基板搬送容器の開閉装置、蓋体の開閉装置及び半導体製造装置
【課題】密閉型のFOUP1の蓋体3を開閉(着脱)するにあたり、蓋体3を着脱する蓋体開閉機構20に要する機構を少なく抑えながら、開閉領域S3とローディングエリアS2との間に設けられるシール部材56の摩耗を抑えること。
【解決手段】ローディングエリアS2側における搬送口5の開口端が斜め上方を向くように、側壁部4に筒状体5aを気密に接続する。そして、昇降基体22と共にカバー部材23を昇降自在に構成し、カバー部材23に回動体41を設けると共に、昇降基体22が下降する時に、カバー部材23が昇降基体22と共に下降しながら筒状体5aの開口面に対して垂直に移動するように、回動体41の案内される案内部61を設ける。この時、カバー部材23が筒状体5aに向かって移動する時に、当該ドア部材の姿勢を規制するために、カバー部材23と昇降基体22との間にガイド部26を各々設ける。
【解決手段】ローディングエリアS2側における搬送口5の開口端が斜め上方を向くように、側壁部4に筒状体5aを気密に接続する。そして、昇降基体22と共にカバー部材23を昇降自在に構成し、カバー部材23に回動体41を設けると共に、昇降基体22が下降する時に、カバー部材23が昇降基体22と共に下降しながら筒状体5aの開口面に対して垂直に移動するように、回動体41の案内される案内部61を設ける。この時、カバー部材23が筒状体5aに向かって移動する時に、当該ドア部材の姿勢を規制するために、カバー部材23と昇降基体22との間にガイド部26を各々設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば密閉型の基板搬送容器の蓋体を開閉する開閉装置及びこの開閉装置を備えた半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスを製造する工程において、基板である半導体ウエハ(以下「ウエハ」と言う)は、例えば密閉型のFOUP(Front−Opening Unified Pod)と呼ばれる搬送容器内に棚状に積載されて半導体製造装置間を搬送される。従って、半導体製造装置におけるウエハ搬入ポートには、FOUPの側面の蓋体を開閉する開閉装置が設けられる。
【0003】
この開閉装置は、FOUPを載置する領域とFOUPから取り出されたウエハの搬送を行う搬送領域との間に介在する壁部に開口部を設けて、FOUPにおける蓋体の周囲を開口部の口縁部に気密に当接させると共に、ウエハの搬送領域側から開口部をカバー部材で気密に塞ぎ、このカバー部材に設けられた開閉機構によりFOUPの蓋体を取り外すように構成されている。この時、例えばFOUPの搬送されるエリアの雰囲気が蓋体の開閉動作の行われる開閉領域を介して前記搬送領域に流入することを抑えるために、前記カバー部材と開口部との間に樹脂やゴムなどからなるシール部材を設けている。そして、FOUPの蓋体を取り外す時は、前記シール部により気密に塞がれた領域に対して真空排気や窒素(N2)ガスなどの清浄気体の供給を行い、当該領域の雰囲気を置換するようにしている。従って、前記カバー部材は、蓋体の着脱位置と、FOUPから搬送領域側にウエハを取り出す時に退避する退避位置との間で昇降自在となり、且つ昇降する位置と開口部を気密に塞ぐ位置との間で進退自在となるように構成される。
【0004】
ここで、開閉装置に設けられる機構を極力少なくすることにより、当該機構からの発塵及びパーティクルの発生を抑えると共に開閉装置のコストダウンを図る技術が求められており、具体的には開閉装置を進退させる機構(具体的には駆動軸)を削減できる技術が検討されている。このような技術の一例として、特許文献1には、開閉装置によりシールされる面を鉛直軸に対して傾斜させることにより、開閉装置の昇降動作だけで搬送口のシールも行うように構成された装置が記載されている。
【0005】
しかし、このように開閉装置のシールする面を傾斜させると、シール部に対して開閉装置が摺動しながら接触することになるので、シール部が摩耗しやすくなったり、あるいは偏摩耗してしまったりする。そのため、装置のメンテナンス(シール部の交換)を頻繁に行う必要があるし、またメンテナンスに要するコストも嵩んでしまう。特許文献2には、熱処理装置のシャッター機構がについて記載されているが、既述の課題には触れられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−26513号公報
【特許文献2】特開2004−342731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、密閉型の搬送容器の蓋体を開閉する開閉装置において、駆動系の簡素化を図り、また基板の搬送領域側の開口部を気密に塞ぐためのシール部の摩耗を抑えることのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の基板搬送容器の開閉装置は、
壁部における一面側に形成された第1の開口部の口縁部に、基板搬送容器の前面を開閉する蓋体の周囲を密着させ、基板の搬送領域側である前記壁部における他面側に鉛直面に対して上向きに傾斜して形成された第2の開口部を介して前記蓋体を取り外す基板搬送容器の開閉装置において、
前記基板の搬送領域側に昇降機構により昇降自在に設けられた昇降基体と、
この昇降基体に支持されると共に前記第2の開口部の口縁部にその周縁部を密着させて当該第2の開口部を塞ぐように構成され、前記第2の開口部を開閉するためのカバー部材と、
前記カバー部材と前記第2の開口部の口縁部との間をシールするためのシール部材と、
前記カバー部材に設けられ、当該カバー部材が前記第2の開口部を塞いでいるときに前記搬送容器の蓋体の取り外しまたは装着を行なう蓋体着脱機構と、
前記昇降基体に設けられ、前記カバー部材が当該昇降基体に対して後退位置から前記壁部側に向かって前進可能なように、当該カバー部材の姿勢を規制しながら上向きにガイドするガイド部と、
前記壁部側に設けられ、前記第2の開口部の口縁部におけるシール面と直交する方向に伸びる案内路と、
前記第2の開口部の開口面に対して平行で且つ横向きの軸周りに回動自在に前記カバー部材に設けられ、前記昇降基体が下降しているときに前記案内路に上方側から接触して当該案内路に沿って転がりながら下る回動体と、を備え、
前記カバー部材は、昇降基体が上昇位置にあるときには後退位置に置かれる一方、前記昇降基体の下降により前記回動体の転動と前記ガイド部によるガイド作用とにより後退位置から前進して、前記第2の開口部に対向した姿勢で当該開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする。
【0009】
前記昇降基体には、当該昇降基体に対する前記カバー部材の進退方向に対して直交する方向に沿うように第1の支持面が形成され、
前記カバー部材には、前記第1の支持面に対向するように第2の支持面が形成され、
互いに対向する第1の支持面及び第2の支持面同士の間には、前記カバー部材を前記壁部側から搬送領域側に付勢するための付勢機構が設けられていても良い。互いに対向する第1の支持面及び第2の支持面同士の間には、前記昇降基体と前記カバー部材との衝突を抑制するために、弾性体からなるストッパー機構が設けられていても良い。
【0010】
本発明の基板搬送容器の開閉装置は、
壁部における一面側に形成された第1の開口部の口縁部に、基板搬送容器の前面を開閉する蓋体の周囲を密着させ、基板の搬送領域側である前記壁部における他面側に鉛直面に対して下向きに傾斜して形成された第2の開口部を介して前記蓋体を取り外す基板搬送容器の開閉装置において、
前記基板の搬送領域側に昇降機構により昇降自在に設けられた昇降基体と、
この昇降基体に支持されると共に前記第2の開口部の口縁部にその周縁部を密着させて当該第2の開口部を塞ぐように構成され、前記第2の開口部を開閉するためのカバー部材と、
前記カバー部材と前記第2の開口部の口縁部との間をシールするためのシール部材と、
前記カバー部材に設けられ、当該カバー部材が前記第2の開口部を塞いでいるときに前記搬送容器の蓋体の取り外しまたは装着を行なう蓋体着脱機構と、
前記昇降基体に設けられ、前記カバー部材が当該昇降基体に対して後退位置から前記壁部側に向かって前進可能なように、当該カバー部材の姿勢を規制しながら下向きにガイドするガイド部と、
前記壁部側に設けられ、前記第2の開口部の口縁部におけるシール面と直交する方向に伸びる案内路と、
前記第2の開口部の開口面に対して平行で且つ横向きの軸周りに回動自在に前記カバー部材に設けられ、前記昇降基体が上昇しているときに前記案内路に下方側から接触して当該案内路に沿って転がりながら上る回動体と、
前記カバー部材を前記昇降基体に対して搬送領域側に付勢する付勢機構と、を備え、
前記カバー部材は、昇降基体が下降位置にあるときには前記付勢機構の付勢力によって後退位置に置かれる一方、前記昇降基体の上昇により前記回動体の転動と前記ガイド部によるガイド作用とにより前記付勢機構の付勢力に抗して後退位置から前進して、前記第2の開口部に対向した姿勢で当該開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の蓋体開閉装置は、
壁部における一面側及び他面側が互いに連通するように形成された開口部の前記他面側にて、前記一面側に設けられた基板搬送容器の蓋体または前記開口部を前記他面側から気密に塞ぐ蓋体を開閉する蓋体開閉装置において、
前記壁部の他面側に設けられ、当該壁部に沿って平行に伸びる軸の一方側と他方側との間において移動機構により移動自在に設けられた移動基体と、
前記他面側における前記開口部の口縁部に形成され、前記壁部から垂直に伸びる方向に対して前記一方側に傾斜するように構成されたシール面と、
前記移動基体に支持されると共に前記他面側における前記シール面にその周縁部を密着させて前記口縁部を塞ぐように構成され、前記開口部を開閉するためのカバー部材と、
前記カバー部材と前記シール面との間をシールするためのシール部材と、
前記カバー部材に設けられ、当該カバー部材が前記開口部を塞いでいるときに前記蓋体の取り外しまたは装着を行なう蓋体着脱機構と、
前記移動基体に設けられ、前記カバー部材が当該移動基体に対して後退位置から前記壁部側に向かって前進可能なように、当該カバー部材の姿勢を規制しながら前記壁部に対して垂直に向かう向きと前記一方側に向かう向きとの間の方向にガイドするガイド部と、
前記壁部側に設けられ、前記シール面と直交する方向に伸びる案内路と、
前記シール面に対して平行で且つ前記軸に交差する軸周りに回動自在に前記カバー部材に設けられ、前記移動基体が前記他方側に移動しているときに前記案内路に接触して当該案内路に沿って転がる回動体と、
前記カバー部材を前記移動基体に対して前記壁部側から前記後退位置側に向かって付勢する付勢機構と、を備え、
前記カバー部材は、移動基体が前記一方側の位置にあるときには後退位置に置かれる一方、前記移動基体の前記他方側への移動により前記回動体の転動と前記ガイド部によるガイド作用とにより後退位置から前進して、前記シール面に対向した姿勢で前記開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の半導体製造装置は、
基板搬送容器が載置される載置台と、
基板に対して処理を行う処理部と、
前記載置台上の基板搬送容器と前記処理部との間で基板の受け渡しを行う基板搬送機構と、
前記載置台上の基板搬送容器の蓋体または前記処理部と前記基板搬送機構との間に設けられた蓋体の開閉を行うための既述の開閉装置と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、壁部に形成された開口部を介して基板の搬送領域側から基板搬送容器の蓋体の着脱(開閉)を行うにあたり、搬送領域側の開口部の口縁部を鉛直面に対して上向きに傾斜させている。そして、昇降基体と共にカバー部材を昇降自在に構成し、カバー部材に回動体を設けると共に、昇降基体が下降する時にカバー部材が開口部に対向した姿勢で当該開口部に向かって前進するように、回動体が回動して案内される案内路を設けている。従って、昇降基体の昇降動作により開口部の口縁部の周囲に形成されたシール部材に対してカバー部材を接触させるにあたり、当該シール部材の摺動を抑えることができるので、シール部の摩耗を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の開閉装置が適用される縦型熱処理装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】前記縦型熱処理装置を示す横断平面図である。
【図3】前記開閉装置の一例を示す分解斜視図である。
【図4】前記縦型熱処理装置において開閉装置により蓋体の着脱が行われる領域を示す搬送口の斜視図である。
【図5】前記開閉装置によりシールされるシール部を示す断面図である。
【図6】前記開閉装置を模式的に示す模式図である。
【図7】前記開閉装置を示す側面図である。
【図8】前記開閉装置を示す縦断面図である。
【図9】前記開閉装置を示す横断平面図である。
【図10】前記開閉装置を示す横断平面図である。
【図11】前記開閉装置に設けられるストッパー機構を示せす斜視図である。
【図12】前記ストッパー機構を示す横断平面図である。
【図13】前記開閉装置の一部を示す正面図である。
【図14】前記開閉装置においてドア部材をガイドするガイド部を示す斜視図である。
【図15】前記ガイド部を示す側面図である。
【図16】前記開閉装置の作用を示す作用図である。
【図17】前記開閉装置の作用を示す作用図である。
【図18】前記開閉装置の作用を示す作用図である。
【図19】前記開閉装置の作用を示す作用図である。
【図20】前記開閉装置の作用を模式的に示す模式図である。
【図21】前記開閉装置の他の例を示す側面図である。
【図22】前記開閉装置の他の例を示す側面図である。
【図23】前記開閉装置の他の例を示す側面図である。
【図24】前記開閉装置の他の例を示す側面図である。
【図25】前記開閉装置の他の例を示す側面図である。
【図26】前記開閉装置の他の例を示す側面図である。
【図27】前記開閉装置の他の例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の基板搬送容器の開閉装置の実施の形態の一例として、当該開閉装置を適用した半導体製造装置である縦型熱処理装置を例に挙げて、図1〜図15を参照して説明する。始めに、開閉装置20及び縦型熱処理装置の概略について説明する。開閉装置20は、複数枚例えば25枚のウエハWを棚状に収納する密閉型の搬送容器であるFOUP1から、当該FOUP1の側方側(前面側)の開口部2に気密に設けられた蓋体3を着脱(開閉)するためのものである。そのため、開閉装置20は、縦型熱処理装置に対して外部からFOUP1が搬入される搬入出エリアS1と、FOUP1から取り出されたウエハWの搬送を行うローディングエリアS2と、の間(詳しくはこれらエリアS1、S2間の側壁部4よりもローディングエリアS2側)に配置されている。この側壁部4には、蓋体3やウエハWの搬送を行うための搬送口5が形成されており、後述するように、ローディングエリアS2側における搬送口5(筒状体5a)の開口縁の周囲には、蓋体3の着脱される開閉領域S3をエリアS1、S2から気密に区画するためのシール部材56が斜め上側を向くように形成されている。そして、既述の開閉装置20は、昇降ロッド21に沿って鉛直方向に昇降することにより、前記シール部材56に対して垂直に移動して気密に接触するように構成されている。
【0016】
続いて、開閉装置20の詳細について述べる前に、縦型熱処理装置の全体の概観について簡単に説明する。搬入出エリアS1には、図1及び図2に示すように、側壁部4の一面側(搬入出エリアS1側)における既述の搬送口5の開口縁(口縁部)に対してFOUP1の蓋体3の周囲を気密に当接させるために、当該FOUP1を図1中前後方向(X方向)に進退させるための載置台6が左右方向(Y方向)に互いに離間して複数箇所例えば2箇所に配置されている。この搬入出エリアS1側における搬送口5の周囲には、側壁部4に当接されたFOUP1の開口縁と気密に接触するように、図7に示すように、例えば樹脂やゴムなどからなるシール部10が周方向に亘って設けられている。図1中7は縦型熱処理装置の外部の図示しない搬送機構によりFOUP1が載置される搬入出ステージ、8はウエハWが取り出されて空になったFOUP1を保管するための保管領域、9はこれら載置台6、搬入出ステージ7及び保管領域8間においてFOUP1の搬送を行う搬送アームである。尚、シール部10については、図7以外では描画を省略している。
【0017】
搬入出ステージ7から見て搬入出エリアS1の奥側には、既述のローディングエリアS2が配置されている。このローディングエリアS2には、搬送口5、5に対向するように各々開閉装置20、20が設けられており、開閉装置20、20の更に奥側には多数枚例えば100枚程度のウエハWを棚状に保持する昇降自在及び鉛直軸周りに回転自在に構成されたウエハボート11が配置されている。これら開閉装置20とウエハボート11との間には、搬入出エリアS1のFOUP1とウエハボート11との間でウエハWの受け渡しを行うためのウエハ搬送アーム12が基板搬送機構として設けられており、このウエハ搬送アーム12は前後方向に進退自在、鉛直軸周りに回転自在、左右方向に移動自在及び昇降自在に構成されている。ウエハボート11の上方側には、当該ウエハボート11が気密に収納されてウエハWに対して例えば加熱処理の行われる縦型の処理部をなす反応管13が設けられている。この反応管13の下方には、当該反応管13の下端側である炉口を気密に開閉するための蓋体13aを水平に保持して進退自在に構成された図示しない蓋体開閉機構が設けられている。図1及び図2における14は、縦型熱処理装置の外部と当該縦型熱処理装置との間に設けられた筐体であり、この筐体14の一部をなす壁面部が既述のエリアS1、S2間に形成されている。
【0018】
ここで、ローディングエリアS2側における既述の搬送口5の開口縁のなす面は、斜め上方を向くように形成されている。即ち、ローディングエリアS2には、図3及び図4に示すように、前後方向に伸びると共に一端側及び他端側が各々開口する概略角筒型の筒状体5aが設けられており、この筒状体5aの前記一端側は、周縁部が搬送口5の開口縁に向かって周方向に亘って水平に伸び出して側壁部4に気密に接続されている。この筒状体5aの他端側のなす面は、斜め上方を向いている。従って、搬送口5における搬入出エリアS1側の開口部及びローディングエリアS2側の開口部を夫々第1の開口部及び第2の開口部と呼ぶと、第2の開口部は、鉛直面に対して上向きに傾斜するように形成されている。この例では、水平面と筒状体5aの他端側のなす面との角度θは、図6に示すように例えば80°となっている。尚、図6は開閉装置20を模式的に示している。
【0019】
ローディングエリアS2側における筒状体5aの他端側には、図4に示すように、当該筒状体5aの開口縁を囲むように、周方向に亘って樹脂やゴムなどからなるシール部材56が設けられている。シール部材56は、この例では弾性力が得られやすいように(シールしやすいように)、図5に示すように、当該シール部材56の長さ方向に直交する方向で切断した時に、中央部がウエハ搬送アーム12側に向かって突出するように形成されている。筒状体5aの下面側には、開閉領域S3の雰囲気を排気するための排気口57が形成されており、この排気口57から縦型熱処理装置の下方側に向かって伸びる排気路58には、図示しない排気ポンプが接続されている。尚、図4は、シール部材56を模式的に示しており、図3は、側壁部4から筒状体5aを離間させて描画している。また、図10においてはシール部材56を省略している。
【0020】
次いで、図3〜図15を参照して開閉装置20について詳述する。この開閉装置20は、上下方向に各々伸びると共に側壁部4に沿うように左右に互いに離間して平行に配置された昇降機構(移動機構)の一部である昇降ロッド21、21と、昇降ロッド21、21に沿って各々昇降自在に構成された概略板状の昇降基体(移動基体)22、22と、を備えている。そして、これら昇降基体22、22間には、当該昇降基体22、22と共に昇降自在及び昇降基体22、22に対して前後方向に進退自在となるように、搬送口5側が開口する概略箱型のカバー部材23が昇降基体22、22により支持されている。尚、図7は、開閉装置20を図示するために昇降ロッド21の一部を省略して一点鎖線で示している。
【0021】
昇降ロッド21、21は、上端側が支持部24を介して側壁部4に支持され、下端側が床面に固定されている。これら昇降ロッド21、21の例えば内部には、図示しないエアシリンダ機構が組み合わされて設けられており、当該機構により昇降基体22、22が互いに平行に昇降自在に支持されている。尚、図9は開閉装置20にカバー部材23を取り付けた状態、図10はカバー部材23を取り外した状態を描画している。
【0022】
各々の昇降基体22、22は、側壁部4に向かって伸びるように形成された概略板状体をなしており、ウエハ搬送アーム12側の一端部に昇降ロッド21が上下方向に貫挿されると共に、例えば搬送口5側の他端部が側壁部4に形成されたガイド溝25に嵌合して上下方向にガイドされるように構成されている。これら昇降ロッド21、21によって、昇降基体22、22は、搬送口5を臨む(搬送口5に対向する)下方位置と、ウエハ搬送アーム12によるFOUP1からのウエハWの取り出し動作に干渉しないように上方側に退避する退避位置と、の間において、既述のカバー部材23を左右方向における側面側から挟むように支持して昇降するように構成されている。
【0023】
昇降基体22、22とカバー部材23との間には、既述のように当該昇降基体22、22に対してカバー部材23を前後方向に進退自在に支持するために、互いに上下方向に離間するように配置されたガイド部26、26が各々設けられている。具体的には、各々のガイド部26は、例えば前後方向に伸びるように昇降基体22に形成された貫通口26aと、一端側がカバー部材23における当該昇降基体22に対向する側壁面に固定されると共に、他端側が前記貫通口26a内に貫挿されて当該貫通口26aに沿って移動することによりカバー部材23を進退させる棒状の進退軸26bと、により構成されている。
【0024】
この時、各々の貫通口26aは、貫通口26aに沿ってカバー部材23が搬送口5側に移動する時に昇降基体22、22に対して相対的に上昇するように、奥側から手前側に向かって斜め上側に傾斜するように形成されている。即ち、後述するように、カバー部材23がウエハ搬送アーム12側から搬送口5側に移動する時、このカバー部材23は筒状体5aの開口端に向かって斜め下側に移動することになる。そのため、昇降基体22から見ると、前記斜め下側に移動するカバー部材23は、当該昇降基体22よりも鉛直方向下方側へ移動する速度が遅くなるので、昇降基体22に対して相対的に上昇すると言える。従って、昇降基体22に対する相対的な移動方向に沿うように、既述の貫通口26aの向きを設定している。このように貫通口26aを斜めに形成することにより、カバー部材23は、前記退避位置に向かって昇降基体22が上昇する時に当該カバー部材23の下端部が他の部位(後述の案内部61)に支持されていない状態では、貫通口26aに沿って重力により下側(ウエハ搬送アーム12側)に位置する。
【0025】
そして、ガイド部26を上下方向に2箇所に設けているので、前後方向にカバー部材23が移動する時、カバー部材23はガイド部26によりガイドされながら、筒状体5aの開口面に対向する姿勢が保たれる(搬送口5側またはウエハ搬送アーム12側に倒れない)ように構成されている。貫通口26aの伸びる方向と水平面とのなす角度αは、図6に示すように、例えば10°となっている。
【0026】
ここで、以上の例では、ガイド部26の機能を分かりやすく説明するために、ガイド部26として既述の貫通口26a及び進退軸26bからなる構成を例に挙げたが、実際にはこれら貫通口26a及び進退軸26bに代えて、図14及び図15に示すように、昇降基体22側に設けられたガイドレール100と、カバー部材23に設けられ、ガイドレール100にガイドされて進退する進退部101と、を備えた構成となっている。尚、図14及び図15ではガイド部26について一つだけ描画しており、開閉装置20の一部を示している。
【0027】
各々の昇降基体22、22とカバー部材23との間には、昇降基体22、22に対してカバー部材23をウエハ搬送アーム12側に付勢するために、スプリングなどからなる付勢機構31が各々設けられている。具体的には、カバー部材23における昇降基体22、22に各々対向する面には、ガイド部26、26間において当該昇降基体22、22側に向かって概略矩形に突出する突出部32が設けられており、各々の昇降基体22、22には、この突出部32が遊嵌される(隙間領域を介して嵌め込まれる)開口部33が形成されている。
【0028】
突出部32における前後方向の側面のうち搬送口5側の側面と、当該側面に対向する開口部33の内壁面との間には、図11及び図12に示すように、一端側及び他端側がこれら側面及び内壁面に夫々固定された既述の付勢機構31が設けられている。この付勢機構31は、既述のようにカバー部材23が貫通口26aに沿って重力により下側(ウエハ搬送アーム12側)に移動する時に、この移動を補助するためのものである。付勢機構31の伸縮方向は、既述の貫通口26aの長さ方向に沿うように構成されている。この時、開口部33は、付勢機構31の伸縮動作に干渉しないように、貫通口26aの長さ方向に沿うように形成されており、開口部33及び突出部32において当該付勢機構31を固定する面は、前記伸縮方向に対して直交するように形成されている。尚、図3においては、付勢機構31を省略している。
【0029】
既述の付勢機構31の固定されている昇降基体22側の面及びカバー部材23側の面を夫々第1の支持面34及び第2の支持面35と呼ぶと、第2の支持面35には、これら昇降基体22とカバー部材23との衝突を防止するために、例えば樹脂などからなる弾性体が第1の支持面34に対して隙間領域を介して対向するようにストッパー機構36として設けられている。また、突出部32における前記第1の支持面34の反対側の面には、同様に昇降基体22とカバー部材23との衝突を防止するためのストッパー機構36が設けられている。
【0030】
続いて、カバー部材23について詳述する。カバー部材23は、既述のように搬送口5側が開口する概略箱型形状をなしており、下端側が昇降基体22の下端縁よりも下方側に伸び出している。このカバー部材23の側面部における既述のガイド部26、26の下方側には、側壁部4に平行な水平軸の周りに回転自在に構成された回動体41が設けられている。即ち、図13に示すように、前記水平軸に沿って伸びる軸部41aの一端側がカバー部材23に固定されており、この軸部41aの他端側に回動体41が回動自在に支持されている。回動体41は、カバー部材23における左右両側に設けられている。尚、図13以外では軸部41aについて省略している。
【0031】
また、カバー部材23における搬送口5側における周縁部は、筒状体5aの開口縁(口縁部)と気密に接触するように、当該周縁部のなす面が斜め下方を向くように形成されている。カバー部材23における搬送口5側には、搬送口5を介して搬入出エリアS1側に伸び出して蓋体3の着脱(開閉)を行うために、概略箱型の蓋体着脱機構51が設けられている。また、カバー部材23のウエハ搬送アーム12側の側面には、前記開閉領域S3の雰囲気の置換を行う時に当該開閉領域S3に対して清浄気体例えば窒素ガスを供給するために、ガス供給管52の一端側が接続されている。図3中51aは、蓋体3の外側に設けられた図示しない鍵穴に挿入されて当該蓋体3のロックを解除するために蓋体着脱機構51に設けられた解除部材であり、当該蓋体着脱機構51の内部に設けられた図示しない駆動部により駆動(蓋体3の着脱)を行うように構成されている。また、図3中51bは、蓋体着脱機構51を進退させる駆動機構である。
【0032】
ローディングエリアS2側における側壁部4には、図3に示すように、既述の筒状体5aを左右方向から挟むように、当該側壁部4から既述の回動体41、41の下方位置に向かって垂直に伸びる案内部61、61が設けられている。案内部61、61の上面は、回動体41、41の下方側の領域(カバー部材23が前後方向に移動する領域)において、当該回動体41、41を搬送口5側に案内するために、奥側から手前側に向かって斜め下側に傾斜するように形成されている。この案内路62と水平面とのなす角度βは、筒状体5aの開口面に対して直交する角度となるように、具体的に当該開口面に対して90°±5°となるように、図6に示すように、例えば10°となっている。案内部61の上面の傾斜面は、案内路62をなしている。
【0033】
この縦型熱処理装置には、装置全体の動作のコントロールを行うためのコンピュータからなる図示しない制御部が設けられており、この制御部のメモリ内には、縦型熱処理装置の外部から搬入されたFOUP1からウエハWを取り出し、反応管13内においてウエハボート11に積載されたウエハWに対して加熱処理を行うためのプログラムが格納されている。このプログラムは、ハードディスク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、メモリカード、フレキシブルディスクなどの記憶媒体である記憶部から制御部内にインストールされる。
【0034】
次に、上述実施の形態の作用について説明する。先ず、縦型熱処理装置の外部の図示しない搬送機構により搬入出ステージ7に搬送されたFOUP1を搬送アーム9により載置台6に載置する。この時、搬入出エリアS1側の雰囲気がローディングエリアS2側に流入しないように、当該ローディングエリアS2側には、筒状体5aの開口部を気密に塞ぐようにカバー部材23が位置しており、案内部61上に回動体41が位置している。そして、図16に示すように、載置台6を奥側に移動させて、FOUP1の蓋体3側(開口部2における開口縁)をローディングエリアS2側に気密に当接させる。こうして蓋体3の位置する領域である既述の開閉領域S3は、各エリアS1、S2から気密に区画される。
【0035】
続いて、排気路58を介して前記開閉領域S3内の雰囲気を排気すると共に、当該開閉領域S3に対してガス供給管52から清浄気体を供給して、この開閉領域S3の雰囲気を置換する。従って、FOUP1側(搬入出エリアS1側)の雰囲気は、この開閉領域S3から排出される。また、シール部材56を介して筒状体5aとカバー部材23との間が気密に区画されているので、前記清浄気体や搬入出エリアS1側の雰囲気は、ローディングエリアS2側に流入しない。
【0036】
次いで、カバー部材23に設けられた既述の蓋体着脱機構51が筒状体5aの内部領域及び搬送口5を介してFOUP1側に伸び出して、解除部材51aを介して蓋体3を当該FOUP1から取り外した後、蓋体着脱機構51が蓋体3と共にカバー部材23側の元の位置に戻る。そして、図17に示すように、昇降基体22は、カバー部材23、蓋体着脱機構51及び蓋体3と共に、ウエハ搬送アーム12によるFOUP1からのウエハWの搬出に干渉しない上側の退避位置に退避する。この時、昇降基体22が上昇すると回動体41が案内部61から離れていく。そのため、既述のようにガイド部26が搬送口5側からウエハ搬送アーム12側に向かう程下がるように傾斜しており、また付勢機構31によりカバー部材23がウエハ搬送アーム12側に付勢されているので、カバー部材23は、退避位置において搬送口5側からウエハ搬送アーム12側に離間した領域(後退位置)に位置する。尚、図17では蓋体3の記載を省略している。
【0037】
続いて、ウエハ搬送アーム12がFOUP1側に伸び出して、筒状体5a及び搬送口5を介してウエハWを取り出す動作と、ウエハボート11にこのウエハWを積載する動作とを複数回繰り返して、FOUP1から例えば全てのウエハWをウエハボート11に移し替える。空になったFOUP1は、以下のようにして蓋体3が閉じられる(装着される)。
【0038】
即ち、既述の退避位置から昇降基体22がカバー部材23と共に下位置に向かって下降する。そして、昇降基体22が下降する途中において、図18に示すように、回動体41が案内部61に接触する。次いで、昇降基体22が更に下降しようとすると、回動体41は案内部61により鉛直方向下方側への移動が規制されているので、案内部61の案内路62に沿って転がりながら下って、カバー部材23を筒状体5aの開口面に向かって垂直に移動させる。この時、カバー部材23は、鉛直面に対する姿勢がガイド部26により規制されているので、図19に示すように、筒状体5aの開口面に対する当該カバー部材23における搬送口5側の面が平行姿勢を保ったまま前進する。その後、カバー部材23は、既述の図16のように、シール部材56を介して当該筒状体5aの開口面に気密に接触する。続いて、蓋体3を保持した蓋体着脱機構51が筒状体5a及び搬送口5を介してFOUP1側に伸び出して、FOUP1に対して当該蓋体3の装着を行う。尚、図16〜図19では昇降ロッド21の一部を省略している。
【0039】
このようにカバー部材23が筒状体5aに向かって移動する様子を模式的に表すと、図20のように、回動体41が案内路62を下方側(搬送口5側)に向かって移動しながら、ガイド部26における進退軸26bが貫通口26a内を斜め上側に向かって上昇していることが分かる。尚、図20において、カバー部材23が筒状体5aに気密に接触するまでのこれらカバー部材23、ガイド部26及び回動体41が位置するある領域における稜線を一点鎖線で描画している。
【0040】
こうして蓋体3の装着された空のFOUP1を保管領域8に搬送した後、未処理のウエハWが収納された別のFOUP1に対して、同様に蓋体3の取り外し、ウエハWの搬出及び蓋体3の取り付けを行う。そして、複数のFOUP1からウエハWを順次取り出した後、例えば150枚程度のウエハWの積載されたウエハボート11を反応管13内に気密に挿入し、各々のウエハWに対して例えば成膜処理などの加熱処理を行う。その後、FOUP1から搬出された順番と逆の順序で、元のFOUP1に各々のウエハWを搬入する。
【0041】
上述の実施の形態によれば、側壁部4に形成された搬送口5を介してFOUP1の蓋体3の着脱を行うにあたり、ローディングエリアS2側における搬送口5の開口端が斜め上方を向くように、当該側壁部4に筒状体5aを気密に接続している。そして、昇降基体22と共にカバー部材23を昇降自在に構成し、カバー部材23に回動体41を設けると共に、昇降基体22が下降する時にカバー部材23が筒状体5aの開口面に対して垂直に移動するように、回動体41の案内される案内部61を設けている。この時、カバー部材23が筒状体5aに向かって移動する時に、当該ドア部材の姿勢を規制するために、カバー部材23と昇降基体22との間にガイド部26を各々設けている。従って、カバー部材23は、昇降基体22の昇降動作だけで、昇降すると共にシール部材56に対して垂直に移動する。そのため、シール部材56に対するカバー部材23の摺動が抑えられるので、シール部材56の摩耗(劣化)を抑制できる。この時、実験用ユニットを用いて開閉装置20を構成し、シール部材56の耐摩耗性の加速試験を行ったところ、10年分の開閉装置20の稼働を行っても、シール部材56の摩耗は確認されなかった。
【0042】
また、昇降基体22の昇降動作によりシール部材56に対して気密に接触しているので、カバー部材23を前後方向に移動させる機構(駆動軸)が不要になり、従って当該駆動軸を設けた場合に比べて駆動系を簡素化できるので、装置のコストを低減できる。更に、ストッパー機構36、36を設けているので、カバー部材23と昇降基体22との衝突を抑えることができる。
【0043】
既述のガイド部26における水平面に対する角度αは、0°<α<90°であれば良く、即ち案内部61によって案内されるカバー部材23の移動を阻害しない角度であれば良いが、急峻すぎると(90°に近いと)カバー部材23がシール部材56に到達するまでに要する昇降基体22の移動ストロークが長くなってしまうことから、寝ている(0°に近い)方が好ましい。以上においてシール部材56に対してカバー部材23が垂直に移動するにあたり、「垂直」とは、シール部材56の摩耗が抑えられる程度であれば良く、具体的には90°±5°となる。また、回動体41及び案内部61からなる構成をカバー部材23の左右方向両側に設けたが、片側だけに設けても良いし、例えば筒状体5aの下方位置に設けても良い。更に、昇降ロッド21及び昇降基体22をカバー部材23の左右両側に設けたが、これら昇降ロッド21及び昇降基体22をカバー部材23の片側だけに設けて、片持ちでカバー部材23を昇降させる機構を採っても良い。
【0044】
以下に、開閉装置20の他の実施の形態について述べる。図21は、回動体41及び案内部61について、カバー部材23の下方側に設けることに代えて、当該カバー部材23の上方側に各々配置した例を示している。具体的には、カバー部材23の上面側には、上下方向に伸びる支持軸71の下端側が接続されている。この支持軸71の上端側は、例えばカバー部材23の昇降する昇降領域を避けるように、ウエハ搬送アーム12側から搬送口5側を見た時に上方側に向かうにつれて外側に広がるように屈曲すると共に、回動体41(詳しくは既述の軸部41a)に接続されている。そして、この回動体41の下面を案内するように、前記昇降領域を避けた位置においてカバー部材23の上方側に案内部61が設けられている。
【0045】
また、図22は、退避位置を筒状体5aよりも下方側に設定した例を示している。即ち、この例における開閉装置20は、既述の図3における開閉装置20を上下反転した状態となっている。具体的には、筒状体5aは、斜め下側を向くように形成されている。また、案内部61は、既述の案内路62が下側を向くと共にカバー部材23の上方側に位置するように配置されている。この案内路62は、手前側から奥側に向かって斜め下側に傾斜するように形成されている。ガイド部26は、同様に手前側から奥側に向かって斜め上方を向くように形成されている。
【0046】
この例では、カバー部材23は、退避位置では付勢機構31の付勢力により、ウエハ搬送アーム12側(貫通口26aにおける奥側)に位置している。そして、昇降基体22が上昇して回動体41が案内路62に接触すると、付勢機構31の付勢力に抗して、回動体41が案内路62に沿って筒状体5a側に移動しながら上昇し、また昇降基体22に対してカバー部材23が相対的に下降して、シール部材56に対してカバー部材23が垂直に向かうことになる。
【0047】
また、図23は、回動体41の回動面及び案内路62を水平面に対して傾斜させた例を示している。即ち、回動体41は、回転軸方向において、外側(昇降ロッド21側)から内側(カバー部材23側)に向かうにつれて縮径するように形成されている。案内路62は、この回動体41の回動面に沿うように、前記外側から前記内側に向かう程高くなるように形成されている。
更に、図24は、回動体41の回動軸を水平方向に対して傾斜させた例を示している。具体的には、回動体41は、前記外側から前記内側に向かうにつれて高くなると共に筒状体5aの開口面に対して平行で横向き(昇降ロッド21の伸びる軸と交差する方向)の軸の周りに回動するように構成されている。案内路62については、この回動体41の回動面に沿うように、既述の図23と同様に外側から内側に向かって高くなっている。ここで、このような回動体41及び案内部61をカバー部材23の左右両側に配置しているので、当該カバー部材23は、案内路62から外れた領域に回動体41が脱落したりせずに、既述のように進退することになる。
【0048】
更にまた、図25は、案内部61について、傾斜面である案内路62として、案内部61に代えて回動体41がガイドされるガイド溝72を形成した例を示している。この例において、ガイド溝72の上端位置には、回動体41が当該ガイド溝72に対して出入りするための切り欠き部73が形成されている。
更にまた、図26は、既述の筒状体5aの開口面が斜め上方向且つ搬入出ステージ7から見て右側に寄った方向を向くように形成した例を示している。この例においても、カバー部材23が筒状体5aの開口面に向かって垂直に移動するように、回動体41は、図27に示すように、筒状体5aの開口面に沿う方向に伸びる水平軸の周りを回動するように構成される。また、案内部61は、この回動体41を案内するように、筒状体5aの開口面に対して直交するように案内路62が形成される。
【0049】
以上の例では、昇降基体22について、上下方向に移動するように構成したが、側壁部4に沿って左右方向に移動するように構成しても良い。この場合には、筒状体5aの開口面は、側壁部4から垂直に伸びる方向に対して昇降基体22の移動方向における一方側を向くように形成され、この筒状体5aの開口面に対して垂直にカバー部材23が移動するように、既述のガイド部26、回動体41及び案内部61が配置される。具体的には、ガイド部26は、奥側から手前側に向かうにつれて、昇降基体22の移動方向における他方側から前記一方側に傾斜するように形成される。回動体41は、筒状体5aの開口面に平行で昇降基体22の移動方向と交差する軸の周りに回動するように構成される。また、案内部61は、奥側から手前側に向かうにつれて、前記一方側から前記他方側に傾斜するように形成される。
また、本発明の開閉装置20は、縦型熱処理装置以外にも、ウエハWに対してレジスト膜の形成を行う塗布・現像装置や、ウエハW上に形成された電極パッドに対してプローブ針を接触させて当該電極パッドの検査を行うプローブ装置などの半導体製造装置に適用しても良い。このような場合においても、開閉装置20は、ウエハWに対して各処理(レジスト膜の形成や検査)が行われる処理部と、FOUP1の載置される載置台6との間に設けられる。
【0050】
更に、以上の例ではFOUP1の蓋体3の着脱を行う場合において、シール部材56に対して垂直にカバー部材23を移動させる例について説明したが、本発明は、FOUP1の蓋体3の着脱する場合以外に適用しても良い。具体的には、例えば反応管13の下端側における開口端(炉口)を蓋体により気密に密閉する場合に適用しても良い。この場合には、前記開口端の周囲にシール部材が設けられ、既述の開閉装置20は、前記開口端を気密に密閉する既述の蓋体13aを水平に保持して、水平方向に移動するように構成される。また、本発明は、例えば粉末などの被処理物に対して複数の処理(秤量、混練、焼結、粉砕など)を順番に行って固形物などの処理物を得る処理工場において、前記処理を行う工程室間を仕切るためのドア(蓋体)の開閉を行う例に適用しても良い。
【符号の説明】
【0051】
1 FOUP
3 蓋体
5 搬送口
20 開閉装置
21 昇降ロッド
22 昇降基体
23 カバー部材
26 ガイド部
41 回動体
51 蓋体着脱機構
56 シール部材
61 案内部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば密閉型の基板搬送容器の蓋体を開閉する開閉装置及びこの開閉装置を備えた半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスを製造する工程において、基板である半導体ウエハ(以下「ウエハ」と言う)は、例えば密閉型のFOUP(Front−Opening Unified Pod)と呼ばれる搬送容器内に棚状に積載されて半導体製造装置間を搬送される。従って、半導体製造装置におけるウエハ搬入ポートには、FOUPの側面の蓋体を開閉する開閉装置が設けられる。
【0003】
この開閉装置は、FOUPを載置する領域とFOUPから取り出されたウエハの搬送を行う搬送領域との間に介在する壁部に開口部を設けて、FOUPにおける蓋体の周囲を開口部の口縁部に気密に当接させると共に、ウエハの搬送領域側から開口部をカバー部材で気密に塞ぎ、このカバー部材に設けられた開閉機構によりFOUPの蓋体を取り外すように構成されている。この時、例えばFOUPの搬送されるエリアの雰囲気が蓋体の開閉動作の行われる開閉領域を介して前記搬送領域に流入することを抑えるために、前記カバー部材と開口部との間に樹脂やゴムなどからなるシール部材を設けている。そして、FOUPの蓋体を取り外す時は、前記シール部により気密に塞がれた領域に対して真空排気や窒素(N2)ガスなどの清浄気体の供給を行い、当該領域の雰囲気を置換するようにしている。従って、前記カバー部材は、蓋体の着脱位置と、FOUPから搬送領域側にウエハを取り出す時に退避する退避位置との間で昇降自在となり、且つ昇降する位置と開口部を気密に塞ぐ位置との間で進退自在となるように構成される。
【0004】
ここで、開閉装置に設けられる機構を極力少なくすることにより、当該機構からの発塵及びパーティクルの発生を抑えると共に開閉装置のコストダウンを図る技術が求められており、具体的には開閉装置を進退させる機構(具体的には駆動軸)を削減できる技術が検討されている。このような技術の一例として、特許文献1には、開閉装置によりシールされる面を鉛直軸に対して傾斜させることにより、開閉装置の昇降動作だけで搬送口のシールも行うように構成された装置が記載されている。
【0005】
しかし、このように開閉装置のシールする面を傾斜させると、シール部に対して開閉装置が摺動しながら接触することになるので、シール部が摩耗しやすくなったり、あるいは偏摩耗してしまったりする。そのため、装置のメンテナンス(シール部の交換)を頻繁に行う必要があるし、またメンテナンスに要するコストも嵩んでしまう。特許文献2には、熱処理装置のシャッター機構がについて記載されているが、既述の課題には触れられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−26513号公報
【特許文献2】特開2004−342731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、密閉型の搬送容器の蓋体を開閉する開閉装置において、駆動系の簡素化を図り、また基板の搬送領域側の開口部を気密に塞ぐためのシール部の摩耗を抑えることのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の基板搬送容器の開閉装置は、
壁部における一面側に形成された第1の開口部の口縁部に、基板搬送容器の前面を開閉する蓋体の周囲を密着させ、基板の搬送領域側である前記壁部における他面側に鉛直面に対して上向きに傾斜して形成された第2の開口部を介して前記蓋体を取り外す基板搬送容器の開閉装置において、
前記基板の搬送領域側に昇降機構により昇降自在に設けられた昇降基体と、
この昇降基体に支持されると共に前記第2の開口部の口縁部にその周縁部を密着させて当該第2の開口部を塞ぐように構成され、前記第2の開口部を開閉するためのカバー部材と、
前記カバー部材と前記第2の開口部の口縁部との間をシールするためのシール部材と、
前記カバー部材に設けられ、当該カバー部材が前記第2の開口部を塞いでいるときに前記搬送容器の蓋体の取り外しまたは装着を行なう蓋体着脱機構と、
前記昇降基体に設けられ、前記カバー部材が当該昇降基体に対して後退位置から前記壁部側に向かって前進可能なように、当該カバー部材の姿勢を規制しながら上向きにガイドするガイド部と、
前記壁部側に設けられ、前記第2の開口部の口縁部におけるシール面と直交する方向に伸びる案内路と、
前記第2の開口部の開口面に対して平行で且つ横向きの軸周りに回動自在に前記カバー部材に設けられ、前記昇降基体が下降しているときに前記案内路に上方側から接触して当該案内路に沿って転がりながら下る回動体と、を備え、
前記カバー部材は、昇降基体が上昇位置にあるときには後退位置に置かれる一方、前記昇降基体の下降により前記回動体の転動と前記ガイド部によるガイド作用とにより後退位置から前進して、前記第2の開口部に対向した姿勢で当該開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする。
【0009】
前記昇降基体には、当該昇降基体に対する前記カバー部材の進退方向に対して直交する方向に沿うように第1の支持面が形成され、
前記カバー部材には、前記第1の支持面に対向するように第2の支持面が形成され、
互いに対向する第1の支持面及び第2の支持面同士の間には、前記カバー部材を前記壁部側から搬送領域側に付勢するための付勢機構が設けられていても良い。互いに対向する第1の支持面及び第2の支持面同士の間には、前記昇降基体と前記カバー部材との衝突を抑制するために、弾性体からなるストッパー機構が設けられていても良い。
【0010】
本発明の基板搬送容器の開閉装置は、
壁部における一面側に形成された第1の開口部の口縁部に、基板搬送容器の前面を開閉する蓋体の周囲を密着させ、基板の搬送領域側である前記壁部における他面側に鉛直面に対して下向きに傾斜して形成された第2の開口部を介して前記蓋体を取り外す基板搬送容器の開閉装置において、
前記基板の搬送領域側に昇降機構により昇降自在に設けられた昇降基体と、
この昇降基体に支持されると共に前記第2の開口部の口縁部にその周縁部を密着させて当該第2の開口部を塞ぐように構成され、前記第2の開口部を開閉するためのカバー部材と、
前記カバー部材と前記第2の開口部の口縁部との間をシールするためのシール部材と、
前記カバー部材に設けられ、当該カバー部材が前記第2の開口部を塞いでいるときに前記搬送容器の蓋体の取り外しまたは装着を行なう蓋体着脱機構と、
前記昇降基体に設けられ、前記カバー部材が当該昇降基体に対して後退位置から前記壁部側に向かって前進可能なように、当該カバー部材の姿勢を規制しながら下向きにガイドするガイド部と、
前記壁部側に設けられ、前記第2の開口部の口縁部におけるシール面と直交する方向に伸びる案内路と、
前記第2の開口部の開口面に対して平行で且つ横向きの軸周りに回動自在に前記カバー部材に設けられ、前記昇降基体が上昇しているときに前記案内路に下方側から接触して当該案内路に沿って転がりながら上る回動体と、
前記カバー部材を前記昇降基体に対して搬送領域側に付勢する付勢機構と、を備え、
前記カバー部材は、昇降基体が下降位置にあるときには前記付勢機構の付勢力によって後退位置に置かれる一方、前記昇降基体の上昇により前記回動体の転動と前記ガイド部によるガイド作用とにより前記付勢機構の付勢力に抗して後退位置から前進して、前記第2の開口部に対向した姿勢で当該開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の蓋体開閉装置は、
壁部における一面側及び他面側が互いに連通するように形成された開口部の前記他面側にて、前記一面側に設けられた基板搬送容器の蓋体または前記開口部を前記他面側から気密に塞ぐ蓋体を開閉する蓋体開閉装置において、
前記壁部の他面側に設けられ、当該壁部に沿って平行に伸びる軸の一方側と他方側との間において移動機構により移動自在に設けられた移動基体と、
前記他面側における前記開口部の口縁部に形成され、前記壁部から垂直に伸びる方向に対して前記一方側に傾斜するように構成されたシール面と、
前記移動基体に支持されると共に前記他面側における前記シール面にその周縁部を密着させて前記口縁部を塞ぐように構成され、前記開口部を開閉するためのカバー部材と、
前記カバー部材と前記シール面との間をシールするためのシール部材と、
前記カバー部材に設けられ、当該カバー部材が前記開口部を塞いでいるときに前記蓋体の取り外しまたは装着を行なう蓋体着脱機構と、
前記移動基体に設けられ、前記カバー部材が当該移動基体に対して後退位置から前記壁部側に向かって前進可能なように、当該カバー部材の姿勢を規制しながら前記壁部に対して垂直に向かう向きと前記一方側に向かう向きとの間の方向にガイドするガイド部と、
前記壁部側に設けられ、前記シール面と直交する方向に伸びる案内路と、
前記シール面に対して平行で且つ前記軸に交差する軸周りに回動自在に前記カバー部材に設けられ、前記移動基体が前記他方側に移動しているときに前記案内路に接触して当該案内路に沿って転がる回動体と、
前記カバー部材を前記移動基体に対して前記壁部側から前記後退位置側に向かって付勢する付勢機構と、を備え、
前記カバー部材は、移動基体が前記一方側の位置にあるときには後退位置に置かれる一方、前記移動基体の前記他方側への移動により前記回動体の転動と前記ガイド部によるガイド作用とにより後退位置から前進して、前記シール面に対向した姿勢で前記開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の半導体製造装置は、
基板搬送容器が載置される載置台と、
基板に対して処理を行う処理部と、
前記載置台上の基板搬送容器と前記処理部との間で基板の受け渡しを行う基板搬送機構と、
前記載置台上の基板搬送容器の蓋体または前記処理部と前記基板搬送機構との間に設けられた蓋体の開閉を行うための既述の開閉装置と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、壁部に形成された開口部を介して基板の搬送領域側から基板搬送容器の蓋体の着脱(開閉)を行うにあたり、搬送領域側の開口部の口縁部を鉛直面に対して上向きに傾斜させている。そして、昇降基体と共にカバー部材を昇降自在に構成し、カバー部材に回動体を設けると共に、昇降基体が下降する時にカバー部材が開口部に対向した姿勢で当該開口部に向かって前進するように、回動体が回動して案内される案内路を設けている。従って、昇降基体の昇降動作により開口部の口縁部の周囲に形成されたシール部材に対してカバー部材を接触させるにあたり、当該シール部材の摺動を抑えることができるので、シール部の摩耗を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の開閉装置が適用される縦型熱処理装置の一例を示す縦断面図である。
【図2】前記縦型熱処理装置を示す横断平面図である。
【図3】前記開閉装置の一例を示す分解斜視図である。
【図4】前記縦型熱処理装置において開閉装置により蓋体の着脱が行われる領域を示す搬送口の斜視図である。
【図5】前記開閉装置によりシールされるシール部を示す断面図である。
【図6】前記開閉装置を模式的に示す模式図である。
【図7】前記開閉装置を示す側面図である。
【図8】前記開閉装置を示す縦断面図である。
【図9】前記開閉装置を示す横断平面図である。
【図10】前記開閉装置を示す横断平面図である。
【図11】前記開閉装置に設けられるストッパー機構を示せす斜視図である。
【図12】前記ストッパー機構を示す横断平面図である。
【図13】前記開閉装置の一部を示す正面図である。
【図14】前記開閉装置においてドア部材をガイドするガイド部を示す斜視図である。
【図15】前記ガイド部を示す側面図である。
【図16】前記開閉装置の作用を示す作用図である。
【図17】前記開閉装置の作用を示す作用図である。
【図18】前記開閉装置の作用を示す作用図である。
【図19】前記開閉装置の作用を示す作用図である。
【図20】前記開閉装置の作用を模式的に示す模式図である。
【図21】前記開閉装置の他の例を示す側面図である。
【図22】前記開閉装置の他の例を示す側面図である。
【図23】前記開閉装置の他の例を示す側面図である。
【図24】前記開閉装置の他の例を示す側面図である。
【図25】前記開閉装置の他の例を示す側面図である。
【図26】前記開閉装置の他の例を示す側面図である。
【図27】前記開閉装置の他の例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の基板搬送容器の開閉装置の実施の形態の一例として、当該開閉装置を適用した半導体製造装置である縦型熱処理装置を例に挙げて、図1〜図15を参照して説明する。始めに、開閉装置20及び縦型熱処理装置の概略について説明する。開閉装置20は、複数枚例えば25枚のウエハWを棚状に収納する密閉型の搬送容器であるFOUP1から、当該FOUP1の側方側(前面側)の開口部2に気密に設けられた蓋体3を着脱(開閉)するためのものである。そのため、開閉装置20は、縦型熱処理装置に対して外部からFOUP1が搬入される搬入出エリアS1と、FOUP1から取り出されたウエハWの搬送を行うローディングエリアS2と、の間(詳しくはこれらエリアS1、S2間の側壁部4よりもローディングエリアS2側)に配置されている。この側壁部4には、蓋体3やウエハWの搬送を行うための搬送口5が形成されており、後述するように、ローディングエリアS2側における搬送口5(筒状体5a)の開口縁の周囲には、蓋体3の着脱される開閉領域S3をエリアS1、S2から気密に区画するためのシール部材56が斜め上側を向くように形成されている。そして、既述の開閉装置20は、昇降ロッド21に沿って鉛直方向に昇降することにより、前記シール部材56に対して垂直に移動して気密に接触するように構成されている。
【0016】
続いて、開閉装置20の詳細について述べる前に、縦型熱処理装置の全体の概観について簡単に説明する。搬入出エリアS1には、図1及び図2に示すように、側壁部4の一面側(搬入出エリアS1側)における既述の搬送口5の開口縁(口縁部)に対してFOUP1の蓋体3の周囲を気密に当接させるために、当該FOUP1を図1中前後方向(X方向)に進退させるための載置台6が左右方向(Y方向)に互いに離間して複数箇所例えば2箇所に配置されている。この搬入出エリアS1側における搬送口5の周囲には、側壁部4に当接されたFOUP1の開口縁と気密に接触するように、図7に示すように、例えば樹脂やゴムなどからなるシール部10が周方向に亘って設けられている。図1中7は縦型熱処理装置の外部の図示しない搬送機構によりFOUP1が載置される搬入出ステージ、8はウエハWが取り出されて空になったFOUP1を保管するための保管領域、9はこれら載置台6、搬入出ステージ7及び保管領域8間においてFOUP1の搬送を行う搬送アームである。尚、シール部10については、図7以外では描画を省略している。
【0017】
搬入出ステージ7から見て搬入出エリアS1の奥側には、既述のローディングエリアS2が配置されている。このローディングエリアS2には、搬送口5、5に対向するように各々開閉装置20、20が設けられており、開閉装置20、20の更に奥側には多数枚例えば100枚程度のウエハWを棚状に保持する昇降自在及び鉛直軸周りに回転自在に構成されたウエハボート11が配置されている。これら開閉装置20とウエハボート11との間には、搬入出エリアS1のFOUP1とウエハボート11との間でウエハWの受け渡しを行うためのウエハ搬送アーム12が基板搬送機構として設けられており、このウエハ搬送アーム12は前後方向に進退自在、鉛直軸周りに回転自在、左右方向に移動自在及び昇降自在に構成されている。ウエハボート11の上方側には、当該ウエハボート11が気密に収納されてウエハWに対して例えば加熱処理の行われる縦型の処理部をなす反応管13が設けられている。この反応管13の下方には、当該反応管13の下端側である炉口を気密に開閉するための蓋体13aを水平に保持して進退自在に構成された図示しない蓋体開閉機構が設けられている。図1及び図2における14は、縦型熱処理装置の外部と当該縦型熱処理装置との間に設けられた筐体であり、この筐体14の一部をなす壁面部が既述のエリアS1、S2間に形成されている。
【0018】
ここで、ローディングエリアS2側における既述の搬送口5の開口縁のなす面は、斜め上方を向くように形成されている。即ち、ローディングエリアS2には、図3及び図4に示すように、前後方向に伸びると共に一端側及び他端側が各々開口する概略角筒型の筒状体5aが設けられており、この筒状体5aの前記一端側は、周縁部が搬送口5の開口縁に向かって周方向に亘って水平に伸び出して側壁部4に気密に接続されている。この筒状体5aの他端側のなす面は、斜め上方を向いている。従って、搬送口5における搬入出エリアS1側の開口部及びローディングエリアS2側の開口部を夫々第1の開口部及び第2の開口部と呼ぶと、第2の開口部は、鉛直面に対して上向きに傾斜するように形成されている。この例では、水平面と筒状体5aの他端側のなす面との角度θは、図6に示すように例えば80°となっている。尚、図6は開閉装置20を模式的に示している。
【0019】
ローディングエリアS2側における筒状体5aの他端側には、図4に示すように、当該筒状体5aの開口縁を囲むように、周方向に亘って樹脂やゴムなどからなるシール部材56が設けられている。シール部材56は、この例では弾性力が得られやすいように(シールしやすいように)、図5に示すように、当該シール部材56の長さ方向に直交する方向で切断した時に、中央部がウエハ搬送アーム12側に向かって突出するように形成されている。筒状体5aの下面側には、開閉領域S3の雰囲気を排気するための排気口57が形成されており、この排気口57から縦型熱処理装置の下方側に向かって伸びる排気路58には、図示しない排気ポンプが接続されている。尚、図4は、シール部材56を模式的に示しており、図3は、側壁部4から筒状体5aを離間させて描画している。また、図10においてはシール部材56を省略している。
【0020】
次いで、図3〜図15を参照して開閉装置20について詳述する。この開閉装置20は、上下方向に各々伸びると共に側壁部4に沿うように左右に互いに離間して平行に配置された昇降機構(移動機構)の一部である昇降ロッド21、21と、昇降ロッド21、21に沿って各々昇降自在に構成された概略板状の昇降基体(移動基体)22、22と、を備えている。そして、これら昇降基体22、22間には、当該昇降基体22、22と共に昇降自在及び昇降基体22、22に対して前後方向に進退自在となるように、搬送口5側が開口する概略箱型のカバー部材23が昇降基体22、22により支持されている。尚、図7は、開閉装置20を図示するために昇降ロッド21の一部を省略して一点鎖線で示している。
【0021】
昇降ロッド21、21は、上端側が支持部24を介して側壁部4に支持され、下端側が床面に固定されている。これら昇降ロッド21、21の例えば内部には、図示しないエアシリンダ機構が組み合わされて設けられており、当該機構により昇降基体22、22が互いに平行に昇降自在に支持されている。尚、図9は開閉装置20にカバー部材23を取り付けた状態、図10はカバー部材23を取り外した状態を描画している。
【0022】
各々の昇降基体22、22は、側壁部4に向かって伸びるように形成された概略板状体をなしており、ウエハ搬送アーム12側の一端部に昇降ロッド21が上下方向に貫挿されると共に、例えば搬送口5側の他端部が側壁部4に形成されたガイド溝25に嵌合して上下方向にガイドされるように構成されている。これら昇降ロッド21、21によって、昇降基体22、22は、搬送口5を臨む(搬送口5に対向する)下方位置と、ウエハ搬送アーム12によるFOUP1からのウエハWの取り出し動作に干渉しないように上方側に退避する退避位置と、の間において、既述のカバー部材23を左右方向における側面側から挟むように支持して昇降するように構成されている。
【0023】
昇降基体22、22とカバー部材23との間には、既述のように当該昇降基体22、22に対してカバー部材23を前後方向に進退自在に支持するために、互いに上下方向に離間するように配置されたガイド部26、26が各々設けられている。具体的には、各々のガイド部26は、例えば前後方向に伸びるように昇降基体22に形成された貫通口26aと、一端側がカバー部材23における当該昇降基体22に対向する側壁面に固定されると共に、他端側が前記貫通口26a内に貫挿されて当該貫通口26aに沿って移動することによりカバー部材23を進退させる棒状の進退軸26bと、により構成されている。
【0024】
この時、各々の貫通口26aは、貫通口26aに沿ってカバー部材23が搬送口5側に移動する時に昇降基体22、22に対して相対的に上昇するように、奥側から手前側に向かって斜め上側に傾斜するように形成されている。即ち、後述するように、カバー部材23がウエハ搬送アーム12側から搬送口5側に移動する時、このカバー部材23は筒状体5aの開口端に向かって斜め下側に移動することになる。そのため、昇降基体22から見ると、前記斜め下側に移動するカバー部材23は、当該昇降基体22よりも鉛直方向下方側へ移動する速度が遅くなるので、昇降基体22に対して相対的に上昇すると言える。従って、昇降基体22に対する相対的な移動方向に沿うように、既述の貫通口26aの向きを設定している。このように貫通口26aを斜めに形成することにより、カバー部材23は、前記退避位置に向かって昇降基体22が上昇する時に当該カバー部材23の下端部が他の部位(後述の案内部61)に支持されていない状態では、貫通口26aに沿って重力により下側(ウエハ搬送アーム12側)に位置する。
【0025】
そして、ガイド部26を上下方向に2箇所に設けているので、前後方向にカバー部材23が移動する時、カバー部材23はガイド部26によりガイドされながら、筒状体5aの開口面に対向する姿勢が保たれる(搬送口5側またはウエハ搬送アーム12側に倒れない)ように構成されている。貫通口26aの伸びる方向と水平面とのなす角度αは、図6に示すように、例えば10°となっている。
【0026】
ここで、以上の例では、ガイド部26の機能を分かりやすく説明するために、ガイド部26として既述の貫通口26a及び進退軸26bからなる構成を例に挙げたが、実際にはこれら貫通口26a及び進退軸26bに代えて、図14及び図15に示すように、昇降基体22側に設けられたガイドレール100と、カバー部材23に設けられ、ガイドレール100にガイドされて進退する進退部101と、を備えた構成となっている。尚、図14及び図15ではガイド部26について一つだけ描画しており、開閉装置20の一部を示している。
【0027】
各々の昇降基体22、22とカバー部材23との間には、昇降基体22、22に対してカバー部材23をウエハ搬送アーム12側に付勢するために、スプリングなどからなる付勢機構31が各々設けられている。具体的には、カバー部材23における昇降基体22、22に各々対向する面には、ガイド部26、26間において当該昇降基体22、22側に向かって概略矩形に突出する突出部32が設けられており、各々の昇降基体22、22には、この突出部32が遊嵌される(隙間領域を介して嵌め込まれる)開口部33が形成されている。
【0028】
突出部32における前後方向の側面のうち搬送口5側の側面と、当該側面に対向する開口部33の内壁面との間には、図11及び図12に示すように、一端側及び他端側がこれら側面及び内壁面に夫々固定された既述の付勢機構31が設けられている。この付勢機構31は、既述のようにカバー部材23が貫通口26aに沿って重力により下側(ウエハ搬送アーム12側)に移動する時に、この移動を補助するためのものである。付勢機構31の伸縮方向は、既述の貫通口26aの長さ方向に沿うように構成されている。この時、開口部33は、付勢機構31の伸縮動作に干渉しないように、貫通口26aの長さ方向に沿うように形成されており、開口部33及び突出部32において当該付勢機構31を固定する面は、前記伸縮方向に対して直交するように形成されている。尚、図3においては、付勢機構31を省略している。
【0029】
既述の付勢機構31の固定されている昇降基体22側の面及びカバー部材23側の面を夫々第1の支持面34及び第2の支持面35と呼ぶと、第2の支持面35には、これら昇降基体22とカバー部材23との衝突を防止するために、例えば樹脂などからなる弾性体が第1の支持面34に対して隙間領域を介して対向するようにストッパー機構36として設けられている。また、突出部32における前記第1の支持面34の反対側の面には、同様に昇降基体22とカバー部材23との衝突を防止するためのストッパー機構36が設けられている。
【0030】
続いて、カバー部材23について詳述する。カバー部材23は、既述のように搬送口5側が開口する概略箱型形状をなしており、下端側が昇降基体22の下端縁よりも下方側に伸び出している。このカバー部材23の側面部における既述のガイド部26、26の下方側には、側壁部4に平行な水平軸の周りに回転自在に構成された回動体41が設けられている。即ち、図13に示すように、前記水平軸に沿って伸びる軸部41aの一端側がカバー部材23に固定されており、この軸部41aの他端側に回動体41が回動自在に支持されている。回動体41は、カバー部材23における左右両側に設けられている。尚、図13以外では軸部41aについて省略している。
【0031】
また、カバー部材23における搬送口5側における周縁部は、筒状体5aの開口縁(口縁部)と気密に接触するように、当該周縁部のなす面が斜め下方を向くように形成されている。カバー部材23における搬送口5側には、搬送口5を介して搬入出エリアS1側に伸び出して蓋体3の着脱(開閉)を行うために、概略箱型の蓋体着脱機構51が設けられている。また、カバー部材23のウエハ搬送アーム12側の側面には、前記開閉領域S3の雰囲気の置換を行う時に当該開閉領域S3に対して清浄気体例えば窒素ガスを供給するために、ガス供給管52の一端側が接続されている。図3中51aは、蓋体3の外側に設けられた図示しない鍵穴に挿入されて当該蓋体3のロックを解除するために蓋体着脱機構51に設けられた解除部材であり、当該蓋体着脱機構51の内部に設けられた図示しない駆動部により駆動(蓋体3の着脱)を行うように構成されている。また、図3中51bは、蓋体着脱機構51を進退させる駆動機構である。
【0032】
ローディングエリアS2側における側壁部4には、図3に示すように、既述の筒状体5aを左右方向から挟むように、当該側壁部4から既述の回動体41、41の下方位置に向かって垂直に伸びる案内部61、61が設けられている。案内部61、61の上面は、回動体41、41の下方側の領域(カバー部材23が前後方向に移動する領域)において、当該回動体41、41を搬送口5側に案内するために、奥側から手前側に向かって斜め下側に傾斜するように形成されている。この案内路62と水平面とのなす角度βは、筒状体5aの開口面に対して直交する角度となるように、具体的に当該開口面に対して90°±5°となるように、図6に示すように、例えば10°となっている。案内部61の上面の傾斜面は、案内路62をなしている。
【0033】
この縦型熱処理装置には、装置全体の動作のコントロールを行うためのコンピュータからなる図示しない制御部が設けられており、この制御部のメモリ内には、縦型熱処理装置の外部から搬入されたFOUP1からウエハWを取り出し、反応管13内においてウエハボート11に積載されたウエハWに対して加熱処理を行うためのプログラムが格納されている。このプログラムは、ハードディスク、コンパクトディスク、光磁気ディスク、メモリカード、フレキシブルディスクなどの記憶媒体である記憶部から制御部内にインストールされる。
【0034】
次に、上述実施の形態の作用について説明する。先ず、縦型熱処理装置の外部の図示しない搬送機構により搬入出ステージ7に搬送されたFOUP1を搬送アーム9により載置台6に載置する。この時、搬入出エリアS1側の雰囲気がローディングエリアS2側に流入しないように、当該ローディングエリアS2側には、筒状体5aの開口部を気密に塞ぐようにカバー部材23が位置しており、案内部61上に回動体41が位置している。そして、図16に示すように、載置台6を奥側に移動させて、FOUP1の蓋体3側(開口部2における開口縁)をローディングエリアS2側に気密に当接させる。こうして蓋体3の位置する領域である既述の開閉領域S3は、各エリアS1、S2から気密に区画される。
【0035】
続いて、排気路58を介して前記開閉領域S3内の雰囲気を排気すると共に、当該開閉領域S3に対してガス供給管52から清浄気体を供給して、この開閉領域S3の雰囲気を置換する。従って、FOUP1側(搬入出エリアS1側)の雰囲気は、この開閉領域S3から排出される。また、シール部材56を介して筒状体5aとカバー部材23との間が気密に区画されているので、前記清浄気体や搬入出エリアS1側の雰囲気は、ローディングエリアS2側に流入しない。
【0036】
次いで、カバー部材23に設けられた既述の蓋体着脱機構51が筒状体5aの内部領域及び搬送口5を介してFOUP1側に伸び出して、解除部材51aを介して蓋体3を当該FOUP1から取り外した後、蓋体着脱機構51が蓋体3と共にカバー部材23側の元の位置に戻る。そして、図17に示すように、昇降基体22は、カバー部材23、蓋体着脱機構51及び蓋体3と共に、ウエハ搬送アーム12によるFOUP1からのウエハWの搬出に干渉しない上側の退避位置に退避する。この時、昇降基体22が上昇すると回動体41が案内部61から離れていく。そのため、既述のようにガイド部26が搬送口5側からウエハ搬送アーム12側に向かう程下がるように傾斜しており、また付勢機構31によりカバー部材23がウエハ搬送アーム12側に付勢されているので、カバー部材23は、退避位置において搬送口5側からウエハ搬送アーム12側に離間した領域(後退位置)に位置する。尚、図17では蓋体3の記載を省略している。
【0037】
続いて、ウエハ搬送アーム12がFOUP1側に伸び出して、筒状体5a及び搬送口5を介してウエハWを取り出す動作と、ウエハボート11にこのウエハWを積載する動作とを複数回繰り返して、FOUP1から例えば全てのウエハWをウエハボート11に移し替える。空になったFOUP1は、以下のようにして蓋体3が閉じられる(装着される)。
【0038】
即ち、既述の退避位置から昇降基体22がカバー部材23と共に下位置に向かって下降する。そして、昇降基体22が下降する途中において、図18に示すように、回動体41が案内部61に接触する。次いで、昇降基体22が更に下降しようとすると、回動体41は案内部61により鉛直方向下方側への移動が規制されているので、案内部61の案内路62に沿って転がりながら下って、カバー部材23を筒状体5aの開口面に向かって垂直に移動させる。この時、カバー部材23は、鉛直面に対する姿勢がガイド部26により規制されているので、図19に示すように、筒状体5aの開口面に対する当該カバー部材23における搬送口5側の面が平行姿勢を保ったまま前進する。その後、カバー部材23は、既述の図16のように、シール部材56を介して当該筒状体5aの開口面に気密に接触する。続いて、蓋体3を保持した蓋体着脱機構51が筒状体5a及び搬送口5を介してFOUP1側に伸び出して、FOUP1に対して当該蓋体3の装着を行う。尚、図16〜図19では昇降ロッド21の一部を省略している。
【0039】
このようにカバー部材23が筒状体5aに向かって移動する様子を模式的に表すと、図20のように、回動体41が案内路62を下方側(搬送口5側)に向かって移動しながら、ガイド部26における進退軸26bが貫通口26a内を斜め上側に向かって上昇していることが分かる。尚、図20において、カバー部材23が筒状体5aに気密に接触するまでのこれらカバー部材23、ガイド部26及び回動体41が位置するある領域における稜線を一点鎖線で描画している。
【0040】
こうして蓋体3の装着された空のFOUP1を保管領域8に搬送した後、未処理のウエハWが収納された別のFOUP1に対して、同様に蓋体3の取り外し、ウエハWの搬出及び蓋体3の取り付けを行う。そして、複数のFOUP1からウエハWを順次取り出した後、例えば150枚程度のウエハWの積載されたウエハボート11を反応管13内に気密に挿入し、各々のウエハWに対して例えば成膜処理などの加熱処理を行う。その後、FOUP1から搬出された順番と逆の順序で、元のFOUP1に各々のウエハWを搬入する。
【0041】
上述の実施の形態によれば、側壁部4に形成された搬送口5を介してFOUP1の蓋体3の着脱を行うにあたり、ローディングエリアS2側における搬送口5の開口端が斜め上方を向くように、当該側壁部4に筒状体5aを気密に接続している。そして、昇降基体22と共にカバー部材23を昇降自在に構成し、カバー部材23に回動体41を設けると共に、昇降基体22が下降する時にカバー部材23が筒状体5aの開口面に対して垂直に移動するように、回動体41の案内される案内部61を設けている。この時、カバー部材23が筒状体5aに向かって移動する時に、当該ドア部材の姿勢を規制するために、カバー部材23と昇降基体22との間にガイド部26を各々設けている。従って、カバー部材23は、昇降基体22の昇降動作だけで、昇降すると共にシール部材56に対して垂直に移動する。そのため、シール部材56に対するカバー部材23の摺動が抑えられるので、シール部材56の摩耗(劣化)を抑制できる。この時、実験用ユニットを用いて開閉装置20を構成し、シール部材56の耐摩耗性の加速試験を行ったところ、10年分の開閉装置20の稼働を行っても、シール部材56の摩耗は確認されなかった。
【0042】
また、昇降基体22の昇降動作によりシール部材56に対して気密に接触しているので、カバー部材23を前後方向に移動させる機構(駆動軸)が不要になり、従って当該駆動軸を設けた場合に比べて駆動系を簡素化できるので、装置のコストを低減できる。更に、ストッパー機構36、36を設けているので、カバー部材23と昇降基体22との衝突を抑えることができる。
【0043】
既述のガイド部26における水平面に対する角度αは、0°<α<90°であれば良く、即ち案内部61によって案内されるカバー部材23の移動を阻害しない角度であれば良いが、急峻すぎると(90°に近いと)カバー部材23がシール部材56に到達するまでに要する昇降基体22の移動ストロークが長くなってしまうことから、寝ている(0°に近い)方が好ましい。以上においてシール部材56に対してカバー部材23が垂直に移動するにあたり、「垂直」とは、シール部材56の摩耗が抑えられる程度であれば良く、具体的には90°±5°となる。また、回動体41及び案内部61からなる構成をカバー部材23の左右方向両側に設けたが、片側だけに設けても良いし、例えば筒状体5aの下方位置に設けても良い。更に、昇降ロッド21及び昇降基体22をカバー部材23の左右両側に設けたが、これら昇降ロッド21及び昇降基体22をカバー部材23の片側だけに設けて、片持ちでカバー部材23を昇降させる機構を採っても良い。
【0044】
以下に、開閉装置20の他の実施の形態について述べる。図21は、回動体41及び案内部61について、カバー部材23の下方側に設けることに代えて、当該カバー部材23の上方側に各々配置した例を示している。具体的には、カバー部材23の上面側には、上下方向に伸びる支持軸71の下端側が接続されている。この支持軸71の上端側は、例えばカバー部材23の昇降する昇降領域を避けるように、ウエハ搬送アーム12側から搬送口5側を見た時に上方側に向かうにつれて外側に広がるように屈曲すると共に、回動体41(詳しくは既述の軸部41a)に接続されている。そして、この回動体41の下面を案内するように、前記昇降領域を避けた位置においてカバー部材23の上方側に案内部61が設けられている。
【0045】
また、図22は、退避位置を筒状体5aよりも下方側に設定した例を示している。即ち、この例における開閉装置20は、既述の図3における開閉装置20を上下反転した状態となっている。具体的には、筒状体5aは、斜め下側を向くように形成されている。また、案内部61は、既述の案内路62が下側を向くと共にカバー部材23の上方側に位置するように配置されている。この案内路62は、手前側から奥側に向かって斜め下側に傾斜するように形成されている。ガイド部26は、同様に手前側から奥側に向かって斜め上方を向くように形成されている。
【0046】
この例では、カバー部材23は、退避位置では付勢機構31の付勢力により、ウエハ搬送アーム12側(貫通口26aにおける奥側)に位置している。そして、昇降基体22が上昇して回動体41が案内路62に接触すると、付勢機構31の付勢力に抗して、回動体41が案内路62に沿って筒状体5a側に移動しながら上昇し、また昇降基体22に対してカバー部材23が相対的に下降して、シール部材56に対してカバー部材23が垂直に向かうことになる。
【0047】
また、図23は、回動体41の回動面及び案内路62を水平面に対して傾斜させた例を示している。即ち、回動体41は、回転軸方向において、外側(昇降ロッド21側)から内側(カバー部材23側)に向かうにつれて縮径するように形成されている。案内路62は、この回動体41の回動面に沿うように、前記外側から前記内側に向かう程高くなるように形成されている。
更に、図24は、回動体41の回動軸を水平方向に対して傾斜させた例を示している。具体的には、回動体41は、前記外側から前記内側に向かうにつれて高くなると共に筒状体5aの開口面に対して平行で横向き(昇降ロッド21の伸びる軸と交差する方向)の軸の周りに回動するように構成されている。案内路62については、この回動体41の回動面に沿うように、既述の図23と同様に外側から内側に向かって高くなっている。ここで、このような回動体41及び案内部61をカバー部材23の左右両側に配置しているので、当該カバー部材23は、案内路62から外れた領域に回動体41が脱落したりせずに、既述のように進退することになる。
【0048】
更にまた、図25は、案内部61について、傾斜面である案内路62として、案内部61に代えて回動体41がガイドされるガイド溝72を形成した例を示している。この例において、ガイド溝72の上端位置には、回動体41が当該ガイド溝72に対して出入りするための切り欠き部73が形成されている。
更にまた、図26は、既述の筒状体5aの開口面が斜め上方向且つ搬入出ステージ7から見て右側に寄った方向を向くように形成した例を示している。この例においても、カバー部材23が筒状体5aの開口面に向かって垂直に移動するように、回動体41は、図27に示すように、筒状体5aの開口面に沿う方向に伸びる水平軸の周りを回動するように構成される。また、案内部61は、この回動体41を案内するように、筒状体5aの開口面に対して直交するように案内路62が形成される。
【0049】
以上の例では、昇降基体22について、上下方向に移動するように構成したが、側壁部4に沿って左右方向に移動するように構成しても良い。この場合には、筒状体5aの開口面は、側壁部4から垂直に伸びる方向に対して昇降基体22の移動方向における一方側を向くように形成され、この筒状体5aの開口面に対して垂直にカバー部材23が移動するように、既述のガイド部26、回動体41及び案内部61が配置される。具体的には、ガイド部26は、奥側から手前側に向かうにつれて、昇降基体22の移動方向における他方側から前記一方側に傾斜するように形成される。回動体41は、筒状体5aの開口面に平行で昇降基体22の移動方向と交差する軸の周りに回動するように構成される。また、案内部61は、奥側から手前側に向かうにつれて、前記一方側から前記他方側に傾斜するように形成される。
また、本発明の開閉装置20は、縦型熱処理装置以外にも、ウエハWに対してレジスト膜の形成を行う塗布・現像装置や、ウエハW上に形成された電極パッドに対してプローブ針を接触させて当該電極パッドの検査を行うプローブ装置などの半導体製造装置に適用しても良い。このような場合においても、開閉装置20は、ウエハWに対して各処理(レジスト膜の形成や検査)が行われる処理部と、FOUP1の載置される載置台6との間に設けられる。
【0050】
更に、以上の例ではFOUP1の蓋体3の着脱を行う場合において、シール部材56に対して垂直にカバー部材23を移動させる例について説明したが、本発明は、FOUP1の蓋体3の着脱する場合以外に適用しても良い。具体的には、例えば反応管13の下端側における開口端(炉口)を蓋体により気密に密閉する場合に適用しても良い。この場合には、前記開口端の周囲にシール部材が設けられ、既述の開閉装置20は、前記開口端を気密に密閉する既述の蓋体13aを水平に保持して、水平方向に移動するように構成される。また、本発明は、例えば粉末などの被処理物に対して複数の処理(秤量、混練、焼結、粉砕など)を順番に行って固形物などの処理物を得る処理工場において、前記処理を行う工程室間を仕切るためのドア(蓋体)の開閉を行う例に適用しても良い。
【符号の説明】
【0051】
1 FOUP
3 蓋体
5 搬送口
20 開閉装置
21 昇降ロッド
22 昇降基体
23 カバー部材
26 ガイド部
41 回動体
51 蓋体着脱機構
56 シール部材
61 案内部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁部における一面側に形成された第1の開口部の口縁部に、基板搬送容器の前面を開閉する蓋体の周囲を密着させ、基板の搬送領域側である前記壁部における他面側に鉛直面に対して上向きに傾斜して形成された第2の開口部を介して前記蓋体を取り外す基板搬送容器の開閉装置において、
前記基板の搬送領域側に昇降機構により昇降自在に設けられた昇降基体と、
この昇降基体に支持されると共に前記第2の開口部の口縁部にその周縁部を密着させて当該第2の開口部を塞ぐように構成され、前記第2の開口部を開閉するためのカバー部材と、
前記カバー部材と前記第2の開口部の口縁部との間をシールするためのシール部材と、
前記カバー部材に設けられ、当該カバー部材が前記第2の開口部を塞いでいるときに前記搬送容器の蓋体の取り外しまたは装着を行なう蓋体着脱機構と、
前記昇降基体に設けられ、前記カバー部材が当該昇降基体に対して後退位置から前記壁部側に向かって前進可能なように、当該カバー部材の姿勢を規制しながら上向きにガイドするガイド部と、
前記壁部側に設けられ、前記第2の開口部の口縁部におけるシール面と直交する方向に伸びる案内路と、
前記第2の開口部の開口面に対して平行で且つ横向きの軸周りに回動自在に前記カバー部材に設けられ、前記昇降基体が下降しているときに前記案内路に上方側から接触して当該案内路に沿って転がりながら下る回動体と、を備え、
前記カバー部材は、昇降基体が上昇位置にあるときには後退位置に置かれる一方、前記昇降基体の下降により前記回動体の転動と前記ガイド部によるガイド作用とにより後退位置から前進して、前記第2の開口部に対向した姿勢で当該開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする基板搬送容器の開閉装置。
【請求項2】
前記昇降基体には、当該昇降基体に対する前記カバー部材の進退方向に対して直交する方向に沿うように第1の支持面が形成され、
前記カバー部材には、前記第1の支持面に対向するように第2の支持面が形成され、
互いに対向する第1の支持面及び第2の支持面同士の間には、前記カバー部材を前記壁部側から搬送領域側に付勢するための付勢機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の基板搬送容器の開閉装置。
【請求項3】
互いに対向する第1の支持面及び第2の支持面同士の間には、前記昇降基体と前記カバー部材との衝突を抑制するために、弾性体からなるストッパー機構が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の基板搬送容器の開閉装置。
【請求項4】
壁部における一面側に形成された第1の開口部の口縁部に、基板搬送容器の前面を開閉する蓋体の周囲を密着させ、基板の搬送領域側である前記壁部における他面側に鉛直面に対して下向きに傾斜して形成された第2の開口部を介して前記蓋体を取り外す基板搬送容器の開閉装置において、
前記基板の搬送領域側に昇降機構により昇降自在に設けられた昇降基体と、
この昇降基体に支持されると共に前記第2の開口部の口縁部にその周縁部を密着させて当該第2の開口部を塞ぐように構成され、前記第2の開口部を開閉するためのカバー部材と、
前記カバー部材と前記第2の開口部の口縁部との間をシールするためのシール部材と、
前記カバー部材に設けられ、当該カバー部材が前記第2の開口部を塞いでいるときに前記搬送容器の蓋体の取り外しまたは装着を行なう蓋体着脱機構と、
前記昇降基体に設けられ、前記カバー部材が当該昇降基体に対して後退位置から前記壁部側に向かって前進可能なように、当該カバー部材の姿勢を規制しながら下向きにガイドするガイド部と、
前記壁部側に設けられ、前記第2の開口部の口縁部におけるシール面と直交する方向に伸びる案内路と、
前記第2の開口部の開口面に対して平行で且つ横向きの軸周りに回動自在に前記カバー部材に設けられ、前記昇降基体が上昇しているときに前記案内路に下方側から接触して当該案内路に沿って転がりながら上る回動体と、
前記カバー部材を前記昇降基体に対して搬送領域側に付勢する付勢機構と、を備え、
前記カバー部材は、昇降基体が下降位置にあるときには前記付勢機構の付勢力によって後退位置に置かれる一方、前記昇降基体の上昇により前記回動体の転動と前記ガイド部によるガイド作用とにより前記付勢機構の付勢力に抗して後退位置から前進して、前記第2の開口部に対向した姿勢で当該開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする基板搬送容器の開閉装置。
【請求項5】
壁部における一面側及び他面側が互いに連通するように形成された開口部の前記他面側にて、前記一面側に設けられた基板搬送容器の蓋体または前記開口部を前記他面側から気密に塞ぐ蓋体を開閉する蓋体開閉装置において、
前記壁部の他面側に設けられ、当該壁部に沿って平行に伸びる軸の一方側と他方側との間において移動機構により移動自在に設けられた移動基体と、
前記他面側における前記開口部の口縁部に形成され、前記壁部から垂直に伸びる方向に対して前記一方側に傾斜するように構成されたシール面と、
前記移動基体に支持されると共に前記他面側における前記シール面にその周縁部を密着させて前記口縁部を塞ぐように構成され、前記開口部を開閉するためのカバー部材と、
前記カバー部材と前記シール面との間をシールするためのシール部材と、
前記カバー部材に設けられ、当該カバー部材が前記開口部を塞いでいるときに前記蓋体の取り外しまたは装着を行なう蓋体着脱機構と、
前記移動基体に設けられ、前記カバー部材が当該移動基体に対して後退位置から前記壁部側に向かって前進可能なように、当該カバー部材の姿勢を規制しながら前記壁部に対して垂直に向かう向きと前記一方側に向かう向きとの間の方向にガイドするガイド部と、
前記壁部側に設けられ、前記シール面と直交する方向に伸びる案内路と、
前記シール面に対して平行で且つ前記軸に交差する軸周りに回動自在に前記カバー部材に設けられ、前記移動基体が前記他方側に移動しているときに前記案内路に接触して当該案内路に沿って転がる回動体と、
前記カバー部材を前記移動基体に対して前記壁部側から前記後退位置側に向かって付勢する付勢機構と、を備え、
前記カバー部材は、移動基体が前記一方側の位置にあるときには後退位置に置かれる一方、前記移動基体の前記他方側への移動により前記回動体の転動と前記ガイド部によるガイド作用とにより後退位置から前進して、前記シール面に対向した姿勢で前記開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする蓋体の開閉装置。
【請求項6】
基板搬送容器が載置される載置台と、
基板に対して処理を行う処理部と、
前記載置台上の基板搬送容器と前記処理部との間で基板の受け渡しを行う基板搬送機構と、
前記載置台上の基板搬送容器の蓋体または前記処理部と前記基板搬送機構との間に設けられた蓋体の開閉を行うための請求項1ないし5のいずれか一つに記載の開閉装置と、を備えたことを特徴とする半導体製造装置。
【請求項1】
壁部における一面側に形成された第1の開口部の口縁部に、基板搬送容器の前面を開閉する蓋体の周囲を密着させ、基板の搬送領域側である前記壁部における他面側に鉛直面に対して上向きに傾斜して形成された第2の開口部を介して前記蓋体を取り外す基板搬送容器の開閉装置において、
前記基板の搬送領域側に昇降機構により昇降自在に設けられた昇降基体と、
この昇降基体に支持されると共に前記第2の開口部の口縁部にその周縁部を密着させて当該第2の開口部を塞ぐように構成され、前記第2の開口部を開閉するためのカバー部材と、
前記カバー部材と前記第2の開口部の口縁部との間をシールするためのシール部材と、
前記カバー部材に設けられ、当該カバー部材が前記第2の開口部を塞いでいるときに前記搬送容器の蓋体の取り外しまたは装着を行なう蓋体着脱機構と、
前記昇降基体に設けられ、前記カバー部材が当該昇降基体に対して後退位置から前記壁部側に向かって前進可能なように、当該カバー部材の姿勢を規制しながら上向きにガイドするガイド部と、
前記壁部側に設けられ、前記第2の開口部の口縁部におけるシール面と直交する方向に伸びる案内路と、
前記第2の開口部の開口面に対して平行で且つ横向きの軸周りに回動自在に前記カバー部材に設けられ、前記昇降基体が下降しているときに前記案内路に上方側から接触して当該案内路に沿って転がりながら下る回動体と、を備え、
前記カバー部材は、昇降基体が上昇位置にあるときには後退位置に置かれる一方、前記昇降基体の下降により前記回動体の転動と前記ガイド部によるガイド作用とにより後退位置から前進して、前記第2の開口部に対向した姿勢で当該開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする基板搬送容器の開閉装置。
【請求項2】
前記昇降基体には、当該昇降基体に対する前記カバー部材の進退方向に対して直交する方向に沿うように第1の支持面が形成され、
前記カバー部材には、前記第1の支持面に対向するように第2の支持面が形成され、
互いに対向する第1の支持面及び第2の支持面同士の間には、前記カバー部材を前記壁部側から搬送領域側に付勢するための付勢機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の基板搬送容器の開閉装置。
【請求項3】
互いに対向する第1の支持面及び第2の支持面同士の間には、前記昇降基体と前記カバー部材との衝突を抑制するために、弾性体からなるストッパー機構が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の基板搬送容器の開閉装置。
【請求項4】
壁部における一面側に形成された第1の開口部の口縁部に、基板搬送容器の前面を開閉する蓋体の周囲を密着させ、基板の搬送領域側である前記壁部における他面側に鉛直面に対して下向きに傾斜して形成された第2の開口部を介して前記蓋体を取り外す基板搬送容器の開閉装置において、
前記基板の搬送領域側に昇降機構により昇降自在に設けられた昇降基体と、
この昇降基体に支持されると共に前記第2の開口部の口縁部にその周縁部を密着させて当該第2の開口部を塞ぐように構成され、前記第2の開口部を開閉するためのカバー部材と、
前記カバー部材と前記第2の開口部の口縁部との間をシールするためのシール部材と、
前記カバー部材に設けられ、当該カバー部材が前記第2の開口部を塞いでいるときに前記搬送容器の蓋体の取り外しまたは装着を行なう蓋体着脱機構と、
前記昇降基体に設けられ、前記カバー部材が当該昇降基体に対して後退位置から前記壁部側に向かって前進可能なように、当該カバー部材の姿勢を規制しながら下向きにガイドするガイド部と、
前記壁部側に設けられ、前記第2の開口部の口縁部におけるシール面と直交する方向に伸びる案内路と、
前記第2の開口部の開口面に対して平行で且つ横向きの軸周りに回動自在に前記カバー部材に設けられ、前記昇降基体が上昇しているときに前記案内路に下方側から接触して当該案内路に沿って転がりながら上る回動体と、
前記カバー部材を前記昇降基体に対して搬送領域側に付勢する付勢機構と、を備え、
前記カバー部材は、昇降基体が下降位置にあるときには前記付勢機構の付勢力によって後退位置に置かれる一方、前記昇降基体の上昇により前記回動体の転動と前記ガイド部によるガイド作用とにより前記付勢機構の付勢力に抗して後退位置から前進して、前記第2の開口部に対向した姿勢で当該開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする基板搬送容器の開閉装置。
【請求項5】
壁部における一面側及び他面側が互いに連通するように形成された開口部の前記他面側にて、前記一面側に設けられた基板搬送容器の蓋体または前記開口部を前記他面側から気密に塞ぐ蓋体を開閉する蓋体開閉装置において、
前記壁部の他面側に設けられ、当該壁部に沿って平行に伸びる軸の一方側と他方側との間において移動機構により移動自在に設けられた移動基体と、
前記他面側における前記開口部の口縁部に形成され、前記壁部から垂直に伸びる方向に対して前記一方側に傾斜するように構成されたシール面と、
前記移動基体に支持されると共に前記他面側における前記シール面にその周縁部を密着させて前記口縁部を塞ぐように構成され、前記開口部を開閉するためのカバー部材と、
前記カバー部材と前記シール面との間をシールするためのシール部材と、
前記カバー部材に設けられ、当該カバー部材が前記開口部を塞いでいるときに前記蓋体の取り外しまたは装着を行なう蓋体着脱機構と、
前記移動基体に設けられ、前記カバー部材が当該移動基体に対して後退位置から前記壁部側に向かって前進可能なように、当該カバー部材の姿勢を規制しながら前記壁部に対して垂直に向かう向きと前記一方側に向かう向きとの間の方向にガイドするガイド部と、
前記壁部側に設けられ、前記シール面と直交する方向に伸びる案内路と、
前記シール面に対して平行で且つ前記軸に交差する軸周りに回動自在に前記カバー部材に設けられ、前記移動基体が前記他方側に移動しているときに前記案内路に接触して当該案内路に沿って転がる回動体と、
前記カバー部材を前記移動基体に対して前記壁部側から前記後退位置側に向かって付勢する付勢機構と、を備え、
前記カバー部材は、移動基体が前記一方側の位置にあるときには後退位置に置かれる一方、前記移動基体の前記他方側への移動により前記回動体の転動と前記ガイド部によるガイド作用とにより後退位置から前進して、前記シール面に対向した姿勢で前記開口部を塞ぐように構成されていることを特徴とする蓋体の開閉装置。
【請求項6】
基板搬送容器が載置される載置台と、
基板に対して処理を行う処理部と、
前記載置台上の基板搬送容器と前記処理部との間で基板の受け渡しを行う基板搬送機構と、
前記載置台上の基板搬送容器の蓋体または前記処理部と前記基板搬送機構との間に設けられた蓋体の開閉を行うための請求項1ないし5のいずれか一つに記載の開閉装置と、を備えたことを特徴とする半導体製造装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2012−256645(P2012−256645A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127539(P2011−127539)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】
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