説明

基板支持構造およびオーディオ装置

【課題】外部装置の着脱時にかかる負荷による基板の損傷を防ぐことができる基板支持構造およびそれを備えたオーディオ装置を提供することにある。
【解決手段】外部装置100を装着するコネクタ15が厚み方向に突出して実装面に設けられた回路基板20と、回路基板20を固定する上部支持部材21と、回路基板20が厚み方向に揺動可能となるように、上部支持部材21を支持する下部支持部材31とを備える。上部支持部材21は、下部支持部材31により支持された位置Aと異なる位置Bで前回路基板20を固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部装置を装着するコネクタ部が設けられた基板を支持する基板支持構造およびそれを備えたオーディオ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯機器で音楽を聴くユーザが増えてきている。これに伴い、携帯機器を接続するためのコネクタを有し、携帯機器に保存された音楽データを出力することができるオーディオ機器も増えてきている。このようなオーディオ機器において、例えば、特許文献1に記載のように、コネクタが傾斜されて設けられているため、携帯機器を水平方向に対して傾斜させて、着脱させる必要がある場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−110645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コネクタは回路基板に半田などで装着されているため、コネクタに携帯機器を差し込む際に加わる力により、コネクタと回路基板との間の半田が剥離し、接触不良が生じるおそれがある。この問題は、特許文献1に記載のように、携帯機器を傾斜させて着脱する場合に顕著となる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、外部装置の着脱時にかかる負荷による基板の損傷を防ぐことができる基板支持構造およびそれを備えたオーディオ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る基板支持構造は、外部装置を装着するコネクタ部が厚み方向に突出して実装面に設けられた基板と、該基板を固定する固定板と、前記基板が前記厚み方向に揺動可能となるように、前記固定板を支持する固定板支持部と、を備え、前記固定板は、前記固定板支持部により支持された位置と異なる位置で前記基板を固定する、ことを特徴とする。
【0007】
この構成では、固定板が厚み方向に揺動し、その固定板と共に揺動するよう基板が支持されている。このため、コネクタ部に対して外部装置を着脱する際に基板の厚み方向に外力が加えられても、固定板の揺動により、基板とコネクタ部との間にかかる負荷が軽減される。これにより、外部装置の着脱時に基板とコネクタ部とが剥離するなどの損傷を抑制できる。
【0008】
また、この構成では、固定板は固定板支持部により支持されている位置を支点として揺動し、基板は、その揺動時の支点とは異なる位置で固定板に支持されている。このため、固定板の揺動時に基板に負荷がかかることを回避でき、基板の損傷を防止できる。
【0009】
前記固定板または前記固定板支持部の一方に支持された円柱形状の弾性部材を備え、前記固定板または前記固定板支持部の他方は、前記弾性部材を径方向に沿って挟み込む切り欠き部を有していることを特徴とする。
【0010】
この構成では、固定板を弾性部材により支持することで、揺動時の固定板にかかる負荷を軽減し、固定板の損傷を抑制できる。
【0011】
前記弾性部材は、同じ径の円柱形状の第1柱部および第2柱部と、前記第1柱部および前記第2柱部より径が小さい円柱形状の第3柱部とを有し、前記第3柱部が前記第1柱部および前記第2柱部の間に挟まれ、かつ、中心軸を一致させて形成され、前記固定板または前記固定板支持部の一方は、前記弾性部材を支持する弾性部材支持部を有し、前記固定板または前記固定板支持部の他方は、前記弾性部材の前記第3柱部より径が大きく、かつ、前記第1柱部および前記第2柱部より径が小さい円形状の切り欠き部を有し、該切り欠き部に前記第3柱部をはめ込むと、前記第1柱部および前記第2柱部により挟み込まれる構成である、ことを特徴とする。
【0012】
この構成では、弾性部材の第1柱部および第2柱部により挟み込んで固定板または固定板支持部の一方を他方に支持している。第1柱部および第2柱部が弾性部材のため、固定板を損傷させることなく揺動可能に固定板を支持できる。
【0013】
前記固定板は二点で前記固定板支持部に支持されていることを特徴とする。
【0014】
この構成では、固定板を二点で支持しているため、支持点の間の距離を変更することで、外部装置の着脱時にかかる基板への外力(負荷)に対する耐力を調整できる。例えば、二点の支持点間の距離を長くすることで耐力を大きくできるが、この場合、固定板のサイズを変更すればよく、基板サイズを変更する必要はない。これにより、基板サイズを変えることなく、大型の外部装置をコネクタ部に対し着脱しても、基板を支持する固定板は大きな外力にも耐え得ることができる。
【0015】
前記コネクタ部は、前記基板からの突出方向が、前記基板の実装面の法線方向に対して傾斜して設けられていることを特徴とする。
【0016】
この構成では、コネクタ部の突出方向からずれて外部装置がコネクタ部に着脱された場合であっても、基板とコネクタ部との間にかかる負荷を、基板を支持する固定板の揺動によって吸収でき、基板またはコネクタ部の破損を防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、コネクタ部に対して外部装置を着脱する際に基板の厚み方向に外力が加えられても、基板を支持する固定板の揺動により、基板とコネクタ部との間にかかる負荷が軽減される。これにより、外部装置の着脱時に基板とコネクタ部とが剥離するなどの損傷を抑制できる。また、固定板を介して基板を揺動可能に支持する構成のため、揺動範囲の変更、または、耐性力の強化などを行う場合、基板サイズを変更せずに、固定板のサイズを変更することで実現できる。このため、基板上の回路設計を変更するなどと言った手間が必要なくなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の基板支持構造を備えたオーディオ装置の外観斜視図。
【図2】オーディオ装置の内部に設置されている基板を示す側面模式図。
【図3】(A)は、基板支持構造の上面図、(B)は、基板支持構造の正面図、(C)は、基板支持構造の下面図、(D)は、基板支持構造の側面図。
【図4】下部支持部材に上部支持部材を支持する構造を説明するための模式図であり、(A)はダンパの斜視図、(B)はダンパを取り付けた状態の下面図、(C)は(B)のIVC−IVC線の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は本発明の基板支持構造を備えたオーディオ装置の外観斜視図である。本実施形態において、オーディオ装置の正面方向をY方向、背面方向を−Y方向、右面方向をX方向、左面方向を−X方向、上面方向をZ方向、下面方向を−Z方向とする。
【0020】
オーディオ装置1は、X方向から見た形状がL字型の筐体10を備えている。筐体10のうち、正面下方部分5には、スピーカ9および音量などを調整するためのダイヤル8が設けられている。図示しないが、筐体10の背面には、電源ケーブルなどを接続するコネクタが設けられている。
【0021】
筐体10の上面前方部分(第1の面)13には、外部装置100を装着するためのコネクタ15が露出している。外部装置100は、音データを記憶するメモリを有する装置であって、例えば、携帯音楽プレーヤ、タブレット型コンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機などが挙げられる。オーディオ装置1は、コネクタ15に外部装置100が装着され、再生開始操作を受け付けると、外部装置100に保存された音データを取得して、スピーカ9から放音する
正面上方部(第2の面)14は、上面前方部分13に略垂直に形成されている。この正面上方部14は、コネクタ15に装着された外部装置100の背もたれとして機能し、外部装置100の安定性を確保できる。また、外部装置100がコネクタ15に装着された状態で背面側への転倒を防止することにより、コネクタ15部分の破損を抑制している。
【0022】
図2(A)および図2(B)はオーディオ装置1の内部に設置されている基板を示す側面模式図である。なお、図2では、基板を支持する各部材を簡略して示している。
【0023】
コネクタ15は、筐体10の内部に配置される回路基板20の一方の面(以下、実装面という。)に実装されている。上面前方部分13には、コネクタ15を露出させるための開口部131が設けられている。
【0024】
コネクタ15は、回路基板20の実装面の法線方向nから背面方向に約15度傾けた状態で回路基板20から突出して設けられている。仮に、回路基板20を水平に設置すると、コネクタ15は、鉛直上方向(Z方向)から背面方向(−Y方向)に約15度傾いた状態で露出することになる。
【0025】
この回路基板20は、例えば樹脂からなる上部支持部材(固定板)21および下部支持部材(固定板支持部)31により支持されている。下部支持部材31はオーディオ装置の筐体10内部に固定されている。上部支持部材21は、略円柱形状のダンパ40により下部支持部材31に揺動可能に支持されている。そして、回路基板20は上部支持部材21により支持されている。換言すれば、回路基板20は、上部支持部材21を介して、下部支持部材31、すなわち、オーディオ装置1の筐体10に揺動可能に間接的に支持されている。
【0026】
図2(A)に示すように、本実施形態のオーディオ装置1では、回路基板20は水平方向から正面方向に約10度傾けて設置されるため、コネクタ15は鉛直方向から背面方向に約5度傾いた状態で突出していることになる。したがって、外部装置100についても、鉛直上方向から背面方向に約5度傾けてコネクタ15に装着されることになる。
【0027】
図2(A)に示すように、コネクタ15の突出方向の延長線上には、オーディオ装置本体の筐体外装の一部(正面上方部14)が存在する。正面上方部14は、コネクタ15に外部装置100を装着したとき、この外部装置100の背面側に配置されて背もたれとして機能する。したがって、外部装置100が背面方向に大きく傾くことがなく、コネクタ15に大きな負荷がかかることがない。
【0028】
一方、ユーザは、鉛直方向に外部装置100を着脱するため、コネクタ15の突出方向が鉛直上方向から背面方向に傾斜したままであると、外部装置100をコネクタ15から着脱する場合に、コネクタ15に負荷が加わり、場合によってはコネクタ15と回路基板20との間の半田が剥離し、接触不良や破損が生じるおそれがある。また、外部装置100がタブレット型コンピュータ等の大型機器になると、コネクタ15に加わる負荷もより大きくなる。さらに、図2(A)に示すように、コネクタ15の突出方向の延長線上にオーディオ装置本体の筐体外装の一部(正面上方部14)が存在すると、外部装置100をコネクタ15の突出方向に着脱しようとしても正面上方部14に接触し、着脱することができない。したがって、外部装置100の着脱時には、当該外部装置100を必ず正面方向に傾斜させる必要がある。
【0029】
そこで、図2(B)に示すように、本実施形態の基板支持構造では、回路基板20を正面方向に5度程度揺動可能に支持することで、外部装置100の着脱時にコネクタ15の突出方向を鉛直方向に近く、あるいは鉛直方向に一致させ、コネクタ15にかかる負荷を低減するものである。
【0030】
回路基板20は、位置Aで上部支持部材21に固定されていて、上部支持部材21と共に揺動する。従って、回路基板20は、上部支持部材21が下部支持部材31に支持されている位置Bを支点として揺動する。本実施形態では、位置Aおよび位置Bは、図2に示すように、水平方向において異なっている。このため、回路基板20および上部支持部材21の揺動時に、位置Aに揺動による負荷がかかり、回路基板20が上部支持部材21から剥離するなどの損傷を防止できる。
【0031】
以下、回路基板20を揺動可能とさせるための基板支持構造について説明する。
【0032】
図3(A)は、基板支持構造の上面図、図3(B)は基板支持構造の正面図、図3(C)は基板支持構造の下面図、図3(D)は基板支持構造の側面図である。なお、図3では、図2で説明した角度を無視し、回路基板20はY軸方向に水平としている。従って、図3では、回路基板20はZ軸方向(一の方向)に揺動する構造である。
【0033】
回路基板20を支持する構造は、例えば樹脂からなる上部支持部材(固定板)21および下部支持部材(固定板支持部)31により構成されている。下部支持部材31はオーディオ装置の筐体10内部に固定されている。上部支持部材21は下部支持部材31に揺動可能に支持されている。そして、回路基板20は上部支持部材21により支持されている。換言すれば、回路基板20は、上部支持部材21を介して、下部支持部材31、すなわち、オーディオ装置1の筐体10に揺動可能に間接的に支持されている。
【0034】
なお、図3(A)はZ方向からみた上面図であるが、上部支持部材21は、図1の上面前方部分13により隠れていて、コネクタ15のみが開口部131から筐体10の外側に露出している。
【0035】
上部支持部材21は、X軸方向(一の方向の直交方向)に長く、X軸方向の両端が、Y軸方向およびZ軸方向に緩やかに曲げられた形状となっている。上部支持部材21のX軸方向における略中央部には切り欠き211が矩形状に設けられている。切り欠き211のX軸方向の長さは、回路基板20の幅(X軸方向の長さ)より僅かに長く、切り欠き211部分に回路基板20が位置するようになっている。
【0036】
上部支持部材21は、切り欠き211部分に位置する回路基板20を支持する基板支持部22を有している。基板支持部22は、X軸方向に沿った長尺状で、切り欠き211の上方(Z方向)に設けられている。そして、基板支持部22の下面(−Z方向側の面)には、−Z方向に突出した円柱状のネジ止め部221,222が設けられている。このネジ止め部221,222を回路基板20の実装面に密着させ、回路基板20の裏面(実装面の反対面)から実装面側に貫通させたネジをネジ止め部221,222にねじ込むことで、回路基板20は上部支持部材21に固定される。これにより、回路基板20は、実装面がZ方向側となり、コネクタ15はZ方向に突出した状態となる。
【0037】
なお、回路基板20の上部支持部材21への固定態様はこれに限定されない。例えば、基板支持部22を切り欠き211の下方(−Z方向)に設けて、ネジ止め部221,222が回路基板20の裏面に密着する構成であってもよい。また、ネジ止めでなく、上部支持部材21に設けた止め部材などにはめ込んで固定してもよい。
【0038】
上部支持部材21の下面(−Z方向側の面)には、切り欠き211を挟むようにX軸方向に沿って、一対のダンパ固定軸(弾性部材支持部)231,232が−Z方向に突出して設けられている。ダンパ固定軸231,232にはネジ穴(不図示)が中心軸に沿って形成されている。このダンパ固定軸231,232は、後述するダンパの内筒に挿入される。上部支持部材21はダンパ固定軸231,232に取り付けられたダンパを介して下部支持部材31に支持されている。従って、上部支持部材21は、ダンパ固定軸231,232を支点として揺動する。
【0039】
下部支持部材31は、略長方形の略中央部に矩形状の切り欠き311が形成されたゲート状となっている。下部支持部材31は、オーディオ装置本体(筐体10)に固定されている。なお、下部支持部材31に設けられた切り欠き311は、部材の使用量を減らすためであり、必須の要素ではない。下部支持部材31は、切り欠き311を挟む端部に略円形状で一部が開口した切り欠き321,322が形成されている。切り欠き(切り欠き部)321,322の中心点間の長さは、ダンパ固定軸231,232の中心点間の長さと一致している。この切り欠き321,322には、開口部分からダンパ固定軸212,213に取り付けられたダンパをはめ込むことができるようになっている。
【0040】
図4は、下部支持部材31に上部支持部材21を支持する構造を説明するための模式図であり、図4(A)はダンパの斜視図、図4(B)はダンパを取り付けた状態の下面図、図4(C)は、図4(B)のIVC−IVC線の断面図である。
【0041】
図4(A)に示すように、ダンパ(弾性部材)40は、径R1を有する円柱状の上部(第1柱部)41および下部(第2柱部)42と、上部41および下部42の間に挟まれ、径R2(<R1)を有する中部(第3柱部)43とが中心軸を一致させて一体形成されたゴム部材である。上部41および下部42の間は、少なくとも切り欠き321,322が形成された部分の厚みより長い。また、ダンパ40は、中心軸上に孔41Aが形成されている。この孔41Aは、上部支持部材21のダンパ固定軸231,232(図3参照)の径より大きく、ダンパ固定軸231,232が挿入される。
【0042】
下部支持部材31の切り欠き321,322はR3(≦R2)の径を有していて、図4(B)に示すように一部が開口している。この開口部分からダンパ40の中部43をはめ込むことができるようになっている。なお、開口部分の長さがダンパ40の中部43の直径より短くても、ダンパ40はゴム部材であるため、ダンパ40の中部43を切り欠き321,322にはめ込むことは可能である。ダンパ40の中部43を切り欠き321,322にはめ込むと、下部支持部材31は上部41および下部42で挟み込まれた状態となる。この状態で、孔41A内のダンパ固定軸のネジ穴に、孔41Aの径より大きい頭部のネジ50を−Z方向から差し込むことで、図4(C)に示すように、下部支持部材31は上部41および下部42により下部支持部材31を強固に固定している。
【0043】
なお、ダンパ固定軸231,232を下部支持部材31に形成して、切り欠き321,322を上部支持部材21に形成する、図3とは逆の構成であってもよい。
【0044】
以上のように構成された上部支持部材21および下部支持部材31は、図2で説明したように、回路基板20を水平方向から正面方向に約10度傾けた状態で指示している。そして、コネクタ15への外部装置100の装着時に回路基板20に負荷がかかっても、回路基板20を支持している上部支持部材21が厚み方向に揺動するため、回路基板20にかかる負荷は揺動により低減される。これにより、コネクタ15と回路基板20との間の半田が剥離し、接触不良や破損が生じるおそれを回避できる。
【0045】
また、回路基板20を支持している上部支持部材21は、ダンパ固定軸231,232が位置する二点で下部支持部材31に支持されていて、この二点を支点として揺動する。この揺動の支点となる二点の距離を長くすることで、二点の距離が短い場合と比べて、上部支持部材21の厚み方向にかけられた負荷に対する耐力を高めることができる。従って、回路基板20のサイズを変更する必要が無く、ダンパ固定軸231,232の間の長さを長くするだけで、外部装置100の装着時にかかる負荷に対する耐圧を高めることができる。この場合、上部支持部材21および下部支持部材31のサイズを変更するだけでよいため、回路基板20のサイズを変更する場合と比べて、オーディオ装置1の設計変更が容易となる。
【0046】
さらに、上部支持部材21が回路基板20を支持する位置は、揺動の支点となる位置、すなわち、ダンパ固定軸231,232の位置よりも−Y方向側となっている。従って、上部支持部材21が回路基板20を支持する位置が揺動の支点となる位置と同じ位置にある場合と比べて、揺動時に回路基板20を支持する位置にかかる負荷は小さく、上部支持部材21と回路基板20とが剥離するなどのおそれを抑制できる。
【0047】
以上、本発明に係る基板支持構造について説明したが、具体的構成などは適宜設計変更可能であり、上述の実施形態に記載された作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、上述の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0048】
例えば、回路基板20は、上部支持部材21の揺動部分に固定されていればよく、上述の実施形態で説明した位置で上部支持部材21に固定されている必要はない。例えば、上部支持部材21の−Y方向の端部近傍に設けられていてもよい。また、下部支持部材31は、独立した部材でなくてもよく、オーディオ装置1の筐体10の一部を下部支持部材31に用いる構成であってもよい。また、上部支持部材21は、上面前方部分13により隠れているものしているが、上面前方部分13から露出し、上面前方部分13の一部を形成する部材であってもよい。
【符号の説明】
【0049】
1−オーディオ装置
10−筐体
15−コネクタ(コネクタ部)
20−回路基板
21−上部支持部材(固定部)
31−下部支持部材(支持部)
40−ダンパ(弾性部材)
41−上部(第1柱部)
42−下部(第2柱部)
43−中部(第3柱部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置を装着するコネクタ部が厚み方向に突出して実装面に設けられた基板と、
該基板を固定する固定板と、
前記基板が前記厚み方向に揺動可能となるように、前記固定板を支持する固定板支持部と、
を備え、
前記固定板は、
前記固定板支持部により支持された位置と異なる位置で前記基板を固定する、
ことを特徴とする基板支持構造。
【請求項2】
前記固定板または前記固定板支持部の一方に支持された円柱形状の弾性部材を備え、
前記固定板または前記固定板支持部の他方は、前記弾性部材を径方向に沿って挟み込む切り欠き部を有している、
請求項1に記載の基板支持構造。
【請求項3】
前記弾性部材は、
同じ径の円柱形状の第1柱部および第2柱部と、前記第1柱部および前記第2柱部より径が小さい円柱形状の第3柱部とを有し、前記第3柱部が前記第1柱部および前記第2柱部の間に挟まれ、かつ、中心軸を一致させて形成され、
前記固定板または前記固定板支持部の一方は、
前記弾性部材を支持する弾性部材支持部を有し、
前記固定板または前記固定板支持部の他方は、
前記弾性部材の前記第3柱部より径が大きく、かつ、前記第1柱部および前記第2柱部より径が小さい円形状の切り欠き部を有し、該切り欠き部に前記第3柱部をはめ込むと、前記第1柱部および前記第2柱部により挟み込まれる構成である、
ことを特徴とする請求項2に記載の基板支持構造。
【請求項4】
前記固定板は二点で前記固定板支持部に支持されている、
ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の基板支持構造。
【請求項5】
前記コネクタ部は、
前記基板からの突出方向が、前記基板の実装面の法線方向に対して傾斜して設けられている、
を備える請求項1から4の何れかに記載の基板支持構造。
【請求項6】
請求項1から5の何れかに記載の基板支持構造を含む筐体を備えたオーディオ装置であって、
前記筐体は、
開口部を有し、水平方向に沿った第1の面と、
前記第1の面に垂直な第2の面と、
を有し、
前記基板支持構造は、
前記第2の面方向に傾斜するように、前記コネクタ部を前記第1の面の前記開口部から突出させて前記基板を支持している、
ことを特徴とするオーディオ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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