説明

基板処理装置

【課題】硫酸の温度の変更に容易に対応可能な基板処理装置を提供する。
【解決手段】この基板処理装置は、硫酸と過酸化水素水とを混合して生成したレジスト剥離液を基板Wの表面に供給する。この基板処理装置は、レジスト剥離液を基板に向けて吐出するノズル2と、ノズル2に向けて過酸化水素水を流通させる過酸化水素水供給路30と、過酸化水素水供給路30上においてノズル2までの流路長が異なる複数の混合位置MP1,MP2,MP3,MP4にそれぞれ接続された複数の硫酸供給路31,32,33,34と、硫酸供給源25からの硫酸を前記複数の硫酸供給路から選択された硫酸供給路に導入する硫酸供給路選択ユニット35とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、硫酸と過酸化水素水とを混合して生成したレジスト剥離液を基板の表面に供給する基板処理装置に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体装置等の製造工程では、選択的エッチングや選択的イオン注入のために、基板の表面にレジストのパターンが形成される。その後、レジストを基板上から剥離するためのレジスト剥離処理が行われる。レジスト剥離を液処理で行う場合に使用されるレジスト剥離液には、たとえば、硫酸と過酸化水素水との混合液(硫酸過酸化水素水混合液。SPM:sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture)が用いられる。SPMは、強い酸化力をもつペルオキソー硫酸を含み、かつ、硫酸と過酸化水素水との混合時に生じる反応熱によって液温が上昇するので、高いレジスト除去能力を発揮する。
【0003】
SPMを用いてレジスト剥離処理を行う基板処理装置の一例は、特許文献1に開示されている。この基板処理装置は、昇温された硫酸をノズルに向けて通送する硫酸供給路と、硫酸供給路上の互いに異なる位置に設けられた複数のミキシングポイントのそれぞれに接続された過酸化水素水供給路と、前記複数のミキシングポイントのそれぞれにおいて前記過酸化水素水供給路から硫酸供給路に流入する過酸化水素水の流量を個別に制御する制御手段とを含む。複数のミキシングポイントからノズルまでの経路長が異なるので、硫酸と過酸化水素水とが混合してからノズルに達するまでの時間が異なる。これにより、たとえば、混合前の硫酸の温度に応じてミキシングポイントを適切に選択することによって、混合時の反応熱による昇温を利用してレジスト剥離液を昇温させ、適切な温度のレジスト剥離液をノズルから吐出させることができる。また、過酸化水素水供給路から硫酸供給路に流入する過酸化水素水の流量を制御することによって、過酸化水素水と硫酸との混合比を調節できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−225789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
硫酸と過酸化水素水とを混合すると反応熱が発生するので、それらの混合液(SPM)の温度は、混合からの時間経過に伴い、一旦上昇してピークを迎えた後に下降する。また、SPM中の酸化剤(ペルオキソー硫酸等)の濃度は、混合からの時間経過に伴って減少する。混合後のSPMの温度変化および酸化剤濃度の変化は、混合前の硫酸の温度に依存している。そのため、混合前の硫酸の温度に応じて、最適なミキシングポイントを選択することによって、ノズルから吐出されるSPMのレジスト剥離性能を最大化できる。
【0006】
一方、SPMのレジスト剥離性能を最大にするための硫酸および過酸化水素水の混合比も、混合前の硫酸の温度に依存する。したがって、混合前の硫酸の温度に応じて混合比を最適化することによって、ノズルから最大性能のレジスト剥離液を吐出させることができる。この場合、過酸化水素水の流量だけを変えて混合比を調節すると、ノズルから吐出されるレジスト剥離液の流量に過不足が生じる。そのため、過酸化水素水流量だけでなく、硫酸の流量も併せて調節する必要がある。
【0007】
ところが、自動制御が可能な流量コントローラは、常温の流体にしか対応していない。そのため、過酸化水素水流量の調整は流量コントローラで行えるが、硫酸流量の調整は、手動のニードルバルブによらなければならない。したがって、特許文献1の構成であっても、使用する硫酸の温度を変更する場合には、硫酸供給路に介装したニードルバルブの手動調整が必要となる。より詳細には、ニードルバルブの手動調整と、実際にSPM液を吐出して行う評価(試験的な基板処理)とを繰り返し行って、ニードルバルブの適切な開度位置を見つけ出す必要がある。このような調整には、熟練した作業者による長時間の作業が要求される。
【0008】
そこで、この発明の目的は、硫酸の温度の変更に容易に対応可能な基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、硫酸と過酸化水素水とを混合して生成したレジスト剥離液を基板の表面に供給する基板処理装置であって、前記レジスト剥離液を基板に向けて吐出するノズル(2)と、前記ノズルに向けて過酸化水素水を流通させる過酸化水素水供給路(30)と、前記過酸化水素水供給路上において前記ノズルまでの流路長が異なる複数の混合位置(MP1,MP2,MP3,MP4)にそれぞれ接続された複数の硫酸供給路(31,32,33,34)と、硫酸供給源(25)からの硫酸を前記複数の硫酸供給路から選択された硫酸供給路に導入する硫酸供給路選択ユニット(35)とを含む、基板処理装置である。なお、括弧内の英数字は後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。以下、この項において同じ。
【0010】
この構成によれば、過酸化水素水供給路上の複数の混合位置に複数の硫酸供給路がそれぞれ接続されている。したがって、いずれかの混合位置で硫酸と過酸化水素水とが混合され、それらの混合液からなるレジスト剥離液が生成される。このレジスト剥離液は、混合点からノズルに至る流路内で、混合による発熱反応によって昇温し、昇温後のレジスト剥離液がノズルから基板に向けて吐出される。硫酸供給路選択ユニットは、複数の硫酸供給路から一つまたは複数(好ましくは一つ)の硫酸供給路を選択し、硫酸供給源からの硫酸を、その選択された硫酸供給路に導入する。硫酸供給路を選択することによって、混合位置が同時に選択される。よって、硫酸および過酸化水素水の混合の後、当該選択された混合位置からノズルまでの流路長に応じた時間が経過した後に、ノズルからレジスト剥離液が吐出される。その時間の間に、硫酸および過酸化水素水の混合による発熱によってレジスト剥離液が昇温する。このように、硫酸供給路の選択によって、硫酸および過酸化水素水の混合点からノズルまでの流路長を選択できる。また、複数の硫酸供給路における硫酸の流量を個別に定めておけば、硫酸供給路を切り換えるだけで、流量コントローラを用いなくても、硫酸流量を切り換えることができる。よって、硫酸流量の調整が容易である。したがって、硫酸の温度に応じて、混合位置の変更や硫酸流量の変更が要求されるならば、このような要求に即座に対処できる。
【0011】
請求項2記載の発明は、前記複数の硫酸供給路が、個別に設定された流量で対応する混合位置に向けて硫酸を流通させるように構成されている、請求項1に記載の基板処理装置である。この構成によれば、複数の硫酸供給路における流量が個別に設定されているので、硫酸供給路を変更することによって、硫酸流量を容易に変更できる。
請求項3記載の発明は、前記複数の硫酸供給路の流量および対応する混合位置が、異なる温度の硫酸に対応するように設定されている、請求項2に記載の基板処理装置である。この構成によれば、硫酸の温度に応じて硫酸供給路を選択すれば、混合位置および硫酸流量が、同時にかつ適切に設定される。これにより、硫酸の温度の変更に対する対処が一層容易になる。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記硫酸供給源からの硫酸の温度に応じて前記硫酸供給路選択ユニットを制御する制御ユニット(15)をさらに含む、請求項3に記載の基板処理装置である。この構成によれば、制御ユニットによって硫酸供給路選択ユニットが制御されるので、硫酸の温度に対応する混合位置および硫酸流量の変更を自動化できる。
請求項5記載の発明は、前記複数の硫酸供給路にそれぞれ介装された複数の流量調整弁(51,52,53,54)をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置である。この構成によれば、複数の硫酸供給路にそれぞれ介装された複数の流量調整弁(たとえばニードルバルブ等の手動流量調整弁)によって、複数の硫酸供給路における流量を個別に設定できる。たとえば、複数の流量調整弁の開度を、複数の異なる硫酸温度に対応した流量が得られるように適切に個別調整しておけばよい。これにより、使用する硫酸の温度が変更されるときには、硫酸供給路の選択を切り換えるだけで、当該温度に対応した流量で硫酸を供給できる。
【0013】
請求項6記載の発明は、前記過酸化水素水供給路を流通する過酸化水素水の流量を制御する流量コントローラ(22)をさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置である。この構成によれば、過酸化水素水の流量が流量コントローラによって制御されるので、適切な混合比で硫酸および過酸化水素水を混合でき、かつ必要な吐出流量でノズルからレジスト剥離液を吐出させることができる。
【0014】
請求項7記載の発明は、前記過酸化水素水供給路において最下流の混合位置(MP4)と最上流の混合位置(MP1)との間に配置され、硫酸と過酸化水素水との混合液を撹拌する撹拌手段(23)をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置である。この構成によれば、過酸化水素水供給路において最上流の混合位置よりも下流に配置された撹拌手段によって、レジスト剥離液の混合を促進できるので、硫酸と過酸化水素水との混合に伴う発熱を促進でき、レジスト剥離液の剥離性能を上げることができる。撹拌手段は、最下流の混合位置よりも上流に配置されているので、最下流の混合位置からノズルまでの流路には、撹拌手段の耐熱温度を超えるレジスト剥離液を流通させることも可能である。したがって、撹拌手段の耐熱温度による制限を受けることなく、高温のレジスト剥離液を用いた基板処理(レジスト剥離処理)を行うことができる。
【0015】
請求項8記載の発明は、前記撹拌手段が、最上流の混合位置(MP1)と、当該最上流の混合位置に対して下流側に隣接する別の混合位置(MP2)との間において前記過酸化水素水供給路に配置されている、請求項7に記載の基板処理装置である。この構成によれば、最上流の混合位置と、それに隣接する混合位置との間に撹拌手段が配置されているので、当該隣接する混合位置よりも下流側には、撹拌手段の耐熱温度を超える高温のレジスト剥離液を流通させることができる。硫酸の温度が低いときには、硫酸および過酸化水素水の混合から吐出までの反応時間を長くして反応熱による昇温の時間を確保する必要がある。したがって、最上流の混合位置に接続された硫酸供給路は、比較的低温の硫酸を用いる場合に選択することが好ましい。よって、最上流の混合位置とそれに隣接する混合位置との間に撹拌手段を配置しても、撹拌手段の耐熱温度は問題とはならない。また、このような位置に撹拌手段を配置することによって、低温の硫酸を用いた場合でも、混合による反応熱を十分に利用して剥離性能の高いレジスト剥離液を生成し、そのレジスト剥離液をノズルから吐出させることができる。
【0016】
請求項9記載の発明は、前記硫酸供給源が、前記複数の硫酸供給路に供給される硫酸を昇温させるための昇温ユニット(26)を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置である。この構成によれば、硫酸を昇温させることができるので、レジスト剥離液の性能を一層高めることができる。また、昇温ユニットの駆動状態を変化させることによって、硫酸の温度を変更できる。
【0017】
請求項10記載の発明は、前記硫酸供給路選択ユニットが、前記複数の硫酸供給路にそれぞれ介装された開閉弁(41,42,43,44)を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の基板処理装置である。この構成によれば、複数の硫酸供給路にそれぞれ開閉弁が介装されているので、これらの開閉弁の開閉によって硫酸供給路を選択できる。高温流体に適応可能な耐熱仕様の開閉弁は市販されているので、このような耐熱仕様の開閉弁を硫酸供給路に配置すればよい。開閉弁は、エア駆動式の弁(エア弁)のように、制御ユニットによる自動制御が可能な構成を有していることが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す模式的な断面図である。
【図2】前記基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図3】前記基板処理装置の制御ユニットの制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】図4Aは、80℃の硫酸と室温の過酸化水素水とを混合してSPMを調製したときのSPM温度の時間変化およびSPM中の酸化剤濃度の時間変化を示す。図4Bは、180℃の硫酸と室温の過酸化水素水とを混合してSPMを調製したときのSPM温度の時間変化およびSPM中の酸化剤濃度の時間変化を示す。
【図5】硫酸温度および混合比に対するレジスト剥離性能を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す模式的な断面図である。この基板処理装置は、半導体ウエハ等の基板Wの表面に形成されているレジスト膜を除去(剥離)するためのレジスト除去(レジスト剥離)処理のために用いられる。この基板処理装置は、基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式基板処理装置である。この基板処理装置では、レジスト剥離液として、硫酸と過酸化水素水との混合液である硫酸過酸化水素水混合液(SPM:sulfuric acid/hydrogen peroxide mixture)が用いられる。
【0020】
この基板処理装置は、基板Wをほぼ水平姿勢に保持して鉛直軸線回りに回転させる基板保持機構としてのスピンチャック1と、スピンチャック1に保持された基板Wの表面(上面)に向けてSPMを吐出するノズル2とを有している。基板処理装置は、これらの他にも、スピンチャック1に保持された基板Wの表面に純水(脱イオン水)を供給するノズル、基板Wの表面に炭酸水を供給するノズル、基板Wの表面に炭酸水等の液滴をスプレーする二流体ノズル、基板Wの表面に窒素ガス等の不活性ガスを供給する不活性ガスノズル等を備えていてもよい。
【0021】
スピンチャック1は、鉛直方向に沿って配置された回転軸3と、回転軸3の上端に固定された円盤状のスピンベース4と、スピンベース4の周縁部に立設された複数のチャックピン5とを含む。回転軸3には、基板回転機構としてのチャック回転機構6からの回転力が伝達されるようになっている。チャックピン5は、基板Wの周端面に当接して当該基板Wを挟持する挟持状態と、基板Wの周端面から離間して基板Wの挟持を解放する開放状態とに切り換え可能(開閉可能)に構成されている。このような構成により、チャックピン5で基板Wを挟持した状態でチャック回転機構6を駆動すると、基板Wは、その中心を通る鉛直軸線Jまわりに回転する。チャック回転機構6および回転軸3は、円筒状のケーシング7内に収容されている。なお、図1には、基板Wを機械的に保持するメカニカルチャックを例示してあるが、むろん、基板Wの下面を吸引して保持するバキュームチャック等の他の形態の基板保持機構を用いることもできる。
【0022】
ケーシング7の周囲には、基板Wの処理のために用いられた処理液(薬液またはリンス液)を集めて排液または回収するための処理液受け部8が固定的に設けられている。処理液受け部8は、たとえば、同軸状に形成された複数の円筒状仕切り板によって区分された複数の環状溝を有している。処理液受け部8の上方には、基板Wから飛び散る処理液を受け止めて処理液受け部8の環状溝に案内するためのスプラッシュガード9が上下動可能に設けられている。スプラッシュガード9は、ガード昇降機構10によって上下動され、それによって、基板Wから遠心力によって飛び出してくる処理液を受け止め、処理液受け部8のいずれかの環状溝に流下させる。処理液受け部8およびスプラッシュガード9は、スピンチャック1を収容する処理空間を区画する処理カップ13を形成している。
【0023】
ノズル2は、ノズル移動機構11によって、基板Wの表面(上面)に沿って移動されるスキャンノズルの形態を有している。ノズル移動機構11は、水平方向に延びる揺動アームと、揺動アームの基端部に結合され鉛直方向に延びた回動軸と、回動軸を鉛直軸線回りに回動させる回動駆動機構とを有していてもよい。この場合、ノズル2は、揺動アームの先端部に固定される。回動駆動機構を駆動して回動軸を回動させると、揺動アームが水平面内で揺動し、それに応じて、ノズル2が基板Wの上方で水平移動する。ノズル移動機構11は、たとえば、ノズル2から吐出された処理液(レジスト剥離液)の着液点が基板Wの回転中心と基板Wの周端縁とを通る軌跡を描くように構成されている。これにより、基板W上における処理液(レジスト剥離液)の着液点を、基板Wの回転中心と周端縁との間でスキャンさせることができる。
【0024】
ノズル2には、過酸化水素水供給源20からの過酸化水素水をノズル2に向けて供給する過酸化水素水供給路30が結合されている。過酸化水素水供給源20は、常温(室温)の過酸化水素水を供給する。過酸化水素水供給路30には、過酸化水素水供給源20側から順に、過酸化水素水バルブ21および流量コントローラ22が介装されている。過酸化水素水バルブ21は、過酸化水素水供給路30の流路を開閉する開閉弁であり、たとえば、エア駆動式バルブ等のように自動制御による開閉が可能な弁である。流量コントローラ22は、外部からの設定信号によって流量を設定することができ、設定された流量で流体を通過させるように構成されている。すなわち、流量コントローラ22は、自動制御による流量調整が可能な流量調整器である。
【0025】
過酸化水素水供給路30上には、ノズル2の先端(吐出口)までの流路長が異なる複数の混合位置MP1,MP2,MP3,MP4が設定されている。第1混合位置MP1は、過酸化水素水供給路30における過酸化水素水の流れ方向に関して最も上流に配置されている。第2混合位置MP2は、第1混合位置MP1に対して、間隔を開けて、下流側に隣接している。第3混合位置MP3は、第2混合位置MP2に対して、間隔を開けて、下流側に隣接している。第4混合位置MP4は、第3混合位置MP3に対して、間隔を開けて、下流側に隣接しており、この実施形態では最下流の混合位置である。よって、混合位置MP1,MP2,MP3,MP4からノズルまでの流路長X1,X2,X3,X4に関して、X1>X2>X3>X4が成立している。
【0026】
第1混合位置MP1と、これに対して下流側に隣接する第2混合位置MP2との間には、撹拌手段としての撹拌フィン付き流通管23が過酸化水素水供給路30に介装されている。撹拌フィン付き流通管23は、管部材内に、それぞれ液体流通方向を軸にほぼ180度のねじれを加えた長方形板状体からなる複数の撹拌フィンを、液体流通方向に沿う管中心軸まわりの回転角度を90度ずつ交互に異ならせて配置した構成のものである。このような撹拌フィン付き流通管23としては、たとえば、株式会社ノリタケカンパニーリミテド・アドバンス電気工業株式会社製の商品名「MXシリーズ:インラインミキサー」を用いることができる。
【0027】
複数の硫酸供給路31,32,33,34が、それぞれ複数の混合位置MP1,MP2,MP3,MP4において、過酸化水素水供給路30に接続されている。複数の硫酸供給路31,32,33,34には、硫酸供給源25からの硫酸が、供給元ライン27から供給されるようになっている。より具体的には、複数の硫酸供給路31,32,33,34は、供給元ライン27から分岐した分岐路である。供給元ライン27には、硫酸供給路31,32,33,34への分岐点よりも上流側に硫酸バルブ28が介装されている。硫酸バルブ28は、供給元ライン27の流路を開閉する開閉弁であり、たとえば、エア駆動式バルブ等のように自動制御による開閉が可能な弁である。硫酸供給源25は、この実施形態では、供給元ライン27に介装された昇温ユニット26を含む。昇温ユニット26は、供給元(たとえば硫酸を貯留したタンク)からの硫酸を室温よりも高い温度に昇温して、下流側へと流すように構成されている。したがって、複数の硫酸供給路31,32,33,34には、室温よりも高温に昇温された硫酸が供給される。
【0028】
複数の硫酸供給路31,32,33,34には、それぞれ、上流側から順に開閉弁41,42,43,44および流量調整弁51,52,53,54の各対が介装されている。開閉弁41,42,43,44は、硫酸供給路31,32,33,34をそれぞれ開閉する弁であり、たとえば、エア駆動式バルブ等のように自動制御による開閉が可能な弁である。流量調整弁51,52,53,54は、ニードルバルブ等のように手動によって開度を調整することができる弁である。流量コントローラは、通常、室温の流体の流量を制御するように構成されているので、昇温された硫酸が流通する硫酸供給路31,32,33,34には配置できない。
【0029】
複数の硫酸供給路31,32,33,34にそれぞれ介装された開閉弁41,42,43,44は、複数の硫酸供給路31,32,33,34からいずれかの硫酸供給路31,32,33,34を選択して供給元ライン27からの硫酸を流通させる硫酸供給路選択ユニット35を構成している。すなわち、いずれかの硫酸供給路に介装された開閉弁を開けば、当該硫酸供給路に供給元ライン27からの硫酸が流れ込む。典型的には複数の硫酸供給路31,32,33,34から一つの硫酸供給路31,32,33,34が選択されるが、2つ以上の硫酸供給路の開閉弁を同時に開くことにより、2つ以上の硫酸供給路を選択することもできる。
【0030】
いずれかの硫酸供給路31,32,33,34の開閉弁が開かれることによって、対応する混合位置MP1,MP2,MP3,MP4において、過酸化水素水供給路30に硫酸が流れ込む。これにより、当該混合位置で硫酸と過酸化水素水とが混合されて、それらの混合液からなるレジスト剥離液(硫酸過酸化水素水混合液:SPM)が生成される。このSPMは、当該混合位置よりも下流の過酸化水素水供給路30を通ってノズル2に至り、このノズル2から基板Wに向けて吐出される。混合位置からノズル2に至るまでに流路長X1,X2,X3またはX4に渡って過酸化水素水供給路30をSPMが通る間に、SPM中の硫酸および過酸化水素水の混合反応が進行し、その反応に伴う反応熱によって、SPMが昇温していく。それによって、ノズル2からは、硫酸供給源25から供給される硫酸の温度よりも高温のSPMが吐出される。
【0031】
最上流に配置された第1混合位置MP1に対応した第1硫酸供給路31が選択されると(すなわち、第1開閉弁41が開かれると)、硫酸および過酸化水素水は、混合後に、撹拌フィン付き流通管23を通る。これにより、混合が一層促進され、混合による反応熱が発生しやすくなる。
複数の混合位置MP1,MP2,MP3,MP4は、異なる温度の硫酸に対応するように設定されている。具体的には、4種類の硫酸温度が想定されており、そのうち最も低い硫酸温度(第1硫酸温度。たとえば80℃)に第1混合位置MP1が対応しており、2番目に低い硫酸温度(第2硫酸温度。たとえば100℃)に第2混合位置MP2が対応しており、3番目に低い硫酸温度(第3硫酸温度。たとえば130℃)に第3混合位置MP3が対応しており、4番目に低い(この実施形態では最も高い)硫酸温度(第4硫酸温度。たとえば180℃)に第4混合位置MP4が対応している。すなわち、硫酸温度が低いほど、混合位置からノズル2の先端までの流路長が長くなっている。各混合位置からノズル2の先端の流路長は、当該混合位置で過酸化水素水に合流する硫酸の温度に応じて、最適な値になるように設計されている。
【0032】
一方、手動の流量調整弁51,52,53,54の開度は、対応する硫酸供給路31,32,33,34において想定されている硫酸温度に対応するように予め調整される。より具体的には、当該硫酸温度に対応する混合比で硫酸および過酸化水素水が混合され、かつ、ノズル2から必要な吐出流量でSPMが吐出されるように、流量調整弁51,52,53,54の開度が手動調整される。
【0033】
図2は、前記基板処理装置の電気的構成を説明するためのブロック図である。基板処理装置は、装置の各部を制御するための制御ユニット15を備えている。制御ユニット15は、コンピュータとしての基本構成を有し、チャック回転機構6、ガード昇降機構10、ノズル移動機構11、過酸化水素水バルブ21、流量コントローラ22、昇温ユニット26、硫酸バルブ28、第1〜第4開閉弁41,42,43,44などを制御するようにプログラムされている。
【0034】
図3は、制御ユニット15のSPM(レジスト剥離液)供給に関する制御動作を説明するためのフローチャートである。制御ユニット15は、過酸化水素水と混合すべき硫酸の温度の設定値を読み込む(ステップS1)。硫酸温度の設定値は、基板処理装置の使用者によって予め入力された値である。基板処理条件を記述したレシピ内で硫酸温度設定値が指定されてもよい。制御ユニット15は、硫酸温度設定値に応じて、昇温ユニット26を制御する(ステップS2)。これにより、硫酸供給源25から、硫酸温度設定値まで昇温された硫酸が供給される。制御ユニット15は、さらに、硫酸温度設定値に応じて、第1〜第4開閉弁41,42,43,44のいずれか(好ましくはいずれか一つ)を開く(ステップS3)。さらに、制御ユニット15は、硫酸温度設定値に応じて、流量コントローラ22を制御する(ステップS4)。その後は、制御ユニット15は、SPMを基板Wに吐出すべきタイミングで(ステップS5)、硫酸バルブ28および過酸化水素水バルブ21を開き(ステップS6)、その後、SPMの基板Wへの吐出を停止すべきタイミングで(ステップS7)、硫酸バルブ28および過酸化水素水バルブ21を閉じる(ステップS8)。この後の制御は、ステップS1に戻る。
【0035】
このような制御のほかにも、制御ユニット15は、チャック回転機構6を制御してスピンチャック1の回転速度を制御し、ガード昇降機構10を制御してスプラッシュガード9の位置を制御し、ノズル移動機構11を制御してノズル2の位置を制御する。これにより、回転状態の基板Wの表面(上面)に対して、ノズル2からSPMを供給しつつ、基板W上におけるSPMの着液点を移動させることができる。こうして、基板Wの表面(上面)の全域をSPMの着液点によってスキャンでき、基板Wの表面の全域に均一なレジスト剥離処理を施すことができる。
【0036】
図4Aは、80℃の硫酸と室温(RT:Room Temperature)の過酸化水素水とを1:0.3の混合比で混合してSPMを調製したときのSPM温度(Temperature)の時間変化およびSPM中の酸化剤(Oxidant)の濃度の時間変化(測定結果)を示す。また、図4Bは、180℃の硫酸と室温(RT:Room Temperature)の過酸化水素水とを1:0.3の混合比で混合してSPMを調製したときのSPM温度(Temperature)の時間変化およびSPM中の酸化剤(Oxidant)の濃度の時間変化(測定結果)を示す。いずれも、横軸は、混合からの経過時間(elapsed time after mixing SPM)である。SPMのレジスト剥離性能は、温度が高いほど、また酸化剤濃度が高いほど、高くなる。したがって、硫酸温度が80℃の場合(図4A)は、混合からの経過時間が20秒程度の時点で基板の表面にSPMが到達すれば最適である。また、硫酸温度が180℃の場合(図4B)は、混合からの経過時間が5秒程度の時点で基板の表面にSPMが到達すれば最適である。
【0037】
したがって、たとえば、第1混合位置MP1からノズル2の先端までの流路長X1は、SPMが第1混合位置MP1からノズル2の先端に達するまでに要する時間が20秒程度となるように定めるとよい。これにより、第1硫酸供給路31を、硫酸温度80℃に対応させることができる。また、たとえば、第4混合位置MP4からノズル2の先端までの流路長X4は、SPMが第4混合位置MP4からノズル2の先端に達するまでに要する時間が5秒程度となるように定めるとよい。これにより、第4硫酸供給路34を、硫酸温度180℃に対応させることができる。第2混合位置MP2および第3混合位置MP3についても、別の硫酸温度に対応するように、同様に定めればよい。
【0038】
図5は、硫酸温度(HSOtemperature)および混合比(SPM ratio)に対するレジスト剥離性能(測定結果)を示す。混合比は、硫酸の体積を1としたときに、これに混合された過酸化水素水の体積の割合で表してある。レジスト剥離性能(removal area around 300mm)は、直径300mmの円形ウエハの表面全域に一定膜厚のレジスト膜を形成し、一定流量で一定時間だけSPMをウエハ中心に吐出したときのレジスト剥離面積比率(レジスト膜が剥離された領域の面積/ウエハ表面の面積。単位%)で評価した。横軸に硫酸温度、縦軸に混合比をそれぞれとった二次元平面において、等しいレジスト剥離性能が得られる点を結ぶと、等剥離性能線が得られる。図5の測定結果から、レジスト剥離性能は、硫酸温度だけでなく、混合比にも依存することがわかる。そして、硫酸温度に応じた適切な混合比で硫酸および過酸化水素水を混合することによって、レジスト剥離性能を最大化できることが分かる。
【0039】
硫酸供給路31,32,33,34の流量調整弁51,52,53,54の開度を複数の温度の硫酸に対して等しい流量が得られるように設定する一方で、過酸化水素水供給路30を流れる過酸化水素水の流量を変化させれば、混合比を変化させることができる。しかし、この場合、混合比に応じて、ノズル2から吐出されるSPMの流量が変化することになる。過酸化水素水供給路30を流れる過酸化水素水流量を一定として、硫酸供給路31,32,33,34の硫酸流量を異ならせる場合も同様の問題がある。したがって、混合比によらずにノズル2から一定流量のSPMを吐出させるためには、硫酸および過酸化水素水の両方の流量を変化させる必要がある。SPMの吐出流量を一定としない場合(たとえば硫酸の温度に応じて吐出流量を変更する場合)であっても、混合比に依存することなく所望の吐出流量を得るためには、硫酸および過酸化水素水の両方の流量を変化させる必要がある。
【0040】
そこで、この実施形態では、硫酸供給路31,32,33,34に個別に流量調整弁51,52,53,54が介装されていて、硫酸供給路31,32,33,34を通る硫酸の流量を個別に設定できるようになっている。また、過酸化水素水供給路30には、流量コントローラ22が介装されていて、過酸化水素水の流量も制御できるようになっている。そして、混合前の硫酸の温度に応じて硫酸供給路を選択し、流量コントローラ22で過酸化水素水流量を制御することによって、硫酸の温度に応じた混合比と、ノズル2からの所望の吐出流量とがいずれも達成される。
【0041】
以上のように、この実施形態によれば、過酸化水素水供給路30上の複数の混合位置MP1,MP2,MP3,MP4に複数の硫酸供給路31,32,33,34がそれぞれ接続されている。したがって、いずれかの混合位置で硫酸と過酸化水素水とが混合され、それらの混合液からなるレジスト剥離液(SPM)が生成される。このSPMは、混合位置からノズル2の先端に至る流路内で、混合による発熱反応によって昇温し、昇温後のSPMがノズル2から基板Wに向けて吐出される。
【0042】
制御ユニット15は、硫酸供給路選択ユニット35(開閉弁41,42,43,44)を制御することによって、複数の硫酸供給路31,32,33,34から一つまたは複数の(好ましくは一つ)の硫酸供給路を選択し、硫酸供給源25からの硫酸を、その選択された硫酸供給路に導入する。硫酸供給路を選択することによって、混合位置が同時に選択される。よって、硫酸および過酸化水素水の混合の後、当該選択された混合位置からノズル2までの流路長に応じた時間が経過した後に、SPMがノズル2から基板Wに向けて吐出される。その時間の間に、硫酸および過酸化水素水の混合による発熱によってSPMが昇温する。
【0043】
一方、複数の硫酸供給路31,32,33,34には、流量調整弁51,52,53,54がそれぞれ介装されていて、硫酸の流量を個別に調整できるようになっている。そのため、流量コントローラを用いなくても、硫酸供給路を切り換えることによって、硫酸流量を切り換えることができる。流量調整弁51,52,53,54の開度は、対応する硫酸供給路に導入される硫酸の温度に対応した流量が得られるように、予め調節しておくことができる。したがって、硫酸の温度を変更する場合には、硫酸供給路を切り換えるだけで、変更後の硫酸温度に対応した硫酸の流量および混合位置への切換えを即座に行うことができる。つまり、硫酸の温度に応じて硫酸供給路を選択すれば、混合位置および硫酸流量が、同時に、かつ適切に設定される。これにより、硫酸の温度の変更に対する対処が容易になる。しかも、硫酸供給路の選択は、自動制御が可能な開閉弁41,42,43,44によって行える。そのため、硫酸の温度に対応する混合位置および硫酸流量の変更を自動化できる。
【0044】
他方、常温で供給される過酸化水素水の流量は、流量コントローラ22によって自動制御できる。これにより、硫酸温度に応じた混合比で硫酸および過酸化水素水を混合でき、かつ、所望の吐出流量でSPMをノズル2から基板Wへと吐出できる。
また、この実施形態では、最上流の第1混合位置MP1とそれに隣接する第2混合位置MP2との間に、撹拌フィン付き流通管23が介装されている。これにより、比較的低温の硫酸が導入される第1混合位置MP1において生成されたSPMは、撹拌フィン付き流通管23によって撹拌されて十分に混合される。これにより、硫酸と過酸化水素水との混合に伴う発熱を促進でき、SPMの剥離性能を上げることができる。しかも、撹拌フィン付き流通管23より下流側では、撹拌フィン付き流通管23の耐熱温度を超える温度のSPMを流通させることができるから、撹拌フィン付き流通管23の耐熱温度を超える高温のSPMをノズル2から基板Wへと供給できる。これにより、レジスト剥離性能の高いSPMを基板Wに供給できる。
【0045】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、第1混合位置MP1および第2混合位置MP2の間に撹拌フィン付き流通管23が介装されているが、この撹拌フィン付き流通管23は省いてもよい。また、撹拌フィン付き流通管を、第1混合位置MP1と第2混合位置MP2との間、第2混合位置MP2と第3混合位置MP3との間、第3混合位置MP3と第4混合位置MP4との間、第4混合位置MP4とノズル2との間のうちのいずれか一つまたは複数の位置に介装してもよい。
【0046】
また、前述の実施形態では、複数の硫酸供給路31,32,33,34における硫酸流量を流量調整弁51,52,53,54によって設定しているが、たとえば、硫酸供給路31,32,33,34の流路断面積を個別に設定(たとえば異なる流路断面積を有する配管を個別に選択)することによって、異なる硫酸温度に対応する流量の複数の硫酸供給路31,32,33,34を形成してもよい。
【0047】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0048】
MP1,MP2,MP3,MP4 混合位置
W 基板
X1,X2,X3,X4 流路長
1 スピンチャック
2 ノズル
3 回転軸
4 スピンベース
5 チャックピン
6 チャック回転機構
7 ケーシング
8 処理液受け部
9 スプラッシュガード
10 ガード昇降機構
11 ノズル移動機構
13 処理カップ
15 制御ユニット
20 過酸化水素水供給源
21 過酸化水素水バルブ
22 流量コントローラ
23 撹拌フィン付き流通管
25 硫酸供給源
26 昇温ユニット
27 供給元ライン
28 硫酸バルブ
30 過酸化水素水供給路
31,32,33,34 硫酸供給路
35 硫酸供給路選択ユニット
41,42,43,44 開閉弁
51,52,53,54 流量調整弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫酸と過酸化水素水とを混合して生成したレジスト剥離液を基板の表面に供給する基板処理装置であって、
前記レジスト剥離液を基板に向けて吐出するノズルと、
前記ノズルに向けて過酸化水素水を流通させる過酸化水素水供給路と、
前記過酸化水素水供給路上において前記ノズルまでの流路長が異なる複数の混合位置にそれぞれ接続された複数の硫酸供給路と、
硫酸供給源からの硫酸を前記複数の硫酸供給路から選択された硫酸供給路に導入する硫酸供給路選択ユニットとを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記複数の硫酸供給路が、個別に設定された流量で対応する混合位置に向けて硫酸を流通させるように構成されている、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記複数の硫酸供給路の流量および対応する混合位置が、異なる温度の硫酸に対応するように設定されている、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記硫酸供給源からの硫酸の温度に応じて前記硫酸供給路選択ユニットを制御する制御ユニットをさらに含む、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記複数の硫酸供給路にそれぞれ介装された複数の流量調整弁をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記過酸化水素水供給路を流通する過酸化水素水の流量を制御する流量コントローラをさらに含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記過酸化水素水供給路において最下流の混合位置と最上流の混合位置との間に配置され、硫酸と過酸化水素水との混合液を撹拌する撹拌手段をさらに含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記撹拌手段が、最上流の混合位置と、当該最上流の混合位置に対して下流側に隣接する別の混合位置との間において前記過酸化水素水供給路に配置されている、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記硫酸供給源が、前記複数の硫酸供給路に供給される硫酸を昇温させるための昇温ユニットを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記硫酸供給路選択ユニットが、前記複数の硫酸供給路にそれぞれ介装された開閉弁を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−21178(P2013−21178A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154020(P2011−154020)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】