説明

基板処理装置

【課題】 端縁に段差を有する基板を処理する場合であっても、端縁を十分清浄に洗浄処理し、乾燥させることが可能な基板処理装置を提供する。
【解決手段】 電子ペーパ製造用基板10は、最初にレジストの剥離処理がなされる。次に、電子ペーパ製造用基板10は、洗浄液噴出ノズル51からその長辺S1に洗浄液が噴出され、その長辺S1を洗浄処理されるとともに、表面および裏面に洗浄液を供給されて洗浄処理され、さらに、洗浄液噴出ノズル52からその短辺S2に洗浄液が噴出され、その短辺S2を洗浄処理される。そして、電子ペーパ製造用基板10はエアナイフ80によりその両面の洗浄液を除去された後、ヒータ部90によりその長辺S1および短辺S2を乾燥処理される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、互いに長さの異なる第1の辺および第2の辺を有する矩形状の基板を、薬液処理部から洗浄処理部に搬送することにより、基板の薬液処理と洗浄処理とを行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このような基板処理装置においては、一般的に、基板の表面側、あるいは、基板の表面側と裏面側から、薬液や洗浄液を基板に噴出することにより、基板を薬液処理した後に、洗浄処理する構成を採用している。
【0003】
なお、特許文献1には、基板を平面視において略「コ」字形状をなす搬送路に沿って搬送する基板処理装置が開示されている。また、特許文献2には、角形基板の4つの端縁に対向配置された4個の洗浄部を備え、洗浄部から溶剤とガスとを噴出しながら基板の端縁に沿って移動させることにより、基板の端縁を洗浄するようにした基板端縁洗浄装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−196834号公報
【特許文献2】特開2002−15988号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
基板として、例えば、支持層と、接着層と、電子ペーパ用フィルムとをこの順に積層した電子ペーパ製造用基板を使用した場合には、この電子ペーパ製造用基板の端縁に浸入した薬液を洗浄することが困難であるという問題を生ずる。
【0006】
図11は、電子ペーパ製造用基板10を模式的に示す部分断面図である。
【0007】
電子ペーパ製造用基板10は、PET(ポリエチレンテレフタラート)製のフィルム等から構成される電子ペーパ用フィルム11と、ガラスやSUS(ステンレス鋼)等から構成される支持層13とを、接着層12を介して積層した構成を有する。電子ペーパ用フィルム11には、フォトリソ工程によりTFT(薄膜トランジスタ)等を製造するためのパターンが形成される。
【0008】
図11に示すように、電子ペーパ製造用基板10においては、電子ペーパ用フィルム11と支持層13との間には、接着層12が存在しない領域に1mm程度の段差が形成されている。この段差は、パターン形成後に電子ペーパ用フィルム11を支持層13から剥離するときに利用される。
【0009】
この電子ペーパ製造用基板10に対して薬液を使用して薬液処理を行った後に、洗浄液を使用して洗浄処理を行った場合に、この電子ペーパ製造用基板10に、その表面側と裏面側から洗浄液を噴出したとしても、電子ペーパ製造用基板10の端縁における段差部に浸入した薬液を洗浄液に置換することができず、薬液が後工程に持ち越されて、十分な洗浄処理を行い得ないという問題がある。
【0010】
特許文献2に記載されたように、基板の端縁の洗浄処理のために専用の端縁洗浄装置を設置した場合には、電子ペーパ製造用基板10の端縁における段差部に浸入した薬液を洗浄処理することは可能ではあるが、装置が大がかりとなり、また、広い占有スペースも必要となる。
【0011】
また、電子ペーパ製造用基板10に対して洗浄液を使用して洗浄処理を行った場合に、十分な洗浄処理が行われたか否かにかかわらず、電子ペーパ製造用基板10の端縁における段差部に浸入した洗浄液を十分に乾燥できないという問題がある。すなわち、洗浄処理後の電子ペーパ製造用基板10の乾燥は、一般的に、搬送機構により搬送される電子ペーパ製造用基板10の表裏両面に、この電子ペーパ製造用基板10に対して高圧の気体を噴出する一対のエアナイフを配設し、このエアナイフによる高圧の気体により電子ペーパ製造用基板10の両面に残存する洗浄液を除去することにより、電子ペーパ製造用基板10の乾燥が行われている。
【0012】
しかしながら、電子ペーパ用フィルム11と支持層13との間に接着層12が存在しない領域に1mm程度の段差が形成された電子ペーパ製造用基板10の場合においては、エアナイフから電子ペーパ製造用基板10の両面に高圧の気体を噴出したとしても、電子ペーパ製造用基板10の端縁における段差部に浸入した洗浄液除去することができず、十分な乾燥処理を行い得ないという問題がある。
【0013】
このため、エアナイフにより電子ペーパ製造用基板10の両面に残存する洗浄液を除去した後に、電子ペーパ製造用基板10の端縁に向けて高圧の気体を噴出することにより、電子ペーパ製造用基板10の端縁における段差部に浸入した洗浄液を除去することも考えられるが、このような構成を採用した場合には、電子ペーパ製造用基板10の端縁における段差部に浸入していた洗浄液が電子ペーパ製造用基板10の表面および裏面に飛散してしまうという問題が生ずる。
【0014】
また、電子ペーパ製造用基板10の端縁における段差部に浸入した洗浄液を吸引ノズル等により吸引して除去することも考えられるが、この場合においては、電子ペーパ製造用基板10の端縁における段差部に対応する位置に、直径が数百ミクロン程度の吸引ノズルを配置する必要があり、位置決め精度を極めて高く維持する必要があることから、現実的ではない。
【0015】
この発明は上記課題を解決するためになされたものであり、電子ペーパ製造用基板のように端縁に段差を有する基板を処理する場合であっても、端縁を十分清浄に洗浄処理することが可能な基板処理装置を提供することを目的とする。また、この発明は、さらに、電子ペーパ製造用基板のように端縁に段差を有する基板を処理する場合であっても、端縁を十分に乾燥処理することが可能な基板処理装置を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載の発明は、互いに長さの異なる第1の辺および第2の辺を有する矩形状の基板を、薬液処理部から洗浄処理部に搬送することにより、基板の薬液処理と洗浄処理とを行う基板処理装置において、前記基板の搬送方向を、当該基板の方向を変更することなく、前記第1の辺と平行な第1の方向から前記第2の辺と平行な第2の方向に90度変更する搬送方向変更機構と、前記第1の方向に搬送される基板の両側に配設され、前記第1の辺を洗浄する第1洗浄機構と、前記第2の方向に搬送される基板の両側に配設され、前記第2の辺を洗浄する第2洗浄機構と、前記第1洗浄機構および前記第2洗浄機構により洗浄された基板の第1の辺および第2の辺の近傍において前記第1の辺および前記第2の辺と平行に配置され、前記第1洗浄機構および前記第2洗浄機構により洗浄された基板の第1の辺および第2の辺を乾燥するヒータ部とを備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記第1洗浄機構は前記第1の辺に向けて洗浄液を噴出する洗浄液噴出ノズルであり、前記第2洗浄機構は前記第2の辺に向けて洗浄液を噴出する洗浄液噴出ノズルである。
【0018】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記第1洗浄機構および前記第2洗浄機構は、前記洗浄処理部に配設されている。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、前記ヒータ部は、棒形状を有し、赤外線を放射する赤外線ヒータと、前記赤外線ヒータから放射された赤外線を、前記第1洗浄機構および前記第2洗浄機構により洗浄された基板の第1の辺および第2の辺に向けて収束させるミラー部材とから構成される。
【0020】
請求項5に記載の発明は、互いに長さの異なる第1の辺および第2の辺を有する矩形状の基板を、薬液処理部から洗浄処理部に搬送することにより、基板の薬液処理と洗浄処理とを行う基板処理装置において、インデクサ部と、前記インデクサ部から基板を受け取り前記第1の辺と平行な第1の方向に搬送する第1搬送機構と、前記基板の搬送方向を、当該基板の方向を変更することなく、前記第1の方向から前記第2の辺と平行な第2の方向に90度変更する第1搬送方向変更機構と、基板を前記第2の方向に搬送する第2搬送機構と、前記基板の搬送方向を、当該基板の方向を変更することなく、前記第2の方向から前記第1の辺と平行で前記第1の方向と逆方向を向く第3の方向に90度変更する第2搬送方向変更機構と、基板を前記第3の方向に搬送して前記インデクサ部に送る第3搬送機構と、前記洗浄処理部における前記第1搬送機構により搬送される基板の両側に配設され、前記第1の辺に向けて洗浄液を噴出することにより前記第1の辺を洗浄する第1洗浄液噴出ノズルと、前記洗浄処理部における前記第2搬送機構により搬送される基板の両側に配設され、前記第2の辺に向けて洗浄液を噴出することにより前記第2の辺を洗浄する第2洗浄液噴出ノズルと、前記第1および第2洗浄液噴出ノズルにより第1の辺と第2の辺とを洗浄された基板に対して高圧の気体を噴出することにより基板を乾燥する乾燥部と、前記乾燥部により乾燥された基板の第1の辺および第2の辺の近傍において前記第1の辺および前記第2の辺と平行に配置され、前記第1洗浄機構および前記第2洗浄機構により洗浄された基板の第1の辺および第2の辺を乾燥するヒータ部とを備えたことを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記乾燥部と前記ヒータ部とは、前記第3搬送機構による基板の搬送路に配設されるとともに、前記第3搬送機構は、前記ヒータ部により前記基板の第1の辺および第2の辺を乾燥している間、当該基板の搬送を停止する。
【0022】
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、前記乾燥部は、前記第2搬送機構により搬送される基板を乾燥し、前記ヒータ部は、前記第2搬送機構により搬送される基板における前記第2の辺を乾燥するとともに、前記第3搬送機構により搬送される基板における前記第1の辺を乾燥する。
【0023】
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の発明において、前記基板は、支持層と、接着層と、電子ペーパ用フィルムとをこの順に積層した電子ペーパ製造用基板である。
【発明の効果】
【0024】
請求項1および請求項5に記載の発明によれば、基板における第1の辺を第1洗浄機構で洗浄処理し、第2の辺を第2洗浄機構で洗浄処理することにより、基板の端縁を十分清浄に洗浄処理することが可能になる。しかも、基板の搬送と端縁の洗浄処理とを同時に行うことができるので、端縁の洗浄処理に余分な時間を要することなく、また、装置構成が複雑となることもなく、さらには、端縁の洗浄処理のための占有スペースが必要となることもない。また、第1洗浄機構および第2洗浄機構により洗浄された基板の第1の辺および第2の辺をヒータ部により乾燥することから、端縁に段差を有する基板を乾燥処理する場合であっても、端縁を十分に乾燥処理することが可能となる。
【0025】
請求項2および請求項5に記載の発明によれば、洗浄液噴出ノズルから噴出する洗浄液により、基板を搬送しながらその端縁を洗浄処理することが可能となる。
【0026】
請求項3および請求項5に記載の発明によれば、洗浄液噴出ノズルから噴出された洗浄液を洗浄処理部で使用される洗浄液とともに回収することが可能となる。
【0027】
請求項4に記載の発明によれば、赤外線ヒータとミラー部材とにより、基板の端縁を効率的に乾燥処理することが可能となる。
【0028】
請求項6に記載の発明によれば、第3搬送機構により搬送される基板を一時停止した状態で第1の辺および第2の辺を一括して乾燥処理することが可能となる。
【0029】
請求項7に記載の発明によれば、基板を第2搬送機構により搬送しながら第2の辺を乾燥した後、基板を第3搬送機構により搬送しながら第1の辺を乾燥処理することができる。このため、基板を搬送したままの状態で、第1の辺および第2の辺を乾燥処理することが可能となる。
【0030】
請求項8に記載の発明によれば、電子ペーパ製造用基板における端縁の段差部に薬液や洗浄液が浸入した場合においても、これを清浄に洗浄処理し、あるいは、乾燥処理することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】この発明の第1実施形態に係るに係る基板処理装置の概要図である。
【図2】第1実施形態に係る基板処理装置により電子ペーパ製造用基板10を搬送する様子を模式的に示す説明図である。
【図3】洗浄液噴出ノズル51により電子ペーパ製造用基板10の長辺S1を洗浄処理する様子を模式的に示す説明図である。
【図4】電子ペーパ製造用基板10に対して、洗浄処理、乾燥処理および端縁乾燥処理を実行する様子を模式的に示す説明図である。
【図5】ヒータ部90により電子ペーパ製造用基板10の端縁を乾燥処理する様子を模式的に示す説明図である。
【図6】電子ペーパ製造用基板10を搬送するための搬送機構および搬送方向変更機構の要部を示す斜視図である。
【図7】電子ペーパ製造用基板10の搬送機構による搬送動作を示す概要図である。
【図8】この発明の第2実施形態に係る基板処理装置の概要図である。
【図9】第2実施形態に係る基板処理装置により電子ペーパ製造用基板10を搬送する様子を模式的に示す説明図である。
【図10】電子ペーパ製造用基板10と赤外線ヒータとの配置の変形例を示す説明図である。
【図11】電子ペーパ製造用基板10を模式的に示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明の第1実施形態に係る基板処理装置の概要図である。また、図2は、第1実施形態に係る基板処理装置により電子ペーパ製造用基板10を搬送する様子を模式的に示す説明図である。
【0033】
この基板処理装置は、上述した矩形状の電子ペーパ製造用基板10に対して、薬液として剥離液を使用したレジストの剥離処理と、洗浄液を使用した洗浄処理とを行うものである。この基板処理装置は、電子ペーパ製造用基板10を収納したカセット15を載置するインデクサ部31と、カセット15内の電子ペーパ製造用基板10をコンベア部34に搬入し、かつ、端縁乾燥部42に搬送された電子ペーパ製造用基板10をカセット15に搬出する搬送ロボット33を備えた移載部32と、第1剥離部35と、第2剥離部36と、この発明に係る第1洗浄機構としての一対の洗浄液噴出ノズル51を備えた第1洗浄部37と、この発明に係る第2洗浄機構としての一対の洗浄液噴出ノズル52を備えた第2洗浄部38と、第3洗浄部39と、第4洗浄部40と、乾燥部41と、端縁乾燥部42とを備える。
【0034】
搬送ロボット33によりカセット15から取り出された電子ペーパ製造用基板10は、後述するように、電子ペーパ製造用基板10をその第1の辺である長辺S1(以下「長辺S1という)と平行な第1の方向に搬送する第1搬送機構により、コンベア部34、第1剥離部35、第2剥離部36および第1洗浄部37に順次搬送される。次に、電子ペーパ製造用基板10は、第1搬送方向変更機構により、その搬送方向を、第1の方向から90度変更される。次に、電子ペーパ製造用基板10は、電子ペーパ製造用基板10をその第2の辺である短辺S2(以下「短辺S2」といいう)と平行な第2の方向に搬送する第2搬送機構により、第1洗浄部37から、第2洗浄部38を介して、第3洗浄部39に順次搬送される。次に、電子ペーパ製造用基板10は、第2搬送方向変更機構により、その搬送方向を、第2の方向から第1の方向と逆方向を向く第3の方向に90度変更される。そして、電子ペーパ製造用基板10は、第3搬送機構により、第3洗浄部39、第4洗浄部40、乾燥部41、端縁乾燥部42に順次搬送された後、搬送ロボット33によりカセット15内に収納される。
【0035】
第1剥離部35および第2剥離部36においては、搬送中の電子ペーパ製造用基板10の表裏両面に剥離液が供給され、電子ペーパ製造用基板10に対して剥離処理が実行される。第1洗浄部37、第2洗浄部38、第3洗浄部39および第4洗浄部40においては、搬送中の電子ペーパ製造用基板10の両面に洗浄液が供給され、電子ペーパ製造用基板10に対して洗浄処理が実行される。このとき、電子ペーパ製造用基板10は、第1洗浄部37において一対の洗浄液噴出ノズル51により長辺S1を洗浄処理され、第2洗浄部38において一対の洗浄液噴出ノズル52により短辺S2を洗浄処理される。また、これに続いて、電子ペーパ製造用基板10は、乾燥部41において一対のエアナイフ80により乾燥処理され、端縁乾燥部42において4個のヒータ部90により長辺S1および短辺S2を乾燥処理される。
【0036】
図3は、洗浄液噴出ノズル51により電子ペーパ製造用基板10の長辺S1を洗浄処理する様子を模式的に示す説明図である。
【0037】
この洗浄液噴出ノズル51は、第1洗浄部37において、第1搬送機構により搬送される電子ペーパ製造用基板10の長辺S1に向けて洗浄液を噴出するための、図示しない洗浄液の供給部に接続された洗浄液噴出口を有する。洗浄液噴出ノズル51から噴出された洗浄液は、電子ペーパ製造用基板10の長辺S1における段差部内に浸入し、そこに残存する剥離液を洗浄液に置換することにより、電子ペーパ製造用基板10の長辺S1全域を清浄に洗浄処理する。
【0038】
なお、第2洗浄部38に配設された洗浄液噴出ノズル52も、図3に示す洗浄液噴出ノズル51と同様の構成を有し、第2搬送機構により搬送される電子ペーパ製造用基板10の短辺S2に向けて洗浄液を噴出することにより、電子ペーパ製造用基板10の短辺S2全域を洗浄処理する。
【0039】
図4は、電子ペーパ製造用基板10に対して、洗浄処理、乾燥処理および端縁乾燥処理を実行する様子を模式的に示す説明図である。
【0040】
電子ペーパ製造用基板10は、第4洗浄部40において、その上方および下方に配設された多数の洗浄液供給ノズル44から両面に洗浄液が供給されることにより洗浄処理される。そして、この電子ペーパ製造用基板10は、乾燥部41において、その上方および下方に配設された一対のエアナイフ80から両面に対して高圧の気体が供給される。そして、このエアナイフ80による高圧の気体の作用により、電子ペーパ製造用基板10の両面に残存する洗浄液を除去することにより、電子ペーパ製造用基板10の乾燥処理が行われる。しかる後、電子ペーパ製造用基板10は、端縁乾燥部42に搬送される。この端縁乾燥部42においては、電子ペーパ製造用基板10における長辺S1および短辺S2と対応する位置に配設された4個のヒータ部90により、長辺S1および短辺S2を乾燥処理される。
【0041】
図5は、ヒータ部90により電子ペーパ製造用基板10の端縁を乾燥処理する様子を模式的に示す説明図である。
【0042】
このヒータ部90は、棒形状を有し、赤外線を放射する赤外線ヒータ91と、この赤外線ヒータ91から放射された赤外線を、電子ペーパ製造用基板10の長辺S1および短辺S2に向けて収束させるミラー部材92とから構成される。赤外線ヒータ91は、石英管で被覆したニクロム線や、不活性ガス中に炭素繊維を封入した石英管から構成され、そこに電圧を付与することにより遠赤外線等の赤外線を放射するものである。また、ミラー部材92は、例えば、鏡面加工された金属板より構成され、赤外線ヒータ91から放射された赤外線を電子ペーパ製造用基板10における長辺S1および短辺S2に向けて収束させるものである。
【0043】
なお、この実施形態においては、ヒータ部90は、電子ペーパ製造用基板10における電子ペーパ用フィルム11側に配置される。この電子ペーパ用フィルム11は、PET(ポリエチレンテレフタラート)製のフィルム等から構成される。このため、ヒータ部90をガラスやSUS(ステンレス鋼)等から構成される支持層13側に配置する場合に比べて、電子ペーパ製造用基板10の長辺S1および短辺S2を効率的に乾燥させることが可能となる。
【0044】
次に、上述した電子ペーパ製造用基板10の搬送機構および搬送方向変更機構の構成について説明する。図6は、電子ペーパ製造用基板10を搬送するための搬送機構および搬送方向変更機構の要部を示す斜視図である。また、図7は、電子ペーパ製造用基板10の搬送機構による搬送動作を示す概要図である。
【0045】
電子ペーパ製造用基板10は、最初に、複数の搬送ローラ71から成る第1搬送機構61により、その長辺S1と平行な第1の方向に搬送される。次に、電子ペーパ製造用基板10は、複数の搬送ローラ72と、複数の搬送ローラ75と、複数の搬送ローラ73とから成る第2搬送機構62により、その短辺S2と平行な第2の方向に搬送される。さらに、電子ペーパ製造用基板10は、複数の搬送ローラ74から成る第3搬送機構63により、その長辺S1と平行で第1の方向と逆方向を向く第3の方向に搬送される。
【0046】
特徴的には、図7(b)に示すように、電子ペーパ製造用基板10が第2の方向に搬送されるときには、第2搬送機構62の一部を構成する複数の搬送ローラ75は、第1搬送機構61を構成する複数の搬送ローラ71や、第3搬送機構63を構成する複数の搬送ローラ74よりも、高い位置に配置されている。そして、第2搬送機構62の一部を構成する複数の搬送ローラ72と、同じく第2搬送機構62の一部を構成する複数の搬送ローラ73とは、第2搬送機構62の一部を構成する複数の搬送ローラ75と同じ高さである上昇位置と、第1搬送機構61を構成する複数の搬送ローラ71や第3搬送機構63を構成する複数の搬送ローラ74よりも低い下降位置との間を昇降可能となっている。
【0047】
そして、複数の搬送ローラ72の昇降動作に伴って、電子ペーパ製造用基板10は、その搬送方向を第1の方向から第2の方向に変更され、複数の搬送ローラ73の昇降動作に伴って、電子ペーパ製造用基板10は、その搬送方向を第2の方向から第3の方向に変更される。すなわち、複数の搬送ローラ72は、電子ペーパ製造用基板10の搬送方向を、この電子ペーパ製造用基板10の方向を変更することなく、第1の方向から第2の方向に90度変更する搬送方向変更機構として機能し、複数の搬送ローラ73は、電子ペーパ製造用基板10の搬送方向を、この電子ペーパ製造用基板10の方向を変更することなく、第2の方向から第3の方向に90度変更する搬送方向変更機構として機能する。
【0048】
すなわち、電子ペーパ製造用基板10は、最初に、第1搬送機構61を構成する複数の搬送ローラ71により第1の方向に搬送される。このときには、図7(a)に示すように、複数の搬送ローラ72は下降位置に配置されている。そして、電子ペーパ製造用基板10が複数の搬送ローラ72の上方の位置まで搬送されると、図7(b)に示すように、複数の搬送ローラ72が上昇位置に移動する。これにより、電子ペーパ製造用基板10は、第1搬送機構61を構成する複数の搬送ローラ71から第2搬送機構62を構成する複数の搬送ローラ72に受け渡される。このときには、図7(b)に示すように、複数の搬送ローラ73も、上昇位置に移動している。この状態において、第2搬送機構62を構成する各搬送ローラ72、75、73を同期して回転させる。これにより、電子ペーパ製造用基板10は、第2の方向に搬送される。
【0049】
電子ペーパ製造用基板10が複数のローラ74の上方の位置まで搬送されると、第2搬送機構を構成する各搬送ローラ72、75、73の回転を停止する。そして、図7(c)に示すように、複数の搬送ローラ73が下降位置に移動する。これにより、電子ペーパ製造用基板10は、第2搬送機構62を構成する複数の搬送ローラ73から第3搬送機構63を構成する複数の搬送ローラ74に受け渡される。そして、電子ペーパ製造用基板10は、第3搬送機構を構成する複数の搬送ローラ74が回転することにより、第3の方向に搬送される。
【0050】
以上のような構成を有する基板処理装置においては、搬送ロボット33によりカセット15から取り出された電子ペーパ製造用基板10は、第1搬送機構61により、コンベア部34を介して第1剥離部35および第2剥離部36に搬送され、レジストの剥離処理がなされる。そして、この電子ペーパ製造用基板10は、第1搬送機構61に搬送されている間に、洗浄液噴出ノズル51からその長辺S1に洗浄液が噴出され、その長辺S1を洗浄処理されるとともに、第1洗浄部37における図示しない洗浄液噴出機構により、表面および裏面に洗浄液を供給されて洗浄処理される。
【0051】
次に、電子ペーパ製造用基板10は、第2搬送機構62を構成する各搬送ローラ72、75、73により、第1洗浄部37から第2洗浄部38および第3洗浄部39に順次搬送され、それらの洗浄部における図示しない洗浄液噴出機構により、表面および裏面に洗浄液を供給されて洗浄処理される。このとき、第2洗浄部38においては、電子ペーパ製造用基板10が第2搬送機構62により搬送されている間に、洗浄液噴出ノズル52からその短辺S2に洗浄液が噴出され、その短辺S2を洗浄処理される。
【0052】
しかる後、電子ペーパ製造用基板10は、第3搬送機構63により、第3洗浄部39から第4洗浄部40に搬送されてさらに洗浄処理されるとともに、乾燥部41に搬送されることにより、一対のエアナイフ80から高圧の気体を噴出されて乾燥処理される。
【0053】
乾燥処理後の電子ペーパ製造用基板10は、第3搬送機構63によりさらに端縁乾燥部42に搬送される。端縁乾燥部42においては、電子ペーパ製造用基板10における長辺S1および短辺S2と、4個のヒータ部90とが対向する位置に配置されたときに、第3搬送機構63による電子ペーパ製造用基板10の搬送を停止する。そして、4個のヒータ部90から放射される赤外線により、電子ペーパ製造用基板10における長辺S1および短辺S2を乾燥する。このときには、赤外線の作用による加熱であることから、端縁に段差を有する電子ペーパ製造用基板10を乾燥処理する場合であっても、端縁を十分に乾燥処理することが可能となり、また、電子ペーパ製造用基板10の端縁に残存する洗浄液が周囲に飛散することもない。
【0054】
端縁乾燥部42で端縁の乾燥処理が行われた電子ペーパ製造用基板10は、搬送ロボット33によりカセット15内に収納される。
【0055】
このように、この基板処理装置においては、電子ペーパ製造用基板10を搬送しながら、その表面および裏面の洗浄処理と、長辺S1および短辺S2の洗浄処理とを同時に実行することができることから、その端縁の洗浄処理に余分な時間を要することなく、また、端縁の洗浄処理のための占有スペースが必要となることもない。そして、端縁の洗浄処理が行われ、端縁の段差部に洗浄液が残存する電子ペーパ製造用基板10に対し、端縁乾燥部42により端縁の乾燥処理を実行することから、端縁を十分に乾燥処理することが可能となる。
【0056】
なお、上述した実施形態においては、電子ペーパ製造用基板10が第1搬送機構61に搬送されている間に、洗浄液噴出ノズル51からその長辺S1に洗浄液が噴出して長辺S1を洗浄処理しているが、電子ペーパ製造用基板10が第3洗浄部39または第4洗浄部40において、第3搬送機構63に搬送されている間に、洗浄液噴出ノズルからその長辺S1に洗浄液が噴出して長辺S1を洗浄処理するようにしてもよい。すなわち、全ての洗浄部に搬送され通過した後の電子ペーパ製造用基板10は、その長辺S1と短辺S2の両方の洗浄処理が完了されていればよい。
【0057】
次に、この発明の他の実施形態について説明する。図8は、この発明の第2実施形態に係る基板処理装置の概要図である。また、図9は、第2実施形態に係る基板処理装置により電子ペーパ製造用基板10を搬送する様子を模式的に示す説明図である。なお、上述した第1実施形態と同様の部材については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0058】
この第2実施形態に係る基板処理装置は、電子ペーパ製造用基板10を収納したカセット15を載置するインデクサ部31と、カセット15内の電子ペーパ製造用基板10をコンベア部34に搬入し、あるいは、コンベア45部に搬送された電子ペーパ製造用基板10をカセット15に搬出する搬送ロボット33を備えた移載部32と、第1剥離部35と、第2剥離部36と、この発明に係る第1洗浄機構としての一対の洗浄液噴出ノズル51を備えた第1洗浄部37と、この発明に係る第2洗浄機構としての一対の洗浄液噴出ノズル52と、第1実施形態と同様の上下一対のエアナイフ80とを備えた洗浄乾燥部43と、第1端縁乾燥部42aと、第2端縁乾燥部42bと、コンベア部45とを備える。
【0059】
搬送ロボット33によりカセット15から取り出された電子ペーパ製造用基板10は、上述した第1実施形態と同様、電子ペーパ製造用基板10をその長辺S1と平行な第1の方向に搬送する第1搬送機構により、コンベア部34、第1剥離部35、第2剥離部36および第1洗浄部37に順次搬送される。次に、電子ペーパ製造用基板10は、第1搬送方向変更機構により、その搬送方向を、第1の方向から90度変更される。次に、電子ペーパ製造用基板10は、電子ペーパ製造用基板10をその短辺S2と平行な第2の方向に搬送する第2搬送機構により、第1洗浄部37から、洗浄乾燥部43を介して、第1端縁乾燥部42aに順次搬送される。次に、電子ペーパ製造用基板10は、第2搬送方向変更機構により、その搬送方向を、第2の方向から第1の方向と逆方向を向く第3の方向に90度変更される。そして、電子ペーパ製造用基板10は、第3搬送機構により、第1端縁乾燥部42a、第2端縁乾燥部42b、コンベア部45に順次搬送された後、搬送ロボット33によりカセット15内に収納される。
【0060】
第1剥離部35および第2剥離部36においては、搬送中の電子ペーパ製造用基板10の両面に剥離液が供給され、電子ペーパ製造用基板10に対して剥離処理が実行される。第1洗浄部37においては、搬送中の電子ペーパ製造用基板10の両面に洗浄液が供給され、電子ペーパ製造用基板10に対して洗浄処理が実行される。このとき、電子ペーパ製造用基板10は、第1洗浄部37において一対の洗浄液噴出ノズル51により長辺S1を洗浄処理される。
【0061】
また、洗浄乾燥部43においては、その前段において搬送中の電子ペーパ製造用基板10の表裏両面に洗浄液が供給され、電子ペーパ製造用基板10に対して洗浄処理が実行されるとともに、一対の洗浄液噴出ノズル52により電子ペーパ製造用基板10の短辺S2が洗浄処理される。また、洗浄乾燥部43の後段においては、電子ペーパ製造用基板10は、一対のエアナイフ80により乾燥処理される。
【0062】
次に、電子ペーパ製造用基板10は、第1端縁乾燥部42aに搬送される。この第1端縁乾燥部42aにおいては、電子ペーパ製造用基板10における短辺S2と対応する位置に配設された2個のヒータ部90aにより、電子ペーパ製造用基板10の短辺S2が乾燥処理される。このときには、電子ペーパ製造用基板10は、第2搬送機構により搬送されたままの状態でその短辺S2を乾燥処理される。
【0063】
しかる後、電子ペーパ製造用基板10は第2搬送方向変更機構により、その搬送方向を、第2の方向から第1の方向と逆方向を向く第3の方向に90度変更される。そして、電子ペーパ製造用基板10は、第3搬送機構により、第2端縁洗浄部42bに搬送される。この第2端縁乾燥部42bにおいては、電子ペーパ製造用基板10における長辺S1と対応する位置に配設された2個のヒータ部90bにより、電子ペーパ製造用基板10の長辺S1が乾燥処理される。このときにも、電子ペーパ製造用基板10は、第3搬送機構により搬送されたままの状態でその長辺S1を乾燥処理される。
【0064】
この第2実施形態に係る基板処理装置においては、電子ペーパ製造用基板10を搬送したままの状態で、その長辺S1および短辺S2を乾燥処理することが可能となる。従って、電子ペーパ製造用基板10の端縁の乾燥処理を、電子ペーパ製造用基板10の搬送とともに、効率的に実行することが可能となる。
【0065】
なお、上述した実施形態においては、赤外線ヒータ91を含むヒータ部90を電子ペーパ製造用基板10の上方に配置し、電子ペーパ製造用基板10の端縁をその上方から乾燥処理しているが、ヒータ部90の配置は、これに限定されるものではない。
【0066】
図10は、電子ペーパ製造用基板10とヒータ部90における赤外線ヒータ91との配置の変形例を示す説明図である。図10においては、上述した赤外線ヒータ91の配置を、符号A、B、C、D、Eで示している。なお、図10においては、ヒータ部90におけるミラー部材92の図示を省略しているが、ミラー部材92は赤外線ヒータ91と対応する位置に配置されるものとする。
【0067】
上述した実施形態においては、図10において符号Aで示す電子ペーパ製造用基板10の端縁の上部に赤外線ヒータ91を配置している。しかしながら、赤外線ヒータ91は、図10において符号Eで示す電子ペーパ製造用基板10の端縁の下方や、符号Bで示す電子ペーパ製造用基板10の端縁の斜め上方の位置、あるいは、符号Dで示す電子ペーパ製造用基板10の端縁の斜め下方の位置に配置することができる。また、図9に示す第2実施形態の場合においては、第1端縁乾燥部42aの第2端縁乾燥部42bとは逆側に配置されるヒータ部90aと第2端縁乾燥部42bに配設されるヒータ部90bとについては、電子ペーパ製造用基板10の搬送時に電子ペーパ製造用基板10と干渉するおそれがないことから、図10において符号Cで示す電子ペーパ製造用基板10の端縁と対向する位置に配置することも可能となる。
【符号の説明】
【0068】
10 電子ペーパ製造用基板
11 電子ペーパー用フィルム
12 接着層
13 支持層
15 カセット
31 インデクサ部
32 移載部
33 搬送ロボット
34 コンベア部
35 第1剥離部
36 第2剥離部
37 第1洗浄部
38 第2洗浄部
39 第3洗浄部
40 第4洗浄部
41 乾燥部
42 端縁乾燥部
42a 第1端縁乾燥部
42b 第2端縁乾燥部
43 洗浄乾燥部
44 洗浄液供給ノズル
45 コンベア部
51 洗浄液噴出ノズル
52 洗浄液噴出ノズル
61 第1搬送機構
62 第2搬送機構
63 第3搬送機構
71 搬送ローラ
72 搬送ローラ
73 搬送ローラ
74 搬送ローラ
75 搬送ローラ
80 エアナイフ
90 ヒータ部
90a ヒータ部
90b ヒータ部
91 赤外線ヒータ
92 ミラー部材
S1 長辺
S2 短辺


【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに長さの異なる第1の辺および第2の辺を有する矩形状の基板を、薬液処理部から洗浄処理部に搬送することにより、基板の薬液処理と洗浄処理とを行う基板処理装置において、
前記基板の搬送方向を、当該基板の方向を変更することなく、前記第1の辺と平行な第1の方向から前記第2の辺と平行な第2の方向に90度変更する搬送方向変更機構と、
前記第1の方向に搬送される基板の両側に配設され、前記第1の辺を洗浄する第1洗浄機構と、
前記第2の方向に搬送される基板の両側に配設され、前記第2の辺を洗浄する第2洗浄機構と、
前記第1洗浄機構および前記第2洗浄機構により洗浄された基板の第1の辺および第2の辺の近傍において前記第1の辺および前記第2の辺と平行に配置され、前記第1洗浄機構および前記第2洗浄機構により洗浄された基板の第1の辺および第2の辺を乾燥するヒータ部と、
を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理装置において、
前記第1洗浄機構は前記第1の辺に向けて洗浄液を噴出する洗浄液噴出ノズルであり、前記第2洗浄機構は前記第2の辺に向けて洗浄液を噴出する洗浄液噴出ノズルである基板処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理装置において、
前記第1洗浄機構および前記第2洗浄機構は、前記洗浄処理部に配設されている基板処理装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記ヒータ部は、棒形状を有し、赤外線を放射する赤外線ヒータと、前記赤外線ヒータから放射された赤外線を、前記第1洗浄機構および前記第2洗浄機構により洗浄された基板の第1の辺および第2の辺に向けて収束させるミラー部材とから構成される基板処理装置。
【請求項5】
互いに長さの異なる第1の辺および第2の辺を有する矩形状の基板を、薬液処理部から洗浄処理部に搬送することにより、基板の薬液処理と洗浄処理とを行う基板処理装置において、
インデクサ部と、
前記インデクサ部から基板を受け取り前記第1の辺と平行な第1の方向に搬送する第1搬送機構と、
前記基板の搬送方向を、当該基板の方向を変更することなく、前記第1の方向から前記第2の辺と平行な第2の方向に90度変更する第1搬送方向変更機構と、
基板を前記第2の方向に搬送する第2搬送機構と、
前記基板の搬送方向を、当該基板の方向を変更することなく、前記第2の方向から前記第1の辺と平行で前記第1の方向と逆方向を向く第3の方向に90度変更する第2搬送方向変更機構と、
基板を前記第3の方向に搬送して前記インデクサ部に送る第3搬送機構と、
前記洗浄処理部における前記第1搬送機構により搬送される基板の両側に配設され、前記第1の辺に向けて洗浄液を噴出することにより前記第1の辺を洗浄する第1洗浄液噴出ノズルと、
前記洗浄処理部における前記第2搬送機構により搬送される基板の両側に配設され、前記第2の辺に向けて洗浄液を噴出することにより前記第2の辺を洗浄する第2洗浄液噴出ノズルと、
前記第1および第2洗浄液噴出ノズルにより第1の辺と第2の辺とを洗浄された基板に対して高圧の気体を噴出することにより基板を乾燥する乾燥部と、
前記乾燥部により乾燥された基板の第1の辺および第2の辺の近傍において前記第1の辺および前記第2の辺と平行に配置され、前記第1洗浄機構および前記第2洗浄機構により洗浄された基板の第1の辺および第2の辺を乾燥するヒータ部と、
を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の基板処理装置において、
前記乾燥部と前記ヒータ部とは、前記第3搬送機構による基板の搬送路に配設されるとともに、
前記第3搬送機構は、前記ヒータ部により前記基板の第1の辺および第2の辺を乾燥している間、当該基板の搬送を停止する基板処理装置。
【請求項7】
請求項5に記載の基板処理装置において、
前記乾燥部は、前記第2搬送機構により搬送される基板を乾燥し、
前記ヒータ部は、前記第2搬送機構により搬送される基板における前記第2の辺を乾燥するとともに、前記第3搬送機構により搬送される基板における前記第1の辺を乾燥する基板処理装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の基板処理装置において、
前記基板は、支持層と、接着層と、電子ペーパ用フィルムとをこの順に積層した電子ペーパ製造用基板である基板処理装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2013−71101(P2013−71101A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−214307(P2011−214307)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】