説明

基板収納容器

【課題】簡単な構造で基板収納容器へのフィルタ部材の取り付け取り外しを容易にし、フィルタ保持部材を破損することのない基板収納容器を提供する。
【解決手段】蓋体32に基板収納容器の内部と外部とを連通する貫通穴8が少なくとも1箇所設けられ、貫通穴8には、中空状の内部にフィルタ5を収納し両端には前記中空に連通する流通口を有するフィルタ保持部材1の一端部2が対向又は挿入され、蓋体32には貫通穴8に対向又は挿入されるように位置するフィルタ保持部材1を他端側から保持する係止部12が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ、ガラスウェーハ、フォトマスクガラス、記録媒体用基板等の基板を収納する基板収納容器に関し、特には基板収納容器の内部と外部との気圧差を調整するフィルタ部材が取り付けられた基板収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
基板収納容器は、基板の大型化と共に、基板表面に形成される半導体チップの電子回路幅が細線化し、パーティクルや有機物イオンなどの汚染が製品歩留に大きな影響を与えるようになってきた。こうした基板の汚染を防止するため、自動開閉可能なラッチ機構が蓋体に内蔵され、自動搬送可能で装置との位置決めが精度良くできる基板収納容器が、望まれるようになってきた。(特許文献1)
こうした基板収納容器は、蓋体を自動開閉できると共に、内部に収納する基板を汚染しないような高い密封性が求められている。このように密封性の高い基板収納容器は、一方で航空機での輸送やベイ内での高速搬送などによって基板収納容器の内部と外部との間に圧力差が生じてしまい、この圧力差によって蓋体が容器本体に密着して開きにくくなるという問題があった。そこで、基板収納容器の内外の気圧差を調整するためのフィルタ部材付きの基板収納容器が、提案されている。(特許文献2、特許文献3)
【特許文献1】特開2003−174081号公報
【特許文献2】WO99/39994号公報
【特許文献3】特開2004−103937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
こうしたフィルタ部材付きの基板収納容器では、樹脂から形成されるフィルタ部材を基板収納容器に保持させるために基板収納容器に螺刻部を形成して、これらを噛み合わせたり、係止片や係止爪を設けてフィルタ部材を保持させているため、基板収納容器を形成する金型構造が複雑になってしまっていた。すなわち、螺刻部を形成する場合には離型時の回転機構が必要だし、係止爪を形成する場合には、離型時のアンダーカット部を回避するスライド機構が必要であり構造が複雑になり、コストアップを招いていた。
【0004】
また、基板収納容器用のフィルタ保持部材は、内部にフィルタ収納部を有し先端に向かって縮径した開口ノズルを有する円盤状の部品を2つ組み合わせて溶着させて一体化したものが使用されていた。こうした一体化したフィルタ保持部材を基板収納容器に取り付けた場合、フィルタ保持部材が、外側に突出する様に取り付けられているので、ハンドリングの際に他の容器や装置等にぶつけて破損したり、脱落したりする問題があった。
【0005】
さらに、基板収納容器を梱包袋に入れて梱包し、半導体工場等の別の場所へ輸送する際にも、基板収納容器から外部へ突出した部分は、梱包袋と狭い範囲で鋭角的に接触するので、梱包体を破き易く、基板収納容器を汚染させてしまう問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、こうした問題点に鑑みてなされたものであり、請求項1の発明は開口を有し複数の基板を内部に収納可能な容器本体と前記容器本体の開口を閉鎖する蓋体とからなる基板収納容器であって、前記蓋体に基板収納容器の内部と外部とを連通する貫通穴が少なくとも1箇所設けられ、前記貫通穴には、中空状の内部にフィルタを収納し両端には前記中空に連通する流通口を有するフィルタ部材の一端部が対向又は挿入され、前記蓋体には前記貫通穴に対向又は挿入されるように位置する前記フィルタ保持部材を他端側から保持する係止部が設けられている基板収納容器である。
【0007】
請求項2の発明は、前記フィルタ保持部材は、円盤状のフィルタ収納部と前記フィルタ収納部の上面及び下面からそれぞれ外方向へ伸びる円筒部を有し、一方の円筒部は、先端に向かって口径が小さくなるような傾斜側壁を有し、他端の円筒部は先端に向かって口径が大きくなる傾斜側壁を有し、一方の円筒部が前記貫通穴に挿入され、蓋体に設けられた係止部によって保持されることを特徴とする基板収納容器用である。
【0008】
請求項3の発明は、前記蓋体が一方に開口を有する筐体と、少なくとも前記開口の一部を覆うカバープレートとからなり、前記筐体には、前記一方の円筒部が挿入可能な第一の貫通穴が設けられ、前記カバープレートには前記第一の貫通穴と対向する位置に前記フィルタ収納部が挿入可能な第ニの貫通穴が設けられ、前記第二の貫通穴の周縁から、前記フィルタ保持部材を保持する係止部が延在していることを特徴とする基板収納容器である。
【0009】
請求項4の発明は、前記カバープレートに設けられる第ニの貫通穴の周縁には、前記第一の貫通穴に向かって伸びる円弧状のリブが形成され、前記フィルタ保持部材を保持するL字形をした係止部が前記第二の貫通穴周縁の外方向に設けられる切り欠き部から前記第二の貫通穴に向かって延びていることを特徴とする基板収納容器である。
【0010】
請求項5の発明は、前記係止部が、基板収納容器とは別の部材として形成される固定部品であり、前記固定部品を介してフィルタ保持部材が固定されることを特徴とする基板収納容器である。
【0011】
ここで、基板収納容器に収納される基板は、シリコンウェーハ、ガラスウェーハ、マスクガラス、アルミディスク等の記録媒体用の基板等が含まれる。
【0012】
基板収納容器の構成としては、特に限定されるものではなく、正面に開口を有し基板を水平状態で一定間隔で収納する容器本体と、開口を閉鎖する蓋体となるものであっても良いし、下方に開口を有するドーム状の容器と、開口を閉鎖する蓋体と、基板を収納するカセットとを有し、蓋体にカセットを載置して、これをドーム状の容器で閉鎖するものであっても良いし、上下方向に2分割された外箱からなり、内部に基板を収納するカセットを収容して閉鎖するものであっても良い。
【0013】
フィルタ保持部材は、円盤状のフィルタ収納部の両平面部から外方向へ突出する円筒部に基板収納容器の外部と内部とを連通する開口がある例を示したが、これにこだわらず、フィルタ収納部や突出部が、三角形や四角形、多角形をした角形であっても構わない。また、突出部が、一方の面にだけあったり、両方の面に無い(平板状の保持部材)場合でも構わない。その場合、フィルタ収納部の両平面部に貫通孔を設けておくと良いし、フィルタ保持部材の係止部に凸部を設けておき、フィルタ収納部に前記凸部にはまり込む凹部を設けておくこともできる。
【0014】
フィルタ保持部材は、蓋体に取り付けることのほか、容器本体に設けた凹部に取り付けることもできる。また、フィルタ保持部の係止部は、蓋体や容器本体に一体に設けても良いし、これらと別に形成される固定部品を使って取り付けることもできる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のフィルタ保持部材の係止構造は、アンダーカットのない簡単な構造とでき、基板収納容器への取り付け取り外しも容易となる。また、基板収納容器の外表面から突出する部分がないので、使用中にフィルタ保持部材を破損させたり、フィルタ保持部材が外れてしまうというトラブルを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のフィルタ保持部材1付き基板収納容器の実施形態について、図面を使って説明をする。図1〜図4は、本発明のフィルタ保持部材1付き基板収納容器30の第一の実施形態である。図1は、本発明のフィルタ保持部材1が取り付けられる蓋体32の部分拡大平面図であり、図2はそのa−a線断面線による断面図であり、図3は、本発明のフィルタ保持部材1付き基板収納容器30の斜視図である。
【0017】
基板収納容器30としては、図3に示すような、正面に開口を有する容器本体31と、この開口を閉鎖する蓋体32を備え、容器本体31の内部に基板を水平状態で、一定間隔で収納可能な相対向する複数の棚部を有するしたもの(300mmウェーハの収納に用いられているフロントオープンボックス)を用いた場合で説明する。
【0018】
蓋体32は、容器本体31の開口を閉鎖可能な外形形状と寸法に形成され、一端に開口を有し、他端が容器本体31の開口と対向する筐体10と、筐体10の開口を覆うカバープレート11と、筐体10内部に配置され容器本体31に蓋体32を係止するための一対のラッチ機構とを有し、筐体10の他端の容器本体31に収納された基板と向き合う部分は、凹部が形成され、そこに矩形をした枠体と、板状に分離され基板を保持する収納溝とを有するリテーナが設けられている。また、筐体10の側壁は、容器本体31の開口部周縁との間に挟み込まれるシール部材17が配置されている。
【0019】
フィルタ保持部材1が取り付けられる基板収納容器30の蓋体32には貫通穴と貫通穴の周縁に設けられる係止部12とが設けられていて、フィルタ保持部材1は、円板状で中空に形成されフィルタ5を保持するフィルタ収納部4を有し、フィルタ収納部4の一面からは、先端に向かって縮径する第一の傾斜面6と前記第一の傾斜面6の先端に設けられ、フィルタ収納部4の内部に連通する一端側開口部を有する円筒部が突出形成されている。また、フィルタ収納部4の他面からは、先端に向かって拡開する第二の傾斜面7と前記第二傾斜面の先端に設けられ、フィルタ収納部4の内部に連通する他端部3側開口部を有する円筒部が突出形成されている。一端側開口部と他端部3側開口部は、収納部の中空部に連通していて、内部に収納されるフィルタ5を介して、流入する気体をろ過することができる。
【0020】
こうしたフィルタ保持部材1は、上記したようにフィルタ5を挟んで非対称形状に形成されるが、フィルタ収納部4は円板状で内部が中空に形成されていて基板収納容器30の内部と外部とを連通する連通部が形成されている。こうしたフィルタ保持部材1は、分割される2つの部材として先ず形成され、2つの部材の相対する円板状部分にフィルタ5及びその保護部材を収納して、周縁部を溶着や接着することで形成される。
【0021】
収納されるフィルタ5としては、四フッ化エチレン、ポリエステル繊維、多孔質フッ素膜あるいはガラス繊維などからなる分子濾過フィルタあるいは活性炭素繊維などの濾材に化学吸着剤を担時させたケミカルフィルタが1又は複数枚重ねて挿入される。このとき、フィルタ5の上面及び下面にはポリプロピレンやポリエチレン等からなる格子状をした保護部材が設けられ、フィルタ5の両面を保持している。また、フィルタ5は異なる性能のものを組み合わせて使用することが好ましく、例えば、分子濾過フィルタとケミカルフィルタを組み合わせると基板のパーティクル汚染のみならず有機ガス汚染も防止できるのでより好ましい。
【0022】
本実施形態では、蓋体32の筐体10部に第一の貫通穴8が、フィルタ保持部材1の第一の端部を有する円筒部と嵌合可能な大きさに設けられ、カバープレート11には、第一の貫通穴8に向き合い、フィルタ部材の円筒状のフィルタ収納部4が挿入可能な第二の貫通穴9が設けられている。第一の貫通穴8の容器本体31と向き合う周縁には、フィルタ保持部材1の一端部2と第一の傾斜面6を挿入時に保護する円筒ボス21が設けられている。ここで、第一の貫通穴8は、フィルタ保持部材1の第一の傾斜面6のみが、挿入可能で、他端部3となる第二の傾斜面7は挿入できない寸法に形成しておくことが、フィルタ保持部材1の取り付け方向を統一できて好ましい。
【0023】
第二の貫通穴9の周縁には、第一の貫通穴8に向かって伸びる一対の円弧状リブ16が間隔を空けて設けられている。この一対の円弧状リブはフィルタ部材を取り付けるときのガイドの役割を果たす。一対の円弧状リブ16のない部分には一対の切り欠き部が第二の貫通穴9の外周部から外方向へ伸びるように設けられ、それぞれの切り欠き端部から筐体10に向かって垂直に伸びる部分と前記垂直に伸びる部分の終端から第二の貫通穴9の中心方向へ水平方向に伸びる部分とからなる第一の腕部13と、第二の腕部14が向き合うように設けられている。
【0024】
第一の腕部13と第二の腕部14の先端には、それぞれ第二の貫通穴9に向かって拡開する先端傾斜面15が形成されている。ここで、これらの向き合う先端傾斜面15の傾斜面の間隔は、第二貫通穴側の開口部が最大寸法となり、第一貫通穴側の開口が最小寸法となるように形成される。また、先端傾斜面15の最大寸法は、フィルタ保持部材1の最大寸法となるフィルタ収納部4の寸法よりも大きく形成される。向き合う先端傾斜面15の傾斜面の間隔を、第二貫通穴側の開口部が最大寸法とすることで、傾斜面に沿ってフィツタ保持部材1を取り付けられるので、取り付けが容易になりる。先端傾斜面15の最小寸法は、フィルタ収納部4の寸法よりも小さく形成され、第一の貫通穴8に対向する第一の腕部13と第二の腕部の14の面が、フィルタ収納部4に当接してこれを保持可能となる。
【0025】
基板収納容器30の蓋体32にフィルタ保持部材1に取り付け方法について説明する。フィルタ保持部材1は、蓋体32のカバープレート11の第二の貫通穴9から一端部2側から最初に挿入される。フィルタ収納部4が円弧状のリブをガイドにして挿入され、筐体10に設けられる第一の貫通穴8に一端部2側の傾斜面が嵌入される。フィルタ保持部材1がさらに挿入されると、第二の腕部14の先端の傾斜面に接触すると、第二の腕の先端部がフィルタ収納部4によって外側に押し広げられ、引き続きフィルタ保持部材1の挿入が可能となり、フィルタ収納部4の一面が筐体10の内底面に接触することで、挿入限度が規定される。
【0026】
このとき、一端側の先端は筐体10の外側で容器本体の内側に突出するようになる。前記挿入限度が規定される位置では、第二の腕部14の先端部が、フィルタ収納部4の側方から他面に接触するようになり、第一の腕部13の弾性変形して押し広げられた位置から、最初の位置まで回復し筐体10内底面側にフィルタ保持部材1を押圧することによってこれを保持する。
【0027】
基板収納容器30の蓋体32にフィルタ保持部材1に取り外しについて図4を使って説明する。前記したようにフィルタ保持部材1は、第二の貫通穴9の切り欠き部から伸びるL字状の係止部12によって保持されている。例えば、図に破線で示したようなL字状の係止部12の内面よりも大きな径を有する取り出し冶具18を使って先ずL字状の係止部12の第一腕部を外方向に広げ、この状態でフィルタ保持部の筐体10から突出している一端部2を筐体10の内側に押し込むか、第二の貫通穴9からフィルタ保持部材1を引き抜いてやることで、無理なく取り外しが可能となる。なお、前記した取り出し冶具18を第二の貫通穴9に挿入するために、第二の貫通穴9の一部に、この取り出し冶具18を挿入可能な切り欠22きを設けておくと良い。
【0028】
本発明のフィルタ保持部材1は、蓋体32の内部空間に収納されるように取り付けられるので、基板収納容器30の外側に突出する部分が無く、搬送中に装置や他の容器とぶつけて破損したり、フィルタ保持部材1が外れてしまうというトラブルを防止できる。また、基板収納容器30を梱包する際にも外壁から突出する部分がないので、梱包袋を破いて機密性を損なうことが無くなるという効果が得られる。また、フィルタ保持部は、一方向にのみ挿入可能なので、フィルタの取り付け方向の間違いを防止できる。
【0029】
図5、図6は、それぞれ第二、第三の実施形態を表すものであり、いずれもフィルタ保持部材1の外面の蓋体32部と接触する部分にシール部材17を設けたものである。第二の実施形態となる図5では、シール部材17として、フィルタ保持部の一端側の円筒部の傾斜面に適合するように取り付けられる円筒状のシール部材17が設けられている。第三の実施形態となる図6では、フィルタ保持部の蓋体32との接触面にOリングが設けられている。その他は、第一の実施形態と同じで有り、この場合も、同様の効果を得ることができる。
【0030】
図7は、第四の実施形態であり、これまでは、フィルタ保持部材1の係止部12をカバープレート11に設けた実施形態を説明してきたが、図7のようにフィルタ収納部4を覆うような円筒状で一端につばが張り出した別部材として形成された固定部品19を使って筐体10の内底面に取り付け可能にしても良い。この場合、つば部に固定用の凹部又は凸部を設けておき、固定部品19を回転させて、つば部と筐体10部に設けた凹部又は凸部と噛み合わせたり、筐体10の内底面に嵌合ボス又は突起リブを設けておき、容器凹凸部を設けてこれらを嵌合させることができる。また蓋体32は、カバープレート11を用いないで、筐体10部だけのものであってもかまわないし、容器本体31に凹部を設けて、この凹部にフィルタ保持部を固定することもできる。
【0031】
上記した本発明のフィルタ保持部材1は、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂から形成されるが、この他にも弾性変形可能なポリエチレンテレフタレート等の熱可塑性樹脂やハウジング用のポリエステル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、フッ素ゴム、EPDMゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴムなどの各種ゴム材料から形成する事もできる。
【0032】
また、上記した熱可塑性樹脂やゴム材料に、カーボン繊維、SUS、アルミ等の金属繊維、アンチモンをドープした金属酸化物等の導電性のフィラー、カーボンナノチューブ、カーボンやアセチレンブラック等の導電性パウダーを添加したり、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン、TCNQ(7、7、8、8−テトラシアノキノジメタン)錯体、オキサジアゾール系高分子重合体等の導電性高分子や、脂肪酸塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル類、イミダゾリン誘導体、ブロックコポリアミド樹脂等の帯電防止剤を使って静電気消散性を付与したりすることもできる。この場合、静電気を防止して塵埃の付着を効果的に防止できる。
【0033】
フィルタ保持部材1を、弾性変形可能なゴム材料から形成すると基板収納容器30に設けた係合用の凹部との間に、シールを形成できるし、保持力も大きくなるので好ましい。またこの場合容易に取り付け取り外しできるものであり、基板収納容器30を洗浄するときにもフィルタ保持部材1を基板収納容器30から容易に取り外すことができ、洗浄後の取り付け作業も容易である。また、樹脂製のフィルタ保持部材1を基板収納容器30に噛み合わせたり、係合させたりしないので、樹脂紛の発生を著しく低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明のフィルタ保持部材が取り付けられる蓋体の部分拡大平面図。
【図2】本発明のフィルタ保持部材が取り付けられた蓋体を表すa−a線断面図。
【図3】本発明のフィルタ保持部材が取り付けられた基板収納容器を表す斜視図。
【図4】本発明のフィルタ保持部材を取り外す状態を表す蓋体断面図。
【図5】本発明の第二の実施形態であるフィルタ保持部材が取り付けられた蓋体を表 すa−a線相当の断面図。
【図6】本発明の第三の実施形態であるフィルタ保持部材が取り付けられた蓋体を表 すa−a線相当の断面図。
【図7】本発明の第三の実施形態であるフィルタ保持部材が取り付けられた蓋体を表 すa−a線相当の断面図。
【符号の説明】
【0035】
1 フィルタ保持部材
2 一端部
3 他端部
4 フィルタ収納部
5 フィルタ
6 第一の傾斜面
7 第二の傾斜面
8 第一の貫通穴
9 第二の貫通穴
10 筐体
11 カバープレート
12 係止部
13 第一の腕部
14 第二の腕部
15 先端傾斜面
16 円筒リブ
17 シール部材
18 取り出し冶具
19 固定部品
20 固定部
21 円筒ボス
22 切り欠き
30 基板収納容器
31 容器本体
32 蓋体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有し複数の基板を内部に収納可能な容器本体と、前記容器本体の開口を閉鎖する蓋体とからなる基板収納容器であって、前記基板収納容器には内部空間と外部空間とを連通する貫通穴が少なくとも1箇所設けられ、前記貫通穴には、内部にフィルタを収納し両端には内部空間と外部空間とを連通する開口を有するフィルタ保持部材の一端部が対向又は挿入され、前記基板収納容器には、前記フィルタ保持部材を他端側から保持する係止部が設けられていることを特徴とする基板収納容器。
【請求項2】
前記フィルタ保持部材は、フィルタ収納部と前記フィルタ収納部の上面及び下面からそれぞれ外方向へ伸びる円筒部を有し、一方の円筒部は、先端に向かって口径が小さくなるような傾斜側壁を有し、他端の円筒部は先端に向かって口径が大きくなる傾斜側壁を有し、一方の円筒部が前記貫通穴に挿入され、蓋体に設けられた係止部によって固定されることを特徴とする請求項1記載の基板収納容器。
【請求項3】
前記蓋体が一方に開口を有する筐体と、少なくとも前記開口の一部を覆うカバープレートとからなり、前記筐体には、前記一方の円筒部が挿入可能な第一の貫通穴が設けられ、前記カバープレートには前記第一の貫通穴と対向する位置に前記フィルタ収納部が挿入可能な第ニの貫通穴が設けられ、前記第二の貫通穴の周縁から、前記フィルタ保持部材を固定する係止部が延在していることを特徴とする請求項1〜2記載のいずれか1項記載の基板収納容器。
【請求項4】
前記係止部が、フィルタ保持部材が取り付けられる外方向の一面に先端部に向けて縮径する先端傾斜面を備え、前記先端傾斜面の他面にてフィルタ保持部材を固定し、前記先端傾斜面の最大半径が、前記フィルタ保持部の最大半径よりも大きく、前記先端傾斜面の最小半径が、フィルタ収納部の半径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3記載のいずれか1項記載の基板収納容器。
【請求項5】
前記係止部が、基板収納容器とは別の部材として形成される固定部品であり、前記固定部品を介してフィルタ保持部材が固定されることを特徴とする請求項1〜4記載のいずれか1項記載の基板収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−24585(P2006−24585A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198741(P2004−198741)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】