説明

塗布、現像装置、塗布、現像方法及び記憶媒体

【課題】疎水化処理モジュールまたは塗布膜形成用の単位ブロックに異常が発生したり、メンテナンスを行うときに塗布、現像装置の稼働効率の低下を抑えることができ、基板の搬送手段の動作の複雑化を防ぐ技術を提供すること。
【解決手段】互に同一の塗布膜が形成されるN重化された塗布用の単位ブロックと、前記キャリアブロックと処理ブロックとの間の昇降搬送ブロックにおいて、前記塗布膜を形成する前の基板に対して疎水化処理するためのNグループの疎水化モジュールと、前記Nグループの疎水化モジュールから夫々対応する塗布用の単位ブロックに基板を受け渡すように制御される受け渡し機構と、を備えるように塗布、現像装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板にレジストを塗布し、現像を行う塗布、現像装置、塗布、現像方法及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造工程の一つであるフォトレジスト工程においては、半導体ウエハ(以下、ウエハという)の表面にレジストを塗布し、このレジストを所定のパターンで露光した後に現像してレジストパターンを形成している。前記レジストパターンを形成するための塗布、現像装置には、ウエハに各種の処理を行うための処理モジュールを備えた処理ブロックが設けられている。
【0003】
処理ブロックは、例えば特許文献1に記載されるように、反射防止膜やレジスト膜などの各種の塗布膜を形成する塗布膜形成用の単位ブロック及び現像処理を行う現像処理用の単位ブロックを互いに積層することにより構成されている。ウエハは順番に各単位ブロックに設けられる処理モジュールを受け渡されて処理を受ける。
【0004】
ウエハは上記の塗布膜の形成処理を受ける塗布膜のウエハへの密着性を高めるために疎水化処理される場合がある。ところで、これら疎水化処理を行う疎水化処理モジュールや塗布膜形成用の単位ブロックは、故障を起こしたときやメンテナンスを行うときにはウエハの搬送を停止しなければならない場合がある。しかし、上記のようにウエハは順番に処理モジュールを受け渡されるため、このように疎水化処理モジュールや塗布膜形成用の単位ブロックへの搬送を停止することは、塗布、現像装置全体でウエハの搬送を停止させることになってしまい、スループットが低下してしまうという問題がある。
【0005】
同種のモジュールを複数設けることでこのように搬送が停止されることを防ぐことも考えられるが、モジュールの数が増えることで搬送手段の動作が煩雑になり、十分にスループットの向上を図れないおそれがあるし、この搬送手段を制御するプログラムの作成も困難になってしまう。特許文献1には、塗布膜形成用の単位ブロックに搬入前のウエハを疎水化処理するモジュールを複数備えた塗布、現像装置について示されているが、このような問題を解決できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−115831
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、疎水化処理モジュールまたは塗布膜形成用の単位ブロックに異常が発生したり、メンテナンスを行うときに塗布、現像装置の稼働効率の低下を抑えることができ、基板の搬送手段の動作の複雑化を防ぐ技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の塗布、現像装置は、キャリアブロックにキャリアにより搬入された基板を処理ブロックに受け渡し、この処理ブロックにてレジスト膜を含む塗布膜を形成した後、前記処理ブロックに対してキャリアブロックとは反対側に位置するインターフェイスブロックを介して露光装置に搬送し、前記インターフェイスブロックを介して戻ってきた露光後の基板を前記処理ブロックにて現像処理して前記キャリアブロックに受け渡す塗布、現像装置において、
a) 前記処理ブロックは、前記塗布膜を形成するための薬液を基板に供給する液処理モジュールと、薬液を塗布した後の基板を加熱する加熱モジュールと、これらモジュール間で基板を搬送するために、キャリアブロックとインターフェイスブロックとを結ぶ直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えると共に、各モジュールにより処理されることにより形成される塗布用の単位ブロックを互に上下に積層して、N(Nは2以上の整数)重化した積層体を含み、
b) 前記N重化された塗布用の単位ブロックは、互に同一の塗布膜が形成されるように構成され、
c) 前記キャリアブロックと処理ブロックとの間に昇降搬送ブロックを設け、この昇降搬送ブロックは、前記N重化された塗布用の単位ブロックに対して夫々対応付けられ、前記塗布膜を形成する前の基板に対して疎水化処理するためのNグループの疎水化モジュールと、前記Nグループの疎水化モジュールから夫々対応する塗布用の単位ブロックに基板を受け渡すように制御される受け渡し機構と、を備え、
d) 前記Nグループの各々は、互に同数の疎水化モジュールが含まれていることを特徴とする塗布、現像装置。
【0009】
前記塗布、現像装置の具体的態様は、例えば下記の通りである。
(1)前記N重化された塗布用の単位ブロックのいずれかが停止したときには、当該停止した塗布用の単位ブロックに対応するグループに属する疎水化モジュールに対する基板の受け渡しを停止し、その他のグループに属する疎水化モジュールに対しては基板の受け渡しを行うように受け渡し機構が制御される。
(2)前記N重化された塗布用の単位ブロックのいずれかが停止すると共に、前記Nグループのうち使用可能な塗布用単位ブロックに対応付けられたグループが停止したときに、
使用可能なグループから対応付けられていない前記使用可能な塗布用の単位ブロックへ基板の搬送先を切り替えるように受け渡し機構が制御される。
(3)前記塗布用の単位ブロックは、基板に反射防止膜形成用の薬液を供給して下層側の反射防止膜を形成する下層用の液処理モジュールと、前記反射防止膜の上にレジスト液を供給してレジスト膜を形成する液処理モジュールと、基板を加熱する加熱モジュールと、これらモジュール間で基板を搬送するために、キャリアブロックとインターフェイスブロックとを結ぶ直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えた前段処理用の単位ブロックと、
前記前段処理用の単位ブロックに対して積層され、レジスト膜が形成された基板に上層側の膜形成用の薬液を供給して上層側の膜を形成する上層用の液処理モジュールと、基板を加熱する加熱モジュールと、これらモジュール間で基板を搬送するために、キャリアブロックとインターフェイスブロックとを結ぶ直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えた後段処理用の単位ブロックと、を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の塗布、現像方法は、キャリアブロックにキャリアにより搬入された基板を処理ブロックに受け渡し、この処理ブロックにてレジスト膜を含む塗布膜を形成した後、前記処理ブロックに対してキャリアブロックとは反対側に位置するインターフェイスブロックを介して露光装置に搬送し、前記インターフェイスブロックを介して戻ってきた露光後の基板を前記処理ブロックにて現像処理して前記キャリアブロックに受け渡す塗布、現像装置において、
a) 前記処理ブロックは、前記塗布膜を形成するための薬液を基板に供給する液処理モジュールと、薬液を塗布した後の基板を加熱する加熱モジュールと、これらモジュール間で基板を搬送するために、キャリアブロックとインターフェイスブロックとを結ぶ直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えると共に、各モジュールにより処理されることにより形成される塗布用の単位ブロックを互に上下に積層して、N(Nは2以上の整数)重化した積層体を含み、
b) 前記N重化された塗布用の単位ブロックは、互に同一の塗布膜が形成されるように構成され、
c) 前記キャリアブロックと処理ブロックとの間に昇降搬送ブロックを設け、この昇降搬送ブロックは、前記N重化された塗布用の単位ブロックに対して夫々対応付けられ、前記塗布膜を形成する前の基板に対して疎水化処理するためのNグループの疎水化モジュールと、前記Nグループの疎水化モジュールから夫々対応する塗布用の単位ブロックに基板を受け渡すように制御される受け渡し機構と、を備え、
d) 前記Nグループの各々は、互に同数の疎水化モジュールが含まれていることを特徴とする塗布、現像装置に用いられる塗布、現像方法において、
前記N重化された塗布用の単位ブロックのいずれかが停止したときには、当該停止した塗布用の単位ブロックに対応するグループに属する疎水化モジュールに対する基板の受け渡しを停止する工程と、
その他のグループに属する疎水化モジュールに対しては基板の受け渡しを行う工程と、を含むことを特徴とする。
【0011】
本発明の記憶媒体は、塗布、現像装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、上記の塗布、現像方法を実施するためのものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、互いに同数の疎水化処理モジュールからなるN個のグループとN重化された塗布用の単位ブロックとが設けられ、各疎水化処理モジュールのグループから対応する塗布用の単位ブロックに基板を搬送する。このように基板の搬送経路が複数設けられているため、疎水化処理モジュールのグループまたは塗布用の単位ブロックが使用不可になっても、他のグループまたは単位ブロックを含む経路を用いて基板の搬送を継続できる。従って、装置の稼働効率の低下を抑えることができる。また、前記グループ毎に搬送先の単位ブロックが設定されているため、前記各単位ブロックに基板の搬送を行う受け渡し機構の動作が煩雑化することが抑えられるのでスループットの向上を図ることができるし、当該受け渡し機構の動作を制御するプログラムの作成も容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の塗布、現像装置の搬送経路の概略を示すフロー図である。
【図2】本発明の塗布、現像装置の搬送経路の概略を示すフロー図である。
【図3】本発明の塗布、現像装置の搬送経路の概略を示すフロー図である。
【図4】本発明に係る塗布、現像装置の平面図である。
【図5】前記塗布、現像装置の斜視図である。
【図6】前記塗布、現像装置の縦断側面図である。
【図7】前記塗布、現像装置の処理ブロックの縦断側面図である。
【図8】前記塗布、現像装置の昇降搬送ブロックの縦断背面図である。
【図9】前記昇降搬送ブロックに設けられる搬送機構の斜視図である。
【図10】前記昇降搬送ブロックに設けられる受け渡しモジュールの斜視図である。
【図11】前記昇降搬送ブロックに設けられる他の受け渡しモジュールの斜視図である。
【図12】前記昇降搬送ブロックに設けられるさらに他の受け渡しモジュールの斜視図である。
【図13】前記昇降搬送ブロックに設けられる疎水化処理モジュールの斜視図である。
【図14】本発明の塗布、現像装置の搬送経路の概略を示すフロー図である。
【図15】他の処理ブロックの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施形態)
本発明に係る塗布、現像装置1の構成を詳細に説明する前に、この装置1の構成の概略と基板であるウエハWの搬送経路の概略とを図1〜図3を用いて説明する。図中S1は複数枚の基板であるウエハWが格納されたキャリアCが搬送されるキャリアブロックである。図中S2は昇降搬送ブロックであり、第1の疎水化処理モジュール群10A及び第2の疎水化処理モジュール群10Bを備えている。疎水化処理モジュール群10Aは4基の疎水化処理モジュールADH1〜ADH4からなり、疎水化処理モジュール群10Bは4基の疎水化処理モジュールADH5〜ADH8からなる。各疎水化処理モジュールADHにウエハWが順次搬送され、当該疎水化処理モジュールADHで並行してウエハWに疎水化処理が行われる。
【0015】
図中S3は処理ブロックであり、ウエハWに各々反射防止膜形成処理及びレジスト膜の形成処理を行う第1の単位ブロックB1、第2の単位ブロックB2を備えている。また、処理ブロックS3には、レジスト膜形成後、露光処理されたウエハWを現像する現像処理用の単位ブロックが設けられている。これらの単位ブロックは互いに積層されている。
【0016】
図1は各単位ブロック及び各疎水化処理モジュールが使用可能な通常時におけるウエハWの搬送を示している。キャリアCから払い出されたウエハWは、疎水化処理モジュール群10A、10Bに振り分けられ、各疎水化処理モジュール群を構成する疎水化処理モジュールADHで処理を受ける。そして第1の疎水化処理モジュール群10Aの疎水化処理モジュールADHで処理されたウエハWは、第1の単位ブロックB1に搬送されて処理を受け、第2の疎水化処理モジュール群10Bの疎水化処理モジュールADHで処理されたウエハWは、第2の単位ブロックB2に搬送されて処理を受ける。
【0017】
これら第1の単位ブロックB1及び第2の単位ブロックB2で処理されたウエハWは露光後、現像処理用の単位ブロックで処理され、キャリアCに戻される。このように第1の疎水化処理モジュール群10A及び第1の単位ブロックB1を含む経路と、第2の疎水化処理モジュール群10B及び第2の単位ブロックB2を含む経路とにウエハWが振り分けられ、これらの各経路で互いに並行してウエハWが処理される。
【0018】
図2は、メンテナンスや例えば後述の搬送アームの故障により第1の単位ブロックB1において、ウエハWの処理ができなくなったときのウエハWの搬送経路を示している。このように第1の単位ブロックB1が使用不可になった場合、ケース1として第1の疎水化処理モジュール群10Aから第1の単位ブロックB1への搬送が停止し、キャリアCから第1の疎水化処理モジュール群10Aへの搬送も停止する。その一方でキャリアC→第2の疎水化処理モジュール群10B→第2の単位ブロックB2→現像処理用の単位ブロック→キャリアC(第2の経路とする)の搬送は継続され、後続のウエハWはこの第2の経路で搬送されて処理を受ける。従って、ケース1では図2中に実線の矢印で示すようにウエハWが搬送される。
【0019】
また、例えばユーザはケース1の搬送に代えてケース2の搬送も選択できる。このケース2では、ケース1と同様に第1の疎水化処理モジュール群10Aから第1の単位ブロックB1への搬送が停止するが、キャリアCからは通常時と同様に疎水化処理モジュール群10A、10BにウエハWが搬送される。疎水化処理モジュール群10A、10Bで処理後のウエハWは、第2の単位ブロックB2へ搬入され、その後はケース1と同様に搬送される。従って、ケース2では図2中に実線の矢印及び点線の矢印で示すようにウエハWが搬送される。
【0020】
逆に、第2の単位ブロックB2においてメンテナンスや例えば後述の搬送アームの故障ウエハWの処理ができなくなったときには、ケース3の搬送経路でウエハWが搬送される。このケース3では第2の疎水化処理モジュール群10Bから第2の単位ブロックB2への搬送が停止し、キャリアCから第2の疎水化処理モジュール群10Bへの搬送も停止する。その一方で、キャリアC→第1の疎水化処理モジュール群10A→第1の単位ブロックB1→現像処理用の単位ブロック→キャリアC(第1の経路とする)の搬送は継続され、後続のウエハWはこの第1の経路で搬送されて処理を受ける。
【0021】
また、例えばユーザはケース3の搬送に代えてケース4の搬送も選択できる。このケース4では、ケース3と同様に第2の疎水化処理モジュール群10Bから第2の単位ブロックB2への搬送が停止するが、キャリアCからは通常時と同様に疎水化処理モジュール群10A、10BにウエハWが搬送される。疎水化処理モジュール群10A、10Bで処理後のウエハWは、第1の単位ブロックB1へ搬入され、その後はケース3と同様に搬送される。
【0022】
図3は、第1の疎水化処理モジュール群10Aを構成するすべての疎水化処理モジュールADHにおいて、処理が行えなくなったときのウエハWの搬送経路を示している。この場合、キャリアCから第1の疎水化処理モジュール群10Aへの搬送が停止し、この停止によって第1の単位ブロックB1へのウエハWの搬送も停止する。その一方で前記第2の経路の搬送は継続される。
【0023】
逆に、第2の疎水化処理モジュール群10Bを構成するすべての疎水化処理モジュールADHにおいて処理が行えなくなったときには、キャリアCから第2の疎水化処理モジュール群10Bへの搬送が停止し、この搬送停止によって第2の単位ブロックB2へのウエハWの搬送も停止する。その一方で前記第1の経路の搬送は継続される。
【0024】
続いて塗布、現像装置1の構成の詳細を説明する。図4は、塗布、現像装置1の平面図、図5は同概略斜視図、図6は同概略側面図である。この塗布、現像装置1は、前記キャリアブロックS1と、前記昇降搬送ブロックS2と、前記処理ブロックS3と、インターフェイスブロックS4と、を直線状に接続して構成されている。インターフェイスブロックS4には、さらに液浸露光を行う露光装置S5が接続されている。
【0025】
キャリアブロックS1について説明すると、図中11はキャリアCの載置台であり、12は側壁に設けられた開閉部である。図中13は受け渡しアームであり、前記開閉部12を介して昇降搬送ブロックS2との間でウエハWを受け渡す。図中14は、載置台11上に設けられた棚14であり、キャリア搬送機構15により載置台11と棚14との間でキャリアCが受け渡される。載置台11に置かれてウエハWを払い出したキャリアCは、ウエハWが戻るまで棚14で待機する。これによって、前記キャリアCによる載置台11の占有を防ぎ、複数のキャリアCのウエハWを続けて塗布、現像装置1に搬入することができる。
【0026】
昇降搬送ブロックS2は、キャリアブロックS1と処理ブロックS3との間でウエハWを受け渡す。この昇降搬送ブロックS2については後述することにし、先に図7の縦断側面図も参照しながら処理ブロックS3の構成を説明すると、処理ブロックS3は互いに仕切られた第1の単位ブロックB1〜第6の単位ブロックB6が上下に積層されている。各単位ブロックはウエハWに液処理を行う液処理モジュールと、ウエハWを加熱する加熱モジュールと、単位ブロック用の搬送手段である搬送アームAと、前記搬送アームAが移動する搬送領域R1と、を備えている。各単位ブロックBでは、搬送アームAにより互いに独立してウエハWが搬送されて、当該ウエハWに処理が行われる。なお、各単位ブロックB1〜B6の搬送アームは、A1〜A6として図6に示している。
【0027】
これらの単位ブロックB1〜B6は、そのうちの2つが互いに同様に構成されており、第1の単位ブロックB1及び第2の単位ブロックB2は、既述のように反射防止膜の形成処理とレジスト膜の形成処理とを行う。第3の単位ブロックB3及び第4の単位ブロックB4は、レジスト膜の上層に液浸露光用の保護膜の形成処理とウエハWの裏面の洗浄処理とを行う。第5の単位ブロックB5及び第6の単位ブロックB6は、既述の現像処理用の単位ブロックに相当する。
【0028】
各単位ブロックB1〜B6では、前記液処理モジュールと、加熱モジュールと、搬送領域R1とが同様のレイアウトで配置されており、以下代表して図4に示した第1の単位ブロックB1について説明する。第1の単位ブロックB1には、図1中X方向(ブロックS1〜S4の配列方向)に前記搬送領域R1が形成されている。この搬送領域R1を左右方向(図1中Y方向)から挟むように液処理ユニット20と、棚ユニットU1〜U6とが夫々配置されている。
【0029】
液処理ユニット20には、液処理モジュールである反射防止膜形成モジュールBCT及びレジスト膜形成モジュールCOTが搬送領域R1に沿って設けられている。反射防止膜形成モジュールBCTは、ウエハWがその内部に搬送される2つのカップ21と、各カップ21内でウエハWの裏面を保持すると共にウエハWを鉛直軸回りに回転させるスピンチャック22と、2つのカップ21間を移動すると共にこれらカップ21で共用の薬液供給ノズル23とを備えている。前記薬液供給ノズル23からウエハWに供給された薬液は、スピンコーティングによりウエハWに塗布される。レジスト膜形成モジュールCOTは、前記薬液がレジストである他は反射防止膜形成モジュールBCTと同様に構成されている。
【0030】
前記搬送領域R1に設けられる搬送アームA1について説明する。この搬送アームA1は、進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在、且つ搬送領域R1の長さ方向に移動自在に構成されており、第1の単位ブロックB1の全てのモジュール間でウエハWの受け渡しを行うことができる。図中24はウエハWの外周を囲むフォーク部であり、ウエハWの裏面を支持する爪部25を備えている。
【0031】
棚ユニットU1〜U6は搬送領域R1の長さ方向に沿って配列され、各棚ユニットU1〜U5は、ウエハWの加熱処理を行う加熱モジュールが例えば2段に積層されて構成されている。棚ユニットU6は、互いに積層された2基の周縁露光モジュールにより構成される。
【0032】
他の単位ブロックBについて第1の単位ブロックB1との差異点を説明する。第2の単位ブロックB2は、既述のように第1の単位ブロックB1と同様の構成である。単位ブロックB3〜B6は、液処理ユニット20を構成する液処理モジュールが異なること及び周縁露光モジュールの代わりに加熱モジュールが設けられることを除き、単位ブロックB1、B2と同様に構成される。単位ブロックB3、B4は、反射防止膜形成モジュールBCT、レジスト膜形成モジュールCOTの代わりに保護膜形成モジュールTCT、裏面洗浄モジュールBSTを夫々備えている。単位ブロックB5、B6は、反射防止膜形成モジュールBCT及びレジスト膜形成モジュールCOTの代わりに現像モジュールDEVを備えている。また、単位ブロックB3〜B6の棚ユニットU6は周縁露光モジュールの代わりに加熱モジュールが設けられる。
【0033】
前記保護膜形成モジュールTCT、現像モジュールDEVは、反射防止膜形成用の薬液の代わりに保護膜形成用の薬液、現像液を夫々ウエハWに供給することを除いて反射防止膜形成用モジュールBCTと同様に構成されている。裏面洗浄モジュールBSTは、薬液供給ノズル23が設けられる代わりに、カップ21内でウエハWの裏面を洗浄するためのブラシ26が設けられることを除いて反射防止膜形成用モジュールBCTと同様に構成されている。
【0034】
続いて昇降搬送ブロックS2について、その縦断背面図である図8も参照しながら説明する。昇降搬送ブロックS2の前記Y方向の中央部には棚ユニットU7が設けられており、棚ユニットU7は、ウエハWをキャリアブロックS1と処理ブロックS2との間及び処理ブロックS2における各単位ブロック間で受け渡すために、ウエハWが一旦載置される受け渡しモジュールが多数積層されて設けられている。以降の説明において、ウエハWを載置するステージに、ウエハWを冷却するための冷却水の流路を備える受け渡しモジュールをCPLとして示し、前記流路が設けられず、雰囲気の温度によりウエハWを温調する受け渡しモジュールをTRSとして示す。各受け渡しモジュールの構成については後述する。
【0035】
各受け渡しモジュールと単位ブロックBとの位置関係を説明すると、第1の単位ブロックB1の高さ位置に、受け渡しモジュールTRS11、CPL11、CPL12が設けられている。第2の単位ブロックB2の高さ位置に、受け渡しモジュールTRS12、CPL13、CPL14が設けられている。第3の単位ブロックB3、第4の単位ブロックB4の高さ位置には、受け渡しモジュールCPL15及びCPL16、CPL17及びCPL18が夫々設けられている。第5の単位ブロックB5、第6の単位ブロックB6の高さ位置には、受け渡しモジュールCPL19及びCPL20、CPL21及びCPL22が夫々設けられている。また、キャリアブロックS1の受け渡しアーム13がアクセスできる高さ位置に受け渡しモジュールTRS13、TRS14が設けられている。
【0036】
また、棚ユニットU7にはバッファモジュール31、32と、検査モジュール34とが設けられている。バッファモジュール31、32は多数のウエハWを滞留させることができるように構成されている。バッファモジュール31は、反射防止膜形成モジュールBCT及びレジスト塗布モジュールCOTの処理速度に応じてウエハWを払い出すことにより、第1の単位ブロックB1、B2におけるウエハWの滞留を抑える役割を有する。また、バッファモジュール32は、キャリアCが前記棚14から載置台11に戻されるタイミングに合わせてウエハWをキャリアブロックS1に払い出せるように、ウエハWの払い出しのタイミングを調整する役割を有する。検査モジュール34は、現像処理後のウエハWについてパーティクルの有無やパターンの線幅の異常の有無など、ウエハWの表面状態について様々な検査を行う。
【0037】
また、棚ユニットU7をY方向から挟むように、当該棚ユニットU7のモジュール間でウエハWを受け渡す第1の昇降搬送機構41、第2の昇降搬送機構42が設けられている。これら昇降搬送機構41、42は、設けられる高さ位置を除いて同様に構成されており、ガイド43と、ガイド43に沿って昇降する昇降基体44と、昇降基体44を鉛直軸回りに回転する回転基台45と、回転基台45上を独立して進退する第1のアーム46及び第2のアーム47とを備えている。図9は、これら第1のアーム46及び第2のアーム47の斜視図であり、第1のアーム46は狭幅且つ平板な二股のフォーク状に形成されている。第2のアーム47は、ウエハWの側周を囲む二股のフォーク48とフォーク48に設けられ、ウエハWの裏面を支持する爪部49とを備えている。第1のアーム46、第2のアーム47は、これらのアームがアクセスする受け渡しモジュールの構成の違いに対応して、このように互いに異なる形状を有している。
【0038】
ここで、既述の第1の単位ブロックB1の高さ位置にある受け渡しモジュールCPL11の構成を、図10を用いて説明する。受け渡しモジュールCPL11は互いに積層された複数枚の概ね円形なプレート51を備え、各プレート51にウエハWが載置される。この受け渡しモジュールCPL11には、第1の単位ブロックB1の搬送アームA1が図中のX方向から、昇降搬送ブロックS2の第1の昇降搬送機構41の第2のアーム47が図中のY方向から夫々アクセスする。
【0039】
プレート51の周縁には、多数の切り欠き52が設けられている。各アームA1、47は、プレート51に対して昇降するときに、前記各アームの爪部25、49がこの切り欠き52を通過する。それによって各アームA1、47とプレート51との間でウエハWが受け渡される。この例では、受け渡しモジュールCPL12〜CPL22、TRS11、TRS12及びインターフェイスブロックS3に設けられる各受け渡しモジュールも受け渡しモジュールCPL11と同様にプレート51を備えている。また、バッファモジュール31は多数のプレート51が積層されて構成され、多数のウエハWを滞留させることができる。
【0040】
他の受け渡しモジュールの構成について説明する。受け渡しモジュールTRS13は、図11に示すように上下方向に伸びる3つの支柱53と、各支柱53から水平に伸びる支持棒54とを備えている。支持棒54は上下方向に間隔をおいて多数設けられ、その先端側はウエハWの裏面の周縁部を支持する水平面を備える。これによって上下方向に多数枚のウエハWを水平に支持することができる。この受け渡しモジュールTRS13には、支柱53間を通過して、受け渡しアーム13がX方向から、第1の昇降搬送機構41の第1のアーム46がY方向から夫々アクセスし、各アームは昇降動作により支持棒54との間でウエハWの受け渡しを行うことができる。この例では後述のバッファモジュール32も受け渡しモジュールTRS13と同様に構成されている。
【0041】
また、受け渡しモジュールTRS14は、図12に示すようにウエハWの裏面を支持する3本のピン55が設けられたプレート56を備えている。受け渡しアーム13及び第1の昇降搬送機構41の第1のアーム46は昇降動作によりピン55との間でウエハWを受け渡すことができる。プレート56は複数設けられ、互いに積層されている。
【0042】
図8の昇降搬送ブロックS2の説明に戻る。棚ユニットU7からY方向に離れ、第2の昇降搬送機構42がアクセスできる位置にはバッファモジュール32が設けられている。棚ユニットU7と共に第1の昇降搬送機構41をY方向から挟むように、既述の第1の疎水化処理モジュール群10A及び第2の疎水化処理モジュール群10Bが設けられ、これら疎水化処理モジュール群10A、10Bを構成する疎水化処理モジュールADH1〜ADH8は互いに積層されている。
【0043】
疎水化処理モジュールADH1〜ADH8は互いに同様に構成されており、代表してADH1について、その縦断側面図、平面図である図13を参照しながら説明する。図中61は処理容器であり、容器本体62と、昇降自在な蓋体63とからなる。図中64はウエハWが載置されるステージであり、容器本体62に設けられる。また、図示は省略しているが、ステージ64は、ウエハWの裏面を支持し、第1の昇降搬送機構41との間でウエハWを受け渡すための昇降ピンを備えている。さらにステージ64は載置されたウエハWの温度を調整するヒータを備えている。
【0044】
図中66は容器本体62の周方向に複数設けられるパージガス導入路であり、67は蓋体63にリング状に設けられるパージガス排出路である。図中68は、前記パージガス排出路67の内側に、前記周方向に複数設けられた排気口であり、真空ポンプ69に接続されている。図中71は、蓋体63の中央部に設けられたガス吐出口であり、ウエハWの周縁に向けてガスを吐出できるように、前記周方向に複数開口している。ガス吐出口71は、疎水化処理用ガス及びパージガスの供給源72に接続されている。
【0045】
ウエハWの疎水化処理時には図13に示すように蓋体63が容器本体62に近接し、排気口68から排気され且つパージガスが導入路66からパージガス排出路67へ向けて供給される。このときパージガスの一部は、排気口68に吸引されて内側へ向かい、ガスのバリアを形成する。この状態で疎水化処理用のガスが、ガス吐出口71から供給され、前記ガスのバリアに阻まれて処理容器61から漏れることなく、排気口68から排気される。図13中の矢印は各ガスの流れを示している。
【0046】
前記疎水化処理用ガスに曝されて、ウエハWの表面全体が疎水化処理されることにより、ウエハW表面に形成される膜の当該ウエハWへの密着性が高まる。疎水化処理後、疎水化処理用ガスに代わりパージガスがガス吐出口71から吐出され、疎水化処理用のガスが処理容器61から除去される。疎水化処理モジュールADHにおいて、各種のガス流量の異常、昇降ピンの昇降の異常、蓋体63の昇降の異常、ステージ64に載置されたウエハWの温度異常など、モジュールの動作について異常が発生したときに、当該疎水化処理モジュールADHは、後述の制御部100に信号を送信する。
【0047】
図4〜図6に戻ってインターフェイスブロックS4について説明する。インターフェイスブロックS4は多数の受け渡しモジュールが積層された棚ユニットU8を備えている。棚ユニットU8において、第3の単位ブロックB3〜第6の単位ブロックB6に対応する各高さ位置には受け渡しモジュールTRS31、TRS32、TRS33、TRS34が設けられている。また、棚ユニットU8には、露光装置S5に搬入前にウエハWを冷却する受け渡しモジュールCPL31と、露光後のウエハWが受け渡される受け渡しモジュールTRS35と、露光前のウエハWを一旦滞留させるバッファモジュール74と、露光後のウエハWを一旦滞留させるバッファモジュール75とが設けられている。各バッファモジュール74,75はバッファモジュール31と同様に構成される。
【0048】
棚ユニットU7からY方向に離れた位置には複数の露光後洗浄モジュールPIRが積層されて設けられている。また、インターフェイスブロックS4は、昇降搬送ブロックS2の第1の昇降搬送機構41と略同様に構成されたインターフェイスアーム81〜83を備えている。インターフェイスアーム81は棚ユニットU7の各モジュール間でウエハWを搬送する。インターフェイスアーム82は前記各モジュール間及び前記モジュールと露光後洗浄モジュールPIRとの間でウエハWを受け渡す。インターフェイスアーム83は、図1中Y方向に移動自在に構成され、露光装置S5のウエハWの搬入出部84と、前記受け渡しモジュールCPL31と、受け渡しモジュールTRS35との間でウエハWを受け渡す。
【0049】
この塗布、現像装置1には、例えばコンピュータからなる制御部100が設けられている。制御部100はプログラム、メモリ、CPUからなるデータ処理部などを備えており、前記プログラムには制御部100から塗布、現像装置1の各部に制御信号を送り、ウエハWの搬送と各モジュールでのウエハWの処理を進行させるように命令(各ステップ)が組み込まれている。このプログラム(処理パラメータの入力操作や表示に関するプログラムも含む)は、コンピュータ記憶媒体例えばフレキシブルディスク、コンパクトディスク、ハードディスク、MO(光磁気ディスク)及びメモリーカードなどの記憶媒体に格納されて制御部100にインストールされる。
【0050】
制御部100は、各疎水化処理モジュールADHから、既述のモジュールの動作に異常が発生したことを示す信号を受信したときに、当該モジュールを含む疎水化処理モジュール群において他の疎水化処理モジュールADHにウエハWを搬送するように制御信号を送信する。それによって、信号を送信した疎水化処理モジュールADHは使用不可になり、当該疎水化処理モジュールADHへ搬送されるように設定されていたウエハWは、当該モジュールが属する疎水化処理モジュール群の他の疎水化処理モジュールADHへ搬送されることになる。一の疎水化処理モジュール群のすべての疎水化処理モジュールが、このような動作異常を起こしたり、メンテナンスを行うことで使用不可になった場合に、制御部100は、既述したように後続のウエハWを他の疎水化処理モジュール群に搬送するように第1の昇降搬送機構41の動作を制御する。
【0051】
また、制御部100はウエハWごとに検査モジュール34による検査結果を表示する表示部を備えている。さらに、制御部100はユーザの指示により、第1の疎水化処理モジュール群10A及び当該疎水化処理モジュール群10Aに対応付けられた第1の単位ブロックB1での処理、第2の疎水化処理モジュール群10B及び当該疎水化処理モジュール群10Bに対応付けられた第2の単位ブロックB2での処理を夫々停止することができる。
【0052】
(通常時の搬送)
塗布、現像装置1の通常時のウエハWの搬送経路を説明する。図1で説明したようにウエハWは第1の疎水化処理モジュール群10A及び第1の単位ブロックB1を通過する第1の経路と、第2の疎水化処理モジュール群10B及び第2の単位ブロックB2を通過する第2の経路とに振り分けられる。この振り分けは、例えばキャリアCから払い出された順に交互に行われる。第1の経路、第2の経路で搬送されるように設定されているウエハWを説明の便宜上夫々W1、W2とする。ウエハW1、W2は、互いに同種のモジュールを順番に搬送され、同様の処理を受ける。
【0053】
先ず、ウエハW1の搬送例を説明する。ウエハW1は、キャリアC→受け渡しアーム13→受け渡しモジュールTRS13→第1の昇降搬送機構41の第1のアーム46の順に受け渡され、第1の疎水化処理モジュール群10Aの疎水化処理モジュールADH1〜ADH4のうち、ウエハWが搬入されていないモジュールに搬入されて疎水化処理される。
【0054】
疎水化処理後、ウエハW1は、第1の昇降搬送機構41の第2のアーム47→バッファモジュール31→前記第2のアーム47→受け渡しモジュールCPL11の順に受け渡され、搬送アームA1により第1の単位ブロックB1に搬入される。そしてウエハW1は、反射防止膜形成モジュールBCT→搬送アームA1→加熱モジュール→受け渡しモジュールCPL12→搬送アームA1→レジスト塗布モジュールCOT→搬送アームA1→加熱モジュール→周縁露光モジュールWEE→搬送アームA1→受け渡しモジュールTRS11の順で搬送される。これによって、ウエハW1の表面には下層側から反射防止膜、レジスト膜が、この順に形成される。
【0055】
その後、ウエハW1は第1の昇降搬送機構41の第2のアーム47→受け渡しモジュールCPL15の順に受け渡され、搬送アームA3により第3の単位ブロックB3に搬入される。そしてウエハW1は、保護膜形成モジュールTCT→搬送アームA3→加熱モジュール→搬送アームA3→受け渡しモジュールCPL16→裏面洗浄モジュールBST→受け渡しモジュールTRS31の順に搬送されて、レジスト膜の上層に保護膜が形成され、さらに裏面が洗浄処理された後、インターフェイスブロックS4へと搬入される。
【0056】
前記ウエハW1は、第1のインターフェイスアーム81→バッファモジュール74→第2のインターフェイスアーム82→受け渡しモジュールCPL31→第3のインターフェイスアーム83→露光装置S5の順で搬送され、液浸露光処理を受ける。
【0057】
露光済みのウエハW1は、第3のインターフェイスアーム83→受け渡しモジュールTRS35→第2のインターフェイスアーム3B→露光後洗浄モジュールPIR→バッファモジュール75→第2のインターフェイスアーム82→受け渡しモジュールTRS33の順に搬送される。その後、搬送アームA5により、第5の単位ブロックB5に搬入され、加熱モジュール→受け渡しモジュールCPL19→現像モジュールDEV→搬送アームA5→加熱モジュール→搬送アームA5→受け渡しモジュールCPL20の順で搬送され、現像処理を受ける。
【0058】
その後、昇降搬送ブロックS2における第2の昇降搬送機構42の第2のアーム47により検査モジュール34に搬送されて検査を受け、然る後、第2の昇降搬送機構42の第2のアーム47→アーム入れ替えモジュール33A、33B→第2の昇降搬送機構42の第1のアーム46→バッファモジュール32→前記第1のアーム46→受け渡しモジュールTRS14→受け渡しアーム13→キャリアCの順に搬送される。
【0059】
続いて、第2の疎水化処理モジュール群10B及び第2の単位ブロックB2を通過するように設定されたウエハW2の搬送経路について説明する。ウエハW2は、ウエハW1と同種のモジュールに搬送され、同様の処理を受ける。キャリアCから払い出されたウエハW2は、ウエハW1と同様に第1の昇降搬送機構41の第1のアーム46へ搬送され、その後、第2の疎水化処理モジュール群10Bの疎水化処理モジュールADH5〜ADH8のうち、ウエハW2が搬入されていないモジュールに搬入される。疎水化処理後は、ウエハW1と同様にバッファモジュール31に受け渡された後、第2のアーム47を介して受け渡しモジュールCPL13の順に受け渡され、搬送アームA2により第2の単位ブロックB2に搬入される。
【0060】
ウエハW2は、第1の単位ブロックB1に搬入されたウエハW1と同様に第2の単位ブロックB2内のモジュールを受け渡され、反射防止膜、レジスト膜が順に形成される。ただし、この単位ブロックB2におけるウエハW2の搬送では、上記のウエハW1の搬送と異なり、受け渡しモジュールCPL12の代わりに当該モジュールに対応する受け渡しモジュールCPL14が用いられる。
【0061】
前記各膜の形成後、搬送アームA2により受け渡しモジュールTRS13に搬送されたウエハW2は、第1の昇降搬送機構41の第2のアーム47→受け渡しモジュールCPL17の順に受け渡される。そして、ウエハW2は搬送アームA4により第4の単位ブロックB4に搬入され、第3の単位ブロックB3に搬入されたウエハW1と同様に、第4の単位ブロックB4内のモジュールを受け渡され、保護膜の形成処理、裏面が洗浄処理を順に受け、受け渡しモジュールTRS32を介してインターフェイスブロックS4へと搬入される。ただし、この単位ブロックB4におけるウエハW2の搬送では、上記のウエハW1の搬送と異なり、受け渡しモジュールCPL16の代わりに当該モジュールに対応する受け渡しモジュールCPL18が用いられる。
【0062】
受け渡しモジュールTRS32から第1のインターフェイスアーム81に受け渡された後、ウエハW2はウエハW1と同様に搬送され、露光され、さらに露光洗浄された後、第2のインターフェイスアーム82により受け渡しモジュールTRS34に受け渡される。その後、ウエハW2は、搬送アームA6により第6の単位ブロックB6に搬入され、第5の単位ブロックB5に搬入されたウエハW1と同様に、第6の単位ブロックB6内のモジュールを受け渡され、現像処理を受ける。然る後、ウエハW2は受け渡しモジュールCPL22に搬送され、第2の昇降搬送機構42に受け渡された後はウエハW1と同様に搬送されてキャリアCに戻される。ただし、この単位ブロックB6におけるウエハW2の搬送では、上記のウエハW1の搬送と異なり、受け渡しモジュールCPL19の代わりに当該モジュールに対応する受け渡しモジュールCPL20が用いられる。
【0063】
(第1の単位ブロックB1の処理が停止したとき)
続いて通常の搬送中に、図2に示したように第1の単位ブロックB1が故障やメンテナンスを行うことにより当該ブロックB1での処理が停止した場合について上記のケース1の搬送を説明する。このように処理停止となってもウエハW2の搬送は、通常時と同様に行われる。そして、この処理停止時点において第1の疎水化処理モジュール群10Aに搬送されているウエハW1は、疎水化処理後、バッファモジュール31に搬送され、然る後ウエハW2と同様に第2の単位ブロックB2に搬送されて処理を受ける。また、第1の疎水化処理モジュール群10Aからバッファモジュール31に至るまでの経路にあるウエハW1も同様に、第2の単位ブロックB2に搬入されて処理される。
【0064】
また、処理停止時点においてキャリアCから疎水化処理モジュールADH群までの経路にあるウエハW1は、第2の疎水化処理モジュール群10Bに搬送され、疎水化処理後はウエハW2と同様に受け渡しモジュールCPL13を介して第2の単位ブロックB2に搬送されて処理を受ける。そして、前記処理停止時点から後にキャリアCから払い出されたウエハW1は、ウエハW2と同様に疎水化処理モジュール群10Bに搬送されて処理された後、第2の単位ブロックB2に搬送されて処理を受ける。
【0065】
第2の単位ブロックB2で処理を受けたウエハW1は、第1の昇降搬送機構41により受け渡しモジュールCPL15を介して第3の単位ブロックB3に搬送され、以降は通常時と同様に搬送されて処理を受ける。従って、第1の単位ブロックB1における処理ができなくなった場合のケース1のウエハW1の搬送経路を極めて概略的に述べると、第1の疎水化処理モジュール群10Aに搬送される代わりに第2の疎水化処理モジュール群10Bに搬送され、且つ第1の単位ブロックB1に搬送される代わりに第2の単位ブロックB2に搬送されることになる。
【0066】
また、既述のケース2においては、第1の単位ブロックB1の処理が停止した時点において、疎水化処理モジュール群10Aからバッファモジュール31に至るまでの経路にあるウエハW1はケース1と同様に受け渡しモジュールCPL13を介して第2の単位ブロックB2に搬入される。しかしケース1と異なり、前記第1の単位ブロックB1の処理停止後も、疎水化処理モジュール群10Aへの搬入が続けられる。疎水化処理モジュール群10Aで処理されたウエハW1は、ウエハW2と同様に受け渡しモジュールCPL13を介して第2の単位ブロックB2に搬入され、その後はケース1と同様に搬送される。
【0067】
(第2の単位ブロックB2の処理が停止したとき)
続いて、第2の単位ブロックB2が故障やメンテナンスを行うことによりその処理を停止した場合について、上記のケース3の搬送を説明する。この場合、ウエハW1の搬送が通常時と同様に行われる。そして、この処理停止時点において第2の疎水化処理モジュール群10Bに搬送されているウエハW2は、疎水化処理後にバッファモジュール31に搬送され、その後はウエハW1と同様に第1の単位ブロックB1に搬送されて処理を受ける。また、第2の疎水化処理モジュール群10Bからバッファモジュール31に至るまでの経路にあるウエハW2も同様に、第1の単位ブロックB1に搬入されて処理される。
【0068】
また、処理停止時点においてキャリアCから疎水化処理モジュールADH群までの経路にあるウエハW2は、第1の疎水化処理モジュール群10Aに搬送され、疎水化処理後はウエハW1と同様に第2の単位ブロックB1に搬送されて処理を受ける。そして、前記処理停止時点から後にキャリアCから払い出されたウエハW2は、ウエハW1と同様に第1の疎水化処理モジュール群10Aに搬送されて処理された後、第1の単位ブロックB1に搬送されて処理を受ける。
【0069】
第1の単位ブロックB1で処理を受けたウエハW2は、第2の昇降搬送機構42により受け渡しモジュールCPL17を介して第4の単位ブロックB4に搬送され、以降は通常時と同様に搬送されて処理を受ける。従って、第2の単位ブロックB2における処理ができなくなった場合のウエハW2の搬送経路を極めて概略的に述べると、第2の疎水化処理モジュール群10Bに搬送される代わりに第1の疎水化処理モジュール群10Aに搬送され、且つ第2の単位ブロックB2に搬送される代わりに第1の単位ブロックB1に搬送されることになる。
【0070】
既述のケース4においては、第2の単位ブロックB2の処理が停止した時点において、疎水化処理モジュール群10Bからバッファモジュール31に至るまでの経路にあるウエハWは、ケース3と同様に受け渡しモジュールCPL11を介して第1の単位ブロックB1に搬入される。ただしケース3と異なり、前記第2の単位ブロックB2の処理停止後も、疎水化処理モジュール群10Bへの搬入が続けられる。疎水化処理モジュール群10Bで処理されたウエハWは、同様に受け渡しモジュールCPL11を介して第1の単位ブロックB1に搬入され、後はケース1と同様に搬送される。
【0071】
(第1の疎水化処理モジュール群10Aへ搬送不可のとき)
続いて通常搬送中に、図3に示したように疎水化処理モジュールADH1〜ADH4のすべてが、故障やメンテナンスにより搬送不可になった場合について説明する。この場合は、ウエハW2の搬送は通常時と同様に行われる。その一方で、このように搬送不可になった時点でキャリアCから払い出され、疎水化処理モジュール群までの経路にあるウエハW1は、ウエハW2と同様に疎水化処理モジュール群10Bに搬送され、さらにウエハW2と同様に第2の単位ブロックB2に搬送されて処理を受ける。また、搬送不可になった時点から後にキャリアCから払い出されたウエハW1も、ウエハW2と同様に疎水化処理モジュール群10Bに搬送されて処理された後、第2の単位ブロックB2に搬送されて処理を受ける。
【0072】
前記搬送不可になった時点において、すでに第1の単位ブロックB1及び第1の単位ブロックB1の搬入口である受け渡しモジュールCPL11に搬入されているウエハW1は、通常の搬送時と同様に第1の単位ブロックB1で処理されて第3の単位ブロックB3へと搬送される。また、前記搬送不可になった時点で、疎水化処理モジュールADH1〜ADH4から前記受け渡しモジュールCPL11の前段のバッファモジュール31に至るまでの経路にあるウエハW1は、ウエハW2と同様に第2の単位ブロックB2に搬送される。
【0073】
第2の単位ブロックB2で処理を受けたウエハW1は、第1の昇降搬送機構41により受け渡しモジュールCPL15を介して第3の単位ブロックB3に搬送され、以降は通常時と同様に搬送されて処理を受ける。
【0074】
(第2の疎水化処理モジュール群10Bへ搬送不可のとき)
続いて通常の搬送中に、疎水化処理モジュールADH5〜ADH8のすべてが故障やメンテナンスにより搬送不可になった場合について説明する。この場合は、ウエハW1の搬送は通常時と同様に行われる。その一方で、このように搬送不可になった時点でキャリアCから払い出され、疎水化処理モジュール群までの経路にあるウエハW2は、ウエハW1と同様に疎水化処理モジュール群10Aに搬送され、さらにウエハW1と同様に第1の単位ブロックB1に搬送されて処理を受ける。また、搬送不可になった時点から後にキャリアCから払い出されたウエハW2も、ウエハW1と同様に第1の疎水化処理モジュール群10A及び第1の単位ブロックB1に搬送されて処理を受ける。
【0075】
前記搬送不可になった時点において、すでに第2の単位ブロックB2及び第2の単位ブロックB2の搬入口である受け渡しモジュールCPL13に搬入されているウエハW2は通常の搬送時と同様に第2の単位ブロックB2で処理されて第4の単位ブロックB4へと搬送される。また、前記搬送不可になった時点で、疎水化処理モジュールADH5〜ADH8から前記受け渡しモジュールCPL13の前段のバッファモジュール31に至るまでの経路にあるウエハW2は、ウエハW1と同様に第1の単位ブロックB1に搬送されて処理を受ける。
【0076】
第1の単位ブロックB1で処理を受けたウエハW2は、第2の昇降搬送機構41により受け渡しモジュールCPL17を介して第4の単位ブロックB4に搬送され、以降通常時と同様に搬送されて処理を受ける。また、上記のようにユーザは、前記検査モジュール34の検査結果を参照して、第1の疎水化処理モジュール群10A及び第1の単位ブロックB1の処理、または第2の疎水化処理モジュール群10B及び第2の単位ブロックB2の処理を停止させることができる。つまり、ユーザは通常時の搬送から任意に上記のケース1またはケース3の搬送へ、搬送経路を切り替えることができる。そして、ユーザは、停止させた疎水化処理モジュール群及び単位ブロックにおいて適切な処理を行えなかったモジュールを特定し、修理や交換するなどの対処を行うことができる。
【0077】
そして、このような対処を行う間に、停止させていない疎水化処理モジュール群及び単位ブロックB1またはB2を用いて処理を継続させることができる。このように通常の搬送時において複数の疎水化処理モジュールからなる群を複数設定し、各群から複数設けられた塗布膜形成用の単位ブロックへ搬送経路を予め設定しておくことにより、既述のように処理の異常が起きたときに、どの搬送経路において異常が発生したかを容易に特定することができる。そして、特定した搬送経路での処理を停止させ、他の搬送経路における処理を継続することで、装置の生産性の低下を抑えることができ、さらにウエハWが無駄になることを防ぐことができるという利点がある。
【0078】
この塗布、現像装置1によれば、互いに4基の疎水化処理モジュールADHからなる疎水化処理モジュール群10A、10Bと、2重化された塗布用の単位ブロックである単位ブロックB1、B2とが設けられ、各疎水化処理モジュール群10A、10Bから夫々対応する単位ブロックB1、B2にウエハWを搬送する。このようにウエハWの搬送経路が2つ設けられているため、いずれかの搬送経路における疎水化処理モジュール群または単位ブロックへの搬送ができなくなっても、他の搬送経路を用いてウエハWの搬送を継続できるため装置の稼働効率の低下を抑えることができる。また、疎水化処理モジュール群ごとに搬送先の単位ブロックBが設定されているため、ウエハWの搬送を行う昇降搬送機構41の動作が煩雑化することが抑えられる結果として、スループットの向上を図ることができるし、昇降搬送機構41の動作を制御するプログラムの作成も容易となる。
【0079】
また、上記のケース1、ケース3の搬送においては、単位ブロックB1またはB2においてウエハWの搬送を行えなくなったときに、この搬送を行えなくなった単位ブロックに対応付けられた疎水化処理モジュール群への搬送を停止する。従って、上記のようにウエハWの処理に異常が検出されたときに、原因となるモジュールの特定が容易となる。また、処理ブロックS3の処理能力の低下に合わせて使用する疎水化処理モジュールの数が制限されることで、装置に使用する電力などが無駄になることを抑えることができる。また、疎水化処理モジュール群を構成する一の疎水化処理モジュールが使用不可になっても、当該モジュール群を構成する他のモジュールに搬送されるため、スループットの低下を抑えることができる。
【0080】
ところで、疎水化処理モジュール群と単位ブロックとを対応付けるとは両者を不可分の関係にすることではなく、疎水化処理モジュール群からウエハを搬送する単位ブロックを予め設定しておくことであり、この対応付けを変更する、即ち疎水化処理モジュール群から搬送先の単位ブロックが変更されてもよい。そこで、具体的に制御部100は次のようにウエハWの搬送を制御することができる。図14に示すように第1の疎水化処理モジュール群10Aと第2の単位ブロックB2とが共に使用不可になった場合、疎水化処理モジュール群10Bで処理されたウエハWの搬送先を第1の単位ブロックB1に変更して装置の処理を継続させる。同様に第2の疎水化処理モジュール群10Bと第1の単位ブロックB1とが共に使用不可になった場合、疎水化処理モジュール群10Aで処理されたウエハWの搬送先を第2の単位ブロックB2に変更して装置の処理を継続させる。
【0081】
このように通常の搬送時に対応付けているモジュール群と単位ブロックとが無くなった場合に、対応付けられていなかったモジュール群から単位ブロックBへウエハWの搬送先を例えば制御部100が自動で切り替えることで、装置の生産性の低下を抑えることができる。なお、疎水化処理モジュール群が10A、10B、10Cの3つあり、単位ブロックB1、B2と同様に構成された単位ブロックB7があり、疎水化処理モジュール群10A、10B、10Cに単位ブロックB1、B2、B7が夫々対応付けられた場合について説明する。例えば単位ブロックB1、B3が使用不可になり、疎水化処理モジュール群10Bが使用不可になると、対応しているモジュールと単位ブロックとが無くなる。この場合には稼働中の疎水化処理モジュール群10A、10Cから、稼働中の単位ブロックB2へ搬送が行われることになる。
【0082】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態の塗布、現像装置9について、第1の実施形態との差異点を中心に説明する。第1の実施形態ではレジスト塗布モジュールCOTと反射防止膜形成モジュールBCTとが同じ層に設けられているが、図15に示すように互いに異なる層に設けてもよい。この塗布、現像装置9では、単位ブロックC1、単位ブロックC2に反射防止膜形成モジュールBCTが2基ずつ設けられ、単位ブロックC3、C4にレジスト膜形成モジュールCOTが2基ずつ設けられている。単位ブロックC1〜C4は互いに積層され、液処理モジュールが異なることを除いて第1の単位ブロックB1と同様に構成される。
【0083】
そして単位ブロックC1〜C4上には第1の実施形態で説明した単位ブロックB3〜B6が積層されている。そして、第1の実施形態と同様に、昇降搬送ブロックS2の各単位ブロックに対応する高さには受け渡しモジュールが設けられ、各受け渡しモジュールを介して各単位ブロック間での移動及び疎水化処理モジュール群10A、10Bと各単位ブロックとの間での移動が行われる。
【0084】
通常搬送時に、ウエハW1は第1の疎水化処理モジュール10A群→単位ブロックC1→単位ブロックC3→単位ブロックB3の順で搬送され、以降は第1の実施形態と同様の経路で搬送される。また、通常搬送時にウエハW2は第2の疎水化処理モジュール10B群→単位ブロックC2→単位ブロックC4→単位ブロックB4の順で搬送され、以降は第1の実施形態と同様の経路で搬送される。
【0085】
単位ブロックC1または単位ブロックC3が使用不可になったときは、ウエハW1はウエハW2と共に第2の疎水化処理モジュール10B→単位ブロックC2→単位ブロックC4の経路で搬送され、以降は通常時と同様の搬送経路で搬送される。単位ブロックC2または単位ブロックC4が使用不可になったときは、ウエハW2はウエハW1と共に第1の疎水化処理モジュール10A群→単位ブロックC1→単位ブロックC3の経路で搬送され、以降は通常時と同様の搬送経路で搬送される。
【0086】
第1の疎水化処理モジュール群10Aのすべてのモジュールが使用不可になった場合もウエハW1はウエハW2と共に疎水化処理モジュール10B群→単位ブロックC2→単位ブロックC4の経路で搬送され、以降は通常時と同様の搬送経路で搬送される。第2の疎水化処理モジュール群10Bのすべてのモジュールが使用不可になった場合も、ウエハW2はウエハW1と共に疎水化処理モジュール10A群→単位ブロックC1→単位ブロックC3の経路で搬送され、以降は通常時と同様の搬送経路で搬送される。この第2の実施形態においても第1の実施形態と同様の効果を有する。
【0087】
上記の塗布、現像装置の例では塗布用の単位ブロックが2重化されており、疎水化処理モジュールが2グループある。塗布膜用の単位ブロックが3重化され、疎水化処理モジュールが3グループある塗布、現像装置も、2重化されている塗布用の単位ブロック及び2グループの塗布膜用の単位ブロックを含むことになるため、本発明の権利範囲に含まれる。つまり、前記単位ブロック及び前記グループは2個以上であればよい。単位ブロックのN重化(Nは整数)とはウエハWを処理するモジュール数やモジュールのレイアウトを同じにすることには限られず、各単位ブロックでウエハWに同様の処理を行うことができればよい。また、各グループを構成する疎水化処理モジュールの数は1つ以上であればよい。さらに、ウエハWには反射防止膜を形成せず、各実施形態において、疎水化処理モジュールADHによる処理後に疎水化処理されたウエハW表面にレジスト膜を形成してもよい。
【符号の説明】
【0088】
W ウエハ
ADH 疎水化処理モジュール
BCT 反射防止膜形成モジュール
COT レジスト膜形成モジュール
DEV 現像モジュール
S2 昇降搬送ブロック
S3 処理ブロック
1 塗布、現像装置
100 制御部
A1〜A6 搬送アーム
B1〜B6 単位ブロック
TRS 受け渡しモジュール
CPL 受け渡しモジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャリアブロックにキャリアにより搬入された基板を処理ブロックに受け渡し、この処理ブロックにてレジスト膜を含む塗布膜を形成した後、前記処理ブロックに対してキャリアブロックとは反対側に位置するインターフェイスブロックを介して露光装置に搬送し、前記インターフェイスブロックを介して戻ってきた露光後の基板を前記処理ブロックにて現像処理して前記キャリアブロックに受け渡す塗布、現像装置において、
a) 前記処理ブロックは、前記塗布膜を形成するための薬液を基板に供給する液処理モジュールと、薬液を塗布した後の基板を加熱する加熱モジュールと、これらモジュール間で基板を搬送するために、キャリアブロックとインターフェイスブロックとを結ぶ直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えた塗布用の単位ブロックを互に上下に積層して、N(Nは2以上の整数)重化した積層体を含み、
b) 前記N重化された塗布用の単位ブロックは、互に同一の塗布膜が形成されるように構成され、
c) 前記キャリアブロックと処理ブロックとの間に昇降搬送ブロックを設け、この昇降搬送ブロックは、前記N重化された塗布用の単位ブロックに対して夫々対応付けられ、前記塗布膜を形成する前の基板に対して疎水化処理するためのNグループの疎水化モジュールと、前記Nグループの疎水化モジュールから夫々対応する塗布用の単位ブロックに基板を受け渡すように制御される受け渡し機構と、を備え、
d) 前記Nグループの各々は、互に同数の疎水化モジュールが含まれていることを特徴とする塗布、現像装置。
【請求項2】
前記N重化された塗布用の単位ブロックのいずれかが停止したときには、当該停止した塗布用の単位ブロックに対応するグループに属する疎水化モジュールに対する基板の受け渡しを停止し、その他のグループに属する疎水化モジュールに対しては基板の受け渡しを行うように受け渡し機構が制御されることを特徴とする請求項1記載の塗布、現像装置。
【請求項3】
前記N重化された塗布用の単位ブロックのいずれかが停止すると共に、前記Nグループのうち使用可能な塗布用単位ブロックに対応付けられたグループが停止したときに、
使用可能なグループから対応付けられていない前記使用可能な塗布用の単位ブロックへ基板の搬送先を切り替えるように受け渡し機構が制御されることを特徴とする請求項1または2記載の塗布、現像装置。
【請求項4】
前記塗布用の単位ブロックは、
基板に反射防止膜形成用の薬液を供給して下層側の反射防止膜を形成する下層用の液処理モジュールと、前記反射防止膜の上にレジスト液を供給してレジスト膜を形成する液処理モジュールと、基板を加熱する加熱モジュールと、これらモジュール間で基板を搬送するために、キャリアブロックとインターフェイスブロックとを結ぶ直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えた前段処理用の単位ブロックと、
前記前段処理用の単位ブロックに対して積層され、レジスト膜が形成された基板に上層側の膜形成用の薬液を供給して上層側の膜を形成する上層用の液処理モジュールと、基板を加熱する加熱モジュールと、これらモジュール間で基板を搬送するために、キャリアブロックとインターフェイスブロックとを結ぶ直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えた後段処理用の単位ブロックと、を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の塗布、現像装置。
【請求項5】
キャリアブロックにキャリアにより搬入された基板を処理ブロックに受け渡し、この処理ブロックにてレジスト膜を含む塗布膜を形成した後、前記処理ブロックに対してキャリアブロックとは反対側に位置するインターフェイスブロックを介して露光装置に搬送し、前記インターフェイスブロックを介して戻ってきた露光後の基板を前記処理ブロックにて現像処理して前記キャリアブロックに受け渡す塗布、現像装置において、
a) 前記処理ブロックは、前記塗布膜を形成するための薬液を基板に供給する液処理モジュールと、薬液を塗布した後の基板を加熱する加熱モジュールと、これらモジュール間で基板を搬送するために、キャリアブロックとインターフェイスブロックとを結ぶ直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えた塗布用の単位ブロックを互に上下に積層して、N(Nは2以上の整数)重化した積層体を含み、
b) 前記N重化された塗布用の単位ブロックは、互に同一の塗布膜が形成されるように構成され、
c) 前記キャリアブロックと処理ブロックとの間に昇降搬送ブロックを設け、この昇降搬送ブロックは、前記N重化された塗布用の単位ブロックに対して夫々対応付けられ、前記塗布膜を形成する前の基板に対して疎水化処理するためのNグループの疎水化モジュールと、前記Nグループの疎水化モジュールから夫々対応する塗布用の単位ブロックに基板を受け渡すように制御される受け渡し機構と、を備え、
d) 前記Nグループの各々は、互に同数の疎水化モジュールが含まれていることを特徴とする塗布、現像装置に用いられる塗布、現像方法において、
前記N重化された塗布用の単位ブロックのいずれかが停止したときには、当該停止した塗布用の単位ブロックに対応するグループに属する疎水化モジュールに対する基板の受け渡しを停止する工程と、
その他のグループに属する疎水化モジュールに対しては基板の受け渡しを行う工程と、
を含むことを特徴とする塗布、現像方法。
【請求項6】
前記N重化された塗布用の単位ブロックのいずれかが停止すると共に、前記Nグループのうち使用可能な塗布用単位ブロックに対応付けられたグループが停止したときに、
使用可能なグループから対応付けられていない前記使用可能な塗布用の単位ブロックへ基板の搬送先を切り替える工程を含むことを特徴とする請求項5記載の塗布、現像方法。
【請求項7】
前記塗布用の単位ブロックは、
基板に反射防止膜形成用の薬液を供給して下層側の反射防止膜を形成する下層用の液処理モジュールと、前記反射防止膜の上にレジスト液を供給してレジスト膜を形成する液処理モジュールと、基板を加熱する加熱モジュールと、これらモジュール間で基板を搬送するために、キャリアブロックとインターフェイスブロックとを結ぶ直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えた前段処理用の単位ブロックと、
前記前段処理用の単位ブロックに対して積層され、レジスト膜が形成された基板に上層側の膜形成用の薬液を供給して上層側の膜を形成する上層用の液処理モジュールと、基板を加熱する加熱モジュールと、これらモジュール間で基板を搬送するために、キャリアブロックとインターフェイスブロックとを結ぶ直線搬送路上を移動する単位ブロック用の搬送機構と、を備えた後段処理用の単位ブロックと、を備えたことを特徴とする請求項6記載の塗布、現像方法。
【請求項8】
塗布、現像装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項5ないし7のいずれか一つに記載の塗布、現像方法を実施するためのものであることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−199318(P2012−199318A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61422(P2011−61422)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】