説明

基板処理装置

各処理室での処理時間が異なる基板処理装置で、処理室への基板投入間隔を一定として且つ処理室での基板滞留を発生させない。基板の搬送空間となる搬送室と、基板の処理時間がそれぞれ異なり且つ基板の処理がそれぞれにより並行に行われることが可能であり且つ一の基板の処理がそれぞれにより順番に行われる複数の処理室と、搬送室に設けられて基板を搬送する機能を有する基板搬送手段を備え、そして、基板搬送制御手段が、同一の処理室に対する基板の投入時間の間隔を一定として、一の処理室から他の処理室への基板の搬送処理の1以上について、一の処理室による基板の処理が終了した後に当該基板を他の処理室へ搬送する際に、当該搬送処理に要する標準搬送時間と比べて長い時間をかけて当該
搬送処理が完了されるように基板搬送手段による基板の搬送処理を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、基板を処理する基板処理装置などに関し、特に、各処理室での処理時間が異なる場合においても、処理室への基板の投入間隔を一定として且つ処理室での基板滞留を発生させない基板処理装置などに関する。
【背景技術】
例えば、半導体基板(ウェーハ)に所定の処理を施す半導体製造装置や、LCD(Liquid Crystal Display)用ガラス基板に所定の処理を施すLCD製造装置等といった基板処理装置では、複数の処理室を設けて、各処理室において基板に対して成膜処理等を施すことが行われる。また、各処理室間などでは、移載機により基板を搬送することが行われる。
[特許文献1]
特開平11−102953号公報
[特許文献2]
特開平10−199960号公報
しかしながら、従来の基板処理装置では、例えば各処理室での処理時間が異なるような場合には、処理室への基板の投入間隔の変動或いは処理室での基板の滞留が発生するため、処理室への基板の投入間隔の変動により生産能力の低下などの問題が生じ、処理室での基板の滞留により余分な熱履歴の問題や単膜性能との相関のとりづらさの問題が生じてしまう。
本発明は、このような従来の課題を解決するために為されたもので、例えば各処理室での処理時間が異なるような場合においても、処理室への基板の投入間隔を一定として且つ処理室での基板滞留を発生させないことを実現することができる基板処理装置などを提供することを目的とする。
【発明の開示】
上記目的を達成するため、本発明に係る基板処理装置では、基板の搬送空間となる搬送室と、基板の処理時間がそれぞれ異なり且つ基板の処理がそれぞれにより並行に行われることが可能であり且つ一の基板の処理がそれぞれにより順番に行われる複数の処理室と、搬送室に設けられて基板を搬送する機能を有する基板搬送手段を備えた構成において、次のようにして、複数の基板を連続して処理する。
すなわち、基板搬送制御手段が、同一の処理室に対する基板の投入時間の間隔を一定として、一の処理室から他の処理室への基板の搬送処理の1以上について、一の処理室による基板の処理が終了した後に当該基板を他の処理室へ搬送する際に、当該搬送処理に要する標準搬送時間と比べて長い時間をかけて当該搬送処理が完了されるように基板搬送手段による基板の搬送処理を制御する。
従って、それぞれの処理室での基板の処理に要する時間の長さが異なる場合においても、基板の投入時間の間隔を一定化することができることから、基板の投入時間間隔の変動を防止することができ、これとともに、例えば処理室間での待ち時間には処理室以外の場所に処理途中の基板を戴置して退避させることにより、基板が処理室に滞留することを防止することが可能である。
ここで、複数の処理室の数としては、種々な数が用いられてもよい。
また、一の基板が各処理室において処理される順番としては、種々な順番が用いられてもよい。
また、各処理室における基板の投入時間の間隔としては、例えば、全ての処理室について同一の一定時間間隔が用いられる。
また、一の処理室から他の処理室への基板の搬送処理の1以上について標準搬送時間と比べて長い時間をかけて搬送処理を行う態様としては、例えば、全ての処理室間の搬送処理について標準搬送時間と比べて長い時間をかけて搬送処理を行う態様が用いられてもよく、或いは、一部の処理室間の搬送処理については標準搬送時間と比べて長い時間をかけて搬送処理を行うことをしないような態様が用いられてもよい。具体的には、例えば、複数であるm個の処理室P(1)、P(2)、・・・、P(m)がある場合に、それぞれのj(j=1〜(m−1))について、処理室P(j)から処理室P(j+1)への搬送処理では標準搬送時間と比べて長い時間をかけて搬送処理を行う態様を用いるか或いは標準搬送時間で搬送処理を行うかが設定される。
また、標準搬送時間としては、例えば、特に余分な時間の消費が無いとした場合に、基板搬送手段により基板を搬送する処理に要する時間を表す。なお、実際の装置では、装置の構成や処理の状況などによって基板の搬送処理に要する時間の長さが変動し得るため、必ずしも標準搬送時間が厳密な値として認識されなくともよく、例えば、標準搬送時間が標準的な値或いは平均的な値などとして認識されてもよい。
また、標準搬送時間と比べて長い時間の長さとしては、種々な時間の長さが用いられてもよく、例えば、「処理室P(j)から他の処理室P(j+1)への搬送処理」というように、搬送元の処理室P(j)と搬送先の処理室P(j+1)との組み合わせ毎に、一定の時間の長さが設定される。
また、標準搬送時間と比べて長い時間をかけて搬送処理が完了されるように基板の搬送処理を制御する態様としては、例えば、基板搬送手段による搬送のみを行って当該長い時間を消費させるような態様が用いられてもよく、或いは、基板搬送手段による搬送以外に他の場所に基板を戴置するなどして当該長い時間を消費させるような態様が用いられてもよい。
本発明に係る基板処理装置では、一構成例として、基板を戴置する戴置部を、処理室とは別に備えた。そして、基板搬送制御手段は、搬送処理の対象となる基板を戴置部に一時的に戴置して、搬送処理にかかる時間を調整する。
従って、例えば、一の処理室から基板搬送手段により基板を取り出して、基板搬送手段により当該基板を搬送して当該基板を所定の戴置部に置いて、当該基板を当該戴置部から基板搬送手段により取り出して、基板搬送手段により当該基板を搬送して当該基板を次の処理室に置くことにより、当該一の処理室から当該次の処理室への基板の搬送処理にかかる時間の長さを調整することができる。つまり、基板を戴置部に置いておく時間の長さなどを調整することにより、一連の搬送処理の時間の長さを調整することができる。
ここで、戴置部としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、処理室とは別に設けられる予備室や、ロードロック室などを用いることができる。
本発明に係る基板処理装置では、一構成例として、基板搬送手段は、基板を戴置する戴置部を有している。そして、基板搬送制御手段は、搬送処理の対象となる基板を基板搬送手段の戴置部に一時的に戴置して当該基板搬送手段の動作を停止させて、搬送処理にかかる時間を調整する。
従って、例えば、一の処理室から基板搬送手段により基板を取り出して、当該基板の搬送中に当該基板を基板搬送手段の戴置部に置いたまま当該基板搬送手段の動作を停止させて、その後、当該基板搬送手段の動作を再開させて当該基板搬送手段により当該基板を次の処理室に置くことにより、当該一の処理室から当該次の処理室への基板の搬送処理にかかる時間の長さを調整することができる。つまり、基板を基板搬送手段の戴置部に置いておく時間の長さなどを調整することにより、一連の搬送処理の時間の長さを調整することができる。
ここで、基板搬送手段の戴置部としては、種々なものが用いられてもよく、例えば、プレートなどを用いることができる。
本発明に係る基板処理装置では、一構成例として、基板搬送手段は、基板を搬送するに際して旋回動作を行う。そして、基板搬送制御手段は、搬送処理の対象となる基板を基板搬送手段により搬送するに際して、当該基板搬送手段による旋回動作を含む搬送動作の速度を制御して、搬送処理にかかる時間を調整する。
従って、例えば、一の処理室から基板搬送手段により基板を取り出して、調整された動作速度で基板搬送手段により当該基板を搬送して当該基板を次の処理室に置くことにより、当該一の処理室から当該次の処理室への基板の搬送処理にかかる時間の長さを調整することができる。つまり、基板搬送手段により基板を搬送する動作の速度を調整することにより、一連の搬送処理の時間の長さを調整することができる。
ここで、基板搬送手段による旋回動作を含む搬送動作としては、例えば、旋回動作の速度のみを調整する態様が用いられてもよく、或いは、旋回動作の速度及び他の動作の速度を調整するような態様が用いられてもよい。
本発明に係る基板処理装置では、一構成例として、各処理室における基板の投入時間の間隔として、全ての処理室について同一の一定時間間隔が用いられる。
本発明に係る基板処理装置では、一構成例として、前記標準搬送時間は、特に余分な時間の消費が無いとした場合に、前記基板搬送手段により基板を搬送する処理に要する時間を表す。
本発明に係る基板処理装置では、一構成例として、予備室を備え、次のような構成とした。すなわち、基板に対して行われる複数の処理について、最も処理時間の長い処理から短い処理への順に処理室からの基板払い出しが行われるように搬送タイミングのクリティカルパスを決定し、この場合に、前記最も処理時間の長い処理への搬送開始(基板投入のための搬送開始)から最も処理時間の短い処理からの搬送終了(基板払い出しのための搬送終了)までの時間を求め、この時間に前記予備室での必要最低限の退避時間(最小予備室退避時間)を加えた結果を求め、この結果を基板の投入時間の間隔とする。なお、最小予備室退避時間は、必ずしも設けられなくともよく、つまり、ゼロ(0)であってもよい。
本発明に係る基板処理装置では、他の構成例として、予備室を備え、次のような構成とした。すなわち、基板に対して行われる複数の処理について、最も処理時間の短い処理から長い処理への順に処理室への基板投入が行われるように搬送タイミングのクリティカルパスを決定し、この場合に、前記最も処理時間の短い処理への搬送開始(基板投入のための搬送開始)から最も処理時間の長い処理からの搬送終了(基板払い出しのための搬送終了)までの時間を求め、この時間に前記予備室での必要最低限の退避時間(最小予備室退避時間)を加えた結果を求め、この結果を基板の投入時間の間隔とする。なお、最小予備室退避時間は、必ずしも設けられなくともよく、つまり、ゼロ(0)であってもよい。
本発明では、以上のような各種の処理を行う方法として実現することも可能である。
一例として、本発明に係る半導体装置の製造方法では、基板の搬送空間となる搬送室と、基板の処理時間がそれぞれ異なり且つ基板の処理がそれぞれにより並行に行われることが可能であり且つ一の基板の処理がそれぞれにより順番に行われる複数の処理室と、搬送室に設けられて基板を搬送する機能を有する基板搬送手段とを備えて複数の基板を連続して処理する基板処理装置において、次のようにして、半導体装置を製造する。
すなわち、同一の処理室に対する基板の投入時間の間隔を一定として、一の処理室から他の処理室への基板の搬送処理の1以上について、一の処理室による基板の処理が終了した後に当該基板を他の処理室へ搬送する際に、当該搬送処理に要する標準搬送時間と比べて長い時間をかけて当該搬送処理が完了されるように基板搬送手段による基板の搬送処理を制御する。
以下で、更に、本発明に係る構成例を示す。
一構成例として、処理室とは別な戴置部として、1又は2以上の予備室を備える。予備室は、例えば、全ての処理室で一度に処理することが可能な基板の数を収容することが可能な態様で備えられる。
一構成例として、各処理室での処理の間に、基板を予備室に一時的に退避させる。なお、例えば、一の処理室と次の処理室との間で退避時間が無く、基板の搬送処理が重なる場合には、いずれかの搬送処理を省略することが可能であり、つまり、当該一の処理室から当該次の処理室へ直接的に基板を搬送することが可能である。
一構成例として、基板の投入時間間隔(所定の退避間隔)や、処理の前の退避時間や、処理の後の退避時間としては、複数の処理室について各処理室による処理の時間を長い方から順に並べて決定される、又は、複数の処理室について各処理室による処理の時間を短い方から順に並べて決定される。
一構成例として、各処理室への基板の投入時間間隔毎に、周期的に、いずれの処理室にも基板が存在しない状態(全退避状態)が発生する。例えば、一の全退避状態から次の全退避状態までの間に、全ての処理室においてそれぞれ1回の処理が行われる。
一構成例として、基板搬送手段による搬送において時間をカウントするタイマカウント手段を備え、そして、基板搬送手段による搬送が完了して且つタイマカウント手段による所定時間のカウントが完了したことに応じて、当該搬送の次の動作へ移行する。ここで、当該所定時間としては、例えば、基板搬送手段による搬送に要する最大の時間が用いられる。
一構成例として、戴置部として、ロードロック室を用いる。ロードロック室は、例えば、全ての処理室で一度に処理することが可能な基板の数を収容することが可能な態様で備えられる。
基板としては、例えば、半導体装置やLCD装置を製造するためのシリコンウェーハやガラス基板が用いられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例に係る基板処理装置の構成例を示す図である。
第2図は、最小予備室退避時間が設けられる場合に、(A)は退避間隔及び前後退避時間を算出する方法の一例を説明するための図であり、(B)は1枚の基板を処理するタイムチャートの一例を示す図であり、(C)は複数枚の基板を処理するタイムチャートの一例を示す図であり、(D)は他の構成例を説明するための図である。
第3図は、最小予備室退避時間が設けられない場合に、(A)は退避間隔及び前後退避
時間を算出する方法の一例を説明するための図であり、(B)は1枚の基板を処理するタイムチャートの一例を示す図であり、(C)は複数枚の基板を処理するタイムチャートの一例を示す図である。
第4図は、(A)は一部の一時退避が省略可能な連続処理フローの一例を示す図であり、(B)は一部の一時退避を省略した連続処理フローの一例を示す図である。
第5図は、(A)は移載機の動作内容の一例を示す図であり、(B)は移載機による搬送時間のバラツキを説明するための図である。
第6図は、基板処理装置により行われる搬送動作の制御の一例を示す図である。
第7図は、移載機の搬送速度の判定方法の一例を説明するための図である。
第8図は、基板処理装置の構成例を示す図である。
第9図は、(A)は基板搬送の流れの一例を示す図であり、(B)は基板の処理履歴の一例をイベントタイムチャートとして示す図である。
第10図は、(A)、(B)、(C)は複数の基板を処理する場合におけるイベントタイムチャートの例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
なお、本実施例では、半導体基板を処理する基板処理装置及び半導体装置の製造方法を例として説明するが、例えば、LCD用基板を処理する基板処理装置などに同様な構成や動作を適用することも可能である。
第1図には、本発明の一実施例に係る基板処理装置の構成例を示してある。
本例の基板処理装置は、キャリアステーション(ロードポート:LP)1a、1b、1cと、大気雰囲気用の移載機(LH)2と、基板位置補正ユニット(アライナ:AU)3と、第1のロードロック室(LM1)4と、真空雰囲気用の移載機(TH)13が設けられた搬送室5と、第1の処理室(PM1)6と、第2の処理室(PM2)7と、第3の処理室(PM3)8と、第4の処理室(PM4)9と、第2のロードロック室(LM2)10と、第1の予備室11と、第2の予備室12と、制御部14から構成されている。
ここで、構成要素としては、基板搬送を行う移載機13を搭載した搬送室5を中央に配し、当該搬送室5の周辺に隣接して基板に所定の加工を施す処理室6〜9が2つ以上(本例では、4つ)存在し、搬送室5と外部との基板のやり取りを行う際にN2等の不活性ガスによって雰囲気置換を行い処理室6〜9への大気成分の混入を防止するためのロードロック室4、10から成る。また、更に、基板が収納されたキャリアを処理中に一時的に設置しておくためのキャリアステーション1a、1b、1cと、キャリアステーション1a、1b、1c上のキャリアから随時単一の基板をロードロック室4、10へ搬送するための移載機2と、キャリア内の基板をロードロック室4、10に精度良く配置するための基板位置補正ユニット3を配している。また、更に、搬送室5に、基板の一時退避が可能な予備室11、12を設けてある。また、制御部14が設けられている。
予備室11、12については、本例では、全ての処理室6〜9で一度に処理することが可能な基板数の合計数分の退避が可能であるように設計する。例えば、本例の構成では、各処理室6〜9ではそれぞれ1枚の基板の処理が可能であり、全ての処理室6〜9では合計で4枚の基板の処理が可能であることから、2つの予備室11、12にそれぞれ2枚ずつ基板を退避することが可能な構造となっており、全ての予備室11、12では合計で4枚の基板の退避が可能である。
また、本例では、2つの予備室11、12を設けた例を示すが、予備室の数としては任意であってもよく、例えば、1つの予備室のみが基板の退避に使用される構成とされてもよく、或いは、2つ以上の予備室が同時に基板の退避に使用されるような構成とされてもよい。
また、本例では、各ロードロック室4、10には、多数枚の基板を一時的に保持することが可能な多段の支持体が設けられている。
また、各処理室6〜9は、例えば、成膜室や、バッファ室などとして構成される。
また、制御部14は、本例では、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CPU(Central Processing Unit)等のハードウエア資源で所定のプログ
ラムを実行する構成となっている。
【実施例1】
本発明の第1実施例を説明する。
本例の基板処理装置により行われる基板の処理の手順の一例を示す。
なお、本実施例では、本発明に特に関する部分として、真空搬送系の部分(例えば、第9図に示される処理(3)〜(11)に相当する部分)のみをタイムチャート等において示して説明を行う。
本例の基板処理では、特に、各処理室6〜9での所定の処理を終えた後に、直接的に次の処理室6〜9への基板の搬送を行わずに、本例において設置した予備室11、12へ基板を搬送して、各処理室6〜9での処理の間に基板を一時的に退避させることを特徴とする。
一例として、異なる4つの処理室PM1〜PM4での処理を基板に対して行う場合における搬送フローとしては、従来例では「LM(ロードロック室)、PM1、PM2、PM3、PM4、LM」という処理順序となるが、本例では「LM、PM1、予備室、PM2、予備室、PM3、予備室、PM4、LM」という処理順序となる。
第2図を参照して、上記した本例の搬送フロー時におけるタイミングチャートを説明する。本例では、一時退避型の固定タクト方式を搬送制御方式として用いる。
本方式では、概略的には、各処理室6〜9での処理終了後に、退避イベントを介して次の処理を行う。また、本方式では、各処理室6〜9における異なる処理時間のうちの最長の処理時間と連続処理の数から退避間隔を決定し、退避間隔から各処理の前後の退避時間(前退避時間、後退避時間)を算出(決定)する。そして、退避イベントの時間調整により、基板の投入間隔の変動と処理室滞留を無くす。ここで、本例では、退避間隔とは、基板が全ての処理室6〜9に存在しない状態が周期的に訪れる場合における当該周期の間隔のことを示している。
第2図(A)を参照して、退避間隔や前後の退避時間を算出する方法の一例を示す。
なお、本実施例では、P1、P2、P3、P4のそれぞれは、異なる4つの処理室6、7、8、9のそれぞれでの処理或いは処理時間を示す。また、搬送時間(図中の斜線部)としては、搬送に要する最大時間を示している。
本例の退避間隔の算出方法では、まず、基板に対して行われる複数の処理P1〜P4について、最も処理時間の長い処理から短い処理への順に処理室6〜9からの基板払い出しが行われるように搬送タイミングのクリティカルパス(最短で搬送することができる状態)を決定し、この順番に無駄なく処理が行われるクリティカルパスに必要に応じて任意に設定可能な予備室11、12での必要最低限の退避時間(最小予備室退避時間)を加えた結果を退避間隔とする。なお、最小予備室退避時間は、基板を冷却することが必要である場合のための規定であり、必ずしも設けられなくともよい。
具体的には、連続処理数をnとし、最大処理時間をPmaxとし、処理室間での最大搬送時間をTとし、予備室11、12での最小退避時間をEとすると、退避間隔STは(式1)により表される。なお、処理室間での搬送時間は、例えば、第5図(B)に示される一連の処理((1)〜(3)又は(0)〜(3))に要する合計時間となる。
また、退避間隔STが決定すると、各処理時間をPi(i=1〜n)とし、各処理時間の長さの順番をX(最も処理時間が長い場合をX=1とし、最も処理時間が短い場合をX=nとする)とすると、各処理毎の前退避時間は(式2)により表され、各処理毎の後退
避時間は(式3)により表される。
(式1)
退避間隔ST=Pmax+T×(n+1)+E
(式2)
処理Piの前退避時間=ST−Pi−{(n+2−X)×T}−E
(式3)
処理Piの後退避時間=(n−X)×T+E
本例の基板処理装置の場合には、連続処理数n=4となり、処理時間の長い方から短い方への順がP3(X=1)、P4(X=2)、P1(X=3)、P2(X=4)となり、最大処理時間Pmax=P3となる。
第2図(B)には、イベントタイムチャートを示してあり、これは、各処理P1〜P4の前後の退避時間が決定した場合に、退避間隔を基準として、各処理イベントのタイミングを基板処理順に配置したものである。つまり、各処理P1〜P4毎の前後の退避時間と各処理室6〜9での処理時間との組み合わせを基板処理順に連続的に並べて、基板の処理履歴を次元イベント化したものである。
具体的には、連続処理数nについて、「前退避1、処理1、後退避1、前退避2、処理2、後退避2、前退避3、処理3、後退避3、・・・、前退避n、処理n、後退避n」という処理順序の処理フローが形成される。
第2図(C)には、複数の基板を連続的に処理する場合における各処理のタイミングを表すイベントタイムチャートを示してある。
同図(C)に示されるように、退避間隔STと同一の時間を基板投入の時間間隔(投入間隔)として、同図(b)に示されるイベントタイムチャートを重ねることにより、結果として、搬送や処理室の干渉が無く、各処理室6〜9への基板の投入間隔が一定で且つ処理室6〜9での基板の滞留を防止することが可能となる。
ここで、本例では、処理時間の長い方から順に並べて退避間隔を算出して、処理時間の長い方から順に無駄なく基板の搬出を行うことにより、基板搬出についてクリティカルパスを実行することができる構成を示したが、他の構成例として、例えば第2図(D)に示されるように、処理時間の短い方から順に並べて退避間隔を算出して、処理時間の短い方から順に無駄なく基板の投入を行うことにより、基板投入についてクリティカルパスを実行することができるような構成(ここで、構成Aと言う)を用いることも可能であり、本例と同様な効果を得ることができる。
具体的には、上記した構成Aでは、連続処理数をnとし、最大処理時間をPmaxとし、処理室間での最大搬送時間をTとし、予備室11、12での最小退避時間をEとすると、退避間隔STは(式4)により表される。
また、退避間隔STが決定すると、各処理時間をPi(i=1〜n)とし、各処理時間の長さの順番をX(最も処理時間が短い場合をX=1とし、最も処理時間が長い場合をX=nとする)とすると、各処理毎の前退避時間は(式5)により表され、各処理毎の後退避時間は(式6)により表される。
(式4)
退避間隔ST=Pmax+T×(n+1)+E
(式5)
処理Piの前退避時間=(X−1)×T
(式6)
処理Piの後退避時間=ST−Pi−(X+1)×T
本例の基板処理装置の場合には、連続処理数n=4となり、処理時間の短い方から長い方への順がP2(X=1)、P1(X=2)、P4(X=3)、P3(X=4)となり、最大処理時間Pmax=P3となる。
【実施例2】
本発明の第2実施例を説明する。
第3図(A)、(B)、(C)には、最小予備室退避時間Eを省略した場合つまりE=0とした場合について、第2図(A)、(B)、(C)に示されるのと同様な図を示してある。退避間隔STや前後の退避時間の算出式としては、例えば、第2図(A)、(B)、(C)に示される場合と同様な式において、E=0とすればよい。なお、第3図(A)、(B)、(C)では、第2図(A)、(B)、(C)の例と比べて各処理P1〜P4の時間の長さ関係が異なる場合の例を示してある。
【実施例3】
本発明の第3実施例を説明する。
第2図(C)に示されるイベントタイムチャートの応用例として、各処理時間P1〜P4が一定の条件下にある場合には、一時退避を部分的に省略しても、同様な効果を得ることができ、且つ、搬送効率の向上に寄与することができる。
第4図(A)には一部の一時退避処理の省略が可能である場合のイベントタイムチャートの一例を示してあり、これについて、第4図(B)には一部の一時退避処理を省略したイベントタイムチャートの一例を示してある。
具体的には、第4図(A)に示されるイベントタイムチャートでは、最大の処理時間を有する処理P3の工程と、最小の処理時間を有する処理P2の工程とが、連続処理フローにおいて、連続的に行われる。このため、一方の処理P2の後の搬送と他方の処理P3の前の搬送とが重なる。
そこで、第4図(B)に示されるイベントタイムチャートでは、上記した重なる2つの搬送の一方として例えば処理P2の後の搬送を省略して無くし、処理P2の後に直接的に基板を次の処理P3の処理室へ搬送する連続処理フローとした。これにより、搬送効率を向上させることができる。
ここで、本例のような一時退避の省略が可能な条件としては、例えば、処理順序がi番目の処理の前退避時間と(i−1)番目の処理の後退避時間との和がゼロであるという条件、或いは、処理順序がi番目の処理の後退避時間と(i+1)番目の処理の前退避時間との和がゼロであるという条件があり、このような条件が成り立つ場合には、2つの 理の間で一時退避を省略して搬送を連続的に行うことが可能である。
【実施例4】
本発明の第4実施例を説明する。
以上では、各処理室6〜9の間の搬送時間の長さが一定(最大搬送時間を基に算出した一定値)であるとみなして、理論的にイベントタイムチャート上の干渉を回避した例を示したが、実際には処理室6〜9の移載元と移載先の組み合わせが複数存在するため、移載機の動作量の多さに比例して動作時間は長くなる傾向を示す。
第5図(A)、(B)を参照して、移載機13の動作内容の一例と主な搬送時間バラツキの要因について説明する。
移載機13の動作内容としては、主に、次の(0)〜(3)のように大別される。
(0)移載元の処理室等に移載機13が位置していない場合には、移載元の処理室等へ移載機13を旋回させる工程を行う。なお、移載元の処理室等に移載機13が位置してい
る場合には、本工程は不要である。
(1)移載元の処理室等にある基板を移載機13によりピックアップする工程を行う。
(2)移載先の処理室等へ移載機13を旋回させる工程を行う。
(3)移載先の処理室等に基板をプレースする工程を行う。
なお、第5図(A)には、第1の予備室11から第4の処理室9へ基板を搬送する場合の例を示してある。
また、上記(0)の工程については、移載機13による前の移載工程の状態により発生するか否かが決定されるため、本例では、これについては同じ時間であると仮定して説明する。
第5図(B)には、移載機13の旋回量が最大である場合や、第1の予備室11から第4の処理室9へ移載機13が旋回する場合や、第1の予備室11から第1の処理室6へ移載機13が旋回する場合について、イベントタイムチャートの例を示してある。
一般に、移載機の動作制御では、各動作軸の動作完了の判定に応じて次の動作の軸の動作へ移る。また、移載機13の各軸の移動量の差異が搬送時間バラツキの要因となる。このため、第5図(B)に示されるように、実際に第1の予備室11から第1の処理室6へ基板を搬送する場合と第1の予備室11から第4の処理室9へ基板を搬送する場合について比較すると、移載機13の旋回動作の量に応じた搬送時間バラツキが生じる。つまり、第2図などを参照して算出される前後の退避時間を予備室11、12で消費させても、搬送時間としては最大搬送時間Tが用いられているため、移載機13の移載先で実際の搬送時間にバラツキが生じる結果として、各処理室6〜9への基板の投入間隔が一定ではなくなる。
なお、本例では、一般に搬送時間のバラツキ要素が最も顕著である旋回動作に関して示すが、例えば、各処理室6〜9の構成が異なるような場合には、更に、処理室への移載ストローク差の影響等も考慮するのが好ましい。
また、上記した搬送バラツキの時間は、通常は多くても数秒程度であるが、処理室内での滞留となるため、更なる基板の処理履歴の管理のためには改善する方が好ましい。
第6図には、上記した搬送時間バラツキを防止するために、本例の基板処理装置における移載機13による搬送動作の制御の一例を示してある。本例では、バラツキ要素が最も顕著である旋回動作について示してある。
本例の移載機13による搬送動作は、制御部14により制御される。本例の搬送動作の制御では、移載機13の旋回動作の開始と共に任意のタイマ値による監視を行い、予め決定されている時間の経過と旋回動作の完了判定との両方が満たされたことに応じて、次の動作である例えば基板のピックアップ或いはプレースを開始する。当該予め決定されている時間としては、例えば、各旋回に要する最大の時間(最大旋回時間)が用いられる。
具体的には、第6図の例では、まず、移載機13の旋回動作(0)を開始する際に、所定のタイマカウント値(例えば、ゼロより大きい値)のデクリメントを開始し、旋回動作(0)が完了したことが判定されて且つタイマカウント値がゼロとなったことが判定されたことに応じて基板のピックアップ動作(1)を開始し、基板のピックアップ動作(1)が完了したことが判定されたことに応じて移載機13の旋回動作(2)を開始するとともに所定のタイマカウント値(例えば、ゼロより大きい値)のデクリメントを開始し、旋回動作(2)が完了したことが判定されて且つタイマカウント値がゼロとなったことが判定されたことに応じて基板のプレース動作(3)を開始し、基板のプレース動作(3)が完了したことが判定されたことに応じて、基板の搬送動作が終了したとみなす。
これにより、移載機13による実際の旋回動作が早く完了した場合においても、処理室6〜9への基板の投入のタイミングは常に一定となるため、基板の熱履歴のバラツキを防止することが可能になる。なお、移載機13の軸動作に関するタイマ監視値としては、実搬送動作の最大値とするのが搬送効率上で好ましい。
【実施例5】
本発明の第5実施例を説明する。
第5図や第6図を参照して説明される制御に関して、更に、移載機13について、例えば、予め軸動作の動作量に応じて搬送時間を統一するために、各軸の動作の速度を可変させる構成とすることも可能である。
第7図を参照して、移載機13の搬送速度(本例では、旋回速度)の判定方法の一例を示す。
移載機13の搬送制御における最大の旋回角度をWmax[度(°)]とし、そのときにおける平均の旋回速度(基板移載時の最高平均旋回速度)をSmax[度(°)/sec]とすると、移載目標の旋回角度がW[度(°)]であるときにおける平均の旋回速度S[度(°)/sec]は、式7により表される。このように、本例では、最大旋回角度での旋回速度を最速として、それより小さい旋回角度である場合には旋回速度を遅くして、旋回角度に関わらず旋回時間を合わせる。
(式7)
S=W/(Wmax/Smax)
【実施例6】
本発明の第6実施例を説明する。
以上では、一の処理室での基板の処理と次の処理室での基板の処理との間に処理対象(搬送対象)となる基板を予備室11、12に退避させる例を示したが、他の構成例として、本例では、一の処理室での基板の処理が終了して当該基板を移載機13によりピックアップした後から次の処理室へ当該基板をプレースするまでの間の余分な時間を、処理対象(搬送対象)となる基板を移載機13に設けられたプレート上に戴置した状態で当該移載機13の動作を停止させることにより、消費する。つまり、本例では、必ずしも予備室11、12は設けられなくともよく、予備室11、12ではなく、停止させられる移載機13が基板の退避場所となっている。この場合、移載機13のプレートを必要に応じて複数設けてもよい。
【実施例7】
本発明の第7実施例を説明する。
また、他の構成例として、本例では、一の処理室での基板の処理が終了して当該基板を移載機13によりピックアップした後から次の処理室へ当該基板をプレースするまでの間の余分な時間を、処理対象(搬送対象)となる基板を搬送する移載機13の旋回動作等の速度を必要に応じて遅くすることにより、消費する。つまり、本例では、必ずしも予備室11、12は設けられなくともよく、予備室11、12ではなく、低速で旋回動作等させられる移載機13が基板の退避場所となっている。
【実施例8】
本発明の第8実施例を説明する。
また、他の構成例として、本例では、一の処理室での基板の処理が終了して当該基板を移載機13によりピックアップした後から次の処理室へ当該基板をプレースするまでの間の余分な時間を、処理対象(搬送対象)となる基板をロードロック室4、10に退避させることにより、消費する。つまり、本例では、必ずしも予備室11、12は設けられなくともよく、予備室11、12ではなく、ロードロック室4、10が基板の退避場所となっている。なお、本例では、ロードロック室4、10については、全ての処理室6〜9で一度に処理することが可能な基板数の合計数分の退避が可能であるように設計する。
以上の実施例(実施例1〜実施例8)に示されるように、本実施例に係る基板処理装置では、基板の搬送空間を形成する搬送室5と、当該搬送室5に連接されて且つ各処理室で
の基板処理時間がそれぞれ異なる少なくとも2つの処理室6〜9を含んで各処理室6〜9での基板の処理が連続的及び並行に実行される処理室群と、当該搬送室5に収容された基板搬送装置であって当該処理室群の内の一つの処理室での処理が終了後に次の異なる処理室へ基板を搬送する際に既定の標準搬送時間にて当該基板を搬送することが可能な基板搬送装置(移載機)13と、当該基板搬送装置13の動作を制御する制御部14とを有する。そして、当該制御部14は、同一の処理室6〜9に対する基板の投入間隔を一定とし、更に、当該処理室群の内の一つの処理室での処理が終了した基板を次の処理室へ当該基板搬送装置13によって搬送する際に、当該標準搬送時間よりも長い所定の搬送時間(設定搬送時間)にて次の処理室へ基板を投入するように当該基板搬送装置13を制御することにより、複数の基板を連続して処理する。
また、本実施例に係る基板処理装置では、前記処理室群の処理空間とは異なる空間に設けられて且つ基板を一時的に載置する載置台を備え、前記所定の搬送時間(設定搬送時間)にて基板を搬送する場合に、前記標準搬送時間より長い時間帯については、搬送対象の基板を当該載置台へ載置するように前記基板搬送装置13の動作を制御する。
また、本実施例に係る基板搬送装置では、一構成例として、前記戴置台として、予備室11、12を備えた。
また、本実施例に係る基板処理装置では、他の一構成例として、前記基板搬送装置13が基板を載置するプレートを有している。そして、前記所定の搬送時間(設定搬送時間)にて基板を搬送する場合に、前記標準搬送時間より長い時間帯については、搬送対象の基板を当該プレート上に保持させた状態で当該基板搬送装置13の動作を停止させるように当該基板搬送装置13の動作を制御する。つまり、本構成例では、上記した予備室11、12への基板の退避ではなく、退避時間を別手段である基板搬送装置13のプレートで消費させる。
また、本実施例に係る基板処理装置では、他の一構成例として、前記所定の搬送時間(設定搬送時間)にて基板を搬送する場合に、前記標準搬送時間より長い時間帯については、前記基板搬送装置13の少なくとも旋回動作時間を、当該標準搬送時間で動作する旋回動作時間よりも遅く(所要時間を長く)した状態で搬送対象の基板を搬送させるように当該基板搬送装置13を制御する。つまり、本構成例では、上記した予備室11、12への基板の退避ではなく、退避時間を別手段である基板搬送装置13で消費させる。
また、本実施例に係る基板処理装置により行われる各種の処理を実現するための方法を提供することも可能であり、例えば、半導体装置等の製造方法などを提供することができる。
以下で、更に、本実施例に関する具体的な構成例を示す。
本実施例に係る基板処理装置では、一つの移載機13を搭載した搬送室5と、熱処理や極薄膜形成を目的とした少なくとも2つの処理室6〜9と、大気雰囲気と搬送室5との雰囲気置換を目的としたロードロック室4、10を備えた構成において、処理室内での処理時間が異なる2つ以上の基板処理を並行して行う際に、各処理室6〜9への基板投入間隔を一定として且つ払い出し時の搬送待ち時間が生じないように基板を搬送する半導体製造装置や基板搬送制御方法を提供する。
また、本実施例に係る基板処理装置では、前記搬送室5に予備室11、12を設け、処理室での処理を終えた基板を当該予備室11、12に一時的に退避させる半導体製造装置や基板搬送制御方法を提供する。
また、本実施例に係る基板処理装置では、前記予備室11、12の合計基板ストック数が、各処理室6〜9での1回の処理枚数と処理室6〜9の総数との積に相当する半導体製造装置や基板搬送制御方法を提供する。つまり、全ての基板を確実に退避することが可能な場所(例えば、棚数)を設ける。
また、本実施例に係る基板処理装置では、前記ロードロック室4、10の合計基板ストック数が、各処理室6〜9での1回の処理枚数と処理室6〜9の総数との積に相当する構成とし、処理室での処理を終えた基板をロードロック室4、10に一時的に退避させる半導体製造装置や基板搬送制御方法を提供する。つまり、全ての基板を確実に退避することが可能な場所(例えば、棚数)を設ける。なお、例えば、1つのロードロック室のみが基板の退避に使用される構成とされてもよく、或いは、複数のロードロック室が同時に基板の退避に使用されるような構成とされてもよい。
また、本実施例に係る基板処理装置では、複数の基板処理実行時に、全ての基板が処理室6〜9に無い退避状態が基板投入間隔(退避間隔ST)毎に周期的に存在するように基板搬送を行う半導体製造装置や基板搬送制御方法を提供する。
また、本実施例に係る基板処理装置では、一の退避状態から次の退避状態までの間に、全ての処理室6〜9において少なくとも1回は基板搬送と処理が実行され、「一時退避、基板処理、一時退避」といった処理を繰り返して行うような半導体製造装置や基板搬送制御方法を提供する。
また、本実施例に係る基板処理装置では、一の退避状態から次の退避状態までの間に行われる基板搬送の順番が、処理室6〜9での処理時間が長いものから順次に間をおかずに払い出されるような順番である、或いは、処理室6〜9での処理時間が短いものから順次に間をおかずに行われるような順番である半導体製造装置や基板搬送制御方法を提供する。
また、本実施例に係る基板処理装置では、処理室6〜9、ロードロック室4、10、予備室11、12の間の実基板搬送時間が等しくなるように移載機13の各軸動作の終了判定をタイマ監視する半導体製造装置や基板搬送制御方法を提供する。
また、本実施例に係る基板処理装置では、移載機13の軸動作終了判定のタイマ監視値が、各軸の実動作時間の最大値である半導体製造装置や基板搬送制御方法を提供する。
また、本実施例に係る基板処理装置では、処理室6〜9、ロードロック室4、10、予備室11、12の間の実基板搬送時間が等しくなるように、移載機13の各軸動作の動作量に応じて動作速度を可変する(動作速度を変化させる)半導体製造装置や基板搬送制御方法を提供する。
従って、本実施例に係る基板処理装置では、例えば処理時間の異なる工程を複数の処理室6〜9で並行して行うような処理においても、処理室6〜9への基板投入間隔が一定であり且つ処理室6〜9での基板の滞留の無い基板搬送制御が可能であり、半導体製造素子の品質の再現や歩留まりの向上を図ることができる。例えば、熱処理装置では、基板が高温の状態で維持される処理室と比べて、最終的には室温付近に維持される搬送室並びに予備室などで処理対象の基板を待機させた方が、余分な熱履歴(サーマルバジェット)が少なくなるため、デバイス製造工程上で好ましい。また、本実施例に係る処理では、単膜性能(各処理室での単独成膜による薄膜の品質)との相関を取り易くなる。
ここで、以上の実施例(実施例1〜実施例8)は、好ましい形態の例であり、必ずしも本発明を限定するものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々な改良等が為されてもよい。
なお、本実施例に係る基板処理装置などでは、移載機13の機能により基板搬送手段が構成されており、制御部14が移載機13を制御する機能により基板搬送制御手段が構成されており、予備室11、12の機能やロードロック室4、10の機能により戴置部が構成されており、プレートの機能により移載機13の戴置部が構成されており、制御部14が移載機13による搬送に関してタイマ監視を行う機能によりタイマカウント手段が構成されている。
以下で、本発明に関する技術の背景を示す。なお、ここで記載する事項は、必ずしも全てが従来の技術であるとは限定しない。
第8図には、一般的な基板処理装置の構成例を示してある。
本例の基板処理装置は、キャリアステーション(ロードポート:LP)21a、21b、21cと、大気雰囲気用移載機(LH)22と、基板位置補正ユニット(アライナ:AU)23と、第1のロードロック室(LM1)24と、真空雰囲気用移載機(TH)31が設けられた搬送室25と、第1の処理室(PM1)26と、第2の処理室(PM2)27と、第3の処理室(PM3)28と、第4の処理室(PM4)29と、第2のロードロック室(LM2)30から構成されている。各処理部21a〜21c、22〜31は、概略的には、第1図に示される対応する各処理部と同様な動作を行う機能を有している。各処理炉(各処理室26〜29)としては、例えば、熱処理プロセスに係るものが用いられ、具体的には、ホットウォール炉や、ランプ炉や、抵抗加熱プレート方式のコールドウォール炉などが用いられる。
第9図を参照して、第8図に示される基板処理装置により基板を処理する手順の一例を示す。
第9図(A)には単一の処理基板に対して4つの処理室26〜29を経由して極薄膜の積層膜を形成する場合における基板搬送の流れの一例を示してあり、第9図(B)には基板の処理履歴の一例をイベントタイムチャートとして示してある。同図(A)及び同図(B)では、同一の番号(1)〜(13)の処理は互いに対応している。
以下で、基板処理フローの各処理(1)〜(13)を、順を追って説明する。
(1)ロード(大気雰囲気搬送)の処理の工程では、大気圧雰囲気用移載機22によりキャリアステーション21a内の基板を1枚ずつ第1のロードロック室24へ搬送する。
本例では、途中で基板位置補正ユニット23を経由して基板の中心位置補正と回転方向位置補正を行い、第1のロードロック室24への搬送位置再現の向上を図っている。
(2)ロードロック室真空排気の処理の工程では、搬送室25への大気の混入を防止するための真空排気、N2雰囲気置換を行う。搬送室25の保持圧力帯域(1.0E−8〜5.0E4 Pa)に合わせて、到達真空排気後にN2等の不活性ガスの供給により圧力調整を行う。
(3)第1の基板搬送の処理の工程では、搬送室25の真空雰囲気用移載機31により
、第1のロードロック室24から第1の処理室26へ基板を搬送する。
(4)第1のプロセス処理の工程では、第1の処理室26における処理を行う。なお、各処理室26〜29では、基板に対して、極薄膜形成などの成膜処理や熱処理等の処理を行う。また、各処理室26〜29における処理の時間は、通常、各処理室26〜29毎に異なる場合が多い。
(5)第2の基板搬送の処理の工程では、搬送室25の真空雰囲気用移載機31により
、第1の処理室26から第2の処理室27へ基板を搬送する。
(6)第2のプロセス処理の工程では、第2の処理室27における処理を行う。
(7)第3の基板搬送の処理の工程では、搬送室25の真空雰囲気用移載機31により、第2の処理室27から第3の処理室28へ基板を搬送する。
(8)第3のプロセス処理の工程では、第3の処理室28における処理を行う。
(9)第4の基板搬送の処理の工程では、搬送室25の真空雰囲気用移載機31により第3の処理室28から第4の処理室29へ基板を搬送する。
(10)第4のプロセス処理の工程では、第4の処理室29における処理を行う。
(11)第5の基板搬送の処理の工程では、搬送室25の真空雰囲気用移載機31により第4の処理室29から第1のロードロック室24へ基板を搬送する。
(12)ロードロック室大気圧復帰の処理及び基板冷却の処理の工程では、処理後の基板を大気雰囲気に帰すための大気圧戻しを行い、同時に、処理後の高温基板の冷却イベントも兼ねている。
(13)アンロードの処理の工程では、処理後の基板を第1のロードロック室24からキャリアステーション21aへ搬送する。
第9図(B)に示したタイムチャートは、上記した工程(1)〜(13)について、基板毎の処理履歴を次元イベント化したものである。
複数の基板に対して同一の処理を連続的に且つ効率良く行うためには、上記したタイムチャート中の同一イベントが重ならないように配置する必要がある。
第10図(A)、(B)、(C)には、複数の基板を処理する場合におけるイベントタイムチャートの例を示してある。これらは、従来から使用されている基板搬送制御の例である。なお、本例のタイムチャートでは、本発明に特に関する部分として、真空搬送系の部分(第9図に示される処理(3)〜(11)に相当する部分)のみを示してある。また、P1、P2、P3、P4のそれぞれは、異なる4つの処理室26、27、28、29のそれぞれでの処理或いは処理時間を示す。また、搬送時間(図中の斜線部)としては、搬送に要する最大時間を示している。
第10図(A)には、フリーフロー方式の一例を示してある。
本方式では、処理室26〜29での処理の終了や基板搬送の終了といったイベント完了の判定順でシーケンスを実行して各イベントが進行する。また、同時に判定が行われた場合における優先度のみを定義し、特に搬送順の指定は行わない。優先度としては、例えば、「投入と払い出しとでは払い出しを優先させる」などといった情報が設定される。
しかしながら、本方式では、各処理室26〜29での処理時間が異なる場合には、処理室26〜29への投入間隔が変動し、且つ、処理時間の短いものは処理室26〜29での所定の処理を終えた後も他の律速過程によって次の搬送イベントへ移行することができず、結果として、処理室26〜29内で意図しない不規則な滞留が発生してしまう。つまり、投入間隔の変動や、基板の払い出し時における搬送待ちが生じて、処理室滞留が発生してしまう。また、投入間隔や処理室滞留の時間は基板毎に不規則であり、熱処理にシビアな工程では基板性能の再現性が劣化する。
第10図(B)には、固定タクト方式の一例を示してある(例えば、特許文献1参照。)。
本方式では、全ての搬送において、開始タイミングを決められた時間として搬送シーケンスを実行する。また、処理室26〜29の最大処理時間と搬送時間から最も律速する過程を投入間隔とし、例えば、全ての基板搬送動作を最も長い処理時間に合わせて最適化することで、投入間隔の変動や処理室26〜29での滞留時間のバラツキを抑制する。具体的には、基板の投入間隔は(基板投入時間+最大処理時間+基板払い出し時間)に相当し、投入間隔に対応する所定のタイミング(図中の矢印で示されるタイミング)でタクト制御により時間監視を行う。これにより、投入間隔の変動や処理室滞留時間のバラツキが解消されるため、基板間での優位さは無くなる。
しかしながら、本方式では、各処理室26〜29での処理時間が異なることを前提とした場合、処理室内26〜29での基板滞留が必須となるため、基板に余分な熱履歴が生じ、且つ単膜性能との相関が取りづらくなってしまう。
第10図(C)には、リアルタイムフリーフロー方式の一例を示してある(例えば、特許文献2参照。)。
本方式では、リアルタイムに処理室26〜29の干渉や搬送の干渉をチェックし、干渉の無いタイミングで次のバッチの投入を行い、投入以降はイベント完了判定によるフリーフロー方式によりシーケンスを実行する。具体的には、1枚目の基板の処理開始から、随時、処理室26〜29での同一処理イベント、搬送イベントの干渉をチェックして、干渉が発生しないタイミングで次の基板を投入する。これにより、処理室26〜29での基板滞留を防止することができる。
しかしながら、本方式では、同一の処理室26〜29への基板投入間隔が都度変動してしまい、また、処理室26〜29での処理時間の組み合わせによっては搬送干渉が頻繁に
発生し、投入間隔が著しく遅れ、生産能力の低下につながる場合がある。
ここで、上述した投入間隔の変動や処理室内での滞留は時として基板品質に悪影響を与えることがあることが確認されており、現在までの運用においては、基板品質への影響度を考慮して、第10図(A)、(B)、(C)に示される基板搬送制御方式の使い分けを行っていた。
処理室26〜29への基板投入間隔がばらついた時の悪影響としては、例えば、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)装置等では、1〜2%程度の膜厚バラツキとして現れる。熱CVD装置では、温度センサに反応ガスが付着することから基板の温度を直接監視及び制御することが困難であるため、基板を加熱する加熱体の温度を間接的に監視及び制御する場合が多い。このため、加熱体の温度は常に一定の温度を維持していても、基板投入のサイクルによっては処理室全体の安定温度が異なってしまい、基板性能に多少なりとも影響を及ぼしてしまう。つまり、短いサイクルである場合には炉内の温度が低下し、長いサイクルである場合には炉内の温度が上昇し、このため、基板投入初期の温度リカバリ時間が変わり、膜の特性が変わってしまう。
処理室内での基板滞留が与える影響に関しては、例えば、意図しない基板滞留によって、通常の処理よりも基板に対する熱履歴が多くなり、処理装置での工程のみならず、それまでに形成された極薄膜の品質まで劣化させてしまう恐れがある。
上記のような背景により、従来では、処理室26〜29での処理時間が異なる場合においても、処理室26〜29への基板の投入間隔が一定で且つ処理室26〜29での基板滞留を発生させない基板搬送制御方式の開発が望まれていた。
これに対して、本発明では、例えば、熱処理などの半導体製造において、各処理室への基板投入間隔を一定として且つ払い出し時における搬送待ち時間が生じないように基板を搬送することにより、基板性能の再現性の向上を図ることができる。
ここで、本発明に係る基板処理装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々な装置やシステムとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
また、本発明に係る基板処理装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを当該記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【産業上の利用可能性】
以上説明したように、本発明に係る基板処理装置などによると、複数の処理室のそれぞれによる基板の処理時間が異なり、それぞれの処理室において基板の処理が並行に行われることが可能であり、一の基板の処理がそれぞれの処理室により順番に行われるような場合に、複数の基板を連続して処理するに際して、同一の処理室に対する基板の投入時間の間隔を一定として、必要に応じて、一の処理室による基板の処理が終了した後に当該基板を他の処理室へ搬送する際に、当該搬送処理に要する標準搬送時間と比べて長い時間をかけて当該搬送処理が完了されるように基板の搬送処理を制御するようにしたため、基板の投入時間間隔の変動を防止することができ、且つ、基板が処理室に滞留することを防止することが可能である。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を連続して処理する基板処理装置において、
基板の搬送空間となる搬送室と、
基板の処理時間がそれぞれ異なり且つ基板の処理がそれぞれにより並行に行われることが可能であり且つ一の基板の処理がそれぞれにより順番に行われる複数の処理室と、
前記搬送室に設けられて基板を搬送する機能を有する基板搬送手段と、
同一の処理室に対する基板の投入時間の間隔を一定として、一の処理室から他の処理室への基板の搬送処理の1以上について、一の処理室による基板の処理が終了した後に当該基板を他の処理室へ搬送する際に、当該搬送処理に要する標準搬送時間と比べて長い時間をかけて当該搬送処理が完了されるように前記基板搬送手段による基板の搬送処理を制御する基板搬送制御手段と、
を備えたことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
請求の範囲第1項に記載の基板処理装置において、
基板を戴置する戴置部を前記処理室とは別に備え、
前記基板搬送制御手段は、搬送処理の対象となる基板を戴置部に一時的に戴置して、搬送処理にかかる時間を調整する、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
請求の範囲第1項に記載の基板処理装置において、
前記基板搬送手段は、基板を戴置する戴置部を有しており、
前記基板搬送制御手段は、搬送処理の対象となる基板を前記基板搬送手段の前記戴置部に一時的に戴置して当該基板搬送手段の動作を停止させて、搬送処理にかかる時間を調整する、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項4】
請求の範囲第1項に記載の基板処理装置において、
前記基板搬送手段は、基板を搬送するに際して旋回動作を行い、
前記基板搬送制御手段は、搬送処理の対象となる基板を前記基板搬送手段により搬送するに際して当該基板搬送手段による旋回動作を含む搬送動作の速度を制御して、搬送処理にかかる時間を調整する、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項5】
請求の範囲第1項に記載の基板処理装置において、
各処理室における基板の投入時間の間隔として、全ての処理室について同一の一定時間間隔が用いられる、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項6】
請求の範囲第1項に記載の基板処理装置において、
前記標準搬送時間は、特に余分な時間の消費が無いとした場合に、前記基板搬送手段により基板を搬送する処理に要する時間を表す、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項7】
請求の範囲第1項に記載の基板処理装置において、
予備室を備え、
基板の投入時間の間隔は、基板に対して行われる複数の処理について最も処理時間の長い処理から短い処理への順に処理室からの基板払い出しが行われるように搬送タイミングのクリティカルパスを決定した場合における前記最も処理時間の長い処理への搬送開始から最も処理時間の短い処理からの搬送終了までの時間に前記予備室での必要最低限の退避時間を加えた結果である、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項8】
請求の範囲第1項に記載の基板処理装置において、
予備室を備え、
基板の投入時間の間隔は、基板に対して行われる複数の処理について最も処理時間の短い処理から長い処理への順に処理室への基板投入が行われるように搬送タイミングのクリティカルパスを決定した場合における前記最も処理時間の短い処理への搬送開始から最も処理時間の長い処理からの搬送終了までの時間に前記予備室での必要最低限の退避時間を加えた結果である、
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項9】
基板の搬送空間となる搬送室と、基板の処理時間がそれぞれ異なり且つ基板の処理がそれぞれにより並行に行われることが可能であり且つ一の基板の処理がそれぞれにより順番に行われる複数の処理室と、前記搬送室に設けられて基板を搬送する機能を有する基板搬送手段とを備えて複数の基板を連続して処理する基板処理装置を用いて、半導体装置を製造する半導体装置の製造方法であって、
同一の処理室に対する基板の投入時間の間隔を一定として、一の処理室から他の処理室への基板の搬送処理の1以上について、一の処理室による基板の処理が終了した後に当該基板を他の処理室へ搬送する際に、当該搬送処理に要する標準搬送時間と比べて長い時間をかけて当該搬送処理が完了されるように前記基板搬送手段により基板の搬送処理を制御する、
ことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【国際公開番号】WO2005/055314
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【発行日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515977(P2005−515977)
【国際出願番号】PCT/JP2004/017982
【国際出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】