説明

塔状構造物の施工方法

【課題】作業用足場を少労力かつ低コストで設置して、プレキャストプレストレストコンクリート製セグメントを積重して塔状構造物を施工する施工方法を提供する。
【解決手段】外面に昇降用ステップ60を設け頂部近傍周囲に作業用足場61を着脱自在に取り付けた、通信用アンテナ塔の構造物本体を高さ方向に分割した多数のプレキャストプレストレストコンクリート製セグメントを順次積重し、その作業用足場61上でPC鋼棒を連結して順次緊張し、全高さ積重後にその作業用足場61を取り外し撤去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャストプレストレストコンクリート製セグメントを積重して塔状構造物を施工する施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、長柱状の塔状構造物として、多数のプレキャストプレストレストコンクリート製セグメントを上下に積み重ねて連結し、これら多数のセグメントにポストテンション方式によるプレストレスを導入してなる塔状構造物が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような塔状構造物を施工するに当たっては、ポストテンション用PC鋼材の連結やプレストレスの導入や積み重ねたセグメント同士の連結などといった作業を行うための作業用足場を塔状構造物の周囲に地上から構築する必要がある。
【特許文献1】特開2000−283019号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記作業用足場としては、地上から塔状構造物の最上部の高さまで構築するものが知られているが、このような作業用足場の構築には、多大な労力を要すると共に、その作業用足場に関する資材リース料の高コスト化を招くといった問題がある。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑み、作業用足場を少労力かつ低コストで設置して、プレキャストプレストレストコンクリート製セグメントを積重して塔状構造物を施工する施工方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明の塔状構造物の施工方法は、塔状構造物を高さ方向に分割した多数のプレキャストプレストレストコンクリート製セグメントで構成し、各セグメントはポストテンション用PC鋼材を内蔵するとともに、外面に昇降用ステップを設け、かつ、各セグメントの頂部近傍周囲に作業用足場を着脱自在に取り付け、そのセグメントを順次積重し、上方に連結するセグメントのPC鋼材と既に積重したセグメントのPC鋼材とを上記作業用足場上で連結して順次緊張し、全高さ積重後、その作業用足場を取り外し撤去することを特徴とする。
【0006】
本発明の塔状構造物の施工方法は、外面に昇降用ステップを設け頂部近傍周囲に作業用足場を着脱自在に取り付けたセグメントを順次積重し、その作業用足場上でPC鋼材を連結して順次緊張し、全高さ積重後にその作業用足場を取り外し撤去する施工方法であるため、地上からの大掛かりな作業用足場の構築が不要である。従って、本発明の塔状構造物の施工方法によれば、塔状構造物を少労力かつ低コストで設置することができるため、塔状構造物を少労力かつ低コストで施工することができる。
【0007】
ここで、上記本発明の塔状構造物の施工方法は、最下端のセグメントは多数本のポストテンション用PC鋼材を内蔵し、塔状構造物の高さ方向に複数段の定着部を設け、この複数段の定着部において上記ポストテンション用PC鋼材の内の一部を定着してもよく、あるいは、最下端のセグメントはm×n本のポストテンション用PC鋼材を内蔵し、塔状構造物の高さ方向一定高さごとにn段の定着部を設け、このn段の定着部において上記ポストテンション用PC鋼材の内のm本を定着してもよい。
【0008】
また、上記本発明の塔状構造物の施工方法は、上記各セグメントの下端に上記ポストテンション用PC鋼材の下端を仮受けする仮受け具を取り付けて内蔵するPC鋼材をその仮受け具で仮受けし、基礎上または下段セグメントの足場上でその仮受け具を取り外し、内蔵するPC鋼材の下端を当該セグメントの下方に突出させ、基礎または下段セグメントのPC鋼材と連結することが好ましい。
【0009】
このような好ましい形態によれば、内蔵するPC鋼材を上記仮受け具で仮受けしているため、そのPC鋼材と共にセグメントを吊下げて移動させることが容易である。また、このような好ましい形態によれば、その仮受け具を取り外し、内蔵するPC鋼材の下端を当該セグメントの下方に突出させるため、PC鋼材を連結するための余長を確保することができる。
【0010】
また、上記本発明の塔状構造物の施工方法は、上記各セグメントは分離自在な長手方向短尺部を頂部に形成し、当該セグメントを下段セグメント上に積重する時にその長手方向短尺部を取り外し、内蔵するPC鋼材の下端を当該セグメントの下方に突出させ、下段セグメントの足場上で上下PC鋼材を連結し、次いで当該セグメントを降下させ、当該セグメントの頂部に上記長手方向短尺部を取り付けることが好ましい。
【0011】
このような好ましい形態によっても、PC鋼材を連結するための余長を確保することができる。
【0012】
また、上記本発明の塔状構造物の施工方法は、上記各セグメントはPC鋼材挿入シースの頂部を大径カプラシースとしPC鋼材の頂部にカプラまたはナットを装着し、これを上記大径カプラシース内に収納して、内蔵するPC鋼材の下端を当該セグメントの下方に突出させ、下段セグメントの足場上で上下PC鋼材を連結し、次いで当該セグメントを降下させて上記PC鋼材の頂部を次のセグメントのPC鋼材と連結可能にすることも好ましい形態である。
【0013】
このような好ましい形態によっても、PC鋼材を連結するための余長を確保することができる。
【0014】
また、上記本発明の塔状構造物の施工方法において、上記多数のプレキャストプレストレストコンクリート製セグメントは、長尺PC鋼材を内蔵する長尺PC鋼材用セグメントと、PC鋼材挿入シースの頂部および底部を大径カプラシースとし短尺PC鋼材を内蔵する短尺PC鋼材用セグメントとで交互に構成し、短尺PC鋼材の頂部にカプラまたはナットを装着し、これを次に積重する上記短尺PC鋼材用セグメントの大径カプラシース内に収納して、内蔵する短尺PC鋼材の下端をその短尺PC鋼材用グメントの下方に突出させ、その短尺PC鋼材と既に積重した長尺PC鋼材用セグメントの長尺PC鋼材とをその長尺PC鋼材用セグメントの足場上で連結し、次に積重する長尺PC鋼材用セグメントに内蔵される長尺PC鋼材の頂部にカプラまたはナットを装着し、内蔵する長尺PC鋼材の下端をその長尺PC鋼材用セグメントの下方に突出させ、その長尺PC鋼材と既に積重した短尺PC鋼材用セグメントの短尺PC鋼材とをその短尺PC鋼材用セグメントの足場上で連結することも好ましい形態である。
【0015】
このような好ましい形態によっても、PC鋼材を連結するための余長を確保することができる。
【0016】
また、上記本発明の塔状構造物の施工方法は、上記長尺PC鋼材用セグメントの上面に定着部を設け、この定着部において上記PC鋼材の内の一部を定着することがさらに好ましい。
【0017】
PC鋼材挿入シースの頂部および底部を大径カプラシースとした短尺PC鋼材用セグメントの上面よりも、頂部に大径カプラシースが形成されていない上記長尺PC鋼材用セグメントの上面の方が強度が大きいため、この長尺PC鋼材用セグメントの上面に設けられた定着部では確実に定着することができる。
【0018】
また、上記本発明の塔状構造物の施工方法は、積重作業中、上に積重するセグメントを仮設材を用いて下段のセグメントに仮固定することがさらに好ましい。
【0019】
このような好ましい形態によれば、PC鋼材を緊張してセグメント同士を一体化する前であっても、上に積重するセグメントが下段のセグメントと一体化されるため、外面に設けられた昇降用ステップを使用して作業者が昇降する際の安全性が確保される。
【0020】
さらに、上記本発明の塔状構造物の施工方法は、PC鋼材定着部の支圧板に上下貫通路を設け、この貫通路を通って下方から定着部上方空間内にグラウトを充填することがさらに好ましい。
【0021】
このような好ましい形態によれば、グラウトの充填性が向上し、構造物の耐久性が向上する。
【発明の効果】
【0022】
本発明の塔状構造物の施工方法によれば、地上からの大掛かりな作業用足場の構築が不要であり、塔状構造物を少労力かつ低コストで施工することができるという優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
図1は、本発明の塔状構造物の一実施形態である通信用アンテナ塔10の実施例を示すもので、この通信用アンテナ塔10の側面図である。
【0025】
図1に示す通信用アンテナ塔10は、プレキャストプレストレストコンクリート構造の中空長柱状の塔状構造物であって、構造物本体19の基底部はフーチング20に固定され、構造物本体19の頂部に通信用アンテナ(図示せず)を備えている。また、構造物本体19の下部側面には根巻き部112が形成されている。
【0026】
この構造物本体19は超高強度繊維補強モルタルからなるものである。この超高強度繊維補強モルタルは、セメント、ポゾラン質微粉末、粒径5mm以下の細骨材、鋼繊維や有機繊維等の短繊維補強材、減水剤を含むものであって、圧縮強度が100N/mm以上(好ましくは150N/mm以上)180N/mm以下である。このような超高強度繊維補強モルタルは、圧縮強度40N/mm以上50N/mm以下程度の普通コンクリートに比して圧縮強度が著しく高いため、通信用アンテナ塔10に作用する高い圧縮応力度に超高強度繊維補強モルタル自体が抵抗することとなり、従来の鋼製の塔状構造物と同等の外形寸法で設計、構築することができる。
【0027】
図1に示すように、この通信用アンテナ塔10は、構造物本体19を高さ方向に8分割したプレキャストプレストレストコンクリート製セグメントから構成されている。この通信用アンテナ塔10は、第1〜第8セグメント11,12,13,14,15,16,17,18を長手方向に順次積重し連結してなるものである。
【0028】
また、これら8つのセグメント11,12,13,14,15,16,17,18の内の、第2セグメント12は、頂部の第2長手方向短尺部121とこの第2長手方向短尺部121を除いた部分である第2長手方向長尺部122とから構成されており、頂部の第2長手方向短尺部121が分離自在に形成されている。また、第4セグメント14も、第2セグメント12と同様に、第4長手方向短尺部141と第4長手方向長尺部142とから構成されている。また、第6セグメント16も、第2セグメント12と同様に、第6長手方向短尺部161と第6長手方向長尺部162とから構成されている。さらに、第8セグメント18も、第2セグメント12と同様に、第8長手方向短尺部181と第8長手方向長尺部182とから構成されている。
【0029】
図2〜図19は、図1に示す通信用アンテナ塔10の内部構造を示す説明図で、それぞれ、図1に示す通信用アンテナ塔10のA−A、B−B、C−C、D−D、E−E、F−F、G−G、H−H、I−I、J−J、K−K、L−L、M−M、N−N、O−O、P−P、Q−Q、及びR−R矢視図である。
【0030】
図2〜図19に示すように、この通信用アンテナ塔10を構成する8つのセグメント11,12,13,14,15,16,17,18はそれぞれ中空筒状である。また、8つのセグメント11,12,13,14,15,16,17,18の躯体内には、それぞれ、上下方向にシースが埋設されている。
【0031】
また、図2,図3,図4に示すように、第1セグメント11には、16本のシース31内それぞれに挿通された16本のPC鋼棒42が内蔵されている。また、図2に示すように、第1セグメント11の下部側面には根巻き部112が形成されている。
【0032】
また、図5に示すように、第2セグメント12にも、16本のシース32内それぞれに挿通され、第1セグメント11に内蔵されたPC鋼棒42と連結された、16本のPC鋼棒43が内蔵されている。
【0033】
また、図6に示すように、第2セグメント12の上面12aには4つの第1定着部12bが設けられている。この第1定着部12bで16本のPC鋼棒43の内の4本がそれぞれ緊張定着されている。
【0034】
また、図7,図8に示すように、第3セグメント13には、12本のシース33内それぞれに挿通され、第2セグメント12に内蔵されたPC鋼棒43の内の第1定着部12bで定着されていないPC鋼棒43と連結された、12本のPC鋼棒44が内蔵されている。
【0035】
また、図9に示すように、第4セグメント14にも、12本のシース34内それぞれに挿通され、第3セグメント13に内蔵されたPC鋼棒44と連結された、12本のPC鋼棒45が内蔵されている。
【0036】
また、図10に示すように、第4セグメント14の上面14aには4つの第2定着部14bが設けられている。この第2定着部14bで12本のPC鋼棒45の内の4本がそれぞれ緊張定着されている。
【0037】
また、図11,図12に示すように、第5セグメント15には、8本のシース35内それぞれに挿通され、第4セグメント14に内蔵されたPC鋼棒45の内の第2定着部14bで定着されていないPC鋼棒45と連結された、8本のPC鋼棒46が内蔵されている。
【0038】
また、図13に示すように、第6セグメント16にも、8本のシース36内それぞれに挿通され、第5セグメント15に内蔵されたPC鋼棒46と連結された、8本のPC鋼棒47が内蔵されている。
【0039】
また、図14に示すように、第6セグメント16の上面16aには4つの第3定着部16bが設けられている。この第3定着部16bで8本のPC鋼棒47の内の4本がそれぞれ緊張定着されている。
【0040】
また、図15,図16に示すように、第7セグメント17には、4本のシース37内にそれぞれ挿通され、第6セグメント16に内蔵されたPC鋼棒47の内の第3定着部16bで定着されていないPC鋼棒47と連結された、4本のPC鋼棒48が内蔵されている。
【0041】
また、図17に示すように、第8セグメント18にも、4本のシース38内にそれぞれ挿通され、第7セグメント17に内蔵されたPC鋼棒48と連結された、4本のPC鋼棒49が内蔵されている。
【0042】
また、図18に示すように、第8セグメント18の第8長手方向長尺部182の上面18aには4つの第4定着部18bが設けられている。この第4定着部18bで4本のPC鋼棒49がそれぞれ緊張定着されている。
【0043】
以下、通信用アンテナ塔10の設計計算例を示す。ここでは、構造物本体19に、圧縮強度が150N/mm(設計基準強度120N/mm)の超高強度繊維補強モルタルを使用し、従来の鋼製の塔状構造物と同程度の外形寸法を有する通信用アンテナ塔10の設計を行った。
【0044】
設計条件
1)柱高
H=40.000m
2)柱径
頂部:D1=0.500m
基部:D2=1.167m
3)構造形式
プレストレストコンクリート構造(超高強度繊維補強モルタル使用)
4)使用材料
超高強度繊維補強モルタルの強度性状を表1に示す。表1に示すように、この超高強度繊維補強モルタルは、圧縮強度150N/mm、曲げ強度20N/mm、引張強度8N/mmの超高強度繊維補強モルタルである。また、この超高強度繊維補強モルタルの設計用値は表2に示すの通りである。
【0045】
【表1】

【0046】
【表2】

【0047】
以下、本発明の塔状構造物の施工方法の一実施形態である通信用アンテナ塔10の施工方法を説明する。
【0048】
図20は、通信用アンテナ塔10の施工方法における第1の工程を示す説明図であり、図21は、図20に示すS部の内部構造拡大図である。
【0049】
通信用アンテナ塔10を施工すべき地盤上にフーチング20を構築する。このフーチング20を構築するにあたっては、通信用アンテナ塔10の構造物本体19(図1参照)を高さ方向に8分割したプレキャストプレストレストコンクリート製セグメントの内の最下端のセグメントである第1セグメント11の16本のシース31内それぞれに挿通するPC鋼棒42と連結される16本のPC鋼棒41の上端をフーチング20の上方に突出させて配置する。
【0050】
構築したフーチング20上の通信用アンテナ塔据付位置の周囲に、第1セグメント11と同程度の高さを有する枠組足場51を構築する。次に、上下方向に埋設された16本のシース31を有する第1セグメント11の各シース31内に地上でPC鋼棒42を1本ずつ挿通すると共に下部側面に地上で仮受けブラケット111を取り付ける。仮受けブラケット111が取り付けられた第1セグメント11を、各シース31内に1本ずつ挿通した16本のPC鋼棒42と共にクレーン52を用いて吊下げてその据付位置に降下する。第1セグメント11を降下するにあたっては、下部側面に取り付けられた仮受けブラケット111の降下位置に、第1セグメント11のシース31内に挿通したPC鋼棒42とフーチング20に配置されたPC鋼棒41とを連結する空間を確保するための鋼製サンドル531を設置しておき、この鋼製サンドル531上に仮受けブラケット111を載置させることによって、第1セグメント11を仮据えする。
【0051】
ここで、図21に示すように、第1セグメント11は、シース31の頂部が大径カプラシース31aとされており、PC鋼棒42の頂部42aにカプラ421を装着し、これを大径カプラシース31a内に収納して、内蔵するPC鋼棒42の下端を第1セグメント11の下方に突出させる。
【0052】
次に、第1セグメント11の下方に突出させたPC鋼棒42と、フーチング20の上方に突出させて配置されたPC鋼棒41とを、カプラ411を用いて連結する。
【0053】
尚、第1セグメント11の外面には、昇降用ステップ60が設けられている。また、この昇降用ステップ60と同様の昇降用ステップ60が、第2セグメント12、第3セグメント13、第4セグメント14、第5セグメント15、第6セグメント16、第7セグメント17、および第8セグメント18それぞれの外面にも設けられている。
【0054】
図22は、通信用アンテナ塔10の施工方法における第2の工程を示す説明図である。
【0055】
第1セグメント11をジャッキ54でジャッキアップして鋼製サンドル531(図20参照)を取り外し、第1セグメント11の荷重を受ける荷重受け部材532を設置する。仮受けブラケット111で第1セグメント11の荷重を受けた状態で、ジャッキ54で第1セグメント11の鉛直度を調整しながら第1セグメント11を据付位置にジャッキダウンさせて仮据えする。仮据えは、仮受けブラケット111を荷重受け部材532上に載置させ、第1セグメント11とフーチング20との間に無収縮モルタル70を流し込むために、第1セグメント11をフーチング20の上面20aから20mm程度浮かせた状態にする。次に、フーチング20の上面20aと仮据えした第1セグメント11との間に、無収縮モルタル70を打設する。
【0056】
第1セグメント11を据付位置にジャッキダウンすることによって、第1セグメント11に内蔵された16本のPC鋼棒42の頂部42aが第1セグメント11の上方に突出され、次の第2セグメント12のPC鋼棒43(図23参照)と連結可能にされる。
【0057】
図23は、通信用アンテナ塔10の施工方法における第3の工程を示す説明図であり、図24は、図23に示すT部の拡大図である。
【0058】
上下方向に埋設された16本のシース32を有する第2セグメント12を、第2長手方向短尺部121(図25参照)と第2長手方向長尺部122に地上で分割し、分割した第2セグメント12の内の第2長手方向長尺部122の16本のシース32内に地上でPC鋼棒43を1本ずつ挿通すると共にその第2長手方向長尺部122の頂部近傍周囲に作業用足場61を着脱自在に地上で取り付ける。作業用足場61が取り付けられた第2長手方向長尺部122を、各シース32内に1本ずつ挿通した16本のPC鋼棒43と共にクレーン52を用いて吊下げて、挿通した16本のPC鋼棒43の下端を第2長手方向長尺部122の下方に突出させ、既設第1セグメント11の上方に降下する。第2長手方向長尺部122を降下するにあたっては、既設第1セグメント11の上面11aに、第2長手方向長尺部122の下方に突出させたPC鋼棒43と既設第1セグメント11の上方に突出させたPC鋼棒42とを連結する空間を確保するための挟まれ防止材81を設置しておき、この挟まれ防止材81上に第2長手方向長尺部122を降下する。
【0059】
次に、第2長手方向長尺部122の下方に突出させたPC鋼棒43と、既設第1セグメント11の上方に突出させたPC鋼棒42とを、このPC鋼棒42の頂部42aに装着されたカプラ421を用いて、枠組足場51上で連結する。
【0060】
次に、既設第1セグメント11の上面11aに接着剤71を塗布し、挟まれ防止材81を取り外し、第2長手方向長尺部122を更に降下させて既設第1セグメント11上に積重する。
【0061】
図25は、通信用アンテナ塔10の施工方法における第4の工程を示す説明図である。
【0062】
第2長手方向長尺部122を既設第1セグメント11上に積重することによって、PC鋼棒43の頂部43aが第2長手方向長尺部122の上方に突出される。
【0063】
次に、第2長手方向長尺部122を仮設材82を用いて既設第1セグメント11に仮固定する。
【0064】
このような仮設材82を用いて仮固定すれば、PC鋼棒を緊張してセグメント同士を一体化する前であっても、上に積重するセグメントが下段のセグメントと一体化されるため、外面に設けられた昇降用ステップ60を使用して作業者が昇降する際の安全性が確保される。
【0065】
次に、既設第1セグメント11および既設第2長手方向長尺部122に設けられている昇降用ステップ60を使用して作業者が昇降し、第2長手方向長尺部122の頂部近傍周囲に取り付けられた作業用足場61に手摺62を設置する。
【0066】
また、既設第2長手方向長尺部122の上面122aに接着剤71を塗布し、第2長手方向短尺部121をクレーン52を用いて吊下げて、既設第2長手方向長尺部122の各シース32内に1本ずつ挿通されて既設第2長手方向長尺部122の上方に突出された16本のPC鋼棒43の1本1本を第2長手方向短尺部121の16本のシース32内それぞれに挿通させながら降下させ、既設第2長手方向長尺部122上に積重する。
【0067】
既設第2長手方向長尺部122上に第2長手方向短尺部121を積重してなるものが第2セグメント12であって、この第2セグメント12に16本のPC鋼棒43が内蔵されることとなる。また、これら16本のPC鋼棒43の頂部43aが第2セグメント12の上方に突出される。
【0068】
図26は、通信用アンテナ塔10の施工方法における第5の工程を示す説明図である。
【0069】
既設第2セグメント12に内蔵された16本のPC鋼棒43の内の4本のPC鋼棒43に支圧板91およびナット92を取り付け、これら4本のPC鋼棒43を、既設第2セグメント12の上面12aに設けられた4つの第1定着部12b(図6参照)で緊張ジャッキ55を用いて均等に緊張して定着する。尚、この支圧板91に関する詳細な説明は後述する。
【0070】
次に、第2長手方向長尺部122を既設第1セグメント11に仮固定するために取り付けられている仮設材82を取り外して撤去する。
【0071】
また、既設第1セグメント11とフーチング20との間に打設した無収縮モルタル70が硬化し所定の設計強度に達した後に仮受けブラケット111(図22参照)、荷重受け部材532(図22参照)、およびジャッキ54(図22参照)を取り外して撤去する。
【0072】
次に、既設第1セグメント11の下部側面に無収縮モルタル70を打設して根巻き部112を形成する。
【0073】
図27は、通信用アンテナ塔10の施工方法における第6の工程を示す説明図である。
【0074】
上下方向に埋設された12本のシース33を有する第3セグメント13の各シース33内に地上でPC鋼棒44を1本ずつ挿通すると共にその第3セグメント13の頂部近傍周囲に作業用足場61を着脱自在に地上で取り付ける。作業用足場61が取り付けられた第3セグメント13を、各シース33内に1本ずつ挿通した12本のPC鋼棒44と共にクレーン52を用いて吊下げて既設第2セグメント12の上方に降下する。
【0075】
ここで、第3セグメント13は、図21を参照して説明した第1セグメント11と同様に、シース33の頂部が大径カプラシース33aとされており、PC鋼棒44の頂部44aにカプラを装着し、これを大径カプラシース33a内に収納して、内蔵するPC鋼棒44の下端を第3セグメント13の下方に突出させる。
【0076】
第3セグメント13を降下するにあたっては、既設第2セグメント12の上面12aに、第3セグメント13の下方に突出させたPC鋼棒44と既設第2セグメント12の上方に突出させたPC鋼棒43とを連結する空間を確保するための挟まれ防止材81を設置しておき、この挟まれ防止材81上に第3セグメント13を降下する。
【0077】
次に、第3セグメント13の下方に突出させたPC鋼棒44と、既設第2セグメント12の上方に突出させたPC鋼棒43の内の第1定着部12bで定着されていないPC鋼棒43とを、カプラ431を用いて、作業用足場61上で連結する。
【0078】
次に、既設第2セグメント12の上面12aに接着剤71を塗布し、挟まれ防止材81を取り外し、第3セグメント13を更に降下させて既設第2セグメント12上に積重する。
【0079】
図28は、通信用アンテナ塔10の施工方法における第7の工程を示す説明図である。
【0080】
第3セグメント13を既設第2セグメント12上に積重することによって、第3セグメント13に内蔵された12本のPC鋼棒44の頂部44aが第3セグメント13の上方に突出され、次の第4セグメント14のPC鋼棒45と連結可能にされる。
【0081】
次に、第3セグメント13を仮設材82を用いて既設第2セグメント12に仮固定する。
【0082】
次に、既設第1セグメント11、既設第2セグメント12、および既設第3セグメント13に設けられている昇降用ステップ60を使用して作業者が昇降し、第3セグメント13の頂部近傍周囲に取り付けられた作業用足場61に手摺62を設置する。
【0083】
ここで、図29〜図31を参照して、定着部におけるグラウトの充填について説明する。
【0084】
図29は、図28に示すU部の内部構造拡大図である。また、図30は、図29に示す支圧板91の平面図であり、図31は、図29に示す支圧板91の縦断面図である。
【0085】
図29に示すように、既設第2セグメント12の内の第2長手方向短尺部121における、16本のシース32の内の、第1定着部12bに通じる4つのシース32それぞれの下部に、グラウト充填口32aが設けられている。また、既設第3セグメント13における、第1定着部12bの上方には、グラウト排出口321aを有する定着部上方空間321が設けられている。
【0086】
また、図30,図31に示すように、支圧板91には上下貫通路91aが設けられている。
【0087】
グラウト充填口32aからシース32内にグラウトを充填すると共に、このグラウトを、支圧板91の上下貫通路91aを通って下方から定着部上方空間321内にも充填し、グラウト排出口321aから排出させる。これにより、シース32内および定着部上方空間321内に確実にグラウトが充填され、構造物の耐久性が向上する。
【0088】
図28に戻って、第7の工程の説明を続ける。
【0089】
上下方向に埋設された12本のシース34を有する第4セグメント14を、第4長手方向短尺部141(図32参照)と第4長手方向長尺部142に地上で分割し、分割した第4セグメント14の内の第4長手方向長尺部142の12本のシース34内に地上でPC鋼棒45を1本ずつ挿通すると共にその第4長手方向長尺部142の頂部近傍周囲に作業用足場61を着脱自在に地上で取り付ける。作業用足場61が取り付けられた第4長手方向長尺部142を、各シース34内に1本ずつ挿通した12本のPC鋼棒45と共にクレーン52を用いて吊下げて、挿通した12本のPC鋼棒45の下端を第4長手方向長尺部142の下方に突出させ、既設第3セグメント13の上方に降下する。第4長手方向長尺部142を降下するにあたっては、既設第3セグメント13の上面13aに、第4長手方向長尺部142の下方に突出させたPC鋼棒45と既設第3セグメント13の上方に突出させたPC鋼棒44とを連結する空間を確保するための挟まれ防止材81を設置しておき、この挟まれ防止材81上に第4長手方向長尺部142を降下する。
【0090】
次に、第4長手方向長尺部142の下方に突出させたPC鋼棒45と、既設第3セグメント13の上方に突出させたPC鋼棒44とを、このPC鋼棒44の頂部44aに装着されたカプラ441を用いて、作業用足場61上で連結する。
【0091】
次に、既設第3セグメント13の上面13aに接着剤71を塗布し、挟まれ防止材81を取り外し、第4長手方向長尺部142を更に降下させて既設第3セグメント13上に積重する。
【0092】
図32は、通信用アンテナ塔10の施工方法における第8の工程を示す説明図である。
【0093】
第4長手方向長尺部142を既設第3セグメント13上に積重することによって、PC鋼棒45の頂部45aが第4長手方向長尺部142の上方に突出される。
【0094】
次に、第4長手方向長尺部142を仮設材82を用いて既設第3セグメント13に仮固定する。
【0095】
次に、既設第1セグメント11、既設第2セグメント12、既設第3セグメント13および既設第4長手方向長尺部142に設けられている昇降用ステップ60を使用して作業者が昇降し、第4長手方向長尺部142の頂部近傍周囲に取り付けられた作業用足場61に手摺62を設置する。
【0096】
また、既設第4長手方向長尺部142の上面142aに接着剤71を塗布し、第4長手方向短尺部141をクレーン52を用いて吊下げて、既設第4長手方向長尺部142の各シース34内に1本ずつ挿通されて既設第4長手方向長尺部142の上方に突出された12本のPC鋼棒45の1本1本を第4長手方向短尺部141の12本のシース34内それぞれに挿通させながら降下させ、既設第4長手方向長尺部142上に積重する。
【0097】
既設第4長手方向長尺部142上に第4長手方向短尺部141を積重してなるものが第4セグメント14であって、この第4セグメント14に12本のPC鋼棒45が内蔵されることとなる。また、これら12本のPC鋼棒45の頂部45aが第4セグメント14の上方に突出される。
【0098】
以下、図26を参照して説明した第5の工程と同様の作業、図27を参照して説明した第6の工程と同様の作業、図28を参照して説明した第7の工程と同様の作業、および図32を参照して説明した第8の工程と同様の作業を繰り返して、通信用アンテナ塔10を施工する。
【0099】
図33は、施工された通信用アンテナ塔10の全体側面図である。
【0100】
図33に示す枠組足場51、作業用足場61、および手摺62を取り外して撤去することによって、図1にも示す通信用アンテナ塔10の施工が完了する。
【0101】
以上説明したように、本実施形態の塔状構造物の施工方法によれば、地上からの大掛かりな作業用足場の構築が不要であり、塔状構造物を少労力かつ低コストで施工することができるという優れた効果を奏する。
【0102】
次に、本発明の塔状構造物の施工方法の別の実施形態を説明する。尚、以下説明するプレキャストプレストレストコンクリート製セグメントは、上述した実施形態における各セグメントに適用することができるが、ここでは、第1セグメント11に適用した例を挙げて説明する。
【0103】
尚、以下説明する別の実施形態は、上述した第1セグメント11の構成とほぼ同じ構成を有するため、上述した第1セグメント11との相違点に注目し、同じ要素については同じ符号を付して説明を省略する。
【0104】
図34は、別の実施形態における第1セグメント11の縦断面図である。
【0105】
図34に示すように、第1セグメント11の下端にPC鋼棒42の下端を仮受けするPC鋼棒仮受け金具113を地上で取り付ける。次に、第1セグメント11の各シース31内に地上でPC鋼棒42を1本ずつ挿通し、挿通したPC鋼棒42をPC鋼棒仮受け金具113で仮受けする。尚、図34に示す第1セグメント11は、シース31の底部が大径カプラシース31bとされている。
【0106】
このようにしてPC鋼棒42を内蔵した第1セグメント11を、クレーン(図20参照)を用いて吊下げて、据付位置であるフーチング20(図20参照)上に降下する。次に、フーチング20(図20参照)上でPC鋼棒仮受け金具113を取り外し、内蔵するPC鋼棒42の下端を第1セグメント11の下方に突出させる。次に、第1セグメント11の下方に突出させたPC鋼棒42と、フーチング20(図20参照)の上方に突出させて配置されたPC鋼棒41(図20参照)とを、カプラ411(図20参照)を用いて連結する。
【0107】
尚、この別の実施形態を、第1セグメント11を除く他のセグメントに適用した場合には、下段セグメントの作業用足場上でPC鋼棒仮受け金具を取り外し、内蔵するPC鋼棒の下端を当該セグメントの下方に突出させ、下段セグメントのPC鋼棒と連結する。
【0108】
以上説明した別の実施形態によれば、内蔵するPC鋼棒42をPC鋼棒仮受け金具113で仮受けしているため、そのPC鋼棒42と共に第1セグメント11を吊下げて移動させることが容易である。また、この別の実施形態によれば、そのPC鋼棒仮受け金具113を取り外し、内蔵するPC鋼棒42の下端を第1セグメント11の下方に突出させるため、PC鋼棒42を連結するための余長が確保される。
【0109】
次に、本発明の塔状構造物の施工方法のさらに別の実施形態を説明する。尚、以下説明するプレキャストプレストレストコンクリート製セグメントは、上述した実施形態における各セグメントに適用することができるが、ここでは、第2セグメント12、第3セグメント13、および第4セグメント14に適用した例を挙げて説明する。
【0110】
尚、以下説明するさらに別の実施形態では、上述した第2セグメント12、第3セグメント13、および第4セグメント14との相違点に注目し、同じ要素については同じ符号を付して説明を省略する。
【0111】
図35は、さらに別の実施形態における第3セグメント13の縦断面図である。
【0112】
図35に示す第3セグメント13は、シース33の頂部が大径カプラシース33aとされ、シース33の底部も大径カプラシース33bとされた、短尺PC鋼棒404を内蔵する短尺PC鋼棒用セグメントである。
【0113】
短尺PC鋼棒404の頂部にカプラ441を装着し、これを大径カプラシース33a内に地上で収納して、内蔵した短尺PC鋼棒404の下端を第3セグメント13の下方に突出させる。従って、PC鋼棒を連結するための余長が確保される。
【0114】
図36は、さらに別の実施形態における第4セグメント14の縦断面図である。
【0115】
図36に示す第4セグメント14は、長尺PC鋼棒405を内蔵する長尺PC鋼棒用セグメントである。
【0116】
第4セグメント14に内蔵される長尺PC鋼棒405の頂部にカプラ451を装着し、この長尺PC鋼棒405を第4セグメント14の各シース34内に地上で挿通し、内蔵した長尺PC鋼棒405の下端を第4セグメント14の下方に突出させる。従って、PC鋼棒を連結するための余長が確保される。
【0117】
図37は、第2セグメント12上に第3セグメント13を積重し、第3セグメント13上に第4セグメント14を積重した状態の縦断面図である。
【0118】
尚、図37に示す第2セグメント12は、図36に示す第4セグメント14と同様に構成された長尺PC鋼棒用セグメントであって、長尺PC鋼棒403が内蔵されている。
【0119】
第3セグメント13に内蔵する短尺PC鋼棒404と、既に積重した第2セグメント12の長尺PC鋼棒403とをその第2セグメント12の作業用足場61上で連結する。
【0120】
第4セグメント14に内蔵する長尺PC鋼棒405と既に積重した第3セグメント13の短尺PC鋼棒404とをその第3セグメント13の作業用足場61上で連結する。
【0121】
尚、長尺PC鋼棒用セグメントである第2セグメント12や第4セグメント14の上面には定着部が設けられており、この定着部において上記PC鋼棒の内の一部を定着する。
【0122】
シースの頂部および底部を大径カプラシースとした短尺PC鋼棒用セグメントの上面よりも、頂部に大径カプラシースが形成されていない長尺PC鋼棒用セグメントの上面の方が強度が大きいため、この長尺PC鋼棒用セグメントの上面に設けられた定着部では確実に定着することができる。
【0123】
以下、短尺PC鋼棒用セグメントと長尺PC鋼棒用セグメントとを交互に積重して通信用アンテナ塔10を施工する。
【0124】
尚、上述した各実施形態では、塔状構造物が通信用アンテナ塔である例を挙げて説明したが、塔状構造物はこれに限られるものではなく、プレキャストプレストレストコンクリート製セグメントを積重して施工する塔状構造物に適用される。
【0125】
また、上述した各実施形態では、塔状構造物が中空構造である例を挙げて説明したが、塔状構造物はこれに限られるものではなく、例えば、中実構造の塔状構造物であってもよく、あるいは、中空構造と中実構造とを組み合わせた塔状構造物であってもよい。
【0126】
また、上述した各実施形態では、最下端のセグメントに16本のポストテンション用PC鋼棒を内蔵させておき、塔状構造物の高さ方向一定高さごとに4段に設けた定着部でそのポストテンション用PC鋼棒の内の4本を定着する例を挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、最下端のセグメントに多数本のポストテンション用PC鋼材を内蔵させておき、塔状構造物の高さ方向に複数段に設けた定着部でそのポストテンション用PC鋼材の内の一部を定着することとしてもよく、あるいは、最下端のセグメントにm×n本のポストテンション用PC鋼材を内蔵させておき、塔状構造物の高さ方向一定高さごとにn段に設けた定着部でそのポストテンション用PC鋼材の内のm本を定着することとしてもよい。
【0127】
また、上述した各実施形態では、上下PC鋼棒の連結にカプラを用いる例を挙げて説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、ナット用いて上下PC鋼材を連結してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】塔状構造物の一実施形態である通信用アンテナ塔の実施例を示すもので、この通信用アンテナ塔の側面図である。
【図2】図1に示す通信用アンテナ塔のA−A矢視図である。
【図3】図1に示す通信用アンテナ塔のB−B矢視図である。
【図4】図1に示す通信用アンテナ塔のC−C矢視図である。
【図5】図1に示す通信用アンテナ塔のD−D矢視図である。
【図6】図1に示す通信用アンテナ塔のE−E矢視図である。
【図7】図1に示す通信用アンテナ塔のF−F矢視図である。
【図8】図1に示す通信用アンテナ塔のG−G矢視図である。
【図9】図1に示す通信用アンテナ塔のH−H矢視図である。
【図10】図1に示す通信用アンテナ塔のI−I矢視図である。
【図11】図1に示す通信用アンテナ塔のJ−J矢視図である。
【図12】図1に示す通信用アンテナ塔のK−K矢視図である。
【図13】図1に示す通信用アンテナ塔のL−L矢視図である。
【図14】図1に示す通信用アンテナ塔のM−M矢視図である。
【図15】図1に示す通信用アンテナ塔のN−N矢視図である。
【図16】図1に示す通信用アンテナ塔のO−O矢視図である。
【図17】図1に示す通信用アンテナ塔のP−P矢視図である。
【図18】図1に示す通信用アンテナ塔のQ−Q矢視図である。
【図19】図1に示す通信用アンテナ塔のR−R矢視図である。
【図20】通信用アンテナ塔の施工方法における第1の工程を示す説明図である。
【図21】図20に示すS部の内部構造拡大図である。
【図22】通信用アンテナ塔の施工方法における第2の工程を示す説明図である。
【図23】通信用アンテナ塔の施工方法における第3の工程を示す説明図である。
【図24】図23に示すT部の拡大図である。
【図25】通信用アンテナ塔の施工方法における第4の工程を示す説明図である。
【図26】通信用アンテナ塔の施工方法における第5の工程を示す説明図である。
【図27】通信用アンテナ塔の施工方法における第6の工程を示す説明図である。
【図28】通信用アンテナ塔の施工方法における第7の工程を示す説明図である。
【図29】図28に示すU部の内部構造拡大図である。
【図30】図29に示す支圧板の平面図である。
【図31】図29に示す支圧板の縦断面図である。
【図32】通信用アンテナ塔の施工方法における第8の工程を示す説明図である。
【図33】施工された通信用アンテナ塔の全体側面図である。
【図34】別の実施形態における第1セグメントの縦断面図である。
【図35】さらに別の実施形態における第3セグメントの縦断面図である。
【図36】さらに別の実施形態における第4セグメントの縦断面図である。
【図37】第2セグメント上に第3セグメントを積重し、第3セグメント上に第4セグメントを積重した状態の縦断面図である。
【符号の説明】
【0129】
10 通信用アンテナ塔
11 第1セグメント
11a,12a,122a,13a,14a,16a,18a,20a 上面
111 仮受けブラケット
112 根巻き部
113 PC鋼棒仮受け金具
12 第2セグメント
12b 第1定着部
121 第2長手方向短尺部
122 第2長手方向長尺部
13 第3セグメント
14 第4セグメント
14b 第2定着部
141 第4長手方向短尺部
142 第4長手方向長尺部
15 第5セグメント
16 第6セグメント
16b 第3定着部
161 第6長手方向短尺部
162 第6長手方向長尺部
17 第7セグメント
18 第8セグメント
18b 第4定着部
181 第8長手方向短尺部
182 第8長手方向長尺部
19 構造物本体
20 フーチング
31,32,33,34,35,36,37,38 シース
31a,31b,33a,33b 大径カプラシース
32a グラウト充填口
321 定着部上方空間
321a グラウト排出口
41,42,43,44,45,46,47,48,49 PC鋼棒
404 短尺PC鋼棒
403,405 長尺PC鋼棒
42a,43a,44a 頂部
411,421,431,441,451 カプラ
51 枠組足場
52 クレーン
531 鋼製サンドル
532 荷重受け部材
54 ジャッキ
55 緊張ジャッキ
60 昇降用ステップ
61 作業用足場
62 手摺
70 無収縮モルタル
71 接着剤
81 挟まれ防止材
82 仮設材
91 支圧板
91a 上下貫通路
92 ナット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塔状構造物を高さ方向に分割した多数のプレキャストプレストレストコンクリート製セグメントで構成し、各セグメントはポストテンション用PC鋼材を内蔵するとともに、外面に昇降用ステップを設け、かつ、各セグメントの頂部近傍周囲に作業用足場を着脱自在に取り付け、該セグメントを順次積重し、上方に連結するセグメントのPC鋼材と既に積重したセグメントのPC鋼材とを前記作業用足場上で連結して順次緊張し、全高さ積重後、該作業用足場を取り外し撤去することを特徴とする塔状構造物の施工方法。
【請求項2】
最下端のセグメントは多数本のポストテンション用PC鋼材を内蔵し、塔状構造物の高さ方向に複数段の定着部を設け、該複数段の定着部において前記ポストテンション用PC鋼材の内の一部を定着することを特徴とする請求項1記載の塔状構造物の施工方法。
【請求項3】
最下端のセグメントはm×n本のポストテンション用PC鋼材を内蔵し、塔状構造物の高さ方向一定高さごとにn段の定着部を設け、該n段の定着部において前記ポストテンション用PC鋼材の内のm本を定着することを特徴とする請求項1記載の塔状構造物の施工方法。
【請求項4】
前記各セグメントの下端に前記ポストテンション用PC鋼材の下端を仮受けする仮受け具を取り付けて内蔵するPC鋼材を該仮受け具で仮受けし、基礎上または下段セグメントの足場上で該仮受け具を取り外し、内蔵するPC鋼材の下端を当該セグメントの下方に突出させ、基礎または下段セグメントのPC鋼材と連結することを特徴とする請求項1記載の塔状構造物の施工方法。
【請求項5】
前記各セグメントは分離自在な長手方向短尺部を頂部に形成し、当該セグメントを下段セグメント上に積重する時に該長手方向短尺部を取り外し、内蔵するPC鋼材の下端を当該セグメントの下方に突出させ、下段セグメントの足場上で上下PC鋼材を連結し、次いで当該セグメントを降下させ、当該セグメントの頂部に前記長手方向短尺部を取り付けることを特徴とする請求項1記載の塔状構造物の施工方法。
【請求項6】
前記各セグメントはPC鋼材挿入シースの頂部を大径カプラシースとしPC鋼材の頂部にカプラまたはナットを装着し、これを前記大径カプラシース内に収納して、内蔵するPC鋼材の下端を当該セグメントの下方に突出させ、下段セグメントの足場上で上下PC鋼材を連結し、次いで当該セグメントを降下させて前記PC鋼材の頂部を次のセグメントのPC鋼材と連結可能にすることを特徴とする請求項1記載の塔状構造物の施工方法。
【請求項7】
前記多数のプレキャストプレストレストコンクリート製セグメントは、長尺PC鋼材を内蔵する長尺PC鋼材用セグメントと、PC鋼材挿入シースの頂部および底部を大径カプラシースとし短尺PC鋼材を内蔵する短尺PC鋼材用セグメントとで交互に構成し、短尺PC鋼材の頂部にカプラまたはナットを装着し、これを次に積重する前記短尺PC鋼材用セグメントの大径カプラシース内に収納して、内蔵する短尺PC鋼材の下端を該短尺PC鋼材用グメントの下方に突出させ、該短尺PC鋼材と既に積重した長尺PC鋼材用セグメントの長尺PC鋼材とを該長尺PC鋼材用セグメントの足場上で連結し、次に積重する長尺PC鋼材用セグメントに内蔵される長尺PC鋼材の頂部にカプラまたはナットを装着し、内蔵する長尺PC鋼材の下端を該長尺PC鋼材用セグメントの下方に突出させ、該長尺PC鋼材と既に積重した短尺PC鋼材用セグメントの短尺PC鋼材とを該短尺PC鋼材用セグメントの足場上で連結することを特徴とする請求項1記載の塔状構造物の施工方法。
【請求項8】
前記長尺PC鋼材用セグメントの上面に定着部を設け、該定着部において前記PC鋼材の内の一部を定着することを特徴とする請求項7記載の塔状構造物の施工方法。
【請求項9】
積重作業中、上に積重するセグメントを仮設材を用いて下段のセグメントに仮固定することを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の塔状構造物の施工方法。
【請求項10】
PC鋼材定着部の支圧板に上下貫通路を設け、該貫通路を通って下方から定着部上方空間内にグラウトを充填することを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の塔状構造物の施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2008−127766(P2008−127766A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310610(P2006−310610)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(000112196)株式会社ピーエス三菱 (181)