【0038】
第1研磨部3aの第1研磨ユニット30Aおよび第2研磨ユニット30Bと洗浄部4との間には、長手方向に沿った4つの搬送位置(ロード/アンロード部2側から順番に第1搬送位置TP1、第2搬送位置TP2、第3搬送位置TP3、第4搬送位置TP4とする)の間でウェハを搬送する第1リニアトランスポータ5が配置されている。この第1リニアトランスポータ5の第1搬送位置TP1の上方には、ロード/アンロード部2の搬送ロボット22から受け取ったウェハを反転する反転機31が配置されており、その下方には上下に昇降可能なリフタ32が配置されている。また、第2搬送位置TP2の下方には上下に昇降可能なプッシャ33が、第3搬送位置TP3の下方には上下に昇降可能なプッシャ34がそれぞれ配置されている。なお、第3搬送位置TP3と第4搬送位置TP4との間にはシャッタ12が設けられている。
【0039】
また、第2研磨部3bには、第1リニアトランスポータ5に隣接して、長手方向に沿った3つの搬送位置(ロード/アンロード部2側から順番に第5搬送位置TP5、第6搬送位置TP6、第7搬送位置TP7とする)の間でウェハを搬送する第2リニアトランスポータ6が配置されている。この第2リニアトランスポータ6の第6搬送位置TP6の下方にはプッシャ37が、第7搬送位置TP7の下方にはプッシャ38が配置されている。なお、第5搬送位置TP5と第6搬送位置TP6との間にはシャッタ13が設けられている。
【0040】
研磨時にはスラリを使用することを考えるとわかるように、研磨部3は最もダーティな(汚れた)領域である。したがって、本実施形態では、研磨部3内のパーティクルが外部に飛散しないように、各研磨テーブルの周囲から排気が行われており、研磨部3の内部の圧力を、装置外部、周囲の洗浄部4、ロード/アンロード部2よりも負圧にすることでパーティクルの飛散を防止している。また、通常、研磨テーブルの下方には排気ダクト(図示せず)が、上方にはフィルタ(図示せず)がそれぞれ設けられ、これらの排気ダクトおよびフィルタを介して清浄化された空気が噴出され、ダウンフローが形成される。
【0041】
各研磨ユニット30A,30B,30C,30Dは、それぞれ隔壁で仕切られて密閉されており、密閉されたそれぞれの研磨ユニット30A,30B,30C,30Dから個別に排気が行われている。したがって、半導体ウェハは、密閉された研磨ユニット30A,30B,30C,30D内で処理され、スラリの雰囲気の影響を受けないため、良好な研磨を実現することができる。各研磨ユニット30A,30B,30C,30D間の隔壁には、図1に示すように、リニアトランスポータ5,6が通るための開口が開けられている。この開口にはそれぞれシャッタを設けて、ウェハが通過する時だけシャッタを開けるようにしてもよい。
【0042】
洗浄部4は、研磨後の半導体ウェハを洗浄する領域であり、ウェハを反転する反転機41と、研磨後の半導体ウェハを洗浄する4つの洗浄機42〜45と、反転機41および洗浄機42〜45の間でウェハを搬送する搬送ユニット46とを備えている。これらの反転機41および洗浄機42〜45は、長手方向に沿って直列に配置されている。また、これらの洗浄機42〜45の上部には、クリーンエアフィルタを有するフィルタファンユニット(図示せず)が設けられており、このフィルタファンユニットによりパーティクルが除去されたクリーンエアが常時下方に向かって吹き出している。また、洗浄部4の内部は、研磨部3からのパーティクルの流入を防止するために研磨部3よりも高い圧力に常時維持されている。
【0043】
図1に示すように、第1リニアトランスポータ5と第2リニアトランスポータ6との間には、第1リニアトランスポータ5、第2リニアトランスポータ6、および洗浄部4の反転機41の間でウェハを搬送するスイングトランスポータ(ウェハ搬送機構)7が配置されている。このスイングトランスポータ7は、第1リニアトランスポータ5の第4搬送位置TP4から第2リニアトランスポータ6の第5搬送位置TP5へ、第2リニアトランスポータ6の第5搬送位置TP5から反転機41へ、第1リニアトランスポータ5の第4搬送位置TP4から反転機41にそれぞれウェハを搬送できるようになっている。
【0044】
次に、ロード/アンロード部2のフロントロード部20について説明する。図3(a)および図3(b)はフロントロード部20を示す図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は側面図である。図3(a)および図3(b)に示すように、フロントロード部20は、ウェハカセット200を装置に搭載するためのロード/アンロードステージ201を備えている。このロード/アンロードステージ201はウェハカセット200の下面の形状にあわせたブロックによる位置決め機構を有しており、繰り返しカセットを載せても常に同じ位置になるよう構成されている。また、正しい位置にウェハカセット200が搭載された場合には、ボタン式のセンサによりカセット200の存在を検知する。同時にそのときウェハがカセット200からある一定長飛び出した場合に遮光されるように透過型光センサ202をカセット200の上下に配置することで、ウェハの飛び出しを検知し、カセット200のスロットにウェハが正しく収まっているかどうかを検知する。飛び出しを検知した場合は、インターロックが作動し、搬送ロボット22やサーチ機構203等がフロントロード部20に対してアクセスできないように制御する。なお、ウェハの飛び出しを検知する方法としては、CCDカメラに取り込んだ画像を分析することによってウェハの飛び出しを検知したり、ウェハの端面に投光した光の反射光を検知する反射型センサを用いてウェハの飛び出しを検知したりしてもよい。
【0045】
各ロード/アンロードステージ201の下にはダミーウェハステーション204が配置されている。ダミーウェハステーション204は、ウェハを各1枚以上載置することが可能であり、製品ウェハを処理する前に研磨面の状態を安定した状態にするのに使用するダミーウェハや、装置の状態を確認するために搬送させるQCウェハなどを入れる。ダミーウェハステーション204内には、ウェハ有無検知用のセンサ205が設置されており、ウェハの存在を確認することができるようになっている。カセット200が載置されていない場合にはステーションの上部に構成されるロード/アンロードステージ201を持ち上げて、手作業にてダミーウェハステーション204にウェハを載せることも可能になっている。標準的にダミーウェハステーション204へウェハを搭載する方法としては、ウェハを挿入したカセット200を、任意のロード/アンロードステージ201に載せた後、ウェハのサーチを行い、どのウェハをどのダミーウェハステーション204に送るかをコントロールパネルより指示すれば、カセット200とダミーウェハステーション204の双方にアクセス可能な搬送ロボット22によって、ウェハをカセット200からダミーウェハステーション204へ移送する方法がとられる。また、フロントロード部20のうちの1つにダミーウェハを載置して、このフロントロード部をダミーウェハステーションとして用いてもよい。
【0046】
ロード/アンロードステージ201の下部(ダミーウェハステーションがある場合はさらにその下)には、ウェハサーチ機構203を備えている。サーチ機構203は駆動源(パルスモータ)206により、上下にストローク可能で、その先端には、ウェハサーチセンサ207が配置されている。サーチ機構203はウェハサーチ動作中以外には装置内部に待機していて、他の動作部分との干渉を防いでいる。サーチセンサ207は、フロントロード部20側面からみて、光線がカセット200内を水平に貫通するように向かい合って配置される。ウェハサーチ時にはサーチ機構203がダミーウェハステーション204の下からカセット200の最終スロット上部まで往復し、ウェハによって光線が遮光された回数をカウントし、ウェハの枚数をカウントするとともにその位置を駆動源のパルスモータ206のパルスから検知して、カセット200内のどのスロットにウェハがあるのかを判断する。また、あらかじめカセット200のスロット間隔を入力しておき、その間隔以上のパルス間でセンサ207の光線が遮光された場合にはウェハが斜めに挿入されていることを検知するウェハ斜め検知機能も有している。
【0047】
また、ウェハカセットの開口部と装置の間には、シリンダにより上下に駆動されるシャッタ208が配置され、カセット搭載エリアと装置内を遮断する。このシャッタ208はカセットに対して搬送ロボット22がウェハを出し入れしている場合を除き、閉じられている。さらに、装置前面に対して複数並べられたロード/アンロードステージ201の間にはそれぞれ隔壁209が設けられている。これにより、処理終了後のカセット交換作業中、隣のカセットが稼働中でも作業者が誤って触れることなくカセットにアクセスすることができる。
【0048】
また、フロントロード部20の前面は扉210により装置外部と遮られている。この扉210には、ロック機構および開閉判別用のセンサ211が設けられており、処理中に扉210をロックすることにより、カセットの保護と人体への危険を未然に防止している。また、扉210が一定時間開いたままになっているときにアラーム(警報)を発するようになっている。
【0049】
ここで、カセットをフロントロード部20へ載置する方法としては、以下の2通りがある。
(1)ウェハが収納されたカセット200をそのまま載置台へ置く方法。これはクリーンルームのフロントロード部20に面している部屋が比較的清浄な状態にある場合、例えば、クラス100以下のときにとられる方法である。
(2)クリーンルームのフロントロード部20に面した部屋が比較的ダーティな(汚れた)状態にある場合、例えば、クラス1000以上のときにはカセット200をクラス100程度に管理された箱の中に入れ、クリーンルーム内を搬送し、そのままフロントロード部20へ載置する方法がとられる。
(1)の手段をとる場合には、フロントロード部20にフィルタファンユニット212を設けることでカセットの載置される場所を特に清浄な状態に保つことが好ましい。
【0050】
次に、ロード/アンロード部2の搬送ロボット22について説明する。図4は、搬送ロボット22を示す側面図である。図4に示すように、搬送ロボット22は、旋回のためのθ軸220、上ハンド伸縮のためのR1軸221−1、下ハンド伸縮のためのR2軸221−2、上下移動のためのZ軸222、カセットの並び方向の走行のためのX軸223を有している。なお、ロボットのZ軸222は、ロボットボディ224に組み込んであってもよい。
【0051】
上下のハンドはともに真空ラインを有しており、真空吸着ハンドとして使用することができる。この吸着型ハンドは、カセット内のウェハのずれに関係なく正確にウェハを搬送することができる。また、これらのハンドとして、ウェハの周縁部を保持する落とし込み型ハンドを用いることもできる。この落とし込み型ハンドは、吸着型ハンドのようにゴミを集めてこないので、ウェハの裏面のクリーン度を保ちながらウェハを搬送することができる。したがって、この落とし込み型ハンドを、洗浄機45からウェハを取り出し、フロントロード部20のウェハカセットに収納するまでの搬送工程、すなわち、洗浄終了後のウェハの搬送に使用すると効果的である。さらに、上側のハンドを落とし込み型ハンドとすれば、洗浄後のクリーンなウェハをそれ以上汚さないようにできる。図4は、上側のハンドとして落とし込み型ハンド225を使用し、下側のハンドとして吸着型ハンド226を使用した例を示している。
【0052】
なお、真空吸着ハンドとして使用した場合、真空スイッチを用いることによりハンド上のウェハの有無を検知することができる。また、落とし込み型ハンドとして使用した場合、反射形や静電容量形などの近接センサを用いることによりハンド上のウェハの有無を検知することができる。
【0053】
本実施形態では、上側のハンド225は洗浄機45、フロントロード部20に対してアクセス可能であり、下側のハンド226はフロントロード部20、研磨部3の反転機31に対してアクセス可能となっている。
【0054】
図5は、本発明の他の実施形態における搬送ロボットのハンドを示す平面図である。図5に示すハンドは、ウェハWの周縁部を保持する複数の支持部227と、ハンドの基部に設けられた可動クランプ228とを備えている。可動クランプ228がウェハWの中心方向に移動すると、ウェハは支持部227に支持され、保持されるようになっている。また、可動クランプ228のストローク量を測定することにより、ハンド上のウェハの有無を検知することができるようになっている。
【0055】
図1に示すように、ロード/アンロード部2の側部には、ウェハの膜厚を測定する膜厚測定器(In-line Thickness Monitor:ITM)8が設置されており、搬送ロボット22は膜厚測定器8にもアクセスできるようになっている。この膜厚測定器8は、搬送ロボット22から研磨前または研磨後のウェハを受け取り、このウェハの膜厚を測定する。この膜厚測定器8において得られた測定結果に基づいて研磨条件等を適切に調整すれば、研磨精度を上げることができる。
【0056】
次に、研磨部3の研磨ユニット30A,30B,30C,30Dについて説明する。これらの研磨ユニット30A,30B,30C,30Dは同一構造であるため、以下では第1研磨ユニット30Aについてのみ説明する。
【0057】
研磨テーブル300Aの上面には研磨布または砥石等が貼付されており、この研磨布または砥石等によって半導体ウェハを研磨する研磨面が構成されている。研磨時には、研磨液供給ノズル302Aから研磨テーブル300A上の研磨面に研磨液が供給され、研磨対象である半導体ウェハがトップリング301Aにより研磨面に押圧されて研磨が行われる。なお、1以上の研磨ユニットにベルトまたはテープの研磨面を設けて、ベルトまたはテープの研磨面とテーブル状の研磨面とを組み合わせることもできる。
【0058】
図6は、第1研磨ユニット30Aのトップリング301Aの構造を示す部分的に断面された側面図である。トップリング301Aは、トップリング301Aを回転、押し付け、揺動などの動作をさせるトップリングヘッド3100に支持されている。トップリング301Aは、ウェハの上面を保持するとともに研磨テーブル300Aの研磨面に押し付けるトップリング本体3102と、ウェハの外周を保持するガイドリング3104と、トップリング301Aとウェハの間に配置される緩衝材としてのバッキングフィルム3106とを備えている。トップリング本体3102はたわみの少ない材質、例えばセラミックや耐腐食性を有し剛性のある金属(ステンレス)などによって形成されており、ウェハの全面を均一に押し付けられるようにウェハ側の面が平坦に仕上げられている。研磨するウェハによってはこの面が緩やかに凹凸があってもよい。
【0059】
ガイドリング3104はウェハの外周が抑えられるようにウェハ外径よりわずかに大きい内径を有しており、ガイドリング3104内にウェハが挿入される。トップリング本体3102にはウェハ押し付け面に開口するとともに反対側の面に開口する複数の貫通穴3108が形成されている。そして、これら貫通穴3108を介して上方からウェハ接触面に対して陽圧のクリーンエアや窒素ガスを供給し、ウェハのある領域を選択的にかつ部分的に押し付けられるようになっている。また、貫通穴3108を負圧にすることでウェハを吸着することが可能になり、トップリング本体3102にウェハを吸着しウェハの搬送を行っている。また、貫通穴3108からクリーンエアや窒素ガスをウェハに吹き付けウェハをトップリング本体3102から離脱できるようにもなっている。この場合、エアやガスに純水などを混合することでウェハが離脱する力を高め、確実なウェハの離脱を行うことも可能になっている。
【0060】
また、トップリング301Aの上面には取付フランジ3110が取り付けられており、この取付フランジ3110の上面の中心部には半球状の穴が形成されている。取付フランジ3110の上方には、トップリング駆動軸3112に固定された駆動フランジ3114が配設されており、この駆動フランジ3114にも同様の半球状の穴が形成されている。これら両穴の中に硬質の例えばセラミックの球3116が収容され、駆動フランジ3114に加えられる下方向への押し付け力は球3116を介して下の取付フランジ3110に伝達されるようになっている。
【0061】
一方、トップリングヘッド3100は、スプラインシャフトからなるトップリング駆動軸3112を介してトップリング301Aを支持している。また、トップリングヘッド3100は、揺動軸3117によって支持されている。揺動軸3117は、軸の下端に連結された移動機構としてのモータ(図示せず)が回転することで揺動し、トップリングヘッド3100が旋回できるようになっており、この旋回によってトップリング301Aを研磨位置、メンテナンス位置、およびウェハの受け渡し位置へ移動させることが可能になっている。揺動軸3117の上方で、トップリングヘッド3100の上面にモータ3118が設けられており、モータを回転させると、このモータの軸端に取り付けられた駆動プーリ3120が回転し、トップリング駆動軸3112の外周にある従動プーリ3122がベルト3124を介して回転する。従動プーリ3122が回転すると、トップリング駆動軸3112が同様に回転する。トップリング駆動軸3112の回転がトップリング301Aに伝達され、トップリング301Aが回転する。
【0062】
また、トップリングヘッド3100の上面にはシリンダ3126が軸を下向きにして取り付けられており、トップリングヘッド3100とシリンダ3126の軸とはフレキシブルに結合されている。シリンダ3126に供給するエアの圧力をコントロールすることで、トップリング駆動軸3112を上昇下降させる力、すなわちトップリング301Aを研磨面に対して押圧する力をコントロールできるようになっている。また、シリンダ3126とトップリングヘッド3100の結合部分に引っ張り/圧縮式の荷重測定器3128(ロードセル)が介装されており、シリンダ3126がトップリングヘッド3100を基点にし、上下の推力を発するときにその推力を測定することが可能になっている。この推力はウェハを押し付けている力に置き換えられるので、押し付け力の管理を目的として、この測定された推力を利用してフィードバック回路を形成してもよい。シリンダ3126のボディーとスプラインシャフトからなるトップリング駆動軸3112とは、トップリング駆動軸3112が回転可能な状態で連結されている。したがって、シリンダ3126が上下方向に動作すると、トップリング駆動軸3112は同時に上下方向に動作する。トップリング駆動軸3112の内部には貫通孔が形成されており、貫通孔内にチューブ(図示せず)が設けられている。トップリング駆動軸3112とトップリング301Aが回転するので、チューブの上端部には回転継手3130が設置されている。この回転継手3130を介して、真空、窒素ガス、クリーンエアや純水等の気体および/または液体がトップリング本体3102に供給される。なお、シリンダ3126をスプラインシャフト上に直接取り付けてもよく、この場合にはシリンダ3126とスプラインシャフトの結合部分に荷重測定器3128を取り付ける。
【0063】
上述のように構成されたトップリング301Aはプッシャ33に搬送されたウェハを真空吸着し、ウェハをトップリング301Aのガイドリング3104内に保持する。その後、トップリング301Aはプッシャ33の上方から研磨テーブル300A上の研磨面の上方へ揺動する。トップリング301Aが研磨テーブル300A上方のポリッシング可能な位置に揺動してきたら、トップリング301Aを所望の回転数で回転させ、シリンダ3126によりトップリング301Aを下降させ、研磨テーブル300Aの上面まで下降させる。トップリング301Aが研磨テーブル300Aの上面まで下降したら、シリンダ3126の下降点検出用のセンサ3132が作動し、下降動作が完了したことを信号として発する。その信号を受け、シリンダ3126は所望の押し付け荷重に対応する圧力に設定されたエアが供給され、トップリング301Aを研磨テーブル300Aに押し付け、ウェハに押し付け力を加える。同時にウェハを吸着していた負圧用の回路を遮断する。このとき、例えばウェハの研磨する膜質などにより、この負圧はかけたままにしたり、遮断したり、さらにバルブを切り換えて気体の圧力をコントロールして陽圧をかけたりして、ウェハの研磨プロファイルをコントロールする。このときの圧力はトップリング301Aのウェハ保持部分に形成された貫通穴3108にのみかかるので、ウェハのどの領域にその圧力をかけたいかにより貫通穴3108の穴径、数、位置を変えて所望の研磨プロファイルを達成する。
【0064】
その後、所望の研磨プロセスが終了する(研磨プロセスの終了は時間や膜厚によって管理される)と、トップリング301Aはウェハを吸着保持する。そして、研磨テーブル上をウェハと研磨布が接触したまま揺動し、ウェハの中心が研磨テーブル300A上に存在し可能な限り研磨テーブル300Aの外周近傍に位置し、ウェハの表面の40%程度が研磨テーブル300Aからはみ出すところまで移動する。その後、シリンダ3126を作動させ、ウェハとともにトップリング301Aを上昇させる。これは、使用する研磨布によっては、パッド上のスラリとウェハとの間の表面張力がトップリングの吸着力よりも強くなることがあり、ウェハが研磨布上に残されてしまうため、その表面張力を減少させるために、研磨テーブル上よりもウェハを飛び出させてからトップリング301Aを上昇させる。ウェハがウェハ面積の40%以上研磨テーブルからはみ出ると、トップリングは傾き、ウェハが研磨テーブルのエッジに当たりウェハが割れてしまうおそれがあるので40%程度のはみ出しが好ましい。すなわち、ウェハ中心が研磨テーブル300A上にあることが重要である。
【0065】
トップリング301Aの上昇が完了すると、シリンダ3126の上昇点検出センサ3134が作動し、上昇動作が完了したことが確認できる。そして、トップリング301Aの揺動動作を開始し、プッシャ33の上方へ移動してプッシャ33へのウェハの受け渡しを行う。ウェハをプッシャ33に受け渡した後、トップリング301Aに向かって下方または横方向、上方向から洗浄液を吹き付け、トップリング301Aのウェハ保持面や研磨後のウェハ、その周辺を洗浄する。この洗浄水の供給は、次のウェハがトップリング301Aに受け渡されるまでの間トップリングの乾燥防止を目的とし、継続してもよい。ランニングコストを考慮して間欠的に洗浄水を吹き付けてもよい。ポリッシングの間に、例えばポリッシング時間を複数のステップに分割し、そのステップごとにトップリングの押し付け力や、回転数、ウェハの保持方法を変更することが可能になっている。また、使用する砥液の種類、量、濃度、温度、供給のタイミングなどを変更することが可能である。
【0066】
また、ポリッシングの最中に、例えばトップリングの回転用のモータへの電流値をモニタしておくと、このモータが出力しているトルクが算出できる。ウェハのポリッシングの終点に伴いウェハと研磨布との摩擦に変化が生じる。このトルク値の変化を利用し、ポリッシングの終点を検知するようにしてもよい。同様に研磨テーブル300Aの電流をモニタし、トルクの変化を算出し、ポリッシングの終点を検知してもよい。同様にトップリングの振動を測定しながらポリッシングを行い、その振動波形の変極点を検知し、ポリッシング終了の確認を行ってもよい。さらに、静電容量を測定してポリッシング完了を検知してもよい。この4通りのポリッシング完了検知はウェハの研磨前と研磨後の表面の凹凸の違いや表面の膜質の違いまたは残膜量から判断する方法である。また、ポリッシングを終了したウェハの表面を洗浄し、研磨量を確認し、研磨不足を測定してから再度不足分をポリッシングしてもよい。
【0067】
図7および図8はドレッサ303Aの例を示す縦断面図であり、図7はダイヤモンドドレッサを示し、図8はブラシドレッサを示す。図7に示すように、ドレッサ303Aは、研磨布をドレッシングするドレッサ面を有するドレッサプレート3300を備えている。ドレッサプレート3300は取付フランジ3302に締結されており、取付フランジ3302の上面の中心部には半球状の穴が形成されている。取付フランジ3302の上方には、ドレッサ駆動軸3304に固定された駆動フランジ3306が配置されており、駆動フランジ3306にも同様の半球状の穴が形成されている。これら両穴の中に硬質の例えばセラミックの球3308が収容され、駆動フランジ3306に加えられる下方向への押し付け力は球3308を介して下のドレッサプレート3300に伝達されるようになっている。ドレッサプレート3300の下面には、パッドの形状修正や目立てを行うためにダイヤモンド粒3310が電着されている。ダイヤモンド粒以外にも硬質の例えばセラミックの突起が多数配置されたものなどでもよい。これらの交換はドレッサプレート3300のみを交換すればよく、他種類のプロセスに容易に対応できるようになっている。いずれも表面の形状がドレッシング対象であるパッドの表面形状に反映されるのでドレッサのドレッシング面は平面に仕上げられている。
【0068】
ドレッサ駆動軸3304はドレッサヘッド3312に支持されている。ドレッサヘッド3312の機能は、概略トップリングヘッド3100と同様であり、ドレッサ駆動軸3304をモータによって回転させるともにドレッサ駆動軸3304をシリンダによって昇降させるようになっている。ドレッサヘッド3312の詳細構造は、トップリングヘッド3100と概略同一であるため、図示は省略する。
【0069】
図8はブラシドレッサを示し、ドレッサプレート3300の下面にダイヤモンド粒3310に代わってブラシ3314が設けられている。その他の構成は図7に示すダイヤモンドドレッサと概略同様である。
【0070】
上述の構成において、研磨布の形状修正や目立てを行う際、ドレッサ303Aは洗浄位置から揺動し、研磨テーブル300A上のドレッシング位置の上方に移動する。揺動が完了するとドレッサ303Aは所望の回転数で回転し、上昇下降のシリンダが作動し、ドレッサ303Aが下降する。研磨テーブル300Aの上面にドレッサ303Aが接触すると、シリンダに設けられた下降点検出センサが検知し、テーブル上にドレッサ303Aがタッチダウンしたという信号を発する。その信号を受けシリンダはドレッサ303Aに押し付け力を加え、所望の押圧力にて研磨テーブル300A上のパッドをドレッシングする。所望の時間、ドレッシングを行った後、シリンダが上昇方向に動作しドレッサ303Aは研磨テーブル300A面から離れる。その後、ドレッサ303Aは揺動し、洗浄位置へ移動し、その場で例えば洗浄桶(図示せず)に水没させてドレッサ自身を洗浄する。この洗浄は例えば水桶に水没させ、またはスプレーノズルで吹き付け洗浄し、または水桶の底面に植毛されたブラシに押し付けて回転させ洗浄してもよい。また、桶の中に超音波素子を設けて、その振動エネルギによりドレッサを洗浄してもよい。
【0071】
また、第1研磨ユニット30Aは、機械的ドレッサ303Aの他に、流体圧による非接触型のドレッサとしてアトマイザ304Aを備えている。このアトマイザの主な目的は、研磨面上に堆積、目詰まりした研磨屑、スラリ粒子を洗い流すことである。アトマイザの流体圧による研磨面の浄化と、機械的接触であるドレッサ303Aによる研磨面の目立て作業により、より好ましいドレッシング、すなわち研磨面の再生を達成することができる。通常は接触型のドレッサ(ダイヤモンドドレッサ等)によるドレッシングの後に、アトマイザによる研磨面の性状再生を行う場合が多い。
【0072】
次に、スイングトランスポータ7について説明する。図9は、洗浄部4の反転機41とともにスイングトランスポータ7を示す斜視図である。図9に示すように、本実施形態におけるスイングトランスポータ7は、第1研磨部3aの筐体のフレーム102に設置されており、上下に延びる断面略コ字状のフレーム102の内部に配置されたロボシリンダ104と、ロボシリンダ104上を上下動するベースブラケット106と、ロボシリンダ104を上下動させるモータ107と、ベースブラケット106に取り付けられたモータカバー108と、モータカバー108内に収容されたモータの回転軸に取り付けられた旋回アーム110と、旋回アーム110の先端に取り付けられたウェハ把持機構112とを備えている。
【0073】
ウェハ把持機構112は、ウェハWの周縁を両側から把持する一対の把持部114と、把持部114のロッド114aをウェハWの径方向(矢印A)に開閉させる開閉機構116とを備えている。一対の把持部114は、ウェハWの中心を挟んで互いに対向するように配置されており、それぞれの把持部114の両端には、ウェハWの外周部に点接触するコマ(チャック機構)118がそれぞれ2つ設けられている。これらのコマ118は把持部114の両端から下方に突出して設けられている。
【0074】
開閉機構116は、例えばエアシリンダにより構成されており、把持部114を互いに近接する方向に移動させてウェハWを把持し、把持部114を互いに離間する方向に移動させてウェハWをリリースする。なお、本実施形態では、それぞれの把持部114に2つのコマ118を設けた例を説明したが、これに限られるものではなく、それぞれの把持部114に3つ以上のコマ118を設けてもよい。
【0075】
このように、本実施形態のスイングトランスポータ7のウェハ把持機構112は、一対の把持部114を1方向に互いに反対向きに移動することによってウェハWの把持とリリースとを行っているため、確実にウェハWを把持することができる。すなわち、開閉機構116のストロークを変更するだけで、同一の機構により種々のサイズのウェハWを把持することができる。また、コマ118は把持部114の両端から下方に突出して設けられており、ウェハWの下方にはコマ118以外の部材が位置することがない。したがって、従来のウェハ搬送機構のようにロボットハンドの上面にある液体がウェハの下面に付着するなどの問題が生ずることがない。
【0076】
ロボシリンダ104内にはボールねじとスライドガイドが設けられており、モータ107の駆動によりロボシリンダ104上のベースブラケット106が上下動するようになっている(矢印B)。これによりベースブラケット106とともにウェハ把持機構112が上下動するようになっており、フレーム102に沿ってウェハ把持機構112を上下動させる上下動機構がロボシリンダ104およびベースブラケット106によって構成されている。
【0077】
また、旋回アーム110は、モータカバー108内のモータの駆動により該モータの回転軸を中心として旋回するようになっている(矢印C)。これにより、ウェハ把持機構112が、第1リニアトランスポータ5、第2リニアトランスポータ6、および洗浄部4の反転機41の間で移動されるようになっており、フレーム102に隣接するモータ108の回転軸を中心としてウェハ把持機構112を旋回させる旋回機構がモータカバー108内のモータおよび旋回アーム110によって構成されている。なお、本実施形態では、フレーム102に隣接するモータカバー108内のモータの回転軸を中心としてウェハ把持機構112を旋回する例を説明したが、これに限られるものではなく、フレーム102を中心としてウェハ把持機構112を旋回してもよい。
【0078】
ウェハWを把持する場合には、把持部114を開いた状態で、把持部114のコマ118がウェハWの下方に位置するまでベースブラケット106を下降させる。そして、開閉機構116を駆動して把持部114を互いに近接する方向に移動させ、把持部114のコマ118の最内周部をウェハWの最外周よりも内側に位置させる。この状態で、ベースブラケット106を上昇させ、ウェハWを把持部114のコマ118に把持した状態で持ち上げる。本実施形態では、コマ118とウェハWとが点接触し、ウェハWの接触面積を極力小さくすることができるので、ウェハを把持する際にウェハWの表面に付着するごみを低減することができる。
【0079】
このように、本実施形態におけるスイングトランスポータ7は、従来の搬送ロボットのようにアームを伸縮させる必要がなく、上下動機構、旋回機構、およびウェハ把持機構によって構成することができるので、ウェハ搬送機構の構成を簡略化することができ、小さな荷重で駆動することができる。したがって、基板の搬送が迅速化される。また、研磨部などの処理部のフレームを利用してスイングトランスポータ7を構成しているので、アームの伸び縮みのスペースが必要なくなり、ウェハ搬送機構を小型化してその設置面積を小さくすることができる。また、スイングトランスポータ7を処理部のフレームに固定することにより、スイングトランスポータ7の剛性を高くすることができる。
【0080】
次に、第1研磨部3aの第1リニアトランスポータ5について説明する。図10は第1リニアトランスポータ5の正面図、図11は図10の平面図である。図10および図11に示すように、第1リニアトランスポータ5は、直線往復移動可能な4つの搬送ステージTS1,TS2,TS3,TS4を備えており、これらのステージは上下に2段の構成となっている。すなわち、下段には第1搬送ステージTS1、第2搬送ステージTS2、第3搬送ステージTS3が配置され、上段には第4搬送ステージTS4が配置されている。
【0081】
下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3と上段の搬送ステージTS4とは、図11の平面図上では同じ軸上を移動するが、設置される高さが異なっているため、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3と上段の搬送ステージTS4とは互いに干渉することなく自由に移動可能となっている。第1搬送ステージTS1は、反転機31とリフタ32とが配置された第1搬送位置TP1とプッシャ33が配置された(ウェハの受け渡し位置である)第2搬送位置TP2との間でウェハを搬送し、第2搬送ステージTS2は、第2搬送位置TP2とプッシャ34が配置された(ウェハの受け渡し位置である)第3搬送位置TP3との間でウェハを搬送し、第3搬送ステージTS3は、第3搬送位置TP3と第4搬送位置TP4との間でウェハを搬送する。また、第4搬送ステージTS4は、第1搬送位置TP1と第4搬送位置TP4との間でウェハを搬送する。
【0082】
図11に示すように、各搬送ステージTS1,TS2,TS3,TS4には、それぞれ4本のピン50が固定されており、このピン50により搬送ステージに載置されたウェハの外周縁がガイドされて位置決めされた状態でウェハが搬送ステージ上に支持されるようになっている。これらのピン50は、ポリプロピレン(PP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂から形成される。また、各搬送ステージには、透過型センサなどによりウェハの有無を検知するセンサ(図示せず)が構成されており、各搬送ステージ上のウェハの有無を検知することができるようになっている。
【0083】
搬送ステージTS1,TS2,TS3,TS4は、それぞれ支持部51,52,53,54により支持されており、図10に示すように、第2搬送ステージTS2(駆動側の搬送ステージ)の支持部52の下部には、エアシリンダ(駆動機構)55のロッド55aに連結された連結部材56が取り付けられている。また、第2搬送ステージTS2の支持部52にはシャフト57およびシャフト58が挿通されている。シャフト57の一端は第1搬送ステージTS1(被駆動側の搬送ステージ)の支持部51に連結され、他端にはストッパ571が設けられている。また、シャフト58の一端は第3搬送ステージTS3(被駆動側の搬送ステージ)の支持部53に連結され、他端にはストッパ581が設けられている。シャフト57には、第1搬送ステージTS1の支持部51と第2搬送ステージTS2の支持部52との間にスプリング572が介装されており、同様にシャフト58には、第2搬送ステージTS2の支持部52と第3搬送ステージTS3の支持部53との間にスプリング582が介装されている。第1リニアトランスポータ5の両端部には、それぞれ第1搬送ステージTS1の支持部51および第3搬送ステージTS3の支持部53に当接するメカストッパ501,502が設けられている。
【0084】
エアシリンダ55が駆動しロッド55aが伸縮すると、ロッド55aに連結された連結部材56が移動し、第2搬送ステージTS2は連結部材56とともに移動する。このとき、第1搬送ステージTS1の支持部51はシャフト57およびスプリング572を介して第2搬送ステージTS2の支持部52に接続されているので、第1搬送ステージTS1も第2搬送ステージTS2とともに移動する。また、第3搬送ステージTS3の支持部53もシャフト58およびスプリング582を介して第2搬送ステージTS2の支持部52に接続されているので、第3搬送ステージTS3も第2搬送ステージTS2とともに移動する。このように、エアシリンダ55の駆動により第1搬送ステージTS1、第2搬送ステージTS2、および第3搬送ステージTS3が一体となって同時に直線往復移動をするようになっている。
【0085】
ここで、第1搬送ステージTS1が第1搬送位置TP1を越えて移動しようとした場合、第1搬送ステージTS1の支持部51がメカストッパ501に規制されて、それ以上の移動がスプリング571に吸収されて第1搬送ステージTS1が第1搬送位置TP1を越えて移動できないようになっている。したがって、第1搬送ステージTS1は第1搬送位置TP1に正確に位置決めされる。また同様に、第3搬送ステージTS3が第4搬送位置TP4を越えて移動しようとした場合、第3搬送ステージTS3の支持部53がメカストッパ502に規制されて、それ以上の移動がスプリング582に吸収されて第3搬送ステージTS3が第4搬送位置TP4を越えて移動できないようになっている。したがって、第3搬送ステージTS3は第4搬送位置TP4に正確に位置決めされる。
【0086】
各搬送ステージの移動すべきストロークが異なる場合には、それぞれの搬送ステージに対してエアシリンダを設けて各搬送ステージの移動を制御することもできるが、これは装置の大型化につながってしまう。本実施形態では、移動距離が最も長い搬送ステージにエアシリンダ55のストロークを合わせれば、他の搬送ステージについてはスプリング572,582により余分なストロークが吸収される。したがって、搬送ステージTS1,TS2,TS3のストロークが異なっていても、これら3つの搬送ステージTS1,TS2,TS3を1つのエアシリンダ55によって同時に移動させることができる。
【0087】
また、第1リニアトランスポータ5は、上段の第4搬送ステージTS4を直線往復移動させるエアシリンダ590を備えており、このエアシリンダ590により第4搬送ステージTS4は上記下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3と同時に、かつ互いに逆方向に移動するように制御される。なお、第3搬送ステージTS3または第4搬送ステージTS4が第4搬送位置TP4あるいは第4搬送位置TP4から第3搬送位置TP3に移動される時のみシャッタ12が開かれ、これにより環境汚染の高い研磨部3aからクリーン度の高い洗浄部4へ流入する気流を極力減らすことができるので、ウェハおよびウェハが洗浄・乾燥される洗浄部4内への汚染が防止され、また、従来の研磨装置に比べてスループットが向上する。
【0088】
次に、第2研磨部3bの第2リニアトランスポータ6について説明する。図12は第2リニアトランスポータ6の正面図、図13は図12の平面図である。図12および図13に示すように、第2リニアトランスポータ6は、直線往復移動可能な3つの搬送ステージTS5,TS6,TS7を備えており、これらのステージは上下に2段の構成となっている。すなわち、上段には第5搬送ステージTS5、第6搬送ステージTS6が配置され、下段には第7搬送ステージTS7が配置されている。
【0089】
上段の搬送ステージTS5,TS6と下段の搬送ステージTS7とは、図13の平面図上では同じ軸上を移動するが、設置される高さが異なっているため、上段の搬送ステージTS5,TS6と下段の搬送ステージTS7とは互いに干渉することなく自由に移動可能となっている。第5搬送ステージTS5は、第5搬送位置TP5とプッシャ37が配置された(ウェハの受け渡し位置である)第6搬送位置TP6との間でウェハを搬送し、第6搬送ステージTS6は、第6搬送位置TP6とプッシャ38が配置された(ウェハの受け渡し位置である)第7搬送位置TP7との間でウェハを搬送し、第7搬送ステージTS7は、第5搬送位置TP5と第7搬送位置TP7との間でウェハを搬送する。
【0090】
図13に示すように、各搬送ステージTS5,TS6,TS7には、それぞれ4本のピン60が固定されており、このピン60により搬送ステージに載置されたウェハの外周縁がガイドされて位置決めされた状態でウェハが搬送ステージ上に支持されるようになっている。これらのピン60は、ポリプロピレン(PP)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)やポリエーテルエーテルケトン(PEEK)などの樹脂から形成される。また、各搬送ステージには、透過型センサなどによりウェハの有無を検知するセンサ(図示せず)が構成されており、各搬送ステージ上のウェハの有無を検知することができるようになっている。
【0091】
搬送ステージTS5,TS6,TS7は、それぞれ支持部61,62,63により支持されており、図12に示すように、第6搬送ステージTS6(駆動側の搬送ステージ)の支持部62の下部には、エアシリンダ(駆動機構)65のロッド65aが連結されている。また、第6搬送ステージTS6の支持部62にはシャフト67が挿通されている。シャフト67の一端は第5搬送ステージTS5(被駆動側の搬送ステージ)の支持部61に連結され、他端にはストッパ671が設けられている。シャフト67には、第5搬送ステージTS5の支持部61と第6搬送ステージTS6の支持部62との間にスプリング672が介装されている。第2リニアトランスポータ6の第5搬送ステージTS5側の端部には、第5搬送ステージTS5の支持部61に当接するメカストッパ601が設けられている。
【0092】
エアシリンダ65が駆動しロッド65aが伸縮すると、ロッド65aに連結された第6搬送ステージTS6が移動する。このとき、第5搬送ステージTS5の支持部61はシャフト67およびスプリング672を介して第6搬送ステージTS6の支持部62に接続されているので、第5搬送ステージTS5も第6搬送ステージTS6とともに移動する。このように、エアシリンダ65の駆動により第5搬送ステージTS5および第6搬送ステージTS6が一体となって同時に直線往復移動をするようになっている。
【0093】
ここで、第5搬送ステージTS5が第5搬送位置TP5を越えて移動しようとした場合、第5搬送ステージTS5の支持部61がメカストッパ601に規制されて、それ以上の移動がスプリング672に吸収されて第5搬送ステージTS5が第5搬送位置TP5を越えて移動できないようになっている。したがって、第5搬送ステージTS5は第5搬送位置TP5に正確に位置決めされる。このように、第2リニアトランスポータ6においても、上述した第1リニアトランスポータ5と同様に、2つの搬送ステージTS5,TS6を1つのエアシリンダ65によって同時に移動させることができる。また、第2リニアトランスポータ6は、下段の第7搬送ステージTS7を直線往復移動させるエアシリンダ690を備えており、このエアシリンダ690により第7搬送ステージTS7は上記上段の搬送ステージTS5,TS6と同時に、かつ互いに逆方向に移動するように制御される。なお、第5搬送ステージTS5または第7搬送ステージTS7が第5搬送位置TP5あるいは第5搬送位置TP5から第6搬送位置TP6に移動される時のみシャッタ13が開かれ、これにより環境汚染の高い研磨部3aからクリーン度の高い洗浄部4へ流入する気流を極力減らすことができるので、ウェハおよびウェハが洗浄・乾燥される洗浄部4内への汚染が防止され、また、従来の研磨装置に比べてスループットが向上する。
【0094】
なお、本実施形態では、エアシリンダ55,590,65,690によってリニアトランスポータ5,6を駆動しているが、例えばボールねじを用いたモータ駆動により駆動することとしてもよい。
【0095】
次に、第1研磨部3aの反転機31について説明する。第1研磨部3aの反転機31は、ロード/アンロード部2の搬送ロボット22のハンドが到達可能な位置に配置され、研磨前のウェハを搬送ロボット22から受け取り、このウェハの上下を反転してリフタ32に渡すものである。
【0096】
図14は反転機31を示す斜視図、図15は図14の平面図、図16は図14の側面図である。図14から図16に示すように、反転機31は、ウェハWの周縁を両側から把持する一対の円弧状の把持部310と、把持部310に取り付けられたシャフト314と、シャフト314をその軸方向に移動させ把持部310を開閉させる開閉機構312とを備えている。一対の把持部310は、ウェハWの中心を挟んで互いに対向するように配置されており、それぞれの把持部310の両端には、ウェハWの外周部に線接触するチャック部311がそれぞれ2つ設けられている。なお、本実施形態では、それぞれの把持部310に2つのチャック部311を設けた例を説明するが、これに限られるものではなく、それぞれの把持部310に3つ以上のチャック部311を設けてもよい。
【0097】
図17は、反転機31の開閉機構312を示す縦断面図である。図17に示すように、開閉機構312は、それぞれのシャフト314および把持部310を閉方向に付勢する圧縮ばね315と、それぞれのシャフト314に連結されたスライド式エアシリンダ313とを備えている。この開閉機構312は、圧縮ばね315により把持部310を互いに近接する方向に移動させてウェハWを把持するようになっており、このときエアシリンダ313の可動部313aはメカストッパ317に当接するようになっている。また、開閉機構312は、エアシリンダ313の駆動により把持部310を互いに離間する方向に移動させてウェハWをリリースするようになっている。このときの状態を図18に示す。
【0098】
すなわち、ウェハWを把持する場合には、片方のエアシリンダ313を加圧し、他方のエアシリンダ313は圧縮ばね315の付勢力のみによって閉じられる。このとき、加圧されたエアシリンダ313の可動部313aのみがメカストッパ317に押し付けられ、その位置に固定される。このとき、圧縮ばね315によって付勢される他方のエアシリンダ313に接続された把持部310の位置がセンサ319により検出される。ウェハWがない場合には、加圧されない方のエアシリンダ313はフルストローク位置にあり、センサ319の応答がないため、ウェハWが把持されていないことが検出される。
【0099】
上述したように、圧縮ばね315をウェハWの把持に用い、エアシリンダ313をウェハWのリリースに用いることにより、エアシリンダ313の空気圧によりウェハWが破損することを防止することができる。
【0100】
図14から図16に示すように、開閉機構312には、ウェハWの中心軸と垂直な軸周りに回転する回転軸316が取り付けられている。この回転軸316は反転機構318に連結されており、反転機構318により回転されるようになっている。したがって、反転機構318が駆動されると、回転軸316を中心として開閉機構312および把持部310が回転し、把持部310に把持したウェハWが反転されるようになっている。
【0101】
図19は、図15のXIX-XIX線断面図である。図19に示すように、反転機31のチャック部311は、ウェハWの径方向内側から外側に向かって次第に高くなる傾斜面311a(下側突起部)と、傾斜面311aの最外周に設けられた突起部311b(上側突起部)とを有し、これによりウェハWの外周部を把持する凹部が形成されている。これらの傾斜面311aと突起部311bとによりウェハWの受け取りと位置決めがなされる。すなわち、搬送ロボット22からウェハWを受け取る場合には、図20に示すように、開閉機構312を駆動し、把持部310を互いに離間する方向に移動させて開いておく。この状態で、搬送ロボット22からウェハWをリリースし、ウェハWの周縁部をチャック部311の傾斜面311a上に載置する(図21参照)。ウェハWが傾斜面311aに載置された後、開閉機構312を駆動し、把持部310を互いに近接する方向に移動させて閉じると、ウェハWの周縁部が傾斜面311a上を滑り、ウェハWは最終的に傾斜面311aの最外周で突起部311bによって位置決めされることになる。図14および図15は、この位置決めされた状態を示している。
【0102】
上述したように、本実施形態における反転機31は、把持部310の傾斜面311aと突起部311bとによってウェハWの位置決めを行うことができるので、搬送ロボット22から反転機31にウェハWを渡すときに、搬送ロボット22によってウェハWの位置決めをする必要がなくなる。すなわち、搬送ロボット22は、反転機31上に移動したときに、ウェハWの位置決めを行わずにリリースして反転機31に渡すことができ、ウェハWのリリース後直ぐに次の動作に移ることができる。したがって、搬送ロボット22がウェハWの受け渡しのために拘束される時間が少なくなり、スループットが向上する。
【0103】
このようにしてウェハWが反転機31によって把持された後、反転機構318が駆動され、図22に示すように開閉機構312および把持部310が回転軸316を中心として回転される。これにより把持部310に把持されたウェハWが180°反転される。ウェハWが反転された後、開閉機構312を駆動し、把持部310を互いに離間する方向に移動させて開くと、反転機31からリフタ32にウェハWが受け渡される。
【0104】
また、上述したように、本実施形態の反転機31は、一対の把持部310を1方向に互いに反対向きに移動することによってウェハWの把持とリリースとを行っているため、確実にウェハWを把持することができる。すなわち、開閉機構312のストロークを変更するだけで、同一の機構により種々のサイズのウェハWを把持することができる。
【0105】
なお、図1に示すように、反転機31と搬送ロボット22との間にはシャッタ10が設置されており、ウェハの搬送時にはシャッタ10を開いて搬送ロボット22と反転機31との間でウェハの受け渡しが行われる。ウェハの受け渡しがないときにはシャッタ10は閉まっており、このときにウェハの洗浄や把持部310に固定されたチャック部311の洗浄などが行えるように防水機構を有している。また、反転機31の周囲に、ウェハ乾燥防止用のノズル(図示せず)を複数設け、長時間ウェハが滞留した場合にはこのノズルから純水を噴霧して乾燥を防止するようにしてもよい。
【0106】
洗浄部4の反転機41は、スイングトランスポータ7の把持部114が到達可能な位置に配置され、研磨後のウェハをスイングトランスポータ7の把持部114から受け取り、このウェハの上下を反転して搬送ユニット46に渡すものである。この反転機41の構造は上述した第1研磨部3aの反転機31の構造と基本的に同一である。反転機41も反転機31と同様の動作により、研磨後のウェハをスイングトランスポータ7から受け取り、このウェハの上下を反転して搬送ユニット46に渡す。
【0107】
ここで、図9に示すように、洗浄部4の反転機41は、把持部114の下方に仮置部130を有している。図23は、この仮置部130を示す斜視図である。図23に示すように、仮置部130は、矩形状のベースプレート131と、ベースプレート131の四隅に設けられたコマ132と、ベースプレート131を支持する支持筒133と、支持筒133を上下動するエアシリンダ134とを備えている。それぞれのコマ132の上部には略半球状の突起132aが設けられており、この突起132aによりウェハWの位置決めがなされる。支持筒133はロッド135を介してエアシリンダ134に連結されており、エアシリンダ134の駆動により支持筒133とともにベースプレート131が上下動するようになっている。
【0108】
ウェハWが反転されると、仮置部130のエアシリンダ134が駆動され、ベースプレート131がウェハWの受取位置まで上昇される。ベースプレート131がウェハWの受取位置まで上昇されると、開閉機構312が駆動され、把持部310を互いに離間する方向に移動させる。これにより、ウェハWが把持部310からリリースされ、ベースプレート131のコマ132上に載置される。その後、仮置部130のエアシリンダ134が駆動され、図24に示すように、ベースプレート131が所定の位置まで下げられる。この仮置部130のコマ132上に載置されたウェハWは後述する搬送ユニット46に受け渡され、各洗浄機42〜45に順次搬送され、それぞれの洗浄機で洗浄される。
【0109】
このような仮置部130は、洗浄前のウェハのバッファとして利用することができるので、プロセス全体のタクトタイムを向上することができる。また、反転機41に洗浄機構を設ければ、各洗浄機42〜45による洗浄の前にウェハWの仮洗浄を行うこともできる。
【0110】
上述した反転の動作はポリッシングの前後にそれぞれ行われる。ポリッシング後のウェハWを反転する場合(反転機41)は、ポリッシング時にウェハWについた砥液や研磨屑がウェハW上で乾燥し、固着してウェハWにダメージを与えるのを防止するため、反転中や反転後にウェハWへ洗浄液をリンスする。リンスされる洗浄液は純水や薬液が使用され、スプレーノズルにより必要流量および圧力で、最適な角度から所望の時間吹き付ける。このリンスにより後段の洗浄性能が十分に発揮される。ウェハWが反転機上で待機する場合、その間中、洗浄液を流し続けるが、ランニングコストを考慮し洗浄液を間欠的に流して洗浄液の使用量を低減してもよい。また、反転機31または41がウェハWをクランプしていないときに、ウェハWをクランプする溝やその周辺をその洗浄液で洗浄し、ウェハWに接触する部位からウェハWが逆汚染されるのを防ぐこともできる。
【0111】
次に、第1研磨部3aのリフタ32について説明する。第1研磨部3aのリフタ32は、搬送ロボット22および第1リニアトランスポータ5がアクセス可能な位置に配置されており、これらの間でウェハを受け渡す受け渡し機構として機能する。すなわち、反転機31により反転されたウェハを第1リニアトランスポータ5の第1搬送ステージTS1または第4搬送ステージTS4に受け渡すものである。
【0112】
図25は、リフタ32を示す縦断面図である。リフタ32は、ウェハを載置するステージ322と、ステージ322の上昇下降動作を行うシリンダ323とを備えており、シリンダ323とステージ322とはスライド可能なシャフト324で連結されている。ステージ322は複数の爪325に分かれていて、それぞれの爪325はオリフラ付きウェハを載置した場合でも搬送に影響しない範囲内にウェハを保持できるような間隔で配置される。この爪325は反転機31のチャック部311と位相が一致しない向きに配置されている。つまりチャック部311がウェハを保持する第1のウェハエッジ部と、リフタ32の爪325が保持する第2のウェハエッジ部は一致しない。また、反転機31や第1リニアトランスポータ5とのウェハ受け渡しを行う爪325にはウェハが載置される面があり、それより上方はウェハが載置される際に搬送位置決め誤差を吸収し、ウェハを求芯するようにテーパ状になっている。
【0113】
シリンダ323の上昇動作でステージ322のウェハ保持面は反転機31のウェハ保持高さまで上昇する。この上昇動作を停止させるためにストッパとして緩衝機能のあるストッパ326が設置されている。このストッパ326にシリンダ323の軸に固定されたストッパベース327が当接するとシリンダ323の上昇が停止し、シリンダ323の軸に連結されているステージ322の上昇も同時に停止する。このストッパ326の位置によりステージ322の上昇する高さを受け渡しに必要な高さに調整できる。また、このシリンダ323には上昇位置と下降位置のそれぞれを検知するセンサ328,329が設けられており、シリンダ323の上昇下降の動作が完了したことを検知できるようになっている。
【0114】
次に、上述のように構成されたリフタ32の動作を説明する。ポリッシング前のウェハは搬送ロボット22から反転機31へ搬送された後、反転され、パターン面が下を向く。反転機31で保持されたウェハに対し下方からリフタ32が上昇してきてウェハの直下で停止する。リフタ32がウェハの直下で停止したのを、例えばリフタの上昇確認用センサ329で確認すると、反転機31はウェハのクランプを開放し、ウェハはリフタ32のステージ322に載置される。その後、リフタ32はウェハを載置したまま下降をする。下降の途中でウェハは第1リニアトランスポータ5の搬送ステージTS1またはTS4に受け渡される。このとき、ウェハは搬送ステージのピン50上に載置される。ウェハが第1リニアトランスポータ5に受け渡された後もリフタ32は下降を続け、シリンダ323のストローク分まで下降して停止する。なお、リフタ32にも、後述するプッシャ33と同様に、ボールスプライン内蔵シリンダを取り付けてもよい。
【0115】
次に、第1研磨部3aのプッシャ33,34および第2研磨部3bのプッシャ37,38について説明する。第1研磨部3aのプッシャ33は、第1リニアトランスポータ5の搬送ステージTS1上のウェハを第1研磨ユニット30Aのトップリング301Aに受け渡すとともに、第1研磨ユニット30Aにおける研磨後のウェハを第1リニアトランスポータ5の搬送ステージTS2に受け渡すものである。プッシャ34は、第1リニアトランスポータ5の搬送ステージTS2上のウェハを第2研磨ユニット30Bのトップリング301Bに受け渡すとともに、第2研磨ユニット30Bにおける研磨後のウェハを第1リニアトランスポータ5の搬送ステージTS3に受け渡すものである。また、第2研磨部3bのプッシャ37は、第2リニアトランスポータ6の搬送ステージTS5上のウェハを第3研磨ユニット30Cのトップリング301Cに受け渡すとともに、第3研磨ユニット30Cにおける研磨後のウェハを第2リニアトランスポータ6の搬送ステージTS6に受け渡すものである。プッシャ38は、第2リニアトランスポータ6の搬送ステージTS6上のウェハを第4研磨ユニット30Dのトップリング301Dに受け渡すとともに、第4研磨ユニット30Dにおける研磨後のウェハを第2リニアトランスポータ6の搬送ステージTS7に受け渡すものである。このように、プッシャ33,34,37,38は、リニアトランスポータ5,6と各トップリングとの間でウェハを受け渡す受け渡し機構として機能する。これらのプッシャ33,34,37,38は同一の構造であるため、以下の説明ではプッシャ33についてのみ説明する。
【0116】
図26は、プッシャ33を示す縦断面図である。図26に示すように、プッシャ33は、トップリングを保持するためのガイドステージ331と、ウェハを保持するプッシュステージ333とを備えている。ガイドステージ331の最外周には、トップリングガイド337が4個設置されている。トップリングガイド337の上段部338はトップリングのガイドリング3104(図6参照)下面とのアクセス部である。上段部338にはトップリングを導入するためのテーパ338a(25°〜35°ぐらいが好ましい)が形成されている。ウェハアンロード時は直接トップリングガイド337でウェハエッジを受ける。
【0117】
ガイドステージ331の裏面には防水機能を持ったガイドスリーブ340が設置されている。ガイドスリーブ340の内側にはプッシャの防水のためのセンタスリーブ341が設置されている。
【0118】
トップリングガイド337に位置合わせ機構を持たせるため、X軸およびY軸方向に移動してガイドステージ331のセンタリングを行うリニアウェイ346を配置している。ガイドステージ331はリニアウェイ346に固定されている。このリニアウェイ346は加圧することにより中心位置に復帰可能な構造となっている。この構造によりガイドステージ331のセンタリングが実現される。あるいは、リニアウェイ346内部のスプリングだけで、加圧することなく中心位置に復帰可能となっている。
【0119】
また、リニアウェイ346はシャフト330に固定されており、このシャフト330は、ボールスプライン機構を有するシリンダ347に連結されている。図示しないモータの駆動によりシリンダ347が駆動され、シャフト330を介してガイドステージ331が上下動するようになっている。
【0120】
プッシュステージ333はガイドステージ331の上方にあり、プッシュステージ333の中心にはガイドステージ331に対してプッシュステージ333を上下動させるエアシリンダ349が設けられている。プッシュステージ333はエアシリンダ349によって上下し、トップリング301Aへウェハをロードする。プッシュステージ333の端には位置決めのための圧縮ばね351が配置されている。
【0121】
なお、プッシャに付着したスラリなどからウェハへの逆汚染を防止するため、汚れを洗浄するための洗浄ノズルが別途設置される。プッシャ上のウェハ有無を確認するためのウェハ有無センサが別途設置される場合もある。
【0122】
次に、上述のように構成されたプッシャ33の動作を説明する。
1)ウェハロード時
まず、プッシャ33の上方に第1リニアトランスポータ5によってウェハWが搬送される。トップリング301Aがプッシャ33の上方のウェハロード位置(第2搬送位置)にあってウェハを保持していないとき、シリンダ347よりガイドステージ331周りの構成品一式が上昇していく。上昇途中で第1リニアトランスポータ5の搬送ステージのウェハ保持位置を通過する。このとき、通過と同時にウェハWをトップリングガイド337のテーパでウェハWを求芯し、プッシュステージ333によりウェハWの(エッジ以外の)パターン面を保持する。
【0123】
プッシュステージ333がウェハWを保持したままトップリングガイド337は停止することなく上昇していき、トップリングガイド337のテーパ338aによってガイドリング3104を呼び込む。X,Y方向に自在に移動可能なリニアウェイ346による位置合わせでトップリング301Aに求芯し、トップリングガイド337の上段部338がガイドリング3104下面と接触することでガイドステージ331の上昇は終了する。
【0124】
ガイドステージ331はトップリングガイド337の上段部338がガイドリング3104下面に接触して固定され、それ以上上昇することはない。このとき、プッシュステージ333はエアシリンダ349によりさらに上昇される。このとき、プッシュステージ333はウェハWの(エッジ以外の)パターン面を保持し、トップリング301AまでウェハWを搬送する。トップリング301AがウェハWの吸着を完了すると、プッシャは下降を開始し、下降終了で動作が完了する。
【0125】
2)ウェハアンロード時
プッシャ上方のウェハアンロード位置にトップリング301AによってウェハWが搬送される。第1リニアトランスポータ5の搬送ステージがプッシャ33の上方にあってウェハを搭載していないとき、シリンダ347によりガイドステージ331周りの構成品一式が上昇し、トップリングガイド337のテーパ338aによってガイドリング3104を呼び込む。リニアウェイ346による位置合わせでトップリング301Aに求芯し、トップリングガイド337の上段部338がガイドリング3104の下面と接触することでガイドステージ331の上昇は終了する。
【0126】
エアシリンダ349によりプッシュステージ333を上昇させるが、このとき、プッシュステージ333はトップリングガイド337のウェハ保持部より高い位置になることはない。エアシリンダ349の上昇が終了するとトップリング301AよりウェハWがリリースされる。このとき、トップリングガイド337の下段テーパによってウェハWは求芯され、トップリングガイド337にエッジ部が保持される。ウェハWがプッシャに保持されると、プッシャは下降を開始する。下降の際、トップリング求芯のためセンタ位置を移動していたガイドステージ331はガイドスリーブ340とセンタスリーブ341によりセンタリングされる。下降の途中でプッシャより第1リニアトランスポータ5の搬送ステージにウェハWのエッジ部で受け渡され、下降終了で動作が完了する。なお、下降時のウェハの横ずれを防止するために、トップリング301Aの下降とともに受け部339aが内部のスプリング339bによって飛び出すようになっている。
【0127】
次に、洗浄部4の洗浄機42〜45について説明する。1次洗浄機42および2次洗浄機43としては、例えば、上下に配置されたロール状のスポンジを回転させてウェハの表面および裏面に押し付けてウェハの表面および裏面を洗浄するロールタイプの洗浄機を用いることができる。また、3次洗浄機44としては、例えば、半球状のスポンジを回転させながらウェハに押し付けて洗浄するペンシルタイプの洗浄機を用いることができる。4次洗浄機45としては、例えば、ウェハの裏面はリンス洗浄することができ、ウェハ表面の洗浄は半球状のスポンジを回転させながら押し付けて洗浄するペンシルタイプの洗浄機を用いることができる。この4次洗浄機45は、チャックしたウェハを高速回転させるステージを備えており、ウェハを高速回転させることで洗浄後のウェハを乾燥させる機能(スピンドライ機能)を有している。なお、各洗浄機42〜45において、上述したロールタイプの洗浄機やペンシルタイプの洗浄機に加えて、洗浄液に超音波を当てて洗浄するメガソニックタイプの洗浄機を付加的に設けてもよい。
【0128】
次に、洗浄部4の搬送ユニット46について説明する。図27は、搬送ユニット46を示す斜視図である。図27に示すように、搬送ユニット46は、洗浄機内のウェハを着脱自在に把持するウェハ把持機構としての4つのチャッキングユニット461〜464を備えており、これらのチャッキングユニット461〜464は、メインフレーム465から水平方向に延びるガイドフレーム466に取り付けられている。メインフレーム465には、鉛直方向に延びるボールねじ(図示せず)が取り付けられており、このボールねじに連結されたモータ468の駆動により、チャッキングユニット461〜464が上下に昇降するようになっている。したがって、モータ468およびボールねじは、チャッキングユニット461〜464を上下動させる上下動機構を構成する。
【0129】
また、メインフレーム465には、洗浄機42〜45の並びと平行に延びるボールねじ469が取り付けられており、このボールねじ469に連結されたモータ470の駆動により、メインフレーム465およびチャッキングユニット461〜464が水平方向に移動するようになっている。したがって、モータ470およびボールねじ469は、チャッキングユニット461〜464を洗浄機42〜45の配列方向(チャッキングユニット461〜464の配列方向)に沿って移動させる移動機構を構成する。
【0130】
本実施形態では、洗浄機42〜45と同数のチャッキングユニットを用いている。チャッキングユニット461,462とチャッキングユニット463,464とは基本的に同一構造であり、メインフレーム465に対して対称であるため、以下ではチャッキングユニット461,462についてのみ説明する。
【0131】
チャッキングユニット461は、ウェハWを保持する開閉自在の1対のアーム471a,471bを備え、チャッキングユニット462は1対のアーム472a,472bを備えている。それぞれのチャッキングユニットのアームには、少なくとも3つ(本実施形態では4つ)のチャックコマ473が設けられている。これらのチャックコマ473によりウェハWの周縁部を挟み込んで保持し、ウェハを次の洗浄機に搬送できるようになっている。
【0132】
図27に示すように、ガイドフレーム466には、チャッキングユニット461のアーム471a,471bとチャッキングユニット462のアーム472a,472bとを互いに近接する方向または互いに離間する方向に開閉するためのエアシリンダ474が設けられている。したがって、エアシリンダ474によりアーム471a,471b,472a,472bを閉じることにより、ウェハWの端面をアーム471a,471b,472a,472bに挟み込んでウェハWを保持することができるようになっている。このように、エアシリンダ474は、各チャッキングユニット461〜464のアームを互いに近接する方向または互いに離間する方向に開閉する開閉機構を構成する。なお、各チャッキングユニットは、エアシリンダのストロークを検知することによってウェハの有無を検知可能となっている。なお、真空吸着によりウェハを保持することとしてもよく、この場合には、真空圧力を測定することによってウェハ有無の検知を行うことができる。
【0133】
また、チャッキングユニット461のアーム471a,471bとチャッキングユニット462のアーム472a,472bは、ガイドフレーム466に回転可能に設けられた回転軸475に取り付けられている。また、ガイドフレーム466には、回転軸475を中心としてこれらのアーム471a,471b,472a,472bを回転させるエアシリンダ476が設けられている。このエアシリンダ476のロッドの先端にはピン477を中心として回転可能なリンク部材478が設けられている。このリンク部材478はロッド479を介して回転軸475に連結されている。このように、エアシリンダ476、リンク部材478、およびロッド479は、各チャッキングユニット461〜464のアームを回転軸475を中心として回転させる回転機構を構成する。
【0134】
図28(a)および図28(b)は、エアシリンダ476の動作とアーム471aの動作とを説明する模式図である。図28(a)はアーム471aが下がった状態であり、この状態からエアシリンダ476を駆動すると、図28(b)に示すようにリンク部材478がピン477を中心として回転する。これによりロッド479が下方に移動され、回転軸475が回転する。これにより、アーム471aが回転軸475を中心として回転する。本実施形態では、シリンダ476の駆動によりアーム471a,471b,472a,472bが90°回転するようになっている。なお、シリンダ476は、ブレーキ476aを有しており、駆動の際にはこのブレーキ476aを解除してから動作を開始する。図29は、エアシリンダ476を駆動してすべてのチャッキングユニット461〜464のアームを90°回転させた(持ち上げた)状態を示している。
【0135】
次に、上述のように構成された搬送ユニット46の動作を説明する。図30(a)および図30(b)は図27に示す搬送ユニットの動作の説明に付する図であり、図30(a)は横断面図、図30(b)は縦断面図である。図30(a)および図30(b)に示すように、反転機41および洗浄機42〜45は、洗浄中に外部に使用流体が飛散しないようにチャンバ410,420,430,440,450によって区画されており、これらのチャンバには搬送ユニット46のチャッキングユニットを通過させるための開口410a,410b,420a,420b,430a,430b,440a,440b,450a,450bが形成されている。これらの開口には、それぞれシャッタ411,421,431,441,451が設けられている。
【0136】
ウェハを搬送していないときには、上記シャッタは閉じられており、各チャッキングユニット461〜464は反転機41または洗浄機42〜44の側方の空間(待機位置)で待機している。この待機位置では、図31(a)および図31(b)に示すように、チャッキングユニット461の1対のアームは反転機41の左右に位置し、チャッキングユニット462の1対のアームは1次洗浄機42の左右に位置し、チャッキングユニット463の1対のアームは2次洗浄機43の左右に位置し、チャッキングユニット464の1対のアームは3次洗浄機44の左右に位置している。
【0137】
ウェハの搬送時には、シャッタ411,421,431,441,451を開き、各チャッキングユニットのアームを閉じて、アームをそれぞれ反転機41および洗浄機42〜44のチャンバ内部に導入する。そして、搬送ユニット46のモータ468の駆動によりチャンバの内部のウェハ位置まで各チャッキングユニット461〜464を下降させる。次に、搬送ユニット46のエアシリンダ474を駆動することによってアームを閉じて反転機41または洗浄槽41〜44の内部のウェハを保持する。
【0138】
その後、図30(b)の垂直方向の矢印Aに示すように、搬送ユニット46のモータ468の駆動により上記開口410a,410b,420a,420b,430a,430b,440a,440b,450a,450bが形成された位置まで各チャッキングユニット461〜464を上昇させる。そして、搬送ユニット46のモータ470の駆動により、図30(b)の水平方向の矢印Bに示すように、チャッキングユニット461を開口410b,420aを介して1次洗浄機42に、チャッキングユニット462を開口420b,430aを介して2次洗浄機43に、チャッキングユニット463を開口430b,440aを介して3次洗浄機44に、チャッキングユニット464を開口440b,450aを介して4次洗浄機45にそれぞれ導入する。
【0139】
各洗浄機42〜45にウェハが搬送された後、モータ468の駆動によりチャッキングユニット461〜464を洗浄機内部のウェハ保持機構まで下降させる。そして、チャッキングユニットのエアシリンダ474を駆動することによってアームを開いてアームに保持したウェハを洗浄機内部のウェハ保持機構に受け渡す。この状態で図32(a)および図32(b)に示すように、アームをチャンバの外部に出しシャッタ411,421,431,441,451を閉じ、ウェハの洗浄を行う。なお、ウェハの洗浄を開始した後、搬送ユニット46のモータ468の駆動により次のウェハを受け取る位置まで各チャッキングユニット461〜464を上昇させてもよい。
【0140】
次に、搬送ユニット46のエアシリンダ476を駆動して、図32(c)および図32(d)に示すように、各チャッキングユニットのアームを90°回転させ持ち上げる。この状態で、搬送ユニット46のモータ470を駆動して、チャッキングユニット461〜464をそれぞれ反転機41、1次洗浄機42、2次洗浄機43、3次洗浄機44の位置まで移動させる。そして、エアシリンダ476を駆動して、各チャッキングユニットのアームを90°逆に回転させて、図31(a)および図31(b)に示す状態に戻す。なお、シャッタ411,421,431,441,451を閉じるのと同時に各チャッキングユニットのアームを90°回転させ持ち上げてもよい。なお、チャッキングユニット461〜464の上昇および回転は、チャッキングユニット461〜464が洗浄機の外に移動した後、次のウェハの搬送作業が始まる前までに行えばよい。
【0141】
このように、本実施形態においては、反転機41から1次洗浄機42に、1次洗浄機42から2次洗浄機43に、2次洗浄機43から3次洗浄機44に、3次洗浄機44から4次洗浄機45にそれぞれ半導体ウェハを同時に搬送することができる。また、洗浄機の並ぶ方向に移動させることにより、ウェハを次の洗浄機に搬送することができるので、ウェハ搬送のためのストロークを最小限に抑え、ウェハの搬送時間を短くすることが可能となる。
【0142】
また、搬送ユニット46がウェハを搬送し終わった後、チャンバの外部にアームを出すことで、シャッタ411,421,431,441,451を閉じることができ、チャンバの内部では処理を行いつつ、搬送ユニット46を所望の待機位置に移動させることができる。したがって、洗浄工程の開始時間を早くすることができ、タクトタイムを向上することができる。なお、図示はしないが、洗浄後のウェハを待機させる待機位置を4次洗浄機45に隣接して設け、4次洗浄機45において洗浄が終わったウェハを搬送ユニット46によりこの待機位置に移動させることとしてもよい。
【0143】
次に、洗浄機42,43,44について詳細に説明する。なお、洗浄機42,43,44は同一の構成を有しているので、ここでは1次洗浄機42についてのみ説明する。図33は1次洗浄機42を示す斜視図であり、図34は1次洗浄機42を示す平面図である。
【0144】
図33および図34に示すように、洗浄機42はウェハWを保持して回転させる4つのローラ481,482,483,484と、ウェハWの水平方向の移動を規制しつつ上下方向の移動を許容する4つの位置決めガイド490とを備えている。第1ローラ481と第2ローラ482は図示しない駆動機構(例えばエアシリンダ)によって図34の矢印に示す方向に移動し、同様に、第3ローラ483と第4ローラ484は図示しない駆動機構によって矢印に示す方向に移動するように構成されている。
【0145】
これら4つのローラ481,482,483,484はウェハWに向かって移動することによりウェハWの外周部に当接し、ウェハWを保持する。より具体的には、第1ローラ481および第2ローラ482はウェハWに向かって移動し、図示しないストッパにより予め決められた位置で停止する。次に、第3ローラ483および第4ローラ484はウェハWに当接するまでウェハWに向かって移動し、これによりウェハWは4つのローラ481,482,483,484により保持される。また、ローラ481,482,483,484がウェハWから離間する方向に移動することによって、ウェハWの保持が解除される。
【0146】
4つのローラ481,482,483,484は同一の構成を有している。以下、第1ローラ481について詳細に説明する。ローラ481は、保持部481aと肩部(支持部)481bとの2段構成となっている。肩部481bの直径は保持部481aの直径よりも大きく、肩部481bの上に保持部481aが形成されている。搬送ユニット46(図27参照)のアーム471a,471bにより搬送されてきたウェハWは、まず肩部481b,482b,483b,484bの上に載置され、その後ローラ481,482,483,484がウェハWに向かって移動することにより保持部481a,482a,483a,484aに保持される。
【0147】
4つのローラ481,482,483,484のうちの少なくとも1つは図示しない回転機構によって回転駆動されるように構成され、これによりウェハWはその外周部がローラ481,482,483,484に保持された状態で回転する。ウェハWが回転している間、第1ローラ481および第2ローラ482の位置がストッパによって固定されているので、ウェハWの回転中心の位置は実質的に一定となる。保持部481a,482a,483a,484aにはウェハWの外周部に緩やかに嵌合する凹部がそれぞれ形成されており、ウェハWが回転しているときにウェハWがローラ481,482,483,484から外れないようになっている。肩部481b,482b,483b,484bは外側に向かって下方に傾斜しており、保持部481a,482a,483a,484aによって保持されている間、ウェハWは肩部481b,482b,483b,484bと非接触に保たれる。
【0148】
位置決めガイド490は、ローラ481,482,483,484によって保持されたウェハWの外周部に沿って配置されている。各位置決めガイド490は、上下に延びる位置決め面490aと、ウェハWの中心に向かって下方に傾斜する傾斜面490bとを有している。位置決め面490aは半円形の横断面形状を有している。位置決めガイド490はウェハWから僅かに離間しており、各位置決めガイド490とウェハWの外周部との距離は0.5〜2mmである。本実施形態では、2対の位置決めガイド490がウェハWの中心に関して対称に配置されている。このような配置により、位置決めガイド490によってウェハWはその上下方向の移動は許容されつつ、その水平方向の移動が規制される。
【0149】
図35乃至図38は洗浄機42にウェハが搬送されるときの動作を説明すする模式図である。なお、各図35乃至図38の上半分は平面図を示し、下半分は側面図を示す。
【0150】
まず、搬送ユニット46のアーム471a,471bが水平方向に移動し、ウェハWが洗浄機42に搬入される(図35)。次に、アーム471a,471bが下降し、ウェハWがローラ481,482,483,484の肩部481b,482b,483b,484bの上に載置される(図36)。アーム471a,471bが開くと同時に、第1及び第2ローラ(位置保持ローラ)481,482がウェハWに向かって移動する(図37)。このとき、位置決めガイド490によりウェハWの水平方向の位置はほぼ一定に維持されつつ、肩部481b,482b,483b,484bの傾斜に沿ってウェハWが僅かに上方に移動する。そして、第3及び第4ローラ(押圧ローラ)483,484がウェハWに向かって移動してウェハWを保持する。このときも、位置決めガイド490によりウェハWの水平方向の位置はほぼ一定に維持されつつ、肩部481b,482b,483b,484bの傾斜に沿ってウェハWが僅かに上方に移動する。ウェハWがローラ481,482,483,484に保持されると同時にシャッタ411が閉じ、その後ウェハWの処理が開始される(図38)。ウェハWの処理が終了した後は、上述と逆の順序で同じステップが繰り返され、ウェハWが洗浄機42から搬出される。
【0151】
上述した位置決めガイドがない従来の構成では、第1及び第2ローラ481,482と、第3及び第4ローラ483,484が移動してウェハの保持が完了するまで、アーム471a,471bはそのままの状態で待機していなければならない。また、ウェハを搬出する工程も同様に待ち時間が発生し、ウェハの搬入および搬出の工程において時間のロスが生じていた。これは、ローラの移動に伴ってウェハが移動したり傾いてしまうことを防ぐために、ウェハがローラに把持されるまでアーム471a,471bがウェハを保持していなければならないからである。このようなウェハの移動や傾きは、ウェハをローラから取り出すときに特に起こりやすい。
【0152】
本実施形態の構成によれば、ローラ481,482,483,484が移動している間、位置決めガイド490によってウェハWの水平位置および姿勢がほぼ一定に保たれるので、アーム471a,471bの待ち時間が解消され、洗浄機42での全体の処理時間を短縮することができる。なお、本実施形態では、4つの位置決めガイド490が設けられているが、位置決めガイド490の数は4つに限られず、例えば4〜8の範囲内で適宜選択することができる。また、ローラの数は4つに限られず、例えば6つのローラを設けることもできる。さらに、ウェハWが回転している間、ウェハWの外周部が位置決めガイド490と接触しないように、位置決めガイド490が下降するように構成してもよい。
【0153】
次に、このような構成の研磨装置を用いてウェハを研磨する処理について説明する。ウェハをシリーズ処理する場合には、ウェハは、フロントロード部20のウェハカセット→搬送ロボット22→反転機31→リフタ32→第1リニアトランスポータ5の第1搬送ステージTS1→プッシャ33→トップリング301A→研磨テーブル300A→プッシャ33→第1リニアトランスポータ5の第2搬送ステージTS2→プッシャ34→トップリング301B→研磨テーブル300B→プッシャ34→第1リニアトランスポータ5の第3搬送ステージTS3→スイングトランスポータ7→第2リニアトランスポータ6の第5搬送ステージTS5→プッシャ37→トップリング301C→研磨テーブル300C→プッシャ37→第2リニアトランスポータ6の第6搬送ステージTS6→プッシャ38→トップリング301D→研磨テーブル300D→プッシャ38→第2リニアトランスポータ6の第7搬送ステージTS7→スイングトランスポータ7→反転機41→仮置部130→搬送ユニット46のチャッキングユニット461→1次洗浄機42→搬送ユニット46のチャッキングユニット462→2次洗浄機43→搬送ユニット46のチャッキングユニット463→3次洗浄機44→搬送ユニット46のチャッキングユニット464→4次洗浄機45→搬送ロボット22→フロントロード部20のウェハカセットという経路で搬送される。
【0154】
このときのリニアトランスポータ5,6の動作を図39から図45を参照して説明する。まず、搬送ロボット22が、フロントロード部20上のウェハカセットからウェハAを取り出し、このウェハAを反転機31に搬送する。反転機31はウェハAをチャックした後、ウェハAを180°反転させる。そして、リフタ32が上昇することによって、ウェハAはリフタ32上に載置される。リフタ32がそのまま下降することによって、ウェハAは第1リニアトランスポータ5の第1搬送ステージTS1上に載置される(図39(a))。
【0155】
リフタ32は、ウェハAが第1リニアトランスポータ5の第1搬送ステージTS1上に載置された後も、第1搬送ステージTS1が移動しても互いに干渉しない位置まで下降を続ける。リフタ32が下降を完了すると、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第4搬送位置TP4側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第1搬送位置TP1に移動する。これにより、第1搬送ステージTS1上のウェハAがトップリング301Aのウェハ受け渡し位置(第2搬送位置TP2)に移動される(図39(b))。
【0156】
ここで、第2搬送位置TP2に配置されたプッシャ33が上昇し、ウェハAがトップリング301Aに受け渡される。このとき、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第1搬送位置TP1側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第4搬送位置TP4に移動する(図39(c))。トップリング301Aに移送されたウェハAは、トップリング301Aの真空吸着機構により吸着され、ウェハAは研磨テーブル300Aまで吸着されたまま搬送される。そして、ウェハAは研磨テーブル300A上に取り付けられた研磨布または砥石等からなる研磨面で研磨される。研磨が終了したウェハAは、トップリング301Aの揺動によりプッシャ33の上方に移動され、プッシャ33に受け渡される。このウェハAは、プッシャ33の下降によって第2搬送ステージTS2上に載置される(図39(d))。このとき、上述と同様にして、次のウェハBが第1搬送ステージTS1上に載置される。
【0157】
そして、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第4搬送位置TP4側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第1搬送位置TP1に移動する。これにより、第2搬送ステージTS2上のウェハAがトップリング301Bのウェハ受け渡し位置(第3搬送位置TP3)に移動され、第1搬送ステージTS1上のウェハBはトップリング301Aのウェハ受け渡し位置(第2搬送位置TP2)に移動される(図40(a))。
【0158】
ここで、第3搬送位置TP3に配置されたプッシャ34および第2搬送位置TP2に配置されたプッシャ33が上昇し、ウェハAとウェハBがそれぞれトップリング301Bとトップリング301Aに受け渡される。このとき、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第1搬送位置TP1側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第4搬送位置TP4に移動する(図40(b))。それぞれの研磨ユニットで研磨が終了したウェハAおよびウェハBは、それぞれプッシャ34,33によって第3搬送ステージTS3、第2搬送ステージTS2上に載置される(図40(c))。このとき、上述と同様にして、次のウェハCが第1搬送ステージTS1上に載置される。
【0159】
そして、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第4搬送位置TP4側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第1搬送位置TP1に移動する。これにより、第3搬送ステージTS3上のウェハAは第4搬送位置TP4に移動され、第2搬送ステージTS2上のウェハBはトップリング301Bのウェハ受け渡し位置(第3搬送位置TP3)に移動され、第1搬送ステージTS1上のウェハCはトップリング301Aのウェハ受け渡し位置(第2搬送位置TP2)に移動される(図40(d))。
【0160】
ここで、第3搬送位置TP3に配置されたプッシャ34および第2搬送位置TP2に配置されたプッシャ33が上昇し、ウェハBとウェハCがそれぞれトップリング301Bとトップリング301Aに受け渡される。また、第4搬送位置TP4にスイングトランスポータ7のウェハ把持機構112が旋回し、ウェハAがスイングトランスポータ7に受け渡される。このとき、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第1搬送位置TP1側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第4搬送位置TP4に移動する(図41(a))。それぞれの研磨ユニットで研磨が終了したウェハBおよびウェハCは、それぞれプッシャ34,33によって第3搬送ステージTS3、第2搬送ステージTS2上に載置され、ウェハAはスイングトランスポータ7により第2研磨部3bに送られる(図41(b))。このとき、上述と同様にして、次のウェハDが第1搬送ステージTS1上に載置される(図41(b)および図41(c))。
【0161】
そして、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第4搬送位置TP4側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第1搬送位置TP1に移動する。これにより、第3搬送ステージTS3上のウェハBは第4搬送位置TP4に移動され、第2搬送ステージTS2上のウェハCはトップリング301Bのウェハ受け渡し位置(第3搬送位置TP3)に移動され、第1搬送ステージTS1上のウェハDはトップリング301Aのウェハ受け渡し位置(第2搬送位置TP2)に移動される(図41(d))。
【0162】
ここで、第3搬送位置TP3に配置されたプッシャ34および第2搬送位置TP2に配置されたプッシャ33が上昇し、ウェハCとウェハDがそれぞれトップリング301Bとトップリング301Aに受け渡される。また、第4搬送位置TP4にスイングトランスポータ7のウェハ把持機構112が旋回し、ウェハBがスイングトランスポータ7に受け渡される。このとき、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第1搬送位置TP1側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第4搬送位置TP4に移動する(図42(a))。それぞれの研磨ユニットで研磨が終了したウェハCおよびウェハDは、それぞれプッシャ34,33によって第3搬送ステージTS3、第2搬送ステージTS2上に載置され、ウェハBはスイングトランスポータ7により第2研磨部3bに送られる。このとき、上述と同様にして、次のウェハEが第1搬送ステージTS1上に載置される((b)および図42(c))。
【0163】
そして、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第4搬送位置TP4側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第1搬送位置TP1に移動する。これにより、第3搬送ステージTS3上のウェハCは第4搬送位置TP4に移動され、第2搬送ステージTS2上のウェハDはトップリング301Bのウェハ受け渡し位置(第3搬送位置TP3)に移動され、第1搬送ステージTS1上のウェハEはトップリング301Aのウェハ受け渡し位置(第2搬送位置TP2)に移動される(図42(d))。以降は、図42(a)から図42(d)に示した処理が繰り返される。
【0164】
一方、図41(b)においてウェハAを受け取ったスイングトランスポータ7は、旋回することによりこのウェハAを第2研磨部3bの第2リニアトランスポータ6の第5搬送位置TP5に搬送し(図43(a))、ウェハAが第2リニアトランスポータ6の第5搬送ステージTS5上に載置される(図43(b))。
【0165】
ウェハAが第2リニアトランスポータ6の第5搬送ステージTS5上に載置された後、上段の搬送ステージTS5,TS6が第7搬送位置TP7側に移動するとともに、下段の搬送ステージTS7が第5搬送位置TP5に移動する。これにより、第5搬送ステージTS5上のウェハAがトップリング301Cのウェハ受け渡し位置(第6搬送位置TP6)に移動される(図43(c))。
【0166】
ここで、第6搬送位置TP6に配置されたプッシャ37が上昇し、ウェハAがトップリング301Cに受け渡される(図43(d))。このとき、上段の搬送ステージTS5,TS6が第5搬送位置TP5側に移動するとともに、下段の搬送ステージTS7が第7搬送位置TP7に移動する(図44(a))。その後、研磨が終了したウェハAはプッシャ37によって第6搬送ステージTS6上に載置される(図44(b))。このとき、上述と同様にして、次のウェハBが第5搬送ステージTS5上に載置される。
【0167】
そして、上段の搬送ステージTS5,TS6が第7搬送位置TP7側に移動するとともに、下段の搬送ステージTS7が第5搬送位置TP5に移動する。これにより、第6搬送ステージTS6上のウェハAはトップリング301Dのウェハ受け渡し位置(第7搬送位置TP7)に移動され、第5搬送ステージTS5上のウェハBはトップリング301Cのウェハ受け渡し位置(第6搬送位置TP6)に移動される(図44(c))。
【0168】
ここで、第7搬送位置TP7に配置されたプッシャ38および第6搬送位置TP6に配置されたプッシャ37が上昇し、ウェハAとウェハBがそれぞれトップリング301Dとトップリング301Cに受け渡される(図44(d))。このとき、上段の搬送ステージTS5,TS6が第5搬送位置TP5側に移動するとともに、下段の搬送ステージTS7が第7搬送位置TP7に移動する(図45(a))。それぞれの研磨ユニットで研磨が終了したウェハAおよびウェハBは、それぞれプッシャ38,37によって第7搬送ステージTS7、第6搬送ステージTS6上に載置される(図45(b))。このとき、上述と同様にして、次のウェハCが第5搬送ステージTS5上に載置される。
【0169】
そして、上段の搬送ステージTS5,TS6が第7搬送位置TP7側に移動するとともに、下段の搬送ステージTS7が第5搬送位置TP5に移動する。これにより、第7搬送ステージTS7上のウェハAは第5搬送位置TP5に移動され、第6搬送ステージTS6上のウェハBはトップリング301Dのウェハ受け渡し位置(第7搬送位置TP7)に移動され、第5搬送ステージTS5上のウェハCはトップリング301Cのウェハ受け渡し位置(第6搬送位置TP6)に移動される(図45(c))。
【0170】
ここで、第7搬送位置TP7に配置されたプッシャ38および第6搬送位置TP6に配置されたプッシャ37が上昇し、ウェハBとウェハCがそれぞれトップリング301Dとトップリング301Cに受け渡され、また、第5搬送位置にスイングトランスポータ7のウェハ把持機構112が旋回し、ウェハAがスイングトランスポータ7に受け渡される(図45(d))。このとき、上段の搬送ステージTS5,TS6が第5搬送位置TP5側に移動し、下段の搬送ステージTS7が第7搬送位置TP7に移動するとともに、次のウェハDがスイングトランスポータ7によって用意される(図45(e))。以降は、図45(a)から図45(e)に示した処理が繰り返される。
【0171】
ウェハをパラレル処理する場合には、一方のウェハは、フロントロード部20のウェハカセット→搬送ロボット22→反転機31→リフタ32→第1リニアトランスポータ5の第1搬送ステージTS1→プッシャ33→トップリング301A→研磨テーブル300A→プッシャ33→第1リニアトランスポータ5の第2搬送ステージTS2→プッシャ34→トップリング301B→研磨テーブル300B→プッシャ34→第1リニアトランスポータ5の第3搬送ステージTS3→スイングトランスポータ7→反転機41→仮置部130→搬送ユニット46のチャッキングユニット461→1次洗浄機42→搬送ユニット46のチャッキングユニット462→2次洗浄機43→搬送ユニット46のチャッキングユニット463→3次洗浄機44→搬送ユニット46のチャッキングユニット464→4次洗浄機45→搬送ロボット22→フロントロード部20のウェハカセットという経路で搬送される。
【0172】
また、他方のウェハは、フロントロード部20のウェハカセット→搬送ロボット22→反転機31→リフタ32→第1リニアトランスポータ5の第4搬送ステージTS4→スイングトランスポータ7→第2リニアトランスポータ6の第5搬送ステージTS5→プッシャ37→トップリング301C→研磨テーブル300C→プッシャ37→第2リニアトランスポータ6の第6搬送ステージTS6→プッシャ38→トップリング301D→研磨テーブル300D→プッシャ38→第2リニアトランスポータ6の第7搬送ステージTS7→スイングトランスポータ7→反転機41→仮置部130→搬送ユニット46のチャッキングユニット461→1次洗浄機42→搬送ユニット46のチャッキングユニット462→2次洗浄機43→搬送ユニット46のチャッキングユニット463→3次洗浄機44→搬送ユニット46のチャッキングユニット464→4次洗浄機45→搬送ロボット22→フロントロード部20のウェハカセットという経路で搬送される。
【0173】
このときのリニアトランスポータ5,6の動作を図46から図51を参照して説明する。上述したシリーズ処理と同様にウェハAが第1リニアトランスポータ5の第1搬送ステージTS1上に載置される(図46(a))。そして、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第4搬送位置TP4側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第1搬送位置TP1に移動する。これにより、第1搬送ステージTS1上のウェハAはトップリング301Aのウェハ受け渡し位置(第2搬送位置TP2)に移動される(図46(b))。
【0174】
ここで、第2搬送位置TP2に配置されたプッシャ33が上昇し、ウェハAがトップリング301Aに受け渡される。このとき、次のウェハBが第4搬送ステージTS4上に載置される(図46(c))。そして、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第1搬送位置TP1側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第4搬送位置TP4に移動する。これにより、第4搬送ステージTS4上のウェハBが第4搬送位置に移動される(図46(d))。
【0175】
研磨が終了したウェハAはプッシャ33によって第2搬送ステージTS2上に載置されるとともに、次のウェハCが第1搬送ステージTS1上に載置される。また、第4搬送位置TP4にスイングトランスポータ7のウェハ把持機構112が旋回し、ウェハBがスイングトランスポータ7に受け渡される(図47(a))。このウェハBはスイングトランスポータ7により第2研磨部3bに送られる。
【0176】
そして、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第4搬送位置TP4側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第1搬送位置TP1に移動する。これにより、第2搬送ステージTS2上のウェハAはトップリング301Bのウェハ受け渡し位置(第3搬送位置TP3)に移動され、第1搬送ステージTS1上のウェハCはトップリング301Aのウェハ受け渡し位置(第2搬送位置TP2)に移動される(図47(b))。
【0177】
ここで、第3搬送位置TP3に配置されたプッシャ34および第2搬送位置TP2に配置されたプッシャ33が上昇し、ウェハAとウェハCがそれぞれトップリング301Bとトップリング301Aに受け渡される。また、上述と同様にして、次のウェハDが第4搬送ステージTS4上に載置される(図47(c))、そして、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第1搬送位置TP1側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第4搬送位置TP4に移動する。これにより、第4搬送ステージTS4上のウェハDが第4搬送位置に移動される(図47(d))。
【0178】
それぞれの研磨ユニットにおいて研磨が終了したウェハAおよびウェハCは、それぞれプッシャ34,33によって第3搬送ステージTS3、第2搬送ステージTS2上に載置されるとともに、次のウェハEが第1搬送ステージTS1上に載置される。また、第4搬送位置TP4にスイングトランスポータ7のウェハ把持機構112が旋回し、ウェハDがスイングトランスポータ7に受け渡される(図48(a))。
【0179】
そして、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第4搬送位置TP4側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第1搬送位置TP1に移動する。これにより、第3搬送ステージTS3上のウェハAは第4搬送位置TP4に移動され、第2搬送ステージTS2上のウェハCはトップリング301Bのウェハ受け渡し位置(第3搬送位置TP3)に移動され、第1搬送ステージTS1上のウェハEはトップリング301Aのウェハ受け渡し位置(第2搬送位置TP2)に移動される(図48(b))。
【0180】
ここで、第3搬送位置TP3に配置されたプッシャ34および第2搬送位置TP2に配置されたプッシャ33が上昇し、ウェハCとウェハEがそれぞれトップリング301Bとトップリング301Aに受け渡される。また、第4搬送位置TP4にスイングトランスポータ7のウェハ把持機構112が旋回し、研磨の終了したウェハAがスイングトランスポータ7に受け渡される(図48(c))。このとき、上述と同様にして、次のウェハFが第4搬送ステージTS4上に載置される。
【0181】
そして、下段の搬送ステージTS1,TS2,TS3が第1搬送位置TP1側に移動するとともに、上段の搬送ステージTS4が第4搬送位置TP4に移動する。これにより、第4搬送ステージTS4上のウェハFが第4搬送位置TP4に移動される(図48(d))。それぞれの研磨ユニットにおいて研磨が終了したウェハCおよびウェハEは、それぞれプッシャ34,33によって第3搬送ステージTS3、第2搬送ステージTS2上に載置されるとともに、次のウェハGが第1搬送ステージTS1上に載置される。また、第4搬送位置TP4にスイングトランスポータ7のウェハ把持機構112が旋回し、ウェハFがスイングトランスポータ7に受け渡される(図48(e))。以降は、図48(b)から図48(e)に示した処理が繰り返される。
【0182】
一方、図47(a)においてウェハBを受け取ったスイングトランスポータ7は、このウェハBを第2研磨部3bの第2リニアトランスポータ6の第5搬送位置TP5に搬送し(図49(a))、ウェハBは第2リニアトランスポータ6の第5搬送ステージTS5上に載置される(図49(b))。
【0183】
ウェハBが第2リニアトランスポータ6の第5搬送ステージTS5上に載置された後、上段の搬送ステージTS5,TS6が第7搬送位置TP7側に移動するとともに、下段の搬送ステージTS7が第5搬送位置TP5に移動する。これにより、第5搬送ステージTS5上のウェハBがトップリング301Cのウェハ受け渡し位置(第6搬送位置TP6)に移動される(図49(c))。
【0184】
ここで、第6搬送位置TP6に配置されたプッシャ37が上昇し、ウェハBがトップリング301Cに受け渡される(図49(d))。このとき、上段の搬送ステージTS5,TS6が第5搬送位置TP5側に移動するとともに、下段の搬送ステージTS7が第7搬送位置TP7に移動する(図50(a))。その後、研磨が終了したウェハBはプッシャ37によって第6搬送ステージTS6上に載置される(図50(b))。このとき、図48(a)においてスイングトランスポータ7に渡されたウェハDが第5搬送ステージTS5上に載置される。
【0185】
そして、上段の搬送ステージTS5,TS6が第7搬送位置TP7側に移動するとともに、下段の搬送ステージTS7が第5搬送位置TP5に移動する。これにより、第6搬送ステージTS6上のウェハBはトップリング301Dのウェハ受け渡し位置(第7搬送位置TP7)に移動され、第5搬送ステージTS5上のウェハDはトップリング301Cのウェハ受け渡し位置(第6搬送位置TP6)に移動される(図50(c)。
【0186】
ここで、第7搬送位置TP7に配置されたプッシャ38および第6搬送位置TP6に配置されたプッシャ37が上昇し、ウェハBとウェハDがそれぞれトップリング301Dとトップリング301Cに受け渡される(図50(d))。このとき、上段の搬送ステージTS5,TS6が第5搬送位置TP5側に移動するとともに、下段の搬送ステージTS7が第7搬送位置TP7に移動する(図51(a))。それぞれの研磨ユニットで研磨が終了したウェハBおよびウェハDは、それぞれプッシャ38,37によって第7搬送ステージTS7、第6搬送ステージTS6上に載置される(図51(b))。このとき、図48(e)においてスイングトランスポータ7に渡されたウェハFが第5搬送ステージTS5上に載置される。
【0187】
そして、上段の搬送ステージTS5,TS6が第7搬送位置TP7側に移動するとともに、下段の搬送ステージTS7が第5搬送位置TP5に移動する。これにより、第7搬送ステージTS7上のウェハBは第5搬送位置に移動され、第6搬送ステージTS6上のウェハDはトップリング301Dのウェハ受け渡し位置(第7搬送位置TP7)に移動され、第5搬送ステージTS5上のウェハFはトップリング301Cのウェハ受け渡し位置(第6搬送位置TP6)に移動される(図51(c))。
【0188】
ここで、第7搬送位置TP7に配置されたプッシャ38および第6搬送位置TP6に配置されたプッシャ37が上昇し、ウェハDとウェハFがそれぞれトップリング301Dとトップリング301Cに受け渡され、また、第5搬送位置にスイングトランスポータ7のウェハ把持機構112が旋回し、ウェハBがスイングトランスポータ7に受け渡される(図51(d))。このとき、上段の搬送ステージTS5,TS6が第5搬送位置TP5側に移動し、下段の搬送ステージTS7が第7搬送位置TP7に移動するとともに、次のウェハHがスイングトランスポータ7によって用意される(図51(e))。以降は、図51(a)から図51(e)に示した処理が繰り返される。
【0189】
ここで、ウェハをパラレル処理する場合、上述したように、第1リニアトランスポータ5の第4搬送ステージTS4は、第1搬送位置TP1から第4搬送位置TP4にウェハを搬送するようになっており、第2搬送位置TP2および第3搬送位置TP3はスキップされる。この第4搬送ステージTS4に代えて、図52に示すように、第1リニアトランスポータ5と洗浄部4との間に、ウェハを垂直に保持して第1搬送位置TP1から第4搬送位置TP4に搬送する垂直搬送機構700を設けてもよい。このような垂直搬送機構700を第1リニアトランスポータ5の第1搬送ステージTS1、第2搬送ステージTS2、第3搬送ステージTS3から構成される水平搬送機構に追加すれば、第1研磨部3aからのコンタミネーションの影響を受けることなく、クリーンな状態でウェハを第2研磨部3bに搬送することができる。また、研磨部を通過させることなく洗浄機の性能を確認するコンタミネーションルートを確保することができる。すなわち、研磨しないウェハを垂直搬送機構700によりスイングトランスポータ7に送り、反転機41を経由して洗浄機42〜45に送ることができるので、各洗浄機42〜45の個々の洗浄性性能や逆汚染の評価を行うことができる。さらに、搬送ロボット22から第2研磨部3bへのウェハの搬送を第1研磨部3a内のウェハの搬送とは別ルートで行うことができるので、第1リニアトランスポータ5におけるウェハの滞留を抑えることができる。なお、このような垂直搬送機構700の構造としては、上述した洗浄部4の搬送ユニット46の構造(図29参照)を利用することができる。
【0190】
図53は図1に示す研磨装置の枠体の構成を示す斜視図である。本実施形態では、洗浄部4の枠体710を他の枠体711から取り外すことができるようになっている。すなわち、図54に示すように、洗浄部4の枠体710の下部には、枠体710を固定するための固定脚712と、枠体710を引き出すためのキャスター脚714とが設けられている。キャスター脚714の下部にはステンレスプレート716が配置されている。
【0191】
図55は、キャスター脚714を示す斜視図である。図55に示すように、キャスター脚714は、枠体710の引き出し方向に転動可能なメインローラ718と、ステンレスプレート716に設けられた突き当て部719に当接するサイドローラ720とを備えている。このサイドローラ720が取り付けられているベース722には長孔724が形成されており、この長孔724に挿通されるねじ726の締め付けによりサイドローラ720の位置を調整できるようになっている。また、このキャスター脚714の上部にはねじ723が設けられており、このねじ723の締め付けによりキャスター脚714の長さを調整できるようになっている。
【0192】
洗浄部4の枠体710を引き出す場合は、図56に示すように、キャスター脚714の下部に配置されたステンレスプレート716に延長プレート724を配置し、枠体710の中央部にハンドル付ボールねじ機構726を接続する。そして、キャスター脚714の上部のねじ723を締め付けることでキャスター脚714を延ばし、図57に示すように、キャスター脚714が固定脚712よりも長くなるようにする。これにより、これまで固定脚712により支持されていた枠体710がキャスター脚714によって支持されることになる。この状態で、図56に示すボールねじ機構726のハンドル726aを回すと、キャスター脚714のメインローラ718がステンレスプレート716および延長プレート724上を転がり、洗浄部4の枠体710を引き出すことが可能となる。
【0193】
ここで、図54に示すように、枠体710の引き出し方向に延びるガイド体730,731が洗浄部4の枠体710に隣接して設けられている。これら上下のガイド体730,731に対応して、洗浄部4の枠体710の側面には、上下のガイド体730,731の間に配置される突起部732が設けられている。図58に矢印で示すように、洗浄部4の枠体710が引き出されるとき、上記突起部732は上下のガイド体730,731の間を移動する。このような構成によれば、枠体710が傾いて倒れそうになっても、枠体710の突起部732が下ガイド体730または上ガイド体731に係止するため、枠体710が転倒してしまうことがない。なお、上下のガイド体730,731の端部には、枠体710が過度に押し込まれることを防止する押込制限部733が設けられている。
【0194】
図59に示すように、上述した洗浄部4の枠体710内には反転機41および洗浄機42〜45がユニットとして組み込まれているが、本実施形態では、それぞれのユニット740が洗浄部4の枠体710から個別に引き出して取り外せるようになっている。すなわち、図60に示すように、ユニット740は、下方に延びる4本の脚742を有しており、これらの脚742の下部にはスライドブロック744が取り付けられている。このスライドブロック744は、ユニット740の引き出し方向に延びる樹脂プレート746上に配置されており、ユニット740が引き出されるときにはスライドブロック744が樹脂プレート746上を摺動するようになっている。
【0195】
樹脂プレート746は、ユニット740の引き出し方向に延びるガイドプレート748上に配置されており、このガイドプレート748には、隣接するユニット740のスライドブロック744を挟むガイド体750が設けられている。このガイド体750は、ユニット740の引き出し方向に延び、ユニット740が引き出されるときにスライドブロック744をガイドするようになっている。このような構成により、ユニット740に搭載された洗浄機を例えば上述したロールタイプの洗浄機からペンシルタイプの洗浄機に交換する際の時間が短縮され、交換作業も簡単になる。なお、ユニット740を固定する際には、ガイド体750の側面に取り付けられるねじ752を締め付け、スライドブロック744を固定することによりユニット740が固定される。
【0196】
なお、上述した枠体710,711をはじめとする研磨装置の外装はアルミニウムで形成されており、軽量化が図られている。したがって、メンテナンス時に洗浄部4の枠体710やユニット740を引き出すことが容易であり、その移動の際の安全性も向上する。
【0197】
図61は図1に示す研磨装置の薬液供給装置800を示すブロック図、図62および図63は薬液供給装置800を示す縦断面図である。図61から図63に示すように、本実施形態における薬液供給装置800は、研磨液や洗浄液などの薬液801を供給する薬液供給配管802と、薬液供給配管802を流れる薬液801の圧力を検出する圧力センサ804と、薬液供給配管802を流れる薬液801の流量をON/OFFするエアオペレートバルブ806と、薬液供給配管802に純水808を供給する純水供給配管810と、純水供給配管810を流れる純水808の流量をON/OFFするエアオペレートバルブ812と、薬液供給配管802を流れる薬液801が純水供給配管810に逆流することを防止するチェッキ弁814と、使用されない薬液816を薬液供給配管802から戻す薬液戻し配管818と、薬液戻し配管818を流れる薬液816の流量をON/OFFするエアオペレートバルブ820とを同一のユニット内に備えている。
【0198】
このような構成の薬液供給装置800においては、エアオペレートバルブ806を調整することにより、薬液供給配管802から各研磨ユニット30A,30B,30C,30Dの研磨液供給ノズル302A,302B,302C,302D(図1参照)に薬液801が供給されるようになっている。また、薬液供給配管802を洗浄する場合には、エアオペレートバルブ812を開いて純水808を薬液供給配管802に供給し、薬液供給配管802内に目詰まりが生ずるのを防止する。また、研磨に使用されない薬液816は、エアオペレートバルブ820を調整することにより薬液戻し配管818から供給源に戻される。
【0199】
このように、本実施形態では、圧力センサ804、エアオペレートバルブ806、エアオペレートバルブ812、チェッキ弁814、エアオペレートバルブ820などを一体化しているので、薬液供給装置800の設置スペースが小さくなり、コストダウンを図ることができる。また、これらの部材が1箇所に集まるので、メンテナンスの作業性が向上する。
【0200】
なお、上述の実施形態では、ウェハを研磨する研磨装置を例に説明したが、本発明は研磨装置に限らず他の基板処理装置にも適用できるものである。例えば、複数の研磨ユニットを他の基板処理ユニット(例えば、めっき処理ユニットやCVDユニットなどの成膜処理ユニット、ウェットエッチングユニットやドライエッチングユニットなど)に置き換え、研磨装置とは別の基板処理装置を構成してもよい。また、異なる複数の基板処理ユニットを組み合わせ、これらを所定の方向に並べて配置してもよい。
【0201】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0202】
本発明は、基板処理装置、特に半導体ウェハなどの基板を平坦かつ鏡面状に研磨するために用いられる基板処理装置に利用可能である。また、本発明は、かかる基板処理装置において用いられる基板搬送装置に利用可能である。さらに、本発明は、かかる基板搬送装置や反転機において用いられる基板把持装置利用可能である。また、本発明は、上述した基板処理装置において用いられる薬液処理装置に利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対して所定の処理を行う複数の処理部を有する基板処理装置であって、
前記複数の処理部のうち少なくとも1つは、
枠体と、
前記枠体を固定する固定脚と、
引き出し方向に転動可能なメインローラを有し、長さが調整可能なキャスター脚と、
を備え、
前記枠体の引き出し時には、前記キャスター脚を前記固定脚よりも長くすることで、前記枠体を前記キャスター脚で支持するように構成されていることを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記キャスター脚は、隣接する部材に当接するサイドローラを有することを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記枠体は、該枠体に隣接して設けられた前記引き出し方向に延びる一対のガイド体の間に配置される突起部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
基板に対して所定の処理を行う複数のユニットが前記枠体に収容されており、
前記枠体は、
前記ユニットの脚に取り付けられたスライドブロックを摺動させるプレートと、
前記プレート上を摺動するスライドブロックを引き出し方向にガイドするガイド体と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【公開番号】特開2012−209589(P2012−209589A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−158786(P2012−158786)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【分割の表示】特願2008−502809(P2008−502809)の分割
【原出願日】平成19年2月21日(2007.2.21)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】