説明

基板液処理装置

【課題】基板から飛散した処理液が基板へ再付着することを防止できる基板液処理装置を提供する。
【解決手段】本発明による基板液処理装置10は、基板保持台12に保持されて回転する基板Wから飛散した処理液を案内する案内回転カップ21と、案内回転カップ21により案内された処理液を下方へ案内する案内カップ31と、を備えている。案内カップ31は、案内カップ本体32の内周端部32aから下方に延びる下方延長部33と、この内周端部32aから下方延長部33より内周側に延び、案内回転カップ21および下方延長部33と共に案内回転カップ21が回転することにより旋回する気体を下方へ案内する気体案内空間35を形成する内周側延長部34とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理液を用いて基板を処理する基板液処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製品の製造プロセスやフラットパネルディスプレー(FPD)の製造プロセスにおいては、被処理基板である半導体ウエハやガラス基板に処理液を供給して液処理を行うプロセスが多用されている。このようなプロセスとして、例えば、基板に付着したパーティクルやコンタミネーション等を除去する洗浄処理などがある。
【0003】
このような液処理を実施する液処理装置として、半導体ウエハ等の基板をスピンチャックに保持し、基板を回転させた状態で基板の表面または表裏面に処理液(薬液、リンス液等)を供給して処理を行う枚葉式の処理ユニットが知られている。
【0004】
基板に供給された処理液は、回転する基板から振り切られて、基板保持台の周辺領域でミストとなって飛散する。飛散したミストを回収するために、特許文献1には、基板から振り切られた洗浄液を洗浄液回収経路へと導くための飛散防止カップを有する基板処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−323633号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に示す基板処理装置では、飛散防止カップは、基板の上方において大きく開口している。また、液処理時には、基板が回転しているため、飛散防止カップの上方には、外側に向かう気流が発生している。このことにより、基板から振り切られて飛散防止カップの内面ではね返った洗浄液(そのミストを含む)の一部は、この気流の影響により、飛散防止カップの開口を通って上昇し、当該飛散防止カップの上方で浮遊して、やがて、飛散防止カップの開口部を通って下降する。このため、洗浄液が、基板に再付着するという問題があった。
【0007】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、基板から飛散した処理液が基板へ再付着することを防止できる基板液処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、基板を保持する基板保持台と、前記基板保持台を回転させる回転駆動部と、前記基板保持台に保持された前記基板に、処理液を供給する処理液供給部と、前記基板保持台の周辺に設けられ、前記基板保持台と共に回転し、回転する前記基板から飛散した処理液を案内する案内回転カップと、前記案内回転カップの周辺に設けられ、前記案内回転カップにより案内された処理液を下方へ案内する案内カップと、を備え、前記案内カップは、案内カップ本体と、前記案内カップ本体の内周端部から下方に延びる下方延長部と、前記内周端部から前記下方延長部より内周側に延び、前記案内回転カップおよび前記下方延長部と共に当該案内回転カップが回転することにより旋回する気体を下方へ案内する気体案内空間を形成する内周側延長部とを有することを特徴とする基板液処理装置を提供する。
【0009】
なお、上述した基板液処理装置において、前記処理液供給部は、複数種類の処理液を選択的に供給するようになっており、前記基板液処理装置は、前記案内カップの下方に設けられ、前記案内回転カップにより案内された対応する処理液を下方へ案内する第2の案内カップと、前記案内カップに対して前記第2案内カップを昇降させる昇降駆動部と、を更に備え、前記案内カップの前記下方延長部は、前記第2の案内カップにより処理液を案内する際、前記案内カップの開口を塞ぐ、ことが好ましい。
【0010】
また、上述した基板液処理装置において、前記第2の案内カップの下方に設けられ、前記案内回転カップにより案内された対応する処理液を下方へ案内する第3の案内カップを更に備え、前記第3の案内カップは、前記第2の案内カップと共に昇降自在になっており、前記第3の案内カップにより処理液を案内する際、前記案内カップと前記第2の案内カップとの間が閉塞されると共に、前記案内カップの前記下方延長部は、前記第2の案内カップの開口を塞ぐ、ことが好ましい。
【0011】
また、上述した基板液処理装置において、前記案内カップの前記内周側延長部から前記下方延長部にわたる断面が、逆U字状に形成されている、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、基板から飛散した処理液が基板へ再付着することを防止し、パーティクルの生成を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の実施の形態における基板液処理装置を概略的に示す構成図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態における酸性処理時の基板液処理装置の詳細を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態における基板液処理装置において、第3案内カップを示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態におけるアルカリ性処理時の基板液処理装置の詳細を示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態における乾燥処理時の基板液処理装置の詳細を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態における基板液処理装置について説明する
【0015】
図1および図2に示すように、基板液処理装置10は、枚葉式に基板(例えば、半導体ウエハ、以下単にウエハWと記す)が搬入出されて処理される液処理室11と、液処理室11内に設けられ、ウエハWを保持する回転自在な基板保持台12とを備えている。この基板保持台12には、回転駆動軸13を介して、基板保持台12を回転させる回転モータ(回転駆動部)14が連結されている。ウエハWは、基板保持台12の周縁部において保持部材12aにより保持され、回転モータ14を駆動することによって水平面内で回転するようになっている。
【0016】
液処理室11には、基板保持台12に保持されたウエハWに複数種類の処理液を選択的に吐出(供給)するノズル(処理液供給部)15が設けられている。すなわち、ノズル15には、選択的に、酸性処理液、アルカリ性処理液、リンス処理液、および有機性処理液の供給源(図示せず)が接続されるようになっており、これらの処理液を選択的にウエハWの表面に吐出するようになっている。なお、酸性処理液としては、例えば、SPM液(硫酸と過酸化水素水の混合溶液)、HF液(フッ化水素液)、またはSC2(塩酸と過酸化水素水の混合溶液)等を用いることができ、アルカリ性処理液としては、例えば、SC1液(アンモニア過水)またはアンモニア水等を用いることができる。また、リンス処理液としては、例えば、純水等を用いることができ、有機性処理液としては、例えば、IPA液(イソプロピルアルコール液)等を用いることができる。
【0017】
基板保持台12の周辺には、基板保持台12と共に回転し、回転するウエハWから飛散した処理液やそのミストを案内する案内回転カップ21が設けられている。この案内回転カップ21は、上部開口部21aを有し、全体的にはリング状に形成され、上部開口部21aの開口径より下端部の開口径の方が大きくなっており、その断面は、上方に凸となるような曲線形状となっている。すなわち、図2に示すように、案内回転カップ21は、ウエハWの周縁の上方から、ウエハWの半径方向外側に延びるように形成されている。
【0018】
基板保持台12は、案内回転カップ21の下方に延びる外周端部12bを有している。この外周端部12bと案内回転カップ21の下端部との間に、ギャップ部23が形成されており、ウエハWから飛散して案内回転カップ21により案内された処理液は、このギャップ部23を通って案内回転カップ21の外方に案内されるようになっている。
【0019】
図2に示すように、基板保持台12の下方には、保持台下方部材24が設けられている。この保持台下方部材24は、液処理室11に対して固定されており、後述する第3案内カップ51により案内された処理液、およびその際にウエハWの周囲の雰囲気を下方へ案内するようになっている。
【0020】
案内回転カップ21の周辺には、案内回転カップ21により案内された対応する処理液を下方へそれぞれ案内するために、第1案内カップ(案内カップ)31、第2案内カップ41、および第3案内カップ51が、上から順に設けられている。このうち、第1案内カップ31は、酸性処理液を案内し、第2案内カップ41は、アルカリ性処理液を案内し、第3案内カップ51は、有機性処理液を案内するようになっている。なお、第1案内カップ31がアルカリ性処理液を案内し、第2案内カップが酸性処理液を案内するようにしてもよい。また、各案内カップ31、41、51は、全体的に、リング状に形成され、第1案内カップ31は、液処理室11に対して固定され、第2案内カップ41は、後述の昇降シリンダ87に連結されて、第1案内カップ31に対して昇降自在になっている。第3案内カップ51は、第2案内カップ41の昇降移動の一部において、第2案内カップ41と共に昇降自在に構成されている。
【0021】
第1案内カップ31は、第1案内カップ本体32と、第1案内カップ本体32の内周端部32aから下方に延びる第1下方延長部(下方延長部)33とを有している。このうち第1案内カップ本体32は、外周側に斜め下方に延びる傾斜状部分と当該傾斜状部分の外周端部から鉛直下方に延びる鉛直状部分とを含み、酸性処理液を下方へ案内するようになっている。なお、第1案内カップ本体32の内周端部32aは、案内回転カップ21の外周端部領域の上方に位置している。また、第1下方延長部33の下端部33aは、ギャップ部23に近接してその上方に配置されている。このようにして、第1下方延長部33は、ギャップ部23からの処理液の流れが遮られることを防止すると共に、案内回転カップ21の外周側の部分(第1案内カップ31側の部分)を覆うようになっている。この第1下方延長部33は、第2案内カップ41によりアルカリ性処理液を案内する際、第1案内カップ31の開口31aを塞ぐようになっている(図4参照)。さらに、当該第1下方延長部33は、第3案内カップ51により有機性処理液を案内する際、第2案内カップ41の開口41aを塞ぐようになっている(図5参照)。この際、第1案内カップ31と第2案内カップ41との間は、閉塞されるようになっている。ここで、「塞ぐ」とは、当然のことながら、開口を完全に塞いで密閉するという意味ではなく、開口の大部分を塞ぎ、処理液等がその開口に流れていかないとみなすことができる程度のすきまを有している状態を含む概念として用いている。同様に、「閉塞」とは、当然のことながら、2つの案内カップの間を完全に閉じて塞いで密閉するという意味ではなく、当該2つの案内カップとの間が近接し、処理液等が当該2つの案内カップの間に流れていかないとみなすことができる程度のすきまを有している状態を含む概念として用いている。
【0022】
第1案内カップ本体32の内周端部32aから、第1下方延長部33より内周側に、内周側延長部34が延びている。そして、第1下方延長部33、内周側延長部34および案内回転カップ21により、気体案内空間35が形成されている。この気体案内空間35は、案内回転カップ21が回転することにより旋回する気体を下方へ案内するためのものである。すなわち、気体案内空間35内の気体は、遠心力を受けて第1下方延長部33に沿って旋回するが、当該気体案内空間35の上部に内周側延長部34が設けられていることから、旋回する気体は、第1下方延長部33に沿って下方へ案内される。なお、本実施の形態においては、内周側延長部34は、案内回転カップ21側で、第1下方延長部33に沿って下方に延び、内周側延長部34から第1下方延長部33にわたる断面が逆U字状に形成されている。また、内周側延長部34の先端は、案内回転カップ21の外周面に近接しているが、内周側延長部34の先端と案内回転カップ21の外周面との間には、所定の隙間が形成されており、互いに干渉することを防止している。また、第1案内カップ本体32の外周端部には、昇降溝36が形成されており、この昇降溝36に後述する連結部材86が昇降自在となっている。
【0023】
第2案内カップ41は、図4に示すように、第2案内カップ本体42と、後述する案内部材81の嵌入部85が嵌入される嵌入溝43とを有している。このうち第2案内カップ本体42は、外周側に斜め下方に延びる傾斜状部分と当該傾斜状部分の外周端部から鉛直下方に延びる鉛直状部分とを含み、アルカリ性処理液を下方へ案内するようになっている。第2案内カップ本体42の内周端部42aは、第1案内カップ31の第1下方延長部33より外周側に配置されると共に、第2案内カップ本体42の鉛直状部分は、第1案内カップ本体32の鉛直状部分より内周側に配置されており、第2案内カップ41は、第1下方延長部33と、第1案内カップ本体32の鉛直状部分との間の領域において昇降可能になっている。また、嵌入溝43は、第2案内カップ本体42の鉛直状部分に形成されている。
【0024】
第3案内カップ51は、図5に示すように、第3案内カップ本体52と、第3案内カップ本体52に、当接部54を介して連結され、下方に延びる第3下方延長部53とを有している。このうち、第3案内カップ本体52は、外周側に斜め下方に延びる傾斜状部分と当該傾斜状部分の外周端部から鉛直下方に延びる鉛直状部分とを含んでいる。当該鉛直状部分は、第2案内カップ本体42の鉛直状部分より内周側に配置されており、第3案内カップ本体52の内周端部52aは、第1案内カップ31の第1下方延長部33および保持台下方部材24より外周側に配置されている。第3下方延長部53は、第3案内カップ本体52の傾斜状部分に、傾斜する当接部54を介して連結されており、当該傾斜状部分および当接部54と共に、有機性処理液を下方へ案内するようになっている。また、第3下方延長部53は、後述する区画壁88に対して摺動自在になっている。当接部54は、区画壁88の上端部に当接自在になっており(図2参照)、当接部54が、区画壁88の上端部に当接した場合に、第3案内カップ51は区画壁88により支持される。
【0025】
図3に示すように、第3案内カップ本体52の外周端部(鉛直状部分)には、後述する案内部材81の案内部材本体82に当接自在な突出部55が設けられている。この突出部55は、周方向に所定間隔をあけて数カ所設けられている。この突出部55が案内部材本体82に当接することにより、第3案内カップ51は第2案内カップ41により支持される。そして、第3案内カップ51が第2案内カップ41により支持されている場合には、第2案内カップ41は第3案内カップ51と共に昇降する。また、第3案内カップ51が第2案内カップ41により支持されていない場合、すなわち、区画壁88により支持されている場合には、第2案内カップ41は、第3案内カップ51とは独立して昇降するようになっている。すなわち、第3案内カップ51は、第2案内カップ41の昇降移動の一部において、第2案内カップ41と共に昇降するようになっている。
【0026】
図1および図2に示すように、第1案内カップ31、第2案内カップ41、および第3案内カップ51の下方領域の外周側には、第1案内カップ31により案内された酸性処理液を回収する第1処理液回収用タンク61が設けられている。第1処理液回収用タンク61の内周側には、第2案内カップ41により案内されたアルカリ性処理液を回収する第2処理液回収用タンク62が設けられている。第2処理液回収用タンク62の内周側には、第3案内カップ51により案内された有機性処理液を回収する第3処理液回収用タンク63が設けられている。さらに、第3処理液回収用タンク63の内周側には、基板保持台12が低速で回転する場合に、各処理液を混在状態で回収する第4処理液回収用タンク64が設けられている。
【0027】
第1処理液回収用タンク61と第2処理液回収用タンク62との間には、ウエハWの周囲の雰囲気を、第1案内カップ31および第2案内カップ41を介して排出する第1排気部材(排気部材)71が設けられている。この第1排気部材71は、リング状の平面断面を有し、各処理液回収用タンク61〜64と共に、同心状に形成されていることが好ましい。また、第4処理液回収用タンク64の内周側には、ウエハWの周囲の雰囲気を、第3案内カップ51を介して排出する第2排気部材72が設けられている。これら第1排気部材71および第2排気部材72は、排気方向下流側で、各排気部材71、72からの排気が合流するように一体に形成され、第1排気部材71内および第2排気部材72内を吸引する吸引駆動部73に連結されている。
【0028】
第2案内カップ41の下端部41bに、第1案内カップ31からの処理液を第1処理液回収用タンク61に案内すると共に第2案内カップ41からの処理液を第2処理液回収用タンク62に案内する案内部材81が設けられている。この案内部材81は、第1排気部材71の上方を覆うように、全体的にリング状に形成されており、第1排気部材71に向かって開くU字状断面を有している。すなわち、案内部材81は、径方向に延びる案内部材本体82と、案内部材本体82の外周端部から下方に延びる外周壁部83と、外周壁部83より内周側に設けられ、案内部材本体82の内周端部から下方に延びる内周壁部84とを有している。このうち外周壁部83は、第1処理液回収用タンク61に対応する位置、すなわち、第1処理液回収用タンク61の上方に配置されている。内周壁部84は、第2処理液回収用タンク62に対応する位置に配置され、図5に示す状態において、第2処理液回収用タンク62の上方に配置されている。また、内周壁部84は、外周壁部83より下方に延びており、内周壁部84の下端部84aが、図4に示すように、アルカリ性処理時に、第2処理液回収用タンク62内に挿入されることが好ましい。このことにより、アルカリ性処理液を案内する場合、アルカリ性処理液を第2処理液回収用タンク62に確実に案内することができる。また、案内部材本体82から上方に嵌入部85が延びており、この嵌入部85が、第2案内カップ41の下部に設けられた嵌入溝43に嵌入されるようになっている。
【0029】
基板液処理装置10は、基板保持台12と、各案内カップ31、41、51との間の位置関係を調整する昇降シリンダ(位置調整機構、昇降駆動部)87を有している。本実施の形態における昇降シリンダ87は、液処理室11に対して固定された第1案内カップ31に対して、第2案内カップ41および第3案内カップ51を昇降させるように構成されている。昇降シリンダ87は、図1および図2に示すように、連結部材86を介して、案内部材本体82に連結されている。この連結部材86は、第1案内カップ31の昇降溝36内を摺動自在になっている。このようにして、第2案内カップ41が、案内部材81を介して昇降シリンダ87に連結され、第1案内カップ31に対して昇降するようになっている。なお、連結部材86と案内部材本体82とは、周方向に所定間隔をあけて数カ所のみで連結されており、第1案内カップ31により案内された酸性処理液等の流れが妨げられることを防止している。
【0030】
図2に示すように、基板液処理装置10は、第2案内カップ41から第2処理液回収用タンク62への流路と、第3案内カップ51から第3処理液回収用タンク63への流路とを区画する区画壁88を有している。この区画壁88は、第2処理液回収用タンク62と第3処理液回収用タンク63との間から、第3案内カップ51の第3下方延長部53と、第2案内カップ本体42に設けられた案内部材81との間に、上方に延びるように形成されている。この区画壁88には、上述したように、第3案内カップ51の第3下方延長部53が摺動自在になっていると共に、第3案内カップ51が上昇して乾燥処理を行っている場合(図5参照)、および下降して酸性処理を行っている場合(図2参照)においても、第3下方延長部53が当接し、区画壁88と第3下方延長部53との間が閉塞されるようになっている。また、区画壁88の上端部は、上述したように、第3案内カップ51の当接部54に当接自在になっている。
【0031】
図1に示すように、回転モータ14および昇降シリンダ87には、制御部91が接続され、回転モータ14および昇降シリンダ87は、制御部91により制御されるようになっている。また、制御部91は、ノズル15を介してウエハWに吐出する各処理液を選択するようにもなっている。すなわち、この制御部91により、ウエハWの酸性処理時には、ノズル15から酸性処理液を吐出させ、ウエハWのアルカリ性処理時には、ノズル15からアルカリ性処理液を吐出させ、ウエハWのリンス処理時には、ノズル15からリンス処理液を吐出させ、ウエハWの乾燥処理時には、ノズル15から有機性処理液を吐出させるようになっている。
【0032】
ところで、図1に示すように、制御部91には、工程管理者等が基板液処理装置10を管理するために、コマンドの入力操作等を行うキーボードや、基板液処理装置10の稼働状況等を可視化して表示するディスプレイ等からなる入出力装置92が接続されている。また、制御部91は、基板液処理装置10で実行される処理を実現するためのプログラム等が記録された記録媒体93にアクセス可能となっている。記録媒体93は、ROMおよびRAM等のメモリ、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、およびフレキシブルディスク等のディスク状記録媒体等、既知の記録媒体から構成され得る。このようにして、制御部91が、記録媒体93に予め記録されたプログラム等を実行することによって、基板液処理装置10においてウエハWの処理が行われるようになっている。
【0033】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用、すなわち本実施の形態による基板液処理方法について説明する。なお、以下に説明する基板液処理方法を実行するための各構成要素の動作は、予め記録媒体93に記録されたプログラムに基づいた制御部91からの制御信号によって制御される。
【0034】
まず、図1および図2に示すように、ウエハWが、液処理室11内に搬入され、保持部材12aによって基板保持台12に保持される。
【0035】
続いて、回転モータ14により、ウエハWを保持した基板保持台12が、案内回転カップ21等と共に回転駆動される。このことにより、基板保持台12に保持されたウエハWが、水平面内で回転する。
【0036】
次に、ウエハWが、酸性処理液を用いて酸性処理される。この場合、酸性処理液が、図示しない酸性処理液の供給源からノズル15に供給され、回転しているウエハWの表面に吐出される。
【0037】
この場合、図2に示すように、第1案内カップ31の開口31aは、案内回転カップ21と基板保持台12の外周端部12bとの間のギャップ部23に対応する位置に配置されている。このことにより、ウエハWから飛散して案内回転カップ21により案内されたミストを含む酸性処理液は、第1案内カップ31の開口31aに流れる。
【0038】
第1案内カップ31の開口31aに流れた酸性処理液は、第1案内カップ本体32の傾斜状部分および鉛直状部分によって案内され、案内部材81の外周壁部83の外周側を通って第1処理液回収用タンク61に回収される。この場合、案内部材81の外周壁部83が第1処理液回収用タンク61の上方に配置されているため、酸性処理液を、第1処理液回収用タンク61に確実に案内することができる。また、酸性処理液のミストは、この案内部材81により、液化を促進することができる。なお、吸引駆動部73が駆動されているため、ウエハWの周囲の雰囲気は、酸性処理液と同様にして案内され、第1排気部材71により排出される。
【0039】
酸性処理が行われている間、第2案内カップ本体42の傾斜状部分と、第3案内カップ本体52の傾斜状部分が重なり合わされて、第2案内カップ41と第3案内カップ51との間が閉塞されている。また、第3案内カップ本体52の内周端部52aが、保持台下方部材24の外周面に近接し、第3案内カップ51の開口51aが塞がれている。このことにより、ギャップ部23を通った酸性処理液が、第2案内カップ41および第3案内カップ51に流れることを抑制することができる。
【0040】
また、酸性処理が行われている間、案内回転カップ21が回転しているため、気体案内空間35内の気体は、遠心力の影響を受けて、第1下方延長部33に沿って旋回する。この旋回する気体は、気体案内空間35の上部に内周側延長部34が設けられていることから、第1下方延長部33に沿って下方へ案内される。この場合、気体案内空間35から第1案内カップ31内に向かう気体の流れが発生するため、酸性処理液のミストが第1案内カップ31と案内回転カップ21との間を通って上昇することを防止することができる。また、第1案内カップ本体32の内周端部32aからギャップ部23の近傍まで第1下方延長部33が延びているため、ウエハWから振り切られて第1案内カップ本体32の内面ではね返った酸性処理液のミストは、第1下方延長部33の外周面に衝突して液化され、当該第1下方延長部33に沿って下降する。さらに、第1案内カップ本体32の内面ではね返った酸性処理液のミストが第1下方延長部33の内周面に付着したとしても、気体案内空間35から第1案内カップ31内に向かう気体の流れが発生しているため、付着した酸性処理液は第1下方延長部33に沿って下降する。
【0041】
ウエハWの酸性処理が終了した後、ウエハWがリンス処理される。この場合、リンス処理液が、図示しないリンス処理液の供給源からノズル15に供給され、回転しているウエハWの表面に吐出される。この間、ウエハWから飛散したリンス処理液は、酸性処理液と同様にして、第1処理液回収用タンク61に回収されると共に、ウエハWの周囲の雰囲気は、第1排気部材71によって排出される。
【0042】
次に、昇降シリンダ87が駆動されて、第2案内カップ41および第3案内カップ51が上昇する。この場合、まず、第2案内カップ41が、第3案内カップ51とは独立して上昇する。続いて、案内部材81の案内部材本体82に第3案内カップ51の突出部55が当接し、第3案内カップ51が第2案内カップ41により支持される。その後、第2案内カップ41が、第3案内カップ51と共に、第2案内カップ41の開口41aがギャップ部23に対向するまで上昇する。このようにして、図4に示す形態に各案内カップ31、41、51が配置される。この場合、第1案内カップ本体32の傾斜状部分と第2案内カップ本体42の傾斜状部分との間が離間するが、第1案内カップ31の第1下方延長部33の下端部33aが、第2案内カップ本体42の内周端部42aに近接し、第1下方延長部33により、第1案内カップ31の開口31aが塞がれる。また、第3案内カップ本体52の内周端部52aは、保持台下方部材24の外周面に近接しており、第3案内カップ51の開口51aが塞がれる。また、このとき、案内部材81の内周壁部84の下端部84aは、依然として第2処理液回収用タンク72内に挿入されている。
【0043】
その後、ウエハWが、アルカリ性処理液を用いてアルカリ性処理される。この場合、アルカリ性処理液が、図示しないアルカリ性処理液の供給源からノズル15に供給され、回転しているウエハWの表面に吐出される。
【0044】
図4に示すように、第2案内カップ41の開口41aに流れたアルカリ性処理液は、第2案内カップ本体42によって案内され、案内部材81の内周壁部84と区画壁88との間を通って第2処理液回収用タンク62に回収される。この場合、案内部材81の内周壁部84の下端部84aが第2処理液回収用タンク62内に挿入されているため、アルカリ性処理液を、第2処理液回収用タンク62に確実に案内することができる。また、アルカリ性処理液のミストは、この案内部材81により、液化を促進することができる。なお、吸引駆動部73が駆動されているため、ウエハWの周囲の雰囲気は、アルカリ性処理液と同様にして案内され、第1排気部材71により排出される。
【0045】
アルカリ性処理が行われている間、ウエハWから飛散して案内回転カップ21により案内されたミストを含むアルカリ性処理液は、第2案内カップ41の開口41aへ流れる。このとき、第1案内カップ31の開口31aおよび第3案内カップ51の開口51aが塞がれているため、ギャップ部23を通ったアルカリ性処理液が、第1案内カップ31および第3案内カップ51に流れることを抑制することができる。
【0046】
また、アルカリ性処理が行われている間、案内回転カップ21と第1案内カップ31との上下方向の位置関係は、酸性処理時と変わっていないため、酸性処理時と同様に気体案内空間35が形成されている。このため、気体案内空間35から第2案内カップ41内に向かう気体の流れが発生している。
【0047】
ウエハWのアルカリ性処理が終了した後、ウエハWがリンス処理される。この場合、リンス処理液が、図示しないリンス処理液の供給源からノズル15に供給され、回転しているウエハWの表面に吐出される。この間、ウエハWから飛散したリンス処理液は、アルカリ性処理液と同様にして、第2処理液回収用タンク62に回収されると共に、ウエハWの周囲の雰囲気は、第1排気部材71により排出される。
【0048】
次に、昇降シリンダ87が駆動されて、第2案内カップ41および第3案内カップ51が上昇する。この場合、第3案内カップ51が第2案内カップ41により支持された状態で、第2案内カップ41が、第3案内カップ51と共に、第1案内カップ31の開口31aがギャップ部23に対向するまで上昇する。このようにして、図5に示す形態に各案内カップ31、41、51が配置される。この場合、第1案内カップ本体32の傾斜状部分と第2案内カップ本体42の傾斜状部分とが重なり合わされて、第1案内カップ31と第2案内カップ41との間が閉塞される。また、第2案内カップ本体42の傾斜状部分と第3案内カップ本体52の傾斜状部分との間は離間しているが、第1案内カップ31の第1下方延長部33の下端部33aが、第3案内カップ本体52の内周端部52aに近接し、第2案内カップ41の開口41aが塞がれる。
【0049】
その後、ウエハWが、有機性処理液を用いて乾燥処理される。この場合、有機性処理液が、図示しない有機性処理液の供給源からノズル15に供給され、回転しているウエハWの表面に吐出される。
【0050】
第3案内カップ51の開口51aに流れた有機性処理液は、第3案内カップ本体52の傾斜状部分、当接部54、第3下方延長部53によって案内され、区画壁88と保持台下方部材24との間を通って第3処理液回収用タンク63に回収される。また、吸引駆動部73が駆動されているため、ウエハWの周囲の雰囲気は、有機性処理液と同様にして案内され、第3処理液回収用タンク63の上方および第4処理液回収用タンク64の上方を通って、第2排気部材72により排出される。
【0051】
乾燥処理が行われている間、第1案内カップ31と第2案内カップ41との間が閉塞されると共に、第2案内カップ41の開口41aが塞がれている。このことにより、ギャップ部23を通った有機性処理液が、第1案内カップ31および第2案内カップ41に流れることを抑制することができる。
【0052】
また、乾燥処理が行われている間、案内回転カップ21と第1案内カップ31との上下方向の位置関係は、酸性処理時と変わっていないため、酸性処理時と同様に気体案内空間35が形成されている。このため、気体案内空間35から第3案内カップ51内に向かう気体の流れが発生している。
【0053】
このようにして、ウエハWの処理が終了する。その後、ウエハWが、基板保持台12から取り外されて、液処理室11から搬出される。
【0054】
その後、未処理のウエハWを搬入して、当該ウエハWの酸性処理をする場合には、昇降シリンダ87が駆動されて、第2案内カップ41および第3案内カップ51を下降させる。この場合、まず、第2案内カップ41が第3案内カップ51と共に、下降し、第3案内カップ51の当接部54が区画壁88の上端部に当接する。このことにより、第3案内カップ51は、区画壁88により支持される。その後、第2案内カップ41は、第3案内カップ51とは独立して更に下降し、第1案内カップ31の開口31aがギャップ部23に対向するようになる。この場合、第3案内カップ本体52の内周端部52aが、保持台下方部材24の外周面に近接し、第3案内カップ51の開口51aが塞がれる。また、第2案内カップ本体42が、第3案内カップ本体52に重なり合わされ、第2案内カップ41と第3案内カップ51との間が閉塞される。このようにして、図2に示す形態に各案内カップ31、41、51が配置される。このとき、案内部材81の内周壁部84の下端部84aは、第2処理液回収用タンク62内に挿入される。
【0055】
このように本実施の形態によれば、酸性処理時に、気体案内空間35内の気体は、案内回転カップ21が回転していることにより、遠心力の影響を受けて旋回しながら第1下方延長部33に沿って下方へ案内される。このことにより、気体案内空間35から第1案内カップ31内に向かう気体の流れを発生させることができる。とりわけ、内周側延長部34から第1下方延長部33にわたる断面が逆U字状に形成されていることから、気体案内空間35内の気体を、確実に第1案内カップ31内に案内することができる。また、第1案内カップ31は液処理室11に対して固定されているため、アルカリ性処理時および乾燥処理時における案内回転カップ21と第1案内カップ31との上下方向の位置関係は、酸性処理時に対して不変となっている。このことにより、アルカリ性処理時においても、気体案内空間35から第2案内カップ41内に向かう気体の流れを発生させることができ、乾燥処理時においても、気体案内空間35から第3案内カップ51内に向かう気体の流れを発生させることができる。このため、各処理液が、第1案内カップ31と案内回転カップ21との間を通って上昇することを防止することができる。この結果、ウエハWから飛散した各処理液が、当該ウエハWに再付着することを防止し、パーティクルの生成を抑制することができる。また、この場合、各処理液は、対応する案内カップ31、41、51を介して、対応する処理液回収用タンク61、62、63に確実に案内される。このため、各処理液の回収率を向上させることができる。
【0056】
また、本実施の形態によれば、第1案内カップ本体32の内周端部32aからギャップ部23の近傍まで第1下方延長部33が延びている。このことにより、ウエハWから振り切られて第1案内カップ本体32の内面ではね返った酸性処理液を、第1下方延長部33の外周面に衝突させて液化させ、下降させることができる。このため、第1案内カップ本体32の内面ではね返った酸性処理液であっても、第1案内カップ31を介して第1処理液回収用タンク61に案内することができる。
【0057】
また、本実施の形態によれば、第2案内カップ41の下端部41bに、案内部材81が設けられている。このことにより、第1案内カップ31により案内された酸性処理液が、第1排気部材71に直接向かうことを抑制し、酸性処理液を第1処理液回収用タンク61に案内することができる。また、第2案内カップ41により案内されたアルカリ性処理液が、第1排気部材71に直接向かうことを抑制し、アルカリ性処理液を第2処理液回収用タンク62に案内することができる。また、案内部材81の外周壁部83が、第1処理液回収用タンク61の上方に位置しているため、第1案内カップ31により案内された酸性処理液は、案内部材81の外周壁部83によって、確実に第1処理液回収用タンク61に案内することができる。また、案内部材81の内周壁部84の下端部84aが、アルカリ性処理時に、第2処理液回収用タンク62内に挿入されているため、第2案内カップ41により案内されたアルカリ性処理液を、第2処理液回収用タンク62に確実に案内することができる。このため、ウエハWから飛散した各処理液の回収率を向上させることができる。
【0058】
また、本実施の形態によれば、ウエハWの酸性処理時、第2案内カップ41と第3案内カップ51との間が閉塞されている共に、第3案内カップ本体52の内周端部52aが保持台下方部材24に近接することにより第3案内カップ51の開口51aが塞がれている。このことにより、酸性処理液を第1案内カップ31によって案内して、第1処理液回収用タンク61に確実に回収することができる。また、ウエハWのアルカリ性処理時に、第1案内カップ31の第1下方延長部33が開口31aを塞ぎ、第3案内カップ本体52の内周端部52aが保持台下方部材24に近接することにより第3案内カップ51の開口51aが塞がれている。このことにより、アルカリ性処理液を、第2案内カップ41によって案内し、第2処理液回収用タンク62に確実に回収することができる。さらに、ウエハWの乾燥処理時に、第1案内カップ31と第2案内カップ41との間が閉塞されていると共に、第1案内カップ31の第1下方延長部33が第2案内カップ41の開口41aを塞いでいる。このことにより、有機性処理液を、第3案内カップ51によって案内し、第3処理液回収用タンク63に確実に回収することができる。このため、ウエハWから飛散した各処理液の回収率を向上させることができる。
【0059】
さらに、本実施の形態によれば、第2案内カップ41に設けられた案内部材81と、第3案内カップ51の第3下方延長部53との間に、区画壁88が設けられている。このことにより、第2案内カップ41により案内されたアルカリ性処理液が、第3処理液回収用タンク63へ流れることを防止すると共に、第3案内カップ51により案内された有機性処理液が、第2処理液回収用タンク62へ流れることを防止することができる。このため、ウエハWから飛散した各処理液の回収率を向上させることができる。
【0060】
以上、本発明による実施の形態について説明してきたが、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形も可能である。以下、代表的な変形例について説明する。
【0061】
すなわち、本実施の形態においては、第1案内カップ31の内周側延長部34が、第1案内カップ本体32の内周端部32aから案内回転カップ21側に延び、内周側延長部34から第1下方延長部33にわたる断面が逆U字状に形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第1案内カップ31の第1下方延長部33より内周側に延び、案内回転カップ21と第1下方延長部33と共に、案内回転カップ21が回転する間、当該気体案内空間35内の気体を下方へ案内することが可能であれば、内周側延長部34の形状は任意とすることができる。
【0062】
また、本実施の形態においては、第1案内カップ31、第2案内カップ41、および第3案内カップ51を有する3段カップ構成の例について説明した。しかしながらこのことに限られることはなく、第1案内カップ31および第2案内カップ41のみを有する2段カップ構成、あるいは、第1案内カップ31のみからなる1段カップ構成にも、本発明を適用することができる。
【0063】
また、本実施の形態においては、第3案内カップ51は、第2案内カップ41の昇降移動の一部において、第2案内カップ41と共に昇降する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、第2案内カップ41は、常に、第3案内カップ51と共に昇降するように構成することもできる。
【0064】
また、本実施の形態においては、案内部材81が、第1排気部材71に向かって開くU字状断面を有する例について説明した。しかしながら、このことに限られることはなく、案内部材81は、第1排気部材71の上方を覆うような平板状断面を有するようにしても良い。この場合においても、各処理液の回収率を向上させることができる。
【0065】
なお、以上の説明においては、本発明による基板液処理装置、基板液処理方法、およびこの基板液処理方法を実行するためのコンピュータプログラムが記録された記録媒体を、半導体ウエハWの洗浄処理に適用した例を示している。しかしながらこのことに限られることはなく、LCD基板またはCD基板等、種々の基板等の洗浄に本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0066】
10 基板液処理装置
11 液処理室
12 基板保持台
12a 保持部材
12b 外周端部
13 回転駆動軸
14 回転モータ
15 ノズル
21 案内回転カップ
21a 上部開口部
23 ギャップ部
24 保持台下方部材
31 第1案内カップ
31a 開口
32 第1案内カップ本体
32a 内周端部
33 第1下方延長部
33a 下端部
34 内周側延長部
35 気体案内空間
36 昇降溝
41 第2案内カップ
41a 開口
41b 下端部
42 第2案内カップ本体
42a 内周端部
43 嵌入溝
51 第3案内カップ
51a 開口
52 第3案内カップ本体
52a 内周端部
53 第3下方延長部
54 当接部
55 突出部
61 第1処理液回収用タンク
62 第2処理液回収用タンク
63 第3処理液回収用タンク
64 第4処理液回収用タンク
71 第1排気部材
72 第2排気部材
73 吸引駆動部
81 案内部材
82 案内部材本体
83 外周壁部
84 内周壁部
84a 下端部
85 嵌入部
86 連結部材
87 昇降シリンダ
88 区画壁
91 制御部
92 入出力装置
93 記録媒体
W ウエハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を保持する基板保持台と、
前記基板保持台を回転させる回転駆動部と、
前記基板保持台に保持された前記基板に、処理液を供給する処理液供給部と、
前記基板保持台の周辺に設けられ、前記基板保持台と共に回転し、回転する前記基板から飛散した処理液を案内する案内回転カップと、
前記案内回転カップの周辺に設けられ、前記案内回転カップにより案内された処理液を下方へ案内する案内カップと、を備え、
前記案内カップは、案内カップ本体と、前記案内カップ本体の内周端部から下方に延びる下方延長部と、前記内周端部から前記下方延長部より内周側に延び、前記案内回転カップおよび前記下方延長部と共に当該案内回転カップが回転することにより旋回する気体を下方へ案内する気体案内空間を形成する内周側延長部とを有することを特徴とする基板液処理装置。
【請求項2】
前記処理液供給部は、複数種類の処理液を選択的に供給するようになっており、
前記基板液処理装置は、
前記案内カップの下方に設けられ、前記案内回転カップにより案内された対応する処理液を下方へ案内する第2の案内カップと、
前記案内カップに対して前記第2案内カップを昇降させる昇降駆動部と、を更に備え、
前記案内カップの前記下方延長部は、前記第2の案内カップにより処理液を案内する際、前記案内カップの開口を塞ぐことを特徴とする請求項1に記載の基板液処理装置。
【請求項3】
前記第2の案内カップの下方に設けられ、前記案内回転カップにより案内された対応する処理液を下方へ案内する第3の案内カップを更に備え、
前記第3の案内カップは、前記第2の案内カップと共に昇降自在になっており、
前記第3の案内カップにより処理液を案内する際、前記案内カップと前記第2の案内カップとの間が閉塞されると共に、前記案内カップの前記下方延長部は、前記第2の案内カップの開口を塞ぐことを特徴とする請求項2に記載の基板液処理装置。
【請求項4】
前記案内カップの前記内周側延長部から前記下方延長部にわたる断面が、逆U字状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の基板液処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−129462(P2012−129462A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−281793(P2010−281793)
【出願日】平成22年12月17日(2010.12.17)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】