説明

基板接続用コネクタ、それを備える半導体装置用ソケット、ケーブル用コネクタ、および、ボードツーボードコネクタ

【課題】仮にプリント配線基板が反った場合であっても、電子装置とプリント配線基板との間を電気的に確実に接続することができるとともに、不所望な異方導電性シートの導電部の損傷を防止することができること。
【解決手段】プリント配線基板10上に固定される電極端子支持体14と、電極端子支持体14上に位置決めされ半導体装置DVが載置される異方導電性シート16とが、第1の補強板20と第2の補強板12との間に配された状態で、第1の補強板20および第2の補強板12が、電極端子支持体14、異方導電性シート16およびプリント配線基板10を介して小ネジ22により締結されるもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異方導電性シートを備えプリント配線基板上と関連した電子装置とプリント配線基板とを電気的に接続する基板接続用コネクタ、それを備える半導体装置用ソケット、ケーブル用コネクタ、および、ボードツーボードコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器などに実装される電子装置としての半導体装置において、一般に、実装される以前の段階でその潜在的欠陥を除去するための試験が半導体装置用ソケットを介してなされたり、半導体装置用ソケットを介して電子機器に実装される。このような試験、または、実装に供される半導体装置用ソケットは、一般に、ICソケットと称され、例えば、特許文献1にも示されるように、プリント配線基板(テストボード、または、実装基板)上に配される。
【0003】
半導体装置用ソケットが、比較的高周波数帯域、例えば、10Gbps以上の通信速度の差動信号等が伝送される伝送路内に設けられる場合、ICソケットにおいて比較的高周波数帯域の信号の伝送性能を高めるためにインピーダンス整合を図るとともに、コンタクト端子の可動端子部における接点部とその半田付け固定端子部の基端部との間の長さをより短くしインダクタンスを減少させることにより、比較的高周波数帯域の信号の伝送性能が高められることが知られている。また、コンタクト端子の半田付け固定端子部の基端部がプリント配線基板のコンタクトパッドに直接的に固定される場合、コンタクトパッドにおいて腐食防止用の金メッキを部分的に厚くすることが困難なので例えば、プリント配線基板のコンタクトパッドにおける金メッキの膜厚が比較的薄いとき、電気的接続における信頼性および耐久性が劣る場合がある。
【0004】
そこで、特許文献1および特許文献2にも示されるように、半導体装置用ソケット内に配される半導体装置が、プリント配線基板上に直接的にまたは間接的に配される異方導電性シートを介してプリント配線基板に電気的に接続されるものが提案されている。このように異方導電性シートが備えられる場合、半導体装置が、電気的に接続されるとき、異方導電性シート内に形成される導電部が、所定の圧力で押圧される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2904193号明細書
【特許文献2】特開2004−128156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、特許文献2にも示されるような、異方導電性シートを備える場合において、プリント配線基板が、その長さあたり約0.5%の反りが発生する場合がある。このような場合、例えば、長さ40mm角のプリント配線基板のとき、その反りが0.2mmとなるので異方導電性シートが所定の圧力で押圧されるとき、その導電部の適正な変位量が0.2mmである場合、プリント配線基板上に直接的に配される異方導電性シートもその反りにならって曲がるので導電部が傾き、従って、導電部は、所定の圧力で押圧されても、その場所によっては適正な変位量が得られず、その結果、半導体装置とプリント配線基板とが電気的に接続されない虞がある。
【0007】
また、特許文献1における図3に示されるように、異方導電性シートの導電部の端面が直接的に電極端子の頭部に当接される場合、仮に異方導電性シートの導電部の電極端子の頭部に対する相対位置が、互いに共通の中心軸線上からずれた場合、金属製の電極端子の頭部の端がゴム製の導電部に当たり、ゴム製の導電部が裂ける虞がある。
【0008】
以上の問題点を考慮し、本発明は、異方導電性シートを備えプリント配線基板と関連した電子装置とプリント配線基板とを電気的に接続する基板接続用コネクタ、それを備える半導体装置用ソケット、ケーブル用コネクタ、および、ボードツーボードコネクタであって、仮にプリント配線基板が反った場合であっても、電子装置とプリント配線基板との間を電気的に確実に接続することができるとともに、不所望な異方導電性シートの導電部の損傷を防止することができる基板接続用コネクタ、それを備える半導体装置用ソケット、ケーブル用コネクタ、および、ボードツーボードコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的を達成するために、本発明に係る基板接続用コネクタは、電子装置が電気的に接続されるプリント配線基板上に配され、プリント配線基板の各導電層にそれぞれ、固定される複数の電極端子を有する電極端子支持体と、電極端子支持体上に位置決めされ、電極端子に対応して形成される複数の導電部を有する異方導電性シートと、異方導電性シートにおける複数の導電部、および、電極端子のうちの少なくとも一方を他方に対し押圧し保持する押圧部材と、電子装置、電極端子支持体および異方導電性シートが介在された状態で、押圧部材をプリント配線基板に対し固定する固定具と、を備え、異方導電性シートの導電部に当接される電極端子の頭部の直径が、異方導電性シートの導電部の直径よりも大に設定されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る半導体装置用ソケットは、半導体装置が電気的に接続されるプリント配線基板上に配され、プリント配線基板の各導電層にそれぞれ、固定される複数の電極端子を有する電極端子支持体と、電極端子支持体上に位置決めされ、電極端子に対応して形成される複数の導電部を有する異方導電性シートと、異方導電性シートにおける複数の導電部、および、電極端子のうちの少なくとも一方を他方に対し押圧し保持する押圧部材と、半導体装置、電極端子支持体および異方導電性シートが介在された状態で、押圧部材をプリント配線基板に対し固定する固定具と、を備え、異方導電性シートの導電部に当接される電極端子の頭部の直径が、異方導電性シートの導電部の直径よりも大に設定されていることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明に係るケーブル用コネクタは、ケーブルの一端が電気的に接続されるプリント配線基板上に配され、プリント配線基板の各導電層にそれぞれ、固定される複数の電極端子を有する電極端子支持体と、電極端子支持体上に位置決めされ、電極端子に対応して形成される複数の導電部を有する異方導電性シートと、異方導電性シートにおける複数の導電部、および、電極端子のうちの少なくとも一方を他方に対し押圧し保持する押圧部材と、ケーブルの一端、電極端子支持体および異方導電性シートが介在された状態で、押圧部材をプリント配線基板に対し固定する固定具と、を備え、異方導電性シートの導電部に当接される電極端子の頭部の直径が、異方導電性シートの導電部の直径よりも大に設定されていることを特徴とする。
【0012】
さらにまた、本発明に係るボードツーボードコネクタは、第1のプリント配線基板上に配され、第1のプリント配線基板の各導電層にそれぞれ、固定される複数の電極端子を有する第1の電極端子支持体と、第1のプリント配線基板に対向して配される第2のプリント配線基板上に配され、第2のプリント配線基板の各導電層にそれぞれ、固定される複数の電極端子を有する第2の電極端子支持体と、第1の電極端子支持体と第2の電極端子支持体との間に位置決めされ、電極端子に対応して形成される複数の導電部を有する異方導電性シートと、異方導電性シートにおける複数の導電部、および、電極端子のうちの少なくとも一方を他方に対し押圧し保持する一対の押圧部材と、第1および第2のプリント配線基板、第1および第2の電極端子支持体、異方導電性シートが介在された状態で、一対の押圧部材を第1および第2のプリント配線基板に対し固定する固定具と、を備え、異方導電性シートの導電部に当接される電極端子の頭部の直径が、異方導電性シートの導電部の直径よりも大に設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る基板接続用コネクタ、それを備える半導体装置用ソケット、ケーブル用コネクタ、および、ボードツーボードコネクタによれば、仮にプリント配線基板が反った場合であっても、電極端子支持体の剛性により基板の反りが抑制されるので電子装置とプリント配線基板との間を電気的に確実に接続することができるとともに、異方導電性シートの導電部に当接される電極端子の頭部の直径が、異方導電性シートの導電部の直径よりも大に設定されているので不所望な異方導電性シートの導電部の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る半導体装置用ソケットの一例の構成を示す部分断面図である。
【図2】本発明に係る半導体装置用ソケットの一例の外観を、プリント配線基板とともに示す斜視図である。
【図3】図2に示される例における構成要素を分解して示す分解斜視図である。
【図4】図2に示される例における組み立ての説明に供される斜視図である。
【図5】図2に示される例における組み立ての説明に供される斜視図である。
【図6】図2に示される例における組み立ての説明に供される斜視図である。
【図7】図2に示される例における組み立ての説明に供される斜視図である。
【図8A】図1に示される例における一部を拡大して示す部分断面図である。
【図8B】電極端子支持体および異方導電性シートの他の一例を示す部分断面図である。
【図9】図2に示される例における電極端子支持体の表面および電極端子の頭部の一部を拡大して示す斜視図である。
【図10A】図2に示される例における複数の電極端子を拡大して示す斜視図である。
【図10B】図2に示される例における電極端子を拡大して示す斜視図である。
【図11】本発明に係る半導体装置用ソケットの一例に用いられる電極端子支持体および電極端子の他の一例の一部を拡大して示す斜視図である。
【図12】図11に示される例における複数の電極端子を示す斜視図である。
【図13】図11に示される例における電極端子を、半田ボールを取り外した状態で示す斜視図である。
【図14】本発明に係る半導体装置用ソケットの一例に用いられる電極端子支持体および電極端子のさらなる他の一例を示す斜視図である。
【図15】図14に示される例における複数の電極端子を示す斜視図である。
【図16】図14に示される例における電極端子を、半田ボールを取り外した状態で示す斜視図である。
【図17】図16における側面図である。
【図18】本発明に係る半導体装置用ソケットの一例に用いられる電極端子支持体および電極端子のさらなる他の一例を示す斜視図である。
【図19】図18に示される例において、電極端子支持体の裏面側から見た斜視図である。
【図20】図18に示される例における一部を拡大して部分断面図である。
【図21】本発明に係る半導体装置用ソケットの一例に用いられる絶縁シートを、電極端子支持体、プリント配線基板、および、補強板とともに示す斜視図である。
【図22】本発明に係る半導体装置用ソケットの一例に用いられる補強板の他の一例を、電極端子支持体およびプリント配線基板とともに示す斜視図である。
【図23】本発明に係るボードツーボードコネクタの一例の構成要素を分解して示す分解斜視図である。
【図24】図23に示される例における部分断面図である。
【図25】図24に示される例における一部を拡大して示す部分断面図である。
【図26】本発明に係るケーブル用コネクタの一例の外観を示す斜視図である。
【図27】図26に示される例における構成要素を分解して示す分解斜視図である。
【図28】図26に示される例における一部を拡大して示す部分断面図である。
【図29】本発明に係る半導体装置用ソケットの変形例を示す部分断面図である。
【図30】図29に示される例における一部を拡大して示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図2は、本発明に係る基板接続用コネクタの一例が適用される半導体装置用ソケットの一例の外観を示す。
【0016】
図2において、半導体装置用ソケットは、プリント配線基板10上に配置されている。プリント配線基板10は、例えば、ガラスエポキシ樹脂で作られ、後述する電極端子24aiの配置に対応し格子状に形成される電極パッド10ei(i=1〜n,nは正の整数)からなる電極群10E(図3参照)を一方の表面部の略中央部に有している。その周囲には、小ねじ22が挿入される孔10aが4箇所に形成されている。
【0017】
半導体装置用ソケットは、プリント配線基板10上に配され電極端子24ai(i=1〜n,nは正の整数)を有する電極端子支持体14と、電極端子支持体14に対し位置決めされ載置される異方導電性シート16と、後述する異方導電性シート16の各導電部に対し装着される半導体装置DVの電極部を位置決めする位置決めプレート18と、装着された半導体装置DV、位置決めプレート18、異方導電性シート16、電極端子支持体14、および、プリント配線基板10を協働して狭持する第1の補強板20、および、第2の補強板12と、を主な要素として構成されている。
【0018】
半導体装置DVは、例えば、LGA型のパッケージ内に集積回路を備えるものとされる。
【0019】
異方導電性シート16は、格子状に形成される複数の導電部16Eaと、各導電部16Eaの周囲に形成される絶縁性基材16Ebと、からなる導電面形成部16Eと、導電面形成部16Eの周縁を取り囲む薄板金属材料、または、樹脂材料で作られたフレーム部材とから構成されている。導電面形成部16Eの導電部16Eaは、半導体装置DVの平坦な電極部および後述する電極端子支持体14の電極端子部にそれぞれ対応し、複合導電材料、例えば、シリコンゴムと金属粒子からなる異方性導電ゴムで作られている。異方性導電ゴムは、その厚み方向に導電性を有し平面に沿った方向には導電性を有しない材料である。また、異方性導電ゴムには、導電部16Eaが絶縁性を有するゴムの中に分散している分散タイプと、導電部が部分的に複数個偏在している偏在タイプとがあり、いずれのタイプが用いられても良い。導電部16Eaがこのような異方性導電ゴムで作られることにより半導体装置の各電極部とその導電部とが面接触により接続されるので接触不良が回避されるとともに半導体装置の電極部との接触による損傷が回避されることとなる。なお、導電部16Eaが、絶縁性ゴムと、導電性の線状体または繊維とにより作られても良い。導電部16Eaの先端部は、絶縁性基材16Ebの表面と共通の平面上に平坦面となるように形成されている。絶縁性基材16Ebは、例えば、シリコンゴムにより形成されている。
【0020】
なお、異方導電性シート16における導電部16Eaの先端部は、斯かる例に限られることなく、例えば、図8Bに誇張されて示されるように、異方導電性シート16´の導電部16´Eaの先端部が絶縁性基材16´Ebの表面からその厚み方向に所定量ΔHだけ突出して形成されるものであってもよい。異方導電性シート16´は、異方導電性シート16と同様に、格子状に形成される複数の導電部16´Eaと、各導電部16´Eaの周囲に形成される絶縁性基材16´Ebと、からなる導電面形成部16´Eと、導電面形成部16´Eの周縁を取り囲む薄板金属材料、または、樹脂材料で作られたフレーム部材とから構成されている。導電面形成部16´Eの導電部16´Eaは、半導体装置DVの平坦な電極部および電極端子支持体14の電極端子部にそれぞれ対応し、複合導電材料、例えば、シリコーンゴムと金属粒子からなる異方性導電ゴムで作られている。
【0021】
略正方形のフレーム部材は、後述される小ねじ22が挿入される孔16aが各隅に形成されている。また、一対の対向する辺における孔16a相互間の中央部には、後述する電極端子支持板14の位置決めピン14bが挿入される孔16bが、それぞれ、形成されている。
【0022】
上述の異方導電性シート16の外形寸法と同一の寸法を有する矩形状の位置決めプレート18は、その中央部に半導体装置DVが挿入される開口部18Hを有している。
【0023】
開口部18Hの周縁を形成する枠部における各隅には、小ねじ22が挿入される孔18aが形成されている。また、一対の対向する辺における孔18a相互間の中央部には、後述する電極端子支持板の位置決めピン14bが挿入される孔18bが、それぞれ、形成されている。
【0024】
電極端子支持体14は、図4に拡大されて示されるように、その中央部に複数の電極端子24ai(i=1〜n,nは正の整数)(図1参照)が格子状に配置されて形成される電極面部14Eと、電極面部14Eを取り囲む支持体部と、から構成されている。
【0025】
電極端子24aiは、例えば、銅合金でプレス成形され、図9および図10Bに拡大されて示されるように、支持体部に格子状に形成される孔14aiに嵌合される円盤状の頭部24Hと、頭部24Hに連なる円柱部24Bとから構成されている。
【0026】
電極端子24aiは、図10Aに部分的に拡大されて示されるように、所定の間隔をもって格子状に配置されている。なお、図10Aにおいては、上述の支持体部を取り除いた状態で示されている。
【0027】
電極端子24aiの頭部24Hは、図10Bに示されるように、上述の異方導電性シート16が電極端子支持体14の電極面部14Eに載置されるとき、上述の異方導電性シート16の導電部16Eaに当接する平坦な当接面24Haを有している。複数個の当接面24Haを含む共通の平面の平面度は、例えば、零を超え、異方導電性シートの導電部の変位量の約1/2以下の範囲とされる。その平面度とは、図8Aに示されるように、個々の当接面24Haの位置の共通の平面CPLに対する高低差における最大値と最小値との差をいう。
【0028】
頭部24Hの直径は、上述の異方導電性シート16の導電部16Eaの直径よりも大に設定されている。これにより、仮に導電部16Eaが頭部24Hに対し所定の範囲内で位置ずれが生じた場合であっても、異方導電性シート16の導電部16Eaが当接面24Haから外れることなく押圧されるので導電部16Eaが損傷する虞がない。
【0029】
なお、電極端子24aiの頭部24Hの直径が、導電部16Eaの直径と同一もしくは近傍であればあるほど、電気的特性(インピーダンス整合)が良いことが、本願の発明者により確認されている。
【0030】
円柱部24Bの外周部における中央部には、所定の間隔をもって、環状の突起部24na、および、24nbが形成されている。突起部24naおよび24nbは、それぞれ、後述する電極端子支持体14の孔14aiに連なる細孔14di(i=1〜n,nは正の整数)(図8A参照)に圧入され、係止される。
【0031】
円柱部24Bの下端部は、プリント配線基板10の電極パッド10eiに対しリフロー方式で半田付け固定される。これにより、図8Aに拡大されて示されるように、円柱部24Bの下端部には、はんだフィレット26が形成される。
【0032】
電極端子支持体14の支持体部は、例えば、LCPなどの樹脂材料で、上述の異方導電性シート16の外形寸法と同一の寸法を有する略正方形に成形されている。電極面部14Eを取り囲む支持体部における縁の各隅には、小ねじ22が挿入される孔14aが形成されている。相対向する辺における向かい合う孔14a相互間には、それぞれ、位置決めピン14bが設けられている。また、各孔14aの周縁部におけるプリント配線基板10に対向する面には、プリント配線基板10に当接する座面14S(図1参照)が形成されている。これにより、図8Aに拡大されて示されるように、支持体部の下面部とプリント配線基板10の表面との間に、座面14Sの高さに対応する隙間が形成されることとなる。
【0033】
電極面部14Eを形成する部分には、上述の孔14aiに連通する細孔14diが孔14aiの中心軸線と共通の軸線上に形成されている。細孔14diの直径は、孔14aiの直径に比して小に設定されている。これにより、電極端子24aiの頭部24Hが、好ましくは、孔14aiにおける細孔14diの開口端の周縁に係止される。これにより、電極端子24aiの頭部24Hの当接面24Haと孔14aiの周縁に形成される平坦な電極面部14Eとが共通の平面上に形成されることとなる。当接面24Haが電極面部14Eと共通の平面上に配置することにより、仮に導電部16Eaが頭部24Hに対し所定の範囲内で位置ずれが生じた場合であっても、導電部16Eaが当接面24Haと共通の平面上にある電極面部14Eに当接するため導電部16Eaが損傷する虞がないので、電極端子24aiの頭部24Hの直径が、導電部16Eaの直径と同一もしくは近傍に設定することが可能となる。従って、導電部16Eaが損傷する虞がなく、しかも、電気的特性を向上させることができる。
【0034】
細孔14diは、プリント配線基板10に向けて貫通している。隣接する孔14ai相互間は、隔壁により仕切られ、また、隣接する細孔14diもその隔壁に連なる部分により仕切られている。
【0035】
なお、電極端子支持体14の支持体部は、孔14aiを格子状に有しているが、斯かる例に限られることなく、例えば、図8Bに形成されるように、電極端子支持体14´は、そのような孔14aiを有することなく、電極端子24aiの突起部24naおよび24nbが、それぞれ、圧入され、係止される細孔14´di(i=1〜n,nは正の整数)をシート載置部14´Rbの底部に有するものでもよい。図8Bにおいては、図8Aに示される例における同一の構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0036】
このような構成の場合、電極端子24aiの頭部24Hが、シート載置部14´Rbの底面部から突出することとなる。また、隣接する電極端子24aiの頭部24Hは、異方導電性シート16´とシート載置部14´Rbの底面部との間の隙間において、所定の間隔をもって配置されることとなる。
【0037】
押圧部材として第1の補強板20は、位置決めプレート18の外形寸法と同一の外形寸法を有する正方形に形成されている。第1の補強板20は、相対向する平坦面を有するとともに、小ねじ22が挿入される孔20aを各角に有している。また、一対の対向する辺における孔20a相互間の中央部には、上述の位置決めピン14bが挿入される孔20bが、それぞれ、形成されている。さらに、第1の補強板20は、その中央部に、厚さ方向に貫通する矩形状の開口部20Hを有している。さらに、第2の補強板12は、相対向する平坦面を有するとともに、雌ねじ孔12aを各角に有している。各雌ねじ孔12aには、第1の補強板20、位置決めプレート18、異方導電性シート16、電極端子支持体14、および、プリント配線基板10の上述の各孔を介して小ねじ22が、ねじ込まれる。
【0038】
なお、本発明に係る半導体装置用ソケットの一例においては、相対向する2枚の補強板が設けられているが、斯かる例に限られることなく、例えば、プリント配線基板の板厚が比較的厚い場合、プリント配線基板に雌ねじ孔が形成され、第2の補強板が省略されてもよい。
【0039】
従って、本発明に係る基板接続用コネクタの一例は、異方導電性シート16、電極端子支持体14、第1の補強板20、および、固定具としての小ネジ22および雌ねじ孔により構成されることとなる。
【0040】
斯かる構成において、半導体装置用ソケットを組み立て、半導体装置DVをその内側に装着するにあたっては、図4に示されるように、先ず、電極端子支持体14の電極端子24aiが、リフロー半田付けでプリント配線基板10の電極パッド10eiに対し固定される。その際、電極端子支持体14は、その孔14aと孔10aとが一致するようにプリント配線基板10上に配置される。また、プリント配線基板10は、図7に示されるように、孔10aと、雌ねじ孔12aとが一致するように第2の補強板12上に載置される。
【0041】
次に、図5に示されるように、異方導電性シート16が、その孔16bに位置決めピン14bが嵌合されるように、電極端子支持体14上に載置される。これにより、異方導電性シート16の導電部16Eaが電極端子支持体14の電極端子24aiの頭部24Hに対し位置決めされる。その際、仮にプリント配線基板10が湾曲している場合であっても、図1に示されるように、電極端子支持体14がプリント配線基板10に固定されることにより、平坦な電極面部14Eが形成されているので異方導電性シート16が湾曲する虞がない。
【0042】
続いて、図6に示されるように、位置決めプレート18が、その孔18bに位置決めピン14bが嵌合されるように、異方導電性シート16上に載置される。これにより、孔18aが孔16aに一致することとなる。続いて、図6および図7に示されるように、半導体装置DVが位置決めプレート18の開口部18H内に挿入される。これにより、半導体装置DVのパッケージの外周部が、開口部18Hを形成する内周面に所定の隙間をもって嵌合することによって、半導体装置DVの電極部が、異方導電性シート16の各導電部16Eaに対し位置決めされる。
【0043】
そして、第1の補強板20が、半導体装置DVが装着された位置決めプレート18に載置された後、4本の小ねじ22により、第1の補強板20が、上述の位置決めプレート18、異方導電性シート16、電極端子支持体14、プリント配線基板10、第2の補強板12に対し締結される。その際、第1の補強板20の押圧面により、半導体装置DVの電極部が、異方導電性シート16の各導電部16Eaに対し所定量、押圧されることとなるので半導体装置DVの電極部が電極端子支持体14を介してプリント配線基板10の電極パッド10eiに電気的に接続されることとなる。
【0044】
一方、半導体装置DVを取り外すにあたっては、4本の小ねじ22が第2の補強板12の雌ねじ孔12aから取り外された後、第1の補強板20が位置決めプレート18に対し離隔され、半導体装置DVが位置決めプレート18の開口部18Hから取り出されることとなる。
【0045】
図11は、本発明に係る基板接続用コネクタの一例に用いられる電極端子支持体の他の一例における電極面部14´Eの一部を示す。図11において、電極面部14´Eには、複数の孔14´aiが所定の間隔で格子状に形成されている。各孔14´aiには、上述のような略円柱状の電極端子24aiに代えて、半田ボール付きコンタクト端子26ai(i=1〜n,nは正の整数)の当接面部26Tが挿入されている。当接面部26Tの外周部と孔14´aiの内周部との間の隙間は、例えば、0.1mm以上0.2mm以下とされる。各当接面部26Tは、共通の平坦な電極面部14´Eの一部分を形成している。
【0046】
半田ボール付きコンタクト端子26aiは、図12および図13に示されるように、例えば、薄板金属材料でプレス加工により作られ、上述の異方導電性シート16の導電部16Eaに当接し受け止める当接面部26Tと、上述のプリント配線基板10の電極パッド10eiに溶着される半田ボール26SBと、一端が湾曲部26Bを介して当接面部26Tに連結され、他端が半田ボール26SBに連結される固定部26Fとから構成されている。当接面部26Tの表面積は、導電部16Eaの横断面積に比して大に設定されている。固定部26Fは、図示が省略される電極端子支持体の内部に形成される固定溝に圧入される。
【0047】
なお、半田ボール付きコンタクト端子26aiは、上述の例に限られることなく、例えば、図15に示されるような、半田ボール付きコンタクト端子28aiであってもよい。
【0048】
斯かる例においては、各孔14´aiには、図14に示されるように、半田ボール付きコンタクト端子28ai(i=1〜n,nは正の整数)の当接面部28Tが挿入されている。各当接面部28Tは、共通の平坦な電極面部14´Eの一部分を形成している。
【0049】
半田ボール付きコンタクト端子28aiは、図15、図16および図17に示されるように、例えば、薄板金属材料でプレス加工により作られ、上述の異方導電性シート16の導電部16Eaに当接し受け止める当接面部28Tと、上述のプリント配線基板10の電極パッド10eiに溶着される半田ボール28SBと、一端が湾曲部28Bを介して当接面部28Tに連結され、他端が半田ボール28SBに連結される固定部28Fとから構成されている。当接面部28Tの表面積は、導電部16Eaの横断面積に比して大に設定されている。複数個の当接面部28Tを含む共通の平面の平面度は、例えば、零を超え、異方導電性シートの導電部の変位量の約1/2以下の範囲とされる。その平面度とは、上述の図8Aに示される例と同様に、個々の当接面部28Tの位置の共通の平面に対する高低差における最大値と最小値との差をいう。固定部28Fにおける当接面部28T近傍の一方の端部と当接面部28Tの裏面との間には、所定の隙間CLが形成されている。当接面部28Tは、湾曲部28Bを介して連結されているので所定の隙間CLだけ弾性変位可能とされる。固定部28Fは、図示が省略される電極端子支持体の内部に形成される固定溝に圧入される。
【0050】
従って、当接面部28Tが導電部16Eaを介して押圧される場合、当接面部28Tの裏面と固定部28Fにおける端部が当接するので信号は矢印SPが示す方向に沿って流れ、その結果、信号が湾曲部28Bを経由して流れる場合に比して異方導電性シート16とプリント配線基板10との間の信号路の長さがより縮小されることとなる。
【0051】
上述の例においては、プリント配線基板10は、電極パッド10eiを一方の表面に有するものとされるが、斯かる例に限られることなく、例えば、図29および図30に拡大されて示されるように、プリント配線基板60が、めっきスルーホール60ai(i=1〜n,nは正の整数)を有するものであってもよい。なお、図29および図30において、図1に示される例における構成要素と同一の構成要素について同一の符号を示し、その重複説明を省略する。
【0052】
斯かる場合においては、電極端子支持体14における電極端子54ai(i=1〜n,nは正の整数)は、例えば、銅合金でプレス成形され、支持体部に格子状に形成される孔14aiに嵌合される円盤状の頭部54Hと、頭部54Hに連なる円柱部54Bとから構成されている。
【0053】
電極端子54aiの頭部54Hは、上述の異方導電性シート16が電極端子支持体14の電極面部14Eに載置されるとき、上述の異方導電性シート16の導電部16Eaに当接する平坦な当接面を有している。当接面の平面度は、異方導電性シートの導電部の変位量の約1/2以下程度とされる。頭部54Hの直径は、上述の異方導電性シート16の導電部16Eaの直径よりも大に設定されている。これにより、異方導電性シート16の導電部16Eaが当接面から外れることなく押圧されるので導電部16Eaが損傷する虞がない。
【0054】
円柱部54Bの外周部における中央部には、所定の間隔をもって、環状の突起部54na、および、54nbが形成されている。突起部54naおよび54nbは、それぞれ、後述する電極端子支持体14の孔14aiに連なる細孔14di(i=1〜n,nは正の整数)に圧入され、係止される。
【0055】
円柱部54Bの下端部は、プレスフィット式とされ、細長い孔54bを有し、プリント配線基板60のめっきスルーホール60aiに圧入される。
【0056】
さらに、図18は、本発明に係る基板接続用コネクタの一例に用いられる電極端子支持体のさらなる他の一例を示す。なお、図18においては、図3に示される例において同一とされる構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0057】
電極端子支持体34は、図18に拡大されて示されるように、その中央部に複数の電極端子44ai(i=1〜n,nは正の整数)が格子状に配置されて形成される電極面部34Eと、電極面部34Eを取り囲む支持体部と、から構成されている。
【0058】
電極端子44aiは、例えば、銅合金でプレス成形され、図20に拡大されて示されるように、支持体部に格子状に形成される孔34ai(i=1〜n,nは正の整数)に嵌合される円盤状の頭部44Hと、頭部44Hに連なる円柱部44Bと、半田ボール44SBとから構成されている。
【0059】
電極端子44aiは、所定の間隔をもって格子状に配置されている。電極端子44aiの頭部44Hは、上述の異方導電性シート16が電極端子支持体14の電極面部14Eに載置されるとき、上述の異方導電性シート16の導電部16Eaに当接する平坦な当接面44Haを有している。その当接面の平面度は、異方導電性シートの導電部の変位量の約1/2以下程度とされる。頭部44Hの直径は、上述の異方導電性シート16の導電部16Eaの直径よりも大に設定されている。これにより、異方導電性シート16の導電部16Eaが当接面44Haから外れることなく押圧されるので導電部16Eaが損傷する虞がない。
【0060】
円柱部44Bの外周部における中央部には、環状の突起部44naが形成されている。突起部44naは、電極端子支持体34の孔34aiに連なる細孔34di(i=1〜n,nは正の整数)(図20参照)に圧入され、係止される。
【0061】
円柱部44Bの下端部に溶着される半田ボール44SBは、プリント配線基板10の電極パッド10eiに対しリフロー方式で半田付け固定される。これにより、電極端子支持体34の電極端子44aiの半田ボール44SBがプリント配線基板10の電極パッド10eiに溶着される。その際、仮にプリント配線基板10が湾曲している場合であっても、電極端子支持体34の剛性および半田ボール44SBの濡れ性により、プリント配線基板10の反りも抑制されることとなる。
【0062】
電極端子支持体34の支持体部は、樹脂材料で、上述の異方導電性シート16の外形寸法と同一の寸法を有する略正方形に成形されている。樹脂材料は、例えば、プリント配線基板10の材質と同様なガラスエポキシ樹脂で作られてもよい。そのような場合、電極端子支持体34およびプリント配線基板10の熱膨張係数が同一となるので相互間で歪が生じることなく、従って、プリント配線基板10の熱膨張に起因した半田ボール44SBの亀裂も回避される。
【0063】
電極面部34Eを取り囲む支持体部における縁の各隅には、小ねじ22が挿入される孔34aが形成されている。相対向する辺における向かい合う孔34a相互間には、それぞれ、位置決めピン34bが設けられている。また、各孔34aの周縁部におけるプリント配線基板10に対向する面には、プリント配線基板10に当接する座面34S(図19参照)が形成されている。これにより、図20に拡大されて示されるように、支持体部の下面部とプリント配線基板10の表面との間に、座面34Sの高さに対応する隙間が形成されることとなる。
【0064】
電極面部34Eを形成する部分には、上述の孔34aiに連通する細孔34diが孔34aiの中心軸線と共通の軸線上に形成されている。細孔34diの直径は、孔34aiの直径に比して小に設定されている。これにより、電極端子44aiの頭部44Hが孔34aiにおける細孔34diの開口端の周縁に係止される。細孔34diは、プリント配線基板10に向けて貫通している。
【0065】
隣接する孔34ai相互間は、隔壁により仕切られ、また、隣接する細孔34diもその隔壁に連なる部分により仕切られている。
【0066】
上述の例においては、第2の補強板12の一方の表面は、プリント配線基板10の裏面に直接的に当接しているが、斯かる例に限られることなく、例えば、絶縁シート30がプリント配線基板10の裏面と第2の補強板12の一方の表面との間に介在されてよい。絶縁シート30は、プリント配線基板10の孔10a,および、第2の補強板12の雌ねじ孔12aに対応して孔30aを各角に有している。
【0067】
また、第2の補強板12´は、例えば、図22に示されるように、プリント配線基板10の裏面との間に空洞が複数の箇所に隣接して形成されるように、凹部12´R1,12´R2、12´R3,12´R4、12´R5、12´R6,12´R7、および12´R8が形成されてもよい。各凹部12´R1〜12´R8相互間は、仕切壁により仕切られている。このように各凹部12´R1〜12´R8を第2の補強板12´に形成することにより、所定の電子部品がプリント配線基板10の裏面に対し実装される場合でも、第2の補強板12´を取り付けることが可能となる。第2の補強板12´は、小ねじ22がねじ込まれる雌ねじ孔12´aを各角に有している。
【0068】
図23は、本発明に係る基板接続用コネクタの一例が適用されるボードツーボードコネクタの一例の外観を示す。なお、図23乃至図25において、図3に示される例における構成要素と同一とされる構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0069】
図23において、そのボードツーボードコネクタは、プリント配線基板50とプリント配線基板10とを電気的に接続するものとされる。
【0070】
ボードツーボードコネクタは、プリント配線基板10上に配される第1の電極端子支持体としての電極端子支持体14と、電極端子支持体14に対し位置決めされ載置される異方導電性シート16と、異方導電性シート16上に載置される第2の電極端子支持体としての電極端子支持体48と、異方導電性シート16、電極端子支持体14、電極端子支持体48、プリント配線基板10、および、プリント配線基板50を協働して狭持する第1の補強板40、および、第2の補強板12と、を主な要素として構成されている。
【0071】
プリント配線基板50は、例えば、ガラスエポキシ樹脂で作られ、上述した電極端子24aiの配置に対応し格子状に形成される電極パッド50ei(i=1〜n,nは正の整数)からなる電極群50Eを一方の表面部の略中央部に有している。その周囲には、小ねじ22が挿入される孔50aが4箇所に後述する第1の補強板40の孔40aに対応して形成されている。
【0072】
電極端子支持体48は、図23に拡大されて示されるように、その中央部に複数の電極端子24ai(i=1〜n,nは正の整数)が格子状に配置されて形成される電極面部48Eと、電極面部48Eを取り囲む支持体部と、から構成されている。
【0073】
電極端子24aiは、図25に拡大されて示されるように、円柱部24Bの外周部における中央部には、所定の間隔をもって、環状の突起部24na、および、24nbが形成されている。突起部24naおよび24nbは、それぞれ、電極端子支持体48の孔48aiに連なる細孔48di(i=1〜n,nは正の整数)に圧入され、係止される。
【0074】
円柱部24Bの下端部は、プリント配線基板50の電極パッド50eiに対しリフロー方式で半田付け固定される。これにより、図25に拡大されて示されるように、円柱部24Bの下端部には、はんだフィレット26が形成される。
【0075】
電極端子支持体48の支持体部は、樹脂材料で、上述の異方導電性シート16の外形寸法と同一の寸法を有する略正方形に成形されている。電極面部48Eを取り囲む支持体部における縁の各隅には、図23に示されるように、小ねじ22が挿入される孔48aが形成されている。また、各孔48aの周縁部におけるプリント配線基板50に対向する面には、プリント配線基板50に当接する座面48Sが形成されている。これにより、図25に拡大されて示されるように、プリント配線基板50の表面と支持体部における対向する部分との間に、座面48Sの高さに対応する隙間が形成されることとなる。さらに、支持体部における一対の相対向する辺には、それぞれ、電極端子支持体14の位置決めピン14bが嵌合される孔48bが、二つの孔48aの相互間に形成されている。
【0076】
電極面部48Eを形成する部分には、上述の孔48aiに連通する細孔48diが孔48aiの中心軸線と共通の軸線上に形成されている。細孔48diの直径は、孔48aiの直径に比して小に設定されている。これにより、電極端子24aiの頭部24Hが孔48aiにおける細孔48diの開口端の周縁に係止される。細孔48diは、プリント配線基板50に向けて貫通している。
【0077】
隣接する孔48ai相互間は、隔壁により仕切られ、また、隣接する細孔48diもその隔壁に連なる部分により仕切られている。
【0078】
第1の補強板40は、電極端子支持体48の外形寸法と同一の外形寸法を有する正方形に形成されている。第1の補強板40は、相対向する平坦面を有するとともに、小ねじ22が挿入される孔40aを各角に有している。
【0079】
斯かる構成において、4本の小ねじ22により、第1の補強板40が、上述のプリント配線基板50、電極端子支持体48、異方導電性シート16、電極端子支持体14、プリント配線基板10、第2の補強板12に対し締結される。その際、第1の補強板40の押圧面により、プリント配線基板50、および、電極端子支持体48の電極端子24aiが、異方導電性シート16の各導電部16Eaの一端面に対し所定量、押圧されることとなるので異方導電性シート16の各導電部16Eaの他端面が電極端子支持体14の電極端子24aiに当接され、その結果、プリント配線基板50の電極パッド10eiがプリント配線基板10の電極パッド10eiに電気的に接続されることとなる。
【0080】
図26は、本発明に係る基板接続用コネクタの一例が適用されるケーブル用コネクタの一例の外観を示す。なお、図26および図27において、図3および図23に示される例における構成要素と同一とされる構成要素について同一の符号を付して示し、その重複説明を省略する。
【0081】
図26において、ケーブル用コネクタは、フレキシブル配線基板52と上述のプリント配線基板10とを電気的に接続するものとされる。ケーブル用コネクタは、プリント配線基板10に半田付け固定される電極端子支持体14と、電極端子支持体14上に載置される異方導電性シート16と、後述するフレキシブル配線基板52の電極パッド(不図示)を異方導電性シート16に対して押し付け、協働してフレキシブル配線基板52を挟持する第1の補強板40と、および、第2の補強板(不図示)とを含んで構成されている。
【0082】
フレキシブル配線基板52は、例えば、YFLEX(登録商標)と称され、保護層に覆われた複数の導電層が絶縁性基材上に形成された構成とされる。絶縁性基材は、例えば、厚さ50μm程度の液晶ポリマー(LCP)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、あるいは、ポリカーボネイト(PC)からなる群の中から適宜選択される一つの材料で成形されている。また、導電層は、例えば、厚さ12μm程度の銅合金の層で形成されている。保護層は、例えば、熱硬化型のレジスト層、あるいは、ポリイミドフィルムにより形成されている。フレキシブル配線基板52において接続される一端の相対向する辺には、電極端子支持体14の位置決めピン14bが嵌合される孔52aが形成されている。
【0083】
フレキシブル配線基板52の一端の一方の表面(異方導電性シート16に対向する面)には、例えば、異方導電性シート16の導電部に対応した端子部として格子状に形成される電極パッド群(不図示)が形成されている。その電極パッド群は、フレキシブル配線基板52の内部の導電層に電気的に接続されている。
【0084】
斯かる構成において、4本の小ねじ22により、第1の補強板40が、上述のフレキシブル配線基板52、異方導電性シート16、電極端子支持体14、プリント配線基板10、第2の補強板に対し締結される。その際、図28に拡大されて示されるように、第1の補強板40の押圧面により、フレキシブル配線基板52の電極パッド52cpが異方導電性シート16の各導電部16Eaの一端面に対し所定量、押圧されることとなるので電極端子支持体14の電極端子24aiが、異方導電性シート16の各導電部16Eaの他端面が電極端子支持体14の電極端子24aiに当接され、その結果、フレキシブル配線基板52の電極パッド52cpがプリント配線基板10の電極パッド10eiに電気的に接続されることとなる。
【符号の説明】
【0085】
10、60 プリント配線基板
12 第2の補強板
14、14´、34、48 電極端子支持体
14b 位置決めピン
16、16´ 異方導電性シート
20 第1の補強板
22 小ねじ
24ai、26ai,28ai,44ai,54ai 電極端子
DV 半導体装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置が電気的に接続されるプリント配線基板上に配され、該プリント配線基板の各導電層にそれぞれ、固定される複数の電極端子を有する電極端子支持体と、
前記電極端子支持体上に位置決めされ、前記電極端子に対応して形成される複数の導電部を有する異方導電性シートと、
前記異方導電性シートにおける複数の導電部、および、前記電極端子のうちの少なくとも一方を他方に対し押圧し保持する押圧部材と、
前記電子装置、電極端子支持体および異方導電性シートが介在された状態で、前記押圧部材を前記プリント配線基板に対し固定する固定具と、を備え、
前記異方導電性シートの導電部に当接される前記電極端子の頭部の直径が、前記異方導電性シートの導電部の直径よりも大に設定されていることを特徴とする基板接続用コネクタ。
【請求項2】
前記電極端子の頭部における前記異方導電性シートの導電部に当接される当接面が、前記電極端子支持体における電極面部と共通の平面上にあるように配置されることを特徴とする請求項1記載の基板接続用コネクタ。
【請求項3】
前記複数の電極端子における前記導電部に当接する当接面を含む共通の平面の平面度は、零より大きく前記異方導電性シートの変位量の1/2以下の範囲の平面度に設定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板接続用コネクタ。
【請求項4】
前記異方導電性シートの導電部の前記電極端子に対する位置決めする前記電極端子支持体の位置決めピンが、前記異方導電性シートの孔に嵌合されることを特徴とする請求項1記載の基板接続用コネクタ。
【請求項5】
半導体装置が電気的に接続されるプリント配線基板上に配され、該プリント配線基板の各導電層にそれぞれ、固定される複数の電極端子を有する電極端子支持体と、
前記電極端子支持体上に位置決めされ、前記電極端子に対応して形成される複数の導電部を有する異方導電性シートと、
前記異方導電性シートにおける複数の導電部、および、前記電極端子のうちの少なくとも一方を他方に対し押圧し保持する押圧部材と、
前記半導体装置、電極端子支持体および異方導電性シートが介在された状態で、前記押圧部材を前記プリント配線基板に対し固定する固定具と、を備え、
前記異方導電性シートの導電部に当接される前記電極端子の頭部の直径が、前記異方導電性シートの導電部の直径よりも大に設定されていることを特徴とする半導体装置用ソケット。
【請求項6】
ケーブルの一端が電気的に接続されるプリント配線基板上に配され、該プリント配線基板の各導電層にそれぞれ、固定される複数の電極端子を有する電極端子支持体と、
前記電極端子支持体上に位置決めされ、前記電極端子に対応して形成される複数の導電部を有する異方導電性シートと、
前記異方導電性シートにおける複数の導電部、および、前記電極端子のうちの少なくとも一方を他方に対し押圧し保持する押圧部材と、
前記ケーブルの一端、電極端子支持体および異方導電性シートが介在された状態で、前記押圧部材を前記プリント配線基板に対し固定する固定具と、を備え、
前記異方導電性シートの導電部に当接される前記電極端子の頭部の直径が、前記異方導電性シートの導電部の直径よりも大に設定されていることを特徴とするケーブル用コネクタ。
【請求項7】
第1のプリント配線基板上に配され、該第1のプリント配線基板の各導電層にそれぞれ、固定される複数の電極端子を有する第1の電極端子支持体と、
前記第1のプリント配線基板に対向して配される第2のプリント配線基板上に配され、該第2のプリント配線基板の各導電層にそれぞれ、固定される複数の電極端子を有する第2の電極端子支持体と、
前記第1の電極端子支持体と前記第2の電極端子支持体との間に位置決めされ、前記電極端子に対応して形成される複数の導電部を有する異方導電性シートと、
前記異方導電性シートにおける複数の導電部、および、前記電極端子のうちの少なくとも一方を他方に対し押圧し保持する一対の押圧部材と、
前記第1および第2のプリント配線基板、前記第1および第2の電極端子支持体、異方導電性シートが介在された状態で、前記一対の押圧部材を前記第1および第2のプリント配線基板に対し固定する固定具と、を備え、
前記異方導電性シートの導電部に当接される前記電極端子の頭部の直径が、前記異方導電性シートの導電部の直径よりも大に設定されていることを特徴とするボードツーボードコネクタ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate


【公開番号】特開2010−272757(P2010−272757A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−124485(P2009−124485)
【出願日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(000177690)山一電機株式会社 (233)
【Fターム(参考)】