説明

報道資料配信システム

【課題】効率的且つ省資源で報道資料を報道機関に配布し得る報道資料配信システムを提供する。
【解決手段】報道資料提供サーバ20は、報道資料を情報提供者から受け付ける報道資料受付手段24と、報道資料を記憶する報道資料データベース21と、検索条件に該当する報道資料を報道資料データベース21から検索する報道資料検索手段26と、認証情報が記憶された加盟者データベース23と、閲覧用端末30から受信した認証情報が加盟者データベース23に登録されている場合に限り、閲覧用端末30に報道資料へのアクセスを許可する認証手段25とを備え、閲覧用端末30は、認証情報及び検索条件を報道資料提供サーバ20に送信すると共に、検索条件に該当した報道資料を取得する閲覧手段32を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は報道資料配信システムに関し、特に、インターネットを介して報道資料を提供する場合に適用して有用なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、企業は、紙媒体にその企業に関する情報を記載した報道資料を報道機関に配布している。通常、複数の報道機関からなる記者クラブが構成されているため、企業は、記者クラブを運営する事務局に報道資料を報道機関数分複製して送付し、事務局が報道資料を各報道機関に配布している。
【0003】
このような報道資料の配布形態では、企業や報道機関の数だけ報道資料が複製されることになり、非常に多くの紙媒体が消費されてしまうという問題がある。また、企業から公表される報道資料は、所定の報道機関に対して一律に複製・配布されるため、報道機関によっては、特に関心のない不要な報道資料が配布されることになる。そのような報道資料はその報道機関から他社に伝達されることなく廃棄され、無駄に紙資源が消費されてしまうという問題がある。
【0004】
また、報道機関が、報道資料について企業に質問したい場合や、その報道資料に関する写真や図など、さらなる関連資料を要する場合、企業は報道機関ごとに都度対応しなければならず、企業に負担が掛かってしまうという問題もある。
【0005】
なお、かかる問題を解決するために、例えば特許文献1のような技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開2008−4057号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑み、効率的且つ省資源で報道資料を報道機関に配布し得る報道資料配信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、報道資料を提供する報道資料提供サーバと、報道資料を閲覧するための閲覧用端末とを備え、前記報道資料提供サーバと前記閲覧用端末とが通信手段を介して相互にデータを送受信できるように接続された報道資料配信システムであって、前記報道資料提供サーバは、情報提供者が提供する情報である報道資料を当該情報提供者から受け付ける報道資料受付手段と、前記報道資料を記憶する報道資料データベースと、特定の報道資料を検索するための情報である検索条件に該当する報道資料を前記報道資料データベースから検索する報道資料検索手段と、前記報道資料を閲覧することが許可された利用者を特定するための認証情報が記憶された利用者データベースと、前記閲覧用端末から受信した前記認証情報が前記利用者データベースに登録されている場合に限り、前記閲覧用端末に前記報道資料へのアクセスを許可する認証手段とを備え、前記閲覧用端末は、前記認証情報及び前記検索条件を前記報道資料提供サーバに送信すると共に、当該検索条件に該当した報道資料を取得する閲覧手段を備えることを特徴とする報道資料配信システムにある。
【0009】
かかる第1の態様では、報道資料提供サーバは、電子化された報道資料を、閲覧用端末からの検索条件に該当するものを検索してその結果を閲覧用端末に返す。これにより、報道資料を紙媒体として一律に多数の報道機関に複製して配布することが回避され、紙媒体の浪費により環境破壊を助長してしまうことが防止される。また、加盟者が検索条件を設定し、その検索条件に該当する報道資料のみが加盟者に送られるので、多量に存在する報道資料から必要な報道資料を効率的に選び出すことができる。
【0010】
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載する報道資料配信システムにおいて、前記報道資料提供サーバは、前記報道資料に関連する情報である関連資料を記憶する関連資料データベースと、前記検索条件に該当した報道資料に関連する関連資料を前記関連資料データベースから検索する関連資料検索手段とを更に備え、前記閲覧手段は、前記関連資料を更に取得することを特徴とする報道資料配信システムにある。
【0011】
かかる第2の態様では、報道資料に関連する関連資料も一緒に加盟者に配布される。このため、加盟者は、関心のある有用な情報を広範にわたって入手できる。
【0012】
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載する報道資料配信システムにおいて、前記報道資料提供サーバは、前記閲覧用端末から前記報道資料を提供した情報提供者に対しての質問を受け付けると共に、当該質問を当該情報提供者に通知する質問受付手段を備えることを特徴とする報道資料配信システムにある。
【0013】
かかる第3の態様では、加盟者からの質問が情報提供者に通知されるので、加盟者にとっては迅速に質問をすることができ、一方、情報提供者は、受け付けた質問を吟味し、重複する質問にはまとめて回答することで、質問に回答する手間を省力化できる。
【0014】
本発明の第4の態様は、第1〜第3の何れか一つの態様に記載する報道資料配信システムにおいて、前記報道資料データベースには、報道資料が改竄されることを防止する改竄防止機能が設けられていることを特徴とする報道資料配信システムにある。
【0015】
かかる第4の態様では、報道資料が改竄から保護されるため、信頼のある報道資料を加盟者に配布することができる。
【0016】
本発明の第5の態様は、第1〜第4の何れか一つの態様に記載する報道資料配信システムにおいて、前記報道資料提供サーバは、前記報道資料データベースに格納された報道資料が前記閲覧用端末以外に送信されることを防止する流出防止手段を更に備えることを特徴とする報道資料配信システムにある。
【0017】
かかる第5の態様では、認証された加盟者にのみ報道資料が配布されるため、情報が不特定多数に漏洩することがない。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、報道資料を電子データとしてデータベースに記憶し、加盟者に送信するため、紙媒体を用いることなく報道内容を加盟者に伝達することができる。これにより紙媒体の浪費により環境破壊を助長してしまうことが防止される。また、加盟者が検索条件を設定し、その検索条件に該当する報道資料のみが加盟者に送られるので、加盟者の関心のある必要な報道資料が配布される。これにより多量に存在する報道資料から必要な報道資料を効率的に選び出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態の説明は例示であり、本発明は以下の説明に限定されない。
【0020】
図1は、本実施形態に係る報道資料配信システムの一利用形態を表す概念図である。図示するように、報道資料配信システムの利用者は、報道資料の提供者である情報提供者A,B(企業等)、報道資料を受け取る加盟者A、B(報道機関等)、加盟者A、Bからなる記者クラブを運営する事務局、報道資料又は関連資料に関係する情報を有する関係者A、Bである。
【0021】
本実施形態に係る報道資料配信システムは、次の行為(1)〜(4)を実現し、又は支援するためのものである。
(1)情報提供者が、提供する報道資料を事務局が受け取り管理すること。
(2)事務局が、加盟者にとって有用な報道資料をその加盟者に配布すること。
(3)加盟者が、配布された報道資料に基づき関連資料を要求すること。
(4)加盟者が、配布された報道資料に基づき情報提供者に質問すること。
【0022】
図2は、本実施形態に係る報道資料配信システムの概略構成図である。図示するように、情報提供者A、Bの施設である提供者側施設1、2には報道資料を提供するための提供用端末10、11がそれぞれ設けられ、事務局施設3には報道資料提供サーバ20、報道資料データベース21、関連資料データベース22及び加盟者データベース23(利用者データベース)が設けられ、加盟者A、Bの施設である加盟者側施設4、5には報道資料を閲覧するための閲覧用端末30、31がそれぞれ設けられている。
【0023】
また、提供用端末10、11及び閲覧用端末30、31はインターネット60を介して報道資料提供サーバ20との間でデータの送受信が可能になっている。さらに、閲覧用端末30は関係者A、Bの所有するサーバ、例えばWebサーバ40との間でデータの送受信が可能になっている。
【0024】
提供用端末10、11は、一般的なCPU、記憶装置、入出力装置を備える情報通信機器であり、入力装置を介して報道資料が入力され、その報道資料を報道資料提供サーバ20にインターネット60を介して送信するようになっている。
【0025】
ここで報道資料とは、情報提供者が対外的に公表する情報を電子化したデータをいう。例えば、報道資料としては、企業の財務情報を表す文書データなどが挙げられる。
【0026】
報道資料提供サーバ20は、一般的なCPU、記憶装置、入出力装置を備える情報通信機器であり、詳細は後述するが、提供用端末10、11から報道資料を得て、報道資料を閲覧用端末30、31に提供するよう構成されている。また、報道資料提供サーバ20は、報道資料データベース21、関連資料データベース22、及び加盟者データベース23にデータを読み書きすることが可能になっている。
【0027】
報道資料データベース21は、報道資料を記憶し、検索することが可能なデータベースである。詳言すると、報道資料データベース21は、報道資料提供サーバ20から与えられた報道資料を記憶する機能と、報道資料提供サーバ20から与えられた検索条件に該当する報道資料を検索し、その報道資料を報道資料提供サーバ20に返す機能とを有している。
【0028】
関連資料データベース22は、関連資料を記憶し、検索することが可能なデータベースである。詳言すると、関連資料データベース22は、報道資料提供サーバ20から与えられた関連資料を記憶する機能と、報道資料提供サーバ20から与えられた検索条件に該当する関連資料を検索し、その関連資料を報道資料提供サーバ20に返す機能とを有している。
【0029】
ここで、関連資料とは、報道資料に関連付けられたデータをいう。例えば報道資料が2008年度の決算に関するものであれば、関連資料は、2007年度の決算に関するものが挙げられる。他にも、報道資料中のキーワードと同じキーワードを含むデータを関連資料としてもよいし、報道資料中に記載された情報源へのリンク(URL)を関連資料としてもよい。
【0030】
なお、関連資料は、情報提供者から提供用端末10、11と報道資料提供サーバ20とを介して関連資料データベース22に記憶されてもよいし、報道資料データベース21中の古くなった報道資料を関連資料として関連資料データベース22に記憶させてもよい。
【0031】
加盟者データベース23は、認証情報を記憶し、検索することが可能なデータベースである。詳言すると、加盟者データベース23は、報道資料提供サーバ20から与えられた認証情報を記憶する機能と、報道資料提供サーバから与えられた認証情報と一致するものを検索する機能とを有している。
【0032】
ここで、認証情報とは、報道資料データベース21の報道資料を閲覧することが許可された加盟者を特定するための情報をいう。例えば、認証情報としては、情報提供者ごとに設定したユーザIDとパスワードを挙げることができる。詳細は後述するが、認証情報は、報道資料データベース21に予め記憶されており、閲覧用端末30、31から送信された認証情報と照合される。
【0033】
なお、報道資料データベース21、関連資料データベース22、及び加盟者データベース23は、報道資料提供サーバ20で実現されてもよいし、これとは別のハードウェアで実現されてもよい。
【0034】
また、特に図示しないが、報道資料データベース21には、改竄防止機能が設けられている。改竄防止機能は、報道資料が報道資料提供サーバ20によって記憶された後に、その報道資料の内容の改竄を防止する機能である。かかる機能により、報道資料が改竄されて信用できない情報か否かを判断することができる。
【0035】
改竄防止機能の一例としては、報道資料を、編集することが難しいファイル形式、例えばPDF形式に変換する機能を挙げることができる。他にも、改竄防止機能としては、報道資料に電子署名を付す機能であってもよい。これによれば報道資料の改竄を検知できるので、改竄への抑止効果が期待できる。なお、改竄防止機能は、関連資料データベース22や加盟者データベース23に設けられていてもよい。
【0036】
Webサーバ40は、関係者A、Bが有するWebサーバであり、その関係者が有する情報がHTMLなどの形式で表され、報道資料又は関連資料から参照されるものである。例えば、報道資料又は関連資料に含まれるリンク(URL)を参照すると、Webサーバ40の情報にアクセスすることができるようになっている。
【0037】
閲覧用端末30、31は、一般的なCPU、記憶装置、入出力装置を備える情報通信機器であり、インターネットを介して報道資料提供サーバ20から報道資料、関連資料を取得できるようになっている。また、取得した報道資料又は関連資料のリンクに基づき、Webサーバ40の情報を取得できるようになっている。
【0038】
図3は、報道資料提供サーバの機能ブロック図である。なお、提供用端末11及び閲覧用端末31は、提供用端末10及び閲覧用端末30とそれぞれ同一機能を有しているため図示を省略してある。図示するように、報道資料提供サーバ20は、報道資料受付手段24、認証手段25、報道資料検索手段26、関連資料検索手段27、質問受付手段28及び流出防止手段29を備え、これらはCPUにより実行されるプログラムとして実装されている。
【0039】
報道資料受付手段24は、提供用端末10から報道資料を受信し、その報道資料を報道資料データベース21に記憶する。これにより、報道資料を検索対象とすることができる。なお、報道資料そのものを記憶するのみならず、例えばその報道資料の提供者名、提供日時、キーワードなども記憶してもよい。これらの提供者名等を検索の対象としてより綿密な検索を可能にするためである。
【0040】
認証手段25は、閲覧用端末30から受信した認証情報が、加盟者データベース23に登録されている場合に限り、閲覧用端末30に報道資料へのアクセスを許可する。これにより、認証された加盟者にのみ、報道資料を閲覧させることができる。
【0041】
報道資料検索手段26は、報道資料データベース21の報道資料のうち、閲覧用端末30から受信した検索条件に該当するものを検索し、その結果を閲覧用端末30に送信する。ここで検索条件とは、特定の報道資料を検索するための情報である。検索条件として、例えば、「キーワードに指定の文字列を含む」や「報道日時が2000年から2005年の間である」などが挙げられる。もちろん、複数の検索条件を論理積、論理和で組み合わせて用いてもよい。
【0042】
関連資料検索手段27は、検索条件に該当した報道資料に関連する報道資料を関連資料データベース22から検索し、その結果を閲覧用端末30に送信する。
【0043】
質問受付手段28は、閲覧用端末30から報道資料を提供した情報提供者に対しての質問を受け付けると共に、当該質問を当該情報提供者に通知する。すなわち、閲覧用端末30を利用して情報提供者に対して報道資料に関する質問をすることができるようになっている。
【0044】
流出防止手段29は、報道資料が閲覧用端末30以外に送信されることを防止する。例えば、流出防止手段29は、認証手段25により認証された閲覧用端末30のIPアドレス以外とは通信しないように報道資料提供サーバ20を制御するものであってもよい。これにより、報道資料が無関係の者に流出することが防止される。なお、流出防止手段29は、関連資料が閲覧用端末30以外に送信されることを防止するようにしてもよい。
【0045】
また、閲覧用端末30には、閲覧手段32及び質問送信手段33が設けられ、閲覧手段32はCPUに実行されるプログラムとして実装されている。
【0046】
閲覧手段32は、閲覧用端末30の入力手段を介して認証情報、又は検索条件が入力され、これらの認証情報、又は検索条件を報道資料提供サーバ20に送信する。また、報道資料検索手段26から検索条件に該当した報道資料を受信し、関連資料検索手段27からその報道資料に関連する関連資料を受信する。
【0047】
質問送信手段33は、閲覧用端末30の入力手段を介して質問が入力され、その質問を報道資料提供サーバ20に送信する。
【0048】
図4〜図7は、本実施形態に係る報道資料配信システムの処理のフローである。図4に示すように、提供用端末10と報道資料提供サーバ20との間で、報道資料の送受信に係る処理が行われる。すなわち、提供用端末10では、その入力装置を介して報道資料が入力され、報道資料提供サーバ20に対して、その報道資料の送信が行われる(ステップS10)。報道資料提供サーバ20では、報道資料受付手段24が報道資料を受信し、報道資料データベース21に対して、その報道資料の記憶を行う(ステップS11)。
【0049】
上記処理により、情報提供者は、提供用端末10を用いて、公表しようとする報道資料を報道資料データベース21に記憶させることができ、事務局は、報道資料提供サーバ20で当該報道資料を管理することができる。
【0050】
次に、図5に示すように、閲覧用端末30と報道資料提供サーバ20との間で、報道資料の送受信に係る処理が行われる。まず、閲覧用端末30は、報道資料提供サーバ20に対して、その加盟者が入力装置を介して入力した認証情報の送信を行う(ステップS20)。次に、報道資料提供サーバ20では、認証手段25が認証情報を受信し、その認証情報の照合を行う(ステップS21)。認証情報の照合とは、前述したように、受信した認証情報が加盟者データベース23に登録されているか否かにより判定される。受信した認証情報が加盟者データベース23に登録されていなければ、不正な加盟者による利用となるため、以降の処理は行われない。一方、受信した認証情報が加盟者データベースに登録されていれば、以降の処理が行われる。
【0051】
次に、閲覧用端末30は、報道資料提供サーバ20に対して、その加盟者が入力装置を介して入力した検索条件の送信を行う(ステップS22)。例えば図8に示すようなテキストボックス50に検索条件を表す検索文字列を入力し、検索ボタン51を選択したときに、テキストボックス50に入力された検索文字列を報道資料提供サーバ20に送信する。そして、図5に戻り、当該検索条件を受信した報道資料提供サーバ20では、報道資料検索手段26が検索の実行を行う(ステップS23)。
【0052】
例えば、表1に示す報道資料が報道資料データベース21に格納され、検索条件が「キーワードに「決算」を含む」であるとする。
【0053】
【表1】

【0054】
表1の各行は一つの報道資料を表している。一つの報道資料は、報道内容の分類などを表す「キーワード」、報道資料が公表された日時を表す「報道日時」、公表される「内容」などからなる。報道資料提供サーバ20は、報道資料データベース21にアクセスして、キーワードに「決算」を含むものを検索する。その結果、表1の一行目の報道資料が得られる。
【0055】
次に、報道資料提供サーバ20は、閲覧用端末30に対して、ステップS23において検索条件に該当した報道資料の送信を行う(ステップS24)。そして閲覧用端末30は、報道資料の取得し、それをディスプレイ等の出力装置に表示する(ステップS25)。例えば閲覧用端末30は、図9に示すように、検索に該当した報道資料の一覧をディスプレイに表示し、そのうちの一つが選択されると、図10に示すように報道資料の詳細な内容を表示する。
【0056】
上記処理により、加盟者が検索条件を設定し、その検索条件に該当する報道資料が当該加盟者に送信される。逆に言うと、事務局は、加盟者にとって有用な報道資料をその加盟者に配布することが可能になっている。
【0057】
次に、図6に示すように、閲覧用端末30と報道資料提供サーバ20との間で、関連資料の送受信に係る処理が行われる。まず、閲覧用端末30は、報道資料提供サーバ20に対し、関連資料の要求を行う(ステップS30)。例えば、図10に示すように、報道資料の詳細な内容を表示すると共に、関連資料を要求するためのボタン52も表示しておく。そのボタン52が選択された際には、その報道資料に関連する関連資料を要求する旨の情報を報道資料提供サーバ20に送信する。
【0058】
次に図6に戻り、報道資料提供サーバ20では、関連資料検索手段27が報道資料に関連する関連資料の検索を行う(ステップS31)。具体的には、当該報道資料に関連付けられた関連資料を関連資料データベース22から検索する。関連資料検索手段27は、閲覧用端末30に対して、検索して得た関係資料の送信を行う(ステップS32)。そして、閲覧用端末30は、関係資料の取得を行い、その関係資料を出力装置に表示する(ステップS33)。なお、閲覧用端末30は、関係資料がURLである場合は、そのURLに係るWebサーバ40にアクセスし、URLにより特定される情報をウェブブラウザ等で表示する。
【0059】
上記処理により、加盟者が配布された報道資料に基づいて関連資料を要求すると、その関連資料を得ることができる。
【0060】
次に、図7に示すように、閲覧用端末30と報道資料提供サーバ20と提供用端末10との間で、質問の受付に係る処理が行われる。まず閲覧用端末30では、質問送信手段33が、報道資料提供サーバ20に対して、入力装置を介して入力された質問の送信を行う(ステップS40)。次に、報道資料提供サーバ20では、質問受付手段28が質問を受信し、その質問があったことを提供用端末10に通知する(ステップS41)。この通知は、例えば電子メールであってもよい。そして、提供用端末10は、その質問の通知を受け、質問を出力装置等に出力して質問の閲覧を行う(ステップS42)。
【0061】
上記処理により、加盟者が配布された報道資料に基づき情報提供者に質問をすることが可能となる。
【0062】
以上に説明したように、報道資料提供サーバ20は、提供用端末10、11との間で報道資料を受信して報道資料データベース21に記憶し、その報道資料を、閲覧用端末30からの検索条件に該当するものを検索してその結果を閲覧用端末30に返す。このとき、報道資料に関連する関連資料も閲覧用端末30に提供され、また報道資料に関する質問を受け付け提供用端末10に通知する。
【0063】
本発明に係る報道資料配信システムでは、報道資料を電子データとしてデータベースに記憶し、加盟者に送信するため、紙媒体を用いることなく報道内容を加盟者に伝達することができる。これにより紙媒体の浪費により環境破壊を助長してしまうことが防止される。また、加盟者が検索条件を設定し、その検索条件に該当する報道資料のみが加盟者に送られるので、加盟者の関心のある必要な報道資料が配布される。これにより多量に存在する報道資料から必要な報道資料を選び出すための時間を節約することができる。更に、加盟者は、報道資料に関連する関連資料も報道資料と一緒に入手できるため、さらに関心のある有用な情報を広範にわたって入手できる。
【0064】
また、報道資料を提供する側にとっても、報道資料と関連資料とを報道資料配信システムに予め登録しておけば、複数の加盟者に対してそれぞれ、報道資料や関連資料を配布する必要がなくなり、報道資料の公表に係る手間や負担を軽減することができる。
【0065】
更に、加盟者からの質問が情報提供者に通知されるので、加盟者にとっては迅速に質問をすることができ、一方、情報提供者は、受け付けた質問を吟味し、重複する質問にはまとめて回答することで、質問に回答する手間を省力化できる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本実施形態に係る報道資料配信システムの一利用形態を表す概念図である。
【図2】本実施形態に係る報道資料配信システムの概略構成図である。
【図3】報道資料提供サーバの機能ブロック図である。
【図4】本実施形態に係る報道資料配信システムの処理のフローである。
【図5】本実施形態に係る報道資料配信システムの処理のフローである。
【図6】本実施形態に係る報道資料配信システムの処理のフローである。
【図7】本実施形態に係る報道資料配信システムの処理のフローである。
【図8】検索条件の入力画面の一例である。
【図9】検索条件に該当した報道資料の一覧を示す画面例である。
【図10】検索条件に該当した報道資料の詳細を示す画面例である。
【符号の説明】
【0067】
1、2 提供者側施設
3 事務局施設
4、5 加盟者側施設
10、11 提供用端末
20 報道資料提供サーバ
21 報道資料データベース
22 関連資料データベース
23 加盟者データベース
24 報道資料受付手段
25 認証手段
26 報道資料検索手段
27 関連資料検索手段
28 質問受付手段
29 流出防止手段
30、31 閲覧用端末
32 閲覧手段
33 質問送信手段
40 Webサーバ
50 テキストボックス
51 検索ボタン
52 ボタン
60 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
報道資料を提供する報道資料提供サーバと、
報道資料を閲覧するための閲覧用端末とを備え、前記報道資料提供サーバと前記閲覧用端末とが通信手段を介して相互にデータを送受信できるように接続された報道資料配信システムであって、
前記報道資料提供サーバは、
情報提供者が提供する情報である報道資料を当該情報提供者から受け付ける報道資料受付手段と、
前記報道資料を記憶する報道資料データベースと、
特定の報道資料を検索するための情報である検索条件に該当する報道資料を前記報道資料データベースから検索する報道資料検索手段と、
前記報道資料を閲覧することが許可された利用者を特定するための認証情報が記憶された利用者データベースと、
前記閲覧用端末から受信した前記認証情報が前記利用者データベースに登録されている場合に限り、前記閲覧用端末に前記報道資料へのアクセスを許可する認証手段とを備え、
前記閲覧用端末は、
前記認証情報及び前記検索条件を前記報道資料提供サーバに送信すると共に、当該検索条件に該当した報道資料を取得する閲覧手段を備える
ことを特徴とする報道資料配信システム。
【請求項2】
請求項1に記載する報道資料配信システムにおいて、
前記報道資料提供サーバは、
前記報道資料に関連する情報である関連資料を記憶する関連資料データベースと、
前記検索条件に該当した報道資料に関連する関連資料を前記関連資料データベースから検索する関連資料検索手段とを更に備え、
前記閲覧手段は、前記関連資料を更に取得する
ことを特徴とする報道資料配信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−55547(P2010−55547A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−222469(P2008−222469)
【出願日】平成20年8月29日(2008.8.29)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】