説明

基板検査装置および基板検査方法

【課題】省フットプリントが図れるだけでなく、タクトタイムの短縮化も可能となるマクロ検査とミクロ検査とを1台で行いうる基板検査装置を提供する。
【解決手段】本発明の基板検査装置1は、検査する基板Gを載置し、吐出口61から気体を吐出させて基板Gを浮上させる浮上プレート6を有する基板載置部2と、基板Gをミクロ検査するミクロ検査部3と、基板載置部2上に浮上した基板Gを搬送する基板搬送部4と、基板載置部2に対して出没可能に設けられ、基板載置部2上に浮上した基板Gを基板載置部2の上面に対して傾斜して起こした状態で保持するマクロ検査用ホルダ5と、マクロ検査用ホルダ5で保持されたG基板の表面を照明するマクロ照明部15と、を備え、マクロ検査用ホルダ5は、基板搬送部4による基板Gの搬送方向と平行な回動軸を中心に回動することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大型ガラス基板の検査装置および基板検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)等のフラットパネルディスプレイ(FPD)に使用するガラス基板(以下、基板という)の外観の検査として、基板全体を目視により観察するマクロ検査と、顕微鏡やCCD等を用いて微視的に検査するミクロ検査が行われている。基板の大型化に伴い、マクロ検査装置およびミクロ検査装置も大型化するため、省フットプリント可能な検査装置が種々開発されている。
【0003】
例えば、下記特許文献1に記載の基板検査装置は、マクロ検査とミクロ検査とが行える兼用装置であって、基板の浮上ステージを有し、浮上搬送された基板をミクロ検査する検査ヘッドと、マクロ検査に適した角度に基板を回動することが可能なマクロ検査用ステージとを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−278715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した特許文献1に記載の技術において、搬入された基板を搬送部によりマクロ検査用ステージまで搬送し、マクロフレームで基板を持ち替えた後マクロ検査を行い、再度搬送部によりミクロ検査ステージまで基板を搬送後、ミクロ検査を行なう。この検査装置では、基板の搬送方向に対して垂直であり、かつ搬送面と平行な回動軸を中心として、この軸に基板の短手方向の一端をあわせた状態で基板を回動する。このため装置上部に基板の長手方向を立ち上げるための空間を要することとなる。
【0006】
また、基板を搬入する際の基板搬入領域が必要となるため、省フットプリントの効果は小さく、基板の持ち替えに要する時間が長くなるという問題を有する。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、マクロ検査とミクロ検査とを行う検査装置であって、省スペースかつ省フットプリントが図れるだけでなく、タクトタイムの短縮化が可能な基板検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る基板検査装置は、検査する基板を載置し、吐出口から気体を吐出させて該基板を浮上させる機構を有する基板載置部と、前記基板をミクロ検査するミクロ検査部と、前記基板載置部上に浮上した前記基板を搬送する基板搬送部と、前記基板載置部に対して出没可能に設けられ、前記基板載置部上に浮上した前記基板を前記基板載置部の上面に対して傾斜して起こした状態で保持するマクロ検査用ホルダと、前記マクロ検査用ホルダで保持された前記基板の表面を照明するマクロ照明部と、を備え、前記マクロ検査用ホルダは、前記基板搬送部による搬送方向と平行な回動軸を中心に回動することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の基板検査装置は、上記発明において、前記基板搬送部は、前記基板載置部の端部であって基板の搬送方向と平行な端部に設けられ、前記マクロ検査用ホルダの回動軸は、前記基板載置部の端部であって基板の搬送方向と平行な端部であり、かつ前記基板搬送部が設けられる端部とは異なる端部に設けられることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の基板検査装置は、上記発明において、前記基板載置部は、前記ミクロ検査部に対して上流側に設けられ、前記基板を搬入する基板搬入領域を有し、前記マクロ検査用ホルダは、前記基板搬入領域に設けられることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の基板検査装置は、上記発明において、前記基板載置部は、前記ミクロ検査部に対して下流側に設けられ、前記基板を搬出する基板搬出領域を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明の基板検査装置は、上記発明において、前記基板載置部は、前記ミクロ検査部に対して上流側に設けられ、前記基板を搬入する基板搬入領域と、前記ミクロ検査部に対して下流側に設けられ、前記基板を搬出する基板搬出領域と、を有し、前記マクロ検査用ホルダは、前記基板搬出領域に設けられることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の基板検査方法は、検査する基板を載置し、吐出口から気体を吐出させて該基板を浮上させる機構を有する基板載置部と、前記基板をミクロ検査するミクロ検査部と、前記基板載置部上に浮上した前記基板を搬送する基板搬送部と、前記基板載置部に対して出没可能に設けられ、前記基板載置部上に浮上した前記基板を前記基板載置部の上面に対して傾斜して起こした状態で保持するマクロ検査用ホルダと、前記マクロ検査用ホルダで保持された前記基板の表面を照明するマクロ照明部と、を備える基板検査装置における基板検査方法であって、基板搬入領域に基板を搬入する搬入ステップと、基板保持部により前記基板を保持する第1基板保持ステップと、前記基板を前記基板搬送部によりミクロ検査部に搬送する第1搬送ステップと、前記基板をミクロ検査するミクロ検査ステップと、ミクロ検査終了後、前記基板搬送部により前記基板をマクロ検査用ホルダまで搬送する第2搬送ステップと、前記基板保持部による前記基板の保持を解除する第1保持解除ステップと、前記基板をマクロ検査用ホルダで保持する第2基板保持ステップと、前記基板をマクロ検査するマクロ検査ステップと、前記マクロ検査用ホルダによる前記基板の保持を解除する第2保持解除ステップと、前記第2保持解除ステップ後直ちに前記基板を搬出する搬出ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の基板検査方法は、検査する基板を載置し、吐出口から気体を吐出させて該基板を浮上させる機構を有する基板載置部と、前記基板をミクロ検査するミクロ検査部と、前記基板載置部上に浮上した前記基板を搬送する基板搬送部と、前記基板載置部に対して出没可能に設けられ、前記基板載置部上に浮上した前記基板を前記基板載置部の上面に対して傾斜して起こした状態で保持するマクロ検査用ホルダと、前記マクロ検査用ホルダで保持された前記基板の表面を照明するマクロ照明部と、を備える基板検査装置における基板検査方法であって、基板搬入領域に基板を搬入する搬入ステップと、前記搬入ステップ後直ちに前記基板をマクロ検査用ホルダで保持する第1基板保持ステップと、前記基板をマクロ検査するマクロ検査ステップと、前記マクロ検査用ホルダによる前記基板の保持を解除する第1保持解除ステップと、基板保持部により前記基板を保持する第2基板保持ステップと、前記基板搬送部により前記基板をミクロ検査部に搬送する第1搬送ステップと、前記基板をミクロ検査するミクロ検査ステップと、ミクロ検査終了後、前記基板搬送部により前記基板を基板搬出領域まで搬送する第2搬送ステップと、前記基板保持部による前記基板の保持を解除する第2保持解除ステップと、前記基板を搬出する搬出ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の基板検査装置は、検査する基板を載置し、該基板を浮上させる機構を有する基板載置部内にマクロ検査用ホルダを収容し、マクロ検査時に、マクロ検査用ホルダにより前記基板を保持し、前記基板の搬送方向に対し平行な回動軸で基板が持ち上がるように回動することにより、基板検査装置の省フットプリントを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置の要部の構成を示す上面図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置の要部の構成を示す一部側面図である。
【図3】図3は、図2に示す基板検査装置のA−A断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置のマクロ検査時の側面図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置のマクロ検査時の側面図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置内にマクロ検査用ホルダが収容された状態を示す斜視図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置のマクロ検査用ホルダを回動して持ち上げた状態を示す斜視図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置における基板検査工程のフローチャートである。
【図9】図9は、図8のフローチャートの基板搬入工程のフローチャートである。
【図10】図10は、図8のマクロ検査工程のフローチャートである。
【図11】図11は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置における基板検査工程他の例のフローチャートである。
【図12】図12は、図11のフローチャートの基板搬入工程のフローチャートである。
【図13】図13は、図11のマクロ検査工程のフローチャートである。
【図14】図14は、本発明の実施の形態の変形例に係る基板検査装置の要部の構成を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)を説明する。なお、以下の説明で参照する図面は模式的なものであって、同じ物体を異なる図面で示す場合には、寸法や縮尺等が異なる場合もある。
【0018】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置1の要部の構成を示す上面図である。図2は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置1の要部の構成を示す一部側面図である。図3は、図2に示す基板検査装置1のA−A断面図である。図4は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置1のマクロ検査時の側面図である。図5は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置1のマクロ検査時の側面図である。図6は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置1内にマクロ検査用ホルダ5が収容された状態を示す斜視図である。図7は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置1のマクロ検査用ホルダ5を回動して持ち上げた状態を示す斜視図である。なお、図6および図7においては、エアを吐出する吐出口は省略している。図1〜図5に示す基板検査装置1は、LCDやPDP等のFPDに使用する矩形状の基板Gを浮上させながら搬送してミクロ検査およびマクロ検査を行う検査装置である。
【0019】
基板検査装置1は、基板Gを載置する基板載置部2と、基板Gをミクロ検査するミクロ検査機器3と、基板Gを搬送する基板搬送部4と、基板Gを基板載置部2の上面に対して傾斜して起こした状態で保持するマクロ検査用ホルダ5と、基板Gをマクロ照明するマクロ照明部15と、を備える。
【0020】
基板載置部2は、図示しないリフター等の基板搬入ロボットにより搬入された検査用の基板Gを載置する基板搬入領域21と、ミクロ検査機器3により基板Gをミクロ検査する基板検査領域22と、からなる。本実施の形態では、基板搬入領域21は、搬入された基板Gを受け取る搬入領域であるとともに、マクロ検査用ホルダ5を収容するマクロ検査用ホルダ収容部であり、また検査が終了した基板Gをリフター等の基板搬出ロボットにより搬出する基板搬出領域でもある。
【0021】
基板載置部2の基板載置面pには、基板Gの下方から基板Gの下面に向けて気体を吐出することによって基板Gを浮上させる複数の浮上プレート6が設けられる。浮上プレート6は、基板Gの搬送方向Xに沿って細長い帯状をなして延びている。複数の浮上プレート6は、互いに平行であり、かつ互いの高さが等しい状態で基板載置部2に取り付けられている。浮上プレート6には、上面に開口を有し、気体を上方へ吐出する複数の吐出孔61が、全面にわたってほぼ均一に設けられている。吐出孔61から吐出される気体は、例えばクリーンドライエアであり、吐出孔61から吐出された気体により基板載置面pから基板Gを浮上させた状態で、基板搬送部4が基板Gを保持して基板載置部2上を搬送する。
【0022】
基板搬入領域21の浮上プレート6には、複数のリフトピン7が昇降するための孔部71が設けられる。リフトピン7は、基板載置面pから昇降可能に設けられ、基板Gの搬入時および搬出時に上昇することにより、搬入出時の基板Gとの接触を低減して基板Gへの傷の発生を防止する。リフトピン7は、基板搬送部4による基板Gの搬送の際は、基板載置面pより下降される。
【0023】
基板搬入領域21には、マクロ検査用ホルダ5が収容されている。マクロ検査用ホルダ5は、基板載置部2(基板搬入領域21)に対して出没可能に設けられ、基板載置部2に載置された基板Gを基板載置部2の載置面pに対して傾斜して起こした状態で保持する。基板搬入領域21上の浮上プレート6には、基板搬入領域21内でマクロ検査用ホルダ5が出没可能とする溝部が形成される。マクロ検査用ホルダ5は、基板支持部(縦)51と、基板支持部51に井桁状に嵌合されて基板を保持する基板支持部(横)52と、基板支持部(横)52上に設けられ、図示しない吸引部により吸引することにより基板Gを吸着する吸着部53と、マクロ検査用ホルダ5を回動する回動軸54と、基板支持部(縦)51と基板支持部(横)52とからなるホルダ本体部を、回動軸54を介して支持するホルダ支持部55と、マクロ検査用ホルダ5を回動する駆動部56と、駆動部56と連結されてホルダを立ち上げる連結部57とを備える。マクロ検査用ホルダ5の回動軸54は、基板載置部2の端部であって基板の搬送方向Xと平行な端部であり、かつ基板搬送部4が設けられる端部とは異なる端部に設けられる。マクロ検査用ホルダ5は、基板搬送部4による搬送方向Xと平行な回動軸54を中心に回動する。
【0024】
駆動部56は、ボールねじ等により構成され、マクロ検査時にねじ軸を回転駆動することにより駆動部56のナットを上昇させ、ナットと連結された連結部57を介して、マクロ検査用ホルダ5を、目視によるマクロ検査に適した角度θまで回動軸54を軸として回動して基板Gを持ち上げる。角度θは、マクロ検査の種類や検査者20に応じて、図示しない入力部により変更することができる。
【0025】
ミクロ検査領域22には、基板載置部2を搬送方向Xと直交する方向Yに跨いで門型アーム8が設置され、門型アーム8に、顕微鏡、ラインセンサまたはCCDカメラ等のミクロ検査機器3が設けられる。ミクロ検査機器3は、門型アーム8上を基板Gの搬送方向と直行するY方向に移動可能な移動機構(図示せず)により移動可能である。
【0026】
基板搬送部4は、基板載置部2の端部であって、基板Gの搬送方向と平行(矢印X方向)な端部に設けられる。また、基板搬送部4が設置される基板載置部2の端部は、マクロ検査用ホルダ5の回動軸54が設置される端面と対向している。基板搬送部4は、基板Gの搬送方向Xに沿って直線的に延びるレール40と、レール40上を搬送方向に沿って駆動する駆動部41と、駆動部41の上面に、昇降部42を介して取り付けられて基板Gの端部を吸着する複数の基板保持部43とを有する。駆動部41は、リニアモータや、ベルト、ボールネジ、ラック・アンド・ピニオンなどにより構成されるが、等速性に優れるリニアモータを使用することが好ましい。
【0027】
マクロ照明部15は、マクロ検査用ホルダ5の上方に位置し、マクロ検査用の照明光を照明するマクロ照明光源9と、このマクロ照明光源9から出射される照明光を下方に向ける反射ミラー10と、この反射ミラー10により反射した照明光を収束させる収束レンズとしてのフレネルレンズ11と、このフレネルレンズ11により収束された照明光を透過させる透明な状態及び照明光を散乱させる不透明状態に切替える液晶散乱板12とを備える。マクロ照明光源9は、基板G全体をマクロ検査するために基板の搬送方向Xに移動可能な構成としてもよく、または基板G全体を照明できれば複数個備えていてもよい。
【0028】
続いて、図8〜図10を参照して、本実施の形態に係る基板検査装置1の基板検査工程を説明する。図8は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置1における基板検査工程のフローチャートである。図9は、図8のフローチャートの基板搬入工程のフローチャートである。図10は、図8のマクロ検査工程のフローチャートである。
【0029】
まず、リフターにより検査する基板Gを基板搬入領域21に搬入する(ステップS101)。
【0030】
基板Gの搬入は、図9の工程で行われる。まず、リフトピン7を上昇して(ステップS201)、リフターにより検査する基板Gを基板搬入領域21に搬入する(ステップS202)。続いて、吐出口61からエアを吐出させ(ステップS203)、リフトピン7を降下して(ステップS204)、吐出されたエアにより基板Gを基板載置部2上に浮上させる。浮上された基板Gを位置決め機構により位置決めをした後(ステップS205)、基板搬送部4の昇降部42を上昇させるとともに、吸引口44を吸引して、基板保持部43により基板Gを密着保持する(ステップS206)。
【0031】
基板保持部43により基板Gを保持した後、駆動部41の駆動により基板搬送部4は基板Gをミクロ検査領域22に搬送する(ステップS102)。
【0032】
ミクロ検査領域22のミクロ検査機器3の下まで運ばれた基板Gについて、ミクロ検査機器3によりミクロ検査を行う(ステップS103)。ミクロ検査機器3を、門型アーム8に沿って移動させ、かつ基板搬送部4により基板Gを進行方法に移動させることにより、基板G全体をミクロ検査する。
【0033】
ミクロ検査終了後、基板搬送部4はミクロ検査が終了した基板Gをマクロ検査用ホルダ5上まで搬送する(ステップS104)。
【0034】
基板搬送部4により基板Gがマクロ検査用ホルダ5上に搬送された後、マクロ照明部15により基板Gに照明してマクロ検査を行う(ステップS105)。
【0035】
マクロ検査は、図10の工程で行われる。まず、基板保持部43による基板Gの保持が解除される(ステップS301)。基板保持部43による基板Gの保持解除は、吸引口44の吸引を停止するとともに、昇降部42を下降させることにより行う。基板保持部43による保持が解除された基板Gは、吐出口61から吐出されているエアにより、基板載置面pから浮上する。
【0036】
続いて、駆動部56の駆動により、マクロ検査用ホルダ5を水平位置(基板載置面pから基板Gが浮上する位置)まで回動し(ステップS302)、吸着部53を吸着して基板Gを密着保持する(ステップS303)。
【0037】
その後、駆動部56の駆動により、マクロ検査用ホルダ5を検査位置まで回動して基板Gを持ち上げる(ステップS304)。
【0038】
検査位置まで持ち上げられた基板Gに、マクロ照明部15により照明光を照射して、検査者20は基板Gをマクロ検査する(ステップS305)。
【0039】
マクロ検査終了後、駆動部56の駆動により、マクロ検査用ホルダ5を水平位置(基板載置面pから基板Gが浮上する位置)まで回動する(ステップS306)。
【0040】
マクロ検査用ホルダ5を水平位置まで回動後、吸着部53の吸引を停止して、吸着部53による基板Gの保持を解除する(ステップS307)。吸着部53により保持が解除された基板Gは、吐出口61から吐出されているエアにより、基板載置面pから浮上する。
【0041】
基板Gの保持を解除したマクロ検査用ホルダ5は、駆動部56の駆動により回動され、基板載置部2内に収容されて(ステップS308)、マクロ検査工程は終了する。
【0042】
浮上状態の基板Gを、リフトピン7を上昇させることによりリフトピン7で保持した後、リフター等により基板Gを搬出して基板検査工程を終了する(ステップS106)。
【0043】
以上、本実施の形態にかかる基板検査装置1の基板検査工程について説明したが、基板検査装置1では、基板搬入後、マクロ検査を行い、その後ミクロ検査を行ってもよい。以下、図11〜図13を参照して、マクロ検査を先に行う基板検査工程について説明する。図11は、本発明の実施の形態に係る基板検査装置1における基板検査工程一例のフローチャートである。図12は、図11のフローチャートの基板搬入工程のフローチャートである。図13は、図11のマクロ検査工程のフローチャートである。
【0044】
まず、リフターにより検査する基板Gを基板搬入領域21に搬入する(ステップS401)。
【0045】
基板Gの搬入は、図12の工程で行われ、基板保持部43による基板Gの保持を除き、図9の基板搬入工程と同様の工程で行う。まず、リフトピン7を上昇して(ステップS501)、リフターにより検査する基板Gを基板搬入領域21に搬入し(ステップS502)、吐出口61からエアを吐出させて基板Gを浮上させる(ステップS503)。リフトピン7を降下して(ステップS504)、浮上された基板Gを位置決め機構により位置決めをして(ステップS505)、基板搬入工程を終了する。
【0046】
基板Gの位置決め後、マクロ検査を行う(ステップS402)。
【0047】
マクロ検査は、図13の工程で行われ、基板保持部43による基板Gの保持解除を除き、図10のマクロ検査工程と同様の工程で行う。まず、駆動部56の駆動により、マクロ検査用ホルダ5を水平位置(基板載置面pから基板Gが浮上する位置)まで回動し(ステップS601)、基板載置面pから浮上している基板Gを、吸着部53を吸着することにより密着保持する(ステップS602)。
【0048】
その後、駆動部56の駆動により、マクロ検査用ホルダ5を検査位置まで回動して基板Gを持ち上げ(ステップS603)、マクロ照明部15により基板Gに照明光を照射して、検査者20は基板Gをマクロ検査する(ステップS604)。
【0049】
マクロ検査終了後、駆動部56の駆動により、マクロ検査用ホルダ5を水平位置(基板載置面pから基板Gが浮上する位置)まで回動し(ステップS605)、吸着部53の吸引を停止して、吸着部53による基板Gの保持を解除する(ステップS606)。吸着部53により保持が解除された基板Gは、吐出口61から吐出されているエアにより、基板載置面pから浮上する。
【0050】
基板Gの保持を解除したマクロ検査用ホルダ5は、駆動部56の駆動により回動され、基板載置部2内に収容されて(ステップS607)、マクロ検査工程は終了する。
【0051】
マクロ検査終了後、基板搬送部4の昇降部42を上昇させるとともに、吸引口44を吸引して、基板保持部43により基板Gを密着保持し(ステップS403)、駆動部41の駆動により基板搬送部4は基板Gをミクロ検査領域22に搬送する(ステップS404)。
【0052】
検査領域22のミクロ検査機器3の下まで運ばれた基板Gについて、ミクロ検査機器3によりミクロ検査を行い(ステップS405)、ミクロ検査終了後、基板搬送部4は基板Gを基板搬出領域でもある基板搬入領域21まで搬送する(ステップS406)。
【0053】
基板搬送部4により基板Gを基板搬入領域21に搬送した後、吸引口44の吸引を停止するとともに、昇降部42を下降させて、基板保持部43による基板Gの保持を解除し、保持が解除されて浮上状態の基板Gを、リフトピン7を上昇させることによりリフトピン7で保持した後、リフター等により基板Gを搬出して基板検査工程を終了する(ステップS407)。
【0054】
本実施の形態に係る基板検査装置1は、マクロ検査用ホルダ5を基板載置部2に対して出没可能に設け、マクロ検査を行う際に、マクロ検査用ホルダ5を、基板搬送部4による基板Gの搬送方向Xと平行な回動軸55を中心に回動して、基板載置部2上の基板Gの短手方向を基板載置部2の基板載置面pに対して傾斜して起こした状態で検査するため、基板検査装置1上に基板G立ち上げのための余分な空間を必要とせず、省スペース化できる。
【0055】
さらに、マクロ検査用ホルダ5が出没可能な領域を基板搬入領域21としているため、基板搬入領域をあらたに設ける必要がなく、省フットプリント化が可能である。さらにまた、マクロ検査用ホルダ5が出没可能な領域が基板搬出領域となるため、基板Gの持ち替えや搬送に要する時間を短縮でき、タクトタイムの低減が可能となる。
【0056】
また、本実施の形態にかかる基板検査装置1の変形例として、ミクロ検査を行うミクロ検査領域22の基板搬送方向の下流側に隣接して、基板搬出領域23が設けられる基板検査装置1Aが例示される。
【0057】
基板搬出領域23は、基板検査装置1Aによりミクロ検査およびマクロ検査が終了した基板Gを、図示しないリフター等の基板搬出ロボットにより搬出するために基板を載置する。ミクロ検査領域22の基板搬出領域23側の一部は、基板搬出領域23として機能する。基板搬出領域23には、基板Gの搬出時に上昇して基板Gを保持するリフトピン7およびリフトピン7が昇降するための孔部71が設けられる。
【0058】
基板検査装置1Aでは、ミクロ検査後にマクロ検査をすることもできるが、マクロ検査後にミクロ検査を行うことにより、インラインの基板検査装置として使用することができる。また、マクロ検査後にミクロ検査を行うことにより、基板Gを基板搬入方向と逆方向に搬送することがなくなるため、複数の基板Gを基板検査装置1A内に搬入して、マクロ検査とミクロ検査とを同時に行うことができる。これにより、検査のタクトタイムを大幅に低減することも可能である。
【0059】
また、基板検査装置1Aは、基板搬入領域21にマクロ検査用ホルダ5を出没可能に設けているが、ミクロ検査機器3を門型アーム8の左側に設置し、領域23を基板Gを搬入する基板搬入部とし、ミクロ検査機器3でミクロ検査を行った後、領域21まで基板Gを搬送し、マクロ検査用ホルダを回動させて基板を持ち上げてマクロ検査を行った後、領域21から基板Gを搬出させても同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0060】
1、1A 基板検査装置
2 基板載置部
3 ミクロ検査機器
4 基板搬送部
5 マクロ検査用ホルダ
6 浮上プレート
7 リフトピン
8 門型アーム
9 マクロ照明光源
10 反射ミラー
11 フレネルネンズ
12 液晶散乱板
15 マクロ照明部
21 基板搬入領域
22 ミクロ検査領域
23 基板搬出領域
40 レール
41 駆動部
42 昇降部
43 基板保持部
44 吸引口
51 基板支持部(縦)
52 基板支持部(横)
53 吸着部
54 回動軸
55 ホルダ支持部
56 駆動部
57 駆動部
61 吐出口
71 孔部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査する基板を載置し、吐出口から気体を吐出させて該基板を浮上させる機構を有する基板載置部と、
前記基板をミクロ検査するミクロ検査部と、
前記基板載置部上に浮上した前記基板を搬送する基板搬送部と、
前記基板載置部に対して出没可能に設けられ、前記基板載置部上に浮上した前記基板を前記基板載置部の上面に対して傾斜して起こした状態で保持するマクロ検査用ホルダと、
前記マクロ検査用ホルダで保持された前記基板の表面を照明するマクロ照明部と、
を備え、前記マクロ検査用ホルダは、前記基板搬送部による搬送方向と平行な回動軸を中心に回動することを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
前記基板搬送部は、前記基板載置部の端部であって基板の搬送方向と平行な端部に設けられ、
前記マクロ検査用ホルダの回動軸は、前記基板載置部の端部であって基板の搬送方向と平行な端部であり、かつ前記基板搬送部が設けられる端部とは異なる端部に設けられることを特徴とする請求項1に記載の基板検査装置。
【請求項3】
前記基板載置部は、
前記ミクロ検査部に対して上流側に設けられ、前記基板を搬入する基板搬入領域を有し、
前記マクロ検査用ホルダは、前記基板搬入領域に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の基板検査装置。
【請求項4】
前記基板載置部は、
前記ミクロ検査部に対して下流側に設けられ、前記基板を搬出する基板搬出領域を有することを特徴とする請求項3に記載の基板検査装置。
【請求項5】
前記基板載置部は、
前記ミクロ検査部に対して上流側に設けられ、前記基板を搬入する基板搬入領域と、
前記ミクロ検査部に対して下流側に設けられ、前記基板を搬出する基板搬出領域と、を有し、
前記マクロ検査用ホルダは、前記基板搬出領域に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の基板検査装置。
【請求項6】
検査する基板を載置し、吐出口から気体を吐出させて該基板を浮上させる機構を有する基板載置部と、前記基板をミクロ検査するミクロ検査部と、前記基板載置部上に浮上した前記基板を搬送する基板搬送部と、前記基板載置部に対して出没可能に設けられ、前記基板載置部上に浮上した前記基板を前記基板載置部の上面に対して傾斜して起こした状態で保持するマクロ検査用ホルダと、前記マクロ検査用ホルダで保持された前記基板の表面を照明するマクロ照明部と、を備える基板検査装置における基板検査方法であって、
基板搬入領域に基板を搬入する搬入ステップと、
基板保持部により前記基板を保持する第1基板保持ステップと、
前記基板を前記基板搬送部によりミクロ検査部に搬送する第1搬送ステップと、
前記基板をミクロ検査するミクロ検査ステップと、
ミクロ検査終了後、前記基板搬送部により前記基板をマクロ検査用ホルダまで搬送する第2搬送ステップと、
前記基板保持部による前記基板の保持を解除する第1保持解除ステップと、
前記基板をマクロ検査用ホルダで保持する第2基板保持ステップと、
前記基板をマクロ検査するマクロ検査ステップと、
前記マクロ検査用ホルダによる前記基板の保持を解除する第2保持解除ステップと、
前記第2保持解除ステップ後直ちに前記基板を搬出する搬出ステップと、
を含むことを特徴とする基板検査方法。
【請求項7】
検査する基板を載置し、吐出口から気体を吐出させて該基板を浮上させる機構を有する基板載置部と、前記基板をミクロ検査するミクロ検査部と、前記基板載置部上に浮上した前記基板を搬送する基板搬送部と、前記基板載置部に対して出没可能に設けられ、前記基板載置部上に浮上した前記基板を前記基板載置部の上面に対して傾斜して起こした状態で保持するマクロ検査用ホルダと、前記マクロ検査用ホルダで保持された前記基板の表面を照明するマクロ照明部と、を備える基板検査装置における基板検査方法であって、
基板搬入領域に基板を搬入する搬入ステップと、
前記搬入ステップ後直ちに前記基板をマクロ検査用ホルダで保持する第1基板保持ステップと、
前記基板をマクロ検査するマクロ検査ステップと、
前記マクロ検査用ホルダによる前記基板の保持を解除する第1保持解除ステップと、
基板保持部により前記基板を保持する第2基板保持ステップと、
前記基板搬送部により前記基板をミクロ検査部に搬送する第1搬送ステップと、
前記基板をミクロ検査するミクロ検査ステップと、
ミクロ検査終了後、前記基板搬送部により前記基板を基板搬出領域まで搬送する第2搬送ステップと、
前記基板保持部による前記基板の保持を解除する第2保持解除ステップと、
前記基板を搬出する搬出ステップと、
を含むことを特徴とする基板検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−79847(P2013−79847A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219297(P2011−219297)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】