説明

基板用端子および基板用端子を備えたプリント基板

【課題】よりスペース効率良く配設することの出来る、新規な構造の基板用端子を提供すること。
【解決手段】一方の端部に電気部品と接続する平板状の接続部12を形成すると共に、他方の端部にプリント基板24のスルーホール26に挿通されて半田付けされる挿通部14を形成する一方、該接続部12と該挿通部14との間に、該接続部12の板厚方向に突出する支持板部26を設けてクランク状に形成すると共に、該挿通部14を、該支持板部26の幅方向の何れか一方に偏倚した位置にのみ形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板に半田付けされて、電気部品と接続される基板用端子、およびそのような基板用端子を備えたプリント基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、プリント基板に設けられたプリント配線と、ヒューズやリレー等の電気部品とを接続するために、基板用端子が用いられている。このような基板用端子は、一方の端部に設けられた接続部において電気部品と接続可能とされていると共に、他方の端部に設けられた挿通部においてプリント基板のスルーホールに挿通されて半田付けされるようになっている。そして、ヒューズやリレー等の端子に対応した位置でプリント基板に半田付けされることにより、ヒューズ装着部やリレー装着部等の電気部品装着部を形成する。
【0003】
ところで、例えばヒューズ等の電気部品が接続される際には、基板用端子に対して、プリント基板側への押し込み方向の力が及ぼされる。それ故、基板用端子の半田付け部分に応力が集中してクラックを生じるおそれがあった。
【0004】
そこで、特開2003−217437号公報(特許文献1)に開示されているように、接続部と挿通部の間に、接続部の板厚方向に突出する支持板部が設けられて、クランク形状とされた基板用端子が広く用いられている。このような基板用端子によれば、支持板部がプリント基板に接触することによって、電気部品の接続に際する押し込み力に対して基板用端子を支持することが出来る。
【0005】
ところが、このような基板用端子では、支持板部が接続部の板厚方向に突出されており、該支持板部における接続部からの突出端縁部に、一対の挿通部が支持板部の幅方向で中央から対称に設けられている。それ故、図9(a)に示すように、一対の基板用端子60a,60bを接続部66の板厚方向で対向配置してヒューズ装着部62を形成するに際して、それぞれの挿通部64a,64bを何れも対向方向の内側に位置させようとすると、互いの挿通部64a,64bが接近し過ぎて、半田付けに際して両基板用端子60a,60bの半田が短絡するおそれがある。そこで、図9(b)に示すように、少なくとも一方の基板用端子60bの挿通部64bは対向方向の外側に位置させなければならず、隣接するヒューズ装着部62との距離(接続部66の離隔距離):Pを小さくするのには限界があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−217437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、よりスペース効率良く配設することの出来る新規な構造の基板用端子、及びそのような基板用端子を備えた新規な構造のプリント基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
基板用端子に関する本発明の第一の態様は、一方の端部に電気部品と接続する平板状の接続部を有すると共に、他方の端部にプリント基板のスルーホールに挿通されて半田付けされる挿通部を有する一方、前記接続部と前記挿通部の間に、前記接続部の板厚方向に突出する支持板部が形成されることによりクランク形状とされた基板用端子において、前記挿通部が、前記支持板部の幅方向の何れか一方に偏倚した位置にのみ形成されていることを、特徴とする。
【0009】
本発明に従う構造とされた基板用端子によれば、プリント基板のスルーホールに挿通されて半田付けされる挿通部が、支持板部の幅方向の片側のみに偏倚して設けられている。従って、一対の基板用端子を、互いの挿通部を内側に位置して接続部の板厚方向で対向配置した場合でも、それぞれの挿通部が互い違いに位置されて、互いの挿通部が両基板用端子の対向方向で突き合わされることが無い。それ故、両方の基板用端子を、それぞれの挿通部を対向方向の内側に位置した状態で、短絡のおそれなく半田付けすることが出来る。これにより、挿通部を外側に突出させることなくヒューズ等の電気部品装着部を形成することが可能となる。その結果、複数の電気部品装着部をより接近してスペース効率良く形成することが出来る。
【0010】
また、本発明に従う構造とされた基板用端子によれば、挿通部が幅方向の一方のみに設けられている。従って、プリント基板上での占有面積をより小さくすることが出来て、プリント基板の有効面積をより広く確保することが出来る。特に、過電流が流れることが想定されるヒューズ装着部などの場合には、大電流に対応してプリント配線を幅広に形成する必要があり、本発明に従う構造とされた基板用端子を用いれば、そのような幅広のプリント配線の配索スペースをより有利に確保することが出来る。
【0011】
基板用端子に関する本発明の第二の態様は、基板用端子に関する前記第一の態様に記載のものにおいて、前記接続部が、一対の圧接刃が隙間を隔てて対向位置されたU字形状とされていると共に、板厚方向の一方の側からの投影視形状と他方の側からの投影視形状が互いに同形状とされているものである。
【0012】
本態様によれば、一対の圧接刃でヒューズやリレー等の端子を挟んで接続することにより、ヒューズやリレー等の電気部品の接続と切り離しを容易に行うことが出来る。そして、接続部が板厚方向の何れの側から見ても同形状とされていることから、基板用端子を何れの向きに配設しても電気部品と接続可能であり、レイアウトの自由度を向上することが出来る。
【0013】
基板用端子を備えたプリント基板に関する本発明は、スルーホールに基板用端子の挿通部が挿通されて半田付けされている基板用端子を備えたプリント基板において、前記基板用端子として前記基板用端子に関する本発明の第一又は第二の態様に記載の基板用端子が用いられており、一対の該基板用端子が、前記挿通部を対向方向の内側に位置して前記接続部の板厚方向で対向配置されることによってヒューズ装着部が構成されていることを、特徴とする。
【0014】
本発明に従う構造とされたプリント基板によれば、本発明に従う構造とされた基板用端子を、それぞれの挿通部を対向方向の内側に位置して対向配置することによって、ヒューズ装着部が構成されている。これにより、基板用端子の挿通部を外側に突出させることなくヒューズ装着部を構成することが出来る。その結果、他のヒューズ装着部やリレー装着部などをより接近して形成することが出来、スペース効率の向上を図ることが出来る。
【発明の効果】
【0015】
基板用端子に関する本発明においては、スルーホールに挿通されて半田付けされる挿通部を、幅方向の一方のみに偏倚して設けた。これにより、一対の基板用端子を、それぞれの挿通部を短絡のおそれなく内側に位置してスペース効率良く対向配置することが出来る。そして、基板用端子を備えたプリント基板に関する本発明においては、挿通部を外側に突出させることなく一対の基板用端子を対向位置してヒューズ装着部を構成することにより、複数のヒューズ装着部を、より接近してスペース効率良く形成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第一の実施形態としての基板用端子の斜視図。
【図2】図1に示した基板用端子の正面図。
【図3】図1に示した基板用端子の背面図。
【図4】図1に示した基板用端子の側面図。
【図5】図1に示した基板用端子の上面図。
【図6】本発明の一実施形態としてのプリント基板の斜視図。
【図7】図6に示したプリント基板の要部の拡大上面図。
【図8】本発明の第二の実施形態としての基板用端子の斜視図。
【図9】従来構造に従う基板用端子を説明するための上面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
先ず、図1〜図5に、基板用端子に関する本発明の第一の実施形態としての基板用端子10を示す。なお、理解を容易とするために、図5は、図1〜図4に比して拡大して示す。また、以下の説明において、上下方向とは、図2における上下方向を言い、幅方向とは、図2における左右方向を言うものとする。また、板厚方向とは、図4における左右方向を言うものとする。
【0019】
基板用端子10は、金属板が打ち抜き加工および屈曲加工されて形成されている。基板用端子10の一方の端部には接続部12が形成されていると共に、他方の端部には挿通部14が形成されている。そして、接続部12と挿通部14の間には、接続部12の板厚方向(図4中、左右方向)に突出する平板状の支持板部16が形成されている。これにより、基板用端子10は、全体として、支持板部16の両端縁部から接続部12と挿通部14が互いに反対方向に突出するクランク形状とされている。
【0020】
接続部12は、上方に延出する一対の圧接刃18,18が隙間を隔てて対向位置された、略U字の所謂音叉形状とされている。圧接刃18,18の上端縁部には、他方の圧接刃18に向けて僅かに突出する接触突部20,20がそれぞれ形成されており、これら接触突部20,20が互いに隙間を隔てて対向位置されている。なお、図4から明らかなように、圧接刃18,18は一定の板厚寸法:tをもって形成されており、接続部12は、一定の板厚寸法:tを有する平板形状とされている。また、図2および図3に示すように、接続部12は、板厚方向(図4中、左右方向)の一方の側(図4中、右側)からの投影視形状(図2参照)と、他方の側(図4中、左側)からの投影視形状(図3参照)が互いに同形状とされている。
【0021】
一方、支持板部16は、接続部12の板厚方向の一方(図4中、右方)に突出すると共に、接続部12の突出方向(図4中、上方)に直交して広がる略平板形状とされている。支持板部16は、基板用端子10の幅方向の全体に亘って形成されている。
【0022】
そして、支持板部16における接続部12と反対側の端縁部に、挿通部14が形成されている。挿通部14は、支持板部16における幅方向の一方の端縁部から接続部12の板厚方向に突出された突片22が中間部分で下方に向けて略直角に屈曲されることによって、接続部12の突出方向と反対方向に突出する突片形状をもって形成されている。基板用端子10には挿通部14が1本のみ形成されており、該挿通部14は、支持板部16の幅方向(図5中、左右方向)の一方の端縁部に形成されている。これにより、基板用端子10には、支持板部16の幅方向の中央:cから外れた一方(図5においては左方)に偏倚して、支持板部16の幅方向の片側にのみ挿通部14が形成されている。また、支持板部16において、幅方向で挿通部14と反対側(図5中、右側)に位置する角の端縁部23は、角が落されて丸められた略1/4周の円弧形状とされている。これにより、基板用端子10にヒューズ等が接続されるに際して、半田で固定された挿通部14を支点として端縁部23側が後述するプリント基板24に押し付けられた場合でも、プリント基板24への当接力を端縁部23の円弧形状で分散して、プリント基板24への支持板部16の食い込みが軽減されるようになっている。但し、端縁部23を直角形状としても良い。
【0023】
このような基板用端子10は、図6に示す、基板用端子を備えたプリント基板に関する本発明の一実施形態としてのプリント基板24のように、挿通部14がプリント基板24に貫設されたスルーホール26に挿通されて半田付けされることにより、電気部品としての図示しないヒューズを装着するヒューズ装着部28等の電気部品装着部を構成する。なお、基板用端子10をプリント基板24に半田付けする際には、図示しない治具の端子差込孔に基板用端子10を接続部12側から差し込んで、挿通部14を治具から突出した状態で治具にセットする。その後、プリント基板24を治具に重ねることによって、治具から突出された各基板用端子10の挿通部14を、対応するスルーホール26に挿通する。本実施形態における基板用端子10は、挿通部14を一本しか有さないことから、スルーホール26に挿通部14を挿通した状態で、挿通部14回りで回転するおそれがあるが、治具の端子差込孔を長手矩形状とすれば、端子差込孔に差し込むことによって基板用端子10の回転を抑えることが出来、位置決め精度を確保することが出来る。そして、スルーホール26に挿通された挿通部14を半田付けすることによって、各基板用端子10をプリント基板24に半田付けして、プリント基板24に形成された図示しないプリント配線と接続することが出来る。
【0024】
本実施形態におけるプリント基板24は、自動車のジャンクションボックスのケース内に収容されて、ジャンクションボックスの内部回路を形成する。図6に示したように、プリント基板24には、一対の基板用端子10を対向配置することによって、ヒューズ装着部28が形成されている。また、プリント基板24上には、図示しない絶縁板を介してバスバーが配設されるようになっており、バスバーに形成された、接続部12と略同形状を有する図中点線で示す端子部30と、基板用端子10とが対向配置されることによって、ヒューズ装着部32が形成されている。そして、複数のヒューズ装着部28,32が、基板用端子10,10の対向方向で3列に並んで形成されている。これらヒューズ装着部28,32には図示しないヒューズが接続されるようになっており、基板用端子10の接続部12における圧接刃18,18間でヒューズの端子を挟むことにより、基板用端子10にヒューズが接続される。そして、基板用端子10にヒューズを接続するに際して、支持板部16がプリント基板24に接触することによって、接続に際する押圧力に対して接続部12を支持して、半田クラックの発生や基板用端子10の変形を阻止することが可能とされている。
【0025】
図7にプリント基板24の一部を拡大して示すように、ヒューズ装着部28は、一対の基板用端子10a,10bが、接続部12の板厚方向(図7中、左右方向)で所定距離を隔てて対向配置されて構成されている。基板用端子10a,10bは、それぞれの挿通部14a,14bを、対向方向(図7中、左右方向)の内側に位置して対向配置されており、両基板用端子10a,10bの挿通部14a,14bの両方が、基板用端子10aの接続部12aと基板用端子10bの接続部12bとの間に配設されている。そして、挿通部14a,14bが、基板用端子10a,10bの幅方向の一方に偏倚して形成されていることから、基板用端子10a,10bを対向配置した状態で、挿通部14a,14bが互い違いに位置されて、基板用端子10a,10bの対向方向に延びる直線上には何れか一方の挿通部14a又は挿通部14bのみが存して、挿通部14a,14bが基板用端子10a,10bの対向方向で互いに突き合わされることなく配設されている。
【0026】
また、図7に示した位置においては、一対の基板用端子10a,10bを組み合わせて構成されたヒューズ装着部28の両側に、基板用端子10cとバスバーの端子部30aを組み合わせて構成されたヒューズ装着部32aと、基板用端子10dとバスバーの端子部30bを組み合わせて構成されたヒューズ装着部32bとが形成されている。なお、ヒューズ装着部28の基板用端子10aと、ヒューズ装着部32aの基板用端子10cが隣接して配設されていると共に、基板用端子10cの挿通部14cは、基板用端子10a側に向けて突出されている。これにより、基板用端子10cの接続部12cと基板用端子10aの接続部12aは基板用端子10cの挿通部14cを介在して、基板用端子10a,10bの対向方向(図7中、左右方向)で所定距離:Paを隔てて配設されている。一方、ヒューズ装着部28の基板用端子10bと、ヒューズ装着部32bの基板用端子10dが隣接して配設されていると共に、基板用端子10dの挿通部14dは、基板用端子10bと反対側に向けて突出されている。これにより、基板用端子10dの接続部12dと基板用端子10bの接続部12bは挿通部14dや挿通部14bを介することなく、基板用端子10a,10bの対向方向(図7中、左右方向)で所定距離:Pbを隔てて配設されている。そして、挿通部14b,14d等を介することなく対向位置された接続部12bと接続部12dの離隔距離:Pbが、挿通部14cを介して対向位置された接続部12aと接続部12cの離隔距離:Paよりも小さくされている。
【0027】
本実施形態に従う構造とされた基板用端子10によれば、スルーホール26に挿通されて半田付けされる挿通部14が、幅方向の片側のみに偏倚して形成されている。これにより、図7に示したように、一対の基板用端子10a,10bを、それぞれの挿通部14a,14bを、短絡のおそれなく内側に位置して対向配置することが出来る。従って、挿通部14a,14bを接続部12a,12b間の外側に突出させることなくヒューズ装着部28を形成することが出来る。その結果、ヒューズ装着部28の基板用端子10bに対して、挿通部14bを介することなく、より小さな離隔距離:Pbで基板用端子10dを隣接してヒューズ装着部32bを形成することが出来る。そして、本実施形態に従うプリント基板24によれば、そのような基板用端子10を用いてヒューズ装着部28を形成したことによって、複数のヒューズ装着部28,32をより小さな離隔距離:Pbをもってスペース効率良く形成することが出来る。
【0028】
また、基板用端子10には挿通部14が1つのみ形成されており、スルーホール26が1つで足ることから、プリント基板24の有効面積をより広く確保することが出来る。特に、図7に示すように、一対の基板用端子10a,10bを、両方の挿通部14a,14bを内側に位置して対向配置した場合でも、両基板用端子10a,10b間にプリント配線33の配索スペースを確保すること等も出来る。
【0029】
さらに、基板用端子10の接続部12が、板厚方向の何れの方向視でも同形状とされている。これにより、プリント配線の配索態様や他部品の配設態様などを考慮して、挿通部14を互いに反対の何れの方向に突出しても電気部品と接続することが可能とされており、高いレイアウト自由度を得ることが出来る。従って、図7に示したヒューズ装着部28の基板用端子10a,10bのように、挿通部14a,14bをヒューズ装着部28から突出させることなく配設することも可能であるし、ヒューズ装着部32aの基板用端子10cのように、挿通部14cをヒューズ装着部32aの外側に突出させて配設することも可能である。
【0030】
なお、本実施形態における基板用端子10は、必ずしもヒューズ装着部に限定して用いられるものではない。例えば、図6に示したプリント基板24には、複数の基板用端子10を、図示しない電気部品としてのリレーの接続端子に対応して配設することによって、複数のリレー装着部34が形成されている。そして、本実施形態に従う構造とされた基板用端子10を用いれば、各基板用端子10について1つのスルーホール26を設けるのみで足ることから、プリント基板24の有効面積をより大きく確保しつつ、リレー装着部34を形成することが出来る。
【0031】
次に、図8に、基板用端子に関する本発明の第二の実施形態としての基板用端子40を示す。基板用端子40は、接続部42を除いて前記第一の実施形態としての基板用端子10と略同様の形状とされていることから、接続部42以外の部位には、図中に基板用端子10と同一の符号を付することにより、その説明を省略する。基板用端子40の接続部42は、一定の板厚寸法と一定の幅寸法をもって支持板部16から突出する略矩形平板の所謂タブ形状とされている。このような基板用端子40を複数配列することによって、電気部品としての図示しないコネクタを装着するコネクタ装着部を形成することが可能であり、各基板用端子40の接続部42に、図示しないコネクタを接続することが出来る。図8に示す基板用端子40においても、隣接する別箇のコネクタ装着部をそれぞれ構成する対向配置された2つの基板用端子40,40を、それらの挿通部14が対向方向の内側に位置するように配置することができる。これにより、隣接する別箇のコネクタ装着部間のピッチを小さくしたり、コネクタ装着部の周囲のプリント基板において広い空きスペース等を確保することができる。このことから明らかなように、接続部の具体的形状は、接続される電気部品に応じて各種の形状が適宜に採用可能である。
【0032】
以上、本発明の複数の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの具体的な記載によって限定されない。例えば、上述の実施形態における基板用端子10,40では、挿通部14が支持板部16の幅方向一方の端縁部から突設して設けられていたが、本発明の基板用端子における挿通部は、支持板部の幅方向の何れか一方に偏倚した位置に設けられていればよく、必ずしも端縁部に設けられる必要はない。具体的には、一対の基板用端子10や基板用端子40が、互いの挿通部14を内方に位置するように対向配置させた場合に、挿通部14,14間の短絡を防止できる程度に十分な離隔距離が確保できる範囲であれば、支持板部16の幅方向端縁部よりもやや内側に位置するように、挿通部14を設けてもよい。
【0033】
また、挿通部14は、上記実施形態の如く1本に限定されない。例えば、挿通部14を支持板部16の幅方向端縁部とそれよりもやや内側に離隔した部位のように、支持板部16の幅方向の何れか一方に偏倚した複数箇所から突出するように複数本設けてもよい。これにより、基板用端子の基板上での立設状態の安定性を向上させることができる。なお、これら複数本の挿通部を設ける場合、微小なスルーホールを複数個プリント基板に設けてもよいが、製作容易性等の観点から、1つのスルーホールに複数本の挿通部を挿通させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0034】
10,40:基板用端子、12,42:接続部、14:挿通部、16:支持板部、18:圧接刃、24:プリント基板、26:スルーホール、28:ヒューズ装着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の端部に電気部品と接続する平板状の接続部を有すると共に、他方の端部にプリント基板のスルーホールに挿通されて半田付けされる挿通部を有する一方、前記接続部と前記挿通部の間に、前記接続部の板厚方向に突出する支持板部が形成されることによりクランク形状とされた基板用端子において、
前記挿通部が、前記支持板部の幅方向の何れか一方に偏倚した位置にのみ形成されている
ことを特徴とする基板用端子。
【請求項2】
前記接続部が、一対の圧接刃が隙間を隔てて対向位置されたU字形状とされていると共に、板厚方向の一方の側からの投影視形状と他方の側からの投影視形状が互いに同形状とされている
請求項1に記載の基板用端子。
【請求項3】
スルーホールに基板用端子の挿通部が挿通されて半田付けされている基板用端子を備えたプリント基板において、
前記基板用端子として請求項1又は2に記載の基板用端子が用いられており、
一対の該基板用端子が、前記挿通部を対向方向の内側に位置して前記接続部の板厚方向で対向配置されることによってヒューズ装着部が構成されている
ことを特徴とする基板用端子を備えたプリント基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−101842(P2013−101842A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245113(P2011−245113)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】