説明

基板収納容器及びその使用方法

【課題】 少数枚の基板の収納、保管、搬送に適し、効率的、経済的な基板収納容器及びその使用方法を提供する。
【解決手段】 2枚の半導体ウェーハを上下に整列収納する容器本体1と、容器本体1の開口した前面を着脱自在に開閉する蓋体20と、蓋体開閉装置からの外部操作に基づき、容器本体1の前面を嵌合閉鎖する蓋体20を施錠・解錠する複数のロック機構40とを備える。そして、容器本体1を、樹脂にカーボンナノチューブを添加した成形材料により射出成形する。2枚という少数枚の半導体ウェーハの枚数に応じて基板収納容器を薄く低く構成したので、サイズ等が必要以上に大きくなることがない。したがって、効率や経済性を高めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数枚の半導体ウェーハを収納するスモールフープ(SMALL FOUP)と呼ばれる基板収納容器及びその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シリコンウェーハからなる半導体ウェーハは多数のICチップを効率良く製造するため、近年、200mmタイプから300mmタイプに移行してきているが、この300mmタイプの半導体ウェーハはミニエンバイロメントシステムを構築する図示しない基板収納容器に多数枚が収納された状態で一括処理される。
【0003】
ミニエンバイロメントシステムは、局所クリーン化を実現した空間において、直接人間を介することなく、半導体用の加工装置に対して半導体ウェーハを機械的に供給又は回収するシステムである。
同システムを構築する基板収納容器は、例えば全長346mm×幅388mm×高さ330mm程度の大きさを有するフロントオープンボックスタイプに成形され、多数枚(例えば25枚)の半導体ウェーハを上下方向に水平に並べて収納できるよう構成されており、図示しない加工装置に接続される(特許文献1、2、3、4参照)。
【0004】
このような基板収納容器に多数枚が整列収納された300mmタイプの半導体ウェーハは、加工装置に基板収納容器が接続された後、この基板収納容器から順次取り出されて様々な加工処理が施される。この際、基板収納容器は、全ての半導体ウェーハの加工処理が終了するまで加工装置に接続され、他の工程や加工装置に対する移動が規制される。
【0005】
ところで、半導体ウェーハの加工処理時間は、画一的なものではなく、ICチップの要求性能、製品化の時期、製品の仕様等により少なからず変動する。例えば、メモリーデバイスメーカー等で加工処理される場合、特に加工処理対象が汎用製品の場合には、大量生産が要求されるので、多くの工程を通じ、長時間(例えば30〜40日)かけて加工処理が施される。
これに対し、LSIメーカー等で加工処理される場合には、試作品や少ロット品にも対応する必要があるので、短時間(例えば14〜20日)のうちに加工処理される必要がある。
【0006】
そこで、半導体ウェーハは、メモリーデバイスメーカー等で加工処理される場合には、基板収納容器にその最大収納枚数(例えば25枚)が収納されるが、LSIメーカー等で加工処理される場合には、基板収納容器に僅か数枚(例えば1〜5枚)が収納され、一枚当たりの加工処理時間の短縮が図られる。
【特許文献1】特開2003‐168728号公報
【特許文献2】特開平05‐246508号公報
【特許文献3】特開平11‐87482号公報
【特許文献4】特開2000‐12646号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の基板収納容器は、以上のように構成され、LSIメーカー等で加工処理される場合には、多数枚を収納できるにもかかわらず、僅か数枚を収納するだけなので、サイズ等が必要以上に大きく、効率が悪く、しかも、不経済であるという大きな問題がある。
【0008】
本発明は上記に鑑みなされたもので、少数枚の基板の収納、保管、搬送に適し、効率的、経済的な基板収納容器及びその使用方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明においては上記課題を解決するため、少数枚の基板を収納する容器本体と、この容器本体の開口部を開閉する着脱自在の蓋体と、容器本体の開口部を覆う蓋体を施錠するロック機構とを含んでなることを特徴としている。
【0010】
なお、容器本体と蓋体のうち少なくとも容器本体の一部を、樹脂にカーボンナノチューブを添加した成形材料により成形することができる。
また、少数枚の基板を10枚以下の半導体ウェーハとし、容器本体を前面の開口したフロントオープンボックスに形成するとともに、この容器本体の外表面の一部を内外方向に曲げて剛性を得ることもできる。
【0011】
また、容器本体の内部両側に基板を支持するティースをそれぞれ設け、各ティースを、基板の周縁部に沿う平板と、この平板の前部内側に形成される前部中肉領域と、平板の前部外側に形成される前部厚肉領域と、平板の後部に形成される後部中肉領域とから形成し、前部中肉領域と後部中肉領域とに、基板を支持させることができる。
また、容器本体からボトムフランジを横方向に張り出し、このボトムフランジに位置決め用の溝を複数設けることができる。
【0012】
また、ボトムフランジは、容器本体の周壁から張り出される張り出し面と、この張り出し面に交わる面とを備え、これら二つの面が交わる交差部近傍に水切り孔が設けられることが好ましい。
また、容器本体のボトムフランジにウェイトを設けることが好ましい。
また、容器本体の天面に被取付リブを設け、この被取付リブに吊持フランジを設けることが可能である。
【0013】
また、容器本体の開口部からフランジを外方向に張り出し、このフランジに識別孔を開閉可能に設けることが可能である。
また、容器本体の一部を透視可能に形成して覗き窓とすることが可能である。
また、容器本体に、RFIDシステムのRFタグを取り付けることができる。
【0014】
さらに、ロック機構を、容器本体の開口部内周に設けられる係止穴と、蓋体に支持されて外部からの操作により回転する回転体と、この回転体に設けられ、蓋体の施錠時に容器本体の係止穴に嵌まり、蓋体の解錠時に容器本体の係止穴から蓋体内に復帰する係止爪とから構成することができる。
さらにまた、蓋体の施錠時にロック機構の回転体の回転を規制する規制体を備えると良い。
【0015】
また、本発明においては上記課題を解決するため、請求項1ないし13いずれかに記載の基板収納容器を使用して基板を保管あるいは搬送することを特徴としている。
【0016】
ここで、特許請求の範囲における基板には、少なくとも200、300、450mmの単数複数の半導体ウェーハ(ノッチ付きのシリコンウェーハ、拡散ウェーハ、SOIウェーハ、Hiウェーハ等)、石英ガラス、フォトマスク、液晶ガラス、タブレット等が含まれる。容器本体と蓋体との間には、気密性のガスケットを介在することができる。容器本体は、主に1〜2枚、5枚の基板を収納するが、10枚以下の少数枚ならば特に枚数を問うものではない。この容器本体については、透明、半透明、不透明に形成し、後部内面に、基板の周縁を保持する弾性のリテーナを断面略U字形あるいは略V字形に設けることができる。
【0017】
容器本体を曲げて剛性を確保する場合には、例えば容器本体の天井と側壁の少なくともいずれか一方をキーストンプレート形に折り曲げたり、凹凸に折り曲げることができる。成形材料は、樹脂にカーボンナノチューブを添加した導電性の材料が主ではあるが、樹脂にカーボンファイバー、カーボンナノチューブ、及び補強剤等を添加した材料でも良い。また、水切り孔、ウェイト、識別孔は単数複数いずれでも良い。
【0018】
被取付リブに吊持フランジを設ける場合には、例えば被取付リブに吊持フランジを螺子等の締結具を介して取り付けたり、被取付リブと吊持フランジとをきつく嵌め合わせることができる。被取付リブについては、略筒形に形成してその一部に各種形状の水切り孔を設けることができる。また、RFIDシステム(Radio Frequency Identification;無線周波数識別)には、交流磁界によるコイルの相互誘導を利用する電磁結合方式、大きく2つの周波数を利用する電磁誘導方式、電波方式等のタイプがあるが、どのタイプでも良い。
【0019】
RFタグ(ICタグ、IDタグ、無線タグともいう)には、棒形、コイン形、ラベル形電池内蔵形、電池レス形等のタイプがあるが、どのタイプでも良い。蓋体には、基板の周縁を保持する弾性のリテーナを設けることができる。さらに、規制体は、ロック機構の回転体の回転を規制するものであれば、弾性の樹脂部品でも良いし、板バネやコイルバネ等でも良い。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、一枚当たりの加工処理時間の短い基板の少数枚の収納、保管、搬送等に適し、効率や経済性を向上させることができるという効果がある。
また、少なくとも容器本体の一部を、樹脂にカーボンナノチューブを添加した成形材料により成形すれば、容器本体の安定性や成形性が向上する。
また、容器本体の外表面の一部を内外方向に曲げて剛性を得るようにすれば、外力に対する容器本体の耐久性を高めることができる。
【0021】
また、容器本体の内部両側に基板を支持するティースをそれぞれ設け、各ティースを、基板の周縁部に沿う平板と、この平板の前部内側に形成される前部中肉領域と、平板の前部外側に形成される前部厚肉領域と、平板の後部に形成される後部中肉領域とから形成し、前部中肉領域と後部中肉領域とに、基板を支持させれば、基板の支持位置の精度を向上させたり、支持時に基板が斜めに傾くのを防ぐことができる。
【0022】
また、水切り孔を設ければ、容器本体やボトムフランジに洗浄水等の液体が溜まり、これに起因して基板収納容器や基板が汚染するのを防ぐことができる。
また、ボトムフランジにウェイトを設ければ、蓋体に設けられたロック機構の荷重によるモーメントに対抗することができる。
また、容器本体の一部を透視可能に形成して覗き窓とすれば、容器本体に基板が収納されているか、その収納状態が適切なのか等を視覚的に把握することができる。
【0023】
また、容器本体やその一部であるボトムフランジ等に、RFIDシステムのRFタグを取り付ければ、リーダ/ライタからRFタグに電力を伝送したり、電池レスや小型化を図ることが可能になり、しかも、汚れに強いシステムを得ることができる。また、電磁結合方式や電磁誘導方式を採用するRFタグとリーダ/ライタとの間に、水、油、紙、合成樹脂等の汚れが介在しても、交信可能なシステムを得ることができる。
さらに、蓋体の施錠時に、ロック機構の回転体の回転を規制する規制体を備えれば、回転体が自由回転してロック機構が解錠状態となり、容器本体から蓋体が外れて基板の汚染等が生じるのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における基板収納容器は、図1ないし図8に示すように、2枚の半導体ウェーハWを収納する容器本体1と、この容器本体1の開口した前面2を着脱自在に開閉する蓋体20と、図示しない蓋体開閉装置からの外部操作に基づき、容器本体1の前面2を閉鎖する蓋体20を施錠・解錠する複数のロック機構40とを備え、容器本体1を、所定の樹脂に導電性、安定性、成形性等に優れるカーボンナノチューブを添加した成形材料により射出成形するようにしている。
【0025】
各半導体ウェーハWは、図7に示すように、多数のICチップを効率よく製造できるよう、口径300mm(12インチ)の大きさを有する円板に形成され、酸化膜等の膜が選択的に積層形成される。
【0026】
容器本体1は、図2、図3、図4に示すように、導電性の成形材料を使用して例えば全長346mm×幅388mm×高さ60〜70mmの大きさを有する略横長のフロントオープンボックスタイプに射出成形され、従来の基板収納容器よりも全高が低く設定されて2枚の半導体ウェーハWの収納に足るだけの空間を有している。この容器本体1は、図7に示すように、不透明の平面略多角形に形成され、各半導体ウェーハWの後部周縁に対応して両側壁の後部が内方向に徐々に傾斜しており、後壁(背面壁)の面積が開口した前面2(正面)の面積よりも小さく設定される。
【0027】
成形材料のうち、所定の樹脂としては、例えば力学的性質、耐熱性、寸法安定性等に優れるポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、環状オレフィン樹脂、ポリブチレンテレフタレート等があげられる。これらの樹脂には、カーボン、カーボン繊維、金属繊維、導電高分子等の導電材料、各種の帯電防止剤、難燃剤が添加される。導電材料の中では、抵抗値の安定した調整が可能なフラーレンやカーボンナノチューブの採用が好ましい。
【0028】
カーボンナノチューブは、グラファイト相が略コーン形に巻回されることにより形成される。このカーボンナノチューブには、単層タイプや多層タイプ等のタイプがあるが、導電性や安定性を確保できるのであれば、特に限定されるものではない。このようなカーボンナノチューブは、母材に対する体積分率で1〜10%、好ましくは3〜8%添加されることにより、表面抵抗値を104〜1010Ω・cmに安定して調整するよう機能する。
【0029】
なお、カーボンナノチューブは、単独使用の他、炭素繊維やカーボン等と混合して使用することもできる。カーボンナノチューブは、例えばハイペリオンカタリシス株式会社やカーボンナノテクノロジー株式会社の製品が好適に使用される。
【0030】
難燃剤としては、臭化エポキシ、テトラプロモスビスフェノール、ハロゲン化ビスイミド化合物、芳香族ホスフェート等の有機ハロゲン系難燃剤、非ハロゲン系リン酸エステル、縮合系ポリホスフェート等のリン系難燃剤、シリコーン樹脂含有ケイ素化合物、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素化合物、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤が用いられる。
【0031】
容器本体1の内部両側には図1や図7に示すように、半導体ウェーハWを水平に支持する左右一対のティース3がそれぞれ形成され、この一対のティース3が上下方向に所定の間隔をおいて配列されており、これら複数対のティース3に半導体ウェーハWが上下方向に整列収納される。
【0032】
各ティース3は、図7に示すように、半導体ウェーハWの周縁部に沿う平面略く字形あるいは平面略半円弧形の平板4と、この平板4の湾曲した前部内側上に形成される前部中肉領域5と、平板4の前部外側上に形成されて前部中肉領域5の外側、換言すれば、側壁寄りに位置する前部厚肉領域6と、平板4の後部上に形成される後部中肉領域7とから形成される。
【0033】
このようなティース3は、前部中肉領域5と前部厚肉領域6との間に半導体ウェーハW接触用の段差が僅かに形成され、前部中肉領域5と後部中肉領域7とが半導体ウェーハWを略水平に支持するとともに、前部厚肉領域6が収納された半導体ウェーハWの飛び出しを防止するストッパとして機能する。係るティースの採用により、半導体ウェーハWの支持搭載位置の精度を著しく向上させ、支持時に半導体ウェーハWが上下方向に斜めに傾くのを有効に防ぐことができる。
【0034】
容器本体1の底面には図8に示すように、略Y字形を描く複数の突部8が形成される。また、容器本体1の周壁下部からは平面略U字形のボトムフランジ9が水平方向に張り出され、このボトムフランジ9の周縁端部が上方に屈曲形成して補強される。ボトムフランジ9の両側部前方と後部中央には、図示しない加工装置に対する位置決め用の溝10がそれぞれ形成され、各位置決め用の溝10が下方に開口したU字形、V字形、Y字形等に形成されて加工装置のピンに嵌合される。
【0035】
容器本体1の天面(天井)の中心部には、図2ないし図4に示す円筒形の被取付リブ11が立設され、この被取付リブ11の外周面から略板形の補強リブ12が起立した状態で半径外方向に複数伸長されるとともに、各補強リブ12の円柱形を呈した先端部に螺子穴が穿孔されており、これら被取付リブ11と複数の補強リブ12に着脱自在の吊持フランジ13が螺子等の締結具を介して水平に螺着される(図1、図2参照)。
【0036】
吊持フランジ13は、図1や図2に示すように、三角形の板に形成され、図示しない搬送機構に把持される。そして、加工装置のスライド可能な吊持板に穿孔された嵌合孔に嵌合保持されることにより、基板収納容器が吊持された状態で加工装置にセットされる。
【0037】
容器本体1の開口した前面2の周囲は、図1ないし図5に示すように、外方向に広がるよう断面略L字形に折曲形成されてリムフランジ14を形成し、このリムフランジ14の下部がボトムフランジ9と一体化される。リムフランジ14の横方向外側に張り出した左右両側部には、上下方向に並ぶ複数の識別孔15がそれぞれ丸く穿孔され、この複数の識別孔15に着脱自在の識別体16が選択的に挿入されることにより、基板収納容器のタイプ、半導体ウェーハWの有無や枚数等が加工装置に識別される。
【0038】
識別体16は、ポリカーボネート等の所定の合成樹脂を使用してピン形、螺子形、溝を備えた可撓性の割りピン形、あるいは可撓性を有するキャップ形等に形成される。このような識別体16の有無は、図示しない加工装置の検出手段(透過式や反射式の光電センサ、フォトセンサ、タッチセンサ等)により検出される。
容器本体1の後壁の一部は、図1に示すように、例えば二色成形法やインサート成形法により透視可能に形成され、収納された半導体ウェーハW用の覗き窓17として機能する。
【0039】
蓋体20は、図2ないし図6に示すように、容器本体1の開口した前面2内に嵌合される断面略皿形のボックス21と、この横長のボックス21の開口した表面を覆う横長の表面プレート28と、容器本体1の開口した前面2とボックス21との間に介在密嵌される弾性のガスケット32とから構成される。
【0040】
ボックス21は、横長の板体22を備え、この板体22の表面(内面)に、円形を呈したロック機構40用の取付領域23が間隔をおいて左右横一列に配列され、各取付領域23に、前面方向に水平に指向する円筒形の支持軸24が形成される。板体22の周囲には、断面略Z字形の周壁25がエンドレスに形成され、この周壁25の上下部には、横長の溝孔26がそれぞれ間隔をおいて複数穿孔される。ボックス21の裏面には図7に示すように、断面略皿形を呈した弾性のフロントリテーナ27が上下に並べて装着され、各フロントリテーナ27に半導体ウェーハWの前部周縁が弾発的に嵌合保持される。
【0041】
表面プレート28は、図2ないし図4に示すように、複数の支持軸24に対応するよう、複数の貫通孔29が間隔をおいて左右横一列に配列され、各貫通孔29の斜め上下領域には、略半円弧形を呈した一対の操作孔30がそれぞれ穿孔されており、各操作孔30に蓋体開閉装置の操作爪が外部から挿通される。各貫通孔29には取付螺子31が着脱自在に挿通され、この取付螺子31が支持軸24に螺挿されることにより、ボックス21の開口した表面に表面プレート28が強固に装着される。
【0042】
ガスケット32は、例えば耐久性、耐熱性、耐薬品性等に優れるフッ素ゴム、シリコーンゴム、ポリエステル系やポリオレフィン系の各種熱可塑性エラストマー等を使用してエンドレスの枠形に成形される。そして、ボックス21の板体周縁部から周壁25の段差部にかけて嵌合され、容器本体1の開口した前面2とリムフランジ14との段差面に接触して圧縮変形する。
【0043】
各ロック機構40は、図4ないし図6に示すように、容器本体1のリムフランジ14の内周に設けられる複数の係止穴41と、蓋体20に支持されて蓋体開閉装置の外部操作により回転する回転プレート42と、この回転プレート42から外方向に突出し、蓋体20の施錠時に容器本体1の係止穴41に溝孔26を介して嵌合係止し、蓋体20の解錠時に容器本体1の係止穴41から外れて蓋体20内に復帰する一対の係止爪45と、回転プレート42に嵌合されてその不要な回転を規制する一対の規制体46とから構成される。
【0044】
複数の係止穴41は、容器本体1のリムフランジ14の内周上下に所定の間隔をおいて配列され、各係止穴41がボックス21の溝孔26に対応するよう横長に形成される。回転プレート42は、ポリカーボネート等の合成樹脂を使用して円板に形成され、中心部に蓋体20の支持軸24に貫通支持される中心孔43が穿孔されており、この中心孔43の周囲には、表面プレート28の操作孔30を貫通した蓋体開閉装置の操作爪に干渉される一対の取付孔44が所定の間隔で穿孔される。
【0045】
一対の係止爪45は、回転プレート42の周面に所定の間隔で突出形成され、各係止爪45が略台形に形成される。各規制体46は、屈曲した一対の弾性片47が組み合わされることにより略U字形に構成され、回転プレート42の取付孔44に着脱自在に嵌合されてバネとして機能する。そして、取付領域23と回転プレート42との間に介在され、蓋体20の施錠時に回転プレート42を表面プレート28に圧接して回転プレート42の解施方向への回転を規制するよう機能する。
【0046】
上記構成において、ミニエンバイロメントシステムを利用して加工装置に半導体ウェーハWを短時間で供給又は回収する場合には、加工装置の吊持板に複数の基板収納容器が上下方向に並べて吊持され、この複数の基板収納容器中、任意の基板収納容器が選択されて加工装置にスライド接続され、この任意の基板収納容器のロック機構40が蓋体開閉装置により施錠、解錠される。
【0047】
先ず、蓋体20を施錠する場合には、蓋体開閉装置の操作爪が蓋体20の操作孔30を貫通して回転プレート42の取付孔44に嵌入するとともに、規制体46を撓ませて回転プレート42の回転を可能とし、操作爪が回転プレート42を施錠方向(例えば、時計方向)に回転させ、回転プレート42の係止爪45がボックス21の内部から溝孔26を介し容器本体1の係止穴41に嵌合係止する。この嵌合係止により、半導体ウェーハWを収納した容器本体1の前面2が蓋体20に強固に嵌合閉鎖される。
【0048】
蓋体20から蓋体開閉装置の操作爪が外れると、撓んでいた規制体46が復元して表面プレート28に回転プレート42を圧接し、回転防止用の段差や突起と接触したり、噛合して回転プレート42の解施方向への回転が規制される。
【0049】
これに対し、蓋体20を解錠する場合には、蓋体開閉装置の操作爪が蓋体20の操作孔30を貫通して回転プレート42の取付孔44に嵌入するとともに、規制体46を撓ませて回転プレート42の回転を可能とし、操作爪が回転プレート42を解錠方向(例えば、反時計方向)に回転させ、回転プレート42の係止爪45が容器本体1の係止穴41から溝孔26を介しボックス21内に移動する。
【0050】
この移動により、半導体ウェーハWを収納した容器本体1の前面2から蓋体20が取り外し可能になる。蓋体20が取り外し可能になると、蓋体開閉装置が蓋体20を取り外し、フォークが容器本体1内に進出して半導体ウェーハWを下方から把持する。
【0051】
上記構成によれば、2枚という少数枚の半導体ウェーハWの枚数に応じて基板収納容器を薄く低い横長に構成したので、サイズ等が必要以上に大きくなることがない。したがって、効率や経済性を高めることができる。また、容器本体1の成形材料にカーボンナノチューブを3〜8wt%程度配合し、抵抗値を低下させ、導電性や成形性を向上させるので、容器本体1に収納された半導体ウェーハWが電気的にダメージを受けるのを有効に抑制防止することができる。
【0052】
また、ロック機構40の係止穴41と回転プレート42との間、回転プレート42と係止爪45との間に、進退動する長いバーやシャフト等を介在させるのではなく、回転プレート42に短い係止爪45を直接設けて省スペース化を図るので、基板収納容器を薄く低く構成しても、蓋体20を簡易な構成で強固に施錠することができる。特に撓みやすい蓋体20の中央部を省スペースのロック機構40により強固に施錠することが可能となる。また、ロック機構40の部品点数を削減して構成の簡素化を図ることも可能になる。
【0053】
さらに、容器本体1の底面に位置決め用の複数の溝10を直接形成するのではなく、容器本体1の周壁から略水平外方向に張り出したボトムフランジ9に、位置決め用の溝10を複数形成するので、容器本体1の全高や加工装置と位置決めした場合の全高を低くすることができる。さらにまた、既存の25枚収納タイプの基板収納容器がアクセス可能なインターフェイス装置のアクセス部により多くのアクセス部を設けることができ、保管スペースの縮小も期待できる。
【0054】
次に、図9ないし図12は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、容器本体1の周壁下部からボトムフランジ9を水平方向に張り出してその少なくとも両側部を湾曲させ、このボトムフランジ9に、複数の水切り孔50、複数のウェイト51、及び電波方式を採用するRFIDシステムのRFタグ52を設けるようにしている。
【0055】
複数の水切り孔50は、図9に示すように、容器本体1の周壁から張り出されたボトムフランジ9の張り出し面と、この張り出し面に交わる面との交差部近傍、換言すれば、ボトムフランジ9の露出した周縁端部付近に穿孔され、ボトムフランジ9の両側部前方と後部両側とにそれぞれ位置する。複数のウェイト51は、図9、図11、図12に示すように、各種の金属板や樹脂等からなり、ボトムフランジ9の二隅部付近にそれぞれ内蔵されており、複数のロック機構40のカウンタウェイトやバランサーとして機能する。
【0056】
RFIDシステムは、図9や図10に示すように、基板収納容器や半導体ウェーハWに関する情報をROMやRAM等の記憶媒体に記憶し、ボトムフランジ9の凹み穴53に保護用のキャップ54を介し着脱自在に装着される棒形のRFタグ52と、この小型のRFタグ52と非接触で無線通信するアンテナ55と、コンピュータやコントローラに接続され、RFタグ52との通信を制御するリーダ/ライタ56とから構成され、電波によるデータ伝送に、UHF及び2.45GHzという周波数の非常に高い(波長の短い)電波を使用する。
【0057】
RFタグ52は、リーダ/ライタ56からの電波を受信・復調して読み取りや書き込み命令を実行する。RFタグ52からリーダ/ライタ56へのデータ伝送は、リーダ/ライタ56から発射された電波を反射波に利用し、送信データで変調することにより行われる。アンテナ55は、特に限定されるものではないが、例えばマイクロストリップアンテナ等が使用される。また、リーダ/ライタ56は、発射する電波を送信データで変調し、RFタグ52に向けて発射する。
【0058】
このようなRFIDシステムは、大きな対象物の管理に好適であり、RFタグ52に後工程の指示を書き込んだり、出荷時の自動ピッキングを可能にしたり、あるいは物流を管理する。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0059】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、水切り孔50が洗浄時にボトムプレートに溜まる洗浄水を排水するので、半導体ウェーハWや容器本体1の汚染を事前に抑制防止することができるのは明らかである。また、ウェイト51により、吊持された基板収納容器が前方に傾くのを防止することができる。
【0060】
また、情報の書き換えや汚染防止に問題のあるバーコードシステムではなく、RFIDシステムを利用するので、汚れに関わらず多量の情報量を扱うことができ、しかも、セキュリティの確保が期待できる。また、情報の分散処理が容易に実現でき、情報システムを簡素化できるので、レスポンスが早く、システムの拡張や変更に柔軟に対応することができる。さらに、電波方式のRFIDシステムを採用するので、リーダ/ライタ56に指向性を付与することも可能である。
【0061】
次に、図13ないし図15は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、容器本体1の外表面である天井を容器本体1の内外方向に曲げて複数の段差57を形成し、被取付リブ11を円筒形に形成してその一部に複数の水切り溝孔58を所定の間隔をおいて切り欠き形成するようにしている。複数の段差57は、容器本体1の天井だけではなく、容器本体1の外表面である側壁に形成することもできる。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0062】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、容器本体1の天井を平坦な板形にするのではなく、折り曲げて段差57を形成するので、剛性を大幅に向上させることができる。また、被取付リブ11に複数の水切り溝孔58を穿孔するので、被取付リブ11に洗浄水が溜まって汚染が生じるのを抑制防止することができるのは明らかである。
【0063】
次に、図16〜図18は本発明の第4の実施形態を示すもので、この場合には、蓋体20の左右両側部にロック機構40を設置し、このロック機構40を、容器本体1のリムフランジ14の内周側方に凹み形成される複数の係止穴60と、蓋体20のボックス21表面に複数の支持ガイドピンを介して支持され、蓋体開閉装置の外部操作により左右内外方向に水平にスライドする第一の進退動バー61と、蓋体20のボックス21表面に複数の支持ガイドピンを介して支持され、第一の進退動バー61の先端部に連結される第二の進退動バー62と、この第二の進退動バー62の幅広の先端部にピンを介し回転可能に軸支され、かつ蓋体20の表面プレート28外周に軸支される略半円弧形のロック片63と、このロック片63の先端部に回転可能に支持される摩擦低減用の回転ローラ64と、蓋体20のボックス21と第一の進退動バー61に配設されて第一の進退動バー61の不要なスライドを規制する規制体65とから構成するようにしている。
【0064】
回転ローラ64は、第一、第二の進退動バー61、62の進出に伴い係止穴60内に嵌合係止し、第一、第二の進退動バー61、62の後退復帰に伴い係止穴60に対する嵌合係止を解除するよう機能する。また、規制体65は、略L字形に形成されて第一の進退動バー61に一体形成され、第一の進退動バー61の進出時に規制ピン66に係合する弾性の第一規制片67と、略L字形に形成されて第一の進退動バー61に一体形成され、第一の進退動バー61の後退復帰時に規制ピン68に係合する弾性の第二規制片69とから構成される。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0065】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、ロック機構40の構成の多様化が期待できるのは明らかである。
【0066】
なお、上記実施形態では容器本体1の内部両側に一対のティース3を一体形成したが、別体のティース3を後から装着しても良い。また、各ティース3を、半導体ウェーハWの周縁部に沿う平面略く字形の平板4と、この平板4の前部内側上に形成される前部中肉領域5と、平板4の前部外側上に形成される前部厚肉領域6と、平板4の後部上に形成される後部中肉領域7と、平板4の後部上に形成されて後部中肉領域7の前方に位置する後部厚肉領域とから形成しても良い。また、ボトムフランジ9の形状や大きさは適宜変更しても良い。
【0067】
また、基板収納容器の薄型化に支障を来たさないのであれば、容器本体1の底部に薄板のボトムフランジ9を取り付けても良いし、この別体のボトムフランジ9を着脱自在にしても良い。また、ウェイト51の数や形状は適宜増減変更することができる。また、リムフランジ14の上下部、上部、又は下部に、複数の識別孔15を穿孔することもできる。また、識別孔15に識別体16を選択的に挿入するのではなく、識別孔15をシャッタにより選択的に開閉することもできる。
【0068】
また、容器本体1の天井や側壁に、矩形、多角形、円形、楕円形等の覗き窓17を適宜形成することもできる。この覗き窓17については、ポリカーボネートやシクロオレフィン系樹脂を用いて形成し、容器本体1とインサート成形法や二色成形法で一体化することができる。この覗き窓17には、紫外線や放射線等の特定波長を遮断する添加剤(ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系の紫外線吸収剤、放射線吸収剤)を適宜加えることができる。こうすることにより、配線形成途中の半導体ウェーハWが収納された場合に、半導体ウェーハWの表面に塗布されたフォトレジストの余分な重合を防止することができる。
【0069】
また、容器本体1の両側壁外面に、手動操作用のハンドルをそれぞれ固定して、あるいは着脱自在に装着しても良い。また、蓋体20の表面プレート28は省略しても良いし、ガスケット32は中空でも中実でも良い。また、容器本体1の開口した前面2とリムフランジ14との段差面に接触するガスケット32の接触面から突部を突出させて圧縮変形度を高めても良い。また、容器本体1や蓋体20に、空気やガス置換用のフィルタを取り付けて半導体ウェーハWの自己汚染を防止したり、フィルタに空気やガスを導くノズル、リブ、整流板等を適宜設けても良い。
【0070】
また、容器本体1や蓋体20には、基板収納容器の内部に不活性ガスやドライエアーを注入して内部の気体と置換可能な逆止弁付きのパージ孔を一対設置しても良い。この一対のパージ孔は、一方を気体の供給口として、他方を気体の排気口として利用することができる。また、容器本体1の内側壁には、供給される気体と排気される気体を効率良く置換するための整流板となるリブやノズルを適宜設けても良い。
【0071】
また、ロック機構40の係止穴41を、リムフランジ14の内周上下や内周左右に断面U字形の溝を長手方向に切り欠くことにより形成することも可能である。また、ボックス21に台座を取り付け、この台座に支持軸24を形成し、この支持軸24に回転プレート42を貫通支持させることも可能である。また、回転プレート42の周面に断面略Z字形の係止爪45を複数形成したり、回転プレート42に他のプレートを重ね設け、このプレートの周面や表面周縁部から断面略Z字形の係止爪45を複数突出させることも可能である。また、規制体46を、取付領域23と回転プレート42との間に介在されるバネ部材とすることも可能である。
【0072】
また、複数のロック機構40中、少なくとも一のロック機構40、具体的にはリムフランジ14の側部に接近したロック機構40を、蓋体20に支持されて蓋体20の外部からの操作で回転する回転体と、蓋体20にスライド可能に支持されて回転体に直接間接に接続され、回転体の回転に基づいて蓋体20の内外横方向に進退動する進退動バーと、蓋体20周囲の開口付近に回転可能に支持されて進退動作バーの先端部付近に回転可能に連結され、進退動バーの進退動に基づいて蓋体20の開口からリムフランジ14内周側方の係止穴41に対して出没するローラとから構成することもできる。
【0073】
また、少なくとも一のロック機構40を、蓋体20に支持されて蓋体20の外部からの操作で回転する回転体と、蓋体20にスライド可能に支持されて回転体に直接間接に接続され、回転体の回転に基づいて蓋体20の内外横方向に進退動するとともに、リムフランジ14内周側方の係止穴41に対して出没する進退動バーとから構成することもできる。
【0074】
また、少なくとも一のロック機構40を、蓋体20に支持されて蓋体20の外部からの操作で回転する歯車と、蓋体20にスライド可能に支持されて歯車に他の歯車を介して噛合し、歯車の回転に基づいて蓋体20の内外横方向に進退動するとともに、リムフランジ14内周側方の係止穴41に対して出没する進退動バーとから構成することもできる。
【0075】
また、蓋体20や回転プレート42に、非常時に回転プレート42を施錠方向あるいは解錠方向に回転させる手動操作用の操作体を設けても良い。この場合の操作体としては、例えば各種形状の操作バー、操作ピン、操作突部、操作片、揺動可能な操作爪等があげられる。さらに、ボトムフランジ9ではなく、容器本体1の天井、後壁、側壁にRFIDシステムのRFタグ52を取り付けても良い。さらにまた、アンテナ55とリーダ/ライタ56とを一体化しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体の開口状態を示す正面説明図である。
【図2】本発明に係る基板収納容器の実施形態を示す分解斜視説明図である。
【図3】本発明に係る基板収納容器の実施形態を示す分解正面説明図である。
【図4】本発明に係る基板収納容器の実施形態を示す分解斜視説明図である。
【図5】本発明に係る基板収納容器の実施形態を示す要部分解斜視図である。
【図6】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体、蓋体、及びロック機構の関係を示す部分断面斜視図である。
【図7】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体を示す断面平面図である。
【図8】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体からティース等を取り外した状態を模式的に示す断面側面図である。
【図9】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態を示す説明図である。
【図10】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態におけるRFIDシステムやそのRFタグ等を模式的に示す要部斜視図である。
【図11】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態における容器本体を示す底面説明図である。
【図12】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態における容器本体の内部を模式的に示す斜視説明図である。
【図13】本発明に係る基板収納容器の第3の実施形態における容器本体を模式的に示す斜視説明図である。
【図14】図13の容器本体から吊持フランジを取り外した状態を模式的に示す斜視説明図である。
【図15】本発明に係る基板収納容器の第3の実施形態を示す後部斜視説明図である。
【図16】本発明に係る基板収納容器の第4の実施形態におけるロック機構を示す説明図である。
【図17】図16のXVII−XVII線に沿ったロック機構の解錠状態を示す断面説明図である。
【図18】図16のXVII−XVII線に沿ったロック機構の施錠状態を示す断面説明図である。
【符号の説明】
【0077】
1 容器本体
2 前面(開口部)
3 ティース
4 平板
5 前部中肉領域
6 前部厚肉領域
7 後部中肉領域
9 ボトムフランジ
10 位置決め用の溝
11 被取付リブ
13 吊持フランジ
14 リムフランジ(フランジ)
15 識別孔
16 識別体
17 覗き窓
20 蓋体
21 ボックス
24 支持軸
26 溝孔
28 表面プレート
32 ガスケット
40 ロック機構
41 係止穴
42 回転プレート(回転体)
45 係止爪
46 規制体
47 弾性片
50 水切り孔
51 ウェイト
52 RFタグ
55 アンテナ
56 リーダ/ライタ
57 段差
58 水切り溝孔(水切り孔)
60 係止穴
61 第一の進退動バー
62 第二の進退動バー
63 ロック片
64 回転ローラ
65 規制体
67 第一規制片
69 第二規制片
W 半導体ウェーハ(基板)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少数枚の基板を収納する容器本体と、この容器本体の開口部を開閉する着脱自在の蓋体と、容器本体の開口部を覆う蓋体を施錠するロック機構とを含んでなることを特徴とする基板収納容器。
【請求項2】
容器本体と蓋体のうち少なくとも容器本体の一部を、樹脂にカーボンナノチューブを添加した成形材料により成形した請求項1記載の基板収納容器。
【請求項3】
少数枚の基板を10枚以下の半導体ウェーハとし、容器本体を前面の開口したフロントオープンボックスに形成するとともに、この容器本体の外表面の一部を内外方向に曲げて剛性を得るようにした請求項1又は2記載の基板収納容器。
【請求項4】
容器本体の内部両側に基板を支持するティースをそれぞれ設け、各ティースを、基板の周縁部に沿う平板と、この平板の前部内側に形成される前部中肉領域と、平板の前部外側に形成される前部厚肉領域と、平板の後部に形成される後部中肉領域とから形成し、前部中肉領域と後部中肉領域とに、基板を支持させるようにした請求項1、2、又は3記載の基板収納容器。
【請求項5】
容器本体からボトムフランジを横方向に張り出し、このボトムフランジに位置決め用の溝を複数設けた請求項1ないし4いずれかに記載の基板収納容器。
【請求項6】
ボトムフランジは、容器本体の周壁から張り出される張り出し面と、この張り出し面に交わる面とを備え、これら二つの面が交わる交差部近傍に水切り孔が設けられる請求項5記載の基板収納容器。
【請求項7】
容器本体のボトムフランジにウェイトを設けた請求項5又は6記載の基板収納容器。
【請求項8】
容器本体の天面に被取付リブを設け、この被取付リブに吊持フランジを設けた請求項1ないし7いずれかに記載の基板収納容器。
【請求項9】
容器本体の開口部からフランジを外方向に張り出し、このフランジに識別孔を開閉可能に設けた請求項1ないし8いずれかに記載の基板収納容器。
【請求項10】
容器本体の一部を透視可能に形成して覗き窓とした請求項1ないし9いずれかに記載の基板収納容器。
【請求項11】
容器本体に、RFIDシステムのRFタグを取り付けた請求項1ないし10いずれかに記載の基板収納容器。
【請求項12】
ロック機構を、容器本体の開口部内周に設けられる係止穴と、蓋体に支持されて外部からの操作により回転する回転体と、この回転体に設けられ、蓋体の施錠時に容器本体の係止穴に嵌まり、蓋体の解錠時に容器本体の係止穴から蓋体内に復帰する係止爪とから構成した請求項1ないし11いずれかに記載の基板収納容器。
【請求項13】
蓋体の施錠時にロック機構の回転体の回転を規制する規制体を備えてなる請求項12記載の基板収納容器。
【請求項14】
請求項1ないし13いずれかに記載の基板収納容器を使用して基板を保管あるいは搬送することを特徴とする基板収納容器の使用方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−100712(P2006−100712A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−287426(P2004−287426)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】