説明

基板検査方法

【課題】 基板に実装された部品を検査する基板検査方法に関わり、より詳細には正確な端子領域を検出して部品の実装状態を検査することのできる基板検査方法を提供する。
【解決手段】印刷回路基板上に形成された部品の端子のチップ位置設定方法は基板上に形成された部品の端子と隣接して形成されたハンダに対して測定された測定高さを設定された基準高さと比較して仮象チップラインを設定することと、端子の長さ方向に沿って端子の幅方向に関する中心ラインを設定することと、仮象チップライン及び中心ラインの交差点から中心ラインによる測定高さを用いて端子のチップ位置を設定することと、を含む。従って、より正確な端子のチップ位置を獲得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に実装された部品を検査する基板検査方法に関わり、より詳細には正確な端子領域を検出して部品の実装状態を検査することのできる基板検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、電子装置内には少なくとも一つの印刷回路基板(printed circuit board:PCB)が備えられ、このような印刷回路基板上にはチップのような素子が含まれる。
【0003】
一般的に、前記チップのような素子は、ハンダ(solder)を用いて前記印刷回路基板に装着される。このような印刷回路基板に装着された素子の良し悪しを判断するか前記素子と連結されたパッドなどの良し悪しを判断するために、前記チップの端子(terminal)とハンダの正確な領域設定が必要である。
【0004】
従来には前記のような素子の良し悪しを判断するために撮影された2次元画像を用いてきた。しかし、2次元画像の色相は各領域に関して類似であり、2次元画像は照明に敏感であるので、2次元画像から前記端子の領域と前記のハンダの領域とを区別するのは難しく、カメラによるノイズの影響を受けて正確な領域区別ができないという問題点がある。
【0005】
従って、上述した問題点を防止することのできる端子の検査方法が要請されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明が解決しようとする課題は、端子のチップ位置を正確に獲得して端子領域とハンダ領域をより正確に区分することのできる端子のチップ位置設定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の例示的な一実施形態に係る端子のチップ位置設定方法は、端子及び本体からなる部品が実装された基板の高さを測定して、前記の測定された測定高さを予め設定された基準高さと比較することによって仮象チップライン(virtual tip line)を設定することと、前記端子の長さ方向に沿って前記端子の幅方向に関する中心ラインを設定することと、前記仮象チップラインと前記中心ラインとの交差点から前記中心ラインに沿う前記測定高さを用いて前記端子のチップ位置を設定することと、を含む。
【0008】
例えば、前記基準高さは前記端子のチップ厚さに相当し、前記端子のチップ厚さは、前記基板のキャド(CAD)情報または部品情報から獲得しても良い。
【0009】
前記仮象チップラインは前記基準高さと同一の高さに対応する測定高さに基づいて前記幅方向に延長して設定されるか、前記基準高さより低い高さから使用者によって選択された高さに対応する測定高さに基づいて前記幅方向に延長して設定してもよい。
【0010】
前記中心ラインを設定することは、前記端子の前記幅方向に第1検索区間を設定することと、前記第1検索区間内で前記端子の前記幅方向に関する高さプロファイルを獲得することと、
前記高さプロファイルを用いて前記端子の前記幅方向に関する前記中心ラインを設定することと、を含んでいてもよい。
【0011】
前記中心ラインを設定することは、前記端子の幅方向に前記第1検索区間を設定する処理以後に、前記端子の前記長さ方向に第2検索区間を設定することをさらに含み、前記端子の前記幅方向に関する前記高さプロファイルは前記第2検索区間に関して平均化されることによって獲得されてもよい。前記第2検索区間は、ハンダが形成された領域を排除するように前記仮象チップラインより前記部品の本体に向かって所定の距離分だけ離隔された位置を基点と見なすことによって設定してもよい。
【0012】
前記高さプロファイルを用いて前記端子の前記幅方向に関する前記中心ラインを設定することは、前記高さプロファイルから予め設定された臨界高さ以上のプロファイルを抽出することと、前記抽出されたプロファイルのうち最大の高さを有する地点を前記端子の前記長さ方向に実質的に平行するように延長して前記中心ラインを設定することと、を含んでいてもよい。
【0013】
一実施形態として、前記仮象チップラインと前記中心ラインとの交差点から前記中心ラインに沿う前記測定高さを用いて前記端子のチップ位置を設定することは、前記交差点から前記中心ラインに沿って前記測定高さの変化を順次に獲得することと、前記測定高さの変化が基準値を超過する場合、前記超過する地点を前記端子のチップ位置に設定することと、を含んでいてもよい。
【0014】
他の実施形態として、前記仮象チップラインと前記中心ラインとの交差点から前記中心ラインに沿う前記測定高さを用いて前記端子のチップ位置を設定することは、前記交差点に基づいて変化検索区間を設定することと、前記変化検索区間内で前記中心ラインに沿う前記測定高さの変化を獲得することと、前記測定高さの変化が最大となる地点を前記端子のチップ位置に設定することと、を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によると、基板上に形成された部品の端子のチップライン(tip line)をまず概略的に設定した後、続いて、精巧に修正する二つの処理を遂行することで、前記端子のチップ位置を正確に設定すると同時に、端子のチップ位置の設定のために所要される計算時間を減少させることができる。
【0016】
また、前記端子のチップ位置の正確な設定によって前記端子の領域を正確に設定することができ、これにより前記端子の良否検査を正確に遂行することができる。
【0017】
また、高さを基盤とする3次元的データを用いて端子のチップ位置を設定するので、2次元画像を用いて端子領域を確定する場合に比べて各領域の色相によって殆ど影響を受けることが無く、照明にも敏感で無い。このように、より正確で容易に端子のチップ位置を設定することができ、カメラによるノイズの影響も減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態による3次元形状の測定方法に使用される例示的な3次元形状測定装置を示す概念図である。
【図2】本発明の一実施形態による端子のチップ位置の設定方法を示すフローチャートである。
【図3】印刷回路基板上に形成された端子とハンダの一例を示す断面図である。
【図4】図2の端子のチップ位置の設定方法を説明するための平面図である。
【図5】図2において中心ラインを設定する方法の一例を示すフローチャートである。
【図6】図の中心ラインを設定する方法の一例を説明するための平面図である。
【図7】図6において獲得された高さプロファイルの一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は多様な変更を加えることができ、多様な形態を有することできる。ここでは、特定の実施形態を図面に例示し本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に限定するものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むこととして理解されるべきである。
【0020】
第1、第2などの用語は多用な構成要素を説明するのに使用されることがあるが、前記構成要素は前記用語によって限定解釈されない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみとして使用される。例えば、本発明の権利範囲を外れることなく第1構成要素を第2構成要素ということができ、類似に第2構成要素も第1構成要素ということができる。
【0021】
本出願において使用した用語は単なる特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に示さない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は明細書に記載された特徴、数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを意味し、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないこととして理解されるべきである。
【0022】
特別に定義しない限り、技術的、科学的用語を含んでここで使用される全ての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるのと同一の意味を有する。
【0023】
一般的に使用される辞書に定義されている用語と同じ用語は関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的またも過度に形式的な意味に解釈されない。
【0024】
以下、図面を参照して本発明の好適な一実施形態をより詳細に説明する。
【0025】
図1は本発明の一実施形態による3次元形状測定方法に使用される例示的な3次元形状測定装置を示す概念図である。
【0026】
図1を参照すると、本実施例による3次元形状測定方法に使用される3次元形状測定装置は測定ステージ部100、画像撮影部200、第1及び第2照明部300、400を含む第1照明ユニット、第2照明ユニット450、画像獲得部500、モジュール制御部600及び中央制御部700を含んでいてもよい。
【0027】
前記測定ステージ部100は測定対象物10を支持するステージ部110及び前記ステージ110を移送させる移送ユニット120を含んでいてもよい。本実施例において、前記ステージ110によって前記測定対象物10が前記画像撮影部200と前記第1照明部300及び第2照明部400に対して移動することにより、前記測定対象物10での測定位置が変更してもよい。
【0028】
前記画像撮影部200は前記ステージ110の上部に配置され、前記測定対象物10から反射された光の印加を受け前記測定対象物10に対する画像を測定する。即ち、前記画像撮影部200は前記第1照明部300及び第2照明部400から出射され前記測定対象物10から反射された光の印加を受けて、前記測定対象物10の平面画像を撮影する。
【0029】
前記画像撮影部200はカメラ210、結像レンズ220、フィルタ230及び円形ランプ240を含んでいてもよい。前記カメラ210は前記測定対象物10から反射される光の印加を受け前記測定対象物10の平面画像を撮影し、一例でCCDカメラやCMOSカメラのうちいずれか一つを採用することもできる。前記結像レンズ220は前記カメラ210の下部に配置され、前記測定対象物10から反射される光を前記カメラ210で結像させる。前記フィルタ230は前記結像レンズ220の下部に配置され、前記測定対象物10から反射される光を濾過させ前記結像レンズ220に提供する。、前記フィルタ230は、その一例において、周波数フィルタ、カラーフィルタ及び光強度調節フィルタのうちいずれか一つを含んでもよい。前記ランプ240は前記フィルタ230の下部に円形状に配置され、前記測定対象物10の2次元形状のような特異画像を撮影するために前記測定対象物10に光を提供することができる。
【0030】
前記第1照明部300は、例えば、前記画像撮影部200の右側に前記測定対象物10を支持する前記ステージ110に対して傾斜して配置してもよい。前記第1照明部300は第1照明ユニット310、第1格子ユニット320、第1格子移送ユニット330及び第1集光レンズ340を含んでいてもよい。前記第1照明ユニット310は照明源と少なくとも一つのレンズとを備え、光を発生させることもできる。前記第1格子ユニット320は前記第1照明ユニット310の下部に配置され前記第1照明ユニット310から発生された光を格子柄パターンを有する第1格子パターン光に変更させる。前記第1格子移送ユニット330は前記第1格子ユニット320と連結され前記第1格子ユニット320を移送させ、一例で、PZT(piezoelectric)移送ユニットや微細直線移送ユニットのうちいずれか一つを採用しても良い。前記第1集光レンズ340は前記第1格子ユニット320の下部に配置され、前記第1格子ユニット320から出射された前記第1格子パターン光を前記測定対象物10に集光させる。
【0031】
前記第2照明部400は、例えば、前記画像撮影部200の左側に前記測定対象物10を支持する前記ステージ110に対して傾斜して配置してもよい。前記第2照明部400は第2照明ユニット410、第2格子ユニット420、第2格子移送ユニット430及び第2集光レンズ440を含んでいてもよい。前記第2照明部400は上述した前記第1照明部300と実質的に同一であるので、重複される詳細な説明は省略する。
【0032】
前記第1格子移送ユニット330が前記第1格子ユニット320をN回順次に動かし、前記第1照明部300が前記測定対象物10にN個の第1格子パターン光を照射する時、前記画像撮影部200は前記測定対象物10から反射された前記N個の第1格子パターン光の印加を順次に受けてN個の第1パターン画像を撮影することができる。また、前記第2格子移送ユニット430が前記第2格子ユニット420をN回順次に動かし、前記第2照明部400が前記測定対象物10にN個の第2格子パターン光を照射する時、前記画像撮影部200は前記測定対象物10から反射された前記N個の第2格子パターン光の印加を順次に受けN個の第2パターン画像を撮影するようにしても良い。ここで、前記“N”は自然数で、その一例として、3または4であってもよい。
【0033】
一方、本実施例においては前記第1及び第2格子パターン光を発生させる照明装置として前記第1照明部300、第2照明部400のみを説明したが、これとは異なり前記照明部の個数は3個以上であってもよい。即ち、前記測定対象物10に照射される格子パターン光が多様な方向から照射され、多様な種類のパターン画像が撮影されることもあり得る。例えば、3個の照明部が前記画像撮影部200を中心に正三角形形態に配置される場合、3個の格子パターン光が互いに異なる方向から前記測定対象物10に照射され、4個の照明部が前記画像撮影部200を中心に正四角形形態で配置される場合、4個の格子パターン光が互いに異なる方向から前記測定対象物10に照射されてもよい。また、前記第1照明ユニットは8個の照明部を含み、この場合8個の方向から格子パターン光を前記測定対象物10に照射して画像を撮影することができる。
【0034】
前記第2照明ユニット450は前記測定対象物10の2次元的画像を獲得するための光を前記測定対象物10に照射する。一実施形態として、前記第2照明ユニット450は赤色照明452、緑色照明454、及び青色照明456を含んでいてもよい。例えば、前記赤色照明452、前記緑色照明454及び前記青色照明456は前記測定対象物10の上部で円形に配置され前記測定対象物10にそれぞれ赤色光、緑色光及び青色光を照射することができ、図1に示されたようにそれぞれ高さが異なるように形成されてもよい。
【0035】
前記画像獲得部500は前記画像撮影部200のカメラ210と電気的に連結され、前記カメラ210から前記第1照明ユニットによるパターン画像を獲得して保存する。また、前記画像獲得部500は前記カメラ210から前記第2照明ユニット450による2次元的画像を獲得して保存する。例えば、前記画像獲得部500は前記カメラ210で撮影された前記N個の第1パターン画像及び前記N個の第2パターン画像の印加を受けてこれらの画像を保存するイメージシステムを含む。
【0036】
前記モジュール制御部600は前記測定ステージ部100、前記画像撮影部200、前記第1照明部300及び前記第2照明部400に電気的に連結され、これらを制御する。前記モジュール制御部600は例えば、照明コントローラ、格子コントローラ及びステージコントローラを含むこともできる。前記照明コントローラは前記第1照明ユニット310、第2照明ユニット410をそれぞれ制御して光を発生させ、前記格子コントローラは前記第1格子移送ユニット330、第2格子移送ユニット430をそれぞれ制御して前記第1及び第2格子ユニット320、420を移動させる。前記ステージコントローラは前記ステージ移送ユニット120を制御して前記ステージ110を上下左右に移動させることができる。
【0037】
前記中央制御部700は前記画像獲得部500及び前記モジュール制御部600と電気的に連結され、これらをそれぞれ制御する。具体的に、前記中央制御部700は前記画像獲得部500のイメージシステムから前記N個の第1パターン画像及び前記N個の第2パターン画像の印加を受け、これを処理して前記測定対象物の3次元形状を測定するように構成することもできる。また、前記中央制御部700は前記モジュール制御部600の照明コントローラ、格子コントローラ及びステージコントローラをそれぞれ制御することができる。このように、前記中央制御部はイメージ処理ボード、制御ボード及びインターフェースボードを含んでいてもよい。
【0038】
以下、前記のような3次元形状測定装置を用いて前記測定対象物10として使用された印刷回路基板に搭載された部品の端子を検査する方法をより詳細に説明する。
【0039】
図2は本発明の一実施形態による端子のチップ位置設定方法を示すフローチャートであり、図3は印刷回路基板上に形成された端子とハンダの一例を示す側断面図であり、図4は図2の端子のチップ位置設定方法を説明するための平面図である。
【0040】
図2乃至図4を参照すると、本発明の一実施形態による端子を検査するために、まず、端子及び本体を含む部品900が実装された基板50の高さを測定して測定された測定高さを予め設定された基準高さRHと比較して仮象チップラインVTLを設定する(S110)。例えば、基板50上に形成された部品900の端子910及び前記端子と隣接して形成されたハンダ920に対して測定された測定高さを予め設定された基準高さRHと比較して仮象チップラインVTLを設定する。
【0041】
本段階においては、前記端子910のチップ位置TLを概略的に設定し、前記仮象チップラインVTLが前記概略的なチップ位置TLに該当する。
【0042】
一実施形態として、前記測定高さは図1に説明された3次元形状測定装置と同じ測定装備を用いて測定してもよい。
【0043】
前記基準高さRHは概略的に前記端子910のチップが位置すると予想される地点に該当する高さで、例えば、前記基準高さRHは前記端子910のチップ高さTTと実質的に同一に設定してもよい。前記端子910のチップ厚さTTは前記基板50の基礎的な設計情報、例えば、キャド情報または部品情報から獲得することもできる。
【0044】
一実施形態として、前記測定高さと前記基準高さRHとの比較は、図3の左側から右側の方向に増加される前記測定高さを前記基準高さRHと比較することで遂行しても良い。前記測定高さを獲得することにおいて、前記端子910の幅方向WDの中心と予想されるライン(line)に基づいて断面を形成し、前記断面に対するハンダ920の測定高さを測定することによって前記測定高さを獲得することもできる。前記端子910の幅方向WDの中心になると予想されるラインは前記基板50の基礎的な設計情報、例えば、キャド情報または部品情報から獲得できる。
【0045】
前記端子910のチップは、その下に形成されるハンダ920によって若干上昇して位置してもよい。従って、一例で、前記基準高さRHが前記端子910のチップ厚さTTと同一に設定される場合、前記測定高さが前記基準高さRHと同一の地点は前記端子910のチップが位置する地点とほぼ同程度になってもよい。従って、前記仮象チップラインVTLは、前記基準高さRHと同一の高さに対応する特定の測定高さに基づいて、前記端子910の幅方向WDに延長して設定できる。
【0046】
これとは異なり、前記仮象チップラインVTLは、前記基準高さRHより低い高さから使用者によって選択された使用者高さuHに対応する測定高さに基づいて前記端子910の幅方向に延長して設定できる。その一例として、前記基準高さRHが前記端子910のチップ厚さTTと同一に設定される場合、前記使用者高さuHが前記基準高さRHより低い高さで選択されるので、高さに余裕を持って前記測定高さを検索することもできる。これにより、後述される段階で、前記基準高さRHより低い高さから選択された前記使用者高さuHを基点と見なすことによって、検索区間選択における誤謬無しで前記チップの位置を検索することもできる。
【0047】
続いて、前記端子910の長さ方向LDに沿って前記端子910の幅方向WDに関する中心ラインCLを設定する(S120)。
【0048】
以下、図面を参照して、前記中心ラインCLを設定する方法の一例をより詳細に説明する。
【0049】
図5は図2で中心ラインを設定する方法の一例を示すフローチャートであり、図6は図5の中心ラインを設定する方法の一例を説明するための平面図であり、図7は図6で獲得された高さプロファイルの一例を示すグラフである。
【0050】
図5乃至図7を参照すると、前記中心ラインCLを設定するために、まず、前記端子910の幅方向WDに第1検索区間SS1を設定する(S122)。
【0051】
前記第1検索区間SS1は前記中心ラインCLを設定するための区間に相当するので、前記端子910の幅を全部含むように設定してもよい。
【0052】
続いて、前記端子910の長さ方向LDに第2検索区間SS2を設定する(S124)。
【0053】
前記第2検索区間SS2は前記中心ラインCLを設定するのに十分なデータを確保することのできる前記端子910の所定領域を含むように設定してもよい。一実施形態として、前記第2検索区間SS2は前記仮象チップラインVTLを基点とみなすことによって前記部品の本体に向かって設定してもよい。
【0054】
次に、前記第1検索区間SS1内で前記端子910の幅方向WDに対する高さプロファイルを獲得する(S126)。
【0055】
前記端子910の幅方向WDに関する前記高さプロファイルは前記第2検索区間SS2に対して平均化されて獲得される。前記第1検索区間SS1における高さの変化を示すプロファイルは前記第2検索区間SS2の位置によってそれぞれ多少相異する形態を示してもよい。また、ノイズによって前記高さの変化を示すプロファイルには、誤差が発生してもよい。従って、前記端子910の幅方向WDに関する前記高さプロファイルは、前記第2検索区間SS2に関して平均化して獲得され、それによって前記第2検索区間SS2の多様な位置を全部考慮しながらもノイズの影響を最小化することができる。前記高さプロファイルは一例として図7に示されたように曲線形態で示すこともでき、最大高さを有する地点MPを前記中心ラインCLに対応する点として見做すこともできる。
【0056】
一方、ハンダ920が非対称的に形成された場合、前記高さプロファイルも非対称的に形成されることがあるので、ハンダ920が形成された部分またはハンダ920が形成されると予測される部分は、前記第2検索区間SS2から排除させることもできる。例えば、前記第2検索区間SS2を設定する処理S124において、前記仮象チップラインVTLより前記部品本体に向かって所定の距離分だけ離隔された位置を基点とみなすことによって、前記第2検索区間SS2は、設定することができる。従って、ハンダ920が非対称的に形成されるために発生する前記中心ラインCL設定の誤謬は、防止することができる。
【0057】
続いて、前記高さプロファイルを用いて前記端子910の幅方向WDに関する前記中心ラインCLを設定する(S128)。
【0058】
前記高さプロファイルを用いて前記端子910の幅方向WDに関する前記中心ラインCLを設定するために、前記最大高さを有する地点MPを前記端子910の長さ方向WDと実質的に平行するように延長して前記中心ラインCLを設定することができる。
【0059】
一実施形態として、ノイズを除去しデータ処理速度を向上させるために事前に臨界高さ(Hcrit)を設定して、前記高さプロファイルのうち前記臨界高さ以上のプロファイルをまず抽出する。次いで、前記抽出された高さプロファイルのうち最大高さを有する地点MPを前記端子910の長さ方向WDに平行するように延長して前記中心ラインCLを設定することもできる。
【0060】
一方、前記中心ラインCLの代わりに、前記端子910の幅方向WDに関して所定比率で分割した分割ラインを活用してもよい。この場合、後述される処理において獲得されるチップ位置を幅方向に前記所定比率で拡張して、後述される実際のチップラインを獲得することができる。即ち、前記中心ラインCLは、前記分割ラインの一例であって、前記端子910の幅方向WDを1:1で分割した分割ラインに該当することもあり得る。
【0061】
再度、図2乃至図4を参照すると、次に、前記仮象チップラインVTLと前記中心ラインCLとの交差点IPから前記中心ラインCLに沿う前記測定高さを用いて前記端子910のチップ位置を設定する(S130)。
【0062】
本段階において、以前の処理S110、S120で設定された前記仮象チップラインVTL及び前記中心ラインCLの交差点IPを基点と見なすことによって、精密に前記端子910のチップ位置TLが設定される。即ち、前記交差点IPから前記中心ラインCLに沿って前記測定高さを精密にチェックして急激な変化を有する地点を見付けることで、前記端子910のチップ位置TLを獲得することができる。
【0063】
一実施形態として、より精密に前記端子910のチップ位置TLを設定するために、まず、前記交差点IPから前記中心ラインに沿って前記測定高さの変化を順次に獲得する。次に、前記測定高さの変化が基準値を超過する場合、前記超過する地点を前記端子910のチップ位置TLに設定する。前記基準値は、高さの変化が急激に発生する地点を見付けるのに十分な値として設定できる。前記測定高さの変化は、例えば、高さ値自体の変化、高さの変化率、高さの微分計数などになってもよい。
【0064】
他の実施形態として、より精密に前記端子910のチップ位置を設定するために、まず、前記交差点IPに基づいて変化検索区間を設定する。前記変化検索区間は、前記端子910のチップ位置TLが必ず含まれる程度の十分な区間を選択することもできる。続いて、前記変化検索区間内で前記中心ラインCLに沿う前記測定高さの変化を獲得する。次に、前記測定高さの変化が最大となる地点を前記端子910のチップ位置TLとして設定する。前記測定高さの変化は、例えば、高さ値自体の変化、高さの変化率、高さの微分計数などになってもよい。
【0065】
一方、前記のように端子910のチップ位置TLを設定した後には、前記チップ位置TLを前記端子910の幅方向に拡張して、実際のチップラインを獲得することができる。この際、前記端子910のチップ位置TLを設定するために前記中心ラインCLの代わりに前記端子910の幅方向WDに対して所定比率で分割した分割ラインを活用する場合、前記の実際のチップラインを獲得するための前記の幅方向WDの拡張比率は、前記分割比率に対応される。
【0066】
以上のように前記端子910のチップ位置TLまたはチップラインが設定されると、前記チップ位置TLまたはチップラインに基づいて前記端子910の領域を正確に設定することができる。従って、前記設定された端子910の領域に対して部品実装の良否を検査することができる。
【0067】
前記のような本発明によると、基板上に形成された部品の端子のチップラインをまず概略的に設定した後、続いて、精巧に修正する二つの処理を遂行することで、前記の端子のチップ位置を正確に設定するとともに、前記の端子のチップ位置を設定するために所要される計算時間を減少させることができる。
【0068】
また、前記端子のチップ位置の正確な設定によって前記端子の領域を正確に設定することができ、これにより前記端子の良否検査を正確に遂行することができる。
【0069】
また、高さに基づいた3次元的データを用いて端子のチップ位置を設定するので、本発明の方法は、2次元画像を用いて端子領域を確定する場合に比べて各領域の色相によって殆ど影響を受けることは無く、また、照明にも敏感ではないので、より正確で容易に端子のチップ位置を設定することができ、カメラによるノイズの影響も減少させることができる。
【0070】
以上、本発明の実施形態によって詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できる。
【符号の説明】
【0071】
10 測定対象物
100 測定ステージ部
200 画像撮影部
300 第1照明部
400 第2照明部
450 第2照明ユニット
500 画像獲得部
600 モジュール制御部
700 中央制御部
900 印刷回路基板
910 端子
920 ハンダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子及び本体からなる部品が実装された基板の高さを測定して前記の測定された測定高さを予め設定された基準高さと比較して仮象チップラインを設定することと、
前記端子の長さ方向に沿って前記端子の幅方向に関する中心ラインを設定することと、
前記仮象チップラインと前記中心ラインのと交差点から前記中心ラインに沿う前記測定高さを用いて前記端子のチップ位置を設定することと、
を含むことを特徴とする端子のチップ位置設定方法。
【請求項2】
前記基準高さは前記端子のチップ厚さであることを特徴とする請求項1記載の端子のチップ位置設定方法。
【請求項3】
前記端子のチップ厚さは、前記基板のCAD情報または部品情報から獲得されることを特徴とする請求項2記載の端子のチップ位置設定方法。
【請求項4】
前記仮象チップラインは前記基準高さと同一の高さに対応する測定高さに基づいて前記幅方向に延長して設定されるか、又は前記基準高さより低い高さから使用者によって選択された高さに対応する測定高さに基づいて前記幅方向に延長して設定されることを特徴とする請求項1記載の端子のチップ位置設定方法。
【請求項5】
前記中心ラインを設定することは、
前記端子の前記幅方向に第1検索区間を設定することと、
前記第1検索区間内で前記端子の前記幅方向に関する高さプロファイルを獲得することと、
前記高いプロファイルを用いて前記端子の前記幅方向に関する前記中心ラインを設定することと、を含むことを特徴とする端子のチップ位置設定方法。
【請求項6】
前記中心ラインを設定することは、
前記端子の幅方向に前記第1検索区間を設定する処理以後に、前記端子の前記長さ方向に第2検索区間を設定することをさらに含み、
前記端子の前記幅方向に関する前記高さプロファイルは前記第2検索区間に対して平均化されて獲得されることを特徴とする請求項5記載の端子のチップ位置設定方法。
【請求項7】
前記第2検索区間はハンダが形成された領域を排除するように前記仮象チップラインより前記部品の本体に向かって所定の距離分だけ離隔された位置を基点と見なすことによって設定されることを特徴とする請求項6記載の端子のチップ位置設定方法。
【請求項8】
前記高さプロファイルを用いて前記端子の前記幅方向に関する前記中心ラインを設定することは、
前記高さプロファイルから予め設定された臨界高さ以上のプロファイルを抽出することと、
前記抽出されたプロファイルのうち最大の高さを有する地点を前記端子の前記長さ方向に平行するように実質的に延長して前記中心ラインを設定することと、を含むことを特徴とする請求項5記載の端子のチップ位置設定方法。
【請求項9】
前記仮象チップラインと前記中心ラインとの交差点から前記中心ラインに沿う前記測定高さを用いて前記端子のチップ位置を設定することは、
前記交差点から前記中心ラインに沿って前記測定高さの変化を順次に獲得することと、
前記測定高さの変化が基準値を超過する場合、前記超過する地点を前記端子のチップ位置として設定することと、を含むことを特徴とする請求項1記載の端子のチップ位置設定方法。
【請求項10】
前記仮象チップラインと前記中心ラインとの交差点から前記中心ラインに沿う前記測定高さを用いて前記端子のチップ位置を設定することは、
前記交差点に基づいて変化検索区間を設定することと、
前記変化検索区間内で前記中心ラインに沿う前記測定高さの変化を獲得することと、
前記測定高さの変化が最大となる地点を前記端子のチップ位置に設定することと、を含むことを特徴とする請求項1記載の端子のチップ位置設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−108130(P2012−108130A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−249772(P2011−249772)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【出願人】(506414749)コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド (37)
【Fターム(参考)】