説明

基板収納容器

【課題】施錠機構による施錠を安定させ、容器本体、蓋体、施錠機構の変形や損傷のおそれを排除できる基板収納容器を提供する。
【解決手段】半導体ウェーハを整列収納可能な容器本体1と、容器本体1の開口した正面5に嵌合される蓋体10と、嵌合された蓋体10を施錠する施錠機構30とを備え、施錠機構30の回転操作リールに、進退動リンク38の進退動用のカム溝部を形成し、カム溝部の変形を変形防止リブに防止させるようにする。施錠機構30の施錠時に、回転操作リール31が施錠方向に回転して進退動リンク38を蓋体10の周壁方向に進出させ、施錠ラッチ45が案内補強ブロック51に案内されながら蓋体10から容器本体1の施錠穴7内に直線的に進入し、この容器本体1の施錠穴7内に進入した施錠ラッチ45が案内補強ブロック51に案内されながら蓋体10の厚さ方向に揺動して施錠穴7を区画する正面側壁面8に接触する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ等からなる基板を収納、保管、搬送、輸送する際に使用される基板収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の基板収納容器は、図示しないが、複数枚の半導体ウェーハを整列収納する容器本体と、この容器本体の開口した正面にシール状態に嵌合される蓋体と、容器本体の開口した正面に嵌合された蓋体を施錠する施錠機構とを備えて構成されている(特許文献1、2参照)。
【0003】
容器本体は、所定の成形材料によりフロントオープンボックスに成形され、開口した正面の内周に、施錠機構用の複数の施錠穴が間隔をおいて形成されている。また、蓋体は、容器本体の正面に嵌合される断面略皿形の蓋本体を備え、この蓋本体の開口した正面に別体のカバープレートが覆着されており、蓋本体の周壁に、施錠機構用の複数の出没孔が間隔をおいて穿孔されている。このような蓋体の蓋本体からカバープレートまでの厚さは、業界の自主基準であるSEMI規格の標準規格で定められている。
【0004】
施錠機構は、蓋体の蓋本体に軸支されてカバープレートの外部から回転操作される左右一対の回転操作プレートと、各回転操作プレートの回転により蓋体内の上下方向にスライドする複数のスライドプレートと、各スライドプレートのスライドにより蓋体の出没孔から出没して容器本体の施錠穴に接離する複数の施錠爪とから構成され、容器本体の正面に嵌合された蓋体の脱落を防止するよう機能する。
【0005】
施錠爪は、蓋体の出没孔近傍とスライドプレートの先端部とに金属ピンを介しそれぞれ軸支されて蓋体の厚さ方向に揺動するタイプ、スライドプレートの先端部に回転可能に軸支され、スライドプレートに押圧されることによりガイド溝にガイドされつつ移動するタイプが知られている。
【0006】
上記において、容器本体の開口した正面に蓋体を嵌合して施錠機構で施錠する場合には、蓋体の厚さに鑑み、容器本体の正面内に蓋体を浅く嵌入してカバープレート側を外部にやや食み出させ(この段階では、蓋体は完全に嵌合していない)、施錠機構の回転操作プレートを施錠方向に回転操作して容器本体の各施錠穴に施錠爪を嵌入すれば良い。
【0007】
すると、各施錠穴を区画する正面側壁面方向に施錠爪の先端部が徐々に突出しながら揺動し、施錠穴の正面側壁面に施錠爪の先端部が接触して容器本体の正面内に蓋体を次第に引き込み、各施錠穴に施錠爪が最終的に強く嵌入係止して蓋体を完全に密嵌することにより、容器本体の正面に蓋体を嵌合して施錠機構で施錠することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−133405号公報
【特許文献2】特開2006−303015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来における基板収納容器は、以上のように構成されているので、以下のような問題がある。先ず、施錠爪が蓋体の厚さ方向に揺動するタイプの場合、施錠爪の突出と揺動とが同時であり、容器本体の施錠穴の正面側壁面に施錠機構の施錠爪の先端部が徐々に接触して容器本体の正面内に蓋体を次第に引き込んでいくので、施錠穴に対する施錠爪の接触が十分ではなく、蓋体を十分に引き込むことができないことがあり、その結果、施錠機構による施錠が不安定化したり、容器本体の施錠穴や施錠機構の施錠爪が損傷するという問題がある。
【0010】
また、蓋体の出没孔近傍に施錠爪が軸支されるので、蓋体の出没孔付近の強度を確保することができない。このため、施錠時に大きな施錠力が作用すると、蓋体や施錠機構のスライドプレートが変形するおそれがある。
【0011】
次に、施錠爪がガイド溝にガイドされつつ移動するタイプの場合、施錠爪を所定の長さに伸長形成しなければならず、施錠時に大きな施錠力が加わると、スライドプレートや施錠爪が変形しやすくなるという問題がある。この点に鑑み、施錠爪等を肉厚に形成して変形防止を図ろうとすると、施錠爪の引き込みストローク量が低下するという問題が新たに生じることとなる。
【0012】
本発明は上記に鑑みなされたもので、施錠機構による施錠を安定させ、容器本体、蓋体、施錠機構の変形や損傷のおそれを排除することのできる基板収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の発明においては上記課題を解決するため、容器本体の開口部を閉鎖する蓋体と、この蓋体に設けられる施錠機構とを備えたものであって、
施錠機構は、外部からの操作で回転可能な回転操作体と、この回転操作体に係合する第一係合部を備え、回転操作体の動きによって蓋体の内外方向に移動する進退動体とを有し、
回転操作体は、進退動体の第一係合部と係合する第二の係合部と、進退動体の回転操作体側の末端部と接触し、施錠機構が容器本体に蓋体を係止するときに進退動体の撓みを防止する変形防止部とを有することを特徴としている。
【0014】
なお、施錠機構は、進退動体の進退動により容器本体の開口部内周の施錠穴に接離する蓋体の厚さ方向に回転可能な施錠体と、進退動体と施錠体とに取り付けられて施錠体の動作を規制する案内補強体とを含み、
施錠機構の施錠時には、回転操作体が施錠方向に回転して進退動体を蓋体の外方向に進出させ、施錠体が案内補強体に案内されながら蓋体から容器本体の施錠穴内に直線的に進入し、この容器本体の施錠穴内に進入した施錠体が案内補強体に案内されながら蓋体の厚さ方向に回転して施錠穴を区画する壁面に接触し、
施錠機構の解錠時には、回転操作体が解錠方向に回転して進退動体を蓋体の内方向に後退させ、施錠体が案内補強体に案内されながら蓋体の厚さ方向に回転復帰して施錠穴の壁面から離れ、この施錠穴の壁面から離れた施錠体が案内補強体に案内されながら容器本体の施錠穴内から蓋体に直線的に後退することができる。
【0015】
また、蓋体は、容器本体の開口部に嵌め合わされる蓋本体と、この蓋本体の開口面を覆うカバープレートとを含み、蓋本体とカバープレートのいずれか一方には、施錠機構用の収納包囲壁を形成し、蓋本体を断面略皿形に形成してその内部には施錠機構を配置し、蓋本体の周壁には、施錠機構の施錠体用の出没孔を設けることができる。
また、施錠機構の回転操作体は、蓋本体の収納包囲壁内に支持されてカバープレートの外部から操作される回転可能なキースロットと、このキースロットの周縁部に設けられて進退動体の端部に連結されるカム溝部とを含み、このカム溝部に進退動体用の変形防止部を形成することができる。
【0016】
また、施錠機構の回転操作体に、進退動体の進退動用のカム溝部を設け、このカム溝部の変形を変形防止部に防止させるようにし、
施錠機構の進退動体を、蓋体の中央部付近から周壁方向に指向するプレートに形成してその先端部には施錠体用の支持溝を形成し、プレートの先端部両側に案内補強体用の案内溝をそれぞれ形成し、プレートの末端部には回転操作体のカム溝部に嵌まる凸部を形成するとともに、この凸部とカム溝部の変形防止部とを接触させ、
施錠体を断面略L字形に屈曲してその屈曲部付近には進退動体の支持溝に回転可能に支持される支持軸を形成し、施錠体の一方の屈曲辺を案内補強体内にスライド可能に内蔵するとともに、他方の屈曲辺を容器本体の施錠穴内に接離可能とし、施錠体の一方の屈曲辺の先端部両側に、案内補強体用の第一の凸部をそれぞれ形成し、他方の屈曲辺の両側部には、案内補強体用の第二の凸部をそれぞれ形成することができる。
【0017】
さらに、施錠機構の案内補強体を、施錠体と嵌合可能な断面略U字形に形成してその内部前方には施錠体の一方の屈曲辺の先端部と回転可能に嵌合する回転許容凹部を形成し、案内補強体の内部には、施錠体用の位置決め弾性部材を設けて回転許容凹部に隣接させ、案内補強体の後部両側に、進退動体の案内溝にスライド可能に嵌まる伸長片をそれぞれ形成し、案内補強体の両側壁には、施錠体の第一の凸部にスライド可能に嵌まるスライド溝をそれぞれ形成するとともに、施錠体の第二の凸部をそれぞれスライド可能に支持させることが可能である。
【0018】
また、本発明の第2の発明においては上記課題を解決するため、基板を収納可能な容器本体と、この容器本体の開口部に嵌め合わされる蓋体と、容器本体の開口部に嵌め合わされた蓋体を施錠する施錠機構とを備えたものであって、
蓋体は、容器本体の開口部に嵌め合わされる蓋本体と、この蓋本体の開口面を覆うカバープレートとを含み、カバープレートに、施錠機構用の傾斜突起と突起とをそれぞれ形成し、
施錠機構は、蓋体に支持されて外部からの操作で回転する回転操作体と、この回転操作体の回転により蓋体の内外方向に進退動し、容器本体の開口部内周の施錠穴に先端部の施錠体を接離する進退動体とを含み、進退動体に、蓋体の傾斜突起に干渉して進退動体の末端部側を蓋体の厚さ方向に傾斜させる第一のカム突起を形成するとともに、蓋体の突起に干渉して進退動体の先端部側を蓋体の厚さ方向に傾斜させる第二のカム突起を形成し、
施錠機構の施錠時には、回転操作体が施錠方向に回転して進退動体を蓋体の外方向に進出させ、施錠体が蓋体から容器本体の施錠穴内に進入し、この容器本体の施錠穴内に進入する施錠体が蓋体の厚さ方向に傾斜して施錠穴を区画する壁面に接触し、
施錠機構の解錠時には、回転操作体が解錠方向に回転して進退動体を蓋体の内方向に後退させ、施錠体が蓋体の厚さ方向に復帰して施錠穴の壁面から離れ、この施錠穴の壁面から離れる施錠体が容器本体の施錠穴内から蓋体に後退することを特徴としている。
【0019】
なお、傾斜突起を蓋体のカバープレートに断面略凹字形に形成して進退動体の末端部寄りに位置させ、この傾斜突起の凹んだ表面を区画する上下一対の対向壁のうち、カバープレートの周縁部側に位置する対向壁を先細りの傾斜面に形成することができる。
また、施錠機構の回転操作体に、進退動体の進退動用のカム溝部を設けるとともに、このカム溝部の変形を防止する変形防止部を形成することもできる。
【0020】
ここで、特許請求の範囲における基板には、少なくともφ200、300、450mmの半導体ウェーハやガラス板等が単数複数含まれる。容器本体は、トップオープンボックスタイプ、ボトムオープンボックスタイプ、フロントオープンボックスタイプのいずれでも良い。また、蓋体のカバープレートには、施錠機構の回転操作体用の自動操作孔と手動操作孔とをそれぞれ設けることができる。
【0021】
施錠機構の回転操作体、進退動体、施錠体、案内補強体は、単数複数を特に問うものではない。回転操作体のキースロットの周縁部には、カバープレートの手動操作孔から操作される手動操作部を設けることができる。施錠体は蓋体の厚さ方向に回転するが、この回転には、回動や揺動が含まれる。また、位置決め弾性部材には、少なくとも単数複数のゴム、板バネ、コイルバネ等が該当する。
【0022】
本発明の第1の発明によれば、容器本体の開口部に蓋体を嵌めて施錠機構で施錠する場合には、例えば容器本体の開口部内に蓋体を浅く嵌め入れ、施錠機構の回転操作体を施錠方向に回転させる。すると、施錠機構の回転操作体が施錠方向に回転して進退動体を蓋体の外方向に進出させ、進退動体の先端部と案内補強体とが接近して施錠体を蓋体外方向に進出させ、蓋体から直立した施錠体が突出して容器本体の施錠穴内に直線的に突出する。
【0023】
容器本体の施錠穴内に施錠体が直線的に突出して回転可能な状態になると、直立していた施錠体が蓋体の厚さ方向に回転する。すると、容器本体の施錠穴を区画する壁面に施錠体が回転して接触し、容器本体の開口部内に蓋体が次第に引き込まれ、施錠穴に施錠体が最終的に強く干渉して蓋体を完全に嵌め入れる。このように施錠体の突出と回転とが同時ではなく、施錠体が突出した後に連続して回転するので、容器本体の開口部に蓋体を適切に施錠することができる。
【0024】
また、本発明の第2の発明によれば、容器本体の開口部に蓋体を嵌めて施錠機構で施錠する場合には、例えば容器本体の開口部内に蓋体を浅く嵌め入れ、施錠機構の回転操作体を施錠方向に回転させる。すると、施錠機構の回転操作体が施錠方向に回転して進退動体を蓋体の外方向に進出させ、進退動体の先端部である施錠体が蓋体の外方向に進出し、蓋体から施錠体が突出して容器本体の施錠穴内に突出する。
【0025】
この際、傾斜突起の傾斜面に第一のカム突起が案内されて進退動体の末端部側を蓋本体方向に傾け、突起の先端に対向していた第二のカム突起が突起からずれ、進退動体の先端部側が末端部側とは反対のカバープレート方向に傾斜する。突起に第二のカム突起がずれて接触すると、進退動体の蓋体厚さ方向への傾斜が規制され、施錠穴を区画する壁面に施錠体が接触し、容器本体の開口部内に蓋体が引き込まれ、施錠穴に施錠体が最終的に強く干渉して蓋体を完全に嵌め入れることにより、容器本体の開口部に蓋体を嵌めて施錠機構で施錠することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の第1の発明によれば、施錠機構による施錠を安定させ、容器本体、蓋体、施錠機構の変形や損傷のおそれを排除することができるという効果がある。
また、請求項2記載の発明によれば、施錠機構用の収納包囲壁により、施錠機構の回転操作体、進退動体、施錠体、案内補強体の脱落を防止したり、これらの動作を円滑に案内したり、蓋本体の強度を向上させることができる。
【0027】
また、請求項4又は7記載の発明によれば、回転操作体の変形防止部により、少なくともカム溝部の変形を抑制することが可能になる。また、施錠体に強い荷重が作用すると、進退動体が蓋体の厚さ方向に反るおそれが考えられるが、回転操作体の変形防止部に、施錠体に作用する強い荷重や進退動体に生じる応力を受けさせれば、回転操作体から施錠体にかけて荷重を直線的に作用させることができる。したがって、進退動体が蓋体の厚さ方向に反るのを防ぐことが可能になる。
【0028】
また、請求項4、5記載の発明によれば、容器本体の施錠穴内に施錠体が突出しながら回転し、施錠穴の壁面に施錠体が接触するのではなく、容器本体の施錠穴内に施錠体が直線的に突出し、その後、施錠穴の壁面に施錠体がはじめて回転して接触することにより、容器本体の開口部内に蓋体を引き込んでいくので、容器本体の開口部に蓋体を適切に嵌め入れることが可能になる。
【0029】
さらに、本発明の第2の発明によれば、施錠機構による施錠を安定させ、容器本体、蓋体、施錠機構の変形や損傷のおそれを排除することができ、しかも、進退動体とは別の施錠体や案内補強体を省略して構成の簡素化や部品点数の削減等を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に係る基板収納容器の実施形態を模式的に示す全体斜視説明図である。
【図2】本発明に係る基板収納容器の実施形態を模式的に示す正面説明図である。
【図3】図2のIII‐III線断面図である。
【図4】本発明に係る基板収納容器の実施形態における蓋体の蓋本体を模式的に示す斜視説明図である。
【図5】本発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構を模式的に示す斜視説明図である。
【図6】本発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構を模式的に示す正面説明図である。
【図7】本発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構を模式的に示す側面説明図である。
【図8】本発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構の回転操作リールと進退動リンクの末端部とを模式的に示す部分斜視図である。
【図9】本発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構の回転操作リールを模式的に示す斜視説明図である。
【図10】本発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構の進退動リンクを模式的に示す斜視説明図である。
【図11】本発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構の施錠ラッチを模式的に示す斜視説明図である。
【図12】本発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構の案内補強ブロックを模式的に示す斜視説明図である。
【図13】本発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構の案内補強ブロックの内部を模式的に示す斜視説明図である。
【図14】本発明に係る基板収納容器の実施形態における蓋本体からカバープレートを取り外した施錠機構の解錠状態を模式的に示す正面説明図である。
【図15】本発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構の解錠状態を模式的に示す部分断面説明図である。
【図16】本発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構の回転操作リールを施錠方向に回転操作し始めた状態を模式的に示す正面説明図である。
【図17】本発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構の回転操作リールを施錠方向に回転操作し始めた状態を模式的に示す部分断面説明図である。
【図18】本発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構の施錠状態を模式的に示す正面説明図である。
【図19】本発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構の施錠状態を模式的に示す部分断面説明図である。
【図20】本発明の第2の発明に係る基板収納容器の実施形態における蓋本体と施錠機構とを模式的に示す斜視説明図である。
【図21】本発明の第2の発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構を模式的に示す斜視説明図である。
【図22】本発明の第2の発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構の施錠前の状態を模式的に示す部分断面説明図である。
【図23】本発明の第2の発明に係る基板収納容器の実施形態における施錠機構の施錠後の状態を模式的に示す部分断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の第1の発明の実施形態を説明すると、本実施形態における基板収納容器は、図1ないし図19に示すように、複数枚の半導体ウェーハを整列収納可能な容器本体1と、この容器本体1の開口した正面5にシール状態に嵌合される蓋体10と、容器本体1の正面5に嵌合された蓋体10を施錠する施錠機構30とを備え、施錠機構30の施錠時に、回転操作リール31が施錠方向に回転して進退動リンク38を蓋体10の周壁方向に進出させ、施錠ラッチ45が案内補強ブロック51に案内されながら蓋体10から容器本体1の施錠穴7内に直線的に進入し、この施錠ラッチ45が案内補強ブロック51に案内されながら蓋体10の厚さ方向に揺動して施錠穴7の正面側壁面8に接触する。
【0032】
半導体ウェーハとしては、特に限定されるものではないが、例えばメモリ容量の拡大、半導体部品に形成される最小加工線幅の縮小に伴うチップサイズの小型化、生産性向上の観点から、φ450mmの薄く脆く反りやすいシリコンウェーハが使用される。
【0033】
容器本体1と蓋体10とは、所定の樹脂を含有する成形材料により複数の部品がそれぞれ射出成形され、この複数の部品の組み合わせで構成される。この成形材料の所定の樹脂としては、例えばポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマーといった熱可塑性樹脂やこれらのアロイ等があげられる。これらの熱可塑性樹脂には、導電性を確保したい場合には、カーボン繊維、カーボンパウダー、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー等の導電物質が添加される。
【0034】
容器本体1は、図1ないし図3に示すように、正面5が横長に開口したフロントオープンボックスタイプに成形され、開口した正面5を水平横方向に向けた状態で半導体加工装置に付属の蓋体開閉装置上に位置決めして搭載されたり、洗浄槽の洗浄液により洗浄される。この容器本体1は、その内部両側、換言すれば、両側壁9の内面に、半導体ウェーハを略水平に支持する左右一対の支持片2がそれぞれ対設され、この左右一対の支持片2が上下方向に所定のピッチで配列されており、各支持片2が半導体ウェーハの周縁側部を支持する細長い板形に形成される。
【0035】
容器本体1の底板の前部両側と後部中央とには、容器本体1を位置決めする位置決め具がそれぞれ配設される。また、容器本体1の底板には、別体のボトムプレート3が螺子具を介して水平に螺着され、このボトムプレート3から複数の位置決め具がそれぞれ露出する。容器本体1の天板の中央部には、工場の天井搬送機構に把持される搬送用のトップフランジ4が着脱自在に装着される。
【0036】
容器本体1の正面5の周縁部は、外方向に屈曲して張り出すリムフランジ6に保持リブを介し膨出形成され、このリムフランジ6内に着脱自在の蓋体10が蓋体開閉装置により圧入して嵌合される。この容器本体1の正面5内周、換言すれば、リムフランジ6内周面の上下の両側には、施錠機構30用の施錠穴7がそれぞれ凹み形成され、各施錠穴7が矩形に区画形成されてその外部に最も近接する壁面が正面側壁面8とされる。
【0037】
容器本体1の両側壁9の内面後部、具体的には、支持片2の後部付近に位置する箇所は、容器本体1の正面5に蓋体10が嵌合されると、支持片2の表面から浮上した半導体ウェーハの周縁両側部に接触し、半導体ウェーハの位置を有効に規制してガタッキを防止する。
【0038】
蓋体10は、図1ないし図4に示すように、容器本体1の開口した正面5に嵌合される正面矩形の蓋本体11と、この蓋本体11の開口した正面に螺子等で覆着される別体のカバープレート19とを備えて構成される。蓋本体11は、断面略皿形に形成されてその四隅部が丸く面取りされ、内部の両側に、施錠機構30が配置されるとともに、この施錠機構30用の収納包囲壁12が区画形成される。
【0039】
収納包囲壁12は、蓋本体11の内部両側中央にそれぞれ対設されて間隔をおいて相対向する左右一対の円弧リブ13と、この一対の円弧リブ13の端部から蓋体10の周壁方向にそれぞれ直線的に伸長する左右一対の直線リブ14とから形成される。一対の円弧リブ13間には、分割構造の支持リブ15と左右一対の位置合わせブロック16とがそれぞれ配設され、支持リブ15の左右両側に位置合わせブロック16がそれぞれ間隔をおいて配設される(図6参照)。
【0040】
一対の直線リブ14間の長手方向には、複数のガイドボス17が間隔をおいて配設される。各ガイドボス17は、略円柱形に形成され、摩擦低減用の回転可能なローラ等が選択的に嵌合される。
【0041】
蓋本体11の周壁上下の両側には、容器本体1の施錠穴7に対向する出没孔18がそれぞれ穿孔され、各出没孔18が一対の直線リブ14間の開口端部と連通する。また、蓋本体11の裏面には、容器本体1に収納された半導体ウェーハの周縁前部を弾性片で弾発的に圧接挟持するフロントリテーナが装着され、蓋本体11の裏面周縁部には、容器本体1の正面5内周に圧接して変形する枠形のガスケットが密嵌される。このガスケットは、例えば耐候性、電気絶縁性、圧縮特性等に優れるポリエステル系、ポリスチレン系、ポリオレフィン系の熱可塑性エラストマー等を用いて成形される。
【0042】
カバープレート19は、四隅部が丸く面取りされた正面略矩形に形成され、両側の中央付近に、施錠機構30の回転操作リール31用の自動操作孔20と上下一対の手動操作孔21とがそれぞれ穿孔される。自動操作孔20は正面矩形に形成されて上下一対の手動操作孔21の間に位置し、各手動操作孔21は展開した正面略扇形に形成される。
【0043】
なお、蓋本体11の内部とカバープレート19裏面のいずれか一方には図2に示すように、蓋体10の強度を向上させる選択的な補強リブ22が縦横に伸長形成される。この場合の補強リブ22は、収納包囲壁12にバーを組み合わせた構造に構成されたり、収納包囲壁12と略同様の構成の収納包囲壁にバーを組み合わせた構造に構成されたり、あるいは太いバーに成形される。
【0044】
施錠機構30は、図2、図5ないし図7等に示すように、蓋体10の収納包囲壁12に支持されて外部からの操作で回転する左右一対の回転操作リール31と、各回転操作リール31の回転により蓋体10の上下方向に進退動する複数の進退動リンク38と、各進退動リンク38の進退動により容器本体1の正面5内周の施錠穴7に接離する複数の施錠ラッチ45と、各進退動リンク38の先端部と施錠ラッチ45とに装着されて施錠ラッチ45の動作を規制する複数の案内補強ブロック51とを備え、SEMI規格から外れることのないよう構成される。この施錠機構30は、例えばポリブチレンテレフタレートやポリアセタール等を使用して成形される。
【0045】
各回転操作リール31は、図5、図6、図8、図9等に示すように、収納包囲壁12の円弧リブ13に隙間を介し包囲されてカバープレート19の自動操作孔20から操作される回転可能なキースロット32を備え、このキースロット32の周縁部の一部には、進退動リンク38の末端部に連結される一対のカム溝部33が偏心して対設されており、キースロット32の周縁部の残部には、カバープレート19の手動操作孔21から指で操作される中空の手動操作部34が一対対設される。
【0046】
キースロット32は、例えば収納包囲壁12内の支持リブ15に回転可能に嵌合支持される断面略U字の筒形に形成され、表面に細長いキー溝35が凹み形成されており、このキー溝35にカバープレート19の自動操作孔20を貫通した蓋体開閉装置の操作キーが挿入される。
【0047】
各カム溝部33は、略円弧形に湾曲形成され、内周側付近には、進退動リンク38用の変形防止リブ36が表裏方向に一体形成される。このカム溝部33の外周側には、収納包囲壁12内の位置合わせブロック16に干渉する可撓性の干渉片37が屈曲して一体形成され、この干渉片37が位置合わせブロック16の溝に嵌合することにより、回転操作リール31の必要以上の過剰な回転が規制される。また、変形防止リブ36は、キースロット32の高さ方向に向けて一体形成され、少なくともカム溝部33の変形を抑制防止するよう機能する。
【0048】
各進退動リンク38は、図5ないし図8、図10等に示すように、収納包囲壁12の一対の直線リブ14に隙間を介し挟まれて蓋体10の中央部付近から周壁方向に指向する長い矩形のプレートに形成され、長手方向の中心線上に複数の長孔39が間隔をおいて穿孔されており、各長孔39が収納包囲壁12のガイドボス17にスライド可能に遊嵌されて移動量を規制する。これら長孔39とガイドボス17との間には、擦れや抵抗を低減するローラ、ベアリング等が選択的に介在される。
【0049】
進退動リンク38の凹凸の先端部の両側には、略L字形の受け爪40がそれぞれ突出形成され、進退動リンク38の先端部寄りの両側面には、長手方向に伸びる略L字形の区画片41がそれぞれ一体形成されており、これら複数の受け爪40と区画片41の先端部とが施錠ラッチ45用の支持溝42を区画形成する。進退動リンク38の先端部寄りの側面と区画片41との間には、案内補強ブロック51用の案内溝43が長手方向に区画形成される。
【0050】
進退動リンク38の窄んだ末端部には、円筒形の連結ピン44が突出形成され、この連結ピン44が回転操作リール31のカム溝部33に裏面側からスライド可能に嵌入して回転操作リール31の回転運動を直線運動に変換するよう機能する。この連結ピン44の周面は、カム溝部33の変形防止リブ36に摺接し、施錠時に施錠ラッチ45に作用する荷重を変形防止リブ36に伝達する(図8参照)。この伝達により、カム溝部33の変形防止リブ36は、施錠時の進退動リンク38の撓みを防止することとなる。
【0051】
各施錠ラッチ45は、図5ないし図7、図11等に示すように、断面略L字形に屈曲したプレートに形成され、凹凸の裏面側の屈曲部付近に進退動リンク38の支持溝42に回転可能に嵌合支持される支持軸46が一体形成されており、蓋体10の出没孔18から直線的に出没し、かつ容器本体1の施錠穴7に揺動して圧接する。
【0052】
施錠ラッチ45の一方の屈曲辺47の先端部は略円柱形に湾曲形成され、この先端部の両側には、案内補強ブロック51用の第一の凸部48がそれぞれ円柱形に一体形成されており、他方の屈曲辺49の両側面には、案内補強ブロック51用の第二の凸部50がそれぞれ円柱形に突出形成される。施錠ラッチ45の一対の屈曲辺47・49のうち、一方の屈曲辺47は案内補強ブロック51内にスライド可能に摺接し、他方の先細りの屈曲辺49は案内補強ブロック51の前部から飛び出して容器本体1の施錠穴7内に突出し、圧接する(図6、図7参照)。
【0053】
このような施錠ラッチ45は、施錠機構30の施錠時には、進退動リンク38の進出に伴い案内補強ブロック51の後方から前方に進出し、この進出が規制された時点で揺動可能な状態(図6、図7参照)となり、施錠機構30の解錠時には、進退動リンク38の後退に伴い揺動し、元の位置に揺動復帰した時点で案内補強ブロック51の前方から後方に後退する。
【0054】
各案内補強ブロック51は、図5ないし図7、図12、図13等に示すように、平坦な底板52の両側部に側壁57がそれぞれ配設された断面略U字形に形成されるとともに、底板52に施錠ラッチ45用の複数の位置決め弾性部材54が左右方向に並設され、進退動リンク38の先端部と施錠ラッチ45とにそれぞれスライド可能に嵌合されており、一対の直線リブ14の端部間に挟まれて蓋体10の出没孔18付近に位置し、かつ蓋体10のカバープレート19に接触する。
【0055】
底板52の内面前方には、断面略半円筒形の揺動許容溝53が左右方向に形成され、この揺動許容溝53に位置決め弾性部材54を乗り越えた施錠ラッチ45の一方の屈曲辺47の先端部が嵌合して回転可能となる。各位置決め弾性部材54は、例えば底板52の一部を細長く切り欠いた弾性変形可能な板バネやエラストマ一等からなり、底板52の中央から後方にかけて設けられて揺動許容溝53に隣接し、揺動許容構53に嵌合した一方の屈曲辺47の先端部を位置決めし、一方の屈曲辺47の先端部を中心に施錠ラッチ45が揺動するのを許容する。
【0056】
底板52の後部両側には、略L字形の伸長片55がそれぞれ屈曲形成され、各伸長片55が区画片41の末端部付近に接離可能に係止する。この伸長片55の屈曲部付近には、蓋体10の蓋本体11に弾性的に係止するための係止用の切り欠き56が選択的に形成される。
【0057】
案内補強ブロック51の両側壁57には、施錠ラッチ45の第一の凸部48にスライド可能に遊嵌するスライド溝58がそれぞれ前後方向に穿孔され、両側壁57の表面には、施錠ラッチ45の第二の凸部50がそれぞれスライド可能に支持される。各スライド溝58は、案内補強ブロック51の前後方向に伸長する小判形に形成され、先端部が底板52の揺動許容溝53の端と一体化して拡径に形成されており、この先端部に施錠ラッチ45の第一の凸部48が接触することにより、施錠ラッチ45の直線的なスライドが規制され、かつ施錠ラッチ45が蓋体10の厚さ方向にはじめて揺動可能な状態となる。
【0058】
案内補強ブロック51の両側壁57の前部間には、底板52の揺動許容溝53に隣接して施錠ラッチ45の過剰なスライドを規制する前部壁59が側壁57よりも低く架設され、各側壁57の外面には、進退動リンク38の区画片41に摺接する板形の受けフランジ60が突出形成されており、各側壁57の後部には伸長片55が一体化される。
【0059】
このような案内補強ブロック51は、施錠機構30の施錠時には、進退動リンク38の進出に伴い、進退動リンク38の先端部に相対的に接近し、施錠機構30の解錠時には、進退動リンク38の後退に伴い、進退動リンク38の先端部から相対的に離隔する。
【0060】
上記構成において、容器本体1の開口した正面5に蓋体10を嵌合して施錠機構30で施錠する場合には、容器本体1の正面5内に蓋体10を浅く嵌入してカバープレート19側を外部にやや食み出させ、その後、蓋体10の各自動操作孔20に蓋体開閉装置の操作キーを挿通し、施錠機構30の各回転操作リール31の横方向を指向するキー溝35に蓋体開閉装置の操作キーを挿入して反時計方向、すなわち施錠方向に徐々に回転させる(図16、図17参照)。
【0061】
すると、施錠機構30の各回転操作リール31が施錠方向に徐々に回転して進退動リンク38を蓋体10の周壁方向に進出させ、各進退動リンク38の先端部と案内補強ブロック51とが相互に接近して施錠ラッチ45が蓋体10の周壁方向に相対的に進出し、蓋体10の出没孔18から各施錠ラッチ45の他方の屈曲辺49が突出して容器本体1の施錠穴7内に直線的に突出する(図16、図17参照)。
【0062】
この際、施錠ラッチ45は、案内補強ブロック51のスライド溝58や両側壁57の表面に直線的に案内され、案内補強ブロック51の底板52内面や複数の位置決め弾性部材54に一方の屈曲辺47が摺接し、案内補強ブロック51の前部壁59方向に相対的に進出する。したがって、施錠ラッチ45は、蓋体10の厚さ方向に対する揺動が規制された状態で直線的にスライドする。
【0063】
容器本体1の施錠穴7内に施錠ラッチ45の他方の屈曲辺49が直線的に突出し、施錠ラッチ45の一方の屈曲辺47が位置決め弾性部材54を乗り越えて揺動許容構53に嵌合し、施錠ラッチ45がはじめて揺動可能な状態になると、施錠ラッチ45の直線的なスライドが規制され、施錠ラッチ45がその一方の屈曲辺47の先端部を中心に弧を描きながら蓋体10の厚さ方向に揺動する。
【0064】
すると、施錠穴7を区画する正面側壁面8に施錠ラッチ45の他方の屈曲辺49が揺動接触し、容器本体1の正面5内に蓋体10が次第に引き込まれ、施錠穴7に施錠ラッチ45が最終的に強く嵌入係止して蓋体10を完全に密嵌することにより、容器本体1の正面5に蓋体10を嵌合して施錠機構30で施錠することができる(図18、図19参照)。
【0065】
この際、施錠ラッチ45の他方の屈曲辺49に強い荷重が作用するが、回転操作リール31と施錠ラッチ45とが進退動リンク38を介して相互に突っ張り、蓋体10の高さ方向に反力が作用することになるので、蓋体10の厚さ方向の変形が有効に防止される。
【0066】
また、施錠ラッチ45の他方の屈曲辺49に強い荷重が作用すると、進退動リンク38が蓋体10の厚さ方向に弓なりに反るおそれがあるが、回転操作リール31の変形防止リブ36が施錠ラッチ45に作用する強い荷重や連結ピン44に生じる応力を受けるので、回転操作リール31から施錠ラッチ45にかけて荷重を直線的に作用させることができる。したがって、進退動リンク38が蓋体10の厚さ方向に弓なりに反ることがない。
【0067】
次に、施錠した施錠機構30を解錠して容器本体1の正面5に嵌合した蓋体10を取り外す場合には、蓋体10の各自動操作孔20に蓋体開閉装置の操作キーを挿通し、各回転操作リール31の縦方向を指向するキー溝35に蓋体開閉装置の操作キーを挿入して時計方向、すなわち解錠方向に徐々に回転させる。
【0068】
すると、施錠機構30の各回転操作リール31が解錠方向に徐々に回転して進退動リンク38を元の位置に後退させ、各進退動リンク38の先端部と案内補強ブロック51とが相互に離隔して施錠ラッチ45が元の位置に相対的に後退し、施錠穴7の正面側壁面8から施錠ラッチ45の他方の屈曲辺49が揺動して離れる。この際、施錠ラッチ45の一方の屈曲辺47は、位置決め弾性部材54の端部に干渉されるので、位置ずれすることなく、底板52の揺動許容溝53に嵌合した状態で揺動する。
【0069】
施錠穴7の正面側壁面8から施錠ラッチ45の他方の屈曲辺49が離れて蓋体10の厚さ方向の元の位置に揺動復帰すると、施錠ラッチ45の一方の屈曲辺47が揺動許容溝53から位置決め弾性部材54を乗り越えて底板52の後方にスライドし、直立した施錠ラッチ45の他方の屈曲辺49が容器本体1の施錠穴7から蓋体10の出没孔18内に直線的に後退することにより、容器本体1の正面5に嵌合した蓋体10が取り外し可能な状態となる。
【0070】
上記構成によれば、施錠ラッチ45の突出と揺動とが同時ではなく、容器本体1の施錠穴7内に施錠ラッチ45を十分に進入させた後、施錠穴7の正面側壁面8に施錠ラッチ45の他方の屈曲辺49をはじめて接触させて容器本体1の正面5内に蓋体10を次第に引き込んでいくので、施錠穴7に対する施錠ラッチ45の接触力が従来よりも増大して蓋体10を十分に引き込むことができ、施錠機構30による施錠を安定させ、容器本体1の施錠穴7や施錠機構30の施錠ラッチ45が損傷するのを有効に防止することができる。特に、容器本体1のリムフランジ6が外方向に広がって損傷するのを有効に防止することができる。
【0071】
また、蓋体10を十分に引き込むことができるので、容器本体1にフロントリテーナの反力を受ける蓋体10を高精度に嵌合することができる。また、蓋体10の出没孔18近傍に施錠ラッチ45と案内補強ブロック51とが存在するので、蓋体10の出没孔18付近の強度を確保することができ、例え施錠時に大きな施錠力が作用しても、蓋体10や施錠機構30の進退動リンク38が変形するおそれを排除することができる。したがって、施錠機構30の安全確実な動作が大いに期待できる。
【0072】
さらに、施錠ラッチ45等を従来よりも長く伸長形成する必要がなく、小さく短く成形して剛性を確保することができるので、例え施錠時に大きな施錠力が作用しても、進退動リンク38や施錠ラッチ45が変形しやすくなるおそれがない。したがって、施錠ラッチ45等を肉厚に形成して変形防止を図る必要がなく、施錠ラッチ45の引き込みストローク量の低下を招くのを防止することが可能になる。
【0073】
次に、図20ないし図23は本発明の本発明の第2の発明の実施形態を示すもので、この場合には、蓋体10に、進退動リンク38用の傾斜突起23と球面突起26とをそれぞれ複数形成し、施錠機構30を、蓋体10の収納包囲壁12に支持されて外部からの操作で回転する左右一対の回転操作リール31と、各回転操作リール31の回転により蓋体10の上下方向に進退動する複数の進退動リンク38とから構成して進退動リンク38と施錠ラッチ45Aとを一体化し、各進退動リンク38に、蓋体10の傾斜突起23や球面突起26に干渉する第一、第二のカム突起62・63をそれぞれ形成して案内補強ブロック51を省略するようにしている。
【0074】
各傾斜突起23は、図22や図23に示すように、底の浅い断面略凹字形に形成されて蓋体10のカバープレート19裏面に一体化され、蓋本体11の内部方向に突出して進退動リンク38の末端部寄りに位置する。この傾斜突起23の平坦に凹んだ表面24を区画する上下一対の対向壁のうち、カバープレート19の周縁部側に位置する対向壁は蓋本体11方向に向かうにしたがい徐々に狭まる先細りの傾斜面25に形成され、この傾斜面25が進退動リンク38を蓋体10の厚さ方向に揺動させるよう機能する。
【0075】
各球面突起26は、先端が球面の略丸ピン形に形成されてカバープレート19の裏面に一体化され、蓋本体11の内部方向に突出する。この球面突起26は、蓋本体11の出没孔18や進退動リンク38の先端部近傍に位置し、進退動リンク38の先端部近傍に対向する。球面突起26の近傍には、進退動リンク38の第二のカム突起63に干渉して上下方向への位置ずれを防止する位置ずれ防止片27が間隔をおき隣接して突出形成される。
【0076】
施錠機構30の各回転操作リール31は、図20や図21に示すように、基本的には上記第1の発明の実施形態と略同様に構成され、対向する一対のカム溝部33がそれぞれ略円弧形に湾曲形成されており、各カム溝部33の内周側あるいは外周側付近には、進退動リンク38用の変形防止リブ36が略円弧形に湾曲形成される。
【0077】
各進退動リンク38は、図20ないし図23に示すように、収納包囲壁12の一対の直線リブ14に隙間を介し挟まれて蓋体10の中央部付近から周壁方向に指向する長い矩形のプレートに形成され、蓋本体11に対向する対向面に補強用の格子リブ61が形成されており、カバープレート19の裏面に対向する対向面の長手方向には第一、第二のカム突起62・63が間隔をおいてそれぞれ形成される。
【0078】
進退動リンク38は、先端部から末端部に向かうにしたがい徐々に薄肉となるよう形成され、先端部が他の部分よりも薄肉に形成されて施錠ラッチ45Aを構成し、この先端部が施錠ラッチ45Aとして蓋体10の出没孔18から直線的に出没し、かつ容器本体1の施錠穴7内に圧接する。
【0079】
進退動リンク38の窄んだ末端部には、円筒形の連結ピン44が突出形成され、この連結ピン44が回転操作リール31のカム溝部33にスライド可能に嵌入して回転操作リール31の回転運動を直線運動に変換するよう機能する。この連結ピン44の周面は、カム溝部33の変形防止リブ36に摺接し、施錠時に施錠ラッチ45Aに作用する荷重を変形防止リブ36に伝達する。
【0080】
第一のカム突起62は、各進退動リンク38の末端部寄りに断面略三角形に一体形成され、カバープレート19の傾斜突起23に干渉する。この第一のカム突起62は、施錠機構30の施錠時には、傾斜突起23の傾斜面25に摺接して進退動リンク38の末端部を蓋本体11方向に僅かに傾ける(図23参照)とともに、容器本体1の施錠穴7内に施錠ラッチ45Aを突出させ、施錠機構30の解錠時には、傾斜突起23の凹んだ表面24内に摺接復帰して蓋本体11方向に傾いた進退動リンク38の末端部を元の位置に復帰させ、かつ施錠穴7から施錠ラッチ45Aを離隔させる(図22参照)。
【0081】
第二のカム突起63は、各進退動リンク38の先端部寄りに先細りの断面略多角形に一体形成され、カバープレート19の球面突起26に干渉する。この第二のカム突起63は、施錠機構30の施錠時には、球面突起26を跨いでそのカバープレート19周縁部側の周面に接触することにより施錠穴7を区画する正面側壁面8に施錠ラッチ45Aを揺動接触(図23参照)させ、施錠機構30の解錠時には、接触していた球面突起26の周面から先端に対向復帰して施錠穴7の正面側壁面8から施錠ラッチ45Aを離隔させるよう機能する(図22参照)。
【0082】
上記構成において、容器本体1の開口した正面5に蓋体10を嵌合して施錠機構30で施錠する場合には、容器本体1の正面5内に蓋体10を嵌入してカバープレート19側を外部にやや食み出させ、その後、蓋体10の各自動操作孔20に蓋体開閉装置の振作キーを挿通し、施錠機構30の各回転操作リール31の横方向を指向するキー溝35に蓋体開閉装置の操作キーを挿入して反時計方向、すなわち施錠方向に徐々に回転させる。
【0083】
すると、施錠機構30の各回転操作リール31が施錠方向に徐々に回転して進退動リンク38を蓋体10の周壁方向に進出させ、各進退動リンク38の先端部である施錠ラッチ45Aが蓋体10周壁方向に進出し、蓋体10の出没孔18から各施錠ラッチ45Aが突出して容器本体1の施錠穴7内に突出する。
【0084】
この際、傾斜突起23の凹んだ表面24から傾斜面25に第一のカム突起62が摺接して進退動リンク38の末端部を蓋本体11方向に徐々に傾け、球面突起26の先端に対向していた第二のカム突起63が球面突起26を通過して位置ずれ防止片27に干渉し、進退動リンク38の先端部側がカバープレート19方向に僅かに傾斜する。
【0085】
球面突起26を第二のカム突起63が跨いで位置ずれ防止片27に干渉すると、進退動リンク38の蓋体10厚さ方向への揺動が規制され、施錠穴7の正面側壁面8に施錠ラッチ45Aが接触し、容器本体1の正面5内に蓋体10が次第に引き込まれ、施錠穴7に施錠ラッチ45Aが最終的に強く嵌入係止して蓋体10を完全に密嵌することにより、容器本体1の正面5に蓋体10を嵌合して施錠機構30で施錠することができる。
【0086】
この際、施錠ラッチ45Aに強い荷重が作用し、進退動リンク38が蓋体10の厚さ方向に弓なりに反るおそれがあるが、回転操作リール31の変形防止リブ36が施錠ラッチ45Aに作用する強い荷重や連結ピン44に生じる応力を受けるので、回転操作リール31から施錠ラッチ45Aにかけて荷重を直線的に作用させることができる。したがって、進退動リンク38が蓋体10の厚さ方向に弓なりに反ることがない。
【0087】
次に、施錠した施錠機構30を解錠して容器本体1の正面5に嵌合した蓋体10を取り外す場合には、蓋体10の各自動操作孔20に蓋体開閉装置の操作キーを挿通し、各回転操作リール31の縦方向を指向するキー溝35に蓋体開閉装置の操作キーを挿入して時計方向、すなわち解錠方向に徐々に回転させる。
【0088】
すると、施錠機構30の各回転操作リール31が解錠方向に徐々に回転して進退動リンク38を元の位置に後退させ、施錠穴7の正面側壁面8から施錠ラッチ45Aが離れる。
この際、傾斜突起23の傾斜面25から凹んだ表面24に第一のカム突起62が摺接して進退動リンク38の末端部をカバープレート19方向に徐々に傾け、球面突起26を跨いでいた第二のカム突起63が球面突起26の先端に復帰して進退動リンク38の先端部側を蓋本体11方向に徐々に傾斜させる。
【0089】
施錠穴7の正面側壁面8から施錠ラッチ45Aが離れると、この施錠ラッチ45Aが容器本体1の施錠穴7から蓋体10の出没孔18内に後退し、容器本体1の正面5に嵌合した蓋体10が取り外し可能な状態となる。その他の部分については、上記第1の発明の実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0090】
本実施形態においても上記第1の発明の実施形態と同様の作用効果が期待でき、容器本体1の施錠穴7内に施錠ラッチ45Aを十分に進入させた後、施錠穴7の正面側壁面8に施錠ラッチ45Aをはじめて接触させて容器本体1の正面5内に蓋体10を引き込んでいくので、施錠穴7に対する施錠ラッチ45Aの接触力が従来よりも増大して蓋体10を十分に引き込むことができる。したがって、施錠機構30による施錠を安定させ、容器本体1の施錠穴7や施錠機構30の施錠ラッチ45Aが損傷するのを有効に防止することができるのは明らかである。
【0091】
また、蓋体10を十分に引き込むことができるので、容器本体1にフロントリテーナの反力を受ける蓋体10を高精度に嵌合することができる。また、蓋体10の出没孔18近傍に施錠ラッチ45Aが存在するので、蓋体10の出没孔18付近の強度を確保することができ、例え施錠時に大きな施錠力が作用しても、蓋体10や施錠機構30の進退動リンク38が変形するおそれを排除することが可能になる。したがって、施錠機構30の安全確実な動作が大いに期待できる。
【0092】
また、施錠ラッチ45Aを小さく短く成形して剛性を確保することができるので、例え施錠時に大きな施錠力が作用しても、進退動リンク38や施錠ラッチ45Aが変形しやすくなるおそれがない。したがって、施錠ラッチ45A等を肉厚に形成して変形防止を図る必要がなく、施錠ラッチ45Aの引き込みストローク量の低下を招くのを防止することが可能になる。さらに、別体の施錠ラッチ45や案内補強ブロック51を省略して構成の簡素化や部品点数の削減を図ることができる。
【0093】
なお、上記実施形態では蓋本体11の内部に施錠機構30用の収納包囲壁12を区画形成したが、カバープレート19の蓋本体11に対向する裏面に施錠機構30用の収納包囲壁12を区画形成したり、このカバープレート19の収納包囲壁12を補強リブ22と組み合わせても良い。
【0094】
また、上記実施形態では施錠機構30のカム溝部33に変形防止リブ36を一体成形したが、何らこれに限定されるものではない。例えば、変形防止リブ36に弾性を付与して基板収納容器の耐落下性を向上させても良い。また、回転操作リール31のカム溝部33は、貫通していても良いし、貫通していない凹部でも良い。また、キースロット32の周縁部の一部厚さ方向に、一対の手動操作部34を対設することができる。さらに、施錠ラッチ45の他方の屈曲辺49の先端部に、パーティクルの発生を低減するローラを回転可能に軸支させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明に係る基板収納容器は、半導体や液晶等の製造分野で使用することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 容器本体
5 正面(開口部)
6 リムフランジ
7 施錠穴
8 正面側壁面(壁面)
10 蓋体
11 蓋本体
12 収納包囲壁
13 円弧リブ
14 直線リブ
18 出没孔
19 カバープレート
23 傾斜突起
24 表面
25 傾斜面
26 球面突起(突起)
30 施錠機構
31 回転操作リール(回転操作体)
32 キースロット
33 カム溝部(第二係合部)
34 手動操作部
36 変形防止リブ(変形防止部)
38 進退動リンク(進退動体)
40 受け爪
41 区画片
42 支持溝
43 案内溝
44 連結ピン(凸部、第一係合部)
45 施錠ラッチ(施錠体)
45A 施錠ラッチ(施錠体)
46 支持軸
47 一方の屈曲辺
48 第一の凸部
49 他方の屈曲辺
50 第二の凸部
51 案内補強ブロック(案内補強体)
52 底板
53 揺動許容溝(回転許容凹部)
54 位置決め弾性部材
55 伸長片
57 側壁
62 第一のカム突起
63 第二のカム突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の開口部を閉鎖する蓋体と、この蓋体に設けられる施錠機構とを備えた基板収納容器であって、
施錠機構は、外部からの操作で回転可能な回転操作体と、この回転操作体に係合する第一係合部を備え、回転操作体の動きによって蓋体の内外方向に移動する進退動体とを有し、
回転操作体は、進退動体の第一係合部と係合する第二の係合部と、進退動体の回転操作体側の末端部と接触し、施錠機構が容器本体に蓋体を係止するときに進退動体の撓みを防止する変形防止部とを有することを特徴とする基板収納容器。
【請求項2】
施錠機構は、進退動体の進退動により容器本体の開口部内周の施錠穴に接離する蓋体の厚さ方向に回転可能な施錠体と、進退動体と施錠体とに取り付けられて施錠体の動作を規制する案内補強体とを含み、
施錠機構の施錠時には、回転操作体が施錠方向に回転して進退動体を蓋体の外方向に進出させ、施錠体が案内補強体に案内されながら蓋体から容器本体の施錠穴内に直線的に進入し、この容器本体の施錠穴内に進入した施錠体が案内補強体に案内されながら蓋体の厚さ方向に回転して施錠穴を区画する壁面に接触し、
施錠機構の解錠時には、回転操作体が解錠方向に回転して進退動体を蓋体の内方向に後退させ、施錠体が案内補強体に案内されながら蓋体の厚さ方向に回転復帰して施錠穴の壁面から離れ、この施錠穴の壁面から離れた施錠体が案内補強体に案内されながら容器本体の施錠穴内から蓋体に直線的に後退する請求項1記載の基板収納容器。
【請求項3】
蓋体は、容器本体の開口部に嵌め合わされる蓋本体と、この蓋本体の開口面を覆うカバープレートとを含み、蓋本体とカバープレートのいずれか一方には、施錠機構用の収納包囲壁を形成し、蓋本体を断面略皿形に形成してその内部には施錠機構を配置し、蓋本体の周壁には、施錠機構の施錠体用の出没孔を設けた請求項2記載の基板収納容器。
【請求項4】
施錠機構の回転操作体に、進退動体の進退動用のカム溝部を設け、このカム溝部の変形を変形防止部に防止させるようにし、
施錠機構の進退動体を、蓋体の中央部付近から周壁方向に指向するプレートに形成してその先端部には施錠体用の支持溝を形成し、プレートの先端部両側に案内補強体用の案内溝をそれぞれ形成し、プレートの末端部には回転操作体のカム溝部に嵌まる凸部を形成するとともに、この凸部とカム構部の変形防止部とを接触させ、
施錠体を断面略L字形に屈曲してその屈曲部付近には進退動体の支持溝に回転可能に支持される支持軸を形成し、施錠体の一方の屈曲辺を案内補強体内にスライド可能に内蔵するとともに、他方の屈曲辺を容器本体の施錠穴内に接離可能とし、施錠体の一方の屈曲辺の先端部両側に、案内補強体用の第一の凸部をそれぞれ形成し、他方の屈曲辺の両側部には、案内補強体用の第二の凸部をそれぞれ形成した請求項2又は3記載の基板収納容器。
【請求項5】
施錠機構の案内補強体を、施錠体と嵌合可能な断面略U字形に形成してその内部前方には施錠体の一方の屈曲辺の先端部と回転可能に嵌合する回転許容凹部を形成し、案内補強体の内部には、施錠体用の位置決め弾性部材を設けて回転許容凹部に隣接させ、案内補強体の後部両側に、進退動体の案内溝にスライド可能に嵌まる伸長片をそれぞれ形成し、案内補強体の両側壁には、施錠体の第一の凸部にスライド可能に嵌まるスライド溝をそれぞれ形成するとともに、施錠体の第二の凸部をそれぞれスライド可能に支持させた請求項4記載の基板収納容器。
【請求項6】
基板を収納可能な容器本体と、この容器本体の開口部に嵌め合わされる蓋体と、容器本体の開口部に嵌め合わされた蓋体を施錠する施錠機構とを備えた基板収納容器であって、
蓋体は、容器本体の開口部に嵌め合わされる蓋本体と、この蓋本体の開口面を覆うカバープレートとを含み、カバープレートに、施錠機構用の傾斜突起と突起とをそれぞれ形成し、
施錠機構は、蓋体に支持されて外部からの操作で回転する回転操作体と、この回転操作体の回転により蓋体の内外方向に進退動し、容器本体の開口部内周の施錠穴に先端部の施錠体を接離する進退動体とを含み、進退動体に、蓋体の傾斜突起に干渉して進退動体の末端部側を蓋体の厚さ方向に傾斜させる第一のカム突起を形成するとともに、蓋体の突起に干渉して進退動体の先端部側を蓋体の厚さ方向に傾斜させる第二のカム突起を形成し、
施錠機構の施錠時には、回転操作体が施錠方向に回転して進退動体を蓋体の外方向に進出させ、施錠体が蓋体から容器本体の施錠穴内に進入し、この容器本体の施錠穴内に進入する施錠体が蓋体の厚さ方向に傾斜して施錠穴を区画する壁面に接触し、
施錠機構の解錠時には、回転操作体が解錠方向に回転して進退動体を蓋体の内方向に後退させ、施錠体が蓋体の厚さ方向に復帰して施錠穴の壁面から離れ、この施錠穴の壁面から離れる施錠体が容器本体の施錠穴内から蓋体に後退することを特徴とする基板収納容器。
【請求項7】
施錠機構の回転操作体に、進退動体の進退動用のカム溝部を設けるとともに、このカム溝部の変形を防止する変形防止部を形成した請求項6記載の基板収納容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2013−4852(P2013−4852A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−136260(P2011−136260)
【出願日】平成23年6月20日(2011.6.20)
【出願人】(000140890)ミライアル株式会社 (74)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】