説明

基板検査方法及び装置

【課題】ステージ上で大きく撓むようなマスク基板の欠陥を高精度に検出できるようにする。
【解決手段】マスク基板の対向する二辺を検査テーブル手段の基板支持部となる傾斜面に載置すると共にマスク基板の下面にエア浮上ステージ手段からエア噴流を吹き付けることによってマスク基板が撓まないようにする。さらに、マスク基板の対向する二辺の上面側からエア噴流を吹き付けてマスク基板の下側辺を傾斜面に押し付け、マスク基板の二辺を検査テーブル手段に固定的にエア挟持させる。マスク基板の下面にエア噴流を吹き付けることでマスク基板の撓みを矯正することができ、基板検査装置は撓みの矯正されたほぼ平面状のマスク基板の欠陥を高精度に検出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FPD(Flat Panel Display)用露光用マスク等に用いられるガラスや石英等の透明な基板の欠陥を検出する基板検査方法及び装置に係り、特に検査ステージ上で大きく撓むようなマスク基板を検査するのに好適な基板検査方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
表示用パネルとして用いられる液晶ディスプレイ装置のTFT(ThinFilmTransistor)基板やカラーフィルタ基板、プラズマディスプレイパネル用基板、有機EL(Electro Luminescence)表示パネル用基板等の製造は、露光装置を用いて、フォトマスクのパターンをガラス基板やプラスチック基板等のパネル基板に転写して行われる。フォトマスクは、ガラス基板や石英基板等のマスク基板の表面に、パターンの部分以外の光を遮断するクロム膜等を形成して製造される。マスク基板に傷や異物等の欠陥が存在すると、クロム膜等の形成やパターンの転写が良好に行われず、不良の原因となる。このため、基板検査装置を用いて、マスク基板の欠陥の検査が行われている。
【0003】
従来の基板検査装置によるマスク基板の検査では、できるだけマスク基板に接触しない様にするため、四角形のマスク基板の四辺又は四隅を支持しながら検査を行っていた。しかしながら、従来の様に基板の四辺又は四隅を支持する場合、基板の裏面を一切支持しないと、基板がその自重によってすり鉢状にたわみ、特に基板が大型になる程たわみ量が大きくなる。このため、従来の基板検査装置で光学系の焦点位置を基板に合わせるためには、複雑な計算を行って基板のたわみを解析するか、あるいはオートフォーカス機構等を用いて基板の表面の高さを実際に測定し、基板の複雑なたわみに応じて基板又は光学系を上下に移動する必要があった。これに対し、特許文献1には、基板をその向かい合う二辺だけで支持し、支持された基板のたわみに応じて、基板支持手段又は光学系を上下へ移動して、光学系の焦点位置の調整を簡単に行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−107884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の基板検査装置は、クロム膜等によってマスクパターンが形成された膜付きのマスク基板について、異物やクロム膜のピンホール等の欠陥が無いか検査するものであった。マスク基板のクロム膜の部分へ照射された検査光は、クロム膜で反射され、クロム膜にピンホールが存在すると、ピンホールのところだけ検査光が透過する。従って、マスク基板のクロム膜で覆われた周辺部では、クロム膜にピンホールが存在しない限り、検査光がマスク基板の内部へ透過することはなかった。
【0006】
図1は、従来の検査テーブルに搭載された基板の状態を示す斜視図である。検査対象となるマスク基板1は検査テーブルの基板支持部5a,5b上に載置されている。検査テーブルは、図面奥行き方向に2つ、それぞれ平行となるように配置された図面横方向に伸びる基板支持部5a,5bから構成される。基板支持部5a,5bは、その長手方向の長さに渡って、マスク基板1に接触する傾斜面5c,5dを有する。略四角形状のマスク基板1がこの検査テーブルの基板支持部5a,5b上に搭載されると、基板支持部5a,5bの傾斜面5c,5dがマスク基板1の向かい合う二辺の底面側の下側辺にだけそれぞれ接触して保持されるようになっている。従って、検査テーブルは略四角形状のマスク基板1をその向かい合う二辺だけで支持することとなる。
【0007】
図2は、従来の基板検査装置の光学系ユニットの概略を示す図である。従来の光学系ユニットは、検査光照射部31、散乱光受光部42、散乱ミラー部43、透過光受光部44及びトラップ部45を含んで構成されている。検査光照射部31は、一例として、レーザ光源及びポリゴンミラーを含んで構成されている。検査光照射部31は、レーザ光源からのレーザ光を回転するポリゴンミラーで反射することにより、Y方向(図面奥行き方向)に所定の幅を有する検査光31aを、検査テーブルに搭載されたマスク基板1へ照射する。検査光照射部31からマスク基板1に照射される検査光31aのY方向(図面奥行き方向)の幅は約200[mm]である。
【0008】
図3は、図2の検査光照射部の詳細構成を示す図である。図3に示すように、検査光照射部31は、レーザ光発生部310、レンズ311、ポリゴンミラー312及びfθレンズ313を含んで構成されている。レーザ光発生部310は、レーザ光線であり、主にS偏光成分の検査光を発生する。レーザ光発生部310から出射されるレーザ光線は、主にS偏光成分から構成されるが、若干のP偏光成分を含むこともあり、その割合は、S偏光成分の方がP偏光成分よりも十分に大きいものとする。なお、レーザ光発生部310がS偏光成分のみを出射するようにしてもよい。レンズ311は、レーザ光発生部310から発生されたレーザ光線を集光し、マスク基板1の表面に焦点が合う様に収束する。レンズ311で集光されたレーザ光線は、ポリゴンミラー312で反射され、fθレンズ313へ入射する。fθレンズ313は、ポリゴンミラー312の回転によって振られるレーザ光線の焦点面をマスク基板1の平面位置に合わせる。fθレンズ313を透過したレーザ光線は、検査光31aとしてマスク基板1の表面へ斜めに照射される。このとき、ポリゴンミラー312が図2の矢印方向へ回転することによって、検査光31aは図3の図面奥行き方向へ交互移動して、検査光31aによるマスク基板1の表面走査が行われる。
【0009】
マスク基板1のマスクパターン部となるクロム膜1aへ照射された検査光31aは、そのクロム膜1aでほとんどが反射光31bとして反射されるが、仮にクロム膜1aにピンホール(図示せず)が存在すると、このピンホールを通過した検査光31aは、透過光31dとしてマスク基板1の裏面側に透過する。また、マスク基板1のクロム膜1aの表面に異物40aが存在すると、検査光31aの一部はその異物40aによって散乱され、散乱光31cとなる。散乱光受光部42は、Y方向(図面奥行き方向)に所定の検出幅を有するセンサを含んで構成され、マスク基板1(異物40aなど)からの散乱光31cを受光する。散乱ミラー部43は、マスク基板1を透過した透過光31dを透過光受光部44に反射する。透過光受光部44は、Y方向(図面奥行き方向)に所定の検出幅を有するセンサを含んで構成され、マスク基板1を透過し、散乱ミラー部43で反射した反射光31eを受光する。トラップ部45は透過光31dが検査装置外に漏洩するのを遮蔽するものである。
【0010】
上述のように従来はクロム膜1aのピンホールを検査する場合は、散乱ミラー部43及び透過光受光部44を用いていた。しかし、マスク基板1の大型化に伴い基板の厚さも大きくなってきた。このようなマスク基板を検査テーブルにて二辺だけで支持すると、マスク基板1の自重によって撓み量が大きくなる。マスク基板1の撓みを考慮した場合、図2に示すようにマスク基板1はあたかも点線で示すような厚さの基板となる。そのため、点線で示すような大きさの基板を想定し、この点線で示すマスク基板に接触しないようにピンホール検査用の散乱ミラー部43及び透過光受光部44を検査テーブルの下方に十分に移動させなければならず、これによってピンホール検査時の光路長も長くなり、マスク基板1が厚いことによって透過光の屈折も大きくなり、透過光31dを散乱ミラー部43にて効率的に反射することが困難となり、ピンホールの検査を高精度に行うことが困難となってきた。さらに、図3に示すように検査光照射部31にポリゴンミラー312でラスタスキャンを行っていた関係で、マスク基板1の撓みとラスタスキャン時における両端付近と中央付近との位置誤差とが互いに複合して欠陥検査時の検出位置の誤差が拡大するという問題を有していた。
【0011】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、ステージ上で大きく撓むようなマスク基板の欠陥を高精度に検出することのできる基板検査方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る基板検査方法の第1の特徴は、マスク基板の対向する二辺の下側辺に接触するように形成された傾斜面を備えた検査テーブル手段で前記マスク基板を支持し、前記マスク基板の対向する二辺の上面側からエア噴流を吹き付けることによって前記マスク基板の下側辺を前記傾斜面に押し付けると共に前記マスク基板の下面にエア浮上ステージ手段のエア吹き出し口からエア噴流を吹き付けることによって前記マスク基板をエア浮上させ、エア浮上中の前記マスク基板の表面の所定の箇所に検査光を照射する投光手段を相対的に移動させることによって前記マスク基板の表面を走査し、前記検査光の照射に対応して前記マスク基板から散乱する散乱光を受光手段によって受光し、前記受光手段によって受光した前記マスク基板からの散乱光に基づいて前記マスク基板全面の欠陥を検査することにある。
マスク基板の欠陥を検索する場合、マスク基板に撓みが存在すると正確な検査を行なうことが困難となる。そこで、この発明では、マスク基板の対向する二辺を検査テーブル手段の基板支持部となる傾斜面に載置すると共にマスク基板の下面にエア浮上ステージ手段からエア噴流を吹き付けることによってマスク基板が撓まないようにした。マスク基板の下面にエア噴流を吹き付けると検査テーブル手段上におけるマスク基板の載置状態が不安定となるので、マスク基板の対向する二辺の上面側からエア噴流を吹き付けてマスク基板の下側辺を傾斜面に押し付け、マスク基板の二辺を検査テーブル手段に固定的に保持させるようにした。これによって、マスク基板の撓みを矯正することができ、基板検査装置は撓みの矯正されたほぼ平面状のマスク基板の欠陥を高精度に検出することができるようになる。
【0013】
本発明に係る基板検査方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の基板検査方法において、前記マスク基板の対向する二辺と平行な方向に前記マスク基板を移動し、前記検査光を前記マスク基板の表面に斜めに照射しながら前記検査光を前記マスク基板の対向する二辺と垂直な方向へ移動させることによって、前記マスク基板の表面全体を走査することにある。
これは、マスク基板の二辺を固定的に保持した検査テーブル手段を、その二辺と平行な方向に移動させることによって、エア浮上ステージ手段の検査テーブル手段間に配置可能にすると共に検査光をその二辺と垂直な方向に移動させることによってマスク基板の全面を走査可能とし、高精度の検査を行えるようにしたものである。
【0014】
本発明に係る基板検査方法の第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載の基板検査方法において、前記エア浮上ステージ手段が、前記マスク基板の対向する二辺と垂直な方向に分割され、前記光学系手段から前記検査光及び散乱光を通過させるためのギャップを備えた長尺状の複数のエア噴出板手段から構成されることにある。
これは、エア浮上ステージ手段を分割された複数のエア噴出板で構成することによって、エア噴出孔から噴出されたエアを各エア噴出板の間から効率的に排出できるようにしたものである。なお、エア噴出板に多数の細孔からなるエア噴出孔と共に噴出エアを吸着するエア吸着孔が設けてあってもよい。また、エア噴出孔を千鳥状に設け、噴出エアを吸着するエア吸着孔をこの噴出孔とそれぞれ交互となるように千鳥状に配置してもよい。
【0015】
本発明に係る基板検査方法の第4の特徴は、前記第1、第2又は第3の特徴に記載の基板検査方法において、前記受光手段が、前記マスク基板の表面側に配置され、前記検査光が前記マスク基板の欠陥によって散乱された散乱光を受光する第1の散乱光受光手段と、前記マスク基板の裏面側に配置され、前記検査光が前記マスク基板表面に形成されたマスクパターンのピンホールエッジによって散乱された散乱光を受光する第2の散乱光受光手段とから構成され、前記第1及び第2の散乱光受光手段が受光した前記散乱光に基づいて前記マスク基板全面の欠陥を検査することにある。
マスク基板の表面にクロム膜などによるマスクパターンが存在する場合、マスク基板の表面へ照射された光線はそのマスクパターンの形状やマスクパターン上の欠陥によって散乱され、基板の表面側の周囲に散乱光が発生するようになり、基板の裏面側に透過する光線は存在しない。一方、クロム膜などによるマスクパターンにピンホールが存在する場合、そのピンホールのエッジ付近にて散乱した光の一部は基板の表面側に周囲に散乱光として発生すると共に基板の内部へピンホールを介して透過し、基板裏面側の周囲に散乱光として発生することになる。マスク基板の表面及び裏面で発生する散乱光は、基板の表面側に配置された第1の散乱光受光手段及び基板の裏面側に配置された第2の散乱光受光手段でそれぞれ受光されるようになるので、それぞれ受光された散乱光信号に基づいてマスク基板のクロム膜などのピンホール欠陥を高精度に検出することができる。
【0016】
本発明に係る基板検査装置の第1の特徴は、マスク基板の対向する二辺の下側辺に接触するように形成された傾斜面で前記マスク基板を支持し、前記マスク基板の対向する二辺の上面側からエア噴流を吹き付けることによって前記マスク基板の下側辺を前記傾斜面に押し付けながら前記マスク基板を保持する検査テーブル手段と、前記マスク基板の下面にエア吹き出し口からエア噴流を吹き付けることによって前記マスク基板をエア浮上させるエア浮上ステージ手段と、投光系及び受光系からなる光学系手段を移動させて前記マスク基板の表面の所定の箇所に検査光を照射すると共に前記マスク基板からの散乱光を受光し、受光した前記マスク基板からの散乱光に基づいて前記マスク基板全面の欠陥を検査する検査手段とを備えたことにある。これは、前記基板検査方法の第1の特徴を実現するための基板検査装置の発明である。
【0017】
本発明に係る基板検査装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の基板検査装置において、前記検査テーブル手段が前記マスク基板の対向する二辺と平行な方向に前記マスク基板を移動し、前記検査手段は、前記検査光を前記マスク基板の表面に斜めに照射しながら前記検査光を前記マスク基板の対向する二辺と垂直な方向へ移動させることによって、前記マスク基板の表面全体を走査することにある。これは、前記基板検査方法の第2の特徴を実現するための基板検査装置の発明である。
【0018】
本発明に係る基板検査装置の第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載の基板検査装置において、前記エア浮上ステージ手段が前記マスク基板の対向する二辺と垂直な方向に分割され、前記光学系手段から前記検査光及び散乱光を通過させるためのギャップを備えた長尺状の複数のエア噴出板手段から構成されることにある。これは、前記基板検査方法の第3の特徴を実現するための基板検査装置の発明である。
【0019】
本発明に係る基板検査装置の第4の特徴は、前記第1、第2又は第3の特徴に記載の基板検査装置において、前記受光手段が前記マスク基板の表面側に配置され、前記検査光が前記マスク基板の欠陥によって散乱された散乱光を受光する第1の散乱光受光手段と、前記マスク基板の裏面側に配置され、前記検査光が前記マスク基板表面に形成されたマスクパターンのピンホールエッジによって散乱された散乱光を受光する第2の散乱光受光手段とから構成され、前記検査手段が前記第1及び第2の散乱光受光手段が受光した前記散乱光に基づいて前記マスク基板全面の欠陥を検査することにある。これは、前記基板検査方法の第4の特徴を実現するための基板検査装置の発明である。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ステージ上で大きく撓むようなマスク基板の欠陥を高精度に検出することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】従来の検査テーブルに搭載された基板の状態を示す斜視図である。
【図2】従来の基板検査装置の光学系ユニットの概略を示す図である。
【図3】図2の検査光照射部の詳細構成を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態による基板検査装置を上から見た上面図である。
【図5】図4の基板検査装置を横から見た側面図である。
【図6】光学系ユニットをY方向に移動させる光学系移動機構の概略構成を示す一部断面側面図である。
【図7】図4及び図5の上面側光学系ユニットの概略構成を示す斜視図である。
【図8】本発明の基板検査装置の欠陥検出原理を示す図である。
【図9】図4の片辺グリッパ部に保持されたマスク基板とエア浮上ステージとの関係を示す斜視図である。
【図10】片辺グリッパ部の一部分(図9の点線円で囲んだ箇所)を拡大して示した図である。
【図11】マスク基板の表面にクロム膜のマスクパターンが形成されており、そこに欠陥及びピンホールが存在する場合の基板検査装置の動作例を示す図である。
【図12】マスク基板の表面のクロム膜のマスクパターンに欠陥のみが存在する場合の検査装置の動作例を示す図である。
【図13】クロム膜のマスクパターンに存在するピンホールの検出動作の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図4は、本発明の一実施の形態による基板検査装置を上から見た上面図である。図5は、図4の基板検査装置を横から見た側面図である。基板検査装置は、エア浮上ステージ10、片辺グリッパ部11,12、グリッパ支持駆動部11a,12a、フレーム14a,14b、上面側光学系ユニット20a、センサ51及び制御部(図示しておらず)を含んで構成される。なお、以下に説明する実施の形態におけるXY方向は例示であって、X方向とY方向とを入れ替えてもよい。また、エア浮上ステージ10の下側には下面側光学系ユニット20b及びその駆動機構が存在するが図4及び図5ではその図示を省略してある。
【0023】
図4及び図5において、検査対象であるマスク基板1は、図4及び図5の右側に位置する図示していない搬入ロボットなどによって基板検査装置のエア浮上ステージ10上へ順番に搬入され、片辺グリッパ部11,12にその両辺が保持された状態で移動され、検査エリアを通過することによってその欠陥が検査されるようになっている。欠陥検査終了後は、図示していない搬出ロボットによって基板検査装置から搬出される。
【0024】
エア浮上ステージ10は、Y方向に4分割、X方向に2分割された8個のエア噴出板101〜108から構成される。エア噴出板101〜108は、長尺状の分割型のステージを構成している。これらの長尺状のエア噴出板101〜108の表面には、全面に渡って多数の細孔からなるエア噴出孔が設けられている。なお、エア噴出孔からの噴出エアを吸着するエア吸着孔が設けられていても良い。エア噴出板101〜104は検査エリアの右側に位置し、エア噴出板105〜108は検査エリアの左側に位置し、検査エリアのY方向の幅寸法とほぼ同じ幅となるように構成され、Y方向において、それぞれ所定の間隔だけ離れた位置に配置されている。エア浮上ステージ10が複数のエア噴出板101〜108に分割されているのは、エア噴出孔から噴出されたエアが各エア噴出板101〜108の間から効率的に排出されるようにするためである。
【0025】
図4おいて、エア噴出板101とエア噴出板105に隣接した位置の側面、及びエア噴出板104とエア噴出板108に隣接した位置の側面には、それぞれ片辺グリッパ部11,12をX方向に移動可能に備えたグリッパ支持駆動部11a,12aが設けられている。エア浮上ステージ10は、図示していない搬入ロボットからマスク基板1を受け取り、片辺グリッパ部11,12によってマスク基板1の両端辺を保持して検査エリアを通過させるようにX方向に移動する。片辺グリッパ部11,12は、マスク基板1の移動方向に沿った辺の両端側(図4,5におけるマスク基板1の上下辺)をエア圧にて挟持するようになっている。グリッパ支持駆動部11a,12aは、片辺グリッパ部11,12にエア圧挟持されたマスク基板1を検査エリアに通過移動させる。この移動に同期させて検査エリアでは、片辺グリッパ部11,12に保持されエア浮上搬送されるマスク基板1に対して上面側光学系ユニット20aが検査光を照射して所定の検査処理を行う。
【0026】
図4及び図5に示すように、エア浮上ステージ10の片辺グリッパ部11,12によってX方向に移動されるマスク基板1の上方(図4の図面奥行き方向の手前側、図5の上側)には、マスク基板1の基板移動方向(X方向)と略直交する方向(Y方向)の幅以上に渡って伸びるフレーム14a,14bが設置されている。このフレーム14a,14bには、上面側光学系ユニット20aをY方向に移動させる光学系移動機構が搭載されている。
【0027】
エア浮上ステージ10を構成する複数のエア噴出板101〜108は、それぞれ上面側光学系ユニット20aの検査光照射部からの検査光が照射される領域に、それぞれ間隙を有するように配置されている。この実施の形態では、図4に示すように、エア浮上ステージ10を構成するエア噴出板101とエア噴出板105、エア噴出板102とエア噴出板106、エア噴出板103とエア噴出板107、エア噴出板104とエア噴出板108のそれぞれ対向する端部同士の間に検査光通過用の間隙(ギャップ)を備えている。
【0028】
図6は、光学系ユニットをY方向に移動させる光学系移動機構の概略構成を示す一部断面側面図である。光学系移動機構は、ガイド15,17、移動台16、並びに磁石板18及びコイル19から成るリニアモータを含んで構成される。断面形状が略L字型のフレーム14a,14bには、図6の図面奥行き方向(Y方向)へ伸びるガイド15が上面側光学系ユニット20aを挟むように設けられている。それぞれのガイド15の上側には、移動台16の収納部16cが搭載される。
【0029】
移動台16は、上面側光学系ユニット20aを収納する凹形の収納部16cと、この収納部16cの上端部から水平方向に伸びるアーム部16dとから構成される。収納部16cには、焦点調節機構40を介して、上面側光学系ユニット20aが収納搭載される。フレーム14aの上面部両側には、図6の図面奥行き方向(Y方向)へ伸びるガイド17が設けられている。それぞれのガイド17の上側には、移動台16のアーム部16dが搭載される。焦点調節機構40は、パルスモータ、カム及びカムフォロアを含んで構成され、上面側光学系ユニット20aを上下に駆動し、上面側光学系ユニット20aの焦点位置を制御する。焦点調節機構40はボールネジ駆動で構成してもよい。
【0030】
フレーム14aの上面部中央には、リニアモータの固定子である磁石板18が取り付けられている。移動台16のアーム部16dの下側には、リニアモータの可動子であるコイル19が取り付けられている。図示していない光学系移動制御回路からコイル19へ電流を流すと、コイル19の電流と磁石板18の磁界とから、フレミングの左手の法則によって、コイル19に推力(ローレンツ力)が働き、移動台16がガイド15及びガイド17に沿って移動し、上面側光学系ユニット20aが基板移動方向(X方向)と直交する図面奥行き方向(Y方向)へ移動制御される。センサ51は、エア浮上移動されるマスク基板1の基板移動方向側の縁を検出するものである。
【0031】
図7は、図4及び図5の上面側光学系ユニットの概略構成を示す斜視図である。図8は、本発明の基板検査装置の結像光学系構成の欠陥検出原理の例を示す図である。上面側光学系ユニット20aは、図8の検査光照射部41と散乱光受光部42を内蔵して構成されている。検査光照射部41は、図7に示すように、レーザ光源21、レンズ群22及びミラー23を含んで構成される。レーザ光源21は、検査光41aとなるレーザ光を発生する。レンズ群22は、レーザ光源21から発生された検査光41aを集光し、集光した検査光41aを基板移動方向(X方向)と直交する方向(Y方向)へ広げ、広げた検査光41aを基板移動方向(X方向)に集束させる。ミラー23は、レンズ群22によって集光された検査光41aを、マスク基板1の表面に斜めに照射する。マスク基板1の表面に照射された検査光41aは、マスク基板1の表面上において、基板移動方向(X方向)に集束し、基板移動方向(X方向)と直交する方向(Y方向)に所定の幅を持った長尺状の検査光41aとなる。マスク基板1が基板移動方向(X方向)へ移動することにより、検査光照射部41から照射された所定の幅の検査光41aがマスク基板1を走査することとなり、走査領域の欠陥の検査が行われる。
【0032】
散乱光受光部42は、図7に示すように、集光レンズ28、結像レンズ29及びCCDラインセンサ2Aを含んで構成される。集光レンズ28は、マスク基板1からの散乱光41cを集光し、結像レンズ29は、集光レンズ28で集光された散乱光41cをCCDラインセンサ2Aの受光面に結像させる。CCDラインセンサ2Aは、受光面で受光した散乱光の強度に応じた検出信号をディジタル信号に変換して、図示していない信号処理回路へ出力する。
【0033】
下面側光学系ユニット20bは、図6及び図8に示すようにトラップ部45とピンホール用散乱光受光部46を内蔵して構成されている。トラップ部45は、マスク基板1を通過した透過光41dが装置外に漏洩しないようにトラップするものである。ピンホール用散乱光受光部46は散乱光受光部42と同様の構成なので説明は省略する。ピンホール用散乱光受光部46は、マスク基板1の裏面側、すなわち検査光照射部41の存在する位置と反対側であって、クロム膜などのマスクパターンに存在するピンホールのエッジ部からの散乱光41fを直接受光可能な角度に配置されている。ピンホール用散乱光受光部46は受光面で受光した散乱光の強度に応じた検出信号をディジタル信号に変換して、図示していない信号処理回路へ出力する。上面側光学系ユニット20aは、図6に示すような光学系移動機構によってY方向に移動制御されているが、下面側光学系ユニット20bも図示していない同様の光学系移動機構によってY方向に同期移動制御される。本検出光学系は従来のポリゴンスキャナによるラスタスキャン方式でもよい。
【0034】
図9は、図4の片辺グリッパ部に保持されたマスク基板とエア浮上ステージとの関係を示す斜視図である。なお、エア浮上ステージ10は、図4及び図5のように分割されているが図9では一つのエア浮上ステージ10として表示してある。図10は、片辺グリッパ部の一部分(図9の点線円で囲んだ箇所)を拡大して示した図である。この実施の形態では、片辺グリッパ部11,12にエアグリップ方式を採用した。検査対象となるマスク基板1は、検査テーブルとなる片辺グリッパ部11,12の基板支持部上に載置されているが、エア浮上ステージ10の各エア噴出板101〜108からマスク基板1の下面に対して噴出エアが吹き付けられるので、マスク基板1を基板支持部に載置しただけでは移動時にその状態が不安定となる。そこで、この実施の形態では、片辺グリッパ部11,12にエアプレート部111,121を設け、マスク基板1の上面側にエアを吹き付けることによって、マスク基板1を基板支持部5a,5bの傾斜面5c,5dに押し付けてエア挟持するようにした。
【0035】
図10に示すように片辺グリッパ部12は、エアプレート部121、エアプレート支持部122、グリッパ本体部123(基板支持部5a)及びガイドレール部124から構成される。エアプレート部121は、マスク基板1をグリッパ本体部123の上面(図の下向き(−Z)方向)に向かってエアを噴出させるエア吹き出し口を複数個備えている。このエア吹き出し口から噴出される、図10に示すような下向き矢印のような流れのエア噴流によって、マスク基板1をグリッパ本体部123の上面の傾斜面5cに押し付けてエア挟持するようになっている。エアプレート部121とマスク基板1とのギャップは約0.05〜0.2[mm]程度とする。エアプレート支持部122は、このエアプレート部121にエアを供給すると共にエアプレート部121とマスク基板1との間のギャップを所定値に保持する働きをする。すなわち、エアプレート支持部122をエアシリンダ部等で構成し、エアプレート部121でエアを噴出しながらこのエアシリンダ部を所定の圧力で押し付けて保持するようにしてもよい。なお、エア吹き出し口の大きさや個数についてはマスク基板1の大きさなどに応じて適宜変更設定すればよい。このようにエアプレート部121から常時エアが吹き出しているので、エアプレート部121とマスク基板1とが接触することはないが、念の為にエアプレート121の下部には樹脂コーティングを施すことが望ましい。図9に示すようにグリッパ本体部123の下側に設けられた案内溝はガイドレール部124に沿って移動可能となっており、グリッパ本体部123とガイドレール部124との間ではリニアモータによる駆動系を構成してもよい。また、この片辺グリッパ部12の案内溝とガイドレール部124との間は摺動自在とし、片辺グリッパ部12の駆動力に従って自在に移動可能な従動構造としてもよい。
【0036】
なお、片辺グリッパ部11,12を用いてマスク基板1を移動する代わりに、上面側光学系ユニット20a及び下面側光学系ユニット20bをXY方向に移動することによって、マスク基板1の全面を走査するようにしてもよい。また、片辺グリッパ部11,12を図面奥行き方向及び図面横方向へ移動することによって、マスク基板1の全面を走査するようにしてもよい。すなわち、上面側光学系ユニット20a及び下面側光学系ユニット20bの移動方向と、マスク基板1の移動方向とは相対的に移動可能な構成であればどのような構成でもよい。
【0037】
図11は、マスク基板1の表面にクロム膜のマスクパターンが形成されており、そこに欠陥及びピンホールが存在する場合の基板検査装置の動作例を示す図である。図11に示すように、マスク基板1の表面にクロム膜1aのマスクパターンが形成されており、そこに欠陥となる異物40a及びピンホール40bが存在する。この場合、マスク基板1の表面へ照射された検査光41aは、欠陥となる異物40a及びピンホール40bによって散乱されるので、散乱光41c,41f及び透過光41dがそれぞれ発生することとなる。マスク基板1の表面の欠陥となる異物40aによる散乱光41cは散乱光受光部42で受光される。マスク基板1の表面のクロム膜1aのマスクパターンのピンホール40bのエッジにおける散乱光41fは、マスク基板1を透過して、マスク基板1の裏面側に配置されたピンホール用散乱光受光部46で受光される。マスク基板1の表面のクロム膜1aのマスクパターンのピンホールを通過した透過光41dはトラップ部45にトラップされる。
【0038】
散乱光41c,41fは、散乱光受光部42及びピンホール用散乱光受光部46で受光され、図11(B),(C)のように、表面の欠陥となる異物40aによる散乱信号S41c及びピンホール40bのエッジによる散乱信号S41fとして検出される。すなわち、マスク基板1の表面に形成されたマスクパターン部となるクロム膜1aにピンホール40bが存在する場合、マスク基板1上のクロム膜へ照射された検査光41aは、このピンホール40bを通過して透過光41dとしてマスク基板1の下側のトラップ部45にトラップされる。このときに、ピンホール用散乱光受光部46は、Y方向(図面奥行き方向)に所定の検出幅を有するセンサを含んで構成され、クロム膜1aのピンホールのエッジ付近で反射した検査光41aの一部、すなわち散乱光41fを受光する。従って、図11のような散乱信号S41c,S41fを検出することによって、基板検査装置は、マスク基板1の表面に欠陥(異物40a)が存在し、さらに、マスク基板1のクロム膜1aによるマスクパターンにピンホール40bが存在するということを検出することができる。
【0039】
図12は、マスク基板1の表面のクロム膜のマスクパターンに欠陥のみが存在する場合の検査装置の動作例を示す図である。図11では、欠陥となる異物40aと共にクロム膜のマスクパターンにピンホール40bが存在しているが、図12ではクロム膜のマスクパターンにはピンホール40bは存在せず、欠陥となる異物40aのみが存在する場合を示す。このような場合、マスク基板1の表面の欠陥となる異物40aによる散乱光41cは散乱光受光部42で受光されるようになるが、マスク基板1の表面には、クロム膜1aのマスクパターンが形成されているのでマスク基板1の膜下方向の光はこのクロム膜で遮光され、マスク基板1の裏面側に配置されたピンホール用散乱光受光部46には散乱光が到達することはない。レジスト膜などは透過光量が減少するため、検出閾値の設定により検出しないレベルとすることで、前述の機能が達成できる。
【0040】
図12の場合、マスク基板1上のクロム膜へ照射された検査光41aは、そのクロム膜でほとんどが反射光41bとして反射されるが、クロム膜表面の欠陥となる異物40aが存在するので、検査光41aの一部はその異物40aによって散乱され、散乱光41cとし散乱光受光部42に受光される。図12において、散乱光41cは、散乱光受光部42で受光され、図12(B)のように、表面の欠陥となる異物40aによる散乱信号S41cとして検出される。一方、マスク基板1の表面には、マスクパターン部となるクロム膜1aにピンホール40bが存在しないので、図12(C)のように信号強度の変化はない。従って、図12の場合は、基板検査装置は、マスク基板1の表面にのみ欠陥となる異物40aが存在するということを検出することができる。
【0041】
図13は、クロム膜のマスクパターンに存在するピンホールの検出動作の一例を示す図である。図13(A)は、検査光41aを用いてマスク基板1上をラスタスキャン中のある瞬間における検査光41aとピンホール40bとの位置関係を模式的に示し、図13(B)は、図13(A)の瞬間におけるピンホール40bに対応したピンホール用散乱光受光部46の散乱信号S41fを示す。図13(A)に示すように、ピンホール40bのエッジ付近を円形状に示している。検査光41aがこのピンホール40bのエッジ付近(円形の周縁上)に位置する場合は、散乱光41fがピンホール用散乱光受光部46によって検出されるが、それ以外の場所(ピンホール40bの円周上以外)では散乱光41fは検出されない。従って、基板検査装置のラスタスキャン位置に対応した図13(A)のメッシュ上にピンホールエッジの検出された位置をマッピングする。図13(A)では、ピンホールエッジの検出されたラスタスキャン位置を灰色にマッピングして示している。これによってピンホール40bの欠陥サイズをラスタスキャン位置のマッピングされた形状に基づいてピンホール40bの大きさを認識することが可能となる。なお、検査光41aのビーム径よりも小さなピンホールについては信号強度及び欠陥検出座標によってピンホールのサイズを弁別することができる。
【0042】
なお、上述の実施の形態において、散乱光受光部42及びピンホール用散乱光受光部46の受光部の直前又は内部にS偏光板及びバンドパスフィルタを設けることによって、基板の周辺環境から検出光学系に入り込む外乱光すなわちレーザ光源から照射された光線の周波数成分(波長成分)以外の光及びP偏光成分光を有効に除去し、検査光照射部からマスク基板1へ斜めに照射された検査光41aであって、マスク基板1の表面、内部、裏面及びピンホールエッジなどで散乱したS偏光成分の光のみを受光することができ、ノイズなどの影響を無くし、欠陥の検出精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0043】
1…マスク基板、
10…エア浮上ステージ、
101〜108…エア噴出板、
11,12…片辺グリッパ部、
111,121…エアプレート部、
11a,12a…グリッパ支持駆動部、
112,122…エアプレート支持部、
113,123…グリッパ本体部、
114,124…ガイドレール部、
14a,14b…フレーム、
15,17…ガイド、
16…移動台、
16c…収納部、
16d…アーム部、
18…磁石板、
19…コイル、
1a…クロム膜、
20a…上面側光学系ユニット、
20b…下面側光学系ユニット、
21…レーザ光源、
22…レンズ群、
23…ミラー、
28…集光レンズ、
29…結像レンズ、
2A…CCDラインセンサ、
31…検査光照射部、
310…レーザ光発生部、
311…レンズ、
312…ポリゴンミラー、
313…fθレンズ、
31a…検査光、
31b…反射光、
31c…散乱光、
31d…透過光、
31e…反射光、
40…焦点調節機構、
40a…異物、
40b…ピンホール、
41…検査光照射部、
41a…検査光、
41b…反射光、
41c…散乱光、
41d…透過光、
41f…散乱光、
S41c…散乱信号、
S41f…散乱信号、
42…散乱光受光部、
43…散乱ミラー部、
44…透過光受光部、
45…トラップ部、
46…ピンホール用散乱光受光部、
51…センサ、
5a,5b…基板支持部、
5c,5d…傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク基板の対向する二辺の下側辺に接触するように形成された傾斜面を備えた検査テーブル手段で前記マスク基板を支持し、
前記マスク基板の対向する二辺の上面側からエア噴流を吹き付けることによって前記マスク基板の下側辺を前記傾斜面に押し付けると共に前記マスク基板の下面にエア浮上ステージ手段のエア吹き出し口からエア噴流を吹き付けることによって前記マスク基板をエア浮上させ、
エア浮上中の前記マスク基板の表面の所定の箇所に検査光を照射する投光手段を相対的に移動させることによって前記マスク基板の表面を走査し、
前記検査光の照射に対応して前記マスク基板から散乱する散乱光を受光手段によって受光し、
前記受光手段によって受光した前記マスク基板からの散乱光に基づいて前記マスク基板全面の欠陥を検査することを特徴とする基板検査方法。
【請求項2】
請求項1に記載の基板検査方法において、前記マスク基板の対向する二辺と平行な方向に前記マスク基板を移動し、前記検査光を前記マスク基板の表面に斜めに照射しながら前記検査光を前記マスク基板の対向する二辺と垂直な方向へ移動させることによって、前記マスク基板の表面全体を走査することを特徴とする基板検査方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の基板検査方法において、前記エア浮上ステージ手段が前記マスク基板の対向する二辺と垂直な方向に分割され、前記光学系手段から前記検査光及び散乱光を通過させるためのギャップを備えた長尺状の複数のエア噴出板手段から構成されることを特徴とする基板検査方法。
【請求項4】
請求項1、2又は3に記載の基板検査方法において、
前記受光手段が前記マスク基板の表面側に配置され、前記検査光が前記マスク基板の欠陥によって散乱された散乱光を受光する第1の散乱光受光手段と、前記マスク基板の裏面側に配置され、前記検査光が前記マスク基板表面に形成されたマスクパターンのピンホールエッジによって散乱された散乱光を受光する第2の散乱光受光手段とから構成され、
前記第1及び第2の散乱光受光手段が受光した前記散乱光に基づいて前記マスク基板全面の欠陥を検査することを特徴とする基板検査方法。
【請求項5】
マスク基板の対向する二辺の下側辺に接触するように形成された傾斜面で前記マスク基板を支持し、前記マスク基板の対向する二辺の上面側からエア噴流を吹き付けることによって前記マスク基板の下側辺を前記傾斜面に押し付けながら前記マスク基板を保持する検査テーブル手段と、
前記マスク基板の下面にエア吹き出し口からエア噴流を吹き付けることによって前記マスク基板をエア浮上させるエア浮上ステージ手段と、
投光系及び受光系からなる光学系手段を移動させて前記マスク基板の表面の所定の箇所に検査光を照射すると共に前記マスク基板からの散乱光を受光し、受光した前記マスク基板からの散乱光に基づいて前記マスク基板全面の欠陥を検査する検査手段と
を備えたことを特徴とする基板検査装置。
【請求項6】
請求項5に記載の基板検査装置において、前記検査テーブル手段が前記マスク基板の対向する二辺と平行な方向に前記マスク基板を移動し、前記検査手段が前記検査光を前記マスク基板の表面に斜めに照射しながら前記検査光を前記マスク基板の対向する二辺と垂直な方向へ移動させることによって、前記マスク基板の表面全体を走査することを特徴とする基板検査装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の基板検査装置において、
前記エア浮上ステージ手段が前記マスク基板の対向する二辺と垂直な方向に分割され、前記光学系手段から前記検査光及び散乱光を通過させるためのギャップを備えた長尺状の複数のエア噴出板手段から構成されることを特徴とする基板検査装置。
【請求項8】
請求項5、6又は7に記載の基板検査装置において、
前記受光手段が前記マスク基板の表面側に配置され、前記検査光が前記マスク基板の欠陥によって散乱された散乱光を受光する第1の散乱光受光手段と、前記マスク基板の裏面側に配置され、前記検査光が前記マスク基板表面に形成されたマスクパターンのピンホールエッジによって散乱された散乱光を受光する第2の散乱光受光手段とから構成され、
前記検査手段が前記第1及び第2の散乱光受光手段が受光した前記散乱光に基づいて前記マスク基板全面の欠陥を検査することを特徴とする基板検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−44578(P2013−44578A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181026(P2011−181026)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】