説明

塗布具用キャップ

【課題】 極めて簡単な構造によって、キャップ本来の塗布部の気密保持を行うと共に、誤って飲み込んだ場合の安全性を確保する塗布具用キャップを提供する。
【解決手段】 一端が閉塞された筒体11で形成され、塗布具の本体部に装着して塗布部を気密保持する塗布具用キャップ10において、筒体11の外周部11aの一部に突出部12を設けた構成とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボールペンやサインペンなどの種々の塗布具に装着されるキャップに係り、更に詳しくは、構造を簡略化させつつ誤って飲み込んだ場合における空気流路を確保して安全性を向上させたものに関する。
【背景技術】
【0002】
近時、ボールペンやサインペン、マーカなどの塗布具が普及しており、デザインに趣向を凝らした種々の形のものが使用されている。このような塗布具は、本体部にキャップを装着することにより、本体部先端に設けられた塗布部の乾燥を防ぐと共に保護するようにされている。
このような塗布具のキャップは形状が小さいため、幼児や子供が手にとって遊ぶことが多く、誤って飲み込んで窒息するような事故の要因になることがある。
【0003】
そこで、このような塗布具では、誤ってキャップを飲み込んで喉や気管につかえた場合でも、所定の空気流路を確保できるような形状とすることが安全性規格で義務づけられている。
則ち、誤って飲み込んだ場合でも、所定の空気流路を介して呼吸を維持させつつ、その間に必要な処置を行うことにより、安全性を確保するようにされている。このように、尊い命を守るべく安全性規格に準拠した塗布具が製品化されている。
【0004】
ところで、塗布具のキャップは、前記したように本体部に装着されて、本体部先端に設けられた塗布部の乾燥を防ぐと共に保護するものである。このため、塗布部に対しては気密性が要求される。一方、キャップを飲み込んだときの空気流路を確保しなければならない。則ち、キャップを本体部に装着したときには、キャップの内部空間と外部とが連通してはならず、しかも、キャップ単体では、開口側を除いてキャップの内部空間と外部とを連通させなければならない。このように、キャップに要求される気密性の機能と安全性とが相反するものであった。
そこで、相反する条件を満足するべく、二重構造のキャップが用いられるようになった。
この二重構造のキャップは、塗布部の乾燥を防ぐための内筒部と、内筒部を内包する外筒部とを有した二重構造を有し、内筒部と外筒部との間に隙間を設けて空気流路を確保するものである。この二重構造のキャップは、一般に合成樹脂材を射出成形して一体化して形成されるものが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平4−104487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、前記した二重構造のキャップは、気密性のみを考慮したキャップに比べて構造が極めて複雑になり、金型の複雑化に伴ってコストの増加を招き、製造を困難なものにしていた。
また、このような内筒部と外筒部とを有した二重構造のキャップは、円筒形の外形を有するものが多く、喉などにつかえにくいため、誤って飲み込んでしまうと、途中でつかえずに体内に深く入り込み易い不具合があった。
【0007】
本発明は、従来のこのような問題点に鑑みて提案されるもので、極めて簡単な構造で、キャップ本来の塗布部の気密保持を行うと共に、誤って飲み込んだ場合でも空気流路を確保することのできる塗布具用キャップを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために提案される本発明は、一端が閉塞された筒体で形成され、塗布具の本体部に装着して塗布部を気密保持する塗布具用キャップにおいて、筒体の外周部の一部に突出部を設けた構成としている。
【0009】
キャップが筒体だけで構成されたものでは、筒体の外周部は滑らかであり、誤って飲み込むと、喉などでつかえずに体内に深く入り込み、気管まで達してしまう虞がある。
しかし、本発明のキャップは、筒体の外周部の一部に突出部を設けている。則ち、筒体の外周部は滑らかであるが、突出部を設けることで引っ掛かりを生じさせている。特に、本発明では、筒体の外周部の全長に渡って突出部を設けるのではなく、外周部の一部分だけに突出部を設けている。
これにより、筒体の外周部と突出部との間に段部が形成され、喉や気管などの内径の異なる部分でつかえ易くしている。
【0010】
一方、誤って飲み込んだキャップが喉や気管でつかえると、筒体に設けられた突出部によって、喉壁や気管壁が押し広げられる。これにより、筒体の外周部と喉壁や気管壁との間に隙間が生じ、この隙間を介して空気流路が形成されて呼吸を維持させることが可能となる。
則ち、従来のキャップが内部空間と外部とを連通させる空気流路を確保するものであったのに対して、本発明のキャップは、キャップの外周部に沿った空気流路を確保する点に特徴を有するものである。これにより、複雑な2重構造を採る必要がなく、構造が極めて単純になる。
【0011】
また、本発明のキャップは、筒体の一端が閉塞されているので、キャップ本来の機能、則ち、塗布具の本体部に装着して塗布部を気密保持すると共に保護することが可能である。
更に、筒体の外周部に突出部を設けることにより、キャップ単体の転がり、あるいは、キャップを本体部へ装着したときの塗布具自体の転がりを防止する効果を奏する。
【0012】
前記本発明において、突出部は、筒体の開口側の近傍に設けた構成とすることができる。
筒体の開口側近傍の外周部にだけ突出部を設けることにより、喉や気管などの内径が変化する部分や、管が曲がった部分で突出部がつかえ易くなる。
これにより、誤って、キャップの開口側あるいは閉塞端側のいずれの方向から飲み込んでも、筒体の突出部が喉壁や気管壁につかえて、体内の奥へ入り込むことが抑止される。
また、閉塞端側から飲み込んだキャップを引き出す場合、突出部同士の間の隙間と筒体の内周部との間にピンセットなどを差し込んで掴むことができる。これにより、キャップを掴もうとして、キャップ自体が更に体内に押し込まれるような不具合が低減する。
突出部は、筒体の開口側の近傍以外にも、閉塞端側や中央部に設けることもできる。
【0013】
前記本発明において、一端が筒体の外周部に固定され、他端が筒体の開口側へ向けて略軸方向へ沿って延伸するクリップを設けた構成とすることができる。
クリップの端部は、筒体の外周部の適宜の位置に固定することができる。
例えば、クリップの端部を筒体の開口側近傍に固定し、筒体の開口側へ向けて軸方向へ沿って延伸させることができる。また、クリップの端部を筒体の閉塞端側近傍に固定し、筒体の開口側へ向けて延伸させても良い。また、クリップの端部を筒体の中央部、則ち、開口側と閉塞端側との途中に固定することも可能である。
【0014】
筒体にクリップを設けることにより、塗布具をポケットなどに固定できるのは勿論であるが、更なる効用として、誤って飲み込んだ場合の体内への侵入が抑制される点が挙げられる。
則ち、口から喉を通って気管に至る流路は、直線状ではなく曲がっている。このため、直線状でできるだけ長い形状の物ほど、誤って飲み込んだ場合に体内に入り込み難い。
【0015】
本発明のキャップは、クリップが筒体から延伸するように設けられるので、筒体だけの場合に比べてキャップの全長が増大し、体内へ入り込み難くなる。
また、キャップを筒体の閉塞端側から誤って飲み込んだ場合には、クリップの先端部をピンセットなどで掴んで引き出し易い。逆に、キャップをクリップ側から飲み込んだ場合は、筒体の閉塞端側から飲み込んだ場合に比べてクリップの先端部や突出部が喉壁などにつかえ易く、一層体内に入り込み難い。
また、筒体にクリップを設けるので、突出部だけを設ける場合に比べてキャップ自体が一層転がり難くなり、キャップを本体部に装着した場合にも同様に塗布具の転がりを防止できる。
【0016】
前記本発明において、突出部は、突起で形成される構成とすることができる。
前記したように、本発明のキャップでは、突出部が2つの機能を有する。
則ち、突出部は、キャップが喉壁や気管壁につかえたときに、喉壁などを押し広げるように当接して筒体の外周部と喉壁との間に隙間を作る機能と、筒体の表面に引っ掛かりを持たせる機能とを有する。
従って、これらの機能を有するものであれば、突起(突出部)は、筒体の外周部の一部に適宜に配することができる。突起の数は1つでも良く、また、外周部に沿って複数設けることもできる。
また、突起の形状は、例えば、円筒形状、角柱形状、円錐形状などの種々の形状を採ることができる。
突起の先端部は、鋭利なほど、誤って飲み込んだときに喉壁などに引っ掛かり易いが、逆に、喉壁などを傷つけ易い。また、塗布具の使用時におけるキャップの触感も考慮して、突起の先端部は適宜の丸みを持たせるのが良い。
【0017】
前記本発明において、突出部は、略軸方向または略周方向へ向けて突設される所定長のリブで形成される構成とすることができる。
前記したように、突出部に要求される機能は、喉壁などを押し広げて筒体の外周部と喉壁との間に隙間を作る機能と、筒体の表面に引っ掛かりを持たせる機能であった。従って、このような機能を有する形状であれば、突出部は、前記した突起に限らず、リブを用いて形成することもできる。
【0018】
リブを略軸方向へ向けて突設する場合、例えば、所定長のリブを筒体の開口側端部から軸方向(閉塞端側)へ向けて筒体の外周部に配することができる。また、軸方向へ向いた同一形状のリブを、外周部に放射状に複数並べて配することができる。このようにリブを軸方向へ向けて設けることにより、リブによって喉壁などを押し広げ、リブと筒体の外周部との間に隙間を生じさせて空気流路を形成することができる。
【0019】
一方、リブを略周方向へ向けて突設する場合、例えば、所定長のリブを筒体の外周部の周方向へ向けて配することができる。また、同一形状のリブを、リブの端部同士の間に所定の間隔をあけて軸に対して放射状に複数配することができる。また、周方向へ向けて設けたリブと同一形状のリブを、軸方向へ向けて複数列並べて配することも可能である。
このようにリブを周方向へ向けて設けることにより、リブによって喉壁などを押し広げ、リブの端部と筒体の外周部との間に隙間を生じさせて空気流路を形成することができる。
【0020】
前記本発明において、キャップの最大外接円の直径が、筒体の最大外径の1.25倍以上である構成とすることができる。
ここで、本発明のキャップでは、筒体の外周部に突出部あるいはクリップを設けているので、突出部が設けられた部位、または、突出部およびクリップが設けられた部位において最大外接円が得られる。この最大外接円の直径が、筒体の最大外径の1.25倍以上である構成とすることができる。
前記したように、突出部は、喉壁などを押し広げて筒体の外周部と喉壁との間に隙間を作る機能と、筒体の表面に引っ掛かりを作る機能を有するものであり、クリップも同様の機能を有する。
従って、突出部の高さあるいはクリップの高さ(厚さ)が増大するに連れて、隙間が広がり、引っ掛かり易くなる。
【0021】
ところで、キャップを誤って飲み込んで喉や気管につかえた場合に、形成される空気流路は、キャップに弾性チューブなどを被せて等価的に評価できる。
例えば、キャップ全体に、キャップの最大外径の80%〜85%の内径を有する弾性チューブ(シリコンチューブなど)を被せ、この状態で所定の空気流量が得られる空気流路を確保することによって等価的に安全性を評価できる。
則ち、キャップの筒体の最大外径がキャップの最大外径の80%未満であれば、キャップの最大外径の80%の内径を有するチューブを被せると、筒体の外周部とチューブ内壁との間に隙間を生じさせて空気流路を形成することができる。
言い換えれば、キャップの最大外径が筒体の最大外径の1.25倍以上であれば、喉壁などとの間に隙間を生じさせることが可能である。
【0022】
従って、突出部が設けられた部位、または、突出部およびクリップが設けられた部位の最大外接円の直径は、空気流路を確保するために、筒体の最大外径の1.25倍以上であれば良い。
最大外接円の直径が筒体の最大外径の1.25倍に満たないとき、則ち、突出部やクリップの高さが充分でないときは、筒体の外周部と喉壁などとの間に充分な隙間が確保できず、空気流路が形成されない虞が生じる。また、1.25倍に満たない形状ではクリップや突出部の高さが充分でないために、筒体の表面の引っ掛かりとしての効果も低減する。
【0023】
前記本発明において、キャップの最大外接円の直径が、筒体の最大外径の1.3倍以上である構成とすることができる。
前記したように、キャップの最大外径の80%の内径を有するチューブをキャップに被せた場合に、キャップの最大外接円の直径が、筒体の最大外径の1.25倍以上であれば空気流路を確保できる。しかし、キャップの最大外接円の直径を、筒体の最大外径の1.3倍以上とすることが望ましい。
キャップの最大外接円の直径が、筒体の最大外径の1.3倍以上であれば、キャップにチューブを被せた場合に、一層大きな隙間が形成され、安定した空気流路を確保することができる。また、筒体の表面の引っ掛かりとしての効果も更に増大する。
【0024】
前記本発明において、クリップの最大幅が、隣接する突出部同士の間で形成される隙間の最小幅、あるいは、隣接する突出部とクリップの間で形成される隙間の最小幅のいずれよりも小さい構成とすることができる。
キャップの製造工程において、一時的に多数のキャップを1つの容器に収納することがある。このとき、キャップのクリップが、別のキャップの突出部同士の間の隙間に入り込んだり、あるいは、別のキャップの突出部とクリップの間の隙間に入り込んで繋がった状態となり、製造工程における作業能率を低下させることがある。
本発明のキャップによれば、クリップの最大幅が隙間の最小幅よりも小さくなるようにキャップが形成される。これにより、クリップ同士が繋がるような不具合がなくなり、作業能率の低下が防止される。
【0025】
前記本発明において、筒体の内周部には、本体部の周部と当接または係合して気密を保持する少なくとも1以上の気密環が設けられており、突出部およびクリップの端部は、気密環の設けられた部位を除く筒体の外周部に設けられる構成とすることができる。
塗布具のキャップは、本来、本体部に装着して塗布部を気密保持しつつ保護する物である。
キャップを本体部に被せて塗布部の気密を保持させるには、キャップの内周部と、キャップが嵌合する本体部の外周部との形状を一致させるように精密に製造する必要が生じる。
【0026】
このため、キャップおよび本体部を合成樹脂材を射出成形して製造するような場合、成形品に高い寸法精度が要求され、金型の作成が困難になる。
そこで、例えば、キャップの筒体の内周部に僅かに突出させた気密環を周方向へ向けて全周に渡って設け、キャップを本体部に嵌合させたときに、若干のテーパを設けた本体部によって気密環を僅かに弾性変形させつつ本体部の外周部に押圧して、高い気密性を得る構成が採られる。このため、キャップの筒体の内周部に設ける気密環には真円度が要求される。
ところが、筒体の気密環を設けた部位の外周部に、部分的に突起やリブなどを設けると、射出成形時にヒケや気泡が発生し易く、気密環の真円度が著しく損なわれる。
【0027】
しかし、本発明のキャップによれば、筒体の外周部に設ける突出部(突起やリブ)あるいはクリップの端部は、気密環の設けられた部位を除く筒体の外周部に設けられる。これにより、射出成形によって気密環の真円度が損なわれることがなく、高い気密性を確保することができる。
【0028】
また、前記本発明において、突出部またはクリップの少なくともいずれか一方は、筒体と一体的に成形される構成とすることができる。
本発明のキャップは、前記したように、筒体の外周部に突出部を設けた構成、あるいは、筒体の外周部に突出部およびクリップを設けた構成である。
従って、筒体と突出部やクリップを別々に作り、筒体に突出部やクリップを接合してキャップを製造することもできる。しかし、製造に手間が掛かり作業効率が悪い。
本発明のキャップは、前記したように極めて単純な構成であるので、例えば、合成樹脂材を射出成形して形成する場合、金型の製作も容易である。
筒体、突出部およびクリップを一体化して成形することにより、製造コストを低減し、作業効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の塗布具用キャップによれば、極めて簡単な構造によって、体内に深く入り難く、引き出し易い形状で、しかも、喉や気管につかえたときには空気流路を確保することが可能となる。また、キャップ本来の機能である気密性にも優れている。これにより、安全性を確保し、省コスト化が図れ、作業効率を向上させた塗布具用キャップを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】(a)は本発明の第1実施形態に係るキャップの斜視図、(b)は(a)のA方向矢視図、(c)は(a)のB−B矢視断面図である。
【図2】(a)は図1に示すキャップをチューブに通した状態で形成される空気流路を示す断面図、(b)は(a)のA方向矢視図である。
【図3】図1に示すキャップを飲み込んだ状態を示す断面図である。
【図4】図1に示すキャップを塗布具の本体部へ装着した状態を示す断面図である。
【図5】(a)〜(d)は、図1に示すキャップにおいて、リブ(突出部)を設ける数を変化させた例を示す説明図である。
【図6】(a)は本発明の第2実施形態に係るキャップの斜視図、(b)は(a)のA方向矢視図、(c)は(a)のB−B矢視断面図である。
【図7】(a)は図6に示すキャップをチューブに通した状態で形成される空気流路を示す断面図、(b)は(a)のA方向矢視図である。
【図8】(a)〜(d)は、図6に示すキャップにおいて、リブ(突出部)を設ける数を変化させた例を示す説明図である。
【図9】(a)は図8(c)に示すキャップのクリップが、隙間に挟まる状態を示す説明図、(b)はクリップが隙間に挟まらない形状を示す説明図である。
【図10】本発明の別の実施形態のキャップを示す正面図、側面図および底面図である。
【図11】本発明の別の実施形態のキャップを示す正面図、側面図および底面図である。
【図12】本発明の別の実施形態のキャップを示す正面図、側面図および底面図である。
【図13】本発明の別の実施形態のキャップを示す正面図、側面図および底面図である。
【図14】(a),(b)は、突出部(突起)を設けた別の実施形態のキャップを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0032】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態の塗布具用キャップ10を示すもので、図1(a)は塗布具用キャップ10を示す斜視図、図1(b)は(a)のA方向矢視図、図1(c)は(a)のB−B矢視断面図である。
キャップ10は一端が閉塞された円筒形の筒体11の外周部11aに、4本の突出部(リブ)12を設けた形状である。
【0033】
詳細に説明すると、筒体11の一端は閉塞されて閉塞端11bを形成しており、閉塞端11bは半球形状である。筒体11の他端は開放されて開口11cを形成している。この筒体11は開口11c側の外径に対して閉塞端11b側の外径が僅かに小さくなるように形成されている。
開口11c側の外周部11aには、開口11cの端部からキャップ10の軸方向へ向けて短いリブ12が、周方向へ90度の間隔をおいて4本突設されている。
リブ12は、短い角柱片形状であり、表面は面取が施されて丸みを帯びている。このリブ12は、開口11c側から閉塞端11b側に向かうに連れて高さが僅かに減少する形状である。また、各々のリブ12の開口11c側の端部には、半球形の飾り玉11aが設けられている。
【0034】
このキャップ10では、キャップ10の外径寸法と筒体11の外径寸法との間に所定の関係を持たせた形状としている。
則ち、図1(b)に示すように、筒体11の最大外径寸法(開口11c端部における外径寸法)をφBとし、キャップ10の最大外接円の直径(リブ12が設けられた部位の最大外接円の直径)をφAとすると、φAがφBの1.3倍以上(本実施例では1.4倍)の寸法となるようにしている。これにより、後述するように、キャップ10を誤って飲み込んだときの空気流路が確保されるようにしている。
【0035】
また、図1(c)に示すように、筒体11の内部は空洞であり、後述する塗布具本体と嵌合して塗布部を気密保持する気密室11eが形成されている。
筒体11は、開口11c端部から閉塞端11bに向かうに連れて僅かに内径寸法が減少する形状である。そして、開口11c近傍の内周壁11dにおけるリブ12に対応した部位に、内部に僅かに突出した4つの係合突起11gが設けられている。
また、筒体11の長さ方向の略中央部には、内周壁11dから僅かに内部へ突出した3本の気密環11fが、内周方向へ向けて設けられている。
更に、筒体11の閉塞端11bの内部には、後述する塗布部の先端を保護する球形の保護部材13を保持するリブ11hが、開口11c側へ向けて4カ所に設けられている。このリブ11hは開口11c側から閉塞端11b側に向かうに連れて傾斜した傾斜部と、傾斜部から閉塞端11b側の間に至る所定高さの保持部で形成されている。
【0036】
このような構成のキャップ10を誤って飲み込んだ場合に形成される空気流路を、図2を参照して説明する。
図2(a)は、キャップ10にシリコンチューブを被せた場合に形成される空気流路を示す断面図、図2(b)は(a)のA方向矢視図である。
キャップ10が喉や気管につかえた状態は、シリコンチューブTをキャップ10全体に被せた状態で等価することができる。この例では、キャップ10の最大外径φAの80%の内径を有するシリコンチューブTをキャップ10に被せた状態で、形成される空気流路の評価を行っている。
【0037】
前記したように、キャップ10の最大外径寸法φAは、筒体11の最大外径寸法φBの1.4倍としているので、φBはφAの71%の寸法である。
従って、キャップ10に、最大外径の80%の内径を有するシリコンチューブTを被せると、リブ12によってシリコンチューブTが押し広げられると共に、筒体11の外周部11aとシリコンチューブTとの間に隙間1aが生じる。
則ち、シリコンチューブTの上流側と下流側は、キャップ10の筒体11の外周部11aに沿って生じる隙間1aで形成される空気流路Lを介して連通する。これにより、キャップ10を誤って飲み込んで喉や気管に詰まっても、空気流路Lを介して呼吸を維持させつつ必要な処置を行うことが可能となる。
【0038】
また、キャップ10に設けられたリブ12は、空気流路Lを形成する機能以外にも、誤って飲み込んだキャップ10が体内へ深く入り込むことを抑制する働きがある。
図3は、キャップ10を口30から飲み込んで喉31の近傍でつかえた状態を示す断面図である。図から分かるように、喉31や気管32は湾曲しており、内径も変化している。従って、キャップ10を飲み込むと、外周部11aとリブ12とで形成される段部が喉壁や気管壁につかえ易く、キャップ10が体内に深く入り込むことが抑止される。
また、図3に示したような状態で喉31につかえたときは、例えば、ピンセットなどを用い、リブ12同士の間で形成される隙間と筒体11の内周壁との間に差し込むようにして掴んで引き出すことができる。これにより、キャップ10を掴むために、キャップ10自体が更に奥に押し込まれる不具合が低減する。
【0039】
図4は、本実施形態のキャップ10を塗布具1の本体部20へ装着した状態を示す断面図である。
塗布具1の本体部20は、筒状の本体軸21の先端部に塗布部22を嵌入させて形成される。本体軸21は、大径部21aと先端の小径部21bを有し、大径部21aの近傍の小径部21bには、外周部の周方向へ向けて僅かに突出させた係合環21cが設けられている。また、小径部21bは先端に向かうに連れて僅かに外径が小さく形成されている。
また、塗布部22は円錐形状を有し、先端に筆記用ボール22aが装着されている。
【0040】
このような構成の塗布具1では、本体部20の本体軸21をキャップ10へ嵌入させると、本体軸21の小径部21bの外周部がキャップ10に設けられた気密環11fに当接しながら僅かに押し広げるようにして嵌入される。そして、本体軸21に設けられた係合環21cが、キャップ10に設けられた係合突起11gを乗り越えるようにして嵌入されると、本体軸21の大径部21aの端部がキャップ10の開口11cの端部に当接して装着が完了する。
【0041】
この状態では、本体軸21の小径部21bの外周部は、キャップ10の気密環11fを押圧するようにして当接し、気密室11eの気密性が確保される。また、筆記用ボール22aは保護部材13に当接して保護される。
本実施形態の塗布具1は、キャップ10および本体部20を合成樹脂材を射出成形することによって形成している。則ち、キャップ10は筒体11およびリブ12を一体的に成形されており、また、本体部20は、本体軸21と塗布部22とを別々に成形し、本体軸21に塗布部22を嵌入させて作られている。
【0042】
ところで、塗布部22の乾燥を防ぐためには、キャップ10の気密環11fが本体軸21の小径部21bの外周部に密接するように、気密環11fの真円度を向上させる必要がある。
本実施形態のキャップ10では、前記したように、リブ12を開口11c近傍の外周部に設けている。則ち、リブ12を気密環11fの設けられた部位から離れた位置に設けている。これにより、キャップ10の射出成形時において、リブ12によって生じるヒケのために気密環11fの真円度が損なわれることがない。
【0043】
このように、本実施形態のキャップ10によれば、筒体の11の外周部11aの一部にリブ12を設けただけの極めて簡単な構成にも拘わらず、飲み込んで喉などにつかえたときの空気流路を確保でき、しかも、体内に深く入り込むことが抑止され、引っ張り出し易い効果を奏する。また、キャップ本来の機能である、塗布部22の気密保持についても充分な性能を確保することができる。
【0044】
ここで、本実施形態のキャップ10では、筒体11の外周部11aに4つのリブ(突出部)12を設けた構成としたが、リブ12の数は適宜の数を設けることができる。
例えば、図5(a)に示すように、筒体11の外周部11aに中心軸に対して対向するように2つのリブ12を配した構成とすることができる。また、図5(b)〜(d)に示すように、筒体11の外周部11aに3本のリブ12を設けたり、あるいは、5本または6本以上のリブ12を設けた構成としても良い。
【0045】
(第2実施形態)
次に、キャップにクリップを備えた第2実施形態のキャップ10’を、図6を参照して説明する。
図6(a)はクリップを備えた塗布具用キャップ10’を示す斜視図、図6(b)は(a)のA方向矢視図、図6(c)は(a)のB−B矢視断面図である。
本実施形態のキャップ10’は、前記図1で示したキャップ10の構成において、4本のリブ12の内の1本のリブ12をクリップに置き換えた構成としており、同一構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0046】
キャップ10’は、図6(a)で示すように、図1で示したキャップ10の1つのリブ12に対応する部分に、クリップ14の一端14aを固定し、クリップ14の他端14bは筒体11の開口11c側へ向けて軸方向へ沿って延伸させた形状である。
このキャップ10’においても、図6(b)に示すように、筒体11の最大外径寸法(開口11c端部における外径寸法)をφBとし、キャップ10’の最大外接円の直径(クリップ14およびリブ12が設けられた部位の最大外接円の直径)をφAとすると、φAがφBの1.3倍以上(本実施例では1.4倍)の寸法となるように形成される。これにより、キャップ10’を誤って飲み込んだときの空気流路を確保する形状とされている。
【0047】
このような構成のキャップ10’を誤って飲み込んだ場合に形成される空気流路を、図7を参照して説明する。
図7(a)は、キャップ10’にシリコンチューブを被せた場合に形成される空気流路を示す断面図、図7(b)は(a)のA方向矢視図である。
本実施形態においても、前記したように、キャップ10’の最大外径寸法(最大外接円の直径)φAは、筒体11の最大外径寸法φBの1.4倍とされている。言い換えれば、筒体11の最大外形寸法φBは、キャップ10’の最大外接円の直径φAの71%の寸法である。
【0048】
従って、キャップ10’に、最大外径寸法φAの80%の内径を有するシリコンチューブTを被せると、クリップ14およびリブ12によってシリコンチューブTが押し広げられると共に、筒体11の外周部11aとシリコンチューブTとの間に隙間1aが生じる。
これにより、キャップ10を誤って飲み込んで喉や気管に詰まっても、隙間1aによって空気流路Lを形成し、呼吸を維持させつつ必要な処置を行うことが可能となる。
【0049】
また、クリップ14を設けることにより、前記図1に示したキャップ10に比べてキャップ10’の全長が略2倍に増大する。これにより、誤って飲み込んだ場合でも、キャップ10’が曲がった喉や気管につかえて体内へ深く入り込むことが一層抑止される。
また、キャップ10’を筒体11の閉塞端11b側から誤って飲み込んでも、クリップ14およびリブ12と筒体11の外周部11aとで形成される段部が喉や気管の内壁につかえ易い。これにより体内へ深く入り込むことが阻止される。 また、ピンセットなどを用いてクリップ14を掴んで引き出すことができる。これにより、キャップ10’を掴もうとして、キャップ10’自体を更に奥に押し込んでしまうような不具合が低減する。
また、キャップ10’をクリップ14側から誤って飲み込んだ場合でも、クリップ14の端部14bやリブ12の端部が喉壁や気管壁につかえ易く、体内に深く入り込み難い。
【0050】
ここで、本実施形態のキャップ10’では、筒体11の外周部11aにクリップ14と3本のリブ(突出部)12を設けた構成としたが、リブ12の数は適宜の数を設けることができる。
例えば、図8(a)に示すように、筒体11の外周部11aに、クリップ14に対向するようにリブ12を1本だけ配した構成とすることができる。また、図8(b)〜(d)に示すように、筒体11の外周部11aにクリップ14と2本のリブ12を設けたり、あるいは、クリップ14と4本または5本以上のリブ12を設けた構成としても良い。
【0051】
ところで、塗布具を製造する過程において、成形された多数のキャップ10’を一時的に1つの容器に収容する場合がある。
例えば、図8(c)に示したような、筒体11の外周部11aにクリップ14と4本のリブ12とを設けた構成のキャップ10’を、容器に多数収容する工程が生じる。
このような場合、図9(a)に示すように、キャップ10’のクリップ14の一端14aとリブ12との間に形成される隙間d1、あるいは、リブ12同士の間に形成される隙間d2に、別のキャップ10’のクリップ14の先端14bが入り込むなどして繋がってしまうことがある。
繋がったキャップ10’を分離することは容易であるが、塗布具1を大量に製造する場合、製造工程において、繋がったキャップ10’を外す手間が作業効率の低下を招くことがある。
【0052】
そこで、本実施形態のキャップ10’では、図9(b)に示すように、クリップ14に隣接する2本のリブ12を、クリップ14から離れる方向へ向けて角度α(本実施例では10度)だけ回転させた位置へ移動させた構成としている。
則ち、クリップ14の最大幅Wが、クリップ14とリブ12との間で形成される隙間の幅W1、あるいは、リブ12同士の間で形成される隙間の幅W2,W3のいずれの幅よりも小さくなる形状としている。
これにより、クリップ14は隙間d1,d2に挟まることがなくなり、作業効率の低下を抑えることができる。
【0053】
(変形実施形態)
次に、前記図1に示したキャップ10、および、図6に示したキャップ10’の変形例を、図10〜図14を参照して説明する。尚、図10〜図14では、クリップを設けたキャップとして示しているが、クリップを設けずに突出部だけを設けた形状としても良い。また、前記キャップ10,10’と同一構成部分には同一の符号を付して重複した説明を省略する。更に、筒体の最大外径とキャップの最大外接円との関係は、前記図1(b)および図6(b)に示した関係を維持する形状としている。
【0054】
図10は、前記実施形態のキャップの変形例であるキャップ50の正面図、側面図および底面図を示している。
キャップ50は、リブ(突出部)12を設ける位置を、筒体11の開口11c端部から僅かに閉塞端11b側に移動させた形状である。
このキャップ50においても、リブ12によって喉壁などを押し広げて空気流路を確保することができ、また、筒体11の外周部11aとリブ12との段差によって、喉などにつかえ易い形状としている。
【0055】
図11は、別の変形例のキャップ51の正面図、側面図および底面図を示している。
キャップ51は、リブ12を設ける方向を、筒体11の外周部11aの周方向としたものである。
このキャップ51においても、リブ12によって喉壁などを押し広げ、リブ12の端部同士の間に空気流路を確保することができ、また、筒体11の外周部11aとリブ12とで形成される段部によって、喉などにつかえ易い形状とされている。
リブ12は筒体の11の外周部11aに1列だけ設けても良いが、図の破線で示すように、リブ12を2列に配したり、あるいは3列以上設けることも可能である。
【0056】
図12は、別の変形例のキャップ52の正面図、側面図および底面図を示している。
キャップ52はクリップ14の形状が異なっている。則ち、クリップ14の一端14aを筒体11の閉塞端11bの近傍に固定した形状とされている。
このキャップ52によれば、クリップ14が筒体11の外周部11aの略全長に沿うように延伸するので、誤って飲み込んだ場合でも、クリップ14によって喉壁などを筒体11の全長に渡って押し広げることができ、リブ12と相まって一層確実に空気流路を確保することができる。また、筒体11の外周部11aとリブ12との段差によって、喉などに引っ掛かり易い形状とされている。
【0057】
図13は、キャップ53の正面図、側面図および底面図を示している。
キャップ53は、筒体11の形状を変更したもので、閉塞端11bを球面形状に代えて略平面形状にした点が異なっている。
このキャップ53によれば、誤って閉塞端11b側から飲み込んだ場合でも、球面形状である場合に比べて、筒体11が喉壁などから抵抗を受けやすく、体内に深く入り込み難い。
また、リブ12により空気流路を確保することができると共に、筒体11の外周部11aとリブ12との段差によって、喉などに引っ掛かり易い形状とされている。
【0058】
図14(a),(b)は、突出部に突起を用いた構成のキャップ54,55を示した斜視図である。
これまでに説明したキャップの突出部は、全てリブを用いた構成であった。
しかし、前記したように、突出部は、喉壁などを押し広げて筒体の外周部と喉壁との間に隙間を作る機能と、筒体の表面に引っ掛かりを作る機能を有するものであれば良く、リブに代えて突起を用いて構成することもできる。
【0059】
例えば、図14(a)に示すように、円柱形状の突起12’を筒体11の外周部11aに3個設けた構成としても良い。また、突起12’を破線で示すように2列に設けても良く、更に、3列以上設ける構成としても良い。
また、図14(b)に示すように、円錐台形状の突起12”を用いて構成することも可能である。この場合も、破線で示すように、2列以上の突起12”を設けた構成とすることができる。
更に、図には示していないが、角柱形の突起などを設けた構成としても良い。
【0060】
尚、前記第1、第2実施形態、および、変形実施形態では、リブ(突出部)12を筒体11の開口11cの近傍に設けた形状として述べたが、気密環11fが設けられた部分を除く筒体11の外周部11aの適宜の位置に設けることができる。
【符号の説明】
【0061】
1 塗布具
10,10’,50,51,52,53,54,55 塗布具用キャップ
11 筒体
11a 筒体の外周部
11c 筒体の開口
11d 筒体の内周部
11f 気密環
12 突出部(リブ)
12’,12” 突出部(突起)
14 クリップ
14a クリップの端部
20 本体部
22 塗布部
φA 最大外接円の直径
φB 筒体の最大外径
W クリップの最大幅
W1,W2,W3 隙間の最小幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が閉塞された筒体で形成され、塗布具の本体部に装着して塗布部を気密保持する塗布具用キャップにおいて、
前記筒体の外周部の一部に突出部を設けたことを特徴とする塗布具用キャップ。
【請求項2】
一端が前記筒体の外周部に固定され、他端が筒体の開口側へ向けて略軸方向へ沿って延伸するクリップを設けたことを特徴とする請求項1に記載の塗布具用キャップ。
【請求項3】
前記突出部は、前記筒体の開口側の近傍に設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の塗布具用キャップ。
【請求項4】
前記突出部は、突起で形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の塗布具用キャップ。
【請求項5】
前記突出部は、略軸方向または略周方向へ向けて突設される所定長のリブで形成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の塗布具用キャップ。
【請求項6】
キャップの最大外接円の直径が、前記筒体の最大外径の1.25倍以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の塗布具用キャップ。
【請求項7】
キャップの最大外接円の直径が、前記筒体の最大外径の1.3倍以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の塗布具用キャップ。
【請求項8】
前記クリップの最大幅が、隣接する突出部同士の間で形成される隙間の最小幅、あるいは、隣接する突出部とクリップの間で形成される隙間の最小幅のいずれよりも小さいことを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の塗布具用キャップ。
【請求項9】
前記筒体の内周部には、前記本体部の周部と当接または係合して気密を保持する少なくとも1以上の気密環が設けられており、前記突出部および前記クリップの端部は、当該気密環の設けられた部位を除く筒体の外周部に設けられることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の塗布具用キャップ。
【請求項10】
前記突出部または前記クリップの少なくともいずれか一方は、前記筒体と一体的に成形されることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の塗布具用キャップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−152797(P2011−152797A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−80143(P2011−80143)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【分割の表示】特願2001−43985(P2001−43985)の分割
【原出願日】平成13年2月20日(2001.2.20)
【出願人】(390039734)株式会社サクラクレパス (211)