説明

基板収納容器

【課題】加工装置のセンサが被検出領域を誤検出するのを防ぎ、後の作業にエラーが生じたり、プロセスの停止を招くおそれを払拭できる基板収納容器を提供する。
【解決手段】ロードポート1上に搭載される半導体ウェーハ収納用の容器本体10と、この容器本体10の底部に形成されてロードポート1の複数の位置決めピン4上にそれぞれ嵌合する複数の位置決め芯出し具14とを備え、容器本体10の底部に、ロードポート1の位置決めピン4に位置決め芯出し具14が適正に嵌合する場合にロードポート1のセンサ3に対向して検出される被検出領域50と、この被検出領域50の周囲に位置する非検出領域51とを配設し、被検出領域50の高さを非検出領域51よりも相対的に高くしてロードポート1のセンサ3が被検出領域50を誤検出するのを防止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ等の基板を収納して支持する基板収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の基板収納容器は、図9に部分的に示すように、半導体ウェーハを加工する加工装置のロードポート1上に搭載される半導体ウェーハ収納用の容器本体10と、この容器本体10の開口した正面にシール状態に嵌合する着脱自在の蓋体とを備え、半導体ウェーハの収納、保管、搬送、輸送に使用されている(特許文献1参照)。
【0003】
容器本体10は、フロントオープンボックスに形成され、その底面には同図に示すように、加工装置のロードポート1における複数の位置決めピン4にそれぞれ嵌合する複数の位置決め具60が所定の間隔で配設されている。容器本体10の底面にはボトムプレート17が装着され、このボトムプレート17には平坦な被検出領域50Aが形成されており、この被検出領域50Aがロードポート1のセンサ3に検出されることにより、基板収納容器の有無や位置決めピン4上に位置決め具60が適切に嵌合しているか否かが判断される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002‐299428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来における基板収納容器は、以上のように構成され、容器本体10のボトムプレート17に被検出領域50Aが単に平坦に形成されているに止まるので、ロードポート1に対する位置決めに不備が生じ、位置決めピン4に位置決め具60が位置ずれして適切に嵌合していない場合でも、ロードポート1のセンサ3の感度調整にバラツキがあるときには、センサ3が被検出領域50Aを過誤により検出してしまうという問題がある(図10参照)。
【0006】
ロードポート1のセンサ3が被検出領域50Aを誤検出すると、正規の搭載箇所に基板収納容器が適切に搭載されたとロードポート1が判断するので、後続の蓋体30の取り外し作業や半導体ウェーハの取り出し作業に移行し、その結果、位置ずれによりエラーが生じてプロセスの停止を招くおそれがある。
【0007】
本発明は上記に鑑みなされたもので、加工装置のセンサが被検出領域を誤検出するのを防ぎ、後の作業にエラーが生じたり、プロセスの停止を招くおそれを払拭することのできる基板収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明においては上記課題を解決するため、加工装置に搭載される基板収納用の容器本体と、この容器本体の底部に形成されて加工装置の位置決めピンに嵌め合わされる位置決め芯出し具とを備え、容器本体を正面が開口したフロントオープンボックスとしたものであって、
容器本体の底部に、加工装置の位置決めピンに位置決め芯出し具が適正に嵌め合わされる場合に加工装置のセンサに対向して検出される被検出領域と、この被検出領域の周囲に位置する非検出領域とをそれぞれ設け、被検出領域の高さを非検出領域よりも相対的に高くしたことを特徴としている。
【0009】
なお、容器本体の底面に位置決め芯出し具を形成し、容器本体の底面に、加工装置の位置決めピンに位置決め芯出し具を誘導するガイド部を備えたボトムプレートを取り付けてその下面を基準面とし、ボトムプレートに被検出領域と非検出領域とをそれぞれ設けることができる。
また、ボトムプレートの基準面に凹凸を形成し、凸部を被検出領域とするとともに、凹部を非検出領域とすることができる。
【0010】
また、凹んだ非検出領域の内面に乱反射用の突起を形成することが可能である。
さらに、ボトムプレートの下面周縁を基準面とするとともに、この下面周縁以外を低い段差面に形成し、この段差面に被検出領域を下方に向けて突出形成し、この検出領域の周囲の段差面を非検出領域とすることが可能である。
【0011】
ここで、特許請求の範囲における加工装置には、少なくとも基板の加工装置や基板を搬出入するロードポート等が含まれる。加工装置のセンサには、少なくとも各種の光電センサ、具体的には光ファイバ型光電センサやデジタルアンプ型光電センサ等が含まれる。また、基板には、少なくとも単数複数のφ300、450、600mmの半導体ウェーハ、ガラス基板、マスクガラス等が含まれる。容器本体は、透明、不透明、半透明のいずれでも良い。
【0012】
容器本体の底部には、容器本体の底面と、この容器本体の底面に取り付けられるボトムプレートとが含まれる。このボトムプレートは、平面矩形や多角形等に適宜形成することができる。また、被検出領域と非検出領域とは、単数複数を特に問うものではない。被検出領域は、平面円形、楕円形、矩形、多角形等とすることができる。さらに、非検出領域は、平面リング形や枠形等に形成することが可能である。
【0013】
本発明によれば、加工装置に容器本体が正しく位置決めされる場合には、加工装置のセンサに被検出領域が対向するので、センサが光線の照射・受光により被検出領域を検出する。
これに対し、位置決めピンに位置決め芯出し具が嵌合せず、容器本体が正しく位置決めされない場合には、加工装置のセンサに被検出領域が的確に対向せず、非検出領域等が対向するので、センサが光線を適切に受光しなかったり、受光量が不安定化したり、検出時間が長くなる。したがって、正規の搭載箇所に基板収納容器が適切に搭載されたと加工装置が誤って判断することが少ない。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、加工装置のセンサが被検出領域を誤検出するのを防ぎ、後の作業にエラーが生じたり、プロセスの停止を招くおそれを払拭することができるという効果がある。
【0015】
また、容器本体の底面に位置決め芯出し具を形成し、容器本体の底面に、加工装置の位置決めピンに位置決め芯出し具を誘導するガイド部を備えたボトムプレートを取り付けてその下面を基準面とし、ボトムプレートに被検出領域と非検出領域とをそれぞれ設ければ、容器本体の底面等を加工して被検出領域や非検出領域等を直接設ける必要がない。
さらに、凹んだ非検出領域の内面に乱反射用の突起を形成すれば、加工装置のセンサの光線が様々な角度で反射するので、センサが照射した光線を適切に受光しないこととなり、センサの誤検出防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る基板収納容器の実施形態を模式的に示す全体斜視説明図である。
【図2】本発明に係る基板収納容器の実施形態における容器本体を模式的に示す底面図である。
【図3】本発明に係る基板収納容器の実施形態ロードポートにおける位置決めピンに容器本体の位置決め芯出し具が嵌合する直前の状態を模式的に示す部分断面説明図である。
【図4】本発明に係る基板収納容器の実施形態ロードポートにおける位置決めピンに容器本体の位置決め芯出し具が適切に嵌合した状態を模式的に示す部分断面説明図である。
【図5】本発明に係る基板収納容器の実施形態ロードポートにおける位置決めピンに容器本体の位置決め芯出し具が不適切に嵌合した状態を模式的に示す部分断面説明図である。
【図6】本発明に係る基板収納容器の第2の実施形態を模式的に示す拡大断面説明図である。
【図7】本発明に係る基板収納容器の第3の実施形態を模式的に示す底面図である。
【図8】本発明に係る基板収納容器の第3の実施形態を模式的に示す拡大断面図である。
【図9】従来の基板収納容器を模式的に示す部分断面説明図である。
【図10】従来の基板収納容器の問題点を模式的に示す部分断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明すると、本実施形態における基板収納容器は、図1ないし図5に示すように、ロードポート1に搭載される半導体ウェーハ収納用の容器本体10と、この容器本体10の開口した正面にシール状態に嵌合する蓋体30と、容器本体10の底部に形成されてロードポート1の複数の位置決めピン4上に嵌合する複数の位置決め芯出し具14とを備え、容器本体10の底部に、ロードポート1の位置決めピン4に位置決め芯出し具14が適正に嵌合する場合にロードポート1のセンサ3に対向して検出される被検出領域50と、この被検出領域50の周囲に位置する非検出領域51とを配設するようにしている。
【0018】
ロードポート1は、図3ないし図5に示すように、オープナーとも呼ばれ、上部の平坦なテーブル2に基板収納容器の容器本体10を着脱自在に搭載し、半導体ウェーハの加工装置に容器本体10の半導体ウェーハを供給するよう機能する。このロードポート1のテーブル2には、照射した光線を受光部で受光して検出する反射型の光センサからなるセンサ3と位置決めピン4とが所定のパターンでそれぞれ複数配設される。各位置決めピン4は、上端部が半球形に湾曲形成され、基板収納容器の高さや位置を規制するよう機能する。
【0019】
基板である半導体ウェーハは、図示しないが、例えばチップサイズの大型化や生産性の向上を図る観点から、φ450mmの薄いシリコンウェーハが選択され、周縁部に図示しない位置合わせや識別用のノッチが平面V字形に切り欠かれる。
【0020】
容器本体10と蓋体30とは、所定の樹脂を含有する成形材料により複数の部品がそれぞれ射出成形され、この複数の部品の組み合わせで構成される。この成形材料中の所定の樹脂としては、例えば力学的性質や耐熱性等に優れるポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、液晶ポリマー、あるいは環状オレフィン樹脂等があげられる。所定の樹脂には、カーボン、カーボン繊維、金属繊維、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー、帯電防止剤、又は難燃剤等が必要に応じて添加される。
【0021】
容器本体10は、図1に示すように、正面の開口したフロントオープンボックスタイプに形成され、内部の両側、すなわち、両側壁の内面には、半導体ウェーハの側部周縁を支持片11により水平に支持する支持体12がそれぞれ配設されており、複数枚(例えば25枚)の半導体ウェーハを上下方向に所定のピッチで整列収納する。
【0022】
容器本体10の底部である底板の四隅部付近には図1ないし図3に示すように、円筒形のフィルタボスがそれぞれ配設され、この複数のフィルタボスに、容器本体10の内外を連通するフィルタ13がそれぞれOリングを介し着脱自在に嵌合される。また、容器本体10の底板底面の前部両側と後部中央とには、基板収納容器、具体的には容器本体10を位置決めする位置決め芯出し具14がそれぞれ直接的に一体形成される。
【0023】
各位置決め芯出し具14は、図2ないし図5に示すように、基本的には平面略トラック形を呈する断面略V字形に形成されてその一対の斜面を備えたV溝15を下方に指向させ、ロードポート1の位置決めピン4に上方からV溝15の最も深い谷16を嵌合・摺接させ、容器本体10を高精度に位置決めする。
【0024】
容器本体10の底板底面には図2ないし図5に示すように、複数のフィルタ13と位置決め芯出し具14とを露出させるボトムプレート17がボルト等を介して水平に螺着され、このボトムプレート17には、位置決め芯出し具14の近傍に位置する複数の被検出領域50と非検出領域51とがそれぞれ形成される。このボトムプレート17は、平面略矩形の板に形成されてそのロードポート1のテーブル2に対向する平坦な下面が基準面18とされ、前後左右の周縁部がコンベヤの搬送に資する観点からレール形の平坦面19にそれぞれ形成される。
【0025】
ボトムプレート17には、複数の識別孔20が左右方向に並べて穿孔され、この複数の識別孔20の任意の識別孔20に識別パッドが選択的に挿入されることにより、基板収納容器が識別される。また、ボトムプレート17には、容器本体10の複数の位置決め芯出し具14にそれぞれ対向する対向孔が穿孔され、各対向孔の周囲には、位置決め芯出し具14の周縁に段差なく連なるガイド部21が傾斜形成されており、このガイド部21がロードポート1の位置決めピン4に位置決め芯出し具14を円滑に誘導する。
【0026】
容器本体10の天板中央部には図1に示すように、天井搬送用のロボティックフランジ22が着脱自在に装着される。また、容器本体10の開口した正面は、外方向に膨出形成され、内周の上下両側には、蓋体30施錠用の係止穴23がそれぞれ穿孔される。また、容器本体10の両側壁外面には、前後方向に伸びるサイドレール24がそれぞれ形成され、容器本体10の両側壁外面の下部には、マニュアルでハンドリングするための把持ガイドリブ25がそれぞれ一対形成される。
【0027】
蓋体30は、図1に示すように、容器本体10の開口した正面内に弾性のガスケット31を介して嵌合する横長の筐体32と、この筐体32の開口した表面(正面)を被覆する表面プレート37と、これら筐体32と表面プレート37との間に介在される施錠機構39とを備えて構成される。筐体32は、基本的には枠形の周壁を備えた浅底の断面略皿形に形成され、中央部と周壁の左右両側部との間に施錠機構39用の設置空間がそれぞれ区画形成される。
【0028】
筐体32の周壁の上下両側部には、施錠機構39用の貫通孔33がそれぞれ穿孔され、各貫通孔33が容器本体10の正面内周の係止穴23に対向する。また、筐体32の裏面には、半導体ウェーハの前部周縁を弾発的に保持するフロントリテーナ34が着脱自在に装着される。
【0029】
フロントリテーナ34は、筐体32の裏面中央部に着脱自在に装着され、かつ施錠機構39の後方に位置して蓋体30の変形を防止する縦長の枠体35を備え、この枠体35の縦桟部には、複数の弾性片36が上下に並べて一体形成されており、各弾性片36には、半導体ウェーハの前部周縁をV溝により保持する小さな保持ブロックが一体形成される。
【0030】
表面プレート37は、筐体32の開口した表面に対応するよう横長の平板に形成され、左右両側部には、施錠機構39用の操作口38がそれぞれ穿孔される。また、施錠機構39は、表面プレート37の操作口38を貫通した蓋体開閉装置の操作ピンに回転操作される左右一対の回転プレート40と、各回転プレート40の回転に伴い上下方向にスライドする複数のスライドプレート41と、各スライドプレート41のスライドに伴い筐体32から突出して容器本体10の係止穴23に係止する複数の係止爪42とを備えて構成され、フロントリテーナ34の前方に位置する。
【0031】
被検出領域50と非検出領域51とは、図2ないし図5に示すように、ボトムプレート17の基準面18に凹凸が隣接して形成されることにより、高い凸部が被検出領域50とされるとともに、低いV溝15が被検出領域50を包囲する非検出領域51とされる。この被検出領域50は、光線の正反射を妨げる非検出領域51よりも相対的に高い平面円形又は楕円形のセンシングパッド52に形成され、このセンシングパッド52がセンサ3の光線でセンシングされることにより、基板収納容器の有無や搭載位置等が認識される。
【0032】
被検出領域50は、ボトムプレート17の基準面18に揃えられえるか、あるいはボトムプレート17の基準面18よりも下方に向け高く長く形成される。また、非検出領域51については、光線を乱反射させる観点から、被検出領域50と光沢度や色彩が異なるよう調整することができる。
【0033】
上記構成において図3に示すように、加工装置のロードポート1上に基板収納容器の容器本体10が搭載されると、ロードポート1の複数の位置決めピン4に位置決め芯出し具14がガイド部21を介し上方からそれぞれ嵌合・摺接し、位置決めピン4の上端部に位置決め芯出し具14の谷16が嵌合して容器本体10を一義的、かつ高精度に位置決めする。
【0034】
この際、容器本体10が正しく位置決めされる場合には図4に示すように、ロードポート1のセンサ3に被検出領域50であるセンシングパッド52が上方から相対向するので、センサ3の光線が正反射し、センサ3が光線の照射・受光によりセンシングパッド52を正確に検出する。したがって、正規の搭載箇所に基板収納容器が適切に搭載されたとロードポート1が判断することとなり、後続の蓋体30の取り外し作業や半導体ウェーハの取り出し作業に円滑に移行することとなる。
【0035】
これに対し、位置決めピン4の上端部に位置決め芯出し具14の谷16が位置ずれして嵌合せず、容器本体10が正しく位置決めされない場合(図5参照)には、ロードポート1のセンサ3にセンシングパッド52が上方から相対向せず、センサ3に光線の反射を一部遮蔽して規制する非検出領域51が対向するので、センサ3が光線を的確に受光せず、センシングパッド52を検出しないこととなる。
【0036】
したがって、正規の搭載箇所に基板収納容器が適切に搭載されたとロードポート1が誤って判断することがなく、後続の蓋体30の取り外し作業や半導体ウェーハの取り出し作業に移行することがない。これにより、後続の蓋体30の取り外し作業や半導体ウェーハの取り出し作業でエラーが生じたり、プロセスの停止を招くおそれを有効に排除することができる。
【0037】
次に、図6は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、凹んだ各非検出領域51の内面に凹凸を設けて乱反射用の微細な突起53を形成し、センサ3からの光線を拡散反射させるようにしている。この微細な突起53は、例えば金型からの転写、熱加工、超音波加工等により形成される。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0038】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、非検出領域51の内面に微小な突起53を形成し、センサ3から照射された光線が正反射しないようにするので、センサ3のセンシングの高精度化が大いに期待できるのは明らかである。
【0039】
次に、図7と図8は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、ボトムプレート17の下面周縁を平面枠形の基準面18とするとともに、下面周縁以外を平坦な低い段差面26に凹み形成し、この段差面26に被検出領域50である複数のセンシングパッド52を下方に向けて突出形成し、各検出領域の周囲の段差面26をセンサ3の光線反射を妨げる低い非検出領域51とするようにしている。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0040】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、被検出領域50、非検出領域51、センシングパッド52の構成の多様化を図ることができるのは明らかである。
【0041】
なお、上記実施形態における容器本体10は、樹脂を含む成形材料により成形しても良いが、アルミニウム、SUS、チタン合金等の金属を用いて形成しても良い。また、容器本体10の側壁外面には、必要に応じ、握持操作用のハンドルを設けても良い。さらに、ボトムプレート17、例えばその後部に、バーコードやRFIDシステムのRFタグを取り付けるための取付部を形成しても良い。
【符号の説明】
【0042】
1 ロードポート(加工装置)
3 センサ
4 位置決めピン
10 容器本体
14 位置決め芯出し具
15 V溝
16 谷
17 ボトムプレート(容器本体の底部)
18 基準面
21 ガイド部
26 段差面
30 蓋体
50 被検出領域
51 非検出領域
52 センシングパッド
53 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工装置に搭載される基板収納用の容器本体と、この容器本体の底部に形成されて加工装置の位置決めピンに嵌め合わされる位置決め芯出し具とを備え、容器本体を正面が開口したフロントオープンボックスとした基板収納容器であって、
容器本体の底部に、加工装置の位置決めピンに位置決め芯出し具が適正に嵌め合わされる場合に加工装置のセンサに対向して検出される被検出領域と、この被検出領域の周囲に位置する非検出領域とをそれぞれ設け、被検出領域の高さを非検出領域よりも相対的に高くしたことを特徴とする基板収納容器。
【請求項2】
容器本体の底面に位置決め芯出し具を形成し、容器本体の底面に、加工装置の位置決めピンに位置決め芯出し具を誘導するガイド部を備えたボトムプレートを取り付けてその下面を基準面とし、ボトムプレートに被検出領域と非検出領域とをそれぞれ設けた請求項1記載の基板収納容器。
【請求項3】
ボトムプレートの基準面に凹凸を形成し、凸部を被検出領域とするとともに、凹部を非検出領域とした請求項2記載の基板収納容器。
【請求項4】
凹んだ非検出領域の内面に乱反射用の突起を形成した請求項3記載の基板収納容器。
【請求項5】
ボトムプレートの下面周縁を基準面とするとともに、この下面周縁以外を低い段差面に形成し、この段差面に被検出領域を下方に向けて突出形成し、この検出領域の周囲の段差面を非検出領域とした請求項2記載の基板収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−119456(P2011−119456A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−275532(P2009−275532)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】