説明

基板組立装置

【課題】表示装置に3Dパネルやタッチパネルを組み立てるために、簡単な構成で高精度の組立を行うと共に、生産効率の向上を図った組立装置を提供する。
【解決手段】3Dパネル又はタッチパネルと表示パネルとを貼合るために、仮貼合室2で上下基板を上テーブルと下テーブルに保持して、上下基板の位置合わせと、凹凸のある加圧面のある上下テーブルで所定の加圧力での仮貼合を行い、本貼合室7で、仮貼合された基板をフィルム搬送し、搬送用フィルムに仮貼合された基板を挟んだ状態で加熱すると共に、仮貼合室2で加えた加圧力の約8倍の加圧力で本貼合を行う構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液晶や有機ELを用いた表示パネルに三次元パネルやタッチパネルを取付けるための基板組立装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置や、有機EL表示装置に三次元表示のために3D(3dimension:3次元)パネルを取り付けたり、利用者が表示指示や、動作指示を行うためのタッチパネル取付けた表示装置が増加してきている。このような、3Dパネルやタッチパネルを表示装置に取付けるため製造方法として特許文献1に記載されているように画像表示パネルに基板状部材を接着剤にて直接取付けるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−117618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1では、表示パネルに基板状部材を取り付ける方法が明示されているが、実際にどの様な装置を用いて取付を行うかに関しては、何等開示がない。
【0005】
特許文献1の方法では表示パネルとタッチパネル又は3Dパネル間は額縁状(環状)に接着剤を塗布する構成としている。しかし、このような貼付では、接着剤層の厚みで表示パネルと取り付けるタッチパネルや3Dパネル間に空間ができ、表示位置とタッチ位置のずれが生じる恐れがあり、3Dパネルでは表示位置のずれで画像がひずむ恐れがある。また、パネル間の全面に接着剤を塗布して貼合る方法もあるが接着剤に気泡が混入して、同様の問題が発生する場合がある。
【0006】
さらに、表示パネルに基板を貼合る際に高圧で貼合る必要がある。高圧で基板を貼合る場合には、基板を保持する面に凹凸があると、基板にその凹凸の圧着痕が残留して表示むら等の原因となり、表示装置としては不良品になる可能性が大きい。
【0007】
その為、本発明の目的は、表示パネルに3Dパネルを貼合た時に気泡の残留の無い精度の良い表示パネル装置を実現すると共に、製造のための時間の短縮を図った表示パネル装置の組立装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では上基板を保持するために、真空吸着パッドや、粘着部材はがし用の剥がしピン用の凹凸のある基板保持面を備えた上テーブルと、ロボットハンドから基板を受け取るための複数の受け取りピン用の凹凸のある基板保持面を備えた下テーブルを備え、どちら一方の基板に接着剤を塗布した前記上下基板を真空状態で所定の加圧力で仮貼合をする仮貼合室と、真空状態で前記仮貼合された基板を加熱し加圧するための加圧面に凹凸のない上下の定盤の位置までフィルムに挟んで搬送し、加熱すると共に、仮貼合時よりも高圧で貼合を行う本貼合室と、前記本貼合室から大気状態で基板を搬出するパネル搬出部から構成した。
【発明の効果】
【0009】
上記構成とすることにより、基板が変形することなく、3Dパネル又はタッチパネルを表示パネルに貼合た時に気泡の残留の無い精度の良いパネル装置を実現すると共に、製造のための時間の短縮を図った。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態になる基板貼合装置の全体構成の1例を示す図である。
【図2】仮貼合室の断面構成図である。
【図3】本貼合室の断面構成図である。
【図4】基板貼合装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】図4の続きの工程を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の表示パネルに基板状部材を貼合る装置の一実施例を図に基づいて説明する。本発明では真空チャンバ(真空貼合室)を2つ組み合わせて、小さい加圧力で表示パネルと基板状部材を仮貼合を行なった後に、加熱しながら大きな加圧力で貼合を行う構成としたものである。
図1には本発明の表示パネルにタッチパネル又は3Dパネル等の基板状部材を取付ける組立装置の全体配置の平面図を示す。図1において、1はドアバルブ、2は仮貼合室、3は第1のゲートバルブ、4はフィルム繰出し部、5は加熱貼合室、6はフィルム巻取り部、7は本貼合室(フィルム繰出し部4、加熱貼合室5、フィルム巻取り部6を合体したもの)、8は第2のゲートバルブ、9はパネル搬出部である。
【0012】
本実施例では表示パネルを上基板として、3Dパネル又はタッチパネル等の基板状部材を下基板として説明する。図1において、先ず、仮貼合室2に上下基板を搬入するときは、仮貼合室2内を大気状態としてドアバルブ1を開放して、図示していないロボットハンドにて上下基板をそれぞれ仮貼合室2内に搬入する。このとき、第1のゲートバルブ3は閉じられている。又、上下基板のどちらか一方には、熱硬化性の樹脂からなる接着剤が前工程で塗布されている。仮貼合室2内には、後述するように上下にテーブルが対向するように設けてあり、上基板は貼合面を下向きにして上テーブル面に水平に保持され、下基板は貼合面を上向きにして下テーブル面に水平に保持される。上下基板の搬入が完了すると、ドアバルブ1を閉めて、仮貼合室2内を真空排気する。そして、位置合わせを行った後、仮貼合が行なわれる。このときの貼合荷重は約5tf程度の力である。仮貼合が終了すると、第1のゲートバルブ3が開かれる。この第1のゲートバルブ3を開ける前には、第2のゲートバルブ8は閉じられており、本貼合室7内は仮貼合室2内の仮貼合をする真空状態と同じ真空状態にしてある。第1のゲートバルブ3が開かれると、仮貼合の完了した基板がローラコンベアにより本貼合室7内に搬入される。本貼合室7では、フィルム繰出し部4に設けたフィルム搬送機構(上下に配置されたフィルム間に仮貼り合わされた基板を挟み上下フィルムを移動させることで搬送)にて加熱貼合部5に送られる。加熱貼合部5ではフィルムに挟まれたまま仮貼合された基板を、加熱(例えば約80〜90℃)しながら高加圧力(仮貼合室における加圧力の約8倍の加圧力)で加圧することで接着剤を溶融、固化して貼合を行う。貼合が終了すると本貼合室7内を大気状態に戻し、第2のゲートバルブ8を開けて、貼合の完了した基板30を上下フィルムの間に挟んだ状態で上下フィルムをフィルム巻取り部6側に移動させることで本貼合室7から搬出する。搬出された基板30はローラコンベアで構成されたパネル搬出部9に搬出される。
【0013】
このように、仮貼合室2では高精度の位置決めが必要なために、複数台のカメラを用いて位置決めをしてから仮貼合を行っている。本貼合室7では高い加圧力を加えて貼合を行うために、基板に力を作用させる加圧面等に凹凸が有ると、その凹凸を基板に転写してしまう恐れがある。そのために、できるだけ真平らな面で加圧できるように基板を保持する必要がない状態で、フィルムに基板を挟んだまま加熱・加圧できるように構成したものである。また、接着剤には気泡が残らないように、真空中で貼合せを行うようにしたものである。以上が大まかな動作であるが、次に各部の構成の詳細を図面を用いて説明する。なお今回使用した接着剤は熱硬化性の接着剤である。
図2に仮貼合装置の断面図を示す。架台21上に仮貼合室2が設けてある。仮貼合室2は上下基板を真空状態で仮貼合るもので、仮貼合室2内には上基板25を保持する上テーブル22と下基板26を保持する下テーブル23が設けてある。仮貼合室2には、上下基板を搬入するための搬入口にはドアバルブ1が、貼合た基板を搬出するための搬出口には第1のゲートバルブ3が設けてある。なお、第1のゲートバルブ3は本貼合室7の基板搬入口と兼用している。仮貼合室2内を真空状態とすることで、基板面に塗布されている接着剤に気泡が混入していても脱気することができる。そのため、図示していない真空ポンプとその配管が配設されており、仮貼合室2内を大気状態から、真空状態に変換する。更に、図示していないが仮貼合室2内が所定の真空度になったか否かを測定する気圧計が設けてある。なお、仮貼合室2内での貼合では、仮貼合せを行うものであり、仮貼合後の接着剤は乾燥された状態ではなく、接着剤の粘性で貼合されているものである。また、貼合のために基板面に加圧痕等が残らない加圧力を加えるようにしている。なお、図示していないが、ロボットハンドから上基板25を受け取るための上テーブル22には複数の真空吸着パッドが、上テーブル22に対して別に上下動できるように駆動機構を設けた構成にしてある。この真空吸着パッドにも、真空ポンプから配管が配設されている。また、下テーブル23側にはローラコンベア27が設けてある。さらに、上テーブル22の基板保持面には上基板25を真空中でも保持できるように粘着部材24が設けてある。又上テーブル22は仮貼合室2の外に上テーブル22を上下に移動させるための駆動用のモータ29が設けてある。さらに、図示していないが、上テーブル22には粘着部材24から貼合後の基板を剥がすための上テーブル面から突出して上基板面を押えておくために、複数の突出ピンとその駆動機構からなる粘着部材剥がし機構が設けてある。
【0014】
又、下テーブル23にはロボットハンドから下基板26を受け取るための持ち上げピン28が設けてあり、この持ち上げピン28を上下に駆動する駆動機構が設けてある。さらに、図示していないが、下テーブル23又は搬送ローラ28のどちらか一方を上下に移動することで、下テーブル面上の貼合後の基板を搬送ローラ28に受け渡す駆動機構が設けてある。なお、下テーブル23にも粘着部材を設けて、下テーブル23を位置合わせのために動かした時に基板がずれないようにしておいていも良い。もし、下テーブル23に粘着部材を設けた場合は、持ち上げピンでテーブル面から基板を持ち上げる事で基板から粘着部材を剥がすことができる。同じく図示していないが、下テーブル23は、上基板25と下基板26の位置合わせを行うために水平方向(XYθ方向)に移動可能に構成されている。また、図示していないが、上基板25と下基板26の位置合わせのために、上下の基板25,26に設けた位置合わせマークを撮像して、位置合わせを行うための検出用のカメラが複数台設けてある。
【0015】
前述のように、位置合わせ精度を等を出すために、上テーブル面には基板を保持するための真空吸着パッドや、粘着部材剥がし機構の突出ピンが動作できるように穴が設けてあり、この穴による凹凸がある。同じように下テーブル面にも持ち上げピン用の穴の凹凸がある。従って、上下基板を貼合る際には、上下テーブル面の凹凸が加圧痕として残らないような加圧力を加えるようにしている。
【0016】
図3に本貼合室の断面図を示す。
本貼合室7においても、図示していない真空ポンプからの配管が設けてあり、この真空ポンプを動作させることで、本貼合室7内を大気状態から真空状態にするようにしてある。なお、真空ポンプに接続された真空排気用の配管の途中に3方電磁弁を介して大気を導入できるように大気導入管が設けてある。第1のゲートバルブ3が開かれた時は本貼合室7内は真空状態してある。図に示すように本貼合室7はフィルム繰出し部4と加熱貼合室5とフィルム巻取り部6から形成されている。仮貼合の完了した基板30は第1のゲートバルブ3から本貼合室7内に搬入され、フィルム繰出し部4に送られて来る。フィルム繰出し部4には上下にフィルムを巻いたフィルム繰出しロール31a、31bが設けてあり、フィルム38a,38bがガイドロールやピッチングロール等により張力と移動位置が規定され、加熱貼合室5を通り、フィルム巻取り部6の巻取りロール32a,32bに巻き取られる。なお、使用するフィルムは耐熱性のフィルムであり、加熱しても変形しないものである。
【0017】
仮貼合が行なわれた基板30は、仮貼合室2に設けた搬送ローラ28上を移動して本貼合室7内に搬入される。先ず、仮貼合された基板30全体が本貼合室7内のシート繰出し部4に入ると、第1のゲートバルブ3が閉じられる。仮貼合された基板30は上下フィルム38a,38bに挟まれて加熱貼合室5に送られる。なお、加熱貼合室5には、支持柱37に支持された上定盤保持部材33が設けてあり、上定盤保持部材33に上定盤35が取付けられている。又、架台34上には上下方向に移動できる下定盤36が設けてある。下定盤36は架台34側に設けた駆動機構により上下に移動できる。上下定盤35,36の基板に圧力を加える面は平らに形成されている。さらに、上定盤35及び下定盤36内には図示していないがヒータが内蔵されており、ヒータを動作させることで加熱できるようになっている。なお、本貼合を行う時には、上定盤35と下定盤36間に貼合された基板全体が入る位置にあればよく位置精度をそれほど正確にする必要はない。そのため、仮貼合された基板30は上下フィルム38a、38bに挟まれて下定盤36と上定盤35のある位置まで搬送され、図示していない所定位置に設置した光センサからなる検出器を用いて、基板が上下定盤35,36の範囲内に位置したことを検出して上下フィルム38a,38bの移動(基板の移動)を停止することで、基板30の移動を止める。次に、下定盤36を上昇させて上下フィルム38a,38bに挟まれたままの状態で加熱・加圧する。加熱・加圧が終了すると下定盤を降下させ、本貼合室7内を大気状態に戻す。その後、第2のゲートバルブ8開放して、フィルム繰出しロール31a、31bと巻取りロール32a,32bを駆動して、フィルムの移動を開始して、貼合の完了した基板30を搬送ローラで構成されたパネル搬出部9に送る構成としてある。なお、図示ていないが、本貼合室7内が所定の真空度になったか否かを測定する気圧計が設けてある。
【0018】
前述のように仮貼合室2での貼合は、上基板と下基板を貼り合せるために、それぞれの基板を保持して、位置合わせを行う必要があり、基板を保持する面を平らに形成することが難しく凹凸のある面になる。このため、大きな加圧力を加えると加圧痕が基板側に発生して、パネルが不良となる可能性が大きい。そこで、仮貼合室2では加圧力を制限して仮貼合を行い、本貼合室7で基板を保持する必要ない状態(上下フィルムに仮貼合した基板を挟ん)で平らな定盤面により大きな加圧力で加圧することで本貼り合せを行い、不良品の発生を防止るようにしたものである。
【0019】
次に図4、図5に示すフローチャートを用いて全体の動作を説明する。
【0020】
先ず、仮貼合室2のドアバルブ1を開く(S1)。次に、貼合前の上基板25のテーブル保持面側をロボットハンドの指部に設けてある真空吸着パッドで真空吸着保持して、先ず上基板25を上テーブル22に搬入する。上テーブル22からは、複数の真空吸着パッドが上テーブル22面の粘着部材24面より突出してロボットハンドの指部の間から上基板24の基板保持面を真空吸着保持する。次に、ロボットハンドの指部の真空吸着パッドの真空を遮断して真空吸着を開放する。その後、ロボットハンドを上テーブル22面から退避させる。次に上テーブル22側の真空吸着パッドを上テーブル面まで上昇させる。真空吸着パッドを上昇させることで、上基板25は上テーブル22面に設けてある粘着部材24に粘着保持される(S2)。
【0021】
次に、下基板26をロボットハンドの指部に貼合面を上向きして載せて、下テーブル23まで搬送する。下基板26が搬送されてくると、複数の持ち上げピン28が下テーブル23面より高い位置(ロボットハンドの指部の厚さより高い位置)まで上昇して、下基板23を持ち上げピン28で保持する。持ち上げピン28が下基板26を保持するとロボットハンドをドアバルブ1の外まで退避させる。ロボットハンドが退避すると持ち上げピン28を下テーブル23面より下の位置になるまで降下させる。なお下テーブル23の面にも粘着部材を設けておいて下テーブル23を動作させたときに下基板26がずれないようにしてある(S3)。
【0022】
次に、ドアバルブ1を閉じる(S4)。ドアバルブ1が閉じられると仮貼合室2内を真空排気する(S5)。仮貼合室2内が貼り合せを行う真空状態(約2000Pa)になったか否かを仮貼合室又は真空排気配管に設けた気圧計で計測して、設定した値になるまで真空排気を行う(S6)。
【0023】
仮貼合室2内の真空排気が完了すると、図示していないカメラで上基板25及び下基板26に設けてある位置合わせマークを撮像して、制御部で画像処理して位置ずれ量を求め、ずれ量に応じて下テーブル23を水平方向に移動して位置合わせを行う(S7)。位置合わせが完了すると上基板を保持している上テーブル22を下テーブル23側に降下させて、貼合を行う。このときの加圧力は5tf程度であり、接着剤は乾燥させずにそのままの状態(仮貼合)である(S8)。
【0024】
仮貼合が終了すると、上テーブル22の粘着部材24を剥がすための剥がし機構が動作して、押し付けピンが下降して、上基板面を押さえと共に、上テーブル22を上昇させることで粘着部材24を基板面から剥がす。次に、持ち上げピン28を上昇させて下テーブル23面から基板を離間させ、次に、下テーブル23を降下させて搬送ローラ27に仮貼合した基板を受け渡し、第1のゲートバルブを開ける(S9)。
【0025】
次に、搬送ローラ27を駆動して本貼合室7内に仮貼合された基板30を搬入する。仮貼合の行なわれた基板30は、仮貼合室2内は搬送ローラ27上を移動して、本貼合室7のフィルム繰出し部4内に移動し、上下に配置されたフィルム繰出しロール31a、31bから繰出された上下のフィルム38a、38bの間に挟みこまれて受け渡される。上下フィルム38a、38bに挟まれた基板30はフィルムと一緒に移動して本貼合室7内を搬送される(S10)。本貼合室7内に仮貼り合わされた基板30が搬入されると、第1のゲートバルブ3が閉じられる(S11)。第1のゲートバルブ3が閉じられると仮貼合室2内が大気開放される。その後、仮貼合室2では先に述べたS1以下の工程が実行される(S12)。
【0026】
本貼合室7内に搬送された仮貼り合わされた基板30は、上下フィルム38a、38bに挟まれて搬送されて上定盤35と下定盤36の領域内に搬送される。この領域内には、基板の停止位置を決めるための基板検出センサ(光センサ)が設けてあり、仮貼合された基板30を検出するとフィルム38a,38bの移動を停止する(S13)。
【0027】
仮貼り合わされた基板30のプレス位置が決まると、上定盤35と下定盤36内に設けてあるヒーターを動作させて基板を加熱して接着剤を溶融乾燥させる(S14)。同時に下定盤36を上昇させて上定盤35との間隔を狭めて加圧する(S15)。すなわち、フィルム38a,38bに基板を挟んだ状態で加圧する構成である。このようにフィルムに挟んで貼合ることで接着剤が溢れても装置(定盤)を汚すことなくメンテナンスが容易になる。
【0028】
加熱と加圧が終了すると、排気配管に設けてある電磁弁を大気導入側に変更して、本貼合室7内に大気を導入して、大気状態とする(S16)。本貼合室7内が大気状態となると第2のゲートバルブ8を開く(S17)。第2のゲートバルブ8が開かれるとフィルムの繰出しロールと巻取りロールを駆動して貼合の完了した基板30をパネル搬出部9に排出する。この時パネル搬出部9に設けてあるローラコンベアが駆動され、本貼合室7内のフィルム38a、38bからローラコンベア上に本貼合の完了した基板30が受け渡される(S18)。
【0029】
本貼合の完了した基板30が本貼合室7から排出されると、第2のゲートバルブ8を閉じる(S19)。第2のゲートバルブ8が閉じられると、本貼合室7内を真空排気して次の基板の貼合の準備を開始する(S20)。本貼合室7内が本貼合を行う真空圧になったか否かを本貼合室7内に設置してある気圧計を用いて確認する(S21)。本貼合室7内が所定の真空度になると一連作業を終了する。
【0030】
以上が、本実施例における動作の概要である。本発明では仮貼合を仮貼合室2内の貼合機構で、上下テーブル面に基板受け渡し用のピンや吸着パッド用の穴及び粘着部材剥がしピン用の穴等の凹凸があっても、基板に加圧面の凹凸による変形が発生しない加圧力で基板面を加圧して仮貼合を行い、その後、本貼合室7内を基板をフィルム搬送すると共に、基板を加圧する面が凹凸のない上下定盤を用いて加熱し、高圧で加圧して本貼合する構成としたために、基板面に変形が発生せず且つ精度の良いパネルを作成することが可能となる。、
なお、前記実施例で、仮貼合室2内の上基板の保持に粘着部材を用いることで説明したが、粘着部材に代えて静電チャックを用いる構成としても良い。この場合、粘着部材を剥がすために設けた機構は不用となる。
【符号の説明】
【0031】
1…ドアバルブ、2…仮貼合室、3…第1のゲートバルブ、4…フィルム繰出し部、5…加熱貼合室、6…フィルム巻き取り部、7…本貼合室、8…第2のゲートバルブ、9…パネル搬出部、22…上テーブル、23…下テーブル、35…上定盤、36…下定盤。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルからなる上基板に3Dパネル又はタッチパネルからなる下基板を貼合る基板組立装置において、
前記上基板を保持するために、凹凸のある基板保持面を備えた上テーブルと、凹凸のある基板保持面を備えた下テーブルを備え、どちら一方の基板に接着剤を塗布した前記上下基板を真空状態で所定の加圧力で仮貼合せをする仮貼合室と、フィルム巻き出し部真空状態で前記仮貼合された基板を加熱し加圧するための加圧面が平らな上下の定盤位置までフィルムに挟んで搬送し、加熱すると共に、仮貼合時よりも高圧で貼り合せを行う加熱貼合室と、本貼合を行った基板を本貼合室外に前記本貼合室から大気状態で基板を搬出するパネル搬出部から構成した基板組立装置。
【請求項2】
請求項1に記載の基板組立て装置において、
前記仮貼合室内の上テーブルには上基板を受け取るための複数の真空吸着パッド用や、粘着部材を剥がすための複数の突出ピン用の穴からなる凹凸が、下テーブルには複数の持ち上げピン用の穴からなる凹凸があることを特徴とする基板組立装置。
【請求項3】
請求項2に記載の基板組立装置において、
前記仮貼合室内には仮貼合後の基板を本貼合室に搬送するためのローラコンベアを設けてあることを特徴とする基板組立装置。
【請求項4】
請求項3に記載の基板組立装置において、
前記本貼合室内が上下にフィルムを繰出すフィルム繰出しローラを備えたフィルム繰出し部と、上下にフィリムを巻き取る巻取りローラを備えたフルム巻取り部との間に加熱加圧室を配置たことをことを特徴とする基板組立装置。
【請求項5】
請求項4に記載の基板組立装置において、
前記仮貼合室内で上下基板の正確な位置合わせを行い、仮貼合を行い、前記本貼合室内の加熱貼合部では基板の進入を検出して基板位置合わせを行う構成とした基板組立装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−133098(P2012−133098A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284655(P2010−284655)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000005452)株式会社日立プラントテクノロジー (1,767)
【Fターム(参考)】