説明

堆積投与装置

本発明は気体を含む流動可能食品を堆積投与する堆積投与装置5に係わり、この装置は、加圧気体を含む流動可能食品を搬送する加圧給送ラインと、ピストン60およびチャンバ61を含み、給送ラインに作動連結されたピストン手段と、大気圧の下でモールド85に食品を配給する出口とを含む堆積投与装置5である。堆積投与装置は、チャンバ内の食品をライン圧力と同じ圧力に保持するために、また、チャンバ内にピストンが降下することでチャンバ内の圧力がライン圧力から上昇した時に、出口を通じて食品を配給するために配設された圧力保持手段9を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御された態様で気泡を含む食品の製造に係わり、とりわけ、ポンプ送りできる材料から成る気体で飽和した食品を堆積投与すること、すなわち、気泡を含む食品を、均一な発泡状態で、また、重量制御の下で再現可能に堆積投与することに関するものである。
【背景技術】
【0002】
気体で飽和した脂肪基製品を製造する方法は既知である。例えば、EP−0322952−B1は、気体で飽和した氷菓子および冷菓子に関するものである。チョコレートまたは適当な植物性脂肪を含む材料が容器内で融かされ、調整され、ポンプによってミキサーに送られ、また、そのミキサーに加圧COが供給され、溶融チョコレートが投与バルブを有する投与装置によって投与される。この投与装置が非投与位置にある時、チョコレートは背圧バルブを通り、固定ミキサー等の脱気手段を通って容器へ再循環される。この製品はライン内で速度を有しているため、堆積投与される製品量を正確に制御することは困難であり、堆積投与量を予測することが要求される。さらに、この過程は、チョコレートの再循環、および、再循環チョコレートの脱気が要求されるため、複雑で、エネルギーを消費する。
【0003】
WO94/19963は、(a)圧力を加えて混合物を第一の容積へ導入する段階、(b)発泡圧力が大気圧である第二の容積まで第一の容積を拡張する段階、および(c)第二の容積の気体で飽和した組成物を配給する段階を含む気体で飽和した組成物の配給方法に関するものである。
【0004】
WO02/13618は、少なくともバター脂肪を含有する食品中に圧力をかけて気体を分散および/または溶解させ、その後に膨張させて気泡を発生させることで多泡性食品を作る方法に関するものである。この方法は、多泡性食品を個々の製品形状で、または少なくともストリップの形状で堆積投与することを含み、その形状は圧縮力を加えられない限り全体的に保持される。圧力はラインに沿って次第に低下するので、製品は堆積投与される前に膨張を生じる。
【0005】
米国特許第4637788号は発泡菓子を堆積投与するバルブ形式の堆積投与装置に関するものである。材料を堆積投与するためにバルブが開閉される。圧力はバルブ出口において解放される。この装置の圧力は常に同数のバルブが開口されていることで一定に保持される。したがって、常に投与装置のいずれかの部分から材料が堆積投与されている。米国特許第4637788号に記載された堆積投与装置は、全てのモールドの全長にわたって堆積投与を行う能力はない。該明細書に記載された堆積投与装置は、モールドの或る位置において材料を堆積投与し、引続きモールドを振動させて材料を再配分することを基本とする。これは製品に沿って不均一な気泡構造を生じ、また重大な気体損失をもたらす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、気体を含むポンプ送り可能な製品を堆積投与するにあたり、堆積投与塊の重量と体積、および、形成された気泡の均一性を正確に制御するという解決策の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かくして、本発明は、気体で飽和した流動食品を堆積投与するための堆積投与装置に関するものであり、
この堆積投与装置は、
加圧気体を含む流動可能食品を搬送する加圧給送ラインと、
ピストンおよびチャンバ(室)を含み、給送ラインに作動連結されたピストン手段と、
大気圧の下でモールド内に食品を放出するための出口とを含む。
この堆積投与装置の改良点は、ピストン手段に流動食品を充填し、充填されたチャンバ内の食品をライン圧力に保持するために、ピストン手段と共に配設された圧力保持手段を有することである。これは、堆積投与される位置まで食品を加圧状態に維持する。これは、食品が気体で飽和した状態にならないように、多量の気体を食品中に維持する。気泡は、食品がモールドに入る時に生じるに過ぎない。それ以降、気泡を歪ませるような物理的作用はわずかとなる。したがって、充填されたチャンバをライン圧力に保持する利点は、気体が溶解したままであることを保証し、もって堆積投与機構は泡ではなく液体を取り扱うことになり、配給される製品の正確な重量および体積が保証されるということである。換言すれば、チャンバ内の気体入り食品は、モールドに堆積投与される時の投与量の精度問題、気体ポケット、または、均一サイズの気泡分布の欠如をもたらす非制御状態でのチャンバ内膨張を引起こす可能性が与えられない。
【0008】
特に、圧力保持手段は、チャンバ内の製品をライン圧力と同じ圧力に保持し、かつ、チャンバ内にピストンが降下してチャンバ内の圧力がライン圧力から上昇した時に、出口を通じて食品を放出するように構成される。この圧力保持手段は、実質的に気体が溶解したままである過圧状態に充填されたチャンバが維持されることを保証する一方、チャンバ内でピストンが降下する作用により圧力が或る閾値を超えたならば食品が排出されるようにする。
【0009】
圧力保持手段は、出口に配置される圧力作動バルブとすることができる。この解決策は簡単で信頼できる。したがって、圧力がライン圧力から或る閾値となる分を超えた時にバルブは自動的に開かれる。これは、配給のためにピストン手段が駆動されるまで製品中に気体を保持する圧力がピストン手段に維持されることを保証し、したがってバルブを開成する特別な制御はまったく必要ない。圧力作動バルブはばね付勢ノズルであることが好ましい。バルブはライン圧力よりも0.5バール超ほど高い圧力で開くように較正できることが好ましい。したがって、圧力が低下してチョコレートが膨張を開始するのは、モールドの入口位置だけであることを保証する。
【0010】
ライン圧力は2〜30バール、好ましくは6〜15バールの圧力に保持されることが好ましい。したがって、ピストン手段に導入される製品は常に新しく、正確な量の気体を有する。
【0011】
他の改良点は第二のバルブ手段を有することであり、このバルブ手段は給送ラインとチャンバとの間に配置され、チャンバを流動食品で充填する開成位置とチャンバを給送ラインから遮断する閉止位置との間で作動される。第二のバルブ手段は、充填後にチャンバが気密閉止され、チャンバ内の圧力は維持されることを保証する。したがって、バルブのシール特性に応じて、ピストンが降下を開始して圧力が給送ライン圧力を超えた時にチャンバから給送ラインへの気体の逆流は、まったく生じないか、最大限でも非常に僅かな量となる。
【0012】
好ましい実施例において、給送ラインのバルブは回転バルブ棒を有し、この回転バルブ棒はバルブが回転されることで給送ラインおよびチャンバの間に一致される位置に少なくとも一つの通路を含み、また、少なくとも90゜、好ましくは130゜、最も好ましくは180゜の角度を有する通路に沿って延在するシール面を含む。回転バルブは開成位置と閉止位置との間で駆動されるために小さな力しか要求しないので有利であり、さらにまた気体漏出や付着堆積問題がないことを保証する広いシール面を与える。付着堆積問題は、チョコレートの固体粒子が本体またはハウジングと回転バルブ棒との間に蓄積することで生じる。
【0013】
また、好適形態において、本発明は、ポンプ送り可能な製品から気泡を含む食品を製造する装置に係わり、該装置は、
前記複数の堆積投与装置と、
堆積投与装置にポンプ送り可能な製品を給送するための給送ラインと、
前記給送ラインを通るポンプ送り可能な製品に速度を与えるポンプ手段と、
ポンプ送り可能な製品に気体を加えるための、給送ラインに連結された気体供給源とを含み、
前記ポンプ手段は、気体供給源から気体を抜出し、前記ポンプ手段の速度を制御することで前記給送ラインへの気体の取り込みを制御するように構成される。
【0014】
従来装置とは対照的に、ポンプ手段はポンプ送り可能な製品を移送するために配置され、装置に取込む気体量を調整するために使用される。特に、ポンプ手段は第一および第二のポンプを含み、それらのポンプは給送ラインの一部に沿って直列に配置される。ライン圧力は第一のポンプで全体的に発生されるのに対して、第二のポンプは二つのポンプの間の領域に取込まれる気体流量を制御する。特に、ライン圧力は第一のポンプ出口から堆積投与装置まで一定の圧力値に実質的に維持されて、食品が堆積投与されるよりも前にライン中で膨張しないことを保証する。
【0015】
第一および第二のポンプは給送ラインの一部で吸引作用を生じるように相対的に異なる速度で駆動される。したがって、第二のポンプは第一のポンプの速度よりも高速で駆動され、これにより第二のポンプの上流側の位置で給送ラインの一部に気体を取込む。この結果、第一のポンプは給送ラインを通るポンプ送り可能な製品の正確な計量を保証する一方、第二のポンプは製品に取込まれる気体量をさらに正確に調整する。したがって、特に堆積投与装置で与えられる製品の望まれる量を設定するために、ポンプ送り可能な製品中に取込まれる気体量の制御は第一のポンプの速度に対して第二のポンプの速度を制御することで達成できる。例えば、第二のポンプの速度に対する第一のポンプの速度の比は、1:1〜1:5の範囲で制御できる。
【0016】
これらのポンプは、流動性の液体食品および粘性食品を移送するために典型的に使用されるように大いに異なる形式のものとすることができる。ポンプはギヤ・ポンプ、ベーン・ポンプ、ポール・ポンプ、遠心ポンプ、またはスクリュー・ポンプであることが好ましい。
【0017】
また、本発明は、気体を加入し、かつ、気体飽和食品を堆積投与する方法に係わり、該方法は、
液状食品の供給源から前記気体飽和食品をポンプ送りし、
気体入り食品を形成するために、前記液状食品中に気体供給源から量を制御して気体を加え、
前記気体入り食品の圧力を、保持手段を含む堆積投与手段に至るまで一定に保ち、前記食品が堆積投与位置に達するまで、前記食品の膨張を防ぐために前記保持手段が前記圧力に食品を保持し、
前記堆積投与位置を経て食品を強制することによって所定量の気体入り食品を堆積投与することを含む。
【実施例】
【0018】
図1を見ると、チョコレートのような脂肪基菓子に気体を加え、その後複数の搬送列に配置された複数のモールドに高速堆積投与する本発明の装置の好ましい構造が示されている。ポンプ27で調整室26へ送られる脂肪基菓子はケトル25から溶融した液体として与えられる。液状食品は調整室から本発明装置の始点の給送ライン10に入り、過剰な食品は再循環ライン13を通してケトル(鍋)25へ再循環される。調整はチョコレート菓子の製造業者に周知の技術であり、その食品を冷却した時に望まれる艶と光沢の外観を有して固まるようにチョコレート脂肪中に正多形体の形状の結晶を含めることを目的とする。調整室は任意であり、特に混合物のような調整不要の脂肪系材料を考える場合は本発明装置から取外すことができる。
【0019】
本発明装置は、給送ラインを通る菓子食品の正確な計量を保証する第一のポンプ20を含む。第二のポンプ21は第一のポンプ20から給送ラインに沿って距離を置いて配設され、第一のポンプ20との間にチューブ11の一部分の範囲を定めている。気体供給源3は、チューブ11の前記一部分の或る位置で給送ラインと連通する気体入口を有する。気体供給源は典型的にはCO、N、NO、またはO、または食品に使用できる他の気体のような、加圧されて少なくとも一部が溶解する圧縮気体のボトルとされる。気体出口は、通常、外側プラスチック・スリーブ内に収容された複数の開口付きターミナル・チューブを含む気体ランス(gas lance)のような逆止ガス導通手段である。第二のポンプは第一のポンプに対する作動速度に応じて製品中への気体取込量を調整する。第二のポンプ21が第一のポンプよりも高速で作動すると、食品はチューブ11の部分で加速され、これが気体供給源からより多量の気体を吸引する吸入作用を生み出す。第二のポンプ21の速度が上昇するにつれて、装置内により多量の気体が吸入される。第二のポンプ21の第一のポンプ20に対する速度制御が食品中への気体取込量を望ましい濃度となるように調整する。チョコレート成分に気体を加えるための気体流量は、0.5〜1.1g/cmの密度のチョコレート食品を給送するために1〜50リットル/分の範囲の値に典型的に制御される。
【0020】
したがって、第二のポンプ21が気体取込量を調整するのに対して、第一のポンプ20は脂肪基菓子を所定の圧力例えば5〜10バールで給送するために主として使用され、したがって一定に維持される。第二のポンプが速い速度で作動されと二つのポンプ間の圧力が低下され、制御された量の気体が導入されることになる。第二のポンプはチョコレート中に長い細糸状の気体空間が形成されることも防止する。
【0021】
もちろん、第二のポンプの速度を一定に維持しつつ第一のポンプの速度を変化させて二つのポンプ間の気体取込量を調整することも可能である。しかしながら、これは全体的な圧力および排出部における食品の計量に影響するので、適当でない。食品の計量に及ぼす悪影響を避けるために第二のポンプ21の速度を調整して気体量レベルを制御することが好ましい。第二のポンプ21は大雑把な一次ミキサーとして作用できることが留意される。食品中に存在する気泡は小さな気泡に壊され、部分的に溶解される。
【0022】
第二のポンプ21は、排出手段からそれぞれの食品が排出された後に装置内の圧力が低下したとき、気体が多量に吸入されないことを保証する機能も有している。実際に、計量した食品を型に堆積投与するなどによって食品が順次に排出されると、例えばピストン式堆積投与手段のような排出手段には新たな食品が吸入され、これにより圧力低下およびそれに伴う多量な気体の吸入が生じる。したがって、第二のポンプ21はポンプ20よりも速い制御された速度に維持されて、気体の多量な吸入が生じることの防止と、装置への気体取込量の均等化とを可能にする。
【0023】
第二のポンプ21の出口にミキサーまたは攪拌器4が装備されることが好ましい。この装置は、菓子製品中に気体をきめ細かく、より均質に分布させるために有用である。気体が良好に配分されると、最終製品も均一化され、重量を良好に制御できる。ミキサーまたは攪拌器の利点は、特質を損なうような温度上昇を伴わずに攪拌できることである。そのために、この装置は低速度で作動されることが好ましく、また一度に多量の製品を処理するために大きな表面積を有する。適当なミキサーまたは攪拌器は、例えば余計な冷却ジャケットを使用せずに1000kg/時まで処理できる連続ピン式ミキサーである。ピン式ミキサーは、中央ロータの動的ピンと噛み合わされる静的ピンを備えた外側ステータにより典型的に形成される。特質を損なわないようにして気体と菓子製品とを完全に混合させるために、ミキサーは500rpm未満の速度で駆動されることが好ましく、100〜300rpmであることがさらに好ましい。ミキサーを出たとき、通常、製品は均一に気体を加えられ、その気体は基本的に製品中に均質に溶解される。
【0024】
ライン12内の圧力は、堆積投与装置5より前方の圧力を検出する圧力トランスデューサー36で有利に制御できる。この圧力が或る値を超えたならば、例えば15バールを超えたならば、そのライン圧力が装置における所望圧力に低下するまで、堆積投与装置のマニホルドと流体連通されてその上方位置に配置されている圧力維持バルブ31の開度を圧力トランスデューサーが制御して、過剰の製品が再循環ライン14を経て製品ケトル25へ戻るように移送される。ポンプによる気体取込量の制御と組合うこの圧力制御は、ラインにおいて製品中に溶解されている気体のレベルを実質的に一定の割合に維持でき、したがって給送される製品の重量制御や、気体量の再現性および均一性という最終的な利益に関与する。
【0025】
図2は、運ばれたモールドに計量した気体入り製品を堆積投与することのできる本発明の堆積投与装置5を示している。モールドは空とされるか、その他に、複数層を形成するため、または気体で飽和した製品の中心部分を受入れるように例えばチョコレートのU形状シェルのようなシェルを形成するために、既に一部分を充填されたモールドとすることができる。図2の堆積投与装置5は明瞭化のために一つの堆積投与ヘッドを示すのに対して、図1の堆積投与装置は、複数の図2の堆積投与装置50が並列配置されて形成され、給送ライン12に連結されたマニホルドにより給送される複数ヘッド式堆積投与装置5を示している。
【0026】
この堆積投与装置は製品を装置へ給送できる圧力を加えられたマニホルド70を含む。このマニホルドは製品受入れチャンバ61内へ移動できるように配置されたピストンまたはプランジャ60を含むピストン装置6に連通される。マニホルド70とピストン装置との間に給送チャンネル71が存在し、このチャンネルの開成は回転バルブで選択的に制御される。バルブ8は、円筒形であって、マニホルド・ブロック内に収容され、チャンネル71がバルブのチャンネル80と一致する位置と、チャンネル71が円筒シール面81によって閉成された位置との間で回転できる。180゜未満の角度を有する通路で配分された複数チャンネル80のバルブを予想できるが、好ましい実施例は、単一チャンネル80を有し、そのチャンネルの各側に180゜にわたるシール面を配したものである。
【0027】
ピストン装置は、圧力作動ノズル組立体9を形成する堆積投与出口へ向かって動く。圧力作動ノズル組立体は、ピストン手段6内での製品圧力の閾値においてのみ製品を配給するように配置されている。このことは、モールドへの入口位置で初めて菓子製品が膨張を開始すること、および、発泡菓子の滴下または飛散が完了時点で残されないことを保証する。
【0028】
図3は、ノズル組立体の詳細図を示している。ノズル組立体は、ばね付勢された可動ステム部分90を含み、このステム部分は、配給チャンバ92の当接部分93と協働して閉止するシール部分91で終端している。ステム90の部分はノズル本体99の細長い開口98内に収容されており、その開口は製品を通過させるためにステムよりも大きな横断面を有している。
【0029】
休止時にはステム部分は閉止位置に保持され、ステムに連結された圧力プレート95とノズル本体の穴あきプレート96のような部分とに作用する弾発性部材例えば螺旋ばね94の作用によって、シール部分91はチャンバの当接部分93に当接される。ピストンの圧力によって製品が導かれるとき、その製品はプレート96の穴を通し、開口98を通して送られ、この移送は、二つのプレート95,96に対する弾発性手段の作用力を超える強さの圧力をシール部分91に対して作用させ、その圧力により部分91および部分93の間に間隙が形成されて製品の配給チャンバ92への流入が生じるまで続く。
【0030】
ノズルは、流れを2〜10の流れ、例えば四つの流れ970,971,972,973に分けて配給チャンバからモールド・キャビティへの菓子製品の分配を助成する拡散器97を備えることができる。
【0031】
ピストン60はサーボ制御により駆動され、これは一回以上のショット(モールド成形)を達成可能になし、すなわち一動作でのチャンバ充填と多数段階にわたるピストン降下を行い、高速度で1グラム未満の小さな個々の製品量を配給できるようにする。この非常に精密な計量は、高速度で非常に信頼できる開閉が可能なノズル形状および回転バルブによって可能とされる。40ストローク/分までの速度および約160回の小量のここのショットが達成できる。
【0032】
回転バルブ8およびピストン60はピストン移動とバルブ開成とを連動させるために電子的または機械的にリンク結合される。このリンケージは、ピストンの直線的な引張り運動を開成位置におけるバルブの回転運動に変換するいずれかの適当な伝達機構により構成される。これは、例えば、カムや歯車によって行える。この代わりに、バルブ運動とピストン運動とを独立して連動させる中央制御装置を備えることができる。
【0033】
(例1)
図1に示されるような本発明の堆積投与装置が、気体飽和材料を堆積投与するために決められた時間にわたってオリフィスが開口される形式のマニホルド式堆積投与装置を備えたモンドミックス気体加入装置(ハース−モンドミックスBV)(登録商標)と比較された。マニホルド式堆積投与装置は全幅にわたる堆積投与量が最適バランスとなるように調整された。この二つの空気加入装置は、目標密度を0.6g/cmとしてCOを加入するように設定された。
【0034】
それぞれの装置は、多数の単純な堆積投与体(事前にシェルを形成しない)をモールド・キャビティに充満させるように充填するために使用された。その後に、堆積投与重量の一貫性を評価するためにモールドが計量された。二つの堆積投与装置はキャビティ間隔および容積の異なるモールド用に構成されていたことから、異なるキャビティ寸法が使用された。この二つの装置を比較するために、平均重量で標準偏差を除することで変動係数が計算された。
【0035】
本発明の堆積投与装置を使用した154個のキャビティ堆積投与量が集められて重量を計測された。
最大重量 31.14g
最終重量 28.69g
平均重量 31.14g
標準偏差 0.56g
変動係数 0.018
【0036】
マニホルド式堆積投与装置を備えたモンドミックスでは、69個のキャビティ堆積投与量が集められて重量を計測された。
最大重量 109.61g
最終重量 88.83g
平均重量 103.22g
標準偏差 3.48g
変動係数 0.034
【0037】
変動係数を比較することで、本発明は堆積投与重量の一貫性の改善をもたらすことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明のその概略図。
【図2】堆積投与システムの図面。
【図3】好適例の圧力保持ノズルの概略横断面図。
【図4】図3のノズルの底面図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧気体を含む流動可能食品を搬送する加圧給送ラインと、
ピストンおよびチャンバ(室)を含み、給送ラインに作動連結されたピストン手段と、
大気圧の下でモールド内に食品を放出するための出口とを有する、気体を含む流動食品を堆積投与するための堆積投与装置において、
チャンバ内の食品をライン圧力と同じ圧力に維持し、かつ、ピストンがチャンバ内に降下することでチャンバ内の圧力がライン圧力から上昇した時に、出口を通じて食品を配給するために配設された圧力保持手段を含むことを特徴とする気体を含む流動食品を堆積投与するための堆積投与措置。
【請求項2】
圧力保持手段が出口に配設された圧力作動バルブである請求項1に記載された気体を含む流動食品を堆積投与するための堆積投与措置。
【請求項3】
前記圧力作動バルブがばね付勢ノズルである請求項1に記載された気体を含む流動食品を堆積投与するための堆積投与措置。
【請求項4】
前記圧力作動バルブがライン圧力に対して0.5バール超の圧力になった時に開くように調整される請求項2または請求項3に記載された気体を含む流動食品を堆積投与するための堆積投与装置。
【請求項5】
前記ライン圧力が2〜30バールの間になされる請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載された気体を含む流動食品を堆積投与するための堆積投与装置。
【請求項6】
バルブ手段が、前記給送ラインと前記チャンバとの間に配設され、前記チャンバを流動食品で充填する開成位置と前記チャンバを前記給送ラインから遮断する閉止位置との間で作動する請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載された気体を含む流動食品を堆積投与するための堆積投与装置。
【請求項7】
前記給送ラインにある前記バルブが回転バルブ棒を有し、この回転バルブ棒は前記バルブが回転する際に前記給送ラインと前記チャンバの間で一致する位置に少なくとも一つの通路を有し、また、少なくとも90゜、好ましくは130゜、最も好ましくは180゜の角度を有する通路に沿って延在するシール面を前記給送ラインにある前記バルブが含む請求項6に記載された気体を含む流動食品を堆積投与するための堆積投与措置。
【請求項8】
裾広がり形状、および/または、分流形状の帯域を有する拡大形状を、前記出口が有しており、前記拡大形状は、広いキャビティ内での分配を助けるために、流れを複数の流れに分けるようになっている請求項1に記載された気体を含む流動食品を堆積投与するための堆積投与装置。
【請求項9】
前記ピストンがサーボ制御されて駆動され、そのストロークを複数段階に分けて個別量の食品を高速で配給する請求項1に記載された気体を含む流動食品を堆積投与するための堆積投与装置。
【請求項10】
ポンプ送り可能な製品から気泡を含む食品を製造する装置において、
請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載された複数の堆積投与装置と、
堆積投与装置にポンプ送り可能な製品を給送するための給送ラインと、
前記給送ラインを通るポンプ送り可能な製品に速度を与えるポンプ手段と、
ポンプ送り可能な製品に気体を加えるための、給送ラインに連結された気体供給源とを含み、
前記ポンプ手段は、気体供給源から気体を抜出し、前記ポンプ手段の速度を制御することで前記給送ラインへの気体の取り込みを制御するように構成されているポンプ送り可能な製品から気泡を含む食品を製造する装置。
【請求項11】
前記ポンプ手段は、前記給送ラインの一部に沿って直列に配置された第一および第二のポンプを含み、また、前記第二のポンプは、前記第一のポンプの速度よりも高速で駆動され、この速度差によって発生する吸入効果によってラインの前記部分に気体を加える請求項10に記載されたポンプ送り可能な製品から気泡を含む食品を製造する装置。
【請求項12】
ライン圧力が、もっぱら第一のポンプによって発生される請求項11に記載されたポンプ送り可能な製品から気泡を含む食品を製造する装置。
【請求項13】
前記第一のポンプの出口から堆積投与装置まで、前記ライン圧力が実質的に一定である請求項12に記載されたポンプ送り可能な製品から気泡を含む食品を製造する装置。
【請求項14】
前記ポンプ送り可能な製品への気体取り込みの制御が、前記第一のポンプの速度に対する前記第二のポンプの速度を制御することによって行われる請求項13に記載されたポンプ送り可能な製品から気泡を含む食品を製造する装置。
【請求項15】
前記第二のポンプの速度に対する前記第一のポンプの速度の比が、1:1.1〜1:2の範囲で制御される請求項14に記載されたポンプ送り可能な製品から気泡を含む食品を製造する装置。
【請求項16】
排出手段から過剰製品を除去するために圧力保持バルブを制御する圧力トランスデューサーによって圧力が制御される請求項15に記載されたポンプ送り可能な製品から気泡を含む食品を製造する装置。
【請求項17】
前記第一および第二のポンプがギヤ・ポンプ、ベーン・ポンプ、またはスクリュー・ポンプである請求項10から請求項16までのいずれか一項に記載されたポンプ送り可能な製品から気泡を含む食品を製造する装置。
【請求項18】
気体を加入し、かつ、気体飽和食品を堆積投与する方法において、
液状食品の供給源から前記気体飽和食品をポンプ送りし、
気体入り食品を形成するために、前記液状食品中に気体供給源から量を制御して気体を加え、
前記気体入り食品の圧力を、保持手段を含む堆積投与手段に至るまで一定に保ち、前記食品が堆積投与位置に達するまで、前記食品の膨張を防ぐために前記保持手段が前記圧力に食品を保持し、
前記堆積投与位置を経て食品を強制することによって所定量の気体入り食品を堆積投与することを含む、気体を加え且つ気体飽和食品を堆積投与する方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−515178(P2007−515178A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−545990(P2006−545990)
【出願日】平成16年12月14日(2004.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014198
【国際公開番号】WO2005/063036
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】