説明

基板洗浄方法及び基板洗浄装置

【課題】半導体ウエハ等の基板を洗浄する際に、基板に十分な薬液を供給すると共に、除去対象物を基板に再付着させることなく除去する。
【解決手段】基板洗浄装置は、薬液カップ13と、薬液カップ13内に薬液を供給する第1の吐出口15と、薬液カップ13から薬液を排出するための排液口14とを備える。薬液カップ13内に、薬液カップ13の底部から離れて略水平に基板12が配置される。第1の吐出口15から供給される薬液が薬液カップ13内に蓄積されて基板12の下面と接触することにより、該下面の洗浄を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の基板を洗浄する際の基板洗浄方法及びそのための基板洗浄装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置等の製造において、基板上には、洗浄等により除去するべき除去対象物が発生する。代表的な除去対象物は、基板上に成膜された絶縁膜及び金属膜にウェットエッチング、ドライエッチング、アッシング等の処理を行なう際に発生する残渣、フォトレジスト、パーティクル、金属汚染、有機物汚染等である。このような除去対象物を取り除く方法として、基板を薬液槽内に浸して洗浄する方法及び基板を回転させながら薬液を投入する方法が知られている。
【0003】
このうち、近年では、基板を回転させながら薬液を投入する方法が多用されている。これは、基板の大型化及び多品種少量生産等の生産形態の変化に伴う短TAT(Turn-around time)生産化、薬液使用量の減少に伴う低コスト化等の生産性向上と、除去した除去対象物、エッチングによって発生した副生物等の基板に対する再付着抑制といったプロセス課題克服のためである。
【0004】
しかし、例えばドライエッチング処理で発生した残渣(特に、メタルゲート形成のドライエッチング工程で発生する残渣)に対しては、薬液と残渣との十分な反応時間、十分な反応種量(薬液量)が必要であり、基板を回転させながら薬液を投入する方法では除去性が不十分である。
【0005】
そこで、基板を回転させながら薬液を投入する方法で且つ基板上に薬液の表面張力のみによって液盛りをする洗浄方法がしばしば採用されている。しかし、基板上に薬液を液盛りするだけでは、除去した汚染物資及びエッチングによって発生した副生成物が、液盛り中に、自重により基板へ再付着してしまう。また、薬液の表面張力のみによる液盛りでは薬液量が少なく、その結果として、やはり洗浄性能が十分ではない。
【0006】
かかる点を考慮して、図4に示すような構成の基板洗浄装置及びそれを用いた基板洗浄方法が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
図4に示す基板洗浄装置及びそれを用いた基板洗浄方法は、基板212の載置された支持台214を回転機構216により回転させながら、基板212に薬液を供給し、基板212を洗浄するものである。該方法は、基板212に対して第1の薬液吐出ノズル218から第1の薬液を供給し、基板212の上面に第1の薬液を盛る工程と、第1の薬液が盛られた基板212上面に対して第2の薬液吐出ノズル220から第2の薬液を供給し、2流体ジェット洗浄法により基板212を洗浄する工程とを有する。これらの工程を処理することにより、基板212から除去対象物を除去している。
【特許文献1】特開2008−226900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、図4に示す基板洗浄方法及び基板洗浄装置を用いても、薬液と除去対象物との反応中に除去された除去対象物が、自重によって基板に再付着すること自体を十分に抑制することはできない。また、図4に示す基板洗浄方法及び基板洗浄装置の場合、薬液の表面張力のみによって基板上に薬液を盛ることについては従来と同様である。このため、薬液供給量が不足し、洗浄性能が低下するという課題もある。
【0009】
以上に鑑み、本発明の目的は、基板に十分な薬液を供給すると共に、洗浄、ウェットエッチング等の対象物と、洗浄、ウェットエッチング処理によって生成した副生成物とについて、基板に再付着させることなく除去するための基板洗浄装置及び基板洗浄方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の目的を達成するため、本発明に係る基板洗浄装置は、薬液カップと、薬液カップ内に薬液を供給する第1の吐出口と、薬液カップから薬液を排出するための排液口とを備え、薬液カップ内に、薬液カップの底部から離れて略水平に基板が配置され、第1の吐出口から供給される薬液が薬液カップ内に蓄積されて基板の下面と接触することにより、該下面の洗浄を行なう。
【0011】
本発明の基板洗浄装置によると、薬液カップに蓄積された薬液の液面を基板裏面に接触させることによって、十分な量の薬液を基板に対して供給することができる。このため、表面張力によって薬液を盛る場合等に比べて、高い洗浄効果を実現することができる。また、基板に対して下面から薬液を接触させて洗浄を行なうことから、基板から除去された除去対象物は自重によって薬液カップの底部に沈む。このため、除去された除去対象物が基板の下面に再付着するのを抑制することができる。
【0012】
尚、基板の下面とは、洗浄の際に下を向いている面を意味する。また、基板の下面に対し、薬液カップに蓄積された薬液の液面が概ね均等に接する程度に基板が水平になっていれば、基板が略水平に配置されていると考えることができる。
【0013】
また、薬液カップに配置された基板の上面に薬液を供給する第2の吐出口を更に備えることが好ましい。
【0014】
このようにすると、薬液を基板上面にも供給することができる。特に、洗浄液を用いた洗浄の後、リンス処理を行なう際に、基板上面にまで回り込んでいた洗浄液をリンス液によって洗い流すことができる。
【0015】
また、基板を上下反転させる基板反転機構と、基板反転機構と薬液カップとに基板を搬送する基板搬送機構とを更に備えることが好ましい。
【0016】
このようにすると、基板における任意の面を洗浄することができる。特に、基板の一方の面にデバイスが形成されている場合、通常は該面を上にして基板処理装置に基板が搬入されるが、基板の反転によりデバイスの形成された面を下にして該面を洗浄することができる。
【0017】
また、薬液として、少なくとも洗浄液及びリンス液を供給することが好ましい。これにより、洗浄液による洗浄処理及びリンス液によるリンス処理を行なうことができる。
【0018】
また、薬液は、純水、炭酸水、水素水、オゾン水及び過酸化水素水の少なくとも一つを含む液体と、フッ化水素酸、硝酸、塩酸及び硫酸の少なくとも一つを含む液体と、アンモニアを含むアルカリ溶液からなる液体と、界面活性剤を含む溶剤及び有機溶剤の少なくとも一つを含む液体とからなる液体群から選ばれた一つの液体又は少なくとも2つの液体の組み合わせであることが好ましい。
【0019】
具体的な薬液の例として、このようなものを挙げることができる。
【0020】
また、薬液は、薬液カップと基板とによって構成される空間を充填するように供給されることが好ましい。これにより、基板の下面を確実に洗浄することができる。
【0021】
第1の吐出口及び排液口は、薬液カップの底部に設けられていることが好ましい。これにより、基板の配置された薬液カップ内に基板の下方から薬液を供給すること、薬液カップから排液して空にすることができる。
【0022】
また、薬液カップは、上方に向かって広くなるように傾斜した側面を有することが好ましい。このような薬液カップを用いると、傾斜した側面に基板の外周端が接するように基板を配置することにより、薬液カップの底部から離れて略水平に基板を配置すると共に、基板の下方に薬液が充填される空間を設けることができる。
【0023】
前記の目的を達成するため、本発明の基板洗浄装置を用いる第1の基板洗浄方法は、基板を薬液カップ内に配置する工程(a)と、第1の吐出口から供給される薬液として洗浄液を薬液カップ内に蓄積し、基板の下面に接触させることにより、該下面の洗浄を行なう工程(b)と、工程(b)の後に、排液口から洗浄液を排出する工程(c)とを備える。
【0024】
第1の基板洗浄方法によると、基板に対して下面から十分な量の洗浄液を接触させて基板の洗浄を行なうことができるため、高い洗浄効果が得られる。また、基板から除去された除去対象物は自重によって薬液カップの底部に沈むため、除去対象物が基板の下面に再付着するのを抑制することができる。
【0025】
尚、工程(c)の後に、第1の吐出口から供給される薬液としてリンス液を薬液カップ内に蓄積し、基板の下面に接触させることにより、該下面のリンス処理を行なう工程(d)と、工程(d)の後に、排液口からリンス液を排出する工程(e)とを備えることが好ましい。
【0026】
このようにすると、洗浄液による洗浄の後に行なうリンス処理の際にも、十分な量のリンス液を基板下面に接触させてリンス処理を行なうことができると共に、除去対象物が基板下面に再付着するのを防ぐことができる。
【0027】
前記の目的を達成するため、第2の基板洗浄方法は、薬液カップ内に配置された基板の上面に薬液を供給する第2の吐出口を備える本発明の基板洗浄装置を用いる。該基板洗浄方法は、基板を薬液カップに配置する工程(a)と、第1の吐出口から供給される薬液として洗浄液を薬液カップ内に蓄積し、基板の下面に接触させることにより、該下面の洗浄を行なう工程(b)と、工程(b)の後に、排液口から洗浄液を排出する工程(c)と、工程(c)の後に、第1の吐出口から供給される薬液としてリンス液を薬液カップ内に蓄積し、基板の下面に接触させることにより、該下面のリンス処理を行なうと共に、第2の吐出口から薬液としてリンス液を基板の上面に供給して該上面のリンス処理を行なう工程(d)と、工程(d)の後に、排液口からリンス液を排出する工程(e)とを備える。
【0028】
第2の洗浄方法によると、工程(b)において洗浄液が基板の上面にまで回り込んだとしても、工程(d)において、上面についてもリンス処理を行なうことができる。
【0029】
前記の目的を達成するため、本発明の第3の基板洗浄方法は、基板を上下反転させる基板反転機構と、基板反転機構と薬液カップとに基板を搬送する基板搬送機構とを更に備える本発明の基板洗浄装置を用いる。該基板洗浄方法は、基板装置内に搬入された基板を、基板反転機構によって上下反転した後、基板搬送機構によって薬液カップ内に配置する工程(a)と、第1の吐出口から供給される薬液として洗浄液を薬液カップ内に蓄積し、基板の下面に接触させることにより、該下面の洗浄を行なう工程(b)と、工程(b)の後に、排液口から洗浄液を排出する工程(c)とを備える。
【0030】
尚、工程(b)において洗浄される下面は、基板におけるデバイスの形成された面であることが好ましい。
【0031】
第3の洗浄方法によると、基板洗浄装置に搬入された際には上を向いていた面(例えば、デバイスの形成された面)について、基板を上下反転させて洗浄することができる。
【0032】
尚、薬液として、純水、炭酸水、水素水、オゾン水及び過酸化水素水の少なくとも一つを含む液体と、フッ化水素酸、硝酸、塩酸及び硫酸の少なくとも一つを含む液体と、アンモニアを含むアルカリ溶液からなる液体と、界面活性剤を含む溶剤及び有機溶剤の少なくとも一つを含む液体とからなる液体群から選ばれた一つの液体又は少なくとも2つの液体の組み合わせであることが好ましい。
【0033】
具体的な薬液の例として、このようなものを挙げることができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明の基板洗浄装置及び基板洗浄方法によると、基板に十分な薬液を供給して処理を行なうことができると共に、洗浄、ウェットエッチング等の対象物と、洗浄、ウェットエッチング処理によって生成した副生成物とについて、基板に再付着させることなく除去することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0036】
尚、以下において、基板の表面・裏面とは、基板が有する2つの主面を区別するために、一方(例えば、デバイスの形成されている面)を表面、他方を裏面と呼ぶものである。これに対し、上面・下面とは、表面・裏面とは無関係に、基板を処理する際に上を向いている面を上面、下を向いている面を下面と呼ぶものである。
【0037】
まず、図1に、本実施形態の基板洗浄装置10の概略を示す。基板洗浄装置10は、基板の洗浄処理を行なう洗浄処理チャンバー11と、基板の搬送を行なう基板搬送機構20と、基板の上下反転を行なう基板反転機構30と、基板の乾燥を行なう基板乾燥チャンバー40とを備えている。
【0038】
次に、図2は、洗浄処理チャンバー11の要部の構成を模式的に示す断面図である。洗浄処理チャンバー11は、薬液が供給される薬液カップ13を備える。薬液カップ13の底部には、薬液カップ13に薬液を吐出して蓄積するための第1の吐出口15と、薬液カップ13に蓄積された薬液を排出するための急速排液機構14とが設けられている。第1の吐出口15は、薬液として、洗浄液及びリンス液を個別に吐出することができる。
【0039】
尚、同一の第1の吐出口15から洗浄液及びリンス液の両方を吐出する構成であっても良いし、洗浄液を吐出する第1の吐出口15と、リンス液を吐出する第1の吐出口15とを個別に備えている構成であっても良い。
【0040】
また、薬液カップ13に対し、底面から離れて略水平に、半導体ウエハ等の基板12が配置されるようになっている。例えば、薬液カップ13が上に向かって広くなるように傾斜した側面13aを有しており、この側面13aに外周端が接するように基板12を置くことによって固定する。これによって、基板12が略水平となり、且つ、薬液カップ13にける基板12の下方に薬液の充填される空間を得ることができる。
【0041】
また、例えば洗浄処理チャンバー11の側面に第2の吐出口が設けられ、薬液カップ13に配置された基板12の上面に、リンス液等の薬液を吐出することができる。
【0042】
次に、図3(a)及び(b)に、以上のような基板洗浄装置10を用いて洗浄処理を行なう際のフロー図の2つの例を示す。
【0043】
このうちの図3(a)は、デバイスが形成されていない基板の裏面を洗浄するときの洗浄フローの一例である。この洗浄フローについて、以下に説明する。
【0044】
まず、基板洗浄装置10に備えられた基板搬送機構20により基板12を洗浄処理チャンバー11に搬送し(101)、薬液カップ13に基板12を設置する(102)。この際、基板12の裏面を下面にして(つまり、下方に向けて)固定する。
【0045】
次に、薬液カップ13の底部に設けられた第1の吐出口15から洗浄液を吐出し、薬液カップ13内に充填する(103)。薬液カップ13内で且つ基板12下方の空間が洗浄液によって満たされると、下面になっている基板12の裏面に洗浄液が接触し、洗浄処理が開始される(104)。
【0046】
このとき、第1の吐出口15は、基板12の裏面に直接接触するように洗浄液を吐出しても良い。例えば、基板12の裏面について、スプレー状に洗浄液を直接吹き付けることにより、薬液カップ13が洗浄液によって満たされる前に濡らしておく。このようにすると、洗浄液と基板12の裏面との密着性を向上することができる。
【0047】
このような方法によって洗浄処理を行なうことにより、基板12の裏面に十分な量の洗浄液を供給し、高い洗浄効果を得ることができる。また、基板12の裏面から除去された除去対象物は、自重によって洗浄液中に沈み、薬液カップ13の底部に移動する。このため、除去対象物が基板12の裏面に再付着するのを避けることができる。
【0048】
このような洗浄液を用いた洗浄処理の後、使用済みの洗浄液を急速排液機構14によって排液する(105)。
【0049】
次に、第1の吐出口15から薬液としてリンス液を吐出し(106)、薬液カップ13内に蓄積したリンス液によって基板12の裏面のリンス処理を行なう(107)。この際、洗浄処理チャンバー11の側面に設けられた第2の吐出口16からもリンス液を吐出しても良い。このようにすると、基板12の上面側に回り込んだ洗浄液があった場合に、これを洗い流すことができる。
【0050】
次に、基板搬送機構20を用いて薬液カップ13から基板12を取り外し、基板乾燥チャンバー40に搬送(108)して乾燥を行なう(109)。その後、次の工程のために基板12を搬送する(110)。
【0051】
以上のようにして、本実施形態の基板洗浄装置10を用いた基板洗浄が行なわれる。
【0052】
次に、図3(b)は、デバイスが形成されている基板について、表面(デバイスの形成されている面)を洗浄する際の洗浄フローの一例である。この洗浄フローについて、以下に説明する。
【0053】
まず、基板洗浄装置10に備えられた基板搬送機構20により、基板12を基板反転機構30に搬送する(101)。基板反転機構30は、デバイスが形成されている表面が下面となるように(つまり、下方を向くように)基板12の上下を反転させる(121)。その後、基板搬送機構20により基板12を洗浄処理チャンバー11に搬送し(122)、基板12の表面が下面となるように、薬液カップ13に設置する(102)。
【0054】
この後、洗浄液充填(103)、洗浄処理(104)、洗浄液排液(105)、リンス液充填(106)、リンス処理(107)、搬送(108)及び乾燥(109)については、先に説明した図3(a)の洗浄フローの場合と同様である。但し、図3(b)の洗浄フローの場合、基板12におけるデバイスの形成された表面を下面として薬液カップ13に設置しているのであるから、洗浄処理及びリンス処理は該表面に対して行なわれる。
【0055】
基板12の乾燥を終えた後、基板搬送機構20により基板12を基板反転機構30に搬送し(123)、基板反転機構30によって上下反転させる(124)。その後、その後、次の工程のために基板12を搬送する(110)。
【0056】
以上のような図3(b)の洗浄フローによると、基板12の基板12の表面に十分な量の洗浄液を供給し、高い洗浄効果を得ることができる。また、基板12の表面から除去された除去対象物は、自重によって洗浄液中に沈み、薬液カップ13の底部に移動する。このため、除去対象物が基板12の表面に再付着するのを避けることができる。
【0057】
尚、洗浄処理により除去される除去対象物としては、基板上に成膜された絶縁膜及び金属膜、ウェットエッチング、ドライエッチング、アッシング等の洗浄前のプロセスにおいて発生する残渣、フォトレジスト、パーティクル、パーティクル、金属汚染、有機物汚染等が挙げられる。
【0058】
また、薬液としては、純水、炭酸水、水素水、オゾン水及び過酸化水素水の少なくとも一つを含む液体、フッ化水素酸、硝酸、塩酸及び硫酸の少なくとも一つを含む液体、アンモニアを含むアルカリ溶液からなる液体、界面活性剤を含む溶剤及び有機溶剤の少なくとも一つを含む液体等を用いることができる。更に、これらの液体の少なくとも2つを組み合わせた液体を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の基板洗浄装置及び基板洗浄方法は、基板を洗浄する際に十分な量の薬液を基板に接触させることができると共に、一度除去された除去対象物が基板に再付着するのを避ける効果を有し、特に、十分や薬液量及び除去対象物と薬液との反応時間を要する洗浄工程において有用である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る例示的基板洗浄装置を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る例示的基板洗浄装置の洗浄処理チャンバーを示す概略図である。
【図3】図3(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る基板洗浄方法の例示的洗浄フロー図である。
【図4】図4は、従来技術における基板洗浄装置を示す概略図である。
【符号の説明】
【0061】
10 基板洗浄装置
11 洗浄処理チャンバー
12 基板
13 薬液カップ
13a 側面
14 急速排液機構
15 第1の吐出口
16 第2の吐出口
20 基板搬送機構
30 基板反転機構
40 基板乾燥チャンバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬液カップと、
前記薬液カップ内に薬液を供給する第1の吐出口と、
前記薬液カップから前記薬液を排出するための排液口とを備え、
前記薬液カップ内に、前記薬液カップの底部から離れて略水平に基板が配置され、
前記第1の吐出口から供給される前記薬液が前記薬液カップ内に蓄積されて前記基板の下面と接触することにより、該下面の洗浄を行なうことを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記薬液カップに配置された前記基板の上面に薬液を供給する第2の吐出口を更に備えることを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記基板を上下反転させる基板反転機構と、
前記基板反転機構と前記薬液カップとに前記基板を搬送する基板搬送機構とを更に備えることを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一つにおいて、
前記薬液として、少なくとも洗浄液及びリンス液を供給することを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つにおいて、
前記薬液は、
純水、炭酸水、水素水、オゾン水及び過酸化水素水の少なくとも一つを含む液体と、
フッ化水素酸、硝酸、塩酸及び硫酸の少なくとも一つを含む液体と、
アンモニアを含むアルカリ溶液からなる液体と、
界面活性剤を含む溶剤及び有機溶剤の少なくとも一つを含む液体とからなる液体群から選ばれた一つの液体又は少なくとも2つの液体の組み合わせであることを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一つにおいて、
前記薬液は、前記薬液カップと前記基板とによって構成される空間を充填するように供給されることを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一つにおいて、
前記第1の吐出口及び前記排液口は、前記薬液カップの底部に設けられていることを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一つにおいて、
前記薬液カップは、上方に向かって広くなるように傾斜した側面を有することを特徴とする基板洗浄装置。
【請求項9】
請求項1〜3のいずれか一つの基板洗浄装置を用いた基板洗浄方法であって、
前記基板を前記薬液カップ内に配置する工程(a)と、
前記第1の吐出口から供給される前記薬液として洗浄液を前記薬液カップ内に蓄積し、前記基板の下面に接触させることにより、該下面の洗浄を行なう工程(b)と、
前記工程(b)の後に、前記排液口から前記洗浄液を排出する工程(c)とを備えることを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項10】
請求項9において、
前記工程(c)の後に、前記第1の吐出口から供給される前記薬液としてリンス液を前記薬液カップ内に蓄積し、前記基板の下面に接触させることにより、該下面のリンス処理を行なう工程(d)と、
前記工程(d)の後に、前記排液口から前記リンス液を排出する工程(e)とを備えることを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項11】
請求項2の基板洗浄装置を用いた基板洗浄方法であって、
前記基板を前記薬液カップ内に配置する工程(a)と、
前記第1の吐出口から供給される前記薬液として洗浄液を前記薬液カップ内に蓄積し、前記基板の下面に接触させることにより、該下面の洗浄を行なう工程(b)と、
前記工程(b)の後に、前記排液口から前記洗浄液を排出する工程(c)と、
前記工程(c)の後に、前記第1の吐出口から供給される前記薬液としてリンス液を前記薬液カップ内に蓄積し、前記基板の下面に接触させることにより、該下面のリンス処理を行なうと共に、前記第2の吐出口から前記薬液としてリンス液を前記基板の上面に供給して該上面のリンス処理を行なう工程(d)と、
前記工程(d)の後に、前記排液口から前記リンス液を排出する工程(e)とを備えることを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項12】
請求項3の基板洗浄装置を用いた基板洗浄方法であって、
前記基板洗浄装置内に搬入された前記基板を、前記基板反転機構によって上下反転した後、前記基板搬送機構によって前記薬液カップ内に配置する工程(a)と、
前記第1の吐出口から供給される前記薬液として洗浄液を前記薬液カップ内に蓄積し、前記基板の下面に接触させることにより、該下面の洗浄を行なう工程(b)と、
前記工程(b)の後に、前記排液口から前記洗浄液を排出する工程(c)とを備えることを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項13】
請求項12において、
前記工程(b)において洗浄される前記下面は、前記基板におけるデバイスの形成された面であることを特徴とする基板洗浄方法。
【請求項14】
請求項9〜13のいずれか一つにおいて、
前記薬液として、
純水、炭酸水、水素水、オゾン水及び過酸化水素水の少なくとも一つを含む液体と、
フッ化水素酸、硝酸、塩酸及び硫酸の少なくとも一つを含む液体と、
アンモニアを含むアルカリ溶液からなる液体と、
界面活性剤を含む溶剤及び有機溶剤の少なくとも一つを含む液体とからなる液体群から選ばれた一つの液体又は少なくとも2つの液体の組み合わせであることを特徴とする基板洗浄方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−219138(P2010−219138A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61498(P2009−61498)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】