説明

基板支持振動構造、触覚機能付きの入力装置及び電子機器

【課題】剛性豊かな振動基板を提供できるようにすると共に、振動基板が使用される姿勢によらず、振動伝達性に関して高い信頼性を確保できるようにする。
【解決手段】表示手段とタッチパネル(入力検出手段)との間に固定された柱状部材と、振動作用部および中央電極を有して表示手段とタッチパネルとの間の所定の位置に、設けられた圧電アクチュエータとを備える。振動作用部および中央電極が、タッチパネル及び表示手段を積層する方向に沿って設けられる。曲げ力やねじり力に対して寸法変化を小さく抑える性質となる剛性豊かな振動筐体を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力項目選択用の表示画面の中からアイコン等を選択して情報を入力すると、操作体に触覚を返す情報処理装置や、携帯電話機、情報携帯端末装置等に適用して好適な基板支持振動構造、触覚機能付きの入力装置及び電子機器に関する。
【0002】
詳しくは、2つの基板間で柱状又は/及び長手状に設けられて固定された隙間部材の所定の位置に圧電素子を備え、この圧電素子の振動支持部及び振動作用部を当該基板支持方向に合わせ込むようにして、曲げ力やねじり力に対して寸法変化を小さく抑える性質となる剛性豊か(リジッド)な振動基板を提供できるようにすると共に、圧電素子を振動させたとき、振動基板が使用される姿勢によらず、振動伝達性に関して高い信頼性を確保できるようにしたものである。
【背景技術】
【0003】
近年、ユーザ(操作者)は、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯端末装置に様々なコンテンツを取り込み、それを利用するようになってきた。これらの携帯端末装置には入力装置が具備される。入力装置にはキーボードや、JOGダイヤル等の入力手段、表示部を合わせたタッチパネルなどが使用される場合が多い。
【0004】
また、圧電アクチュエータを組み合わせた入出力装置も開発されている。圧電アクチュエータは、2層以上のひずみ量の異なる圧電素子、又は、圧電素子と非圧電素子とを貼り合わせ、この貼合体の圧電素子に振動制御電圧を印加したとき、双方のひずみ量の差によって生じる貼合体の曲げ変形を力学的に利用するものである(振動体機能)。反対に、圧電素子に力を加えると電圧を発生することが知られている(力検出センサ機能)。
【0005】
アクチュエータには、いわゆるバイモルフアクチュエータや、ユニモルフアクチュエータ、円盤アクチュエータ(これらを総括して、以下、単に圧電アクチュエータという)等が使用される場合が多い。圧電アクチュエータには、多層構造のものと単層構造のものがあるが、一般に単層構造の圧電アクチュエータは、駆動電圧が50V以上と高く、電子機器、特にモバイル機器に適していないのが現状である。
【0006】
この種の圧電アクチュエータを備えた電子機器に関して、特許文献1には、入力出力装置及び電子機器が開示されている。この電子機器によれば、バイモルフ型の圧電アクチュエータ及びタッチパネルを有する入出力装置を備え、圧電アクチュエータは、表示装置とタッチパネルの間に配置され、振動制御情報の種類に応じてタッチパネルを通じて異なる触覚を使用者にフィードバックするようになされる。入出力装置は、支持フレーム上に圧電アクチュエータを取り付けたタッチパネル支持構造を有している。
【0007】
図18は、従来例に係るタッチパネル支持振動体500を示す断面図である。図18に示すタッチパネル支持振動体500は特許文献1に見られ、本体基板501上に表示手段29及びタッチパネル24が配置される。タッチパネル24と表示手段29との間には部品取付スペース102が設定される。この部品取付スペース102であって、表示手段29の表示領域周辺の非表示領域の四隅の位置に圧電アクチュエータ125が各々実装される。各々の圧電アクチュエータ125の下方には、振動支持点を成す支持部106及び107が設けられる。
【0008】
このようにして、4個の圧電アクチュエータ125が表示手段29上の四隅に配置される。圧電アクチュエータ125の上部中央には、振動作用点を成す作用部108が設けられる。作用部108は別部品を成し、圧電アクチュエータの中央上部に貼り付けられ、この作用部108をタッチパネル24に当接するようになされる。
【0009】
タッチパネル24は、上述の4個の作用部108で支えられ、タッチパネル24の上部周辺は、ダストシール105を介在してパネル押えフレーム104により、押え込まれる。パネル押えフレーム104は、その上部に断面逆L状の返し部位を有している。パネル押えフレーム104は、本体基板501に対して、例えば、ビス109により固定される。圧電アクチュエータ125には配線103が接続され、パネル押えフレーム104に開口された開口部より引き出される。
【0010】
このようなタッチパネル支持振動体500で、4個の圧電アクチュエータ125に配線103を介して振動制御電圧を供給すると、タッチパネル24に振動を伝達できるようになるというものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2004−94389号公報(第9頁,図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、従来例に係る触覚入力機能付きの情報処理装置や、携帯電話機、情報携帯端末装置(モバイル機器)等の電子機器において、特許文献1に見られるようなタッチパネル支持振動体500の構造を採用した場合に、次のような問題がある。
【0013】
i.タッチパネル支持振動体500の水平姿勢を保持して使用する場合は、タッチパネル24が4個の圧電アクチュエータ125で支えられる。しかし、タッチパネル支持振動体500の垂直姿勢や斜め姿勢等を保持して使用する場合は、タッチパネル24を支持部106,107や作用部108等の接着力で支えなければならない。
【0014】
このため、表示手段29に対してタッチパネル24が位置ずれを生じたり、接着力が不足した場合には、タッチパネル24及び表示手段29から遊離した圧電アクチュエータ125が部品取付スペース102内で移動してしまうおそれがある。
【0015】
ii.しかも、特許文献1のようなタッチパネル支持振動体500の構造によれば、圧電アクチュエータ125の支点を成す2つの支持部106,107が別体部品となされ、これらの別部品を支持フレームや圧電アクチュエータ125等に個別に接着部材(粘着材)を介して貼り付けなければならない。
【0016】
また、圧電アクチュエータ125の作用点を成す作用部108がその中央上部とタッチパネル24との間で、接着部材を介して貼り付けなければならない。このような別部品を数多く揃えなければならず、更に、上述の接合処理が圧電体取付時の作業性を低下させ、その圧電アクチュエータ125の取り付けに手間がかかるという問題がある。
【0017】
iii.このように、モバイル機器等でタッチパネル支持振動体500の構造を採用しようとすると、タッチパネル24の姿勢が特定できない場合も含めて、タッチパネル24をしっかりと、本体基板501に保持できない構造を原因として、触覚入力機能付き電子機器の信頼性の向上に大きな妨げとなることが懸念される。特に車載機器のように、常に外部から振動が加わるような電子機器においては上述の問題が顕著となる。
【0018】
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、剛性豊かな振動基板を提供できるようにすると共に、振動基板が使用される姿勢によらず、振動伝達性に関して高い信頼性を確保できるようにした基板支持振動構造、触覚機能付きの入力装置及び電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明の基板支持振動構造は、基板を支持して振動する構造であって、第1の基板と第2の基板との間に固定された複数の柱状部材と、第1の基板と第2の基板との間の所定の位置に設けられ、振動支持部及び振動作用部を有する圧電素子とを備えたものである。振動支持部が第1および第2の基板のうちの一方の基板、振動作用部がもう一方の基板にそれぞれ接合され、振動支持部および振動作用部が第1及び第2の基板を積層する厚み方向に沿って設けられている。
【0020】
本発明の基板支持振動構造では、基板を支持して振動すると共に、第1の基板と第2の基板との間に複数の柱状部材を有する。第1の基板と第2の基板との間の所定の位置には圧電素子が設けられ、圧電素子では、振動支持部及び振動作用部が、第1及び第2の基板を積層する厚み方向に沿って設けられている。
【0021】
従って、曲げ力やねじり力に対して寸法変化を小さく抑える性質となる剛性豊か(リジッド)な第1の基板と第2の基板とが固定された振動筐体を提供できるようになる。これにより、圧電素子を振動させたとき、その振動筐体が使用される姿勢によらず、振動伝達性に関して高い信頼性を確保できるようになる。
【0022】
本発明に係る触覚機能付きの入力装置は、情報入力操作時に操作体に触覚を提示する触覚機能付きの入力装置であって、入力検出手段と、この入力検出手段の下層に設けられた表示手段と、入力検出手段の入力操作に基づいて操作体に触覚を提示する基板支持振動構造とを備え、基板支持振動構造は、入力検出手段を支持して振動する構造であって、入力検出手段と表示手段との間に固定された複数の柱状部材と、入力検出手段と表示手段との間の所定の位置に設けられ、振動支持部及び振動作用部を有する圧電素子とを備える。振動支持部が入力検出手段および表示手段のうちの一方に、振動作用部がもう一方にそれぞれ接合され、振動支持部および振動作用部が入力検出手段および表示手段を積層する厚み方向に沿って設けられている。
【0023】
本発明に係る触覚機能付きの入力装置によれば、本発明に係る基板支持振動構造が備えられるので、入力操作に基づいて、剛性豊かな入力検出手段と表示手段とが固定された振動筐体から操作体に触覚を提示できるようになる。
【0024】
従って、圧電素子を振動させたとき、その振動筐体が使用される姿勢によらず、振動伝達性に関して高い信頼性を確保できるようになる。
【0025】
本発明に係る電子機器は、情報入力操作時に操作体に触覚を提示する触覚入力機能付きの電子機器であって、入力検出手段と、この入力検出手段の下層に設けられた表示手段と、入力検出手段の入力操作に基づいて操作体に触覚を提示する基板支持振動構造とを有する触覚機能付きの入力装置を備え、基板支持振動構造は、基板を支持して振動する構造であって、入力検出手段と表示手段との間に固定された複数の柱状部材と、入力検出手段と表示手段との間の所定の位置に設けられ、振動支持部及び振動作用部を有する圧電素子とを備える。振動支持部が入力検出手段および表示手段のうちの一方に、振動作用部がもう一方にそれぞれ接合され、振動支持部および振動作用部が入力検出手段および表示手段を積層する厚み方向に沿って設けられている。
【0026】
本発明に係る電子機器によれば、本発明に係る触覚機能付きの入力装置が備えられるので、入力操作に基づいて、剛性豊かな入力検出手段と表示手段とが固定された振動筐体から操作体に触覚を提示できるようになる。
【0027】
従って、圧電素子を振動させたとき、振動筐体が使用される姿勢によらず、その振動伝達性に関して高い信頼性を確保できるようになる。
【発明の効果】
【0028】
本発明の基板支持振動構造によれば、第1の基板と第2の基板との間に複数の柱状部を設け、第1および第2の基板間の所定の位置に圧電素子を備え、この圧電素子の振動支持部及び振動作用部が第1の基板及び第2の基板を積層する厚み方向に沿って設けられる。
【0029】
この構成によって、曲げ力やねじり力に対して寸法変化を小さく抑える性質となる剛性豊かな第1の基板と第2の基板とが固定された振動筐体を提供することができる。従って、圧電素子を振動させたとき、その振動筐体が使用される姿勢によらず、振動伝達性に関して高い信頼性を確保できるようになる。
【0030】
本発明に係る触覚機能付きの入力装置及び電子機器によれば、本発明に係る基板支持振動構造が備えられるので、入力操作に基づいて、入力検出手段と表示手段とが剛性豊かに固定された振動筐体から操作体に触覚を提示できるようになる。
【0031】
この構成によって、圧電素子を振動させたとき、その振動筐体が使用される姿勢によらず、振動伝達性に関して高い信頼性を確保できるようになる。特に、モバイル機器や車載機器など、振動や衝撃等が外力として加わる可能性が高い電子機器に対しても基板支持振動構造内で発生させた圧電素子による振動を応用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1の実施例としてのタッチパネル支持振動体100の構造例を示す斜視図である。
【図2】圧電アクチュエータ25aに係るフィルム状圧電体の積層例を示す拡大断面図である。
【図3】(A)及び(B)は、圧電アクチュエータ25aの構成例を示す平面図及びX1−X2矢視断面図である。
【図4】タッチパネル支持振動体100の形成例を示す工程図である。
【図5】第2の実施例としてのタッチパネル支持振動体200の構造例を示す斜視図である。
【図6】タッチパネル支持振動体200の形成例を示す工程図である。
【図7】第3の実施例としてのタッチパネル支持振動体300の構造例(その1)を示す上面図である。
【図8】タッチパネル支持振動体300の構造例(その2)を示す図である。
【図9】タッチパネル支持振動体300の形成例を示す工程図である。
【図10】第4の実施例としての触覚入力機能付き携帯電話機400の構成例を示す斜視図である。
【図11】触覚機能付きの入力装置90に係るタッチパネル支持振動体300の構成例を示す組立図である。
【図12】その入力装置90の構造例を示す斜視図である。
【図13】触覚入力機能付き携帯電話機400の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図14】(A)及び(B)は、触覚"A"及び"B"に係る振動パターン例を示す波形図である。
【図15】(A)及び(B)は、加圧力Fと振動パターンとの関係例(その1)を示す図である。
【図16】(A)及び(B)は、加圧力Fと振動パターンとの関係例(その2)を示す図である。
【図17】第4の実施例に係る携帯電話機400における情報処理例を示すフローチャートである。
【図18】従来例に係るタッチパネル支持振動体500の構造例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
続いて、この発明に係る基板支持振動構造、触覚機能付きの入力装置及び電子機器の一実施例について、図面を参照しながら説明をする。
【実施例1】
【0034】
図1は、第1の実施例としてのタッチパネル支持振動体100の構造例を示す斜視図である。
【0035】
図1に示すタッチパネル支持振動体100は基板支持振動構造の一例を構成し、基板を支持して振動する構造である。ここにタッチパネル支持振動体とは、従来技術で見られる弾性体による支持でなく、タッチパネル等の平面状の入力手段を点または線でリジッドに固定する構造をいう。この例で振動用の基板(被振動体)には、第1の基板の一例となる表示手段29と、第2の基板の一例となるタッチパネル24とが使用される。表示手段29には液晶表示装置が使用される。第2の基板は平面状の入力装置としてのタッチパッドであってもよい。タッチパネル支持振動体100は、携帯電話機や情報携帯端末装置等の筐体内に取り付け可能な構造であって、この圧電素子による振動を利用して触覚を提示できるようにしたものである。
【0036】
この例で、タッチパネル24と表示手段29とは、共に幅がW[mm]で長さL[mm]を有しており、各々所定の厚みt1、t2[mm]を有している。タッチパネル24と表示手段29との間には隙間部材の一例となる長手状のリジッド部61a,61bが設けられて固定されている。この例で、リジッド部61aは、幅がw[mm]で長さL[mm]を有しており、所定の厚みt3[mm]を有している。図中、表示手段29の左側端に、リジッド部61bはその右側端に各々配置される。リジッド部61aの一方の面は表示手段29の表面左側端に接着され、その他方の面はタッチパネル24の裏面左側端に接着される。リジッド部61bの一方の面は表示手段29の表面右側端に接着され、その他方の面はタッチパネル24の裏面右側端に各々接着される。
【0037】
リジッド部61a,61bには内部空洞形状を成した部品取付スペース(部品取付部位)62が各々設けられている。リジッド部61a,61bは、例えば、断面四角形状の棒体を成しており、その内部にはスリット状の部品取付スペース62が設けられる。部品取付スペース62は、長さがl[mm]で、幅がw[mm]で、高さがh[mm]程度を有している。リジッド部61a,61bにはヤング率などの弾性率が大きい材料が使用され、例えば、合成樹脂部材や、アルミニウム、鉄、銅又はこれらの合金等の金属部材が使用される。
【0038】
上述のリジッド部61a,61bで、部品取付スペース62の所定の位置には圧電素子が実装されている。圧電素子には、バイモルフ型の圧電アクチュエータが使用される。例えば、リジッド部61aの部品取付スペース62には圧電アクチュエータ25aが収納され固定され、リジッド部61bの部品取付スペース62には圧電アクチュエータ25bが収納され固定されている。圧電アクチュエータ25a、25bは、当該部品取付スペース62に収納可能な大きさを有している。各々の圧電アクチュエータ25a,25bは、振動支持部を成す中央電極3a,3b及び振動作用部8aを有している。
【0039】
この例で、圧電アクチュエータ25a等の中央電極3a,3b及び振動作用部8aが表示手段29及びタッチパネル24を積層する厚み方向に合わせ込まれる。例えば、中央電極3a,3bの各々が部品取付スペース62の下部に接合され、かつ、振動作用部8aが当該部品取付スペース62の上部に接合される。表示手段29及びタッチパネル24の積層姿勢については、表示手段29が下層でタッチパネル24が上層の場合について例に挙げる。タッチパネル支持振動体100の使用時の姿勢は、表示手段29が下方に位置し、タッチパネル24が上方に位置する場合はもとより、表示手段29が上方に位置し、タッチパネル24が下方に位置する場合も含んでいる。
【0040】
図2は、圧電アクチュエータ25aに係るフィルム状圧電体の積層例を示す拡大断面図である。図3A及びBは、圧電アクチュエータ25aの構成例を示す平面図及びX1−X2矢視断面図である。圧電アクチュエータ25bについては圧電アクチュエータ25aとその構成が同様となるのでその説明を省略する。
【0041】
図2に示す多層構造の圧電アクチュエータ25aは、基板(以下シム3という)を有しており、この基板3の表面側には8層のフィルム状圧電積層体#1〜#8が接着剤7を介して接合され、その裏面側には8層のフィルム状圧電積層体#9〜"16が接着剤7を介して接合されて構成される。シム3は中央電極3a,3bを成しており、中央電極3aが一方の振動支持部を構成し、中央電極3bが他方の振動支持部を構成するようになっている。シム3には、銅板、燐青銅板や、白銅板、黄銅板等が使用される。接着剤7には、エポキシ樹脂やUV接着剤が使用される。
【0042】
圧電アクチュエータ(積層体)25aは、例えば、電極と電極との間にフィルム状圧電積層体を積層する形態で、合計16層のフィルム状圧電積層体#1〜#16と、上部電極1と、下部電極2と、プラス側及びマイナス側の中央電極3a,3bと、16層の電極IE1〜IE16とを有して構成される。
【0043】
表面側のフィルム状圧電積層体#1〜#8において、上部電極1は、図示しないスルーホールを介して主電極IE2、IE4、IE6及びIE8に接続されて中央電極3bに接続される。各層の電極は、スルーホール内に充填された電極材料によって接続される。裏面側のフィルム状圧電積層体#9〜#16において、下部電極2は、図示しないスルーホールを介して同様にして、主電極IE9、IE11、IE13及びIE15に接続されて中央電極3bに接続される。
【0044】
また、表面側のフィルム状圧電積層体#1〜#8において、主電極IE1は、図示しないスルーホールを介して主電極IE3、IE5及びIE7に接続されて中央電極3aに接続される。裏面側のフィルム状圧電積層体#9〜#16において、主電極IE10は、図示しないスルーホールを介して主電極IE12、IE14及びIE16に接続されて中央電極3aに接続される。これにより、16層のフィルム状圧電積層体#1〜#16が並列に駆動するようになる。
【0045】
なお、上部電極1を覆うように上部絶縁膜8が設けられる。上部電極1の中央部には振動作用部8aが上部絶縁膜8と同じ絶縁性の部材により一体化形成されている。この振動作用部8aは、圧電アクチュエータ25aの最上層に形成された絶縁部材が硬化して上部絶縁膜8と一体化したものである。なお、振動作用部8aは圧電アクチュエータ25aの最上層へ設置に代えて、部品取付部の内側下部に設けてもよい。同様な振動効果が得られる。
【0046】
このように、弾性機能付きの圧電アクチュエータ25aが構成される。圧電アクチュエータ25bも同様にして構成される。圧電アクチュエータ25a,25bは、必要に応じて分極処理が行われる。圧電アクチュエータ(積層体)25aを上述のように構成すると、低電圧で駆動可能なメリットを活かしたモバイル機器への応用が可能となる。
【0047】
図3Aに示す圧電アクチュエータ25aは、フィルム状圧電積層体#1〜#16の両側にはシム3が延びており、この両側部位(凸部)が弾性を有している。このシム3の凸部の弾性を利用することで、圧電本体が上下方向(垂直方向)に振動できるようになる。凸部は、バネ構造を得るために、シム3の剛性を和らげる構造に加工される。
【0048】
例えば、基板凸部に穴開け処理、切り欠き処理、折り曲げ処理等を施して弾性を保有するようになされる。この例では、図3Bに示す圧電アクチュエータ25aにおいて、振動支持部を成す中央電極3aには折り曲げ状の突起部6aや、図3Aに示す開口部5a,5bが設けられ、中央電極3bにも同様にして突起部6bや開口部5c,5dが設けられ、弾性を多く得られるようになされる。このシム3の両側の弾性構造を利用することで、圧電本体が上下に振動できるようになる。
【0049】
この例では、フィルム状圧電積層体#1〜#16の両側に延びたシム3が当該圧電アクチュエータ25a,25bの中央電極3a,3bを成している。これは、振動支持部を成す中央電極3a,3bを介して、圧電アクチュエータ25a,25bに振動制御電圧を供給するためである。圧電アクチュエータ25a,25bは振動制御電圧に基づいて振動する。
【0050】
バイモルフ型の圧電アクチュエータ25a等は、圧電素子を構成する上下2層のフィルム状圧電積層体#1〜#8と、フィルム状圧電積層体#9〜#16との変形量の差、多くは、電圧を加えると、片側が延びて片側が縮む性質を利用して、圧電素子自体が曲がる。
【0051】
このタッチパネル支持振動体100によれば、圧電アクチュエータ25a等の表裏に設けた、例えば、シム3の左右端部に設けた2箇所の振動支持部を成す中央電極3a,3bと、フィルム状圧電積層体#1〜#16の中央に設置された1箇所の振動作用部8aとを介して被駆動部となるタッチパネル24に、上述の曲げ変形を伝搬することにより、直線的な振動変位が得られる構造となっている。
【0052】
つまり、これら離散している振動支持部を成す中央電極3a,3b及び振動作用部8aが直線的な変位を得るために必要である。この例では、これらの離散している中央電極3a,3b及び振動作用部8a、更に、タッチパネル24の支持構造体を同一部品たるリジッド部61a,61bにより構成している。上述の振動は、リジッド部61a,61b上に取り付けられるタッチパネル24等の入力手段に伝播するようになされる。この結果、タッチパネル24に触れている操作者(操作体)の指等に触覚を提示できるようになる。
【0053】
続いて、第1の実施例に係るタッチパネル支持振動体100の形成例について説明をする。図4は、タッチパネル支持振動体100の形成例を示す工程図である。
【0054】
この実施例では、携帯電話機や情報携帯端末装置等において、入力手段や表示手段等に適用可能なタッチパネル支持振動体100を作成する場合を前提とする。タッチパネル支持振動体100には、リジッド部61a,61bが設けられ、このリジッド部61aに圧電アクチュエータ25aを取り付け、リジッド部61bに圧電アクチュエータ25bを取り付ける場合を例に挙げる。タッチパネル24と表示手段29とは各々の接着面が平坦なものが好ましい。
【0055】
これらを形成条件にして、まず、図4Aに示す圧電アクチュエータ25a,25b、タッチパネル24、リジッド部61a,61b、表示手段29を準備する。圧電アクチュエータ25a等については、図2及び図3でその形成方法を説明しているのでその説明を省略する。リジッド部61a,61b等の形成例を説明する。
【0056】
部品取付部付きの厚みt3[mm]のリジッド部61a,61bは、例えば、内側にスリット用の部品取付スペース62を象ったコアを含む所定の金型を作成し、その金型に合成樹脂を射出して成形する。部品取付スペース62の大きさは、長さがl[mm]で、幅がw[mm]で、高さがh[mm]程度となるように金型を設計する。この金型の両面には、部品取付スペース62のスリットを型抜きするための凸部が設けられる。この金型に所定の樹脂材料、例えば、ポリカーボネートを封入しモールド整形することで、硬質のプラスチック製のサポート部品たるリジッド部61a、61bが形成される。
【0057】
この例で、部品取付スペース62の内側には、受け側電極64a,64bを設けるための加工がなされる。例えば、圧電アクチュエータ25a等の実装後、中央電極3a,3bが位置ずれしないように、その電極ホルダ形状には段差が設けて構成される。このような電極ホルダ形状を構成すると、タッチパネル支持振動体100をどんな姿勢、例えば、水平姿勢を始め、仰向け姿勢、斜め姿勢、直立姿勢等を維持して操作した場合も、振動をタッチパネル面に伝搬できるようになる。
【0058】
受け側電極64a,64bは、例えば、部品取付スペース62の上面で露出するように、電極挿入穴が開口される。受け側電極64a,64bは、例えば、一方が中央電極接触面となされ、他方がリード線接続端子となされる。この例で、電極挿入穴に受け側電極64a,64bが係合され、リード線接続端子が枠外側又は枠下方に引き出される。
【0059】
この受け側電極64a,64bには、圧電積層体部品取付時に、その圧電アクチュエータ25aの中央電極3a,3bが接続される。リジッド部61a,61bには、射出成形品の他に、アルミニウム、鉄、銅又はこれらの合金等の金属部材を折り曲げ加工処理又は切削加工処理により作成したものを用いてもよい。リジッド部61a,61bに金属部材を使用する場合は、受け側電極64a,64bは、その充電部分を除いて周囲が絶縁されることは言うまでもない。
【0060】
次に、図4Bに示すリジッド部61aに圧電アクチュエータ25aを実装する。図示せずも、リジッド部61bにも圧電アクチュエータ25bを実装する。この例で、リジッド部61aの部品取付スペース62の内側には、受け側電極64a,64bが設けられ、当該受け側電極64a,64bに圧電アクチュエータ25a等の中央電極3a,3bが接続される。このような構造を採るようにしたのは、受け側電極64a,64bと中央電極3a,3bの電気的な接続と、リジッド部61a,61bと圧電アクチュエータ25aとの機械的な係合とを同時、かつ、簡単にできるようにしたためである。
【0061】
その後、図4Cに示すタッチパネル24と表示手段29との間にリジッド部61a,61bを挟み込んで固定する。この例では、表示手段29の左側端にリジッド部61aが配置され、その右側端にリジッド部61bが各々配置される。リジッド部61aの一方の面は表示手段29の表面左側端に接着剤を介して接着され、その他方の面にはタッチパネル24の裏面左側端に接着剤を介して接着される。同様にして、リジッド部61bの一方の面は表示手段29の表面右側端に接着され、その他方の面はタッチパネル24の裏面右側端に接着剤を介して各々接着される。これにより、携帯電話機等に実装可能なタッチパネル支持振動体100を形成することができる。
【0062】
このように、第1の実施例としてのタッチパネル支持振動体100によれば、タッチパネル24と表示手段29とを積層して相互に支持する場合に、タッチパネル24を支持する構造が、当該タッチパネル24に対する触覚振動の自由度を与えるための弾性体とするものでなく、表示手段29上の両側を線状にタッチパネル24下にリジッドに固定するようになされる。圧電アクチュエータ25aは、タッチパネル24と表示手段29との間のリジッド部61a,61bの部品取付スペース62に設けられる。上述した例では、圧電アクチュエータ25a等の振動支持部を成す中央電極3a,3b及び振動作用部8aが別体でなく同一のリジッド部61a,61bに実装される。しかも、圧電アクチュエータ25の中央電極3a,3b及び振動作用部8aが表示手段29及びタッチパネル24を積層する厚み方向に合わせ込まれる。
【0063】
従って、簡便なリジッド部61a,61b等のスペース部品またはスペース接合方法で圧電アクチュエータ25の中央電極3a,3bおよび振動作用部8a、平面状の入力装置たるタッチパネル24を支持する構造を実現できるようになった。これにより、曲げ力やねじり力に対して寸法変化を小さく抑える性質となる剛性豊か(リジッド)な表示手段29とタッチパネル24とが固定された振動筐体を提供できるようになる。従って、圧電アクチュエータ25a等を振動させたとき、その振動筐体が使用される姿勢によらず、振動伝達性に関して高い信頼性を確保できるようになる。
【0064】
特に、モバイル機器や車載機器など、振動や衝撃等が外力として加わる可能性が高い電子機器に対しても基板支持振動構造内で発生させた圧電アクチュエータ25による振動を応用できるようになる。
【0065】
また、タッチパネル支持振動体100の形成工程に関しては、上述の形成工程順序に限られることはなく、先に圧電アクチュエータ25aをリジッド部61a,61bに実装してから、その後、タッチパネル24と表示手段29との間に、圧電アクチュエータ付きのリジッド部61a,61bを挟み込んで固定するようにしてもよい。なお、リジッド部61a,61bの上下両面に、例えば、両面テープを予め貼付しておけば、接着工程が緩和され、組み立て工数がさらに削減されるという効果が得られる。
【実施例2】
【0066】
図5は、第2の実施例としてのタッチパネル支持振動体200の構造例を示す斜視図である。
【0067】
図5に示すタッチパネル支持振動体200は、長手状のリジッド部71a,71bを有している。リジッド部71a,71bには上部開放形状を成した部品取付スペース72が設けられ、圧電アクチュエータ25aの振動支持部を成す中央電極3a,3bの各々が同一部品たるリジッド部71a,71b等に接合され、その振動作用部8aが別部品であるタッチパネル24に接合(当接)される。振動作用部8aは、例えば、タッチパネル24の裏面側に接着剤を介して直に接合される。タッチパネル24の裏面側は剛性を得るため硬質樹脂が望ましい。
【0068】
この例でも、タッチパネル24と表示手段29とは、共に幅がW[mm]で長さL[mm]を有しており、各々所定の厚みt1、t2[mm]を有している。タッチパネル24と表示手段29との間には隙間部材の他の一例となる上部開放形状のリジッド部71a,71bが設けられて固定されている。この例で、リジッド部71aは、幅がw[mm]で長さL[mm]を有しており、所定の厚みt3'[mm]を有している。リジッド部71a,71bの厚みに関しては、第1の実施例との間でt3>t3'となされている。
【0069】
図中、表示手段29の左側端に、リジッド部71bはその右側端に各々配置される。リジッド部71aの底面側は表示手段29の表面左側端に接着され、その両側の突起(柱状)部73a、73bはタッチパネル24の裏面左側端に接着される。リジッド部71bの底面側は表示手段29の表面右側端に接着され、その両側の突起(柱状)部73a、73bはタッチパネル24の裏面右側端に各々接着される。
【0070】
リジッド部71a,71bには上部開放形状を成した部品取付部(位)72が各々設けられている。リジッド部71a,71bは、例えば、長手凹状体を成しており、その内側が部品取付スペース72となされている。部品取付スペース72は、長さがl[mm]で、幅がw[mm]で、深さがd[mm]程度の凹状を成している。リジッド部71a,71bにも、リジッド部61a,61bと同様にして、ヤング率などの弾性率が大きい材料が使用され、例えば、合成樹脂部材や、アルミニウム、鉄、銅又はこれらの合金等の金属部材が使用される。
【0071】
続いて、第2の実施例に係るタッチパネル支持振動体200の形成例について説明をする。図6は、タッチパネル支持振動体200の形成例を示す工程図である。
【0072】
この実施例では、携帯電話機や情報携帯端末装置等において、入力手段や表示手段等に適用可能なタッチパネル支持振動体200を作成する場合を前提とする。タッチパネル支持振動体200には、リジッド部71a,71bが設けられ、このリジッド部71a,71bには第1の実施例と同様にして圧電アクチュエータ25a,25bを取り付ける場合を挙げる。タッチパネル24と表示手段29とは各々の接合面が平坦なものが好ましい。
【0073】
これらを形成条件にして、まず、図6Aに示す圧電アクチュエータ25a,25b、タッチパネル24、リジッド部71a,71b、表示手段29を準備する。圧電アクチュエータ25a等については、図2及び図3でその形成方法を説明しているのでその説明を省略する。リジッド部71a,71b等の形成例を説明する。
【0074】
部品取付スペース付きの厚みt3'[mm]のリジッド部71a,71bは、例えば、内側に凹状の部品取付スペース72を象ったコアを含む所定の金型を作成し、その金型に合成樹脂材料を射出して成形する。部品取付スペース72の大きさは、長さがl[mm]で、幅がw[mm]で、深さがd[mm]程度となるように金型を設計する。この金型の両面には、部品取付スペース72を型抜きするための凸部が設けられる。この金型に所定の合成樹脂材料、例えば、ポリカーボネートを封入しモールド整形することで、硬質プラスチック製のリジッド部71a、71bが形成される。
【0075】
この例で、部品取付スペース72の内側には、受け側電極74a,74bを設けるための加工がなされる。例えば、圧電アクチュエータ25a等の実装後、中央電極3a,3bが位置ずれしないように、第1の実施例と同様にしてその電極ホルダ形状には段差が設けて構成される。このような電極ホルダ形状に構成すると、タッチパネル支持振動体200でも、どんな姿勢、水平姿勢を始め、仰向け姿勢、斜め姿勢、直立姿勢等を維持して触覚操作した場合も、振動をタッチパネル面に伝搬できるようになる。受け側電極74a,74bについては、第1の実施例と同様であるのでその説明を省略する。
【0076】
この受け側電極74a,74bには、圧電積層体部品取付時に、その圧電アクチュエータ25aの中央電極3a,3bが接続される。リジッド部71a,71bには、射出成形品の他に、アルミニウム、鉄、銅又はこれらの合金等の金属部材を折り曲げ加工処理又は切削加工処理により作成したものを用いてもよい。リジッド部71a,71bに金属部材を使用する場合は、第1の実施例と同様にして受け側電極74a,74bが充電部分を除いて絶縁される。
【0077】
次に、図6Bに示すリジッド部71aに圧電アクチュエータ25aを実装する。図示せずも、リジッド部71bにも圧電アクチュエータ25bを実装する。この例で、リジッド部71aの部品取付スペース72の内側には、受け側電極74a,74bが設けられ、当該受け側電極74a,74bに圧電アクチュエータ25a等の中央電極3a,3bが接続される。このような構造を採るようにしたのは、第1の実施例と同様の理由である。
【0078】
その後、図6Cに示すタッチパネル24と表示手段29との間にリジッド部71a,71bを挟み込んで固定する。この例では、表示手段29の左側端にリジッド部71aが配置され、その右側端にリジッド部71bが各々配置される。リジッド部71aの一方の面は表示手段29の表面左側端に接着剤を介して接着され、その両側の突起部74a,74bはタッチパネル24の裏面左側端に接着剤を介して接着される。
【0079】
同様にして、リジッド部71bの一方の面は表示手段29の表面右側端に接着され、その両側の突起部74a,74bはタッチパネル24の裏面右側端に接着剤を介して各々接着される。これにより、圧電アクチュエータ25aの振動作用部8aはリジッド部71a上のタッチパネル24の底面、圧電アクチュエータ25bの振動作用部8aは、リジッド部71b上のタッチパネル24の底面に各々当接される。携帯電話機等に実装可能なタッチパネル支持振動体200を形成することができる。
【0080】
もちろん、タッチパネル支持振動体200の形成工程に関しても、上述の形成工程順序に限られることはなく、先に圧電アクチュエータ25a,25bをリジッド部71a,71bに実装してから、その後、タッチパネル24と表示手段29との間に、圧電アクチュエータ付きのリジッド部71a,71bを挟み込んで固定するようにしてもよい。
【0081】
このように、第2の実施例としてのタッチパネル支持振動体200によれば、タッチパネル24と表示手段29とを積層して相互に支持する場合に、タッチパネル24を支持する構造が、当該タッチパネル24に対する触覚振動の自由度を与えるための弾性体とするものでなく、表示手段29上の四隅の支持点、すなわち、一方の側の突起部74a,74b、他方の側の突起部74a,74bでタッチパネル24下にリジッドに固定するようになされる。
【0082】
圧電アクチュエータ25a,25bは、タッチパネル24と表示手段29との間のリジッド部71a,71bの部品取付スペース72に設けられる。上述した例では、圧電アクチュエータ25a等の中央電極3a,3bが別体でなく同一のリジッド部71a,71bに実装され、振動作用部8aが直にタッチパネル24下に接合(当接)される。しかも、圧電アクチュエータ25の中央電極3a,3b及び振動作用部8aが表示手段29及びタッチパネル24を積層する厚み方向に合わせ込まれる。
【0083】
従って、簡便なリジッド部71a,71b等のスペース部品またはスペース接合方法で圧電アクチュエータ25a等の中央電極3a,3bおよび振動作用部8a、平面状の入力装置たるタッチパネル24を支持する構造を実現できるようになった。これにより、表示手段29とタッチパネル24とが固定された剛性豊か(リジッド)な振動筐体を提供できるようになる。しかも、第1の実施例に比べて薄型化が図られ、第1の実施例と同様にして、圧電アクチュエータ25a等を振動させたとき、その振動筐体が使用される姿勢によらず、振動伝達性に関して高い信頼性を確保できるようになる。
【実施例3】
【0084】
図7は、第3の実施例としてのタッチパネル支持振動体300の構造例(その1)を示す上面図である。図8は、その構造例(その2)を示す図であり、図8(A)は、そのX−X矢視断面図であり、図8(B)は、そのY−Y矢視断面図を各々示している。
【0085】
図7に示すタッチパネル支持振動体300は、幅がW[mm]で長さL[mm]を有している。タッチパネル24と表示手段29とが四隅の柱状部81a、81b、81c、81d(4ヶ所のコーナー部)でリジッドに固定されている。柱状部81aと柱状部81bとの間、及び、柱状部81cと柱状部81dとの間が各々部品取付スペース82a,82bとなされている。
【0086】
部品取付スペース82aには圧電アクチュエータ25aが配置され、部品取付スペース82bには圧電アクチュエータ25bが各々配置されている。この例でも、圧電アクチュエータ25aが長手状を有しており、その長手状の部位の両側に中央電極3a,3bを各々有し、かつ、中央部に1つの振動作用部8aを有している。
【0087】
部品取付スペース82bには、プリント基板68が設けられ、外部からのシート状の配線67が接続される。配線67はプリント基板68上で分散され、一方の配線が圧電アクチュエータ25bに制御駆動電圧を印加するように供給される。他の配線パターン67a、67bは反対側の圧電アクチュエータ25aに接続され、同様にして、制御駆動電圧を印加するようになされる。プリント基板68には、タッチパネル24の基板又は表示手段29を兼用するとよい。
【0088】
図8Aに示すタッチパネル支持振動体300に示す柱状部81cと柱状部81dは隙間部材の一例を構成し、その厚みがt3"に設定(t3"<t3'<t3)される。厚みt3"は、ほぼ圧電アクチュエータ25a等の厚みに等しい。このように厚みt3"を設定したのは、第1及び第2の実施例に比べてタッチパネル支持振動体300の薄型化を図るためである。
【0089】
図8Bに示す圧電アクチュエータ25aにおいて、その振動作用部8aは、タッチパネル24に向けて配置され、振動支持部を成す中央電極3a,3bが表示手段29に向けて各々配置される。振動作用部8aは、タッチパネル24の下面に当接され、当該タッチパネル24を下方向から押圧する(押し上げる)ように振動を伝播する。
【0090】
この例では、プリント基板68には、受け側電極84c、84dが設けられ、圧電アクチュエータ25bの実装後、中央電極3a,3bが位置ずれしないように、その受け側電極84cと中央電極3aとが半田付けされ、同様にして、受け側電極84dと中央電極3bとが半田付けされる。このような電極構造を採ると、タッチパネル支持振動体300をどんな姿勢、例えば、水平姿勢、仰向け姿勢、斜め姿勢、直立姿勢等を維持して操作された場合も、振動をタッチパネル面に伝搬できるようになる。
【0091】
続いて、タッチパネル支持振動体300の形成例について説明をする。図9は、第3の実施例に係るタッチパネル支持振動体300の形成例を示す工程図である。
【0092】
この実施例では、携帯電話機や情報携帯端末装置等において、入力手段や表示手段等に適用可能なタッチパネル支持振動体300を作成する場合を前提とする。タッチパネル支持振動体300では、4つの柱状部81a〜81dを設け、この柱状部81a,81bの間や、柱状部81c,81dの間に、部品取付スペース82a,82bを設定して、第1及び第2の実施例と同様に、圧電アクチュエータ25a,25bを取り付ける場合を挙げる。タッチパネル24と表示手段29とは各々の接合面が平坦なものが好ましい。
【0093】
これらを形成条件にして、まず、図9Aに示す圧電アクチュエータ25a,25b、タッチパネル24、柱状部81a〜81d、表示手段29を準備する。圧電アクチュエータ25a等については、図2及び図3でその形成方法を説明し、タッチパネル24及び表示手段29については第1の実施例で説明しているのでその説明を省略する。ここでは、柱状部81a〜81dの形成例を説明する。
【0094】
部品取付スペースを設定するための柱状部81a〜81dは、例えば、硬質プラスチック製の棒体を厚みt3'[mm]程度に切断して形成する。もちろん、これに限られることはなく、柱状部81a等を象った所定の金型を作成し、その金型に合成樹脂材料を射出して成形してもよい。
【0095】
この例で、表示手段29の表面の所定の位置にプリント配線基板68を形成し、このプリント配線基板68に受け側電極84a,84bを設けるための加工がなされる。例えば、圧電アクチュエータ25a等の実装後、中央電極3a,3bが位置ずれしないように、第1の実施例と同様にしてその電極ホルダ状の段差を形成する。
【0096】
電極ホルダ状の段差(部品取付スペース82a,82b)は、柱状部81a〜81dを含めて、印刷または2色成型技術によって表示手段29上に一体構造として形成する。もちろん、図中、タッチパネル24下に印刷または2色成型技術によって部品取付スペース82a、82bを形成してもよい。また、プリント基板68をタッチパネル24の基板又は表示手段29に印刷または2色成型技術によって形成してもよい。
【0097】
このような電極ホルダ状に段差を形成すると、タッチパネル支持振動体300でも、どんな姿勢、水平姿勢を始め、仰向け姿勢、斜め姿勢、直立姿勢等を維持して触覚操作した場合も、振動をタッチパネル面に伝搬できるようになる。受け側電極84a,84bについては、第1の実施例と同様であるのでその説明を省略する。
【0098】
この受け側電極84a,84bには、圧電積層体部品取付時に、その圧電アクチュエータ25aの中央電極3a,3bが接続される。柱状部81a〜81dには、射出成形品の他に、アルミニウム、鉄、銅又はこれらの合金等の金属部材を切断加工処理により作成したものを用いてもよい。
【0099】
次に、図9Bに示すプリント基板68に圧電アクチュエータ25aを実装する。図示せずも、反対側にも圧電アクチュエータ25bを実装する。この例では図7に示したような配線パターン67a,67bを介して配線する。
【0100】
その後、図9Cに示すタッチパネル24と表示手段29との間に柱状部81a,81b,81c,81dを挟み込んで固定する。この例では、4隅に柱状部81a,81b,81c,81dを各々配置する。例えば、表示手段29の左側端手前に柱状部81cが配置され、その奥に柱状部81aが配置され、右側端手前に柱状部81bが配置され、その奥に柱状部81cが各々配置される。
【0101】
これらの柱状部81a,81b,81c,81dをタッチパネル24と表示手段29とで挟み込んで固定する。各々の柱状部81a〜81dの一方の面は表示手段29の表面に接着剤を介して接着され、他方の面はタッチパネル24の裏面に接着剤を介して接着される。
【0102】
この接着で、圧電アクチュエータ25a,25bの各々の振動作用部8aがタッチパネル24の底面に各々当接される。これにより、携帯電話機等に実装可能なタッチパネル支持振動体300を形成することができる。
【0103】
もちろん、タッチパネル支持振動体300の形成工程に関しても、上述の形成工程順序に限られることはなく、先に圧電アクチュエータ25a,25bを柱状部81a〜81dで画定される部品取付スペース82a、82bに実装してから、その後、表示手段29上に柱状部81a〜81dを形成し、柱状部81a〜81dをタッチパネル24と表示手段29とで挟み込んで固定するようにしてもよい。
【0104】
このように、第3の実施例としてのタッチパネル支持振動体300によれば、タッチパネル24と表示手段29とが四隅の柱状部81a、81b、81c、81dでリジッドに固定されている。
【0105】
従って、簡便な柱状部81a〜81d等の間隔保持部品またはスペース接合方法で圧電アクチュエータ25a等の中央電極3a,3bおよび振動作用部8a、平面状の入力装置たるタッチパネル24を支持する構造を実現できるようになった。しかも、第1及び第2の実施例に比べて部品点数および組み立て工数を削減できるようになる。
【0106】
これにより、表示手段29とタッチパネル24とが固定された剛性豊か(リジッド)な簡易な構造の振動筐体を提供できるようになる。従って、圧電アクチュエータ25a等を振動させたとき、第1及び第2の実施例と同様にして、その振動筐体が使用される姿勢によらず、振動伝達性に関して高い信頼性を確保できるようになる。
【0107】
上述した第1〜第3の実施例では、振動作用部8aをタッチパネル側に向け、中央電極3a,3bを表示手段側に向けて配置する場合について説明したが、これに限られることはなく、天地逆にして、振動作用部8aを表示手段側に向け、中央電極3a,3bをタッチパネル側に向けて配置しても同様な効果が得られる。
【0108】
また、圧電アクチュエータ25a、25bは、表示手段等の左右2箇所に設ける場合について説明したが、これに限られることはなく、左右側のいずれか1箇所に設ける場合であっても、触覚提示することができる。これにより、触覚機能付きの入力装置のコストダウンを図ることができる。
【実施例4】
【0109】
図10は、第4の実施例としての触覚入力機能付き携帯電話機400の構成例を示す斜視図である。
【0110】
この実施例では、第1〜3の実施例に係るタッチパネル支持振動体100、200又は300を備えると共に、表示手段29上の入力検出面において、操作体が押下した位置の加圧力に対応した振動パターンに基づいて当該入力検出面を振動するようになされ、その入力検出面における操作体の押下操作に対して触覚を付与できるようにすると共に、表示手段29に表示されたボタンアイコン等の入力を確定できるようにしたものである。
【0111】
図10に示す携帯電話機400は電子機器の一例を構成し、表示画面上の入力検出面を摺動接触操作される触覚機能付きの入力装置90を有している。携帯電話機400は下部筐体10及び上部筐体20を備え、これらの筐体10及び20間は、回転レンジ機構11によって可動自在に係合されている。この回転レンジ機構によれば、下部筐体10の操作面の一端に設けられた図示しない軸部と、下部筐体10の裏面の一端に設けられた図示しない軸受け部とが回転自在に係合され、上部筐体20は下部筐体10に対して角度±180°の回転自由度を有して面結合されている。
【0112】
下部筐体10には、複数の押しボタンスイッチ12から成る操作パネル18が設けられる。押しボタンスイッチ12は、「0」〜「9」数字キー、「*」や「#」等の記号キー、「オン」や「オフ」等のフックボタン、メニューキー等から構成される。下部筐体10において、操作パネル面の下方には、通話用のマイクロフォン13が取り付けられ、送話器として機能するようになされる。
【0113】
また、下部筐体10の下端部には、モジュール型のアンテナ16が取り付けられ、その上端内部側面には、大音響用のスピーカー36aが設けられ、着信メロディ等を放音するようになされる。下部筐体10には、バッテリー16や回路基板17等が設けられ、下部筐体10の裏面にはカメラ34が取り付けられている。
【0114】
上述の下部筐体10に対して、回転レンジ機構11によって可動自在に係合された上部筐体20には、その表面の上方に通話用のスピーカー36bが取り付けられ、受話器として機能するようになされる。上部筐体20のスピーカー取付け面の下方には、触覚機能付きの入力装置90が設けられる。入力装置90には、例えば、タッチパネル支持振動体300が使用される。
【0115】
入力装置90は、入力検出手段45及び表示手段29を有しており、表示画面上の入力検出面における操作体の押下操作に対して触覚を与えるものである。表示手段29には、複数のボタンアイコン等の入力情報が表示される。
【0116】
図11は、触覚機能付きの入力装置90に係るタッチパネル支持振動体300の構成例を示す組立図である。
【0117】
図11に示すタッチパネル支持振動体300は、幅がW[mm]で長さL[mm]のタッチパネル24や表示手段29等を有している。タッチパネル24と表示手段29とは積層して使用される。この例で、表示手段29の四隅には柱状部81a、81b、81c、81d(4ヶ所のコーナー部)が配置され、タッチパネル24と表示手段29とが柱状部81a、81b、81c、81dでリジッドに固定されている。柱状部81a等は、幅及び長さが共にw[mm]であり、高さがh'[mm]程度である。
【0118】
柱状部81aと柱状部81bとの間に画定された部品取付スペース82aには圧電アクチュエータ25aが配置され、柱状部81cと柱状部81dとの間に画定された部品取付スペース82bには、圧電アクチュエータ25bが配置される。例えば、圧電アクチュエータ25aの振動作用部8aは、タッチパネル24に向けて配置され、振動支持部を成す中央電極3a,3bが表示手段29に向けて各々配置される。振動作用部8aは、タッチパネル24の下面に当接され、当該タッチパネル24を下方向から押圧する(押し上げる)ように振動を伝播する。
【0119】
部品取付スペース82bには、プリント基板68が設けられ、外部からのシート状の配線67が接続される(図7参照)。プリント基板68には、受け側電極84c、84dが設けられ、圧電アクチュエータ25bの実装後、中央電極3aが受け側電極84cとが半田付けされ、受け側電極84dと中央電極3bとが半田付けされる。部品取付スペース82a側には、受け側電極84a、84bが設けられ、圧電アクチュエータ25aの実装後、その中央電極3aが受け側電極84aに半田付けされ、その中央電極3bが受け側電極84bに半田付けされる。このような電極構造を採ると、タッチパネル支持振動体300をどんな姿勢、例えば、水平姿勢、仰向け姿勢、斜め姿勢、直立姿勢等を維持して操作された場合も、振動をタッチパネル面に伝搬できるようになる。
【0120】
図12は、触覚機能付きの入力装置90の構造例を示す斜視図である。図12に示す入力装置90は、入力項目選択用の表示画面に表示された複数のアイコンの1つに接触して当該表示画面上で入力操作される装置であって、このような情報入力操作時に操作者の指(操作体)に触覚を提示するものである。
【0121】
入力装置90は、上部筐体20、力検出手段55a〜55d、本体基板69及びタッチパネル支持振動体300を備えている。この例では、本体基板69に力検出手段55a〜55d及びタッチパネル支持振動体300が配置され、上部筐体20を覆うようにして組立てられる。タッチパネル支持振動体300のタッチパネル24と本体基板69上の力検出手段55a〜55dとで入力検出手段45を構成する。
【0122】
入力装置90は、入力検出手段45の入力操作に基づいてタッチパネル支持振動体300内の圧電アクチュエータ25a,25bにより操作者の指に触覚を提示するようになされる。この例では、入力検出手段45の入力検出面の一方をX方向とし、当該X方向と直交する他方をY方向とし、X及びY方向と直交する方向をZ方向とする。
【0123】
タッチパネル24はボタンアイコンの選択位置を検出するようになされる。タッチパネル24から得られる入力情報には位置検出情報が含まれる。位置検出情報はボタンアイコン押下時の位置検出信号S1により得られ、制御系に出力される。タッチパネル24には静電容量方式の入力デバイスが使用され、図示しない蓄積電極(透明電極)がマトリクス状に配置されている。
【0124】
タッチパネル24の下方には同程度の大きさの表示手段29が配置される。表示手段29には液晶表示装置が使用される。液晶表示装置には図示しないバックライトが備えられる。タッチパネル24や表示手段29は被振動体を構成する。表示手段29は、タッチパネル24から得られる位置検出信号S1及び制御系から供給される表示信号Svに基づいてアイコンを表示するように動作する。
【0125】
この例で、タッチパネル24と表示手段29との間に圧電アクチュエータ25a,25bが設けられ、その中央電極3a,3bには、振動制御信号Sa(電圧)が供給される。圧電アクチュエータ25aは振動制御信号Saに基づいて表示画面(入力操作面)をそのバックライト方向から振動するようになされる。圧電アクチュエータ25bも振動制御信号Sbに基づいて表示画面をそのバックライト方向から振動するようになされる。
【0126】
各々の圧電アクチュエータ25a,25bは、図3Bに示したシム3の両側(凸部)が弾性を有している。このシム3の凸部の弾性を利用することで、圧電本体が上下方向(垂直方向)に振動できるようになる。換言すると、液晶表示装置のバックライトからの透過光方向に対して平行する方向に圧電本体を振動するようになる。この結果、タッチパネル24に触れている操作者の指等に触覚を提示できるようになる。
【0127】
振動制御信号Sa及びSbは、制御系から圧電アクチュエータ25a、25bに供給される。振動制御信号Sa及びSbは、複数の振動パターンを発生するための信号であって、例えば、表示手段29に表示されたアイコンの1つに操作者が接触(タッチ)すると、圧電アクチュエータ25a及び25bに供給される。
【0128】
また、本体基板69の四隅には、例えば、正方形状の力検出手段55a〜55dが設けられ、タッチパネル24に対する操作者の指の押圧力(加圧力)を検出して力検出情報を出力すると共に、当該押下位置に表示された入力情報を確定する。力検出手段55aは、右下隅の入力量(Z方向の押圧力)として、例えば、当該アイコン選択時の力検出信号Sfaを検出する。
【0129】
同様にして、力検出手段55bは、右上隅の入力量(力)として、当該アイコン選択時の力検出信号Sfbを検出し、力検出手段55cは、左上隅の入力量(力)として、当該アイコン選択時の力検出信号Sfcを検出し、力検出手段55dは、左下隅の入力量(力)として、当該アイコン選択時の力検出信号Sfdを各々検出する。これら4個の力検出手段55a〜55dは、並列に接続され、これら4つの力検出信号Sfa+Sfb+Sfc+Sfdを制御系に出力する。以下、この合算した信号を入力検出信号S2とする。入力検出信号S2は制御系に出力される。
【0130】
上述のタッチパネル24、表示手段29及び本体基板69は、上部筐体20に収納されて保護される。上部筐体20は、例えば、厚さ0.3mm程度のステンレスの板状体から構成され、タッチパネル24を露出する窓部を有しており、本体基板69上に設けられたタッチパネル支持振動対300を覆うように組み合わされる。これにより、触覚機能付きの入力装置90を構成できるようになる。
【0131】
次に、触覚入力機能付きの携帯電話機400の制御系の構成例及び感触フィードバック入力方法について説明をする。図13は、触覚入力機能付き携帯電話機400の制御系の構成例を示すブロック図である。
【0132】
図13に示す携帯電話機400は、下部筐体10の回路基板17に各機能のブロックを実装して構成される。なお、図10〜図12に示した各部及び手段と対応する部分は、同一符号で示している。携帯電話機400は、制御手段15、操作パネル18、受信部21、送信部22、アンテナ共用器23、入力検出手段45、表示手段29、電源ユニット33、カメラ34、記憶手段35、圧電アクチュエータ25a及び25bを有している。
【0133】
図13に示す入力検出手段45は、図12では静電容量方式の入力デバイスを説明したが、カーソリングと選択の機能を区別できるものであれば何でも良く、例えば、抵抗膜方式、表面波弾性方式(SAW)、光方式、複数段方式タクトスイッチ等の入力デバイスであっても良く、好ましくは位置検出情報と力検出情報を制御手段15に与えられる構成の入力デバイスであれば良い。上述の入力検出手段45は操作者30の指30aを介して少なくとも位置検出信号S1および入力量(押圧力;加圧力F)となる入力検出信号S2が入力される。
【0134】
制御手段15は制御系を構成し、画像処理部26、A/Dドライバ31、CPU32及びアクチュエータ駆動回路37を有している。A/Dドライバ31には、入力検出手段45からの位置検出信号S1および入力検出信号S2が供給される。A/Dドライバ31ではカーソリングとアイコン選択の機能を区別するために位置検出信号S1および入力検出信号S2よりなるアナログ信号をデジタルデータに変換する。この他にA/Dドライバ31は、このデジタルデータを演算処理して、カーソリング入力かアイコン選択情報かを検出し、カーソリング入力かアイコン選択かを区別するフラグデータD3あるいは位置検出情報D1または入力検出情報D2をCPU32に供給するようになされる。これらの演算はCPU32内で実行してもよい。
【0135】
A/Dドライバ31にはCPU32が接続される。CPU32はシステムプログラムに基づいて当該電話機全体を制御するようになされる。記憶手段35には当該電話器全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。図示しないRAMはワークメモリとして使用される。CPU32は電源オンと共に、記憶手段35からシステムプログラムデータを読み出してRAMに展開し、当該システムを立ち上げて携帯電話機全体を制御するようになされる。例えば、CPU32は、A/Dドライバ31からの位置検出情報D1、入力検出情報D2及びフラグデータD3(以下単に入力データともいう)を受けて所定の指令データDを電源ユニット33や、カメラ34、記憶手段35、アクチュエータ駆動部37、映像&音声処理部44等のデバイスに供給したり、受信部21からの受信データを取り込んだり、送信部2へ送信データを転送するように制御する。
【0136】
この例で、CPU32は、入力検出手段45から得られる入力検出情報D2と予め設定された押下判定閾値Fthとを比較し、当該比較結果に基づいて圧電アクチュエータ25a及び25b等を振動制御するようにアクチュエータ駆動部37を制御する。例えば、入力検出手段45の押下位置における入力検出面から伝播される触覚を"A"及び"B"とすると、触覚"A"は、その押下位置における操作者の指30aの加圧力Fに応じた入力検出面を低周波数かつ小振幅の振動パターンから、高周波数かつ大振幅の振動パターンに変化させることによって得られる。また、触覚"B"は、その押下位置における操作者の指30aの加圧力Fに応じた入力検出面を高周波数かつ大振幅の振動パターンから、低周波数かつ小振幅の振動パターンに変化させることよって得られる。
【0137】
上述のCPU32には記憶手段35が接続され、入力項目選択用の表示画面を、例えば、3次元的に表示するための表示情報D4や、当該表示情報D4に対応したアイコンの選択位置及び振動モードに関する制御情報Dc等が表示画面毎に記憶される。制御情報Dcには、表示手段29におけるアプリケーション(3次元的な表示や、各種表示内容)に同期した複数の異なった触覚を発生でき、その触覚を発生せしめる複数の具体的な振動波形、及び、アプリケーション毎の具体的な触覚発生モードを設定するアルゴリズムが含まれる。記憶手段35には、EEPROMや、ROM、RAM等が使用される。
【0138】
この例でCPU32は、A/Dドライバ31から出力される位置検出情報D1、入力検出情報D2及びフラグデータD3に基づいて表示手段29の表示制御及び圧電アクチュエータ25a及び25bの出力制御をする。例えば、制御手段15は、タッチパネル24から得られる位置検出信号S1及び力検出手段55a〜55dから得られる入力検出信号S2に基づいて記憶手段35から制御情報Dcを読み出して圧電アクチュエータ25a及び25bに振動制御信号Sa,Sbを供給する。
【0139】
CPU32は、例えば、入力検出手段45が押下判定閾値Fthを越える入力検出情報D2を検出したとき、触覚"A"を起動し、その後、押下判定閾値Fthを下回る入力検出情報D2を検出したとき、触覚"B"を起動するようにアクチュエータ駆動回路37を制御する。このようにすると、操作者の指30a等の"加圧力"に合わせた異なる振動パターンを発生させることができる。
【0140】
CPU32には、アクチュエータ駆動部37が接続され、CPU32からの制御情報Dcに基づいて振動制御信号Sa,Sbを発生する。振動制御信号Sa,Sbは、正弦波形からなる出力波形を有している。アクチュエータ駆動部37には2個の圧電アクチュエータ25a、25bが接続され、各々の振動制御信号Sa,Sbに基づいて振動するようになされる。
【0141】
この例で、アクチュエータ駆動部37は、各アプリケーションに対応する押下判定閾値Fthを記憶する。例えば、押下判定閾値Fthはトリガーパラメータとしてアクチュエータ駆動回路37に設けられたROM等に予め格納される。アクチュエータ駆動回路37は、CPU32の制御を受けて、入力検出情報D2を入力し、予め設定された押下判定閾値Fthと、入力検出情報D2から得られる加圧力Fとを比較し、Fth>Fの判定処理や、Fth≦F等の判定処理を実行する。
【0142】
この例で、押下判定閾値Fth=100[gf]を設定すると、クラシックスイッチの触覚を得るための振動パターンに基づいて入力検出面を振動するようになされる。また、押下判定閾値Fth=20[gf]を設定すると、サイバースイッチの触覚を得るための振動パターンに基づいて入力検出面を振動するようになされる。
【0143】
CPU32にはアクチュエータ駆動部37の他に画像処理部26が接続され、ボタンアイコン29a等を3次元的に表示するための表示情報D4を画像処理するようになされる。画像処理後の表示情報D4を表示手段29に供給するようになされる。この例で、CPU32は、表示画面中のボタンアイコンを奥行方向に遠近感を有して3次元的に表示するように表示手段29を表示制御する。
【0144】
このように構成された入力装置90は、例えば、入力項目選択用の表示画面に表示された複数のボタンアイコンの1つを押下(接触)して当該表示画面上でタッチパネル24をZ方向に押下すると触覚を伴って画面入力操作されるものである。操作者30は、指30aに振動を受けて触感として、ボタンアイコン毎の振動を感じる。
【0145】
表示手段29の表示内容は操作者の目による視覚により、スピーカー36a、36b等からの放音は、操作者の耳による聴覚により各機能を判断するようになされる。上述のCPU32には操作パネル18が接続され、例えば、相手方の電話番号を手動入力する際に使用される。表示手段29には上述のアイコン選択画面の他に映像信号Svに基づいて着信映像を表示するようにしてもよい。
【0146】
また、図13に示すアンテナ16は、アンテナ共用器23に接続され、着呼時、相手方からの無線電波を基地局等から受信する。アンテナ共用器23には受信部21が接続され、アンテナ16から導かれる受信データを受信して映像や音声等を復調処理し、復調後の映像及び音声データDinをCPU32等に出力するようになされる。受信部21には、CPU32を通じて映像&音声処理部44が接続され、デジタルの音声データをデジタル/アナログ変換して音声信号Soutを出力したり、デジタルの映像データをデジタル/アナログ変換して映像信号Svを出力するようになされる。
【0147】
映像&音声処理部44には大音響用及び受話器を構成するスピーカー36a、36bが接続される。スピーカー36aは、着呼時、着信音や着信メロディ等を鳴動するようになされる。スピーカー36bは、音声信号Sinを入力して相手方の話声30d等を拡大するようになされる。この映像&音声処理部44にはスピーカー36a、36bの他に、送話器を構成するマイクロフォン13が接続され、操作者の声を集音して音声信号Soutを出力するようになされる。映像&音声処理部44は、発呼時、相手方へ送るためのアナログの音声信号Sinをアナログ/デジタル変換してデジタルの音声データを出力したり、アナログの映像信号Svをアナログ/デジタル変換してデジタルの映像データを出力するようになされる。
【0148】
CPU32には受信部21の他に、送信部22が接続され、相手方へ送るための映像及び音声データDout等を変調処理し、変調後の送信データをアンテナ共用器23を通じアンテナ16に供給するようになされる。アンテナ16は、アンテナ共用器23から供給される無線電波を基地局等に向けて輻射するようになされる。
【0149】
上述のCPU32には送信部22の他に、カメラ34が接続され、被写体を撮影して、例えば、静止画情報や動作情報を送信部22を通じて相手方に送信するようになされる。電源ユニット33は、バッテリー14を有しており、CPU3215、操作パネル18、受信部21、送信部22、入力検出手段45、圧電アクチュエータ25a及び25b、表示手段29、カメラ34及び記憶手段35にDC電源を供給するようになされる。
【0150】
図14A及びBは、触覚"A"及びBに係る振動パターン例を示す波形図である。図14A及びBにおいて、いずれも横軸は、時間tである。縦軸は振動制御信号Sa,Sb等の電圧(振幅Ax)[V]である。この例では、ボタンアイコン29a等において、それを押し込む時は触覚"A"を与え、それを離す時は触覚"B"を与える場合を前提とする。
【0151】
図14Aに示す第1の振動パターンPaは触覚"A"を与える波形である。その触覚"A"の駆動条件aは、ボタンアイコン29a等が押し込まれたとき、押下判定閾値Fthと加圧力Fとの関係がFth<Fとなる場合であって、第1段階iで約0.1秒間、周波数fx=50Hz、振幅Ax=5μm、回数Nx=2回の振動パターンで振動する。以下[fx Ax Nx]=[50 5 2]と表記する。同様にして、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[100 10 2]の振動パターンで振動するようになされる。
【0152】
図14Bに示す第2の振動パターンPbは触覚"B"を与える波形である。その触覚"B"の駆動条件bは、ボタンアイコン29a等が押し込まれた後に、そのボタンアイコン29aが放されたとき、押下判定閾値Fthと加圧力Fとの関係がFth>Fとなる場合であって、第1段階iで約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[80 8 2]で振動し、同様にして、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[40 8 2]の振動パターンで振動する。このような振動パターンに基づいて入力検出面を振動すると、サイバースイッチ等の触覚を得ることができる。
【0153】
図15A及びBは、加圧力Fと振動パターンとの関係例(その1)を示す図である。図15Aにおいて、縦軸は加圧力Fであり、入力検出信号S2(二値化後は入力検出情報D2)から得られる。図15Bにおいて、縦軸は振動制御信号Sa等の電圧(振幅)である。図15A及びBにおいて、横軸はいずれも時間tである。
【0154】
一般に、ボタンスイッチ操作等において、入力モーションピークが存在する。設計通りの押下速度(操作入力速度)である場合、その加圧力Fは30[gf]乃至240[gf]程度であることが知られている。図15Aに示す加圧力分布波形Iは、入力装置設計時に基準とした、Z方向への押下速度による加圧力Fを反映したものである。
【0155】
この例で入力検出手段45から得られる入力検出信号S2に対して予め押下判定閾値Fthが設定され、CPU32は、入力検出信号S2の立ち上がり波形が押下判定閾値Fthを横切る時刻t11に第1の振動パターンPaを発生し、入力検出信号S2の立ち下がり波形が押下判定閾値Fthを横切る時刻t21に第2の振動パターンPbを発生するようにアクチュエータ振動回路37を制御する。
【0156】
このようにすると、入力検出手段45が入力装置設計時に基準とした加圧力Fを検出し、CPU32等が押下判定閾値Fth<加圧力Fを検出したとき、触覚"A"を起動することができ、押下判定閾値Fth>加圧力Fを検出したとき、触覚"B"を起動することができる。なお、振動パターンPaと振動パターンPbとの間には、無振動の空白期間Tx=T1が設けられる。この空白期間Txは、Z方向への押圧速度に応じて可変するようになされる。
【0157】
図16A及びBは、加圧力Fと振動パターンとの関係例(その2)を示す図である。図16Aにおいて、縦軸は加圧力Fであり、入力検出信号S2(二値化後は入力検出情報D2)から得られる。図16Bにおいて、縦軸は振動制御信号Sa等の電圧(振幅)である。図16A及びBにおいて、横軸はいずれも時間tである。
【0158】
図16Aに示す加圧力分布波形IIは、図15Aに示した基準押下速度よりも早くボタンアイコン等を押下した場合の加圧力Fを反映したものである。この例でも、図15Aと同様にして、入力検出手段45から得られる入力検出信号S2に対して予め押下判定閾値Fthが設定され、CPU32は、入力検出信号S2の立ち上がり波形が押下判定閾値Fthを横切る時刻t12に振動パターンPaを発生し、入力検出信号S2の立ち下がり波形が押下判定閾値Fthを横切る時刻t22に振動パターンPbを発生するようにアクチュエータ振動回路37を制御する。
【0159】
このようにすると、入力検出手段45が基準押下速度よりも早くボタンアイコン等が押下された場合の加圧力Fを検出し、CPU32等が押下判定閾値Fth<加圧力Fを検出したとき、触覚"A"を起動することができる。また、CPU32等が押下判定閾値Fth>加圧力Fを検出したとき、触覚"B"を起動することができる。なお、振動パターンPaと振動パターンPbとの間には、無振動の空白期間Tx=T2(T2<T1)が設けられる。
【0160】
このように、設計時の押下速度よりも早い押下速度である場合であっても、前半で触覚"A"が伝わり、クリック感のある荷重に到達させることができ、その後半で、触覚"B"が伝わり、クリック感のあるストロークに到達させることができる。この例で押下判定閾値Fth=100[gf]を設定すると、クラシックスイッチの触覚を得ることができる。
【0161】
続いて、携帯電話機400における情報処理例について説明をする。図17は、第4の実施例に係る携帯電話機400における情報処理例を示すフローチャートである。
【0162】
この例では、携帯電話機400において、第1〜3の実施例に係るタッチパネル支持振動体100、200又は300のいずれかを備えると共に、操作者の指30aで当該携帯電話機400の表示画面上の入力検出面を押下操作して情報を入力する場合を前提とする。携帯電話機400には、例えば、同一振動モード内において、操作者の指30a等による加圧力Fをパラメータにして波形を加工する機能(アルゴリズム)が備えられる。CPU32は、入力検出情報D2から加圧力Fを算出し、図15Aに示したような駆動条件a,bに対応して判別を行い、その判別結果で、同一の振動モード内において、いかなる種類の入力に対しても、入力動作中の動きに対応した触覚を発生できるようにした。
【0163】
これらを情報処理条件にして、CPU32は、図17に示すフローチャートのステップG1で電源オンを待機する。例えば、CPU32は電源オン情報を検出してシステムを起動する。電源オン情報は通常、時計機能等が稼働し、スリーピング状態にある携帯電話機等の電源スイッチをオンされたときに発生する。
【0164】
そして、ステップG2に移行してCPU32は、アイコン画面を表示するように表示手段29を制御する。例えば、CPU32は、表示手段29に表示データD4を供給して表示画面に入力情報を表示する。表示画面に表示された入力情報は、入力検出面を有した入力検出手段45を通じて目視可能になされる。そして、ステップG3に移行してCPU32は、ボタンアイコン入力モード又はその他の処理モードに基づいて制御を分岐する。ボタンアイコン入力モードとは、ボタンアイコン選択時に入力検出面上のアイコンボタン29a等を押下する入力操作をいう。
【0165】
ボタンアイコン入力モードが設定された場合、ボタンアイコン29a等が押し込まれるので、ステップG4に移行してCPU32は入力検出情報D2に基づいて加圧力Fを算出する。このとき、力検出手段55a〜55dは、入力検出面における操作者の指30aの押下位置の加圧力Fを検出し、入力検出信号S2をA/Dドライバ31に出力する。A/Dドライバ31は入力検出信号S2をA/D変換し、そのA/D変換後の入力検出情報D2をCPU32に転送する。
【0166】
そして、ステップG5に移行して、CPU32は加圧力Fと押下判定閾値Fthとを比較し、これらの関係がF>Fthとなるか否かを判別する。これらの関係がF>Fthとなる場合は、ステップG6に移行して触覚"A"を起動する。触覚"A"は、圧電アクチュエータ25a及び25bによって、操作者の指30aの加圧力Fに対応した振動パターンPaに基づいて入力検出面を振動することで得られる。
【0167】
例えば、触覚"A"は、図17Aに示した周波数fx、振幅Ax及び回数Nxに関して、第1段階iで約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[50 5 2]の振動パターンで振動し、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[100 10 2]の振動パターンで振動する。このようにすると、操作者の"加圧力"に合わせた異なる振動パターンを発生させることができる(駆動条件a)。
【0168】
その後、ステップG7に移行してCPU32は更に加圧力Fを検出する。加圧力Fは、力検出手段55a〜55dによってボタンアイコン29aの押し込みに続いてボタンアイコン29aから離れる状態が検出される。このとき、力検出手段55a〜55dは、入力検出面における操作者の指30aの押下位置から離れるときの加圧力Fを検出し、入力検出信号S2をA/Dドライバ31に出力する。A/Dドライバ31は入力検出信号S2をA/D変換し、そのA/D変換後の入力検出情報D2をCPU32に転送する。
【0169】
そして、ステップG8に移行してCPU32は、加圧力Fと押下判定閾値Fthとを比較し、これらの関係がF<Fthか否かを判別する。これらの関係がF<Fthとなる場合は、触覚"B"を起動する。触覚"B"は、圧電アクチュエータ25a及び25bによって、操作者の指30aの加圧力Fに対応した振動パターンPbに基づいて入力検出面を振動することで得られる。そのボタンアイコン29aが放された触覚"B"は、例えば、図17Bに示した第1段階iで約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[80 8 2]の振動パターンで振動し、第2段階iiでは、約0.1秒間、[fx Ax Nx]=[40 8 2]の振動パターンで振動する。このようにすると、操作者の"加圧力"に合わせた異なる振動パターンを発生させることができる(駆動条件b)。
【0170】
その後、ステップG10に移行して入力を確定する。このとき、CPU32は、入力操作面で当該押下位置に表示された入力情報を確定する。そして、ステップG12に移行する。なお、ステップG3で他の処理モードが選択された場合は、ステップG11に移行して他の処理モードを実行する。他の処理モードには、電話モードやメール作成、送信表示モード等が含まれる。電話モードには、相手方に電話を発信する操作が含まれる。ボタンアイコン29a等は、電話モード選択時の文字入力項目が含まれる。他の処理モードを実行した後は、ステップG12に移行する。
【0171】
ステップG12でCPU32は終了判断をする。例えば、電源オフ情報を検出して情報処理を終了する。電源オフ情報が検出されない場合は、ステップG2に戻って、メニュー等のアイコン画面を表示し、上述した処理を繰り返すようになされる。
【0172】
このように、第4の実施例としての入力装置90を備えた触覚入力機能付きの携帯電話機400によれば、本発明に係るタッチパネル支持振動体300が設けられ、入力操作に基づいて、剛性豊か(リジッド)な表示手段29とタッチパネル24とが固定された上部筐体20から操作者の指30aに触覚を提示できるようになる。
【0173】
従って、圧電アクチュエータ25a、25bを振動させたとき、その上部筐体20が使用される姿勢によらず、振動伝達性に関して高い信頼性を確保できるようになる。特に、携帯電話機400の他のモバイル機器や車載機器など、振動や衝撃等が外力として加わる可能性が高い電子機器に対しても上部筐体29内等で発生させた圧電アクチュエータ25a,25Bによる振動を応用した機能を発揮できるようになる。
【産業上の利用可能性】
【0174】
この発明は、入力表示画面の中からアイコンを選択して情報を入力すると、操作体に触覚を返す情報処理装置や、携帯電話機、情報携帯端末装置等に適用して極めて好適である。
【符号の説明】
【0175】
3,3a,3b…中央電極(基板,シム)、8a…振動作用部、10…下部筐体、11…回転レンジ機構、15…制御手段、20…上部筐体、21…受信部、22…送信部、24…タッチパネル(第2の基板)、25a,25b…圧電アクチュエータ(圧電素子)、29…表示手段(第1の基板)、32…CPU(制御手段)、35…記憶手段、61a,61b、71a,71b…リジッド部(隙間部材)、62a,62b、72a,72b,82a,82b…部品取付スペース、69…本体基板、82a〜82d…柱状部、90…触覚機能付きの入力装置、100,200,300…タッチパネル支持振動体(基板支持振動構造)、400…携帯電話機(電子機器)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を支持して振動する構造であって、
第1の基板と第2の基板との間に固定された複数の柱状部材と、
前記第1の基板と第2の基板との間の所定の位置に設けられ、振動支持部及び振動作用部を有する圧電素子とを備え、
前記振動支持部が前記第1および第2の基板のうちの一方の基板、前記振動作用部がもう一方の基板にそれぞれ接合され、
前記振動支持部および前記振動作用部が前記第1及び第2の基板を積層する厚み方向に沿って設けられている
基板支持振動構造。
【請求項2】
前記第1または第2の基板の前記振動支持部に対向する領域に段差を有する
請求項1に記載の基板支持振動構造。
【請求項3】
前記圧電素子は、プリント基板上に設けられている
請求項1または2に記載の基板支持振動構造。
【請求項4】
情報入力操作時に操作体に触覚を提示する触覚機能付きの入力装置であって、
入力検出手段と、
前記入力検出手段の下層に設けられた表示手段と、
前記入力検出手段の入力操作に基づいて前記操作体に触覚を提示する基板支持振動構造とを備え、
前記基板支持振動構造は、
入力検出手段を支持して振動する構造であって、
前記入力検出手段と表示手段との間に固定された複数の柱状部材と、
前記入力検出手段と前記表示手段との間の所定の位置に設けられ、振動支持部及び振動作用部を有する圧電素子とを備え、
前記振動支持部が前記入力検出手段および前記表示手段のうちの一方に、振動作用部がもう一方にそれぞれ接合され、
前記振動支持部および前記振動作用部が前記入力検出手段および前記表示手段を積層する厚み方向に沿って設けられている
触覚機能付きの入力装置。
【請求項5】
情報入力操作時に操作体に触覚を提示する触覚入力機能付きの電子機器であって、
入力検出手段と、
前記入力検出手段の下層に設けられた表示手段と、
前記入力検出手段の入力操作に基づいて前記操作体に触覚を提示する基板支持振動構造とを有する触覚機能付きの入力装置を備え、
前記基板支持振動構造は、
入力検出手段を支持して振動する構造であって、
前記入力検出手段と表示手段との間に固定された複数の柱状部材と、
前記入力検出手段と前記表示手段との間の所定の位置に設けられ、振動支持部及び振動作用部を有する圧電素子とを備え、
前記振動支持部が前記入力検出手段および前記表示手段のうちの一方に、振動作用部がもう一方にそれぞれ接合され、
前記振動支持部および前記振動作用部が前記入力検出手段および前記表示手段を積層する厚み方向に沿って設けられている
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−108949(P2012−108949A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−33678(P2012−33678)
【出願日】平成24年2月20日(2012.2.20)
【分割の表示】特願2006−309543(P2006−309543)の分割
【原出願日】平成18年11月15日(2006.11.15)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】