説明

基板検査装置

【課題】1台で複数種類の基板をランダムに且つ効率よく検査することができる基板検査装置を提供する。
【解決手段】外寸が互いに異なる複数種類の基板10A〜Cをそれぞれセット可能な共通治具140が装着された基板載置部(支持台)130と、基板載置部上の基板を撮像する撮像手段110と、基板載置部上の基板の種類を識別する基板種別情報を取得する基板種別情報取得手段150と、複数種類の基板それぞれに対応する複数の検査用プログラムを記憶する記憶手段と、基板載置部上の検査対象の基板について取得された基板種別情報に基づいて、複数の検査用プログラムから基板に対応する検査用プログラムを選択して実行することにより、撮像手段による基板の撮像を行うとともに、撮像された基板の画像データを用いて基板の検査結果を出すように検査用データ処理を行う検査処理手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の基板を検査する基板検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の基板検査装置として、検査対象の基板の形状に合わせた専用治具を予め用意しておき、基板がセットされた専用治具を支持台上に装着し、支持台上の基板上に光を照射し、その基板を撮像して取得された画像により基板の外観を検査する装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004−226129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の基板検査装置では、複数種類の基板ごとに専用治具を用意しておき、検査対象の基板の種類を変えるときは支持台に装着する専用治具を交換する必要がある。また、検査対象の基板の種類を切り換える際には、オペレータが装置を操作することにより、基板の検査に用いる検査用プログラムを切り換える必要がある。そのため、上記従来の基板検査装置では、検査対象の基板の種類を変えるために煩雑な作業が必要となり、検査の効率を上げるために検査対象の基板の種類をロット単位で切り換える必要がある。
【0004】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、1台で複数種類の基板をランダムに且つ効率よく検査することができる基板検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、外寸が互いに異なる複数種類の基板を検査する基板検査装置であって、該複数種類の基板をそれぞれセット可能な共通治具が装着された基板載置部と、該基板載置部上の基板を撮像する撮像手段と、該基板載置部上の基板の種類を識別する基板種別情報を取得する基板種別情報取得手段と、該複数種類の基板それぞれに対応する複数の検査用プログラムを記憶する記憶手段と、該基板載置部上の検査対象の基板について取得された基板種別情報に基づいて、該複数の検査用プログラムから該基板に対応する検査用プログラムを選択して実行することにより、該撮像手段による該基板の撮像を行うとともに、該撮像された基板の画像データを用いて該基板の検査結果を出すように検査用データ処理を行う検査処理手段と、を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の基板検査装置において、上記記憶手段は、上記複数の検査用プログラムのうち上記複数種類の基板に共通に用いる部分を共通の検査用メインプログラムとして記憶するとともに、該複数種類の基板ごとに異なる部分を複数の検査用サブプログラムとして記憶し、上記検査処理手段は、上記検査用メインプログラムの実行を開始した後、上記取得された基板種別情報に基づいて上記複数種類の検査用サブプログラムから検査対象の基板に対応する検査用サブプログラムを選択して実行することを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1又は2の基板検査装置において、上記記憶手段は、上記複数種類の基板それぞれに対応する複数の検査判定用基準データを記憶し、上記検査処理手段は、上記取得された基板種別情報に基づいて上記複数の検査判定用基準データから検査対象の基板に対応する検査判定用基準データを選択して上記検査用データ処理に用いることを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれかの基板検査装置において、上記共通治具の面上に複数並ぶ程度の外寸を有する小サイズの基板を検査する場合、該小サイズの基板を複数セット可能な小サイズ基板用治具を、上記共通治具上に装着したことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかの基板検査装置において、上記検査処理手段は、上記基板載置部上の基板の基板種別情報に基づいて、該基板の検査対象面が片面か両面かを判定し、その判定結果に基づいて、上記基板の撮像と上記検査用データ処理とを行うことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかの基板検査装置において、上記基板種別情報取得手段は、検査対象の基板上に付されているコード画像を読み取り、該コード画像の画像データから該基板の基板種別情報を取得することを特徴とするものである。
なお、上記コード画像は、バーコード等の1次元的なコード画像でもいいし、JIS X 0510で規定されているQRコード(登録商標)等の2次元的なコード画像でもよい。
【0006】
請求項1の基板検査装置では、基板載置部に装着された共通治具に、複数種類の基板の任意の基板が検査対象としてセットされる。基板載置部上の基板の種類を識別する基板種別情報は、基板種別情報取得手段で取得される。検査処理手段では、その取得された基板種別情報に基づいて、記憶手段に記憶されている複数の検査用プログラムから上記検査対象の基板に対応する検査用プログラムが選択されて実行される。この検査用プログラムの実行により、撮像手段による基板の撮像が行われ、撮像された基板の画像データを用いて基板の検査結果を出すように検査用データ処理が行われる。
なお、上記基板の検査結果は、基板検査装置内の記憶手段に記憶するとともに基板検査装置に設けられた表示手段に表示してもよい。また、上記基板の検査結果は、基板検査装置とネットワークを介して通信可能なサーバ装置に出力してもよい。
【0007】
請求項2の基板検査装置では、検査用メインプログラムを複数種類の基板に共通に用いることができるとともに、その検査用メインプログラムから呼び出す複数種類の検査用サブプログラムを複数種類の基板それぞれに対応させている。このように検査用メインプログラムと複数種類の検査用サブプログラムとを組み合わせることにより検査に用いるプログラムの全体のサイズを小さくすることができる。
請求項3の基板検査装置では、複数種類の基板ごとに設定された適切な検査判定用基準データを用いて各基板の検査結果を出すことができる。
請求項4の基板検査装置では、上記共通治具を基板検査装置に装着したままの状態で、その共通治具に更に装着した小サイズ基板用治具上に小サイズの基板をセットすることにより、小サイズの基板を検査することができる。
請求項5の基板検査装置では、基板の検査対象面が片面か両面かにかかわらず、各基板の検査対象面を確実に検査することができる。
請求項6の基板検査装置では、基板種別情報を符号化したコード画像を基板に付しておき、そのコード画像を読み取ることにより、基板の基板種別情報を確実に取得することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板載置部に装着された共通治具に、複数種類の基板の任意の基板を検査対象としてセットするとともに、その基板載置部上の基板について取得された基板種別情報に基づいて、上記検査対象の基板に対応する検査用プログラムを、オペレータの操作を伴わずに自動選択して実行することができるので、1台で複数種類の基板をランダムに且つ効率よく検査することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る卓上型の基板外観検査装置の一例を示す外観図である。この基板外観検査装置は、本体部100とコンピュータ部200とを備え、少なくとも外寸が互いに異なる複数種類の基板の外観(部品の有無、部品等の位置ずれ、部品の姿勢、異物付着、はんだ付け部のショートやオープン等のはんだ付け不良、部品のリードやチップの浮き等)を検査することができる。
【0010】
上記本体部100は、ボックス状筐体101の内部に撮像部110及びその信号処理を行う撮像駆動部120を内蔵するとともに、ボックス状筐体101の前方部分に基板セット用の開口101aを有している。この開口101aを介して、基板載置部を構成する支持台130が前後移動可能に構成されている。支持台130は、その下端部が、本体部100の内部と手前側まで延出したベーステーブル部102上に設けられた1対のガイドレール103でガイドされることにより、ベーステーブル部102上の手前露出位置とボックス状筐体101の内部との間で移動可能になっている。また、支持台130は、図示しないボールネジやリニアモータ等で構成された制御可能な駆動部によってガイドレール103上で駆動できるようになっている。そして、その支持台130の上部には、検査対象の基板10がセットされる共通治具140が着脱可能に装着されている。また、支持台130上の基板10に付されている1次元コード画像であるバーコードや2次元コード画像を読み取る基板識別情報取得手段としてのハンディ型のバーコード読み取り装置(例えば、株式会社東研社製の2次元コードリーダーTHIR-3000シリーズ)150が、コンピュータ部200に接続されている。
【0011】
上記撮像部110は、例えば受光素子が1次元的(ライン状)に並んだCCD(電荷結合素子)型のラインセンサ及び受光レンズ等の光学系を有するラインセンサカメラで構成することができる。このラインセンサカメラは、検査対象の基板10の移動方向とは直行する方向(図1中の左右方向)にラインセンサが延在するように、ボックス状筐体101内に固定配置される。検査対象の基板10がセットされた支持台130を、基板セット用の開口101aを介して、ベーステーブル部102上の手前露出位置からボックス状筐体101の内部へ移動させるときに、上記ラインセンサカメラによって検査対象の基板10を上からライン状に順次撮像されることにより、基板10の全体の2次元的な画像が取得され、その画像データが撮像駆動部120内の所定の画像メモリ内に保存される。
【0012】
図2は、本実施形態の基板外観検査装置で検査することができる基板10A〜10Dの外形を示す説明図である。図3(a)は、これらの基板を共通にセットすることができる共通治具140の平面図、及び図3(b),(c)は、その断面図である。これらの基板10A〜10Dは、同一の製品で使用される4種類の基板であり、基板10上の部品と干渉しないように中央部に開口140bを有している。4種類の基板のうち、図中の左側に示す3種類の基板10A〜10Cの長さLa,Lb,Lcは同じであり、基板10Aの幅Waは基板10B,10Cの幅Wb,Wcよりも広い。また、基板10A,10Bの検査対象面は両面であるが、基板10Cの検査対象面は片面である。3種類の基板10A〜10Cの長さLa,Lb,Lcは同じであるので、図3に示すように各基板の長さ方向の端部を共通治具140の枠140aに合わせるように共通治具140上にセットすることができる。
【0013】
一方、基板10Dは、共通治具140の面上に少なくとも6個並ぶ程度の外寸を有する小サイズの基板である。この基板10Dは、図4(a)〜(c)に示す小サイズ基板専用治具145上に6個並べてセットされ、更に、その小サイズ基板専用治具145が上記共通治具140上にセットされる。なお、この小サイズの基板10Dの検査対象面は両面になっている。また、図4(a)〜(c)に示す小サイズ基板専用治具145も、基板10上の部品と干渉しないように中央部に開口145bを有している。
【0014】
上記コンピュータ部200は、上記本体部100の各部を制御したり本体部100から送られてきたデータを処理したりするコントローラとして機能し、例えばコンピュータ本体201、表示部としてのディスプレイ202、入力部としてのキーボード203及びマウス204、通信インターフェース等からなるパーソナルコンピュータで構成することができる。コンピュータ本体201は、例えばCPU等からなるデータ処理装置、記憶手段としてのRAMやROM等の内部メモリ、同じく記憶手段としてのHDDなどの外部記憶装置等で構成されている。
【0015】
図5は、上記コンピュータ部200のコンピュータ本体201で読み出されて実行される検査用プログラム210及び検査用データ220の一例を示す説明図である。検査用プログラム210は、上記複数種類の基板10A〜10Dに共通に用いる共通の検査用メインプログラム211と、複数種類の基板10A〜10Dごとに異なる複数の検査用サブプログラム212A〜212Dとで構成され、例えば上記外部記憶装置に保存されている。また、検査用データ220は、上記複数種類の基板10A〜10Dに共通に用いる検査用共通データ221と、複数種類の基板10A〜10Dごとに異なる複数の検査判定基準データを含む個別基板検査データ222A〜222Dとを用いて構成され、例えば上記外部記憶装置に保存されている。コンピュータ部200のコンピュータ本体201は、所定の基本ソフト(OS)が起動した状態で上記検査用メインプログラム211の実行を開始した後、上記バーコード読み取り装置150で取得された基板種別情報に基づいて複数の検査用サブプログラム212A〜212Dから検査対象の基板に対応する検査用サブプログラムを選択して実行することにより、検査処理手段として機能する。これらの検査用メインプログラム211、検査用サブプログラム212A〜212Dが実行される場合、所定のタイミングでそれぞれ対応する検査用共通データ221や検査判定基準データを含む個別基板検査データ222A〜222Dのいずれかが読み出されて用いられる。
【0016】
なお、上記検査用プログラムを実行して行われる基板の良否の判定方式としては、例えば2値化画像判定方式を用いることができる。この2値化画像判定方式は、標準基板(良品の基板)について予め得られた2値化画像の検査判定基準データと、検査対象の基板を撮影した測定画像について得られた2値化画像の測定結果である測定データとを比較することにより、検査対象の基板の良否を判定する方式である。上記2値化画像は、例えば、基板の画像の検査対象部分を矩形枠(検査ウィンドウ)で囲み、その矩形枠で囲まれた領域の画像について、予め設定した画像濃淡の閾値に基づいて2値化処理して得られる。そして、この2値化画像のレベル1の白部分又はレベル0の黒部分の画素(ピクセル)を評価分析することにより、上記測定データを得ることができる。2値画像の評価分析は、例えば、上記2値化画像のレベル1の白部分又はレベル0の黒部分の面積や所定方向の長さについて画素をカウントし、面積や長さのデータとして上記測定データを得るように行われる。また、測定データと比較される検査判定基準データは、例えば、基板の検査対象部分を定義する矩形枠(検査ウィンドウ)のデータと、その検査対象部分に実装されている部品のサイズ・形状等のデータとに基づいて、予め作成されている。この検査判定基準データの作成に用いられる各種部品のサイズ・形状等のデータは、ライブラリーとして、コンピュータ本体201の記憶手段やネットワーク上のサーバに格納し、検査対象の基板の種類に応じて基板に実装されている部品のデータを呼び出すようにしてもよい。また、上記検査判定基準データは、測定誤差を考慮して所定の幅を有するように設定される。そして、上記検査対象の基板について得られた2値化画像の測定データが検査判定基準データの範囲内に入っているときは「合格」と判定し、一方、上記測定データが検査判定基準データの範囲から外れているときは「不合格」と判定する。
【0017】
また、上記検査用プログラムを実行して行われる基板の良否の判定方式としては、画像マッチング方式を用いてもよい。この場合、上記検査判定基準データとしては、例えば合格レベルにある標準の基板10A〜10Cについて予め撮像された基準画像データが用いられる。基準画像データは、検査対象の基板について撮像された測定画像データと比較するように画像処理が実行され、例えば基板上の部品の形状、位置及び姿勢、半田付け部の形状等に所定の誤差以上の相違点があったときには不合格の検査結果が出される。
【0018】
図6は、本実施形態の基板外観検査装置を用いて基板の外観を検査するときの処理の一例を示すフローチャートである。まず、オペレータがコンピュータ部200を操作し、検査用メインプログラムを起動し、本体部100の支持台130上に装着されている共通治具140又は小サイズ基板専用治具145に検査対象の基板10をセットし、検査開始の操作を行うとともに、バーコード読み取り装置150で基板10のコード画像を読み取る(S1〜S4)。これにより、バーコード読み取り装置150によって読み取られた基板10のコード画像の読み取り結果が、基板識別情報として画像コンピュータ部200に送られる(S4)。コンピュータ部200は、バーコード読み取り装置150で取得した基板識別情報に基づいて、検査対象の基板の種別の切替があったか否かを判断する(S5)。検査対象の基板の種別の切替があった場合には、検査対象の基板に対応する検査用サブプログラム及び検査用データ(検査判定基準データなど)を選択して読み出すことにより、検査用サブプログラム及び検査用データを切り換える(S6)。
【0019】
なお、検査用メインプログラムの起動後における最初の基板の検査の場合は、上記ステップS5の判断を行わずに、検査対象の基板に対応する検査用サブプログラム及び検査用データ(検査判定基準データなど)を選択して読み出す処理を行う(S6)。
【0020】
次に、コンピュータ部200は、上記検査対象の基板に対応する検査用サブプログラムを実行し上記検査用データを用いることにより、撮像駆動部120を制御する。そして、基板がセットされた支持台13をオペレータがベーステーブル部102上の手前露出位置からボックス状筐体101の内部に押し込むことにより、撮像部110によって基板の撮像が行われる(S7)。撮像部110で撮像されて生成された基板の画像データは、撮像駆動部120からコンピュータ部200に送られて所定の記憶装置に一旦保存される(S8)。次に、コンピュータ部200は、上記検査用サブプログラムの実行により、上記撮像された画像データについて所定の検査判定用データを用いた検査用データ処理を行う(S9)。この検査用データ処理で得られた検査結果は所定の記憶装置に保存されるとともに、ディスプレイ202に表示される(S10)。検査結果の表示は、例えば合格の場合に「OK」と表示し、不合格の場合は「NG」と表示するとともにその不合格となった箇所の画像を表示するように行われる。
【0021】
次に、コンピュータ部200は、上記バーコード読み取り装置150で取得した基板識別情報と、上記読み出した検査対象の基板に対する検査用データとに基づいて、基板の裏面についても外観検査を行うか否かすなわち検査対象面が両面か否かを判定する(S11)。ここで、基板の裏面についても外観検査を行うと判定した場合、すなわち検査対象面が両面であると判定した場合(S11でYes)は、その旨がディスプレイ202に表示される。その表示を見たオペレータが検査対象の基板を裏返して共通治具140又は小サイズ基板専用治具145上にセットし直し、所定の検査継続の操作を行うと、上記ステップS7〜S10が繰り返される。
【0022】
次に、コンピュータ部200は、上記検査対象の基板の検査が終了したら、次の検査対象の基板があるか否かをオペレータに確認する画面をディスプレイ202に表示する。ここで、次の検査対象の基板がない場合(S13でNo)は、一連の基板外観検査を終了する。一方、次の検査対象の基板がある旨を指示するオペレータの操作があった場合(S13でYes)は、上記ステップS2から繰り返される。
【0023】
以上、本実施形態によれば、支持台130に装着された共通治具140に、複数種類の基板10の任意の基板を検査対象としてセットするとともに、その検査対象の基板について取得された基板種別情報に基づいて、当該基板に対応する検査用サブプログラムを、オペレータの操作を伴わずに自動選択して実行することができるので、1台で複数種類の基板をランダムに且つ効率よく検査することができる。
また、本実施形態によれば、検査用メインプログラム211を複数種類の基板に共通に用いることができるとともに、その検査用メインプログラム211から呼び出す複数種類の検査用サブプログラム212A〜212Dを複数種類の基板10A〜10Dそれぞれに対応させている。このように検査用メインプログラム211と複数種類の検査用サブプログラム212A〜212Dとを組み合わせることにより検査に用いるプログラムの全体のサイズを小さくすることができる。
また、本実施形態によれば、複数種類の基板10A〜10Dごとに設定された適切な検査判定用基準データ(例えば標準基板の画像データ)を用いて各基板の検査結果を出すことができる。
また、本実施形態によれば、上記共通治具140を基板検査装置に装着したままの状態で、その共通治具140に更に装着した小サイズ基板用治具145上に小サイズ基板10Dをセットすることにより、小サイズ基板10Dを検査することができる。
また、本実施形態によれば、基板の検査対象面が片面か両面かにかかわらず、各基板の検査対象面を確実に検査することができる。
また、本実施形態によれば、基板種別情報を符号化したバーコードを各基板に付しておき、そのバーコードをバーコード読み取り装置150で読み取ることにより、各基板の基板種別情報を確実に取得することができる。
【0024】
なお、上記実施形態において、共通治具140及び小サイズ基板用治具145の枠140a,145aの一部に、基板の端部から外側に突出するように装着された部品との干渉を防止するための切り欠き部を設けてもよい。例えば、図7(a)及び(b)に示すように、共通治具140の枠140aにおける基板10Aの長手方向両端部が対向する部分に切り欠き部140cを設ける。これにより、基板10Aの長手方向両端部に部品11が外側に突出するように装着されていたとしても、その部品11は共通治具140の枠140aの切り欠き部140cに位置することになるので、基板10Aの長手方向両端部にある部品11と共通治具140の枠140aとの干渉を防止することできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る卓上型の基板外観検査装置の一例を示す外観図。
【図2】基板外観検査装置で検査することができる複数種類の基板の外形を示す説明図。
【図3】(a)は基板を共通にセットすることができる共通治具の平面図。(b)及び(c)はその共通治具の断面図。
【図4】(a)は小サイズ基板をセットすることができる小サイズ専用共通治具の平面図。(b)及び(c)はその小サイズ専用共通治具の断面図。
【図5】検査用プログラム及び検査用データの一例を示す説明図。
【図6】基板外観検査装置を用いて基板の外観を検査するときの処理の一例を示すフローチャート。
【図7】(a)は変形例に係る共通治具の平面図。(b)はその共通治具の断面図。
【符号の説明】
【0026】
10(10A〜10D) 基板
11 部品
100 本体部
101 ボックス状筐体
102 ベーステーブル部
103 ガイドレール
110 撮像部
120 撮像駆動部
130 支持台
140 共通治具
150 バーコード読み取り部
200 コンピュータ部
201 コンピュータ本体
202 ディスプレイ
210 検査用プログラム
211 検査用メインプログラム
212A〜212D 検査用サブプログラム
220 検査用データ
221 検査用共通データ
222A〜222D 個別基板検査データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外寸が互いに異なる複数種類の基板を検査する基板検査装置であって、
該複数種類の基板をそれぞれセット可能な共通治具が装着された基板載置部と、
該基板載置部上の基板を撮像する撮像手段と、
該基板載置部上の基板の種類を識別する基板種別情報を取得する基板種別情報取得手段と、
該複数種類の基板それぞれに対応する複数の検査用プログラムを記憶する記憶手段と、
該基板載置部上の検査対象の基板について取得された基板種別情報に基づいて、該複数の検査用プログラムから該基板に対応する検査用プログラムを選択して実行することにより、該撮像手段による該基板の撮像を行うとともに、該撮像された基板の画像データを用いて該基板の検査結果を出すように検査用データ処理を行う検査処理手段と、
を備えたことを特徴とする基板検査装置。
【請求項2】
請求項1の基板検査装置において、
上記記憶手段は、上記複数の検査用プログラムのうち上記複数種類の基板に共通に用いる部分を共通の検査用メインプログラムとして記憶するとともに、該複数種類の基板ごとに異なる部分を複数の検査用サブプログラムとして記憶し、
上記検査処理手段は、上記検査用メインプログラムの実行を開始した後、上記取得された基板種別情報に基づいて上記複数の検査用サブプログラムから検査対象の基板に対応する検査用サブプログラムを選択して実行することを特徴とする基板検査装置。
【請求項3】
請求項1又は2の基板検査装置において、
上記記憶手段は、上記複数種類の基板それぞれに対応する複数の検査判定用基準データを記憶し、
上記検査処理手段は、上記取得された基板種別情報に基づいて上記複数の検査判定用基準データから検査対象の基板に対応する検査判定用基準データを選択して上記検査用データ処理に用いることを特徴とする基板検査装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかの基板検査装置において、
上記共通治具の面上に複数並ぶ程度の外寸を有する小サイズの基板を検査する場合、該小サイズの基板を複数セット可能な小サイズ基板用治具を、上記共通治具上に装着したことを特徴とする基板検査装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかの基板検査装置において、
上記検査処理手段は、上記基板載置部上の基板の基板種別情報に基づいて、該基板の検査対象面が片面か両面かを判定し、その判定結果に基づいて、上記基板の撮像と上記検査用データ処理とを行うことを特徴とする基板検査装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかの基板検査装置において、
上記基板種別情報取得手段は、検査対象の基板上に付されているコード画像を読み取り、該コード画像の画像データから該基板の基板種別情報を取得することを特徴とする基板検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−103661(P2009−103661A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−277881(P2007−277881)
【出願日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(593128172)リコーマイクロエレクトロニクス株式会社 (52)
【Fターム(参考)】