説明

基板洗浄装置

【課題】洗浄液としてのキレート過水液の濃度変化を抑制することが可能であり、その結果、使用するキレート過水液の材料費を低減することが可能な基板洗浄装置を提供する。
【解決手段】基板洗浄装置1Aは、循環路と、濃度センサ21と、制御部26とを備える。循環路は、キレート過水液100を用いてガラス基板200の洗浄を行なう洗浄槽10と、キレート過水液100を一時的に貯留する貯留槽16と、これら洗浄槽10および貯留槽16を接続する送り管18および戻し管15とを含んでいる。濃度センサ21は、キレート過水液100の濃度を検出するためのものであり、送り管18に設けられている。制御部26は、濃度センサ21によって検出された濃度情報に基づいて所定量の純水を貯留槽16に供給することでキレート過水液100の濃度管理を行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化剤とキレート剤とを含む水溶液からなる洗浄液を用いて基板を洗浄する基板洗浄装置に関し、特に、液晶パネルの製造過程で利用されるキレート過水液を用いた基板洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、液晶パネルや半導体集積回路の製造過程においては、フォトリソグラフィ工程が多用される。このフォトリソグラフィ工程において生じる残渣は、歩留まりの低下等の原因となるため、通常は洗浄液を用いた洗浄工程において除去される。基板洗浄装置は、この洗浄工程において使用される装置であり、基板の表面に洗浄液を供給することで基板上に残存するフォトレジスト等の残渣を取り除くものである。
【0003】
液晶パネル用のガラス基板の洗浄液として、酸化剤とキレート剤とを含む洗浄液が好適に利用される(たとえば、特開2000−171985号公報(特許文献1)等参照)。酸化剤としては、好適に過酸化水素水が利用され、特に過酸化水素水とキレート剤とを含む水溶液は、キレート過水液と称される。従来、このキレート過水液を洗浄液として使用する基板洗浄装置としては、図3に示す如くの構成のものが利用されていた。
【0004】
図3に示すように、従来の基板洗浄装置1Bは、キレート過水液100を用いてガラス基板200の洗浄を行なう洗浄槽10と、キレート過水液100を一時的に貯留する貯留槽16と、これら洗浄槽10および貯留槽16を接続する送り管18および戻し管15とを含む循環路を備えている。当該基板洗浄装置1Bにおいては、送り管18に設けられた循環ポンプ19が作動させられることで、貯留槽16に貯留されたキレート過水液100が、貯留槽16、送り管18、洗浄槽10、戻し管15、貯留槽16の順で循環するように構成されている。
【0005】
送り管18の下流側の先端は、洗浄槽10の上部に設けられた吐出管22に接続されており、吐出管22からはキレート過水液100がシャワー状に洗浄槽10内に向けて吐出される。被洗浄物であるガラス基板200は、搬入口11から搬出口12へと搬送ローラ14によって洗浄槽10内を横断するように搬送され、その際に上述したシャワー状に吐出されたキレート過水液100がガラス基板200の被洗浄面へと供給される。
【0006】
ガラス基板200の被洗浄面へと供給されたキレート過水液100は、ガラス基板200の被洗浄面に付着している残渣を当該被洗浄面から浮かし取り、その後、洗浄槽10内の液溜め部13へと落下する。洗浄槽10内の液溜め部13へと落下したキレート過水液100は、戻し管15を経由して貯留槽16へと排出され、貯留槽16内の貯留部17にて貯留される。そして、貯留槽16に貯留されたキレート過水液100は、循環ポンプ19によって再び送り管18を経由して吐出管22へと送られる。これにより、ガラス基板200が連続的に洗浄処理されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−171985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した如くの従来の基板洗浄装置においては、洗浄液中に含まれる水分の蒸発によって洗浄液の濃度が徐々に上昇してしまう問題があり、定期的に洗浄液を交換する必要があった。ここで、洗浄液の液温は、洗浄効率を高めるために室温よりも高い温度に設定される場合が一般的であり、そのため水分の蒸発スピードも比較的速く、交換周期が短くなって材料費が高騰する問題を招いていた。
【0009】
また、交換周期を長くするためには、定期的に純水を補給すればよいことになるが、その際には、洗浄液の濃度を所望の濃度に調節する作業が必要であり、作業工程が煩雑化する問題があった。
【0010】
したがって、本発明は、上述の問題点を解決すべくなされたものであり、洗浄液としてのキレート過水液の濃度変化を抑制することが可能であり、その結果、使用するキレート過水液の材料費を低減することが可能な基板洗浄装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に基づく基板洗浄装置は、循環路と、純水供給手段と、濃度検出手段と、制御手段とを備える。上記循環路は、キレート剤と酸化剤とを含む水溶液からなる洗浄液を基板の被洗浄面に供給することで基板の洗浄を行なう洗浄槽と、洗浄液が一時的に貯留される貯留槽とを含み、当該洗浄槽と当該貯留槽との間で洗浄液が循環するように構成されたものである。上記純水供給手段は、上記循環路を循環する洗浄液に純水を供給するための手段である。上記濃度検出手段は、洗浄液の濃度を検出するための手段である。上記制御手段は、上記濃度検出手段によって検出された濃度情報に基づいて上記純水供給手段の駆動を制御し、これにより洗浄液の濃度を調整する手段である。
【0012】
上記本発明に基づく基板洗浄装置にあっては、上記制御手段が、上記濃度検出手段によって検出される洗浄液の濃度が予め定めた閾値以下となるように上記純水供給手段の駆動を制御するものであることが好ましい。
【0013】
上記本発明に基づく基板洗浄装置にあっては、上記循環路が、上記貯留槽中の洗浄液を上記洗浄槽に送る送り管と、上記洗浄槽中の洗浄液を上記貯留槽に戻す戻し管とを含んでいることが好ましく、その場合に、上記濃度検出手段が、上記送り管に設けられていることが好ましい。
【0014】
上記本発明に基づく基板洗浄装置にあっては、上記純水供給手段が、上記貯留槽に純水を供給するように構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、洗浄液としてのキレート過水液の濃度変化を抑制することが可能であり、その結果、使用するキレート過水液の材料費を低減することが可能な基板洗浄装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態における基板洗浄装置の構成を示す模式図である。
【図2】本発明の実施の形態における基板洗浄装置の制御部において実施される制御フローを示すフローチャートである。
【図3】従来の基板洗浄装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態について、図を参照して説明する。なお、本実施の形態における基板洗浄装置は、液晶パネルの製造過程において使用される洗浄装置であり、洗浄液としてキレート過水液を使用するものである。具体的には、本実施の形態における基板洗浄装置は、液晶パネルの製造時に行なわれるフォトリソグラフィ工程において、ガラス基板上にアモルファスシリコン層やポリシリコン層を形成する際のドライエッチング工程において発生した残渣を、ガラス基板から効率的に除去するためのものである。
【0018】
図1は、本実施の形態における基板洗浄装置の構成を示す模式図である。まず、図1を参照して、本実施の形態における基板洗浄装置の構成について説明する。なお、図1においては、図3に示した従来の基板洗浄装置1Bと同様の部分について図中同一の符号を付している。
【0019】
図1に示すように、基板洗浄装置1Aは、洗浄槽10と、戻し管15と、貯留槽16と、送り管18と、循環ポンプ19とを備えている。このうち、洗浄槽10、戻し管15、貯留槽16および送り管18は、キレート過水液100が循環する循環路を構成する槽および配管に相当する。
【0020】
洗浄槽10は、洗浄処理前のガラス基板200が搬入される搬入口11と、洗浄処理後のガラス基板200が搬出される搬出口12とを備えている。ガラス基板200は、洗浄槽10の外部および内部に設けられた搬送ローラ14によって洗浄槽10内を搬入口11から搬出口12に向けて横断するように搬送される。
【0021】
洗浄槽10は、ガラス基板200の搬送路よりも上方に位置する吐出管22と、ガラス基板200の搬送路よりも下方に位置する液溜め部13とを有している。吐出管22は、搬送ローラ14によって洗浄槽10内を横断するように搬送されるガラス基板200の被洗浄面にキレート過水液100をシャワー状に供給するためのものである。液溜め部13は、ガラス基板200の被洗浄面から落下したキレート過水液100を受け止め、これを一時的に貯留して戻し管15に送るための部位である。
【0022】
貯留槽16は、キレート過水液100を一時的に貯留するための槽であり、洗浄槽10に比して大型の槽にて構成されている。貯留槽16は、キレート過水液100を一時的に貯留するための大容量の貯留部17を有しており、好適には洗浄槽10よりも低所に配置される。
【0023】
戻し管15は、洗浄槽10にその一端が接続されており、他端が貯留槽16に接続されている。戻し管15は、洗浄槽10の液溜め部13に一時的に貯留されたキレート過水液100を貯留槽16に戻すための配管である。戻し管15の洗浄槽10側の開口端は、洗浄槽10の液溜め部13に貯留されたキレート過水液100の液面よりも下方に設けられている。また、戻し管15の貯留槽16側の開口端は、貯留槽16の貯留部17に貯留されたキレート過水液100の液面よりも上方に設けられている。
【0024】
送り管18は、貯留槽16にその一端が接続されており、他端が上述した吐出管22に接続されている。送り管18は、貯留槽16の貯留部17に一時的に貯留されたキレート過水液100を洗浄槽10に送るための配管である。送り管18の貯留槽16側の開口端は、貯留槽16の貯留部17に貯留されたキレート過水液100の液面よりも下方に設けられている。
【0025】
送り管18の途中位置には、循環ポンプ19が設けられている。循環ポンプ19は、当該送り管18を介してキレート過水液100を貯留槽16から洗浄槽10に送出するための手段である。
【0026】
図1に示すように、本実施の形態における基板洗浄装置1Aは、上述した洗浄槽10、戻し管15、貯留槽16、送り管18および循環ポンプ19に加え、さらに濃度センサ21と、純水供給源(不図示)と、純水供給管24と、流量計付き制御弁25と、制御部26とを備えている。これら濃度センサ21、純水供給源、純水供給管24、流量計付き制御弁25および制御部26は、循環路を循環するキレート過水液100の濃度を自動調整するためのものであり、このうち、純水供給源、純水供給管24および流量計付き制御弁25の制御弁が、循環路を循環するキレート過水液100に純水を供給するための純水供給手段に相当する。
【0027】
濃度センサ21は、キレート過水液100の濃度を検出するための濃度検出手段であり、送り管18の途中位置に設けられることで、当該濃度センサ21が取付けられた位置の送り管18を通過するキレート過水液100の濃度を検出する。濃度センサ21としては、たとえばキレート過水液100に超音波を印加してその反射波を拾うことでキレート過水液100の濃度を検出する超音波式のものが利用される。濃度センサ21は、検出した濃度情報を制御部26に出力する。
【0028】
純水供給管24は、その一端が図示しない純水供給源に接続されており、他端が貯留槽16に接続されている。純水供給管24は、純水の供給源から純水を貯留槽16に供給するための配管である。純水供給管24の貯留槽16側の開口端は、貯留槽16の貯留部17に貯留されたキレート過水液100の液面よりも上方に設けられている。
【0029】
流量計付き制御弁25は、その制御弁が駆動されることによって純水供給管24を介した純水の供給および供給の停止を実行するものであり、純水供給管24の途中位置に設けられている。流量計付き制御弁25の制御弁は、制御部26によってその駆動が制御される。また、流量計付き制御弁25は、その制御弁が開状態とされて純水の供給が行なわれている場合に、当該流量計付き制御弁25が取付けられた位置の純水供給管24を通過する純水の流量を計測し、計測した流量の情報を制御部26に出力する。
【0030】
制御部26は、上述した濃度センサ21から入力されたキレート過水液100の濃度情報に基づいて流量計付き制御弁25の駆動を制御する制御手段である。具体的には、濃度センサ21から入力されたキレート過水液100の濃度と予め定めた閾値とを比較し、入力されたキレート過水液100の濃度が上記閾値以下であると判断した場合に流量計付き制御弁25の制御弁を閉状態に維持し、入力されたキレート過水液100の濃度が上記閾値を超えていると判断した場合に流量計付き制御弁25の制御弁を開状態とする。また、制御部26は、流量計付き制御弁25の制御弁が開状態とされて純水の供給が行なわれている場合に、流量計付き制御弁25から入力される流量の情報に基づいて純水の供給量を算出し、算出した純水の供給量が予め定めた量に達した時点で流量計付き制御弁25の制御弁を閉状態にする。
【0031】
以上において説明した本実施の形態における基板洗浄装置1Aにおいては、図3に示した従来の基板洗浄装置1Bと同様に、洗浄槽10内においてキレート過水液100を用いてガラス基板200の洗浄処理が行なわれる。
【0032】
具体的には、貯留槽16の貯留部17に貯留されたキレート過水液100は、循環ポンプ19によって送り管18を経由して吐出管22へと送られ、吐出管22からシャワー状に洗浄槽10内に向けて吐出される。被洗浄物であるガラス基板200は、搬入口11から搬出口12へと搬送ローラ14によって洗浄槽10内を横断するように搬送され、その際に上述したシャワー状に吐出されたキレート過水液100がガラス基板200の被洗浄面へと供給される。
【0033】
ガラス基板200の被洗浄面へと供給されたキレート過水液100は、ガラス基板200の被洗浄面に付着している残渣を当該被洗浄面から浮かし取り、その後、洗浄槽10内の液溜め部13へと落下する。洗浄槽10内の液溜め部13へと落下したキレート過水液100は、戻し管15を経由して貯留槽16へと排出され、貯留槽16内の貯留部17にて貯留される。これにより、ガラス基板200が連続的に洗浄処理されることになる。
【0034】
ここで、本実施の形態における基板洗浄装置1Aにおいては、上述したように、濃度センサ21によって検出されたキレート過水液100の濃度情報に基づき、制御部26が上述した純水供給手段の駆動を制御することでキレート過水液100の濃度の自動調整が行なわれる。以下においては、本実施の形態における基板洗浄装置1Aにおいては、キレート過水液の濃度の自動調整が実現される仕組みについて説明する。
【0035】
図2は、図1に示す基板洗浄装置の制御部において実施される制御フローを示すフローチャートである。図2に示すように、基板洗浄装置1Aが稼動されると、まず、制御部26は、ステップS1において基板洗浄装置1Aの初期化を行なう。具体的には、制御部26は、流量計付き制御弁25の制御弁を閉状態とする。
【0036】
次に、ステップS2において、制御部26は、基板洗浄装置1Aの稼動を停止するユーザの指示があるか否かを判断する。制御部26は、基板洗浄装置1Aの稼動の停止を指示する信号が入力されていないと判断した場合(すなわちステップS2においてNOの場合)にステップS3へと移行し、当該信号が入力されていると判断した場合(すなわちステップS2おいてYESの場合)に基板洗浄装置1Aの稼動を停止する。
【0037】
ステップS3において、制御部26は、キレート過水液100の濃度検出を行なう。具体的には、制御部26は、上述した濃度センサ21を駆動し、濃度センサ21によって検出されたキレート過水液100の濃度情報の入力を受ける。
【0038】
次に、ステップS4において、制御部26は、キレート過水液100の濃度が予め定めた閾値以下であるか否かを判断する。具体的には、制御部26は、濃度センサ21から入力された濃度の情報と上記閾値とを比較し、キレート過水液100の濃度が上記閾値を超えていると判断した場合(ステップS4においてNOの場合)にステップS5へと移行し、キレート過水液100の濃度が上記閾値以下であると判断した場合(ステップS4においてYESの場合)にステップS2へと戻る。
【0039】
ステップS5において、制御部26は、所定量の純水を循環路を循環するキレート過水液100に加える。具体的には、制御部26は、閉状態にあった流量計付き制御弁25の制御弁を開いて開状態とし、純水供給管24を介して純水供給源から貯留槽16へと純水を供給する。そして、制御部26は、流量計付き制御弁25から入力される流量の情報に基づいて純水の供給量を算出し、算出した純水の供給量が予め定めた量に達した時点で流量計付き制御弁25の制御弁を閉じて閉状態にする。
【0040】
次に、ステップS6において、制御部26は、予め定められた所定の時間だけ待機し、その後ステップS2へと戻る。当該ステップS6における待機時間は、ステップS5においてキレート過水液100に加えられた純水が当該キレート過水液100と十分に混じり合って濃度が安定するまでに必要な時間である。
【0041】
本実施の形態における基板洗浄装置1Aにおいては、制御部26が上述した制御フローに沿って各機能ブロックの動作の制御を行なうことにより、キレート過水液100の濃度の自動調整が実現される。
【0042】
以上において説明した如くの基板洗浄装置1Aとすることにより、常時キレート過水液100の濃度の監視が可能になるとともに、当該濃度が予め定めた閾値を超えた場合に自動的に純水が供給される構成とすることができるため、水分の蒸発によるキレート過水液100の濃度変化を抑制することができる。したがって、キレート過水液100の交換周期を長くすることができ、その結果、キレート過水液100の材料費を大幅に低減できるようになる。また、キレート過水液100の濃度変化を抑制することができるため、処理ムラの発生を防止することもできるようになる。したがって、液晶パネルの歩留まりを向上させることが可能になり、液晶パネルの製造コストを大幅に削減することが可能になる。
【0043】
上述した本実施の形態にあっては、キレート過水液100の濃度を検出するための濃度センサ21を送り管20の途中位置に設けた場合を例示して説明を行なったが、濃度センサ21を設ける位置としては、特にこの位置に限定されるものではなく、循環路のいずれの位置に設けることとしてもよい。しかしながら、高精度にキレート過水液100の濃度を検出するためには、キレート過水液100中に可能な限り泡が含まれていないことが必要であり、洗浄槽10内や戻し管15、送り管18の循環ポンプ19の下流側近傍等の位置は避け、貯留槽16の貯留部17や送り管18の循環ポンプ19の上流側の位置あるいは送り管18の洗浄槽10寄りの位置等に設けることが好ましい。
【0044】
また、上述した本実施の形態においては、濃度センサ21として超音波式のものを利用した場合を例示して説明を行なったが、濃度センサ21としては、これ以外にもキレート過水液100の吸光度を計測することで濃度を検出するものや、キレート過水液100の比抵抗を計測することで濃度を検出するもの等、種々のセンサの利用が可能である。
【0045】
また、上述した本実施の形態においては、貯留槽16に純水供給管24が接続された場合を例示して説明を行なったが、純水供給管24の接続位置は、特にこの位置に限定されるものではなく、循環路のいずれの位置に設けることとしてもよい。しかしながら、純水の供給時においても基板洗浄装置1Aを連続運転してガラス基板200の洗浄処理を行なうことを考慮した場合には、洗浄槽10の吐出管22寄りの位置や送り管18に接続することは得策ではなく、貯留槽16や戻し管15、洗浄槽10の戻し管15寄りの位置等に接続することが好ましい。
【0046】
また、上述した本実施の形態においては、貯留槽16にキレート過水液100の攪拌のための攪拌装置を特に設けない構成とした場合を例示して説明を行なったが、必要に応じて貯留槽16にこのような攪拌装置を設けることとしてもよい。また、本実施の形態においては、循環路中にキレート過水液100中に含まれる泡を消すための消泡装置を特に設けない構成とした場合を例示して説明を行なったが、必要に応じて循環路中にこのような消泡装置を設けることとしてもよい。
【0047】
このように、今回開示した上記一実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0048】
1A,1B 基板洗浄装置、10 洗浄槽、11 搬入口、12 搬出口、13 液溜め部、14 搬送ローラ、15 戻し管、16 貯留槽、17 貯留部、18 送り管、19 循環ポンプ、21 濃度センサ、22 吐出管、24 純水供給管、25 流量計付き制御弁、26 制御部、100 キレート過水液、200 ガラス基板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キレート剤と酸化剤とを含む水溶液からなる洗浄液を基板の被洗浄面に供給することで前記基板の洗浄を行なう洗浄槽、および前記洗浄液が一時的に貯留される貯留槽を含み、前記洗浄槽と前記貯留槽との間で前記洗浄液が循環するように構成された循環路と、
前記循環路を循環する前記洗浄液に純水を供給するための純水供給手段と、
前記洗浄液の濃度を検出する濃度検出手段と、
前記濃度検出手段によって検出された濃度情報に基づいて前記純水供給手段の駆動を制御し、これにより前記洗浄液の濃度を調整する制御手段とを備えた、基板洗浄装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記濃度検出手段によって検出される前記洗浄液の濃度が予め定めた閾値以下となるように前記純水供給手段の駆動を制御する、請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項3】
前記循環路は、前記貯留槽中の前記洗浄液を前記洗浄槽に送る送り管と、前記洗浄槽中の前記洗浄液を前記貯留槽に戻す戻し管とを含み、
前記濃度検出手段が、前記送り管に設けられている、請求項1または2に記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記純水供給手段が、前記貯留槽に純水を供給するように構成されている、請求項1から3のいずれかに記載の基板洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−119344(P2012−119344A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−85267(P2009−85267)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【出願人】(000183369)住友精密工業株式会社 (336)
【Fターム(参考)】