説明

堆肥製造装置における悪臭ガス発生量の測定方法及び装置

【課題】既存の堆肥製造装置においても悪臭ガスの発生量を測定可能な新たな方法の提供。
【解決手段】堆肥製造装置の長手方向に空気の流れを生じさせる。ついで、堆肥製造装置内における空気の流れの下流側において、風速又は風量と、悪臭ガス濃度との測定を行い、測定した風速又は風量と悪臭ガス濃度とに基いて悪臭ガスの発生量の算出を行う。これらによって、堆肥製造装置における悪臭ガス発生量の測定を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、堆肥製造装置における悪臭ガス発生量の測定方法及びそれに用いる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
畜舎から排出される家畜排泄物には、有機物質が豊富に含まれていることから、これらを堆肥化処理して、家畜排泄物の肥料としての利用を促進することが求められている。しかしながら、堆肥化処理の過程では、悪臭であるアンモニアガスが発生することが確認されている。特に、アンモニア等の悪臭の発生は畜産経営における大きな問題となっていることから、悪臭を低減するために様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3)。
【0003】
これらのアンモニアガス発生の実態を把握することが畜舎と住居の離隔距離が接近することで急務となっている。このため、ガス発生測定用のチャンバー(容積:13m3)を作製し、その中で堆肥化処理を行うことにより堆肥化処理において発生するガスを測定することが試みられている。同方法において、チャンバー内の換気は外部に設置された送風機により行われる。すなわち、天井の中央部からチャンバー内の空気が吸引されるとともに、チャンバー下部と床面との間から外気が導入される。また、天井中央部から吸引された空気中のガス濃度を測定することによってガス発生量が測定されている。
【0004】
上記方法は、堆肥化処理におけるガス発生の目安にはなるものの、既存の堆肥化処理装置におけるガス発生を測定することはできない。また、上記方法は、換気方法(チャンバー内での空気の流れ)が開放型の堆肥化処理装置とは異なること、また、スケールも実際よりも小さいことから、既存の堆肥化処理装置におけるガス発生を正確なガス発生を把握できているとはいえない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−260651号公報
【特許文献2】特開2007−190534号公報
【特許文献3】特開2007−269517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、既存の堆肥化処理装置においても悪臭ガスの発生量を測定可能な新たな方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、堆肥製造装置における悪臭ガスの発生量を測定する方法であって、前記装置の長手方向に空気の流れを生じさせること、前記装置における前記空気の流れの下流側において、風速又は風量と、悪臭ガス濃度とを測定すること、及び、測定した風速又は風量と悪臭ガス濃度とに基き、悪臭ガスの発生量を算出することを含む、堆肥製造装置における悪臭ガス発生量の測定方法に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、既存の堆肥化処理装置における悪臭ガスの発生量を測定できる。また、本発明によれば悪臭ガスの発生量を把握できるため、好ましくは、堆肥化処理装置における脱臭処理に要するイニシャルコスト及び/又はランニングコストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】図1Aは、堆肥製造装置の構成の一例を示す斜視図である。
【図1B】図1Bは堆肥製造装置の構成の一例を示す構成図である。
【図2】図2は、本発明の風速/風量測定装置の構成の一例を示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[悪臭ガス発生量の測定方法]
本発明の悪臭ガス発生量の測定方法は、堆肥製造装置における悪臭ガスの発生量を測定するための方法であって、前記装置の長手方向に空気の流れを生じさせること、前記装置における前記空気の流れの下流側において、風速又は風量と、悪臭ガス濃度とを測定すること、及び、測定した風速又は風量と悪臭ガス濃度とに基き、悪臭ガスの発生量を算出することを含む。
【0011】
本明細書において「悪臭ガス」としては、例えば、アンモニア、メチルメルカブタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、アセドアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、イソブタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、トルエン、スチレン、キシレン、プロピオン酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸等が例示される。
【0012】
本明細書において「堆肥製造装置」とは、畜舎から排出される家畜排泄物を堆肥化処理するための装置(又は施設)であって、装置の少なくとも一部が開放され、そこから空気の流出入が可能な装置、すなわち、装置が密閉されていない状態で堆肥化を行う装置をいう。本発明の方法は、中でも、堆肥の攪拌・混合のための攪拌装置を備える攪拌式の開放型堆肥製造装置に適している。攪拌装置としては、例えば、ロータリー式攪拌装置、パドル式攪拌装置、スクープ式攪拌装置、自走式攪拌装置、クレーン式攪拌装置等が挙げられる。畜舎としては、牛舎、豚舎及び鶏舎等が挙げられる。家畜排泄物としては、乳牛、肉牛、豚及び鶏等の糞及び尿等が挙げられる。家畜排泄物は、イナワラ、モミガラ、おが屑等の敷料等を含んでいても良い。
【0013】
本明細書において「装置の長手方向」とは、堆肥製造装置における長尺側の方向をいい、通常、家畜排泄物等の堆肥原料の投入を行う投入口が形成された面側からそれに対向する面に向かう方向である場合が多い。また、本明細書において「装置における空気の流れの下流側において測定する」とは、堆肥製造装置の長手方向に生じさせた空気の流れにおいて堆肥製造装置内に堆積された堆肥原料よりも下流側で測定することをいい、好ましくは堆肥原料装置内における空気の流れの最下流側で測定することである。例えば、空気の流れが堆肥原料の投入口が形成された面に対向する面から投入口が形成された面に向かう場合、「装置における空気の流れの下流側において測定する」とは、堆肥製造装置内において投入口が形成された面側付近で測定することをいい、好ましくは装置内に堆積された堆肥原料よりも下流側、すなわち堆肥原料よりも投入口が形成された面側で測定することをいう。
【0014】
本発明の悪臭ガス発生量の測定方法は、例えば、以下のように行うことができる。
【0015】
まず、堆肥製造装置の長手方向に空気の流れを生じさせる。空気の流れは、例えば、堆肥製造装置の長手方向に対向する開口部を設けることによって生じさせてもよい。具体例をあげると、堆肥製造装置の投入口側の面と入り口に対向する面とのそれぞれに吸気口と排気口となりうる開口部を形成するか、又は、それぞれの面に形成された扉又は窓等を開放すること等により行うことができる。この際、堆肥製造装置の長手方向の側面の開口部は堆肥製造装置内の空気が外部に漏れないように閉じた状態であることが好ましく、より好ましくは長手方向の側面が密閉された状態であることである。これにより、例えば、空気の流れが長手方向のみの一方向となるように容易に空気の流れを制御できる。空気の流れは、送風機を用いて生じさせてもよい。これにより、例えば、空気の流れを長手方向のみの一方向の流れに容易にでき、また、堆肥製造装置内における換気を行うことができる。送風機は、堆肥製造装置内の換気及び/又は通気を行うために設けられた換気扇等の送風機を使用してもよいし、別途新たに測定用に配置したものを使用してもよい。送風機は、例えば、堆肥製造装置内に配置されていてもよいし、外部に配置されていてもよい。送風機は、例えば、公知のブロアを使用できる。
【0016】
つぎに、堆肥製造装置における空気の流れの下流側において、風速又は風量と、悪臭ガス濃度とを測定する。風速又は風量は、例えば、堆肥製造装置における空気の流れの下流側に配置された風速/風量測定手段を用いて測定することができる。本明細書において「風速/風量測定手段」とは、風速を検知する風速検知手段を少なくとも備える風速及び/又は風量を測定又は算出可能な測定装置のことをいい、風速検知手段に加え、検知した風速に基き風量を算出する風量算出手段を備えていてもよい。風速/風量測定手段としては、例えば、風速計、風量計、風速・風量計、風速風向計等が挙げられる。風速計としては、例えば、熱式風速計、超音波式風速計、翼車式風速計、ピトー管式風速計、オリフィス板を用いた風速計及びベンチュリ管を用いた風速計等が挙げられる。風速又は風量は、1つの風速/風量測定手段を用いて行っても良いし、複数の風速/風量測定手段を用いて行ってもよい。なお、風速又は風量の測定は、後述する、風速/風量測定装置を用いて行ってもよい。
【0017】
悪臭ガス濃度の測定は、例えば、堆肥製造装置内に配置したガス濃度測定手段を用いて行っても良いし、堆肥製造装置からサンプリングして測定してもよい。ガス濃度測定手段は、悪臭ガスの濃度を測定可能なものであればよく、例えば、アンモニア、メチルメルカブタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、アセドアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、イソブタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、トルエン、スチレン、キシレン、プロピオン酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸のうちの1種類、2種類以上又は全種類のガスを測定可能であればよい。ガス濃度測定手段としては、例えば、マルチガスモニター等が使用できる。
【0018】
そして、測定した風速又は風量と悪臭ガス濃度とに基き、悪臭ガスの発生量を算出する。悪臭ガスの発生量は、例えば、測定又は算出した風量と悪臭ガス濃度とを乗じて算出できる。
【0019】
このような本発明の測定方法によれば、例えば、既存の堆肥化処理装置における悪臭ガスの発生量を測定できる。また、本発明の測定方法により得られた悪臭ガスの発生量が予め決定されたレベルのうちどのレベルにあるかを判断し、そのレベルに応じた送風機及び/又は脱臭処理の制御を行うこともできる。これにより、例えば、堆肥化処理や脱臭処理に要するランニングコスト等を低減することができる。風速又は風量と悪臭ガス濃度との測定及び悪臭ガス発生量の算出は、定期的に行っても良いし、不定期に行ってもよい。
【0020】
風速又は風量や、悪臭ガス濃度の測定にあわせて、例えば、堆肥製造装置の温度及び湿度、堆肥原料の温度、水分量及びpH等の測定を行ってもよい。例えば、これら測定データや堆肥原料の組成及び堆肥原料の投入からの期間等のデータと、発生した悪臭ガスの種類及びその発生量とをあわせて記録することにより、記録されたデータを用いて、脱臭装置の処理の制御、及び/又は、送風機の制御を行うこともできる。また、これらのデータを用いて、発生する悪臭ガスの種類及びその発生量のパターンを把握することもできる。これらにより、悪臭ガスの発生量の測定を常時行わない場合であっても、例えば、脱臭装置及び/又は送風機の制御を行うことができ、堆肥化処理におけるランニングコストを低減できるとともに、風速計のメンテナンスの頻度を減らすことができる。
【0021】
本発明の方法で測定した悪臭ガスの発生量と、温度、湿度、堆肥原料の水分量及び堆肥原料の投入からの期間とに基いて必要な換気量を算出し、ついで、得られた必要な換気量と測定した風量とを比較して適切な換気量となるように送風機を制御してもよい。これにより、例えば、堆肥化処理における適切な換気が行うことや、堆肥化処理の製造効率を向上させることができる。また、悪臭ガスの発生量に応じて適切な換気量を調節できるので、例えば、堆肥化処理や脱臭処理に要するランニングコスト等を低減することができる。したがって、本発明は、その他の態様として、本発明の悪臭ガス発生量の測定方法によって堆肥製造装置から発生する悪臭ガスの発生量を測定することを含む、堆肥の製造方法に関する。
【0022】
[堆肥製造装置の脱臭方法]
本発明は、さらにその他の態様として、本発明の悪臭ガス発生量の測定方法によって堆肥製造装置から発生する悪臭ガスの発生量を測定すること、及び、前記測定した悪臭ガスの発生量及び脱臭装置の脱臭能に基き、堆肥製造装置における換気量及び/又は堆肥製造装置から排出され脱臭装置に導入される排気量を制御することを含む、堆肥製造装置の脱臭方法に関する。本発明の脱臭方法によれば、堆肥製造装置から発生する悪臭ガスの発生量及び脱臭能に応じて換気量/排気量を制御することから、例えば、堆肥製造装置の脱臭におけるランニングコストを低減できる。
【0023】
[風速/風量測定装置]
本発明は、さらにその他の態様として、本発明の悪臭ガス発生量の測定方法に用いる風速/風量測定装置であって、複数の風速/風量測定手段と、前記風速/風量測定手段を配置可能な多段式の筐体とを備え、前記風速/風量測定手段は、前記筐体内の所定の位置に配置されている、風速/風量測定装置に関する。本発明の風速/風量測定装置であれば、例えば、開放式堆肥製造装置における風速/風量の測定を容易に行うことができ、好ましくは本発明の悪臭ガス発生量の測定方法をより簡便に行うことができる。
【0024】
筐体は、多段式であり複数の風速/風量測定手段を配置可能である。筐体の段数及び筐体に配置可能な風速/風量測定手段の数は、例えば、風速/風量測定手段の測定精度、測定を行う堆肥製造装置の大きさ(例えば、容積、高さ、幅等)等に応じて適宜決定できる。堆肥製造装置の上部(天井)側、中央及び底面側のそれぞれの部分で測定を行う風速/風量測定手段を均等な間隔で配置できることから、筐体の段数は、例えば、3段、5段等の奇数であることが好ましい。また、筐体の1つの段は複数の区画に分割されていてもよい。堆肥製造装置の側面側及び中央部のそれぞれの部分で測定を行う風速/風量測定手段を均等な間隔で配置できることから、筐体の1つの段は、例えば、3、5、7個等の奇数個に分割されていていることが好ましい。
【0025】
風速/風量測定手段の数は、特に制限されず、堆肥製造装置の大きさに応じて適宜決定できる。風速/風量測定手段の配置は、例えば、使用する風速/風量測定手段の数及び堆肥製造装置の大きさ等に応じて適宜決定でき、高い精度での測定を行う点からは、堆肥製造装置の上部(天井)側、側面側、底面側、中央のそれぞれに均等な位置(分布)となるように配置することが好ましい。風速/風量測定手段は、前述した通りである。
【0026】
本発明の風速/風量測定装置は、筐体下部にローラー又はキャスタ等の移動手段をさらに備えていてもよい。これにより、風速/風量測定手段を自由に移動させることができる。
【0027】
本発明の風速/風量測定装置は、さらに、例えば、ガス濃度測定手段又はガスサンプリング手段を備えていてもよい。これにより、堆肥製造装置における風速/風量の測定と同時に、悪臭ガス濃度の測定を行うことができる。このため、本発明の悪臭ガス発生量の測定方法をより簡便に行うことができる。ガス濃度測定手段は、前述した通りである。
【0028】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して具体的に説明する。
【0029】
(実施形態1)
本実施形態1で本発明の悪臭ガス発生量の測定方法の一例について図1A及びBを用いて説明する。図1Aは堆肥製造装置の斜視図であり、図1Bは堆肥製造装置の構成の一例を示す構成図である。
【0030】
図1A及びBに示すように、堆肥製造装置1は、堆肥発酵槽3、攪拌装置4及び送風機5を備え、これらが建屋2内に収納されている。堆肥発酵槽3は、建屋2の長手方向に直線上に形成されており、その内部に堆肥化原料となる家畜排泄物等を堆積して堆肥化処理を行うためのものである。攪拌装置4は、堆肥発酵槽3の上部に配置されており、堆肥発酵槽3の長手方向に移動可能である。攪拌装置4を堆肥発酵槽3の長手方向に移動させながら堆肥原料を攪拌することにより、堆肥原料を空気に触れさせ、堆肥化処理を促進させることができる。堆肥発酵槽3は、攪拌装置4が往復走行するのに十分な長さと幅を有し、また、その深さは、通常、攪拌中に堆肥原料が堆肥発酵槽3の外にこぼれないような深さに形成されている。送風機5は、堆肥発酵槽3の上部であって建屋2の天井付近に配置されており、建屋2の側面と側面とをつなぐ梁に固定されている。送風機5により、建屋2内の換気を行うとともに、この換気により堆肥化処理に必要となる酸素を堆肥原料に供給する。
【0031】
建屋2は、長手方向に対向する面にそれぞれ入口6及び出口7を備え、これらは、開閉可能であり、後述するように空気の流れを生じさせるための開口部となりうる。また、入口6は堆肥原料の投入口、出口7は堆肥化処理後のものの取り出し口として使用できる。また、建屋2の両側の側面に形成された通気のための開口部は、フィルムによって閉じられている(図示せず)。
【0032】
建屋2の一方の開口部6付近には、風速/風量測定装置8が配置されている。これにより、堆肥製造装置2内の風速/風量を測定することができる。
【0033】
風速/風量測定装置8について、図2を用いて説明する。図2は、風速/風量測定装置8の構成の一例を示す構成図である。図2に示すように、風速/風量測定装置8は、筐体9及び風速/風量測定手段10を備える。また図示しないが、筐体9の下部に移動手段(キャスタ)を備えても良い。筐体9は、略正方形の区画を13個備える。筐体9には、11個の風速/風量測手段10が配置されている。風速/風量測定手段10は、堆肥製造装置1の両側の側面に位置する区画、中央に位置する区画、及び、筐体9の上面にそれぞれ配置されている。これにより、堆肥製造装置1内の風速/風量を均一に測定できる。図示しないが移動手段(キャスタ)を、筐体9の下部に取り付けた場合、風速/風量測定装置8を自由に移動させることができる。
【0034】
建屋2は、さらに、脱臭装置(図示せず)を備えていてもよい。これにより、堆肥化処理中に発生する悪臭等を外部に排出することなく脱臭することができる。
【0035】
図1A及びBに示す堆肥製造装置1における悪臭ガスの測定方法の一例を説明する。
【0036】
建屋2の入口6及び出口7をそれぞれ開放して堆肥製造装置1の長手方向に対向する開口部を設ける。さらに、開口部7から開口部6に向かって空気の流れを生じさせるように送風機5を運転する。これらにより、堆肥製造装置1の長手方向(図1A及びBにおいて右手側から左手側)に空気の流れを生じさせる。そして、空気の流れの下流側に配置された風速/風量測定手段10及びガス濃度測定手段(図示せず)を用いて、風速又は風量と、悪臭ガス濃度の測定を行う。そして、得られた風量と悪臭ガス濃度とを掛け合わせることにより、測定時に悪臭ガスの発生量を算出することができる。
【0037】
風速又は風量と、悪臭ガス濃度の測定を、例えば、1時間ごとに行い、得られた発生量をプロットすること等により一日又は一定時間当たりの発生量を求めてもよい。また、得られた風量に基き堆肥製造装置1における換気量を算出することができる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の測定方法は、例えば、畜舎から排出される家畜排泄物の堆肥化処理を行う際に有用である。
【符号の説明】
【0039】
1・・・堆肥製造装置
2・・・建屋
3・・・堆肥発酵槽
4・・・攪拌装置
5・・・送風機
6・・・入口
7・・・出口
8・・・風速/風量測定装置
9・・・筐体
10・・風速/風量測定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
堆肥製造装置における悪臭ガスの発生量を測定する方法であって、
前記装置の長手方向に空気の流れを生じさせること、
前記装置内における空気の流れの下流側において、風速又は風量と、前記悪臭ガス濃度とを測定すること、及び、
測定した風速又は風量と悪臭ガス濃度とに基き、前記悪臭ガスの発生量を算出することを含む、堆肥製造装置における悪臭ガス発生量の測定方法。
【請求項2】
前記長手方向の空気の流れを、前記装置の長手方向に対向する開口部を設けることにより生じさせることを含む、請求項1記載の悪臭ガス発生量の測定方法。
【請求項3】
前記堆肥製造装置は、攪拌装置を備える攪拌型堆肥製造装置である、請求項1又は2に記載の悪臭ガス発生量の測定方法。
【請求項4】
前記堆肥製造装置は、送風機を備え、前記送風機により前記空気の流れを生じさせることを含む、請求項1から3のいずれかに記載の悪臭ガス発生量の測定方法。
【請求項5】
前記悪臭ガスは、アンモニア、硫化水素、硫化メチル及び二硫化メチルからなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1から4のいずれかに記載の悪臭ガス発生量の測定方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の悪臭ガス発生量の測定方法に用いる風速/風量測定装置であって、
複数の風速/風量測定手段と、前記風速/風量測定手段を配置可能な多段式の筐体とを備え、
前記風速/風量測定手段は、前記筐体内の所定の位置に配置されている、風速/風量測定装置。
【請求項7】
前記風速/風量測定手段は、ピトー管式風速計である、請求項6記載の風速/風量測定装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−168427(P2011−168427A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−32814(P2010−32814)
【出願日】平成22年2月17日(2010.2.17)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】