説明

基礎代謝向上浴用剤

【課題】入浴の際に用いることにより、基礎代謝量自体を上げる作用を発揮し、過体重又は肥満化傾向にあるヒトに対して有用な基礎代謝向上浴用剤の提供。
【解決手段】(A)有機酸、(B)炭酸塩、(C)油性成分及び(D)非イオン界面活性剤を含有する浴用剤からなり、(B)炭酸塩中に炭酸ジアルカリ金属塩を75質量%〜100質量%含有する微細発泡性の基礎代謝向上浴用剤。該有機酸としては、フマル酸、リンゴ酸及び酒石酸であることが好ましい。該炭酸ジアルカリ金属塩としては、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムであることが好ましい。油性成分としては、分子量が100以上でありClogP値が4〜18である脂肪酸エステル、例えば、パルミチン酸イソプロピルやミリスチン酸オクチルドデシルであることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎代謝向上浴用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食生活が多種多様化するのに伴い、食事による1日の摂取エネルギー量が消費エネルギーを上回り、体脂肪過多や体重増加を招き肥満になりやすい傾向にある。健康維持や美容の観点からもこうした傾向を改善すべく、運動や食事療法等、様々な方法が採られている。しかしながら、こうした方法は継続するのが容易ではない上、一時的に理想的な体型を確保することができてもリバウンドするおそれもあり、また過酷さや苦痛を訴える人も少なくない。
【0003】
体脂肪過多や体重増加を回避するにあたり、無理な運動や食事制限をせずとも容易に継続できる方法として、日常生活のなかで欠くことのできない行為である入浴が挙げられる。入浴によって、保温効果や血行促進効果がもたらされるとともに、身体を活動的にさせて消費エネルギー量を高めることができる(非特許文献1参照)。また、入浴の際、例えば、死海塩とアルミニウム塩とを必須成分とする剤やトルマリン還元水とワイン材料とを含むような剤を用いることで、さらに新陳代謝の促進効果が高められることも知られている(特許文献1〜2)。しかしながら、入浴により得られるこれらの効果は、あくまでも一時的であるにすぎず、特に太りやすい体質を根本的に変えて肥満を予防したり、改善したりするまでには至らない。
【0004】
一方、その他、体脂肪過多や体重増加を効果的に回避する方法として、基礎代謝量自体を上げる方法が挙げられる。基礎代謝は、呼吸や体温調整等の生命を維持するために消費されるエネルギーであって就寝中でも消費されるものであり、その量は全消費エネルギーの7割程を占めている。基礎代謝量は年齢や性別のほか、身長や体重、脂肪や筋肉の量等によっても変動し得るため個人差はあるが、基礎代謝を高めることができれば、恒常的に消費エネルギー量が高められ、太りにくい体質にすることが可能となる。
【0005】
したがって、肥満を予防又は改善するにあたり、基礎代謝量自体を上げることは理想的な根本療法であり、様々な手段を用いた試みがなされている。例えば、チオクト酸類を含有する剤を経口摂取すること等により、基礎代謝量を上げられることは知られている(特許文献3参照)、しかしながら、浴用剤によって基礎代謝量自体を上げる効果が得られることは、未だ知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3457395号公報
【特許文献2】特開2000−72655号公報
【特許文献3】特開2007−308468号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】大塚吉則、「温泉療法 癒しへのアプローチ」、南山堂、2000年、p.19、22
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
こうしたことから、入浴による血行促進効果や新陳代謝の促進効果をさらに高めるものとして、上述のような剤は知られているものの、基礎代謝量自体を上げる効果をもたらす剤は依然として皆無である。
従って、本発明の課題は、入浴の際に用いることにより、基礎代謝量自体を上げる作用を発揮する剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで本発明者は、種々の浴用剤を用いて入浴による効果を検討してきたところ、有機酸、炭酸塩、油剤及び非イオン界面活性剤を含有し、炭酸ガスが皮膚の内部に高濃度に浸透する微細発泡性の浴用剤を用いて入浴すれば、基礎代謝自体を高めて太りにくい体質に変化させることが手軽にできることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、(A)有機酸、(B)炭酸塩、(C)油性成分及び(D)非イオン界面活性剤を含有する浴用剤からなり、(B)炭酸塩中に炭酸ジアルカリ金属塩を75質量%〜100質量%含有する微細発泡性の基礎代謝向上浴用剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の基礎代謝向上浴用剤を用いれば、単に入浴という日常的な行為を繰り返すことにより、容易に基礎代謝を高めることができ、無理な運動や食事制限をすることなく太りにくく痩せやすい体質に変化させることできる。したがって、効率のよい減量や、体脂肪過多又は体重増加の効果的な回避を可能とし、理想的な体型を確保して、肥満の予防又は改善に大いに役立たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の基礎代謝向上浴用剤による、試験開始前、試験開始から2週間経過後及び4週間経過後における、安静時エネルギー消費量(REE)の変化量(kcal/day)を示す図である。
【図2】安静時エネルギー消費量の変化と、(a)BMI(体格指数)、(b)体脂肪率、及び(c)内臓脂肪面積との関連性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、基礎代謝とは、肉体及び精神共に安静にした状態における消費エネルギーであり、安静時消費エネルギー(REE:resting energy expenditure)と同義である。
本発明の基礎代謝向上浴用剤は、(A)有機酸、(B)炭酸塩、(C)油性成分及び(D)非イオン界面活性剤を含有する浴用剤からなり、(B)炭酸塩中に炭酸ジアルカリ金属塩を75質量%〜100質量%含有し、微細発泡性を発揮する。本発明の基礎代謝向上浴用剤は、油性成分及び非イオン活性剤の存在下において炭酸ガスを微細な泡として発生させることで炭酸ガスの皮膚への吸収が高まることにより、呼吸商が促進されて基礎代謝が高められる。炭酸ガスを微細な泡として発生させるには、炭酸塩として、炭酸ジアルカリ金属塩を75質量%〜100質量%含有することが重要である。
【0014】
本発明において、微細な泡とは、浴水180リットル中に40〜60gの本発明の基礎代謝向上浴用剤を溶解した際に、発生した炭酸ガスの泡により、浴水が速やかに白濁し、後述する方法にて測定した濁度が30未満を意味し、発生する泡の粒子径は、泡が動くので正確な測定は困難であるが、ビデオ撮影により解析したところ、概ね20〜100μmであることを意味する。なお、泡の大きさは、発生した泡を含む溶液を、対流のない大きさのガラスセル(1mm×5mm×10mm)に閉じ込め、目盛りの付いたスライドガラスと共にビデオ顕微鏡を用いて撮影を行い、得られた画像から測定できる。
【0015】
従って、本発明で用いる成分(B)の炭酸塩は、炭酸ジアルカリ金属塩を75質量%〜100質量%含有するものである。炭酸ジアルカリ金属塩としては、炭酸ナトリウムや炭酸カリウム等が挙げられ、その他の炭酸塩としては、炭酸水素塩である炭酸水素ナトリウム等;二価以上の金属の炭酸塩である炭酸カルシウム等が挙げられる。基礎代謝向上効果の点で、炭酸ジアルカリ金属塩としては、炭酸ナトリウムがより好ましく、炭酸水素塩としては、炭酸水素ナトリウムがより好ましい。
【0016】
微細な炭酸ガスの泡を発生させ、基礎代謝の向上を促進させる点で、成分(B)の炭酸塩中の炭酸ジアルカリ金属塩の含有量は、75〜100質量%であり、80〜100質量%がより好ましく、85〜100質量%であることがさらに好ましい。
【0017】
成分(B)の炭酸塩の粒径は、泡の微細化、泡の持続時間、沈降性、基礎代謝向上効果等の点から、100〜750μmが好ましく、200〜500μmがより好ましく、250〜400μmであるのがさらに好ましい。なお、成分(B)の炭酸塩の粒径は実施例に記載の測定方法により決定される。
【0018】
本発明の基礎代謝向上浴用剤中の成分(B)である炭酸塩の含有量は、炭酸ガス発生量及び微細な炭酸ガスの泡を発生させ、基礎代謝向上効果を発揮させる点から、20〜70質量%が好ましく、25〜60質量%がより好ましく、30〜50質量%がさらに好ましい。
【0019】
本発明の基礎代謝向上浴用剤に用いられる(A)有機酸としては、基礎代謝向上効果を発揮させる点から、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、フタル酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、安息香酸、サリチル酸及びシュウ酸等の室温(25℃)で固体の有機酸が好ましい。これらの有機酸のうち、フマル酸、リンゴ酸及び酒石酸が好ましく、これらを1種又は2種以上組み合せてもよい。
これらの(A)有機酸の基礎代謝向上浴用剤中の含有量は、炭酸ガス発生量及び基礎代謝向上効果の点から、30〜75質量%が好ましく、40〜70質量%がより好ましく、45〜65質量%がさらに好ましい。
【0020】
本発明の基礎代謝向上浴用剤に用いられる成分(C)の油性成分としては、分子量が100以上でありClogP値が4〜18である脂肪酸エステルであると、微細な炭酸ガスの泡とともに成分(C)が皮膚に接触することにより、皮膚への吸着量及び浸透量が顕著に増加するため、炭酸ガスの皮膚からの吸収が増加して基礎代謝の向上が促進されるとともに、入浴後の皮膚に対してしっとり感を著しく持続させ、優れたスキンケア効果をも発揮するため好ましい。
【0021】
ここで、ClogP値は.A.Leo Comprehensive Medicinal Chemistry,Vol.4 C.Hansch、P.G.Sammens,J.B Taylor and C.A.Ramsden,Eds.,P.295,Pergamon Press,1990に記載の方法で計算した"計算logP(ClogP)"であり、プログラムCLOGP v4.01により計算したClogP値である。
【0022】
好ましい分子量が100以上でありClogP値が4〜18である脂肪酸エステルとしては、総炭素数8〜40の脂肪酸エステルが挙げられ、炭素数6〜20の脂肪酸基と炭素数2〜18のアルキル基を有するエステルが好ましく、炭素数6〜20の脂肪酸基と炭素数2〜16のアルキル基を有するエステルがより好ましい。具体的にはオクタン酸セチル、イソオクタン酸セチル、ラウリン酸ブチル、ラウリン酸イソアミル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、リノール酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、オレイン酸メチル、オレイン酸エチル等が挙げられる。また、分子内に脂肪酸エステル構造を有するトリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、トリカプリル酸グリセリル等の脂肪酸グリセリド類;イソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2等の脂肪酸ポリグリセリド類;大豆油、ヌカ油、ホホバ油、アボガド油、アーモンド油、オリーブ油、カカオ脂、ゴマ油、パーシック油、ヒマシ油、ヤシ油、ミンク油、牛脂、豚脂等の天然油脂、これらの天然油脂を水素添加して得られる硬化油及びミリスチン酸グリセリル、2−エチルヘキサン酸グリセリル等のグリセリド類等も挙げられる。これらの油性成分は1種単独で、又は2種以上を組み合せて使用できる。
【0023】
分子量が100以上でありClogP値が4〜18である脂肪酸エステル以外の油性成分としては、流動パラフィン、ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、セレシン、スクワラン、スクアレン、ジオクチルシクロヘキサン、ブリスタン等の炭化水素油;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸類;
ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、コレステロール、2−ヘキシルデカノール等の高級アルコール類;ハッカ油、ジャスミン油、ショウ脳油、ヒノキ油、トウヒ油、リュウ油、テレピン油、ケイ皮油、ベルガモット油、ミカン油、ショウブ油、パイン油、ラベンダー油、ベイ油、クローブ油、ヒバ油、バラ油、ユーカリ油、レモン油、タイム油、ペパーミント油、ローズ油、セージ油、メントール、シネオール、オイゲノール、シトラール、シトロネラール、ボルネオール、リナロール、ゲラーオール、カンファー、チモール、スピラントール、ピネン、リモネン、テルペン系化合物等の精油;シリコーン油類等が挙げられる。これらも適宜1種又は2種以上用いても良い。
【0024】
本発明の基礎代謝向上浴用剤中の成分(C)油性成分の含有量は、浴水に添加した際の油浮き防止、ぬるつき防止、また粒子固着防止及び基礎代謝向上効果等の点から、0.01〜10質量%が好ましく、0.2〜5質量%がより好ましい。
【0025】
本発明の基礎代謝向上浴用剤に用いられる成分(D)の非イオン界面活性剤としては、例えばショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルケニルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等が挙げられる。非イオン界面活性剤は1種でも良いが、2種以上用いることにより下記効果をさらに向上させることができるため好ましい。
【0026】
なかでも、微細な炭酸ガスの泡を大量に発生させて基礎代謝を向上させる点から、少なくともHLB10〜20の非イオン界面活性剤を用いるのが好ましく、HLB12〜18の非イオン界面活性剤を用いるのがより好ましい。本発明の基礎代謝向上浴用剤中の非イオン界面活性剤全量100質量部に対するHLB10〜20の非イオン界面活性剤の含有量は、30〜100質量部が好ましく、50〜100質量部がより好ましく、50〜90質量部がさらに好ましい。
ここで、HLBは、界面活性剤の親水性と疎水性のバランスを表すのに通常使用される値であり、当分野において慣用される川上式等の幾つかの計算式により求めることができる。本発明においては、下記の川上式を採用する。
HLB=7+11.7log(Mw/M0)
Mw:親水基の分子量
M0:疎水基の分子量
【0027】
これらの非イオン界面活性剤の中でも、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が好ましい。さらに、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシエチレンアルケニルエーテルから選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤と、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の非イオン界面活性剤を組み合わせることがより好ましい。こうすることで、さらに微細な炭酸ガスの泡の発生が著しく向上するため、基礎代謝向上効果にとって非常に好ましい。
【0028】
本発明の基礎代謝向上浴用剤中の成分(D)の非イオン界面活性剤の含有量は、浴水に添加した際の油浮き防止、ぬるつき防止及び基礎代謝向上効果等の点から、0.001〜5質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましい。
【0029】
本発明の基礎代謝向上浴用剤には、上記成分の他、成分(E)の水溶性高分子を含有させることができる。
【0030】
成分(E)水溶性高分子の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェノールエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アラビアガム、キサンタンガム、グアーガム、ゼラチン、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、デキストリン、デンプン、寒天、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等が挙げられ、なかでも水中で膨潤して高粘度の膜を形成するという観点から、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましい。これらは1種又は2種以上用いても良い。また、基礎代謝向上浴用剤中にこれら水溶性高分子を含有する場合、その含有量は、浴水のぬるつき防止、浴槽の滑り抑制、浴水の増粘防止及び基礎代謝向上効果の点で、0.001〜15質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
【0031】
本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲で、通常浴用剤に用いられている成分を添加することができる。このような成分としては、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、蔗糖、マルトース、フルクトース、トレハロース等の糖類;
塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウム、ポリリン酸ナトリウム、塩化アンモニウム、硫酸鉄、燐酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硼酸、メタ珪酸、無水珪酸、珪酸カルシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酸化マグネシウム、ポリ燐酸ナトリウム等の無機塩類;
ソウジュツ、ビャクジュツ、カノコソウ、ケイガイ、コウボク、センキュウ、橙皮、トウキ、ショウキョウ末、ニンジン、ケイヒ、シャクヤク、ハッカ葉、オウゴン、サンシシ、ブクリョウ、ドクカツ、ショウブ、ガイヨウ、マツブサ、ビャクシ、ジュウヤク、リュウノウ、サフラン、オウバクエキス、チンピ、ウイキョウ、チンピ末、カミツレ、メリッサ、ローズマリー、マロニエ、西洋ノコギリ草、アルニカ等の生薬類;
エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;
グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール等の多価アルコール;
ビタミンA等のビタミン類;
ペプシン等の蛋白分解酵素;
酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、イオウ、鉱砂、湯の花、カゼイン、中性白土、サリチル酸ナトリウム、卵黄末、イリ糠、雲母末、脱脂粉乳、殺菌防腐剤、金属封鎖剤、香料、色素、生薬類その他製剤上必要な成分等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
本発明の基礎代謝向上浴用剤の形態は、固形浴用剤であることが好ましく、粉体、粒状等の浴用剤がより好ましい。粉体、粒状の場合、炭酸塩の粒子がそのまま混在しているのが好ましい。
【0033】
なお、(A)有機酸は、基礎代謝向上浴用剤中にそのまま配合してもよいし、(C)油性成分、(D)非イオン界面活性剤、(E)水溶性高分子によりコーティングしてもよいし、造粒して用いてもよい。
【0034】
特に、炭酸ガスを微細な泡として発生させ、基礎代謝の向上効果を充分に発揮させるには、(A)有機酸を含む造粒物(a)と(B)炭酸塩とを含有する粒状の浴用剤を用いるのが好ましく、(A)有機酸、(C)油性成分、(D)非イオン界面活性剤及び(E)水溶性高分子を含む造粒物(a)としたものと、(B)炭酸塩とを含有する粒状の浴用剤を用いるのが好ましい。
【0035】
ここで、造粒物(a)に用いられる(a1)有機酸は前記と同様、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、マレイン酸、コハク酸、フタル酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、安息香酸、サリチル酸及びシュウ酸等の室温(25℃)で固体の有機酸が好ましい。これらの有機酸のうち、フマル酸が上記機能改善の点でさらに好ましい。これら有機酸は、単独又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
【0036】
造粒物(a)中の(a1)有機酸の含有量は、40〜95質量%が好ましく、70〜90質量%がより好ましい。この範囲内であると、泡の微細化や発泡性及び基礎代謝の向上効果が良好であるため好ましい。
【0037】
造粒物(a)には、造粒物(a)の浴水中への溶解性を制御し、泡の微細化や発泡性及び基礎代謝向上効果に有効に作用する点で、さらに(a2)油性成分を用いるのが良い。本発明で用いる(a2)油性成分は、造粒物(a)の浴水中への溶解性を制御し、泡の微細化や発泡性に有効に作用する。ここで、(a2)油性成分は、前記と同様のものを用いると良いが、造粒物(a)中の(a2)油性成分の含有量は、0.1〜30質量%が好ましく、0.3〜15質量%がより好ましく、0.5〜10質量%がさらに好ましく、0.5〜8質量%が殊さらに好ましい。この範囲内であると、泡の微細化や発泡性及び基礎代謝の向上効果に有効に作用すると共に、造粒物の保形性も良好である。
【0038】
造粒物(a)には、(a2)油性成分と共に造粒物中に含有させることにより、本発明の基礎代謝向上浴用剤を浴水に投入した場合に、(a2)油性成分を浴湯中に均一に乳化させ、泡の微細化や発泡性に有効に作用するとともにその(a2)油性成分又は(a3)非イオン界面活性剤ミセル中に炭酸ガスを十分量溶解させることができる点から、さらに(a3)非イオン界面活性剤を用いるのが良い。
【0039】
造粒物(a)に用いられる(a3)非イオン界面活性剤としては、前記と同様のものを用いると良く、造粒物(a)中の(a3)非イオン界面活性剤の含有量は、油性成分と非イオン界面活性剤の合計量中、10〜70質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。この範囲内であると、造粒物の保形性を保つという観点や、油性成分を浴水中に均一に乳化させると共に炭酸ガスの泡の微細化や発泡性及び基礎代謝向上に有効に作用する点から好ましい。
【0040】
なお、本発明における造粒物(a)には、上記以外の成分であっても、本発明の課題を解決できる範囲内において、適宜配合することができる。そのような成分としては、水溶性バインダー、崩壊助剤、肌感触向上剤、消泡剤、酸化防止剤、分散剤、香料、防菌・防黴剤、色素、生薬類等が挙げられるが、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、前述の、通常浴用剤に用いられている成分を、上記成分を混合する際に添加することができるとして列挙したものも適宜造粒物(a)中に配合しても良い。
【0041】
すなわち、造粒物(a)中に、さらに、(a4)水溶性バインダーを配合して、上記油性成分や非イオン界面活性剤と共に用いられることで、造粒物の溶解性を制御して泡のよりいっそうの微細化や発泡性及び基礎代謝向上効果に有効に作用すると共に、造粒物の強度を高める。また、(a1)有機酸が(a4)水溶性バインダーによって被覆されることで、保存中に造粒物(a)中の(a1)有機酸と主に造粒物外に存在する(B)炭酸塩が接触して、反応することが抑制され、炭酸ガスの発生により包装容器が膨張することを防止し、保存安定性を向上させることができる。
【0042】
ここで、造粒物(a)に用いられる(a4)水溶性バインダーは前述の、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェノールエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アラビアガム、キサンタンガム、グアーガム、ゼラチン、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、デキストリン、デンプン、寒天、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の水溶性高分子のうち、熱可塑性のものが好ましい。そのような水溶性バインダーとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンフェノールエーテルが好ましく、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールがさらに好ましい。
【0043】
また、(a4)水溶性バインダーの数平均分子量は、粉末化を行う際の粘度調整とハンドリング性の観点から、ポリスチレンを標準としたGPC法で、4,000〜20,000が好ましく、6,000〜13,000がより好ましく、7,000〜9,000がさらに好ましい。水溶性バインダーとして、ポリエチレングリコールの分子量を測定する場合には、溶媒として水/エタノールを用いた。
【0044】
また、これら(a4)水溶性バインダーを用いる場合には、数平均分子量の異なる水溶性バインダーを2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0045】
造粒物(a)中の(a4)水溶性バインダーの含有量は、2〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。前記下限値以上であると、造粒したときの粒子強度が高くなり、製造時の輸送過程で造粒物が壊れ難くなる。前記上限値以下であると、湯水中での造粒物の溶解性が向上し、微細発泡性が高められ、基礎代謝向上効果にとって好ましい。
【0046】
造粒物(a)中に、さらに崩壊助剤を配合することにより、造粒物(a)の崩壊性を向上させ、湯水中での溶解性を向上させることができる。崩壊助剤としては、常温(20℃)で固体の糖類や無機塩が好ましい。
【0047】
糖類としては、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、蔗糖、マルトース、フルクトース、トレハロースが挙げられる。
【0048】
無機塩としては、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、酸化マグネシウム、ポリ燐酸ナトリウム、燐酸ナトリウムが挙げられるが、無機塩として炭酸塩を含んでいても良いが、その場合は、造粒物(a)全体の15質量%未満、好ましくは、保存安定性の点から10質量%未満、より好適には5質量%未満、さらに好適には3質量%未満であることが好ましい。さらに、炭酸塩は造粒物(a)中に含有しないことが保存安定性の観点から最も好ましい。
【0049】
造粒物(a)中の崩壊助剤の含有量は、溶解性の観点から、0.1質量%〜15量%が好ましく、1質量%〜10質量%がより好ましい。
【0050】
さらに、造粒物(a)の粒径は、粉立ち、溶解性、沈降性及び基礎代謝向上の観点から、100〜1500μmが好ましく、400〜1200μmがより好ましく、600〜900μmがさらに好ましい。なお、造粒物(a)の粒径は実施例に記載の測定方法により決定される。
【0051】
本発明の基礎代謝向上浴用剤中の造粒物(a)の含有量は、炭酸ガスの浴水への溶解量、炭酸ガスの発生量及び微細な炭酸ガスの泡が得られ、基礎代謝向上効果が発揮される点から、30〜78質量%が好ましく、35〜75質量%がより好ましく、40〜70質量%がさらに好ましい。
【0052】
本発明においては、通常の造粒手段、すなわち、造粒物(a)に用いる各成分を適宜混合した後に押出造粒機や転動造粒機にて造粒することにより造粒物(a)を製造し、さらに、粒状の(B)炭酸塩及びその他の浴用剤組成物原料を混合することにより製造することができる。
【0053】
本発明においては、造粒物(a)及び成分(B)がそれぞれ独立の粒子状態で存在するものである。ここで「独立の粒子状態で存在する」とは、それぞれ独立した別個の粒子状態の造粒物(a)及び成分(B)が混在した状態で存在することを意味するものであり、粒状の浴用剤中では、造粒物(a)及び成分(B)が混在しており、一般的に粉状や顆粒状と呼ばれるものである。
【0054】
本発明においては、本発明の基礎代謝向上浴用剤の0.01質量%水溶液の25℃におけるpHが5〜7であるのが好ましく、5.5〜6.5であることがさらに好ましい。pHが5〜7であれば、発生した炭酸ガスが浴水中に溶け込み易く、基礎代謝がより高められる。
【0055】
本発明においては、浴水中に溶解した際に微細な炭酸ガスの泡が大量に発生する。微細な泡の発生は、浴水180リットル中に40〜60gの本発明の基礎代謝向上浴用剤を溶解した際に、発生した炭酸ガスの泡により、浴水が速やかに白濁することから確認できる。ここで発生する泡の粒子径は、泡が動くので正確な測定は困難であるが、ビデオ撮影により解析したところ概ね20〜100μmであった。泡の大きさは、発生した泡を含む溶液を、対流のない大きさのガラスセル(1mm×5mm×10mm)に閉じ込め、目盛りの付いたスライドガラスと共にビデオ顕微鏡を用いて撮影を行い、得られた画像から測定できる。
【0056】
本発明の基礎代謝向上浴用剤は、浴水に溶解し、炭酸ガスの泡を発生させて使用する。さらに、炭酸ガスの泡が生じているうちに入浴するのが好ましい。すなわち、基礎代謝向上浴用剤を浴水に投入して発泡を開始せしめ、発泡中又は発泡後浴水中に泡が残存している浴水に、好ましくは、浴水が微細な泡で白濁している状態にて、身体の少なくとも一部、好ましくは少なくとも膝から下、さらに好ましくは少なくとも腰から下の身体全体、なかでも肩から下の身体全体を浸漬すると、本発明の効果がさらに顕著に奏される。
【0057】
さらに本発明の基礎代謝向上浴用剤は、連続使用することによりいっそう効果が得られる。特に、4日以上連続して入浴することにより、例えば、1日における使用頻度は1日1回以上が好ましく、1週間における使用頻度は1週間のうちの5日間以上連続して入浴することにより、充分な効果が得られる。好ましい入浴回数は、7日以上、より好ましくは10日以上、さらに好ましくは14日以上連続する。このような連続入浴により、本発明の効果、すなわち、炭酸ガスが身体全体に亘って緩和的に作用し、基礎代謝が向上して肥満になりにくい体質に変化する。
【0058】
また、本発明の基礎代謝向上浴用剤の基礎代謝を高める効果をさらに向上させるためには、入浴温度は38〜41℃、1回の入浴時間は3〜18分、好ましくは5〜15分、さらに好ましくは8〜12分の全身浴とするのが好ましい。
【0059】
本発明の基礎代謝向上浴用剤は、特に年齢や性別等によって制限されることなく、幅広いヒトを対象として、入浴という日常的な行為により容易に基礎代謝を高めることができる。なかでも過体重又は肥満化傾向にあるヒトを対象として用いると、極めて効果的に基礎代謝量を上げることができる。
【0060】
過体重又は肥満化傾向にあるヒトとは、広く標準体重を超えたヒトだけでなく、やや太り気味、すなわち肥満気味のヒトから太りすぎ、いわゆる肥満のヒトをも含み、また標準体重超のいかんを問わず、体脂肪率の高いヒトや基礎代謝量が低めで太りやすい体質のヒトをも含む広義の意味である。これら過体重又は肥満化傾向にあるヒトであるか否かの判断は、年齢や性別等により変動し得る値ではあるが、体脂肪率を指標とすることができる。具体的には、体脂肪率が好ましくは男性で20%以上、女性で30%以上、より好ましくは男性で25%以上、女性で35%以上のヒトを対象とすると、本発明の基礎代謝向上浴用剤によって、より顕著な基礎代謝向上効果を得ることができる。
【0061】
また、BMI(Body mass index)を指標としてもよい。BMIは体脂肪率との相関性が高く、身長と体重から下記式により簡単に導き出せるので、過体重又は肥満化傾向の有無を容易に判断することができる。BMIは通常22が標準域の体重と判断されるが、具体的には、BMIが好ましくは24以上、より好ましくは26以上のヒトを対象とすると、本発明の基礎代謝向上浴用剤によって、より顕著な基礎代謝向上効果を得ることができる。
BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
【0062】
さらに、内臓脂肪面積を指標としてもよい。すなわち、本発明の基礎代謝向上浴用剤は、内臓脂肪面積が高いヒトに対しても、より顕著な基礎代謝向上効果をもたらすことができる。内臓脂肪面積は腹囲との相関性が高く、また性別等によっても大きく変動し得るが、具体的には、内臓脂肪面積が好ましくは90cm2以上、より好ましくは100cm2以上、さらに好ましくは110cm2のヒトを対象とすると、本発明の基礎代謝向上浴用剤によって、より顕著な基礎代謝向上効果を得ることができる。
【実施例】
【0063】
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<粒径>
粒径については、以下の方法により測定した。
(1)造粒物(a)及び炭酸塩の粒径は、JIS K 8801の標準篩(目開き2000〜125μm)を用いて5分間振動させた後、篩目のサイズによる重量分率からメジアン径を算出した。
より詳細には、目開き125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの9段の篩と受け皿を用いて、受け皿上に目開きの小さな篩から順に積み重ね、最上部の2000μmの篩の上から100gの粒子を添加し、蓋をしてロータップ型ふるい振とう機(HEIKO製作所製、タッピング156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、5分間振動させたあと、それぞれの篩及び受け皿上に残留した該粒子の質量を測定し、各篩上の該粒子の質量割合(%)を算出した。
【0064】
《微細発泡の程度(濁度)》
浴槽に40℃180Lのお湯を入れ、浴用剤を投入し、充分に攪拌して、直径5cmの円形の黒色ゴム板を浴水に沈め、肉眼で完全に見えなくなる深度をにごり度(濁度)として測定した。深度の数値(cm)が小さいほど、より微細な泡が生じていることを示す。
【0065】
[処方例1]
表1に示す処方に従い、押出造粒にて造粒物(a)を製造し、次いで表2に示す処方に従って造粒物(a)とその他の成分と混合することで粒状の浴用剤を調製した。
【0066】
【表1】

【0067】
【表2】

【0068】
[試験例1]
6名の男性被験者に、上記基礎代謝向上浴用剤50gを投入した40℃の浴水(概ね20〜100μmの微細な泡を発生させた濁度30未満pH5.5の浴水)に、一日の決められた時間帯の10分間で、1週間のうちの5日間以上の入浴を4週間継続させた。試験開始前、試験開始から2週間経過時点、及び試験開始から4週間経過時点の、安静時エネルギー消費量(REE)を呼気分析により測定し、試験開始前からの変化量を求めた。結果を図1に示す。
また、試験開始前における被験者のBMI、体脂肪率及び内臓脂肪面積を求め、これらの値と、試験開始前から4週間経過時点までの上記安静時エネルギー消費量(REE)の変化量とをプロットした結果を図2に示す。
【0069】
[比較試験例1]
5名の男性被験者に対し、上記基礎代謝向上浴用剤50gを投入した浴水の代わりに、一切浴用剤を投入しないさら湯を用いた以外、試験例1と同様にして、試験開始前、試験開始から2週間経過時点、及び試験開始から4週間経過時点の、安静時エネルギー消費量(REE)を呼気分析により測定し、試験開始前からの変化量を求めた。結果を図1に示す。
また、試験例1と同様に、試験開始前における被験者のBMI(体格指数)、体脂肪率及び内臓脂肪面積を求め、これらの値と、試験開始前から4週間経過時点までの上記安静時エネルギー消費量(REE)の変化量とをプロットした結果を図2に示す。
【0070】
図1によれば、本発明の基礎代謝向上浴用剤を用いて入浴すると、効果的に安静時エネルギー消費量が増加することがわかり、入浴という日常的な行為を繰り返すことにより、身体全体に作用を及ぼして基礎代謝自体を高めることができることがわかる。
また、図2によれば、BMI(図2(a))、体脂肪率(図2(b))及び内臓脂肪面積(図2(c))の値が高い者ほど、すなわち過体重又は肥満傾向にある被験者ほど、安静時エネルギー消費量が顕著に増加する傾向にあり、基礎代謝向上効果が顕著であることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)有機酸、(B)炭酸塩、(C)油性成分及び(D)非イオン界面活性剤を含有する浴用剤からなり、(B)炭酸塩中に炭酸ジアルカリ金属塩を75質量%〜100質量%含有する微細発泡性の基礎代謝向上浴用剤。
【請求項2】
基礎代謝向上浴用剤が、連続使用するものである請求項1記載の基礎代謝向上浴用剤。
【請求項3】
基礎代謝向上浴用剤が、1日1回以上、4日以上連続して入浴して使用するものである請求項2記載の基礎代謝向上浴用剤。
【請求項4】
過体重又は肥満化傾向にあるヒトに用いる請求項1〜3のいずれか1項記載の基礎代謝向上浴用剤。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−95709(P2013−95709A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240481(P2011−240481)
【出願日】平成23年11月1日(2011.11.1)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】