説明

場内移動型投票システム

【課題】会員が好きな場所にて投票券の購入と払戻金および返還金の交付を受ける。主催者側は経費節減、時間的制約および会員登録等の簡便化を実現する。
【解決手段】窓口端末機1,2と、それらに接続された場内移動型投票装置3と、会員の携帯電話機6と接続可能にされたウエブサーバ7と、そのウエブサーバ7を場内移動型投票装置3に接続するゲートウェイサーバ8とを具え、場内移動型投票装置3は、当該競艇場および他の場所の競艇場の投票を総合的に管理する上位システム4に接続され、窓口端末機1は、会員IDカードを発行する他、当日の日付とウエブサーバ7内の所定ホームページの閲覧呼び出し用のQRコード印刷紙5も発行し、場内移動型投票装置3内のその会員の当日口座に対する入出金を行い、会員はそのQRコードを撮影した携帯電話機6でウエブサーバ7に接続し、投票券の購入および当日口座の残高確認を行うものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、公営競技(競輪・競馬・競艇・オートレース)の競技場、場外発売場および専用発売場(以下、当該場という)に於ける新しい投票券発売等の形態に関し、特には、従来の現金による投票券発売等とキャッシュレスによる投票券レス発売等の長所を取込んだ投票システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
公営競技(競輪・競馬・競艇・オートレース)に於けるファンへの投票券の発売と払戻金および返還金の交付は、概ね次の二つの形態に集約される。
(1)現金による投票券発売等
この形態は当該場で、施行者およびそれに準じる団体(以下、主催者という)が投票券の発売と払戻金および返還金の交付を総て現金にて決済する方法であり、ファンは一般的に次の手順で実施する。
(a) 先ずファンは、当該場で主催者から提供される出走表や各種履歴情報およびオッズ放映等または予想紙等を購入して、所望するレース、組番を予想し、マークカードにレース、組番および金額を記入する。
(b) ファンは該当レースの発売締切時間前に、記入済みマークカードと現金を当該場の投票所に設置してある自動発券機に挿入するか、または発売窓口に差出し所望の投票券を購入する。
(c) ファンは該当レースの着順成績により、購入した投票券が的中(返還含む)した場合、当該場の払戻所に設置してある自動払戻機に該当投票券を挿入するか、または払戻窓口に差出して払戻金および返還金の交付を現金にて受領する。
【0003】
(2)キャッシュレスによる投票券レス発売等
この形態は、主催者が投票券の発売と払戻金および返還金の交付を電話回線やインターネットを介して口座で決済する方法であり、主に当該場に地域的、時間的事情で来場できないファン(この場合加入者)が、家庭用電話機、公衆電話機、携帯電話機およびパソコン等を用いて、一般的に次の手順で実施する。但し、本発明と関連する領域は、携帯電話機を用いた電話投票とインターネット投票のため、この組合せに限定にして以下に記す。
【0004】
[電話投票]
(a) 先ずファンは、主催者の受付センターへ本会員になるための申し込みを電話等で行う。
(b) 主催者から案内書、申込書がファンに送付され、ファンは申込書に必要事項を記入し、更に、個人認証に必要な証憑(例えば、運転免許証のコピーや住民票等)を添付して、主催者に返送する。
(c) ファンは、主催者の指定期間内に指定された銀行に口座を開設する。
口座は、主催者が設定したコースにより専用口座を開設する。例えば
イ)無担保コース:普通預金口座(投票用口座・出金用口座)
ロ)有担保コース:普通預金口座(投票用口座)、定期預金口座(担保金)、なお、本コースの投票用口座は出金用口座も兼ねる
(d) 主催者から利用開始時期がファンに通知される
(e) ファンは、投票日の前日までに(銀行営業日に限る)指定された銀行の投票用口座に現金(購入予定投票資金)を入金する。同日夜間に銀行は、主催者口座に振替える。
(f) ファンは投票日に携帯電話機を用いて発売締切時間3分前までに、主催者から提供される出走表や各種履歴情報等およびオッズ放映等を携帯電話機の画面に呼び出し、または予想紙等を購入して、所望するレース、組番を予想し、携帯電話機の画面にレース、組番および金額を入力して投票券を購入する。
(g) ファンは該当レースの着順成績により、購入した投票券が的中(返還含む)した場合、
都度、投票用口座に払戻金および返還金が組み入れられ、その後は投票資金残額と払戻金および返還金の合計金額を購入予定投票資金として投票券を購入する。
(h) ファンは投票日に出金額を主催者に指示するとともに、主催者は指示された金額を投票用口座または出金用口座に振替える。そして投票日の翌日(銀行営業日に限る)、ファンは投票用口座または出金用口座から現金として出金する(例えば特許文献1参照)。
【0005】
[インターネット投票]
仕組みは電話投票と殆んど同様であるが、主な違いは次の通りである。
(a) 銀行は一般銀行ではなくネット銀行である。
(b) 現金の入出金は、郵便局、提携先一般銀行およびコンビニ設置のATMである。
(c) ファンは専用口座でなく当該銀行の普通口座のみ、依って投票用口座は主催者が開設する。
(d) 入金は投票日当日までであり、出金はファンが精算指示後、随時可能である。
【特許文献1】特開2006−155318号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
(1)現金による投票券発売等
(a) 当該場の一般的な建物構造もしくは位置では、レース観戦または実況放映する場所と投票所および払戻所とは必ずしも同一場所でなく、ファンは都度、該当場所へ移動するとともに発売締切時間の切迫感とが相まって、肉体的・精神的疲労を強いられる。
(b) 投票所(所謂、穴場)に於ける発売締め切り時間の間際についても、他のファンと順番に並ばなければならず、喧騒感も伴い同様に肉体的・精神的疲労を強いられる。
(c) 投票券購入の申し込み方法は、その殆どがマークカードに記入するものであり、記入ミスが発生した場合、次の対処が必要となる。
イ)自動発券機に挿入、または発売窓口に差出す前:事前訂正
ロ)自動発券機に挿入、または発売窓口に差出した後:事後訂正
この場合、再度、他のファンの後方に並び直す。
(d) 購入した投票券面の確認も必要となる。
(e) 現金決済のため、購入投票資金、払戻金(返還金含む)および投票券購入時の釣銭を確認する手間と煩しさが生ずる。
【0007】
(2)キャッシュレスによる投票券レス発売等
ファン(会員)が携帯電話機を用いて、当該場で投票券の発売と払戻金および返還金の交付を、電話回線やインターネットを介して口座で決済する場合を想定にして以下に記す。
(a) ファンが応募してから会員となり利用開始となる期間は、電話投票の場合は2ヶ月〜3ヶ月、インターネット投票の場合は、1週間〜2週間を要する。
(b) 銀行は主催者が指定する銀行から選択。またナイターレースの場合は、更に特定される。
(c) 現金の入金は、事前に行う(電話投票:投票日の前日、インターネット投票:投票日)必要がある。但し、銀行休業日やATM等のメンテナンス時は、更なる前倒し、またはその後となる。
(d) 現金の出金は、事後に行う(電話投票:投票日の翌日、インターネット投票:精算指示後)必要がある。但し、銀行休業日やATM等のメンテナンス時は、更なる後日となる。
(e) インターネット投票は、ファン口座(普通口座)と主催者口座(投票用口座)との資金移動(振替え)が有料である。
(f) 1年間投票券の購入がないとき、ファン(会員)は解約される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、上記課題を有利に解決した投票システムを提供することを目的とするものであり、この発明の場内移動型投票システムは、受付端末機と、メインサーバと、ウエブサーバとを具え、
前記受付端末機は、当日会員情報として会員の所定情報と暗証番号とを入力されると、その会員の所定情報をメインサーバに送り、前記メインサーバからその会員の所定情報に対応する会員IDを送られるとその会員IDを出力するとともに閲覧呼び出しコードを印刷出力し、当日会員情報として会員IDと暗証番号とを入力されるとともに購入予定投票資金を入金されると、その会員IDと暗証番号と入金された購入予定投票資金の額とをメインサーバに送り、当日会員情報として会員IDと暗証番号とを入力されるとともに出金額を入力されると、その会員IDと暗証番号と入力された出金額とをメインサーバに送り、メインサーバから認証出金額を入力すると、その認証出金額の現金を払い戻し、
前記メインサーバは、前記受付端末機から前記会員の所定情報と暗証番号とを入力されると、その会員について会員IDと当日口座とを設定してその当日口座と対応させて前記会員の所定情報と会員IDと暗証番号とを記憶するとともに、前記受付端末機にその会員IDを送り、前記受付端末機から会員IDと暗証番号と入金された購入予定投票資金の額とを入力されると、暗証番号を確認したうえでその入金された購入予定投票資金の額をその会員IDの当日口座に記憶し、前記ウエブサーバから会員IDと暗証番号とを入力されて残額問い合わせを受けると、暗証番号を確認したうえでその会員IDに対応する当日口座の残額を前記ウエブサーバに出力し、前記ウエブサーバから会員IDと暗証番号と投票券のレースと組番と購入金額とを入力されると、暗証番号を確認したうえでその投票券の購入金額をその会員IDの当日口座の残額と対比して残額未満の場合はその当日口座から差し引くとともに前記ウエブサーバから入力された投票券のレースと組番と金額とを投票管理システムに出力する投票対応処理を行い、前記投票管理システムから前記レースの払い戻し確定データを入力されると、その払い戻し確定データに基づき前記レースの前記投票券が的中または返還の場合は払戻金または返還金をその会員IDの当日口座に組み入れ、前記受付端末機から会員IDと暗証番号と出金額とを入力されると、暗証番号を確認したうえでその出金額をその会員IDの当日口座の残額と対比してその出金額が残額未満の場合はその出金額をその当日口座から差し引くとともにその出金額を認証出金額として前記受付端末機に出力し、その出金額が残額の全額の場合はその出金額をその当日口座から差し引くとともにその出金額を認証出金額として前記受付端末機に出力しかつその当日口座に関し前記購入予定投票資金の額の入力がなされるまで前記投票対応処理を停止し、
前記ウエブサーバは、前記会員の携帯電話機から前記閲覧呼び出しコードに対応するホームページにアクセスされて前記閲覧呼び出しコードとその会員の会員IDと暗証番号とを入力されると、その閲覧呼び出しコードが当日のものである場合のみ会員情報画面を表示し、その会員情報画面に前記会員の携帯電話機から残額問い合わせを受けると、その会員の会員IDと暗証番号と残額問い合わせとを前記メインサーバに入力し、前記メインサーバからその会員IDに対応する当日口座の残額を出力されると、その残額を前記会員情報画面に表示し、前記その会員情報画面に前記会員の携帯電話機から投票券のレースと組番と購入金額とを入力されると、その会員の会員IDと暗証番号と投票券のレースと組番と購入金額とを前記メインサーバに入力する、ということを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
かかる場内移動型投票システムでは、主催者は当該場に於いて、キャッシュレスによる投票券レス発売等を行う。すなわち主催者は当該場の当日来場ファンを当日会員として、利用開始日も投票日当日とする。主催者はファンに、受付端末機からメインサーバにアクセスさせて当日口座を当該場にて開設させ、その当日口座は銀行口座と連動させない。主催者は投票日当日に、ファンの現金を主催者預り金として受付端末機で入金させ、メインサーバ内の当日口座に記憶させる。
【0010】
ファンは投票日に携帯電話機を用いてウエブサーバにアクセスし、会員情報画面を表示するとともに、発売締切時間までに、当該場で主催者から提供される出走表や各種履歴情報およびオッズ放映等または予想紙等を購入して、所望するレース、組番を予想し、携帯電話機の会員情報画面にレース、組番および金額を入力して投票券を購入する。購入情報はメインサーバ内の内の当日口座の残高に反映させるとともにそのメインサーバから上位の投票管理システムに出力し、投票管理システムは投票されたレースの払い戻し確定データをメインサーバに出力し、メインサーバはその払い戻し確定データに基づき前記レースの投票券が的中または返還の場合は払戻金または返還金をその会員の当日口座に組み入れる。これによりファンは該当レースの着順成績により、購入した投票券が的中(返還含む)した場合、その都度、主催者から当日口座に払戻金および返還金を組み入れられ、以後は投票資金残額と払戻金および返還金の合計金額を購入予定投票資金として投票券を購入する。そして主催者は、投票日当日に、ファンの現金を主催者預り金としているため当日口座から出金させる。
【0011】
従って、この発明の場内移動型投票システムによれば、以下の効果を奏することができる。
(1)当該場の建物構造もしくは位置に左右されず、ファンは「同一場所=好きな場所」にて投票券の購入と払戻金および返還金の交付とを受けられる。このため、投票所や払戻所に並ばずに、待たずに、本来ファンの醍醐味である該当レースの推理、予想等に十分に時間を費やすことができる。また、投票所の喧騒感からファンは解放される。さらに、マークカードへの記入をなくし、携帯電話機の画面入力とその整合性の同時検証を行うことにより、ファンの入力ミスはなくなり、投票券面の確認についても確実に履行できる
【0012】
(2)当該場での当日会員登録と当日現金決済とを行うことができる。このため、主催者はファンに対する案内書・申込書等が激減するので、経費節減、時間的制約および会員登録等の簡便化が実現できる。また、銀行を介さないため、ファンは必要に応じて現金の一部か全部かを問わず投票日にいつでも入出金が可能となる。さらに、ファンは、投票資金残額と払戻金および返還金の合計金額、そして投票履歴も携帯電話機の画面で確認することができる。即ち、購入予定投票資金をいつでも携帯電話機の画面で検索できるため、現金確認に要する手間と煩しさが皆無となる。
【0013】
(3)新しい投票券発売形態を創出できる。すなわち、現金による投票券発売等、キャッシュレスによる投票券レス発売等の長所を取入れた発売形態であるため、当該場での携帯電話機による投票は、新規ファン(特に若者達)やライトファンの潜在的要求を満たす形態であり、ファンの新規獲得や維持に寄与する。また、主催者は、当該場に設置している比較的高価な発券機、自動発券機、払戻機および自動払戻機等の最適化台数を見直し、建物構造を含めたイニシヤルコストや人件費を含めたランニングコストを縮減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を実施例によって、図面に基づき詳細に説明する。ここに、図1は、例として競艇用の投票に適用された、この発明の場内移動型投票システムの一実施例の構成を示す説明図、図2〜図7は、上記実施例の場内移動型投票システムにおける各種処理手順を示すフローチャートである。
【0015】
この実施例の場内移動型投票システムは、図1に示すように、何れも窓口端末機としての受付窓口端末機(P−MRT)1および自動受付端末機(P−ATM)2と、それらの端末機が図示しないLAN(ローカルエリアネットワーク)を介して接続された、メインサーバとしての通常のサーバである場内移動型投票装置3と、インターネットおよび通常の携帯電話回線を介してファン(会員)の携帯電話機6と接続可能にされた、通常のサーバであるウエブサーバ(Web Server)7と、そのウエブサーバ7を場内移動型投票装置3に接続するとともにゲートウェイの役割を果たす、通常のサーバであるゲートウェイサーバ(G/W)8とを具えており、場内移動型投票装置3は、図示しない通信回線を介して、投票管理システムとしての、当該競艇場および他の場所の競艇場の投票を総合的に管理する上位システム4に接続されている。ここで、受付窓口端末機(P−MRT)1は、会員IDとしての会員NO(ナンバ)付の会員カードを発行する他、当日の日付とウエブサーバ7内の所定ホームページの閲覧呼び出しコード(URL)との情報を記録したQRコードを印刷したQRコード印刷紙5も発行する。
【0016】
この実施例の場内移動型投票システムによれば、以下のようにして各種処理が実行される。すなわち、
(当日会員手続き)
図2に示すように、主催者は受付窓口端末機(P−MRT)1で、当該競艇場に来場したファンに対し当日会員登録と当日口座を開設して、会員NO付会員カードを発行し、ファンに暗証NOを付与する。また、その情報は場内移動型投票装置3に送信される。そのときファンは、ウエブサーバ7内の所定ホームページの閲覧呼び出しコードを印刷したQRコード印刷紙5を受け取る。
【0017】
(現金入金)
図3に示すように、主催者は受付窓口端末機(P−MRT)1または自動受付端末機(P−ATM)2でファンから会員カード、会員NOおよび暗証NOを受けるとともに、購入予定投票資金を現金で入金する。また、その情報は場内移動型投票装置3に送信される。当日の途中において、ファンが購入予定投票資金が不足した場合も同様とする。
【0018】
(ウエブサーバ接続)
図4に示すように、ファンは携帯電話機6を用いてQRコード印刷紙5の閲覧呼び出しコード(QRコード)を撮影し、その閲覧呼び出しコードを携帯電話機6からウエブサーバ7に送信して、携帯電話機用画面ソフトをダウンロードする。
【0019】
(投票券購入)
図4および図5に示すように、ファンは、所望するレース、組番および金額を携帯電話機用会員情報画面(投票画面等)で入力し、会員カード、会員NOおよび暗証NOを付与してウエブサーバ7およびゲートウェイサーバ8を介し、場内移動型投票装置3に投票データを送信する。なお、投票券を購入するレースは、当該競艇場のレースに限らず、他の競艇場のレースでも良い。
【0020】
(投票データ)
場内移動型投票装置3は、図4では図示しないが、該当ファンの当日口座の購入予定投票資金から今回購入した投票券の金額を差引くとともに、投票データを上位システム4に送信する。
【0021】
(払戻確定データ)
図6では図示しないが、該当レースの着順成績により、場内移動型投票装置3は上位システム4から払戻確定データを受信する。ファンが購入した投票券が的中(返還含む)した場合、図6に示すように、場内移動型投票装置3は該当ファンの当日口座に払戻金および返還金を組み入れ、以後は投票資金残額と払戻金および返還金の合計金額を購入予定投票資金としてファンは投票券を購入することができる。
【0022】
(現金精算)
ファンが現金を出金したい場合、図3に示すように、主催者は受付窓口端末機(P−MRT)1または自動受付端末機(P−ATM)2でファンから会員カードにより会員NOおよび暗証NOを受けるとともに、所望の金額を一部出金する。そして場内移動型投票装置3は、該当ファンの当日口座の購入予定投票資金から今回出金した金額を差引く。またファンが全部出金する場合は、図7に示すように、主催者は受付窓口端末機(P−MRT)1または自動受付端末機(P−ATM)2でファンから会員カードにより会員NOおよび暗証NOを受けるとともに、残額すべてを出金し、会員カードを返納する。そして場内移動型投票装置3は、該当ファンの当日口座の購入予定投票資金から総て出金して口座を閉鎖する。
【0023】
従って、この実施例の場内移動型投票システムによれば、上述したこの発明の効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
かくしてこの発明の場内移動型投票システムによれば、以下の効果を奏することができる。
(1)当該場の建物構造もしくは位置に左右されず、ファンは「同一場所=好きな場所」にて投票券の購入と払戻金および返還金の交付とを受けられる。このため、投票所や払戻所に並ばずに、待たずに、本来ファンの醍醐味である該当レースの推理、予想等に十分に時間を費やすことができる。また、投票所の喧騒感からファンは解放される。さらに、マークカードへの記入をなくし、携帯電話機の画面入力とその整合性の同時検証を行うことにより、ファンの入力ミスはなくなり、投票券面の確認についても確実に履行できる
【0025】
(2)当該場での当日会員登録と当日現金決済とを行うことができる。このため、主催者はファンに対する案内書・申込書等が激減するので、経費節減、時間的制約および会員登録等の簡便化が実現できる。また、銀行を介さないため、ファンは必要に応じて現金の一部か全部かを問わず投票日にいつでも入出金が可能となる。さらに、ファンは、投票資金残額と払戻金および返還金の合計金額、そして投票履歴も携帯電話機の画面で確認することができる。即ち、購入予定投票資金をいつでも携帯電話機の画面で検索できるため、現金確認に要する手間と煩しさが皆無となる。
【0026】
(3)新しい投票券発売形態を創出できる。すなわち、現金による投票券発売等、キャッシュレスによる投票券レス発売等の長所を取入れた発売形態であるため、当該場での携帯電話機による投票は、新規ファン(特に若者達)やライトファンの潜在的要求を満たす形態であり、ファンの新規獲得や維持に寄与する。また、主催者は、当該場に設置している比較的高価な発券機、自動発券機、払戻機および自動払戻機等の最適化台数を見直し、建物構造を含めたイニシヤルコストや人件費を含めたランニングコストを縮減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】例として競艇用の投票に適用された、この発明の場内移動型投票システムの一実施例の構成を示す説明図である。
【図2】上記実施例のシステムにおける処理手順のうち業務開始手順を示すフローチャートである。
【図3】上記実施例のシステムにおける処理手順のうち入金・出金手順を示すフローチャートである。
【図4】上記実施例のシステムにおける処理手順のうち投票手順を示すフローチャートである。
【図5】上記実施例のシステムにおける処理手順のうち締切手順を示すフローチャートである。
【図6】上記実施例のシステムにおける処理手順のうち払戻確定および限度額照会手順を示すフローチャートである。
【図7】上記実施例のシステムにおける処理手順のうち清算手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0028】
1 受付窓口端末機(P−MRT)
2 自動受付端末機(P−ATM)
3 場内移動型投票装置
4 上位システム
5 QRコード印刷紙
6 ファンの携帯電話機
7 ウエブサーバ(Web Server)
8 ゲートウェイサーバ(G/W)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受付端末機と、メインサーバと、ウエブサーバとを具え、
前記受付端末機は、当日会員情報として会員の所定情報と暗証番号とを入力されると、その会員の所定情報をメインサーバに送り、前記メインサーバからその会員の所定情報に対応する会員IDを送られるとその会員IDを出力するとともに当日のみ有効の閲覧呼び出しコードを印刷出力し、当日会員情報として会員IDと暗証番号とを入力されるとともに購入予定投票資金を入金されると、その会員IDと暗証番号と入金された購入予定投票資金の額とをメインサーバに送り、当日会員情報として会員IDと暗証番号とを入力されるとともに出金額を入力されると、その会員IDと暗証番号と入力された出金額とをメインサーバに送り、メインサーバから認証出金額を入力すると、その認証出金額の現金を払い戻し、
前記メインサーバは、前記受付端末機から前記会員の所定情報と暗証番号とを入力されると、その会員について会員IDと当日口座とを設定してその当日口座と対応させて前記会員の所定情報と会員IDと暗証番号とを記憶するとともに、前記受付端末機にその会員IDを送り、前記受付端末機から会員IDと暗証番号と入金された購入予定投票資金の額とを入力されると、暗証番号を確認したうえでその入金された購入予定投票資金の額をその会員IDの当日口座に記憶し、前記ウエブサーバから会員IDと暗証番号とを入力されて残額問い合わせを受けると、暗証番号を確認したうえでその会員IDに対応する当日口座の残額を前記ウエブサーバに出力し、前記ウエブサーバから会員IDと暗証番号と投票券のレースと組番と購入金額とを入力されると、暗証番号を確認したうえでその投票券の購入金額をその会員IDの当日口座の残額と対比して残額未満の場合はその当日口座から差し引くとともに前記ウエブサーバから入力された投票券のレースと組番と金額とを投票管理システムに出力する投票対応処理を行い、前記投票管理システムから前記レースの払い戻し確定データを入力されると、その払い戻し確定データに基づき前記レースの前記投票券が的中または返還の場合は払戻金または返還金をその会員IDの当日口座に組み入れ、前記受付端末機から会員IDと暗証番号と出金額とを入力されると、暗証番号を確認したうえでその出金額をその会員IDの当日口座の残額と対比してその出金額が残額未満の場合はその出金額をその当日口座から差し引くとともにその出金額を認証出金額として前記受付端末機に出力し、その出金額が残額の全額の場合はその出金額をその当日口座から差し引くとともにその出金額を認証出金額として前記受付端末機に出力しかつその当日口座に関し前記購入予定投票資金の額の入力がなされるまで前記投票対応処理を停止し、
前記ウエブサーバは、前記会員の携帯電話機から前記閲覧呼び出しコードに対応するホームページにアクセスされて前記閲覧呼び出しコードとその会員の会員IDと暗証番号とを入力されると、その閲覧呼び出しコードが当日のものである場合のみ会員情報画面を表示し、その会員情報画面に前記会員の携帯電話機から残額問い合わせを受けると、その会員の会員IDと暗証番号と残額問い合わせとを前記メインサーバに入力し、前記メインサーバからその会員IDに対応する当日口座の残額を出力されると、その残額を前記会員情報画面に表示し、前記その会員情報画面に前記会員の携帯電話機から投票券のレースと組番と購入金額とを入力されると、その会員の会員IDと暗証番号と投票券のレースと組番と購入金額とを前記メインサーバに入力する、場内移動型投票システム。
【請求項2】
前記メインサーバは、前記会員IDと対応付けて投票履歴も記憶し、前記ウエブサーバから会員IDと暗証番号とを入力されて投票履歴の問い合わせを受けると、暗証番号を確認したうえでその会員IDに対応する当日の投票履歴を前記ウエブサーバに出力し、
前記ウエブサーバは、前記会員情報画面に前記会員の携帯電話機から投票履歴の問い合わせを受けると、その会員の会員IDと暗証番号と投票履歴の問い合わせとを前記メインサーバに入力し、前記メインサーバからその会員IDに対応する当日の投票履歴を出力されると、その投票履歴を前記会員情報画面に表示する、請求項1記載の場内移動型投票システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−90460(P2008−90460A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−268664(P2006−268664)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成18年5月31日に、競艇オフィシャルWEBで、http://www.kyotei.or.jp/kyotei_info/web_news/topics/2006/05/31_002.htmを通じて発表した「桐生競艇場『場内移動型投票』システムを導入」、平成18年5月31日に、ヤフージャパンニュースで、http://headlines.yahoo.co.jp/h|?a=20060531−00000023−imp−sciを通じて発表した「桐生競艇場、当日限りの携帯投票システム」、平成18年6月1日に、グーのブログで、http://blog.goo.ne.jp/yoroshiku109/d/20060601を通じて発表した「競艇オフィシャルWebより」、平成18年6月1日 株式会社報知新聞社発行の「スポーツ報知 場内から携帯で舟券が買える」に発表、平成18年6月1日 株式会社日刊スポーツ新聞社発行の「日刊スポーツ 桐生で公営初の携帯電投システム」に発表、平成18年6月1日 株式会社スポーツニッポン新聞社発行の「スポーツニッポン携帯電話で投票」に発表、平成18年6月1日 株式会社上毛新聞社発行の「上毛新聞 並ばず舟券購入」に発表、平成18年6月1日 株式会社産経新聞社発行の「サンケイスポーツ 場内移動型投票システム」に発表、平成18年6月1日 株式会社デイリースポーツ社発行の「デイリースポーツ 携帯で場内移動型投票桐生競艇が公営初導入」に発表
【出願人】(596167538)トーターエンジニアリング株式会社 (3)
【出願人】(303036382)株式会社日本シスコムリサーチ (1)
【出願人】(506154465)株式会社 オペレーションサービス (1)
【Fターム(参考)】