説明

基板搭載用カセット

【課題】平面ディスプレイ装置用基板の引き入れまたは引き出し方向を選択的に変更できる基板搭載用カセットを提供すること。
【解決手段】上下に離隔して配置される上部フレームと下部フレーム及び内側に基板を支持する複数の第1支持バーが形成されて、上部フレームと下部フレームの両側に垂直方向に配置されるサイドフレームによってボックスを形成し、内側に基板を収納するカセット本体と、内側に基板を支持する複数の第2支持バーが形成されて、上部フレームと下部フレームの前方または後方に垂直方向に配置されるセンターフレームと、該センターフレームとカセット本体との間に設けられて、センターフレームをカセット本体に脱着可能に接続する接続部材と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板搭載用カセットに関し、より詳細には、平面ディスプレイ装置用基板の引き入れまたは引き出し方向を選択的に変更できる基板搭載用カセットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶表示装置(Liquid Crystal Display Device:LCD)、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel Device:PDP)などのような平面ディスプレイ装置は、共通的に固有の蛍光層または偏光層を隔てて一対の透明基板を対向して貼り合わせたさせた平面表示パネル(flat display panel)を必須な構成要素として備えている。このようなパネルは、所定物質の薄膜を形成する蒸着(deposition)工程、フォトリソグラフィー(photolithography)工程、エッチング(etching)工程を複数回繰り返して構成され、それ以外に、洗浄、貼り合わせ、切断などの様々な互いに異なる工程が伴われる。
【0003】
そして、これらの各々の工程進行のために、基板は、当該工程を行う工程装置に運搬及び供給され、この過程中に基板の運搬及び保管にかかる時間と労力を低減しようとして、複数の基板を収納するカセット(cassette)が用いられる。現在、カセットは、平面表示装置の製造工程において基板保管及び運搬の最小単位をなしている。
【0004】
図1は、一般的な基板収納用カセットに関する斜視図である。
【0005】
同図に示すように、基板収納用カセット(以下、カセットとする:C)は、天井と底の役割の上下水平面をなす上下プレート14、16と、該上下プレート14、16の互いに対応する一端を接続することにより、開口した入口面12と、内部の基板収納空間を形成するように、前方の入口面12を基準として互いに向かい合う両側面18、20と、前記入口面12と向かい合う後方の後面22とに区分される。
【0006】
このとき、両側面18、20と後面22とは、所定間隔で配列された複数個のフレームバー32a、32b、32c、34a、34b、34cとサポートフレームバー36とからなる。前記フレームバー32a、32b、32c、34a、34b、34cの内面には、互いに向かい合う方向に水平に突出した複数のサイドスロットピン42が所定間隔で備えられる。前記カセットCの後面22のサポートフレームバー36には、前記サイドスロットピン42と同じ間隔をなす複数のサポートバー46が入口面12に向けて水平に突出する。このとき、前記サポートバー46の一端には、基板との直接的な接触を防止するために、点接触されるようにピーク44が形成される。
【0007】
したがって、基板(図示せず)は、両側面に備えられて、互いに対応するサイドスロットピン42によって両端が支持されるとともに、当該基板を横切って支えるサポートバー46によって各層別に収納される。
【0008】
このようなカセットCに保管される基板の引き入れ及び引き出し過程を説明すれば、次のとおりである。まず、図2の(a)のように、前工程の移送ラインL1から移送される基板Gは、移載ロボットRによってカセットCの内側に収納される。このとき、図面に示すように、基板Gは、移送ラインL1の前方に向けた基板Gの端部をカセットCの前方開口側に向けるようにして収納され、カセット搬送装置(図示せず)によって後工程に伝達される。
【0009】
次いで、図2の(b)のように、カセットCに収納された基板Gは、移載ロボットRによってカセットCの前方開口部に引き出されて、後工程の移送ラインL2に伝達される。ところが、移載ロボットRによってカセットCから後工程の移送ラインL1に直接に移動する場合には、カセットCの前方開口側に向けた基板Gの端部が後工程の移送ラインL2の後方に向くので、基板Gの前後方向が変わるようになる。
【0010】
したがって、図面のように、カセットCと後工程移送ラインL2との間に基板Gの方向を180℃回転させるターンテーブルTを配置し、移載ロボットRを用いてカセットCから引き出した基板GをターンテーブルTに載置した後、ターンテーブルTを180℃回転させ、再度、移載ロボットRを用いてターンテーブルTから後工程移送ラインL2に伝達しなければならないため、工程数が増加するという問題がある。
【0011】
また、工程ラインの作業者が基板Gをハンドリングして180℃回転させることも可能であるが、このような場合、基板の整列状態が不良になるとともに、基板が容易に損傷するという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、本発明の目的は、このような従来の問題点を解決するためのものであって、その目的は、基板の一端側中央部分を支持するセンターフレームをカセット本体の前方または後方側に選択的に設けることにより、基板の引き入れまたは引き出し方向を選択的に変更できる基板搭載用カセットを提供することにある。
【0013】
また、本発明の目的は、基板の一端側中央部分を支持するセンターフレームのサポートバーを基板から離隔した状態で脱着させることにより、基板の損傷を防止できる基板搭載用カセットを提供することにある。
【0014】
なお、本発明の目的は、センターフレームのサポートバーの水平を維持しつつ、回動してカセット本体の外部領域へと離脱させることにより、センターフレームの脱着過程で基板の損傷を防止できる基板搭載用カセットを提供することにある。
【0015】
さらに、本発明の目的は、センターフレームとレバーとが固定方向に位置した状態で任意に固定解除されることを防止できる基板搭載用カセットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
そこで、上記の目的を達成するための本発明の基板搭載用カセットは、上下に離隔して配置される上部フレームと下部フレーム及び内側に基板を支持する複数の支持バーが形成されて、前記上部フレームと下部フレームの両側に垂直方向に配置されるサイドフレームによってボックス形状を形成し、内側に基板を収納するカセット本体と、内側に基板を支持する複数の支持バーが形成されて、前記上部フレームと下部フレームの後方に垂直方向に配置されるセンターフレームと、前記センターフレームとカセット本体との間に設けられて、前記センターフレームをカセット本体に脱着可能に接続する接続部材とを備えることを特徴とする。
【0017】
ここで、前記接続部材が、カセット本体に固定される第1の固定部と、センターフレーム側に固定されて、前記第1の固定部に着脱可能に取り付けられる第2の固定部とからなり、前記第1の固定部が、カセット本体の前方と後方に各々設けられることが好ましい。
【0018】
また、前記第1の固定部と第2の固定部とに、回動軸と回動軸挿入孔とが各々形成されて、相互が回動可能に組み立てられることが好ましい。
【0019】
なお、前記センターフレームと接続部材との間に設けられて、前記センターフレームを垂直方向に昇降させる昇降部材をさらに備えることが好ましい。
【0020】
さらに、前記昇降部材が、上部フレームと下部フレームとの間に垂直方向に配置される支持フレームと、該支持フレームに設けられて、前記センターフレームの昇降駆動を制御する操作部とを備えることが好ましい。
【0021】
また、前記昇降部材が、前記支持フレーム上でセンターフレームの垂直方向移動を案内するガイド部材が前記支持フレームとセンターフレームとの間に設けられるものであることが好ましい。
【0022】
なお、前記操作部が、前記支持フレームに回動可能に設けられるレバーと、該レバーの回動によって垂直方向に昇降する作用軸と、該作用軸とセンターフレームとを接続する接続ブラケットとからなることが好ましい。
【0023】
また、前記レバーが、トグルクランプからなることが好ましい。
【0024】
また、前記支持フレームが、レバーのロック位置を支持フレーム側に固定する第1のストッパを設けることが好ましい。
【0025】
さらに、前記接続部材によってカセット本体に回動可能に接続される支持フレームが、支持フレームとカセット本体とを固定して支持フレームの任意回動を防止する第2のストッパを設けることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、基板の一側中央部分を支持するセンターフレームをカセット本体の前方または後方側に選択的に設けることにより、基板の引き入れまたは引き出し方向を選択的に変更できる基板搭載用カセットが提供される。
【0027】
また、基板の一端側中央部分を支持するセンターフレームのサポートバーを基板から離隔した状態で脱着させることにより、基板の損傷を防止できる基板搭載用カセットが提供される。
【0028】
なお、センターフレームのサポートバーをカセット本体から水平を維持しつつ、回動してカセット本体の外部領域へと離脱させることにより、センターフレームの脱着過程で基板の損傷を防止できる基板搭載用カセットが提供される。
【0029】
さらに、センターフレームとレバーとが固定方向に位置した状態で任意に固定解除されることを防止できる基板搭載用カセットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来における一般的な基板収納用カセットに関する斜視図である。
【図2】従来における基板収納用カセットが工程ラインに設けられた状態を示した構成図である。
【図3】本発明における基板搭載用カセットの斜視図である。
【図4】本発明における基板搭載用カセットの分解斜視図である。
【図5】本発明における基板搭載用カセットの側断面図である。
【図6】図5の「A」部分拡大断面図である。
【図7】本発明における基板搭載用カセットの正面図である。
【図8】本発明における基板搭載用カセットの平断面図である。
【図9】本発明における基板搭載用カセットのカセット本体からセンターフレームを分離する過程を示した作用図である。
【図10】本発明における基板搭載用カセットのカセット本体からセンターフレームを分離する過程を示した作用図である。
【図11】本発明における基板搭載用カセットのカセット本体からセンターフレームを分離する過程を示した作用図である。
【図12】本発明における基板搭載用カセットのカセット本体からセンターフレームを分離する過程を示した作用図である。
【図13】本発明における基板搭載用カセットのカセット本体からセンターフレームを分離する過程を示した作用図である。
【図14】本発明における基板搭載用カセットが工程ラインに設けられた状態を示した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
説明に先立って、種々の実施形態において、同じ構成を有する構成要素については、同じ符号を使用して代表的に第1の実施形態で説明し、それ以外の実施形態では、第1の実施形態と異なる構成について説明する。
【0032】
以下、添付した図面を参照して本発明の第1の実施形態に係る基板搭載用カセットについて詳細に説明する。
【0033】
添付図面のうち、図3は、本発明における基板搭載用カセットの斜視図であり、図4は、本発明における基板搭載用カセットの分解斜視図である。
【0034】
上記の図面において示すような本発明における基板搭載用カセットは、カセット本体110と、センターフレーム120と、接続部材130と、昇降部材140とを備えて構成される。
【0035】
前記カセット本体110は、内側に複数の基板Gが収納搭載されるものであって、互いに対向するように離隔配置された上部フレーム111及び下部フレーム112と、該上部フレーム111及び下部フレーム112の間の両側面に垂直方向に配置されるサイドフレーム113とから構成されて、前後方が各々開口した形態をなすようになる。前記サイドフレーム113は、内側面に基板Gを支持する複数の支持バー113aが所定間隔で形成される。前記支持バー113aは、基板Gが容易に搭載されるように、基板Gの両側を支持する役割を果たす。
【0036】
前記センターフレーム120には、内側面に基板Gを支持する複数のサポートバー121が形成されて、前記カセット本体110の前方開口側または後方開口側のうち、いずれか1つに垂直方向に配置される。前記サポートバー121は、前記センターフレーム120の内側面でカセット本体110の引き入れまたは引き出し方向に向けて水平に延長される部材であって、大型基板Gを収納する場合、基板Gの撓みまたは垂れを阻止するために必須的に求められる。
【0037】
前記接続部材130は、前記センターフレーム120とカセット本体110との間に設けられて、前記センターフレーム120をカセット本体110に脱着可能に接続する。前記接続部材130は、上部フレーム111及び下部フレーム112の前方と後方に各々設けられる第1の固定部131と、センターフレーム120側に設けられて、前記第1の固定部131に着脱可能に結合する第2の固定部132とからなる。また、前記第1の固定部131には、上側方向に向けて垂直方向に回動軸131aが形成され、第2の固定部132には、前記回動軸131aが挿入される挿入孔132aが形成される。
【0038】
前記昇降部材140は、前記センターフレーム120と接続部材130との間に設けられるものであって、上部フレーム111と下部フレーム112との間に垂直方向に配置される。前記昇降部材140は、上端部と下端部とがそれぞれ前記第2の固定部に固定される支持フレーム141と、該支持フレーム141に設けられて、前記センターフレーム120の昇降を制御する操作部142と、前記支持フレーム141とセンターフレーム120との間に配置されて、前記操作部142によって昇降する前記センターフレーム120の移動を案内するガイド部材143とで構成される。
【0039】
前記操作部142は、前記支持フレーム141に回動可能に設けられるレバー142aと、該レバー142aと接続されてレバー142aの回動によって垂直方向に昇降する作用軸142bと、該作用軸142bに固定される固定ブロック142cと、該固定ブロック142cとセンターフレーム120とを接続する接続ブラケット142dとで構成される。また、前記レバー142aは、レバー142aのロック方向への操作によって作用軸142bが上昇し、ロック解除方向への操作によって作用軸142bが下降するように設置し、レバー142aのロック状態が任意に解除されることを防止するために、プッシュ・プル型トグルクランプを適用することが好ましい。
【0040】
また、前記支持フレーム141は、支持フレーム141とカセット本体110とを固定して支持フレーム141の任意回動を防止する第1のストッパ144と、レバー142aのロック位置を支持フレーム141側に固定する第2のストッパ145とを有する。本実施形態では、例えば、前記第1のストッパ144は、支持フレーム141を貫通してカセット本体110に選択的に固定されるロックボルトからなり、第2のストッパ145は、レバー142aが上側方向に回動した状態でレバー142aの端部を支持することにより、レバー142aの位置を固定するものとして説明する。
【0041】
また、前記ガイド部材143は、ガイドレール143aと、該ガイドレール143aに結合してガイドレール143aの長さ方向に摺動するスライダ143bとからなるものであって、本実施形態では、前記ガイドレール143aが支持フレーム141に固定され、前記スライダ143bがセンターフレーム120に固定されるものとして説明する。
【0042】
一方、本実施形態では、大面積の基板Gを収納するために、バー(bar)形態の支持バー113aとサポートバー121が適用されるものと説明したが、小さい面積の基板Gを収納する場合には、サイドフレーム113とセンターフレーム120の内側面にそれぞれ形成されるスロットに、基板Gの端部が挿入支持されるようにすることも可能である。
【0043】
次に、前述した基板搭載用カセットの第1の実施形態の組立構造について説明する。
【0044】
添付図面のうち、図5は、本発明における基板搭載用カセットの側断面図であり、図6は、図5の「A」部分拡大断面図であり、図7は、本発明における基板搭載用カセットの正面図であり、図8は、本発明における基板搭載用カセットの平断面図である。
【0045】
前記図面において示すように、カセット本体110は、上下に対向するように配置された上部フレーム111と下部フレーム112との両側が、垂直配置された複数のサイドフレーム113で接続されて、前方と後方とが開口した四角ボックス形態をなす。カセット本体110内部に収納される基板Gは、両側中央部分が、前記サイドフレーム113の内側に突出形成された複数の支持バー113aに、それぞれ支持される。
【0046】
また、前記カセット本体110の後方中央部分に設けられるセンターフレーム120のサポートバー121が、カセット本体110内部に収納された基板Gの後端側中央部分を支持しつつ、基板Gの撓みが防止される。
【0047】
このようなセンターフレーム120は、センターフレーム120とカセット本体110との間に設けられる接続部材130によって前記カセット本体110から脱着可能に組み立てられ、カセット本体110の前方と後方のうち、いずれか1つに選択的に設置できるようになる。
【0048】
すなわち、前記カセット本体110に固定された第1の固定部131に前記センターフレーム120に固定された第2の固定部132が結合しつつ、カセット本体110にセンターフレーム120が着脱可能な状態で組み立てられるものであるが、上記のような第1の固定部131がカセット本体110の前方と後方に各々設置されているので、センターフレーム120をカセット本体110の前方または後方に選択的に設置することが可能となる。
【0049】
特に、第1の固定部131の回動軸131aに第2の固定部132の挿入孔132aが挿入される構成からなり、前記カセット本体110からセンターフレーム120が回動可能な状態となる。
【0050】
前記のような接続部材130は、カセット本体110とセンターフレーム120との上端部と下端部に各々配置されるので、センターフレーム120が安定的に回動できるようになる。
【0051】
一方、前記接続部材130とセンターフレーム120との間には、センターフレーム120の垂直方向への移動を案内する昇降部材140が設けられて、センターフレーム120の着脱過程でサポートバー121が基板Gの底面から離隔した状態で着脱されるので、センターフレーム120の回動によって基板Gが損傷することが防止される。
【0052】
すなわち、垂直方向に配置される支持フレーム141の上端部と下端部に前記接続部材130の第2の固定部132が各々設けられ、前記支持フレーム141の内側面にセンターフレーム120が設けられ、前記支持フレーム141とセンターフレーム120との間にガイド部材143が設けられてセンターフレーム120の昇降が案内される。
【0053】
また、前記支持フレーム141の外側には、前記センターフレーム120を垂直方向に移動させる操作部142が設けられる。
【0054】
前記操作部142を構成するレバー142aは、所定の軸を中心として回動しつつ、レバー142aの下部に配置された作用軸142bを昇降させるが、前記作用軸142bの下端部に固定された固定ブロック142cは、接続ブラケット142dを介してセンターフレーム120と接続されているので、前記レバー142aの回動方向によって前記センターフレーム120が昇降するようになる。
【0055】
以下では、上記のように組み立てられた本発明における基板搭載用カセットの第1の実施形態の作動について説明する。
【0056】
添付図面のうち、図9〜図13は、本発明における基板搭載用カセットのカセット本体からセンターフレームを分離する過程を示した作用図である。
【0057】
まず、カセット本体110の後方側に設けられているセンターフレーム120を分離する場合を説明する。
【0058】
図9に示すように、支持フレーム141を貫通してカセット本体110に固定されている第1のストッパ144を固定解除させると、支持フレーム141の固定が解除されて、支持フレーム141が接続部材130の回動軸131aを中心として回動可能な状態となる。
【0059】
また、図10のように、上側方向に回動した状態にあるレバー142aの位置を固定する第2のストッパ145を固定解除方向に移動させると、レバー142aのロックが解除されて下側方向に回動可能な状態となる。
【0060】
上記のように、レバー142aのロックが解除された状態で、図11のように、レバー142aを下側方向に回動すると、レバー142aと接続された作用軸142bと、作用軸142bに固定された固定ブロック142cとが垂直方向に下降する。また、前記固定ブロック142cに接続されたセンターフレーム120は、前記作用軸142の下降と連動して下降するようになり、このような作用によってセンターフレーム120のサポートバー121が基板Gの底面から所定間隔離隔する。このとき、前記センターフレーム120は、前記支持フレーム141との間に配置されたガイド部材143によって垂直方向への移動が案内される。
【0061】
サポートバー121が基板Gの底面から離隔した状態で、接続部材130によってカセット本体110から回動可能な状態にある支持フレーム141を図12に示すように、時計方向に回動させると、センターフレーム120のサポートバー121がカセット本体110の外部領域へと離脱するようになる。このとき、前記接続部材130が支持フレーム141の上端部と下端部にそれぞれ設けられているので、支持フレーム141が安定した状態で回動するようになる。また、前記センターフレーム120のサポートバー121が基板Gから離隔した状態で水平方向に回動するようになるので、サポートバー121の離脱過程で基板Gに接触することが防止される。
【0062】
次いで、図13のように、支持フレーム141を上側方向に持ち上げると、支持フレーム141に固定された第2の固定部132の挿入孔132aがカセット本体110に固定された第1の固定部131の回動軸131aから離脱しつつ、支持フレーム141がカセット本体110から分離される。
【0063】
前述したように、センターフレーム120をカセット本体110の前方または後方から分離させた後には、カセット本体110の対向側端部に設けられた接続部材130の第1の固定部131に再度結合することができる。
【0064】
添付図面のうち、図14は、本発明における基板搭載用カセットが工程ラインに設けられた状態を示した構成図である。図14の(a)のように、移載ロボットRを用いて前工程の移送ラインL1から供給される基板Gをカセット本体110の前方開口を介してカセット本体110の内側に収納する。
【0065】
次いで、基板Gの収納が完了した状態では、図14の(b)のように、カセット本体110の後方開口110b側の接続部材130に組み立てられたセンターフレーム120を上述したような過程を介して分離した後、前方開口110a側の接続部材130に結合して分離の逆順に組み立てる。続いて、後工程移送ラインL2とカセット本体110との間に配置された移載ロボットRによってカセット本体110の後方開口110bを介してカセット本体110内部に保管された基板Gを引き出し、後工程移送ラインL2に伝達する。
【0066】
上記のように、カセット本体110の前方開口110a側に基板Gを挿入した後、カセット本体110の後方側110bで基板Gを引き出すと、従来のように、基板Gの前後方向が変わることがないので、工程の流れが単純になるという利点がある。
【0067】
一方、本実施形態では、カセット本体110の内側にディスプレイ用グラス基板Gが収納されるものと説明したが、半導体工程のウエハなどが収納積層されることも可能である。また、接続部材130を介したセンターフレーム120の脱着過程が手動でなされるものと説明したが、カセット本体110の前方と後方にセンターフレーム120をそれぞれ配置し、別途の駆動手段を用いてセンターフレーム120を回動及び昇降させてカセット本体110の前方または後方を開口することにより、工程の自動化を実現することも可能である。
【0068】
本発明の権利範囲は上述した実施形態及び変形例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲内で様々な形態の実施形態によって実現できる。特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有した者であれば誰でも変形可能な多様な範囲まで本発明の請求の範囲の記載の範囲内にあるものとみなす。
【符号の説明】
【0069】
110…カセット本体
111…上部フレーム
112…下部フレーム
113…サイドフレーム
113a…支持バー
120…センターフレーム
121…サポートバー
130…接続部材
131…第1の固定部
131a…回動軸
132…第2の固定部
132b…挿入孔
140…昇降部材
141…支持フレーム
142…操作部
142a…レバー
142b…作用軸
142c…固定ブロック
142d…接続ブラケット
143…ガイド部材
143a…ガイドレール
143b…スライダ
144…第1のストッパ
145…第2のストッパ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に離隔して配置される上部フレームと下部フレーム及び内側に基板を支持する複数の第1支持バーが形成されて、前記上部フレームと下部フレームの両側に垂直方向に配置されるサイドフレームによってボックスを形成し、内側に基板を収納するカセット本体と、
内側に基板を支持する複数の第2支持バーが形成されて、前記上部フレームと下部フレームの前方または後方に垂直方向に配置されるセンターフレームと、
該センターフレームと前記カセット本体との間に設けられて、前記センターフレームを前記カセット本体に脱着可能に接続する接続部材と、
を備えることを特徴とする基板搭載用カセット。
【請求項2】
前記接続部材が、カセット本体に固定される第1の固定部と、センターフレーム側に固定されて、前記第1の固定部に着脱可能に取付けられる第2の固定部とからなり、前記第1の固定部が、カセット本体の前方と後方に各々設けられることを特徴とする請求項1に記載の基板搭載用カセット。
【請求項3】
前記第1の固定部と第2の固定部とに、回動軸と回動軸挿入孔とが各々形成されて、相互が回動可能に組み立てられることを特徴とする請求項2に記載の基板搭載用カセット。
【請求項4】
前記センターフレームと前記接続部材との間に設けられて、前記センターフレームを垂直方向に昇降させる昇降部材をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の基板搭載用カセット。
【請求項5】
前記昇降部材が、前記上部フレームと前記下部フレームとの間に垂直方向に配置される支持フレームと、該支持フレームに設けられて、前記センターフレームの昇降駆動を制御する操作部とを備えることを特徴とする請求項4に記載の基板搭載用カセット。
【請求項6】
前記支持フレーム上で前記センターフレームの垂直方向移動を案内するガイド部材が前記支持フレームと前記センターフレームとの間に設けられることを特徴とする請求項5に記載の基板搭載用カセット。
【請求項7】
前記操作部が、前記支持フレームに回動可能に設けられるレバーと、該レバーの回動によって垂直方向に昇降する作用軸と、該作用軸とセンターフレームとを接続する接続ブラケットとからなることを特徴とする請求項5または6に記載の基板搭載用カセット。
【請求項8】
前記レバーが、トグルクランプからなることを特徴とする請求項7に記載の基板搭載用カセット。
【請求項9】
前記支持フレームが、前記レバーのロック位置を前記支持フレーム側に固定する第1のストッパを設けることを特徴とする請求項8に記載の基板搭載用カセット。
【請求項10】
前記接続部材によって前記カセット本体に回動可能に接続される前記支持フレームに、前記支持フレームと前記カセット本体とを固定して前記支持フレームの任意回動を防止する第2のストッパを設けることを特徴とする請求項9に記載の基板搭載用カセット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2012−80056(P2012−80056A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−288457(P2010−288457)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(510341617)ヒディス テクノロジーズ カンパニー,リミテッド (2)
【氏名又は名称原語表記】Hydis Technologies Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】San 136−1,Ami−ri,Bubal−eub,Icheon−si,Gyeonggi−do,467−866,Republic of Korea
【Fターム(参考)】