説明

基板処理装置

【課題】基板の清浄度を向上させること。
【解決手段】基板処理装置1は、基板Wを保持するスピンチャック3と、スピンチャック3に保持されている基板Wの外周より外側に配置されているカップ6とを含む。カップ6は、気体吐出口から基板W上に向けて気体を吐出することにより、基板Wの上面に沿って流れる気流を形成する。この気流によって基板Wの上面がパーティクルやミストから保護される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板を処理する基板処理装置に関する。処理対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、FED(Field Emission Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板などが含まれる。
【背景技術】
【0002】
半導体ウエハや液晶表示装置用ガラス基板などの基板を1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置が知られている。たとえば特許文献1に記載の枚葉式の基板処理装置は、基板を保持するスピンチャックと、スピンチャックに保持されている基板に処理液を供給するノズルと、基板の略中央上方に配置されたガス噴射ヘッドとを備えている。ガス噴射ヘッドが、気体を噴射すると、基板上に気流が形成され、この気流によってパーティクルやミストが押し流される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−111220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の基板処理装置では、ガス噴射ヘッドが気体を噴射することにより、基板に対するパーティクルやミストの付着が抑制または防止される。しかしながら、ガス噴射ヘッドが、基板の上方に配置されているので、ガス噴射ヘッドから落下したパーティクルやミストが基板に付着して、基板が汚染されるおそれがある。
そこで、この発明の目的は、基板の清浄度を向上させることができる基板処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するための請求項1記載の発明は、基板(W)を保持する基板保持手段(3)と、前記基板保持手段に保持されている基板の外周より外側に配置されており、気体吐出口(24、624)から前記基板上に向けて気体を吐出することにより、前記基板の主面に沿って流れる気流を形成する気流形成手段(6、206、306、533)とを含む、基板処理装置(1、201、301、401、501)である。
【0006】
この構成によれば、気流形成手段が、基板保持手段に保持されている基板上に向けて気体吐出口から気体を吐出することにより、基板の主面に沿って流れる気流が形成される。しかも、気体吐出口から基板上に気体が直接供給されるので、強い気流が基板上に形成される。これにより、基板に対するパーティクルやミストの付着が抑制または防止される。さらに、気流形成手段が、基板保持手段に保持されている基板の外周より外側に配置されているので、気流形成手段から落下したパーティクルやミストが基板に付着して、基板が汚染されることを抑制または防止できる。これにより、基板の清浄度を向上させることができる。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記基板保持手段に保持されている基板の主面に交差する回転軸線(L1)まわりに前記基板を回転させる基板回転手段(12)をさらに含み、前記気流形成手段は、前記気体吐出口から前記基板の回転方向(R1)の下流側に向けて気体を吐出する、請求項1に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板回転手段が、基板の主面に交差する回転軸線まわりに基板を回転させる。気流形成手段は、気体吐出口から基板の回転方向の下流側に向けて気体を吐出する。したがって、気体吐出口から吐出された気体は、基板の回転によって生じる気流によって基板上で加速される。そのため、強い気流が基板上に形成され、基板に対するパーティクルやミストの付着が抑制または防止される。これにより、基板の清浄度をさらに向上させることができる。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記基板保持手段に保持されている基板上の気体を吸引する吸引手段(206、306、432)をさらに含む、請求項1または2に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板保持手段に保持されている基板上の気体が、吸引手段によって吸引される。したがって、気体吐出口から基板上に向けて吐出された気体は、吸引手段によって吸引される。そのため、気体吐出口から基板上に向けて吐出された気体は、吸引手段からの吸引力によって基板上で加速される。よって、強い気流が基板上に形成され、基板に対するパーティクルやミストの付着が抑制または防止される。これにより、基板の清浄度をさらに向上させることができる。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記吸引手段は、前記基板保持手段に保持されている基板の中心に対向しており、前記基板上の気体を吸引する中心吸引口(432a)を含む、請求項3に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板保持手段に保持されている基板の中心近傍の気体が、中心吸引口によって吸引される。基板の中心近傍は、基板の外周よりも気体吐出口から遠い。したがって、基板の中心近傍では、気流が弱まっている場合がある。そのため、基板の中心近傍の気体に吸引力を与えることにより、基板の中心近傍に強い気流を確実に形成することができる。これにより、基板に対するパーティクルやミストの付着を抑制または防止して、基板の清浄度をさらに向上させることができる。
【0010】
中心吸引口は、基板保持手段に保持されている基板の上方に配置された吸引ノズルに形成されていてもよい。また、請求項5記載の発明のように、基板処理装置が、基板保持手段に保持されている基板を収容する処理室(2)をさらに含み、中心吸引口が、処理室の内壁面(2a)で開口していてもよい。すなわち、中心吸引口は、基板処理装置に通常設けられている部材(たとえば、処理室)に形成されていてもよい。この場合、吸引ノズルなどの新たな部品を追加しなくてもよいので、基板処理装置の部品点数の増加を抑制または防止できる。そのため、基板処理装置のコストの増加や大型化を抑制または防止できる。
【0011】
請求項6記載の発明は、前記吸引手段は、前記基板保持手段に保持されている基板の外周より外側に配置されており、前記気体吐出口に対向する気体吸引口(228)を含む、請求項3〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、気体吸引口が、基板の外周より外側に配置されているので、基板上の気体は、基板の外周より外側に引き寄せられ、気体吸引口に吸引される。したがって、気体吐出口から吐出された気体は、基板の外周より外側から基板上に流れ、基板上から基板の外周より外側に流れる。つまり、気体吸引口が基板上の気体を吸引することにより、気体吐出口から吐出された気体が、基板上を確実に通り超える。そのため、基板の主面のより広い範囲が気流によって保護される。これにより、基板に対するパーティクルやミストの付着を抑制または防止して、基板の清浄度を向上させることができる。
【0012】
請求項7記載の発明は、前記気体吸引口は、前記気体吐出口に対して前記気体吐出口からの気体の吐出方向に対向している、請求項6に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、気体吐出口と気体吸引口とが気体の吐出方向に対向しているので、気体吐出口は、気体吸引口に向けて気体を吐出する。したがって、気体吐出口から吐出された気体は、方向転換せずに気体吸引口に吸引される。そのため、方向転換に伴う気流の減速を抑制または防止できる。よって、十分な流速を有する気流によって基板の主面を覆うことができる。これにより、基板に対するパーティクルやミストの付着を抑制または防止して、基板の清浄度をさらに向上させることができる。
【0013】
請求項8記載の発明は、前記気体吸引口は、前記気体吐出口からの気体の吐出方向と同じ方向に気体を吸引する、請求項7に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、気体吐出口からの気体の吐出方向と、気体吸引口からの気体の吸引方向とが一致しているので、気体吐出口から吐出された気体を基板上で効率的に加速させることができる。したがって、十分な流速を有する気流によって基板の主面を覆うことができる。これにより、基板に対するパーティクルやミストの付着を抑制または防止して、基板の清浄度をさらに向上させることができる。
【0014】
気体吐出口は、請求項9記載の発明のように、前記基板保持手段に保持されている基板の外周より外側で前記基板の周方向に配列された複数の配列吐出口(24)を含んでいてもよいし、請求項10記載の発明のように、前記基板保持手段に保持されている基板の外周より外側に配置されており、全周に亘って連続した環状吐出口(624)を含んでいてもよい。
【0015】
請求項11記載の発明は、前記基板保持手段に保持されている基板に処理液を供給する処理液供給手段(4、5)をさらに含み、前記気流形成手段は、前記基板保持手段を取り囲む筒状のカップ(6、206、306)を含み、前記気体吐出口が前記カップに形成されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、処理液供給手段からの処理液が、基板保持手段に保持されている基板に供給される。そして、基板の周囲に飛散した処理液は、基板保持手段を取り囲む筒状のカップによって受け止められる。これにより、処理液が飛散する範囲が狭められる。さらに、気体吐出口がカップに形成されているので、カップに気体を吐出させることにより、基板の主面を気流によって保護することができる。これにより、基板の清浄度を向上させることができる。このように、処理液によって基板を処理する基板処理装置に通常設けられるカップに気体吐出口が形成されているので、ノズルなどの新たな部材を追加しなくてもよい。そのため、部品の追加による基板処理装置のコストの増加や大型化を抑制できる。
【0016】
請求項12記載の発明は、前記気流形成手段は、前記基板保持手段に保持されている基板の外周より外側で前記基板に沿って配置されたリングノズル(533)を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置である。
この構成によれば、基板保持手段に保持されている基板上に向けてリングノズルから気体が吐出される。これにより、基板の主面に沿って流れる気流が形成され、基板の主面が保護される。したがって、基板の清浄度を向上させることができる。
【0017】
なお、この項において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の概略構成を説明するための模式的な側面図である。
【図2】スピンチャックおよびカップの平面図である。
【図3】スピンチャックおよびカップの一部を水平な方向から見た模式図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るスピンチャックおよびカップの平面図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係るスピンチャックおよびカップの平面図である。
【図6】本発明の第4実施形態に係る基板処理装置の概略構成を説明するための模式的な側面図である。
【図7】本発明の第5実施形態に係るスピンチャックおよびリングノズルの模式的な側面図である。
【図8】本発明の第6実施形態に係るスピンチャックおよびカップの一部を水平な方向から見た模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1の概略構成を説明するための模式的な側面図である。
基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを1枚ずつ処理する枚葉式の基板処理装置である。基板処理装置1は、基板Wの処理が行われる処理室2と、処理室2内で基板Wを水平に保持して当該基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線L1まわりに回転させるスピンチャック3(基板保持手段)と、スピンチャック3に保持されている基板Wに薬液やリンス液などの処理液を供給するノズル4、5(処理液供給手段)と、スピンチャック3を取り囲む筒状のカップ6(気流形成手段)と、基板処理装置1に備えられた装置の動作やバルブの開閉を制御する制御装置7とを含む。
【0020】
処理室2は、基板Wが搬入される箱形の隔壁8と、隔壁8内(処理室2内に相当)に清浄空気を送る送風ユニットとしてのFFU9(ファン・フィルタ・ユニット)と、隔壁8内の気体を排出する排気装置10とを含む。FFU9は、隔壁8の上方に配置されており、隔壁8の天井に取り付けられている。FFU9は、隔壁8の天井から処理室2内に清浄空気を送る。また、排気装置10は、隔壁8の底部から処理室2内の気体を排出する。したがって、FFU9および排気装置10は、処理室2内に下降気流を形成する。処理室2内に漂うパーティクルや処理液のミストは、下降気流によって処理室2内から排出される。基板Wの処理は、処理室2内に下降気流が形成されている状態で行われる。したがって、基板Wに対するパーティクルやミストの付着が抑制または防止される。
【0021】
スピンチャック3は、隔壁8内に配置されている。スピンチャック3は、FFU9の下方に配置されている。スピンチャック3は、基板Wを水平に保持して当該基板Wの中心を通る鉛直な回転軸線L1まわりに回転可能な円盤状のスピンベース11と、スピンベース11を回転軸線L1まわりに回転させるスピンモータ12(基板回転手段)とを含む。スピンチャック3は、基板Wを水平方向に挟んで当該基板Wを水平に保持する挟持式のチャックであってもよいし、非デバイス形成面である基板Wの裏面(下面)を吸着することにより当該基板Wを水平に保持するバキューム式のチャックであってもよい。図1では、スピンチャック3が挟持式のチャックである場合を示している。制御装置10は、スピンモータ12を制御することにより、スピンベース11を一定の回転方向R1に回転させる。
【0022】
薬液ノズル4は、薬液バルブ13が介装された薬液配管14に接続されている。薬液バルブ13が開かれると、薬液配管14から薬液ノズル4に薬液が供給され、薬液ノズル4から薬液が吐出される。これにより、スピンチャック3に保持されている基板Wの上面に薬液が供給される。同様に、リンス液ノズル5は、リンス液バルブ15が介装されたリンス液配管16に接続されている。リンス液バルブ15が開かれると、リンス液配管16からリンス液ノズル5にリンス液が供給され、リンス液ノズル5からリンス液が吐出される。これにより、スピンチャック3に保持されている基板Wの上面にリンス液が供給される。薬液およびリンス液は、図1に示すように、別々のノズルから吐出されてもよいし、共通のノズルから吐出されてもよい。
【0023】
カップ6は、スピンチャック3を取り囲む円筒部材17と、スピンチャック3と円筒部材17との間に配置された複数の処理液カップ18a〜18c(第1〜第3処理液カップ18a〜18c)と、基板Wの周囲に飛散した処理液を受け止める複数のガード19a〜19d(第1〜第4ガード19a〜19d)と、複数のガード19a〜19dを個別に昇降させる昇降ユニット20とを含む。カップ6は、スピンチャック3に保持されている基板Wの外周よりも外側(回転軸線L1から離れる方向)に配置されている。図1において、カップ6は、回転軸線L1の右側と左側とで異なる状態が示されている。
【0024】
各処理液カップ18a〜18cは、円筒状であり、スピンチャック3と円筒部材17との間でスピンチャック3を取り囲んでいる。内側から2番目の第2処理液カップ18bは、第1処理液カップ18aよりも外側に配置されており、第3処理液カップ18cは、第2処理液カップ18bよりも外側に配置されている。第3処理液カップ18cは、たとえば、第2ガード19bと一体であり、第2ガード19bと共に昇降する。各処理液カップ18a〜18cは、上向きに開いた環状の溝を形成している。各処理液カップ18a〜18cに導かれた処理液は、この溝を通じて図示しない回収ユニットまたは廃液ユニットに送られる。これにより、基板Wから排出された処理液が回収または廃棄される。
【0025】
各ガード19a〜19dは、円筒状であり、スピンチャック3と円筒部材17との間でスピンチャック3を取り囲んでいる。各ガード19a〜19dは、基板Wの回転軸線L1に向かって斜め上に延びる円筒状の傾斜部21と、傾斜部21の下端から下方に延びる円筒状の案内部22とを含む。各傾斜部21の上端部は、ガード19a〜19dの内周部を構成しており、基板Wおよびスピンベース11よりも大きな直径を有している。4つの傾斜部21は、上下に重ねられており、4つの案内部22は、同軸的に配置されている。最も外側の案内部22を除く3つの案内部22は、それぞれ、複数の処理液カップ18a〜18c内に出入り可能である。すなわち、カップ6は、折り畳み可能であり、昇降ユニット20が4つのガード19a〜19dの少なくとも一つを昇降させることにより、カップ6の展開および折り畳みが行われる。
【0026】
基板Wが処理されるときには、制御装置7がスピンモータ12を制御することにより基板Wを回転させる。その後、制御装置7は、回転状態の基板Wに向けて薬液ノズル4から薬液を吐出させる。これにより、薬液が基板Wに供給される(薬液処理工程)。そして、制御装置7は、基板Wへの薬液の供給を停止させた後、回転状態の基板Wに向けてリンス液ノズル5からリンス液を吐出させる。これにより、リンス液が基板Wに供給され、基板Wに付着している薬液が洗い流される(リンス工程)。そして、制御装置7は、基板Wへのリンス液の供給を停止させた後、スピンチャック3によって基板Wを高速回転させる。これにより、基板Wに付着しているリンス液が遠心力によって基板Wの周囲に振り切られ、基板Wが乾燥する(乾燥工程)。このようにして、基板Wが処理される。
【0027】
基板Wへの処理液の供給や基板Wの乾燥は、いずれかのガード19a〜19dが、基板Wの周端面に対向している状態で行われる。たとえば内側から3番目の第3ガード19cを基板Wの周端面に対向させる場合には、第1ガード19aおよび第2ガード19bが下位置(図1の左側に示す位置)に配置され、第3ガード19cおよび第4ガード19dが上位置(図1の左側に示す位置)に配置される。また、最も外側の第4ガード19dを基板Wの周端面に対向させる場合には、第4ガード19dが上位置(図1の右側に示す位置)に配置され、他の3つのガード19a〜19cが下位置(図1の右側に示す位置)に配置される。
【0028】
基板Wへの処理液の供給は、たとえば、最も外側の第4ガード19dを除く3つのガード19a〜19cのいずれかが、基板Wの周端面に対向している状態で行われる。したがって、基板Wに処理液が供給されているときに基板Wの周囲に飛散した処理液は、第1ガード19a、第2ガード19b、および第3ガード19cのいずれかによって、いずれかの処理液カップ18a〜18cに案内される。また、基板Wの乾燥は、たとえば、最も外側の第4ガード19dが基板Wの周端面に対向している状態で行われる。したがって、基板Wの高速回転によって基板Wの周囲に飛散した処理液は、第4ガード19dによって筒状部材17の底に案内され、筒状部材17の底から図示しない廃液ユニットに送られる。このようにして、基板Wの周囲に飛散した処理液がいずれかのガード19a〜19dによって受け止められ、処理室2内での処理液の飛散範囲が抑制される。
【0029】
図2は、スピンチャック3およびカップ6の平面図である。図2の黒矢印は、気体吐出口24からの気体の吐出方向を示している。図2では、理解を容易にするために、気体吐出口24を模式的に示している。また、図3は、スピンチャック3およびカップ6の一部を水平な方向から見た模式図である。図3では、カップ6の一部を断面で示している。
最も外側の第4ガード19dの上端部(傾斜部21の上端部)は、基板Wと同軸であり、基板Wよりも大きな直径を有する内周面23を含む。内周面23には、複数の気体吐出口24(配列吐出口)が全周に亘って形成されている。各気体吐出口24は、円形であってもよいし、周方向に延びるスロット状(長孔)であってもよい。複数の気体吐出口24は、周方向に等間隔で配列されている。図3に示すように、各気体吐出口24は、第4ガード19dの内部に形成された流路25に接続されている。流路25は、気体バルブ26が介装された気体配管27に接続されている。気体バルブ26が開かれると、気体供給源からの気体が、気体配管27を通じて流路25に供給される。これにより、各気体吐出口24から気体が吐出される。各気体吐出口24から吐出される気体は、窒素ガスなどの不活性ガスであってもよいし、清浄空気や乾燥空気などのその他の気体であってもよい。
【0030】
各気体吐出口24は、スピンチャック3に保持されている基板Wの外周より外側に配置されている。制御装置7は、各気体吐出口24が基板Wの上面よりも上方に位置している状態で、気体バルブ26を開き、各気体吐出口24から基板W上に向けて気体を吐出させる。これにより、基板Wの周囲から基板W上に向けて気体が吐出される。各気体吐出口24からの気体の吐出方向は、水平面に沿う方向である。すなわち、各気体吐出口24からの気体の吐出方向は、水平方向であってもよいし、水平方向よりも上または下に僅かに傾いた方向であってもよい。図2に示すように、各気体吐出口24は、気体吐出口24と基板Wの回転軸線L1とを通る直線L2よりも基板Wの回転方向R1の下流側に向けて気体を吐出する。したがって、各気体吐出口24から吐出された気体は、基板Wの回転によって生じる気流によって基板W上で加速される。これにより、十分な流速を有する気流が基板W上に形成される。
【0031】
制御装置7は、たとえば基板Wを乾燥させるときに、回転軸線L1まわりに基板Wを回転させ、さらに、各気体吐出口24を基板Wの上面より上方に位置させた状態で、各気体吐出口24から気体を吐出させる。各気体吐出口24から気体が吐出されることにより、基板Wの上面全域を覆う強い気流が形成される。したがって、基板Wの乾燥が行われているときに、基板Wの上面に向かって流れるパーティクルや処理液のミストは、基板W上の気流によって遮られる。そのため、パーティクルやミストが基板Wに付着することを抑制または防止できる。これにより、基板Wの汚染を抑制または防止できる。したがって、乾燥後の基板Wの清浄度を向上させることができる。
【0032】
以上のように第1実施形態では、カップ6に形成された複数の気体吐出口24から気体が吐出されることにより、スピンチャック3に保持されている基板Wの上面に沿って流れる気流が形成される。しかも、複数の気体吐出口24から基板W上に気体が直接供給されるので、強い気流が基板W上に形成される。これにより、基板Wに対するパーティクルやミストの付着を抑制または防止して、基板Wの清浄度を向上させることができる。さらに、カップ6が、スピンチャック3に保持されている基板Wの外周より外側に配置されているので、カップ6から落下したパーティクルやミストが基板Wに付着して、基板Wが汚染されることを抑制または防止できる。これにより、基板Wの清浄度を向上させることができる。さらにまた、処理液によって基板Wを処理する基板処理装置1に通常設けられるカップ6に気体吐出口24が形成されているので、気体を吐出するためのノズルなどの新たな部材を追加しなくてもよい。そのため、部品の追加による基板処理装置1のコストの増加や大型化を抑制または防止できる。
【0033】
[第2実施形態]
図4は、本発明の第2実施形態に係るスピンチャック3およびカップ206の平面図である。図4の黒矢印は、気体吐出口24からの気体の吐出方向を示しており、図4の白矢印は、気体吸引口228からの気体の吸引方向を示している。図4では、理解を容易にするために、気体吐出口24および気体吸引口228を模式的に示している。この図4において、前述の図1〜図3に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0034】
この第2実施形態における第1実施形態との主要な相違点は、各気体吐出口24から一定の方向に気体が吐出されると共に、各気体吐出口24から吐出された気体が気体吸引口228に吸引されることにより、一定の方向に向かって基板W上を流れる帯状の気流が形成されることである。
具体的には、基板処理装置201は、第1実施形態に係るカップ6に代えて、第1実施形態に係るカップ6と同様の構成を有するカップ206(気流形成手段、吸引手段)を含む。カップ206は、第1実施形態に係るガード19dと同様の構成を有するガード219dを含む。ガード219dの内周面23には、複数の気体吐出口24と、気体を吸引する複数の気体吸引口228とが形成されている。複数の気体吐出口24は、周方向に等間隔で配列されており、複数の気体吸引口228は、複数の気体吐出口24に対向する位置で周方向に等間隔で配列されている。複数の気体吸引口228は、それぞれ、複数の気体吐出口24に対向している。複数の気体吐出口24と複数の気体吸引口228とは、同じ高さに配置されている。
【0035】
各気体吐出口24は、気体バルブ26が介装された気体配管27に接続されている。制御装置7(図1参照)が気体バルブ26を開くと、各気体吐出口24から気体が吐出される。一方の端に位置する気体吐出口24(図4において一番上の気体吐出口24)から他方の端に位置する気体吐出口24(図4において一番下の気体吐出口24)までの直線距離は、基板Wの直径以上である。各気体吐出口24は、基板Wの周囲から基板W上に向けて同じ方向(図4では、左向き)に気体を吐出する。したがって、各気体吐出口24から気体が吐出されると、基板Wの直径よりも大きな幅を有する帯状の気流が形成される。
【0036】
また、各気体吸引口228は、吸引バルブ229が介装された吸引配管230に接続されている。吸引配管230は、吸引装置231に接続されている。制御装置7が吸引バルブ229を開くと、吸引装置231からの吸引力によって各気体吸引口228に気体が吸引される。複数の気体吸引口228は、複数の気体吐出口24に対して気体の吐出方向に対向している。各気体吸引口228は、対向する気体吐出口24からの気体の吐出方向と同じ方向に気体を吸引する。したがって、ある気体吐出口24から吐出された気体は、この気体吐出口24に対向する気体吸引口228に吸引される。
【0037】
制御装置7は、たとえば基板Wを乾燥させるときに、回転軸線L1まわりに基板Wを回転させ、さらに、各気体吐出口24および各気体吸引口228を基板Wの上面よりも上方に位置させた状態で、各気体吐出口24から気体を吐出させると共に、各気体吸引口228から気体を吸引させる。各気体吐出口24から吐出された気体は、自身の運動エネルギーによって基板W上を一定の方向に流れると共に、吸引装置231からの吸引力によって気体吸引口228に引き寄せられる。したがって、各気体吐出口24から吐出された気体は、基板W上を通過し、気体吸引口228に吸引される。そのため、基板Wの上面全域が、基板Wの直径よりも大きな幅を有する帯状の気流によって覆われる。これにより、パーティクルやミストが基板Wに付着することを抑制または防止できる。したがって、乾燥後の基板Wの清浄度を向上させることができる。
【0038】
以上のように第2実施形態では、各気体吐出口24から基板W上に向けて吐出された気体が、複数の気体吸引口228に引き寄せられることにより、基板W上で加速される。これにより、十分な流速を有する気流が基板W上に形成される。そのため、基板Wに対するパーティクルやミストの付着を抑制または防止して、基板Wの清浄度を向上させることができる。また、第1実施形態と同様に、気体を吐出する部材(カップ206)が、スピンチャック3に保持されている基板Wの周囲に配置されているので、気体を吐出する部材から落下したパーティクルやミストが基板Wに付着して、基板Wが汚染されることを抑制または防止できる。これにより、基板Wの清浄度を向上させることができる。
【0039】
[第3実施形態]
図5は、本発明の第3実施形態に係るスピンチャック3およびカップ306の平面図である。図5の黒矢印は、気体吐出口24からの気体の吐出方向を示しており、図5の白矢印は、気体吸引口228からの気体の吸引方向を示している。図5では、理解を容易にするために、気体吐出口24および気体吸引口228を模式的に示している。この図5において、前述の図1〜図4に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0040】
この第3実施形態における第2実施形態との主要な相違点は、基板Wの回転方向R1の下流側に向かって基板W上を流れる帯状の気流が形成されることである。
具体的には、基板処理装置301は、第1実施形態に係るカップ6に代えて、第1実施形態に係るカップ6と同様の構成を有するカップ306(気流形成手段、吸引手段)を含む。カップ306は、第1実施形態に係るガード19dと同様の構成を有するガード319dを含む。ガード319dの内周面23には、複数の気体吐出口24と、複数の気体吸引口228とが形成されている。複数の気体吐出口24は、複数のグループG301を構成している。第3実施形態では、たとえば2つのグループG301が構成されている。共通のグループG301を構成する複数の気体吐出口24は、周方向に等間隔で配列されている。各グループG301において、一方の端に位置する気体吐出口24から他方の端に位置する気体吐出口24までの直線距離は、基板Wの直径より小さい。各気体吐出口24は、基板Wの回転方向R1に関して下流側に向けて気体を吐出する。さらに、共通のグループG301の各気体吐出口24は、基板Wの周囲から基板W上に向けて同じ方向に気体を吐出する。各グループG301は、基板Wの回転方向R1の下流側に向かって基板W上を流れる帯状の気流を形成する。
【0041】
複数の気体吸引口228は、複数の気体吐出口24に対して気体の吐出方向に対向している。各気体吸引口228は、対向する気体吐出口24からの気体の吐出方向と同じ方向に気体を吸引する。したがって、ある気体吐出口24から吐出された気体は、この気体吐出口24に対向する気体吸引口228に吸引される。そのため、各気体吐出口24から吐出された気体は、自身の運動エネルギーによって基板W上を一定の方向に向かって流れると共に、吸引装置231からの吸引力によって気体吸引口228に引き寄せられる。したがって、各気体吐出口24から吐出された気体は、基板W上を通過し、気体吸引口228に吸引される。そのため、基板Wの上面全域が、基板Wの回転方向R1の下流側に向かう帯状の気流によって覆われる。これにより、パーティクルやミストが基板Wに付着することを抑制または防止できる。したがって、乾燥後の基板Wの清浄度を向上させることができる。
【0042】
以上のように第3実施形態では、各気体吐出口24から基板W上に向けて吐出された気体が、複数の気体吸引口228に引き寄せられることにより、基板W上で加速される。さらに、各気体吐出口24から基板Wの回転方向R1の下流側に向けて気体が吐出されるので、各気体吐出口24から吐出された気体は、基板Wの回転によって生じる気流によって基板W上でさらに加速される。そのため、強い気流が基板W上に形成され、基板Wに対するパーティクルやミストの付着が抑制または防止される。これにより、基板Wの清浄度を向上させることができる。
【0043】
[第4実施形態]
図6は、本発明の第4実施形態に係る基板処理装置401の概略構成を説明するための模式的な側面図である。この図6において、前述の図1〜図5に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
この第4実施形態における第1実施形態との主要な相違点は、各気体吐出口24から吐出された気体が、基板Wの中心に対向する中心吸引口432aから吸引されることである。
【0044】
具体的には、基板処理装置401は、隔壁8に接続された中心吸引配管432(吸引手段)をさらに含む。中心吸引配管432は、FFU9を上下に貫通している。中心吸引配管432の端部は、隔壁8の天井、すなわち、処理室2の内壁面2aで開口している。中心吸引配管432の端部は、基板Wの中心に対向する中心吸引口432aを形成している。中心吸引配管432は、吸引装置231に接続されている。制御装置7が、吸引装置231を駆動させると、処理室2内の気体が中心吸引口432aに吸引され、中心吸引口432aと基板Wとの間に上昇気流が形成される。これにより、基板W上の気体が、中心吸引口432aに吸引される。
【0045】
制御装置7は、たとえば基板Wを乾燥させるときに、回転軸線L1まわりに基板Wを回転させ、さらに、各気体吐出口24(図3参照)を基板Wの上面より上方に位置させた状態で、各気体吐出口24から気体を吐出させると共に、中心吸引口432aから気体を吸引させる。各気体吐出口24から吐出された気体が基板Wの中心近傍に達すると、この気体は、吸引装置231からの吸引力によって中心吸引口432aに向かって上昇する。したがって、基板Wの中心近傍に達した気体は、吸引装置231からの吸引力によって加速される。そのため、上面中央部を含む基板Wの上面全域が、十分な流速を有する気流によって覆われる。これにより、乾燥後の基板Wの清浄度を向上させることができる。
【0046】
以上のように第4実施形態では、スピンチャック3に保持されている基板Wの中心近傍の気体が、中心吸引口432aによって吸引される。基板Wの中心近傍は、基板Wの外周よりも気体吐出口24から遠い。したがって、基板Wの中心近傍では、気流が弱まっている場合がある。そのため、基板Wの中心近傍の気体に吸引力を与えることにより、基板Wの中心近傍に強い気流を確実に形成することができる。これにより、十分な流速を有する気流によって基板Wの上面全域を覆うことができる。そのため、基板Wに対するパーティクルやミストの付着を抑制または防止して、基板Wの清浄度を向上させることができる。しかも、中心吸引口432aが、通常設けられている処理室2の内壁面2aで開口しているので、吸引ノズルなどの新たな部品を追加しなくてもよい。そのため、部品の追加によるコストの増加や装置の大型化を抑制できる。
【0047】
[第5実施形態]
図7は、本発明の第5実施形態に係るスピンチャック3およびリングノズル533の模式的な側面図である。図7では、基板Wの中心を通る鉛直面で切断されたリングノズル533の断面が示されている。この図7において、前述の図1〜図6に示された各部と同等の構成部分については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0048】
この第5実施形態における第1実施形態との主要な相違点は、リングノズル533が気体を吐出することにより、基板Wの上面に沿って流れる気流が形成されることである。
具体的には、基板処理装置501は、スピンチャック3に保持されている基板W上に向けて気体を吐出するリングノズル533(気流形成手段)をさらに含む。リングノズル533は、基板Wと同軸であり、基板Wよりも大きな直径を有する内周面523を含む。リングノズル533の内周面523には、複数の気体吐出口24が全周に亘って形成されている。各気体吐出口24は、リングノズル533の内部に形成された流路525に接続されている。流路525は、気体バルブ26が介装された気体配管27に接続されている。気体バルブ26が開かれると、気体供給源からの気体が、気体配管27を通じて流路525に供給される。
【0049】
各気体吐出口24からの気体の吐出方向は、それぞれ異なる方向であってもよいし、同じ方向であってもよい。具体的には、各気体吐出口24は、第1実施形態と同様に、基板Wの回転方向R1の下流側に向かう方向に気体を吐出してもよい。また、各気体吐出口24は、第2実施形態と同様に、一定の方向に気体を吐出してもよい。また、図示はしないが、第2および第3実施形態と同様に、複数の気体吐出口24と複数の気体吸引口228とがリングノズル533の内周面523に形成されていてもよい。
【0050】
基板処理装置501は、リングノズル533を昇降させる昇降ユニット534をさらに含む。昇降ユニット534は、リングノズル533が基板Wの近傍に位置する処理位置(図7に示す位置)と、処理位置の上方の退避位置との間で、リングノズル533を移動させる。スピンチャック3に対する基板Wの搬入および搬出が行われるときには、リングノズル533が、退避位置に配置される。また、基板Wの乾燥が行われるときには、リングノズル533が、処理位置に配置され、この状態で、各気体吐出口24から気体が吐出される。これにより、基板Wの上面全域が気流によって覆われている状態で、基板Wの乾燥が行われる。
【0051】
以上のように第5実施形態では、リングノズル533に形成された複数の気体吐出口24から気体が吐出されることにより、スピンチャック3に保持されている基板Wの上面に沿って流れる気流が形成される。しかも、複数の気体吐出口24から基板W上に気体が直接供給されるので、強い気流が基板W上に形成される。これにより、基板Wに対するパーティクルやミストの付着を抑制または防止して、基板Wの清浄度を向上させることができる。さらに、リングノズル533は、カップ6と同様に、スピンチャック3に保持されている基板Wの外周より外側に配置されているので、リングノズル533から落下したパーティクルやミストが基板Wに付着して、基板Wが汚染されることを抑制または防止できる。これにより、基板Wの清浄度を向上させることができる。
【0052】
この発明の実施の形態の説明は以上であるが、この発明は、前述の第1〜第5実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、前述の第1実施形態では、複数の気体吐出口24がカップ6に形成されている場合について説明した。しかし、図8に示すように、スピンチャック3に保持されている基板Wの外周より外側に配置されており、全周に亘って連続した環状吐出口624(気体吐出口)が、カップ6に形成されており、この環状吐出口624から基板W上に向けて気体が吐出されてもよい。この場合、環状吐出口624からの気体の吐出方向は、基板Wの中心に向かう方向であってもよいし、基板Wの回転方向R1の下流側に向かう方向であってもよい。すなわち、気体を案内する複数のガイド635(図8では、1つだけを図示している。)が流路25に配置されており、これらのガイド635によって環状吐出口624に供給される気体が所定の方向に案内されてもよい。また、図示はしないが、複数の気体吐出口24に代えて、環状吐出口624が、リングノズル533(図7参照)に形成されていてもよい。
【0053】
また、前述の第1および第4実施形態では、最も外側の第4ガード19dに気体吐出口24が形成されている場合について説明した。しかし、気体吐出口24は、第4ガード19dに限らず、他の3つのガード19a〜19cの少なくとも一つに形成されていてもよい。この場合、基板Wの乾燥は、第4ガード19d以外のガード19a〜19cが基板Wの周端面に対向している状態で行われてもよい。第2および第3実施形態についても同様に、気体吐出口24および気体吸引口228は、第4ガード219d、319dに限らず、他の3つのガード19a〜19cの少なくとも一つに形成されていてもよい。
【0054】
また、前述の第2および第3実施形態では、対の気体吐出口24および気体吸引口228(対向する気体吐出口24および気体吸引口228)が、互いに同じ方向に気体を吐出または吸引する場合について説明した。しかし、対の気体吐出口24および気体吸引口228は、互いに異なる方向に気体を吐出または吸引してもよい。
また、前述の第1〜第5実施形態では、基板処理装置1、201、301、401、501が、円板状の基板Wを処理する装置である場合について説明した。しかし、基板処理装置1、201、301、401、501は、液晶表示装置用基板などの多角形の基板を処理する装置であってもよい。
【0055】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0056】
1 基板処理装置
2 処理室
2a 処理室の内壁面
3 スピンチャック(基板保持手段)
4 薬液ノズル(処理液供給手段)
5 リンス液ノズル(処理液供給手段)
6 カップ(気流形成手段)
12 スピンモータ(基板回転手段)
24 気体吐出口(配列吐出口)
201 基板処理装置
206 カップ(気流形成手段、吸引手段)
228 気体吸引口
301 基板処理装置
306 カップ(気流形成手段、吸引手段)
401 基板処理装置
432 中心吸引配管(吸引手段)
432a 中心吸引口
501 基板処理装置
533 リングノズル(気流形成手段)
624 環状吐出口(気体吐出口)
L1 回転軸線
R1 基板の回転方向
W 基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板保持手段と、
前記基板保持手段に保持されている基板の外周より外側に配置されており、気体吐出口から前記基板上に向けて気体を吐出することにより、前記基板の主面に沿って流れる気流を形成する気流形成手段とを含む、基板処理装置。
【請求項2】
前記基板保持手段に保持されている基板の主面に交差する回転軸線まわりに前記基板を回転させる基板回転手段をさらに含み、
前記気流形成手段は、前記気体吐出口から前記基板の回転方向の下流側に向けて気体を吐出する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記基板保持手段に保持されている基板上の気体を吸引する吸引手段をさらに含む、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記吸引手段は、前記基板保持手段に保持されている基板の中心に対向しており、前記基板上の気体を吸引する中心吸引口を含む、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記基板保持手段に保持されている基板を収容する処理室をさらに含み、
前記中心吸引口は、前記処理室の内壁面で開口している、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記吸引手段は、前記基板保持手段に保持されている基板の外周より外側に配置されており、前記気体吐出口に対向する気体吸引口を含む、請求項3〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記気体吸引口は、前記気体吐出口に対して前記気体吐出口からの気体の吐出方向に対向している、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記気体吸引口は、前記気体吐出口からの気体の吐出方向と同じ方向に気体を吸引する、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記気体吐出口は、前記基板保持手段に保持されている基板の外周より外側で前記基板の周方向に配列された複数の配列吐出口を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記気体吐出口は、前記基板保持手段に保持されている基板の外周より外側に配置されており、全周に亘って連続した環状吐出口を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記基板保持手段に保持されている基板に処理液を供給する処理液供給手段をさらに含み、
前記気流形成手段は、前記基板保持手段を取り囲む筒状のカップを含み、前記気体吐出口が前記カップに形成されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記気流形成手段は、前記基板保持手段に保持されている基板の外周より外側で前記基板に沿って配置されたリングノズルを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−46021(P2013−46021A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184880(P2011−184880)
【出願日】平成23年8月26日(2011.8.26)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】