説明

基準濃度アルコールガス生成装置

【課題】コンパクトな装置で低濃度のアルコールガスを高精度に生成することにある。
【解決手段】吸気口2を有するとともに内部に電気ヒータ3を有する気化器4と、前記容器内の電気ヒータの高温側表面に所定濃度のアルコール水溶液を所定量供給するアルコール水溶液供給器5と、前記気化器および吐出口とそれぞれ連通されるとともに内部に気密に往復移動可能に嵌挿されたピストン8を有するシリンダ9と、前記気化器と前記シリンダとの間および前記吐出口と前記シリンダとの間にそれぞれ介装された二個の開閉バルブ10,11とを具えてなる、基準濃度アルコールガス生成装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、呼気アルコール濃度測定装置の精度確認を行うための基準となる基準アルコール濃度のアルコールガスを生成する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
呼気アルコール濃度測定装置の精度確認を行うための基準となるアルコールガスは、従来は、所定量の空気が入った容器(人工肺)内にアルコール液をスポイト等で所定量添加することで生成していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記アルコールガスの基準アルコール濃度は0.15mg/リットルと極めて低く値であることから、上記従来の方法では空気に添加するアルコールの量が微量となるため、アルコール液の添加量の精度を得るのが困難であるという問題があった。
【0004】
また上記従来の方法では、添加するアルコール液の量を多くして精度を高くしようとすると、空気の容器が大きくなりすぎて、装置全体が極めて大きなものとなってしまうという問題があり、加えて、空気は温度の変化によって体積が大きく変動するので、生成するアルコールガスの濃度もさらに不安定なものになってしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本願出願人は先に、生成するアルコールガスのアルコール濃度の精度を高めるとともに、装置全体をコンパクトに構成するために、ベンチュリ管の括れ部を通した空気に、アルコール蒸気を含んだ空気を流量調節バルブで流量調節して混合し、その混合気のアルコール濃度を所定濃度にすることを提案したが、この場合には、気温によってアルコールの飽和蒸気圧も変化するため、混合気に混合する前のアルコール蒸気を含んだ空気中のアルコール量が気温の変化の影響を受け易いという新たな課題が生じた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、この発明の基準濃度アルコールガス生成装置は、吸気口を有するとともに内部に電気ヒータを有する気化器と、前記気化器内の電気ヒータの高温側表面に所定濃度のアルコール水溶液を所定量供給するアルコール水溶液供給器と、前記気化器および吐出口とそれぞれ連通されるとともに内部に気密に往復移動可能に嵌挿されたピストンを有するシリンダと、前記気化器と前記シリンダとの間および前記吐出口と前記シリンダとの間にそれぞれ介装された二個の開閉バルブと、を具えてなるものである。
【発明の効果】
【0007】
かかるこの発明の基準濃度アルコールガス生成装置にあっては、アルコール水溶液供給器で、気化器内の例えば一時的に通電された電気ヒータの高温側表面に所定濃度のアルコール水溶液を所定量供給し、そのアルコール水溶液を電気ヒータの熱により蒸発させて気化器内で所定量のアルコールのアルコール蒸気を生成するとともに、吐出口とシリンダとの間の開閉バルブを閉じたまま気化器とシリンダとの間の開閉バルブを開いてシリンダ内のピストンを吸引側へ所定距離移動させることにより、気化器内のアルコール蒸気が混合された所定量の空気をシリンダ内に吸引してシリンダ内で所定濃度のアルコールガスを所定量生成し、次いで、気化器とシリンダとの間の開閉バルブを閉じてから吐出口とシリンダとの間の開閉バルブを開いてシリンダ内のピストンを吐出側へ所定距離移動させることにより、シリンダ内の所定濃度のアルコールガスが吐出口から所定量吐出される。
【0008】
そしてアルコール水溶液を気化器内で蒸発させてシリンダ内に吸引する間、気化器内の電気ヒータが例えば一時的に高温になることで、気化器内の空気の温度上昇を実質的に防止する。
【0009】
従って、この発明の基準濃度アルコールガス生成装置によれば、所定濃度のアルコール水溶液を供給する水溶液供給器と、電気ヒータを内部に有する気化器と、ピストンを有するシリンダと、二つのバルブとを主な構成要素とするコンパクトな装置で、低濃度のアルコールガスを高精度に生成することができる。
【0010】
なお、この発明の基準濃度アルコールガス生成装置においては、前記ピストンを電気的に駆動するピストン駆動手段と、前記二個の開閉バルブを電気的に駆動するバルブ駆動手段と、前記電気ヒータおよび前記アルコール水溶液供給器の電気的な作動を制御するとともに前記ピストン駆動手段および前記バルブ駆動手段の作動を電気的に制御するコントローラと、を具えていても良く、このようにすれば、所定アルコール濃度のアルコールガスを自動的に生成して吐出口から吐出させることができる。
【0011】
また、この発明の基準濃度アルコールガス生成装置においては、前記電気ヒータは、ペルチェ素子であっても良く、このようにすれば、アルコール水溶液を気化器内で蒸発させてシリンダ内に吸引する間、気化器内のペルチェ素子が、高温側表面での発熱と同時に反対側の表面での冷却も行って、気化器内の空気の温度上昇を実質的に防止する。
【0012】
さらに、この発明の基準濃度アルコールガス生成装置においては、前記アルコール水溶液供給器は、インクジェット方式でアルコール水溶液を所定量供給するものでも良く、このようにすれば、電気的な制御によって自動的に微少量のアルコール水溶液を高精度に気化器内のペルチェ素子に供給することができる。
【0013】
一方、この発明の基準濃度アルコールガス生成装置においては、前記アルコール水溶液供給器は、マイクロシリンジでアルコール水溶液を所定量供給するものでも良く、このようにすれば、手動で、あるいは電気的な駆動手段によって自動的に、微少量のアルコール水溶液を高精度に気化器内のペルチェ素子に供給することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、この発明の基準濃度アルコールガス生成装置の一実施例の構成を示す説明図、図2は、この発明の基準濃度アルコールガス生成装置の他の一実施例の構成を示す説明図、図3は、図2のA部を拡大して示す説明図、図4は、この発明の基準濃度アルコールガス生成装置のさらに他の一実施例の構成を示す説明図、そして図5(a)および(b)は、図4の実施例の基準濃度アルコールガス生成装置の作動を拡大して示す説明図である。
【0015】
図1に示す実施例の基準濃度アルコールガス生成装置は、エアフィルタ1が設けられた吸気口2を有するとともに内部に板状の、電気ヒータとしてのペルチェ素子3を有する気化器4と、その気化器4内の通電されたペルチェ素子3の高温側(図では上側)表面にアルコール容器5から所定濃度のアルコール水溶液SAをインクジェット方式で所定量供給するアルコール水溶液供給器6と、アルコールガス吐出口7と、それら気化器4およびアルコールガス吐出口7とそれぞれ連通されるとともに内部に機密に往復移動可能に嵌挿されたピストン8を有するシリンダ9と、それら気化器6とシリンダ9との間およびアルコールガス吐出口7とシリンダ9との間にそれぞれ介装された二個の電磁式開閉バルブ10,11と、ピストン8を電気的に往復駆動するピストン駆動手段としての通常のボールねじ式直線移動機構12と、それらペルチェ素子3とアルコール水溶液供給器6と二個の電磁式開閉バルブ10,11とボールねじ式直線移動機構12との作動を予め与えられたプログラムに基づき電気的に制御する通常のマイクロコンピュータを持つコントローラ13とを具えている。
【0016】
ここで、エアフィルタ1としては、気化器4内への空気中の異物の吸引を防止する他、気化器4内への空気中のアルコール分の吸引をも防止するものが好ましく、例えばアルコール分を吸着除去する活性炭入りフィルタが好ましい。また、アルコール水溶液供給器6のインクジェット方式としては、例えば通常のプリンタのヘッドに用いられている、ピエゾ素子を電圧を加えて変形させて所定量の液滴を射出するピエゾ方式や、ヒータで液中でバブルを発生およびはじけさせて所定量の液滴を射出するバブルジェット(登録商標)方式や、ヒータで液中でバブルを発生させて所定量の液滴を射出するサーマルジェット方式等を適用することができる。
【0017】
かかるこの実施例の基準濃度アルコールガス生成装置にあっては、コントローラ13から通電制御したアルコール水溶液供給器6が気化器4内の、コントローラ13から通電したペルチェ素子3の高温側表面に所定濃度のアルコール水溶液SAを所定量供給し、そのアルコール水溶液SAをペルチェ素子3の熱により蒸発させて気化器4内で所定量のアルコールのアルコール蒸気VAを生成するとともに、コントローラ13からの通電制御でアルコールガス吐出口7とシリンダ9との間の開閉バルブ11が閉じたまま気化器4とシリンダ9との間の開閉バルブ10が開き、さらにコントローラ13から通電制御したボールねじ式直線移動機構12がシリンダ9内のピストン8を吸引側(図では上方)へ所定距離移動させることにより、シリンダ9内の負圧でエアフィルタ1を介して吸気口2から空気ARを気化器4内に吸引し、さらにその空気ARを気化器4内のアルコール蒸気と混合してシリンダ9内に吸引する。
【0018】
これにより、シリンダ9内に所定濃度のアルコールガスGが所定量生成され、次いで、コントローラ13からの通電制御で気化器4とシリンダ9との間の開閉バルブ10が閉じてからアルコールガス吐出口7とシリンダ9との間の開閉バルブ11が開き、その後さらにコントローラ13から通電制御したボールねじ式直線移動機構12がシリンダ9内のピストン8を吐出側(図では下方)へ所定距離移動させることにより、シリンダ9内の所定濃度のアルコールガスGがアルコールガス吐出口7から所定量吐出される。
【0019】
そしてアルコール水溶液SAを気化器4内で蒸発させてシリンダ9内に吸引する間、気化器内4のペルチェ素子3は、高温側表面での発熱と同時に反対側の表面での冷却も行って、気化器4内の空気ARの温度上昇を実質的に防止する。
【0020】
従って、この実施例の基準濃度アルコールガス生成装置によれば、所定濃度のアルコール水溶液SAを供給する水溶液供給器6と、ペルチェ素子3を内部に有する気化器4と、ピストン8を有するシリンダ9と、二つの電磁式開閉バルブ10,11と、ボールねじ式直線移動機構12と、コントローラ13とを主な構成要素とするコンパクトな装置で、低濃度のアルコールガスを高精度に生成することができる。
【0021】
すなわちこの実施例の装置によれば、アルコール水溶液SA内のアルコール量と、シリンダ9のピストン8で増大させる容積とを調整することにより、目的の濃度のアルコールガスGを生成することができる。例えば、アルコール10%水溶液2.0μlと空気を、内径10mmのシリンダ9内にピストン8の13.33cmのストロークで吸引すると、シリンダ9内のアルコールガス濃度は、2.0(μl)×0.1(10%)×0.785(比重)×5×5×3.1415(シリンダ断面積)×13.33(ピストンストローク)=約0.15mg/l(リットル)となり、これは飲酒呼気アルコール濃度に相当する。通常、微量の液体の計量は極めて困難であるが、この実施例によれば、アルコール水溶液として濃度を希釈することで計量精度を高めることができ、ひいてはシリンダ9を小さくし得て、装置全体を小型化することができる。
【0022】
また、ヒータとしてペルチェ素子3を用いることで、吸入空気の温度変化を小さくすることができる(一般にペルチェ素子は通電すると、片面が高温になるが反対側の面は冷却されている)。通常、基準アルコールガスは使用場所の温度をガス生成時の温度に合わせないと指定の濃度が得られないが、この実施例によれば、得られるアルコールガスは生成時の室温に対する目的の濃度のものとなる。しかも、前述のように飽和蒸気圧を利用した場合は温度による影響が大きいため精度が出にくいが、この実施例ではアルコールを液体のまま用いるため比重への影響しか受けず、アルコール密度(g/cm)は15℃で0.78351、20℃で0.78924、25℃で0.78493と、温度による変化が僅かであるので、その影響による誤差も少なく、また液温を計測することで容易に補正することができる。
【0023】
そして、インクジェット方式によれば、1パルスあたり1nl(ナノリットル)、1/1000μl、精度1%程度の微小液滴が得られるので、この実施例によれば、アルコール水溶液をインクジェット方式で供給することで、極めて高い精度のアルコールガス濃度を得ることができる。
【0024】
アルコールガス濃度は、アルコール量/空気量で決定でき、空気量はシリンダ9の容量で定まるので、制御が容易で、室温での容量を簡単に得ることができる。また、アルコールと空気との混合は、シリンダ9内に空気を吸引する際に気化器4を通して吸引することで容易に行うことができる。
【0025】
なお、気化器4内でのアルコールの気化は、通常の抵抗式電熱ヒータにアルコール水溶液を滴下することでも行えるが、この実施例では、電気ヒータとしてペルチェ素子3を用いているので、シリンダ9内に吸引する空気の温度上昇を小さく抑えることができる。
【0026】
図2および図3に示す実施例の基準濃度アルコールガス生成装置は、アルコール水溶液供給器6を、インクジェット方式に代えてマイクロシリンジ方式にした点のみ先の実施例と異なり、他の点では先の実施例と同様に構成されている。
【0027】
この実施例では、アルコール水溶液供給器6は、マイクロシリンジ6aと、そのマイクロシリンジ6a内に液密に往復移動可能に嵌挿されたピストン6bと、コントローラ13による電気制御でそのピストン6bを往復移動させる通常のボールねじ式直線移動機構6cと、マイクロシリンジ6aの吸引時に負圧で開いてアルコール容器5から所定濃度のアルコール水溶液をマイクロシリンジ6a内に供給するとともにマイクロシリンジ6aの吐出時にバネまたは正圧で閉じる開閉バルブ6dと、マイクロシリンジ6aの吸引時にバネまたは負圧で閉じるとともにマイクロシリンジ6aの吐出時に正圧で開いてマイクロシリンジ6aから所定濃度のアルコール水溶液を気化器4内に供給する開閉バルブ6eとを有している。
【0028】
かかる実施例の基準濃度アルコールガス生成装置によっても、コントローラ13による電気制御でボールねじ式直線移動機構6cがピストン6bを往復移動させることで、アルコール容器5から所定濃度のアルコール水溶液が所定量、マイクロシリンジ6a内に供給され、次いでそのマイクロシリンジ6a内から気化器4内のペルチェ素子3に供給されるので、先の実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0029】
図4および図5に示す実施例の基準濃度アルコールガス生成装置は、図2および図3に示す実施例と同様、アルコール水溶液供給器6を、インクジェット方式に代えてマイクロシリンジ方式にした点のみ先の実施例と異なり、他の点では先の実施例と同様に構成されている。
【0030】
この実施例では、アルコール水溶液供給器6は、マイクロシリンジ6aと、そのマイクロシリンジ6a内に液密に往復移動可能に嵌挿されたピストン6bと、コントローラ13による電気制御でそのピストン6bを往復移動させる通常のボールねじ式直線移動機構6cと、マイクロシリンジ6aの先端に装着された中空針6fと、コントローラ13による電気制御でボールねじ式直線移動機構6c自体をマイクロシリンジ6aおよび中空針6fと一緒に往復移動させるさらなるボールねじ式直線移動機構6gとを有しており、気化器4はその中心で回転可能にペルチェ素子3を支持するとともに、その気化器4の中心を避けた位置への中空針6fの貫通を可能にする二つの針穴4aを有し、アルコール容器5は、それらの針穴4aと整列する位置に配置されている。
【0031】
さらにこの実施例では、ペルチェ素子3は、図5(a)に示すように、マイクロシリンジ6aおよび中空針6fが前進移動して、中空針6fが気化器4を貫通してアルコール容器5内に挿入される際には中空針6fを避けた傾斜姿勢になり、また図5(b)に示すように、マイクロシリンジ6aおよび中空針6fが後退移動して、中空針6fの先端が気化器4内に引っ込んだ際には、中空針6fと接触する水平姿勢になってデッドボリュームを略ゼロとするように、マイクロシリンジ6aおよび中空針6fと図示しない連結機構を介して連結されて、マイクロシリンジ6aおよび中空針6fの往復移動と連動して回動する。
【0032】
かかる実施例の基準濃度アルコールガス生成装置によっても、コントローラ13による電気制御でボールねじ式直線移動機構6gがマイクロシリンジ6aおよび中空針6fを前進移動させるとともにボールねじ式直線移動機構6cがピストン6bを後退移動させることで、アルコール容器5から所定濃度のアルコール水溶液が所定量、マイクロシリンジ6a内に供給され、次いでボールねじ式直線移動機構6gがマイクロシリンジ6aおよび中空針6fを後退移動させるとともにボールねじ式直線移動機構6cがピストン6bを前進移動させることで所定濃度のアルコール水溶液が所定量、そのマイクロシリンジ6a内から気化器4内のペルチェ素子3に供給されるので、先の実施例と同様の作用効果を得ることができる
【0033】
そしてこれら図2,3および図4,5にそれぞれ示す実施例によれば、市販のマイクロシリンジを用いてアルコール水溶液供給器6を構成できるので、基準濃度アルコールガス生成装置を容易に構成することができる。
【0034】
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の例に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更でき、例えば、ペルチェ素子3に代わりに通常の抵抗型電熱ヒータを用い、アルコール水溶液供給器6がアルコール水溶液を滴下する際の短時間だけその電熱ヒータに通電して発熱させるようにすれば、空気の温度上昇を抑えつつ、装置をより安価にすることができる。また、シリンダ内のピストンや、マイクロシリンジ内のピストンの駆動、開閉バルブの開閉駆動等、上記実施例では電動の駆動手段を設けている箇所の一つまたは複数で、電動の駆動手段を省略して手動操作に変更すれば、装置構成をよりコンパクトにすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
かくしてこの発明の基準濃度アルコールガス生成装置によれば、所定濃度のアルコール水溶液を供給する水溶液供給器と、電気ヒータを内部に有する気化器と、ピストンを有するシリンダと、二つのバルブとを主な構成要素とするコンパクトな装置で、低濃度のアルコールガスを高精度に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】この発明の基準濃度アルコールガス生成装置の一実施例の構成を示す説明図である。
【図2】この発明の基準濃度アルコールガス生成装置の他の一実施例の構成を示す説明図である。
【図3】図2のA部を拡大して示す説明図である。
【図4】この発明の基準濃度アルコールガス生成装置のさらに他の一実施例の構成を示す説明図である。
【図5】(a)および(b)は、図4の実施例の基準濃度アルコールガス生成装置の作動を拡大して示す説明図である。
【符号の説明】
【0037】
1 エアフィルタ
2 吸気口
3 ペルチェ素子
4 気化器
4a 針穴
5 アルコール容器
6 アルコール水溶液供給器
6a マイクロシリンジ
6b ピストン
6c,6g ボールねじ式直線移動機構
6d,6e 開閉弁
6f 中空針
7 吐出口
8 ピストン
9 シリンダ
10,11 開閉バルブ
12 ボールねじ式直線移動機構
13 コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口を有するとともに内部に電気ヒータを有する気化器と、
前記容器内の電気ヒータの高温側表面に所定濃度のアルコール水溶液を所定量供給するアルコール水溶液供給器と、
前記気化器および吐出口とそれぞれ連通されるとともに内部に気密に往復移動可能に嵌挿されたピストンを有するシリンダと、
前記気化器と前記シリンダとの間および前記吐出口と前記シリンダとの間にそれぞれ介装された二個の開閉バルブと、
を具えてなる、基準濃度アルコールガス生成装置。
【請求項2】
前記ピストンを電気的に駆動するピストン駆動手段と、
前記二個の開閉バルブを電気的に駆動するバルブ駆動手段と、
前記電気ヒータおよび前記アルコール水溶液供給器の電気的な作動を制御するとともに前記ピストン駆動手段および前記バルブ駆動手段の作動を電気的に制御するコントローラと、
を具えることを特徴とする、請求項1記載の基準濃度アルコールガス生成装置。
【請求項3】
前記電気ヒータは、ペルチェ素子であることを特徴とする、請求項1または2記載の基準濃度アルコールガス生成装置。
【請求項4】
前記アルコール水溶液供給器は、インクジェット方式でアルコール水溶液を所定量供給することを特徴とする、請求項1から3までの何れか記載の基準濃度アルコールガス生成装置。
【請求項5】
前記アルコール水溶液供給器は、マイクロシリンジでアルコール水溶液を所定量供給することを特徴とする、請求項1から3までの何れか記載の基準濃度アルコールガス生成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−128251(P2009−128251A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305032(P2007−305032)
【出願日】平成19年11月26日(2007.11.26)
【出願人】(592059448)原田電子工業株式会社 (20)
【出願人】(507388915)株式会社 ベーシック (1)
【Fターム(参考)】