説明

塗工方法、及び塗液用ローラ

【課題】塗工の際の端高の防止を図り、マスクテープの耐久性を向上させること。
【解決手段】
塗液用ローラ1を用いて、ウェブ状の金属箔5に塗液材料6を塗工する塗工方法において、塗液用ローラ1は、塗工が行われる塗工部の両側にローラ溝部11が形成されていること、ローラ溝部11の位置に、マスクテープ2が張架されていて、マスクテープ2の一部が、塗液用ローラ1の外周面12から突出させることで塗工の際の端高の防止を図り、マスクテープの耐久性を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗液用ローラを用いて、ウェブ状の金属箔に塗液材料を塗工する塗工方法、及び塗液用ローラに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、リチウム電池の製造において、厚さ10μm程度のウェブ状の金属箔の表面に塗液材料を塗工することが行われている。この場合に、直径20mm〜60mmのグラビアローラ(ウェブ搬送の逆回転)と、掻き落しブレードを用いて塗工を行うと、必要な箇所に必要とされる塗液材料を正確に塗工できることが知られている。
しかし、グラビアローラは、製造コストが高いため、リチウム電池の製造コストが高くなる問題があった。
その問題を解決するために、例えば、外周面に螺旋状の溝であるポケットが形成された直径6mm〜20mmのロッドコーター(ウェブ搬送の正転、ブレード無し)を用いる試みがなされている。
ここで、ロッドコーターを用いる場合には、使用する回転領域が高回転領域となるため、塗工材料が飛び散りやすく、塗工が行われる塗工部以外にも、塗工材料が付着する問題があった。その問題を解決するために、特許文献1の塗液用ローラでは、塗工部以外の箇所に対応して、マスクするためのシート基材であるマスクテープを張架している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−15824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術には、次のような問題があった。
例えば、塗工を接着剤層の塗工と、活性剤層の塗工との2回に分けて行う場合に、接着剤層の厚みは、wetで厚みを10μm以下で塗工している。このとき、図5に示すようにマスクテープ200の厚みWが50μm程度と厚いと、図6に示すようにマスクテープ200と接している塗工材料206がマスクテープ200に引きずられて端部206Aの厚みが厚くなる。端部206Aの厚みが厚くなると塗工材料206はそのまま金属箔へ転写されるため、金属箔に塗工される塗工材料の端部もそのまま厚くなる。その結果、dryで0.2μm程度塗工材料の端部の厚みが厚い、いわゆる端高の問題が生じる。塗工材料の厚みがdryで0.2μm端高になると、続いて行う上塗りする活性剤層の塗工にも影響を与え、塗工した活性剤層の塗工液がさらに端高になる。端高となると、例えば、電池を製造するときには、金属箔を数十回巻回するため端高が累積して電池に悪影響を与える問題がある。電池を具体例として記載したがその他のウェブ状の金属箔の表面に塗液材料を塗工し巻回するものであれば同様の問題が生じる。
一方、端高を回避するためには、マスクテープの厚みを10μm以下とすると良いことを、本出願人は、実験により確認している。しかし、マスクテープの厚みを10μmとすると、ウェブ状の金属箔をEPC制御(エッジポジションコントロール)を行ったときに、金属箔がマスクテープに干渉して、マスクテープが移動して、マイク位置の位置精度が保てなくなったり、最悪の場合には、マスクテープが破損する問題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、塗工の際の端高の防止を図り、マスクテープの耐久性を向上させた塗工方法、及び塗液用ローラを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の塗工方法、及び塗液用ローラは、次のような構成を有している。
(1)塗液用ローラを用いて、ウェブ状の金属箔に塗液材料を塗工する塗工方法において、塗液用ローラは、塗工が行われる塗工部の両側に溝部が形成されていること、溝部の位置に、マスクテープが張架されていて、マスクテープの一部が、塗液用ローラの外周面から突出していること、を特徴とする。
【0007】
(2)(1)に記載する塗工方法において、前記塗液用ローラが、外周面に螺旋状の溝であるポケットが形成されたロッドコーターであること、前記マスクテープに撥水加工がされていること、が好ましい。
【0008】
(3)(1)又は(2)に記載する塗工方法において、前記塗液材料が塗工された前記ウェブ状の金属箔は、巻回されて電池の電極を形成すること、が好ましい。
【0009】
(4)ウェブ状の金属箔に塗液材料を塗工する塗液用ローラにおいて、塗工が行われる塗工部の両側に溝部が形成されていること、溝部の位置に、マスクテープが張架されていて、マスクテープの一部が、塗液用ローラの外周面から突出していること、を特徴とする。
【0010】
(5)(4)に記載する塗液用ローラにおいて、前記塗液用ローラが、外周面に螺旋状の溝であるポケットが形成されたロッドコーターであること、前記マスクテープに撥水加工がされていること、が好ましい。
【0011】
(6)(4)又は(5)に記載する塗液用ローラにおいて、前記塗液材料が塗工された前記ウェブ状の金属箔は、巻回されて電池の電極を形成すること、が好ましい。
【発明の効果】
【0012】
次に、本発明に係る塗工方法、及び塗液用ローラの作用及び効果について説明する。
(1)(3)塗液用ローラを用いて、ウェブ状の金属箔に塗液材料を塗工する塗工方法において、塗液用ローラは、塗工が行われる塗工部の両側に溝部が形成されていること、溝部の位置に、マスクテープが張架されていて、マスクテープの一部が、塗液用ローラの外周面から突出していること、を特徴とするので、例えば、50μm程度の厚いマスクテープを用いても、マスクテープのほとんどの部分を溝内に収納して、塗液用ローラの外周面から突出する量を10μm程度とすることができる。そのため、端高の量を0.05μm以下とすることができ、活性剤層を上に塗工するときにも、活性剤層の端高に悪影響を与えることがない。同時に、マスクテープが50μmの厚みを有しており、かつ溝により位置決めされているので、EPC制御により、金属箔がマスクテープに干渉しても、位置ずれを発生することがなく、また、破損することもない。
【0013】
(2)(4)さらに、塗液用ローラが、外周面に螺旋状の溝であるポケットが形成されたロッドコーターであること、マスクテープに撥水加工がされていること、を特徴とするので、塗工材料がマスクテープにより、引き上げられることが少なくなるため、端高を上記(1)(3)の場合と比較して、さらに、半減して、0.02μm以下とすることができる。
【0014】
(3)(6)さらに、塗液材料が塗工されたウェブ状の金属箔は、巻回されて電池の電極を形成することにより、電池を製造したときに端高が累積して電池に悪影響を与えることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る塗液用ローラを用いた塗工方法の断面図である。
【図2】本実施形態に係る塗液用ローラの断面図である。
【図3】本実施形態に係る塗液用ローラを用いた塗工方法の外観斜視図である。
【図4】本実施形態に係るdry端高量の厚さ計測測定実験結果である。
【図5】従来技術に係る塗液用ローラを用いた塗工方法の断面図である。
【図6】従来技術に係る図5に示す塗液用ローラを用いた塗工方法の一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の一実施形態の塗液用ローラ、及び塗液用ローラを用いた塗工方法について図面を参照して説明する。
【0017】
<塗液用ローラの構成>
図3に塗液用ローラ1の外観斜視図を示す。
図3の塗液用ローラ1は、図示しない塗工装置の要部を示す。塗工装置は、本実施形態においては、リチウム電池の製造において、厚さ10μm程度のウェブ状の金属箔5の表面に塗液材料6を塗工するための装置である。塗工装置の全体像は示さないが、塗液用ローラ1以外に係る部分は、従来技術における塗工装置と変わりがないため説明を割愛する。
【0018】
図1に、塗液用ローラ1を用いた塗工方法の断面図を示す。図2に、塗液用ローラ1の断面図を示す。
図3に示すように塗液用ローラ1は、円筒の筒形状のものであり、本実施形態においては中心軸1aを中心に矢印P方向に反時計回りに回転する。塗液用ローラ1は、金属箔5の矢印Eと同方向に正転する。本実施形態において塗液用ローラ1のロッド径は6〜20mmの径とする。また、塗液用ローラ1は、外周面12に螺旋状の溝であるポケット(図示しない)が形成されたロッドコーターである。螺旋状の溝は、3〜20μmに切削又は転造により成型される。螺旋状の溝の一つのポケットの断面積は、約0.002mmである。
【0019】
塗液用ローラ1の外周円周状にマスクテープ2が張架されている。マスクテープ2は、本実施形態においてPETフィルムが使われている。図2に示すように、塗液用ローラ1の外周円周状に2本のテープ溝部11が形成されている。テープ溝部11間の間幅Hは、塗液材料6を金属箔5に塗工する塗工幅で決定される。テープ溝部11の深さFは、本実施形態において40μmである。また、テープ溝11の横幅Gは、本実施形態において10〜20mmである。
【0020】
図1に示すマスクテープ2の厚みIは、本実施形態においては50μmである。また、マスクテープ2の幅Jは、本実施形態においては10〜20mmであり、テープ溝部11の横幅Gと同じ長さとする。そのため、マスクテープ2がテープ溝部11に挿入されると、幅が同じ長さであるため隙間がない。
また、図1に示すようにマスクテープ2をテープ溝部11に挿入すると塗液用ローラ1の外周面12から表出する。マスクテープ2の外周面12から表出した表出高Kは、本実施形態においてはマスクテープ2の厚みIからテープ溝部11の深さFを引いた10μmとなる。
本実施形態においてはある一定の深さF、厚みIを示したが、深さF、厚みIは、表出高Kを決定するために変更することができる。
【0021】
<塗工装置の作用効果>
本実施形態における塗工装置を用いることにより、リチウム電池の製造において、厚さ10μm程度のウェブ状の金属箔5の表面に塗液材料6を塗工することができる。
具体的には、図3に示す金属箔5が図中矢印E方向へ流れ塗液用ローラ1を通過する際に塗液材料6が転写され塗工がされる。
【0022】
本実施形態においては、図1に示すようにマスクテープ2の外周面12から表出した表出高Kは、マスクテープ2の厚みIからテープ溝部11の深さFを引いた10μmとなっている。本出願人は、端高を回避するためには、マスクテープの厚みを10μm以下とすると良いことを実験により確認している。したがって、本実施形態によればマスクテープ2の表出高Kを10μmとすることができるため、塗工部がマスクテープにより引きずられ端部の端高が生じることを防止することができる。よって、後に実験データで説明する従来技術に係る図6に示す塗工方法のように、マスクテープ200に塗工材料206が引きずられて塗工材料206の端部206Aの厚みが0.2μm厚くなることがない。
【0023】
また、本実施形態においてはマスクテープ2の厚みを50μmとしている。そのため、後の実験データで説明するように、マスクテープの耐久性を確保することができる。
また、本実施形態においてマスクテープ2はテープ溝部11に挿入され張架されている。そのため、マスクテープ2がずれることにより塗工幅がずれることがない。よって、ウェブ状の金属箔5をEPC制御(エッジポジションコントロール)を行ったときに、金属箔5がマスクテープ2に干渉して、マスクテープ2が移動して、マイク位置の位置精度が保てなくなったり、マスクテープ2が破損するということが生じることがない。したがって、金属箔5の表面に塗工幅が安定した塗液材料6を塗工することが可能となる。
【0024】
以上から、本実施形態によれば、マスクテープ2の表出高を10μm以下とすることで端高を防止することができ、また、マスクテープ2の厚みを確保し耐久性を持たせつつ、さらに、マスクテープ2をテープ溝11に固定することで塗工幅がずれることを防止することができる。
【0025】
また、塗液材料が塗工されたウェブ状の金属箔は、巻回されてリチウム電池の電極を形成する。ウェブ状の金属箔を巻回する際に、端高を防止することができるため、端高が累積してリチウム電池に悪影響を与えることを防止することができる。
【0026】
<実験データ>
図4に、本実施例において実験を行ったdry端高量の厚さ計測測定実験結果を示す。ここでdry端高量とは、金属箔5の表面に塗液材料6を塗工した後に、乾燥装置により乾燥させた後に、金属箔5の塗液材料6の端部の高さ量である。
【0027】
本実験では、以下の4つの実験対象A1〜A4を対象に実験を行った。実験対象A1は、従来技術に係る図5に示すようにテープ溝部を設けないものであり、厚さ3μmのPETの薄膜テープを用いたものである。実験対象A2は、従来技術に係る図5に示すようにテープ溝を設けないものであり、厚さ50μmのPETの厚いテープを用いたものである。実験対象A3は、本実施形態における図1に示すようにテープ溝の高さを40μm設け、厚さ50μmのPETの厚いテープを用いたものである。実験対象A4は、本実施形態における図1に示すようにテープ溝の高さを40μm設け、厚さ50μmの撥水加工がされたテフロン(登録商標)の厚いテープを用いたものである。
実験結果においては、塗工後の塗工幅のズレを目視で確認した。また、塗工後のマスクテープの耐久性を目視で確認した。さらに、塗液材料のdry端高量は分光エリプソによる厚さ計測により測定している。
【0028】
実験対象A1においては、薄膜テープを用いていることから、表出高は3μmとなり塗工部がマスクテープにより引きずられ端部の端高が生じることを防止することができた。その結果、dry端高量は8.2nm(=0.082μm)であり最小の値であった。他方、塗液用ローラに直接巻きつけた薄膜テープでは、使用により塗液用ローラからズレが生じ塗工幅のズレが発生する結果となった。また、耐久性に関しては厚みが3μmの薄膜テープであることから1〜2回使用すると使用できなくなり耐久性は最も少ない結果となった。
【0029】
実験対象A2においては、厚みが50μmの厚いテープを用いていることから耐久性は20回以上使用した場合であっても使用することができた。他方、図5に示すように塗液用ローラに直接巻きつけた厚いテープでは、使用により塗液用ローラからズレが生じ塗工幅のズレが発生する結果となった。また、図6に示すように厚いテープを使用していることにより表出高は50μmとなり塗工部がマスクテープにより引きずられ端部の端高となる。その結果、dry端高量は249.4nm(=0.2494μm)となり活性剤層をさらに上に塗工した場合には、活性剤層の端高に悪影響を与える量となった。
【0030】
実験対象A3においては、厚みが50μmの厚いテープを用いていることから耐久性は20回以上使用した場合であっても使用することができた。また、厚いテープに対して図1に示すようにテープ溝部11を設けていることから、テープ溝部11にマスクテープが張架されるため塗工幅のズレが発生しなかった。さらに、テープ溝部11の高さを40μm設けているためマスクテープの外周面から表出した表出高Kは10μmとなる。そのため、マスクテープによるdry端高が発生するのを防止することができる結果、dry端高量を46.0nm(=0.046μm)とすることができた。dry端高の量を0.05μm以下とすることができれば、活性剤層を上に塗工するときにも、活性剤層の端高に悪影響を与えることがないため、実験対象A3におけるdry端高量は許容範囲内の結果となった。
【0031】
実験対象A4においては、厚みが50μmの厚いテープを用いていることから耐久性は20回以上使用した場合であっても使用することができた。また、厚いテープに対して図1に示すようにテープ溝部11を設けていることから、テープ溝部11にマスクテープが張架されるため塗工幅のズレが発生しなかった。さらに、テープ溝部11の高さを40μm設けているためマスクテープの外周面から表出した表出高Kは10μmとなる。そのため、マスクテープによるdry端高が発生するのを防止することができる結果、dry端高量を20.0nm(=0.020μm)とすることができた。dry端高の量を0.05μm以下とすることができれば、活性剤層を上に塗工するときにも、活性剤層の端高に悪影響を与えることがないため、実験対象A4におけるdry端高量は許容範囲内の結果となった。
【0032】
さらに、実験対象A4においては、撥水加工がされたテフロンの厚いテープを用いていることにより、塗布部のdry端高を防止することができ、dry端高量を20.0nm(=0.020μm)とすることができた。すなわち、マスクテープに撥水加工がされたテープを使用することにより、未塗工部全面が撥水部で保持されることで、図6に示すようなマスクテープへの液周りを起こすことがなく、液のマスクテープに対する引き上げを少なくすることができる。そのため、端部の塗工部が波打つことを防止することができるためである。その結果として、実験対象A3と比較して、dry端高量をさらに、半減して、0.02μm以下とすることができた。
【0033】
以上詳細に説明したように、本実施形態における塗液用ローラを用いた塗工方法によれば以下の効果を有する。
すなわち、塗液用ローラ1は、塗工が行われる塗工部の両側にテープ溝部11が形成され、テープ溝部11の位置に、マスクテープ2が張架され、マスクテープ2の一部が、塗液用ローラ1の外周面12から突出していることにより、例えば、50μm程度の厚いマスクテープ2を用いても、マスクテープ2のほとんどの部分をテープ溝部11内に収納することができる。そのため、塗液用ローラ1の外周面12から突出するマスクテープ2の量を10μm程度とすることができる。よって、dry端高の量を0.05μm以下とすることができ、活性剤層を上に塗工するときにも、活性剤層の端高に悪影響を与えることがない。
また、マスクテープ2が50μmの厚みを有しており、かつテープ溝部11により位置決めされているので、EPC制御により、金属箔5がマスクテープ2に干渉しても、位置ずれを発生することがなく、また、破損することもない。
【0034】
さらに、塗液用ローラ1が、外周面12に螺旋状の溝であるポケットが形成されたロッドコーターであり、マスクテープ2に撥水加工がされていることにより、塗液材料6がマスクテープ2により、引き上げられることが少なくなる。そのため、端高を上記実施形態の場合と比較して、さらに、半減して、0.02μm以下とすることができる。
【0035】
上記実施例に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、本実施形態においては表出高Kを10μmとしたが、表出高Kはテープ溝の高さにより変更することができる。すなわち、表出高Kはマスクテープの厚みからテープ溝を引いた分となるため、テープ溝の高さを変更することにより表出高Kを変更することができる。
【0036】
例えば、本実施例では、撥水加工がされたマスクテープにテフロンを用いたが撥水加工がされたものであればよい。例えば、今後撥水加工がされたマスクテープ等が発明された場合に応用することができる。
【0037】
例えば、本実施例ではリチウム電池に使用するために塗液材料をウェブ状の金属箔に塗工することとしたが、その他のウェブ状の金属箔の表面に塗液材料を塗工し巻回するものであれば本実施例で示した塗工方法及び塗液用ローラを使用することができる。それにより、端高を防止することができ、端高が累積することによる製品の精度の悪化を防止すること、及び製品の性能の低下を防止することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 塗液用ローラ
11 テープ溝部
12 外周面
2 マスクテープ
5 金属箔
6 塗液材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗液用ローラを用いて、ウェブ状の金属箔に塗液材料を塗工する塗工方法において、
前記塗液用ローラは、前記塗工が行われる塗工部の両側に溝部が形成されていること、
前記溝部の位置に、マスクテープが張架されていて、前記マスクテープの一部が、前記塗液用ローラの外周面から突出していること、
を特徴とする塗工方法。
【請求項2】
請求項1に記載する塗工方法において、
前記塗液用ローラが、外周面に螺旋状の溝であるポケットが形成されたロッドコーターであること、
前記マスクテープに撥水加工がされていること、
を特徴とする塗工方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載する塗工方法において、
前記塗液材料が塗工された前記ウェブ状の金属箔は、巻回されて電池の電極を形成すること、
を特徴とする塗工方法。
【請求項4】
ウェブ状の金属箔に塗液材料を塗工する塗液用ローラにおいて、
前記塗工が行われる塗工部の両側に溝部が形成されていること、
前記溝部の位置に、マスクテープが張架されていて、前記マスクテープの一部が、前記塗液用ローラの外周面から突出していること、
を特徴とする塗液用ローラ。
【請求項5】
請求項4に記載する塗液用ローラにおいて、
前記塗液用ローラが、外周面に螺旋状の溝であるポケットが形成されたロッドコーターであること、
前記マスクテープに撥水加工がされていること、
を特徴とする塗液用ローラ。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載する塗液用ローラにおいて、
前記塗液材料が塗工された前記ウェブ状の金属箔は、巻回されて電池の電極を形成すること、
を特徴とする塗液用ローラ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−238529(P2012−238529A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108027(P2011−108027)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】