塗布容器
【課題】 塗布体における内容液の吐出流路の主体部分である、櫛歯片に近接した流路部分を、構成部分を分解することなく、大きく解放できるようにすることにより、塗布体の内容液吐出流路の洗浄を、充分にかつ簡単に達成することを目的とする。
【解決手段】 櫛歯片11間に、内容液を吐出可能とした塗布容器であって、頂板9に櫛歯片11を列設したベース筒3を有する塗布機能部2を、吐出路21を形成した起立筒片20の上端に支持筒13を設けた取付け機能部12にスライド変位可能に組付け、両機能部間に形成される吐出室Aを、相互のスライド変位により開放させる。
【解決手段】 櫛歯片11間に、内容液を吐出可能とした塗布容器であって、頂板9に櫛歯片11を列設したベース筒3を有する塗布機能部2を、吐出路21を形成した起立筒片20の上端に支持筒13を設けた取付け機能部12にスライド変位可能に組付け、両機能部間に形成される吐出室Aを、相互のスライド変位により開放させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器体に収納された白髪染め液、ヘアマニキュア、ヘアカラーさらには整髪料等の内容液を、容器体から頭髪に直接塗布すべく構成した塗布容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スクイズ性を有する容器体やエアゾール式の容器体に、容器体の白髪染め液やヘアマニキュア等の内容液を、直接頭髪に塗布することができるようにした櫛等の塗布体を組付けた塗布容器が知られているが、この種の塗布容器は、列設された複数の櫛歯片間に、容器体に収納された内容液を吐出する構成となっていて、適量の内容液を櫛歯片間に吐出した状態で、塗布容器で頭髪を梳くことにより、そのまま内容液を頭髪に塗布するものとなっている。
【0003】
この塗布容器にあっては、容器体の内容液を直接頭髪に塗布することができるので、頭髪に対する内容液の簡単で素早い塗布を得ることができると云う利点がある反面、頭髪に対する内容液の塗布後、塗布体内に残留した内容液が乾燥固化し、以降の使用を不能とする、もしくは不良とする、と云う不都合があった。
【0004】
この不都合を解消する従来技術として、塗布体である櫛部組立体を、櫛体と、基台と、スパウト部材とから構成し、この櫛部組立体の各構成部分を分解可能とし、分解された櫛体、基台、そしてスパウト部材を、個々に洗浄可能に構成した、ものがある。
【特許文献1】特開平9−066246号公報
【0005】
上記従来技術にあっては、櫛部組立体を、押ボタンの押圧操作等により係止状態を解除した、容器体から引き抜き状に分離させ、この容器体から分離させた櫛部組立体を、櫛体、基台、そしてスパウト部材の各構成部分に分解し、この分解した各構成部分を、個々に洗浄することにより、内容液である剤の流路内を、無理なく充分に洗浄することができる、と云う利点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、洗浄に際して、櫛部組立体を、容器体から分離し、次いで各構成部分に分解しなければならず、このため洗浄操作および洗浄のための取扱い操作が、煩雑で面倒である、と云う問題があった。
【0007】
また、櫛部組立体の洗浄した各構成部分は、乾くまで別々に取扱われるので、その取扱いと保管とか煩わしいものとなり易く、時として構成部分の一部が紛失することが起こり易い、と云う問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、塗布容器における内容液の吐出流路の主体部分である、櫛歯片に近接した流路部分を、構成部分を分解することなく、大きく解放できるようにすることを技術的課題とし、もって塗布容器の内容液吐出流路の洗浄を、充分にかつ簡単に達成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の塗布容器は、白髪染め液、ヘアマニキュア、ヘアカラーさらには整髪料等の内容液を収納する容器体の口部に、列設した複数の櫛歯片間に内容液を吐出可能とした塗布体を組付けたものであって、塗布体は、多数の櫛歯片を列設した塗布機能部と、容器体に組付くと共に、塗布機能部との間に、吐出された内容液を、各櫛歯片間に吐出する吐出孔に導く吐出室を形成する取付け機能部とから構成されている。
【0010】
塗布機能部は、頂板に複数の櫛歯片を列設した縦長の有頂長円短筒状のベース筒を有し、このベース筒の長径方向の下端側の筒壁部分を開放した構成となっている。
【0011】
また、取付け機能部は、容器体の口部に組付く取付き筒を下端に設け、吐出路を上下に貫通形成した縦長筒状の起立筒片の上端に、塗布機能部のベース筒が密に外嵌して吐出室を形成する、縦長な有底長円短筒状の支持筒を連設して構成されている。
【0012】
そして、組付け機能部の支持筒に対する、塗布機能部のベース筒の組付きを、両筒の長円形状の長径方向にスライド変位可能としている。
【0013】
塗布機能部のベース筒と取付け機能部の支持筒との間に形成される吐出室は、吐出路を通って導かれてきた吐出内容液を、櫛歯片間に吐出させるための「溜まり」を形成する部分となっており、内容液吐出通路の分岐点となっている。
【0014】
それゆえ、取付け機能部の支持筒に対する、塗布機能部のベース筒の密な外嵌を、取付け機能部に対する塗布機能部のスライド変位により解除して、吐出室を開放すると、吐出室内は当然のこととして、容器体からの流路である吐出路と、櫛歯片間への吐出路との全てが、開放状態となる。
【0015】
このように、吐出路の全てを開放状態とすることにより、水道水等による吐出路の洗浄が行い易い状態となる。
【0016】
取付け機能部に対して塗布機能部をスライド復帰させると、塗布機能部のベース筒が、取付け機能部の支持筒に密に外嵌する状態となるので、そのままで、内容液の吐出および塗布可能な状態に復帰することになる。
【0017】
本発明の別の構成は、取付け機能部に対して、塗布機能部をスライド変位可能に組付ける手段として、取付け機能部の支持筒の外周面に周設された係合溝と、塗布機能部のベース筒の内周面に突周設されて、係合溝にスライド可能に係合する係合条との組合せと、ベース筒の両側の筒壁部分に、長径方向に沿って穿設されたガイド長孔と、支持筒の両側の外周面に突設され、ガイド長孔にスライド可能に係合するガイド突片との組合せの、少なくとも一つを設けた、ことにある。
【0018】
係合溝と係合条との組合せと、ガイド長孔とガイド突片との組合せとの、少なくとも一方で構成される、スライド変位可能に組付ける手段にあっては、塗布機能部のベース筒と取付け機能部の支持筒とを、両筒の長径方向に沿って相対変位させることになり、両筒の長径方向に沿って直線状に延びる筒壁部分を、スライド変位のガイド部分として機能させることができる。
【0019】
また、本発明の別の構成は、取付け機能部の支持筒の、長径方向に沿った上端側部分に、支持筒の筒壁を外側に厚くする形態で、下端面を膨出部段部とした膨出部を形成し、塗布機能部のベース筒の長径方向に沿った内周面部分の、中央より下端側寄りの箇所に、取り付け機能部の膨出部段部に下方から係止して、取付き機能部に対する塗布機能部の抜け出しを阻止するストッパーを突設した、ことにある。
【0020】
取付け機能部に膨出部段部を設け、塗布機能部にストッパーを設けたものにあっては、膨出部段部に対するストッパーの下方からの係止により、取付け機能部の支持筒にスライド変位可能に組付いている、塗布機能部のベース筒の抜け出しが防止される。
【0021】
また、本発明の別の構成は、取付け機能部の支持筒の、長径方向に沿った両外周面部分の下端部に係合凸部を突設し、塗布機能部のベース筒の、長径方向に沿った両内周面部分の下端部に、取付け機能部に塗布機能部が密に組付いた状態で、係合凸部が係合して、取付け機能部に対する塗布機能部の妄りなスライド変位の発生を阻止する係合凹部を設けた、ことにある。
【0022】
取付け機能部に係合凸部を設けると共に、塗布機能部に係合凹部を設けたものにあっては、係合凸部と係合凹部の係合により、取付け機能部の支持筒に対する、塗布機能部のベース筒の密な外嵌組付きが、塗布容器の使用中、安定して保持される。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明にあっては、吐出室は、内容液吐出通路の分岐点となっているので、この吐出室を開放すると、吐出室内は当然のこととして、容器体からの流路である吐出路と、櫛歯片間への吐出路との全てが、開放状態となるので、これらの吐出路の全ての洗浄が容易となる。
【0024】
また、吐出路の洗浄のために、塗布機能部と取付け機能部とを分離させる必要がなく、取付け機能部に対して塗布機能部をスライド復帰させるだけで、内容液の吐出および塗布可能な状態に復帰することでき、取扱いが簡単で、部品の紛失の恐れのないものとなる。
【0025】
係合溝と係合条との組合せと、ガイド長孔とガイド突片との組合せとの、少なくとも一方で構成される、スライド変位可能に組付ける手段にあっては、塗布機能部のベース筒と取付け機能部の支持筒の長径方向に沿って直線状に延びる筒壁部分を、スライド変位のガイド部分として機能させることができるので、両筒の相対スライド変位を、安定して良好に行わせることができる。
【0026】
取付け機能部に膨出部段部を設け、塗布機能部にストッパーを設けたものにあっては、取付け機能部の支持筒に対する塗布機能部のベース筒の抜け出しが防止されるので、吐出路洗浄時における、吐出室開放のための、取付け機能部に対する塗布機能部のスライド変位処理を安全に達成することができる。
【0027】
取付け機能部に係合凸部を設けると共に、塗布機能部に係合凹部を設けたものにあっては、取付け機能部の支持筒に対する、塗布機能部のベース筒の密な外嵌組付きが、塗布容器の使用中、安定して保持されるので、安全で良好な使用状態を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0029】
本発明による塗布体1は、スクイズ性を有する容器体25やエアゾール式の容器体25の上端口部26に組付けられるもので、容器体25の口部26に組付く取付き筒22を有する取付け機能部12と、この取付け機能部12に密に組付き、2つ縦列設した複数の櫛歯片11間に、容器体25に収納された白髪染め液やヘアマニキュア等の内容液を吐出可能とした塗布機能部2と、から構成されている。
【0030】
取付け機能部12は、容器体25の口部26に外嵌組付きする取付き筒22と、容器体25に連通可能に接続して立ち上がり、内部に上下に貫通した吐出路21を形成した起立筒片20と、この起立筒片20の上端に、傾斜姿勢で連設された縦に長い有底長円短筒状の支持筒13とから構成されている。
【0031】
支持筒13(以下、図7〜図10参照)は、底板19の周端部を外鍔状に突周設した、縦長な有底長円短筒状をしていて、長径方向の上下両端部に、筒壁を外側に厚くした構成で膨出部14が形成されており、この膨出部14と底板19の外鍔状部分との間には、支持筒13の外周面に沿った構成で係合溝15が形成されている。
【0032】
上下の両膨出部14の表面の内、支持筒13の長径方向に沿った部分には、それぞれ左右一対の、横条状のガイド突片16が設けられているが、上側の膨出部14の下端面は、膨出部段部14aに形成されており、下側の膨出部14の表面には、左右一対の係止凸部17と、この係止凸部17に近接して位置する停止段部18とが形成されている。
【0033】
図示構成例は、容器体25がエアゾール容器であるので、(以下、図1参照)起立筒片20の下端の前側部分は、取付き筒22にヒンジ結合されており、また起立筒片20の下端部に垂下連設された接続筒片23を、容器体25のステム27に密嵌合させ、そして起立筒片20の下端部の後側部分に、取付け機能部12を回動下降変位させるための押し下げ片24を設けている。
【0034】
塗布機能部2(以下、図1〜図6参照)は、取付け機能部12の支持筒13への組付き部分を形成すると共に、支持筒13に密に外嵌して吐出室Aを形成する、縦長な有頂長円短筒体の下側の半円弧状となった筒壁部分を削除して開放したベース筒3と、2列の櫛歯片11を上下方向に沿って平行に設けると共に、両櫛歯片11の列の間に、上下に分割された縦に細長な吐出孔10を開設した頂板9とから構成されている。
【0035】
ベース筒3の内周面底端側部分には、取付け機能部12の係合溝15に係合する係合条4が、またベース筒3の長径方向に沿った筒壁部分には、取付け機能部12のガイド突片16が係合するガイド長孔5が設けられており、係合条4と係合溝15との組合せ、およびガイド長孔5とガイド突片16との組合せが、それぞれ支持筒13に対してベース筒3をスライド変位可能に組付ける手段を構成している。
【0036】
また、ベース筒3の長径方向に沿った筒壁部分の内周面の下側寄り部分には、取付け機能部12の膨出部段部14aに下方から突き当たって、ベース筒3の支持筒13からの抜け出しを防止するストッパー6が設けられており、また同じ内周面の下端部には、ベース筒3と支持筒13とが密に嵌合組付きした状態で、取付け機能部12の係合凸部17が係合する係合凹部7が形成されており、そしてベース筒3の開放された筒壁の下端面は、係合凸部17が係合凹部7に係合した状態で、支持筒13の停止段部18に突き当たる筒壁端面8となっている。
【0037】
塗布機能部と取付け機能部12との組付けは、取付け機能部12の支持筒13に対して塗布機能部2のベース筒3を、斜め上方から嵌合させて達成されるが、この嵌合組付けは、ベース筒3の開放された筒壁下端部から支持筒13をスライド挿入する形態で行い、上側の膨出部14をストッパー6が強引に乗り越えることにより達成される。
【0038】
ベース筒3内に支持筒13をスライド挿入させる際に、係合条4を係合溝15に係合させると共に、ガイド長孔5にガイド突片16を係合させ、これにより取付け機能部12に対する塗布機能部2のスライド変位を、常に一定した形態で行われるようにすると共に、ベース筒3と支持筒13の密な嵌合組付きを強固に確保するようにしている。
【0039】
支持筒13に対してベース筒3を下降限度まで移動させた状態(この状態では、係合凹部7に係合凸部17が係合していると共に、筒壁端面8が、下側の膨出部14に形成されている停止段部18に突き当たっている)では、ベース筒3と支持筒13の密な組付きが達成されるので、吐出室Aが密閉形成されることになり、この状態は、係合凹部7と係合凸部17の係合(図11参照)により、安定して維持される。
【0040】
吐出室Aを開放する際、すなわち塗布体1内を洗浄しようとする際は、取付け機能部12に対して塗布機能部2を斜め上方に押上げて、係合凹部7と係合凸部17の係合を強引に解除し、そのままストッパー6が膨出部段部14aに突き当たって(図12参照)、抜け出し不能となるまでスライド変位させる。
【0041】
この吐出室Aの開放状態にあっては、塗布体1内に形成されている内容液吐出流路の分岐箇所である吐出室Aが開放状態となるので、吐出室Aは当然として、吐出孔10、吐出路21も流路の内側から開放された状態となり、塗布体1の吐出流路全体の洗浄が可能となる。
【0042】
すなわち、塗布体1の吐出流路全体を露出させた状態で、例えば開放された吐出室Aに、水道の蛇口等から、直接水を注いで、塗布体1の内部を短時間に効果的に洗浄することができる。
【0043】
また、塗布体1を容器体25から外して、吐出室Aを開放した状態で、起立筒片20の下端開口部から水道水を注ぐことにより、吐出路21内は当然のこととして、塗布体1全体を洗浄することができ、洗浄後、新しい容器体25を組付けて、塗布体1を繰り返し使用することができる。また、同様に、塗布体1を容器体25から外し、吐出室Aを開放した状態で、塗布体1全体を洗面器等に溜めた水に浸漬して洗浄することもできる。
【0044】
なお、図示実施例にあっては、吐出孔10を、頂板9に直接開設した構造となっているが、これに限られることはなく、各櫛歯片11内に成形された吐出通路の基端開口部として構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態例の、要部を破断した主要部側面図である。
【図2】図1の実施形態例の、塗布機能部の不規則縦断側面図である。
【図3】図1の実施形態例の、塗布機能部の不規則下面図である。
【図4】図1の実施形態例の、塗布機能部の不規則上面図である。
【図5】図1の実施形態例の、塗布機能部の不規則正面図である。
【図6】図1の実施形態例の、塗布機能部の不規則背面図である。
【図7】図1の実施形態例の、取付け機能部の要部不規則縦断側面図である。
【図8】図1の実施形態例の、取付け機能部の要部不規則側面図である。
【図9】図1の実施形態例の、取付け機能部の要部不規則上面図である。
【図10】図1の実施形態例の、取付け機能部の要部不規則正面図である。
【図11】図1の実施形態例の、使用状態の要部不規則正面図である。
【図12】図1の実施形態例の、吐出室開放状態の不規則正面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 ; 塗布体
2 ; 塗布機能部
3 ; ベース筒
4 ; 係合条
5 ; ガイド長孔
6 ; ストッパー
7 ; 係合凹部
8 ; 筒壁端面
9 ; 頂板
10 ; 吐出孔
11 ; 櫛歯片
12 ; 取付け機能部
13 ; 支持筒
14 ; 膨出部
14a; 膨出部段部
15 ; 係合溝
16 ; ガイド突片
17 ; 係合凸部
18 ; 停止段部
19 ; 底板
20 ; 起立筒片
21 ; 吐出路
22 ; 取付き筒
23 ; 接続筒片
24 ; 押下げ片
25 ; 容器体
26 ; 口部
27 ; ステム
A ; 吐出室
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器体に収納された白髪染め液、ヘアマニキュア、ヘアカラーさらには整髪料等の内容液を、容器体から頭髪に直接塗布すべく構成した塗布容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スクイズ性を有する容器体やエアゾール式の容器体に、容器体の白髪染め液やヘアマニキュア等の内容液を、直接頭髪に塗布することができるようにした櫛等の塗布体を組付けた塗布容器が知られているが、この種の塗布容器は、列設された複数の櫛歯片間に、容器体に収納された内容液を吐出する構成となっていて、適量の内容液を櫛歯片間に吐出した状態で、塗布容器で頭髪を梳くことにより、そのまま内容液を頭髪に塗布するものとなっている。
【0003】
この塗布容器にあっては、容器体の内容液を直接頭髪に塗布することができるので、頭髪に対する内容液の簡単で素早い塗布を得ることができると云う利点がある反面、頭髪に対する内容液の塗布後、塗布体内に残留した内容液が乾燥固化し、以降の使用を不能とする、もしくは不良とする、と云う不都合があった。
【0004】
この不都合を解消する従来技術として、塗布体である櫛部組立体を、櫛体と、基台と、スパウト部材とから構成し、この櫛部組立体の各構成部分を分解可能とし、分解された櫛体、基台、そしてスパウト部材を、個々に洗浄可能に構成した、ものがある。
【特許文献1】特開平9−066246号公報
【0005】
上記従来技術にあっては、櫛部組立体を、押ボタンの押圧操作等により係止状態を解除した、容器体から引き抜き状に分離させ、この容器体から分離させた櫛部組立体を、櫛体、基台、そしてスパウト部材の各構成部分に分解し、この分解した各構成部分を、個々に洗浄することにより、内容液である剤の流路内を、無理なく充分に洗浄することができる、と云う利点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した従来技術にあっては、洗浄に際して、櫛部組立体を、容器体から分離し、次いで各構成部分に分解しなければならず、このため洗浄操作および洗浄のための取扱い操作が、煩雑で面倒である、と云う問題があった。
【0007】
また、櫛部組立体の洗浄した各構成部分は、乾くまで別々に取扱われるので、その取扱いと保管とか煩わしいものとなり易く、時として構成部分の一部が紛失することが起こり易い、と云う問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、塗布容器における内容液の吐出流路の主体部分である、櫛歯片に近接した流路部分を、構成部分を分解することなく、大きく解放できるようにすることを技術的課題とし、もって塗布容器の内容液吐出流路の洗浄を、充分にかつ簡単に達成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の塗布容器は、白髪染め液、ヘアマニキュア、ヘアカラーさらには整髪料等の内容液を収納する容器体の口部に、列設した複数の櫛歯片間に内容液を吐出可能とした塗布体を組付けたものであって、塗布体は、多数の櫛歯片を列設した塗布機能部と、容器体に組付くと共に、塗布機能部との間に、吐出された内容液を、各櫛歯片間に吐出する吐出孔に導く吐出室を形成する取付け機能部とから構成されている。
【0010】
塗布機能部は、頂板に複数の櫛歯片を列設した縦長の有頂長円短筒状のベース筒を有し、このベース筒の長径方向の下端側の筒壁部分を開放した構成となっている。
【0011】
また、取付け機能部は、容器体の口部に組付く取付き筒を下端に設け、吐出路を上下に貫通形成した縦長筒状の起立筒片の上端に、塗布機能部のベース筒が密に外嵌して吐出室を形成する、縦長な有底長円短筒状の支持筒を連設して構成されている。
【0012】
そして、組付け機能部の支持筒に対する、塗布機能部のベース筒の組付きを、両筒の長円形状の長径方向にスライド変位可能としている。
【0013】
塗布機能部のベース筒と取付け機能部の支持筒との間に形成される吐出室は、吐出路を通って導かれてきた吐出内容液を、櫛歯片間に吐出させるための「溜まり」を形成する部分となっており、内容液吐出通路の分岐点となっている。
【0014】
それゆえ、取付け機能部の支持筒に対する、塗布機能部のベース筒の密な外嵌を、取付け機能部に対する塗布機能部のスライド変位により解除して、吐出室を開放すると、吐出室内は当然のこととして、容器体からの流路である吐出路と、櫛歯片間への吐出路との全てが、開放状態となる。
【0015】
このように、吐出路の全てを開放状態とすることにより、水道水等による吐出路の洗浄が行い易い状態となる。
【0016】
取付け機能部に対して塗布機能部をスライド復帰させると、塗布機能部のベース筒が、取付け機能部の支持筒に密に外嵌する状態となるので、そのままで、内容液の吐出および塗布可能な状態に復帰することになる。
【0017】
本発明の別の構成は、取付け機能部に対して、塗布機能部をスライド変位可能に組付ける手段として、取付け機能部の支持筒の外周面に周設された係合溝と、塗布機能部のベース筒の内周面に突周設されて、係合溝にスライド可能に係合する係合条との組合せと、ベース筒の両側の筒壁部分に、長径方向に沿って穿設されたガイド長孔と、支持筒の両側の外周面に突設され、ガイド長孔にスライド可能に係合するガイド突片との組合せの、少なくとも一つを設けた、ことにある。
【0018】
係合溝と係合条との組合せと、ガイド長孔とガイド突片との組合せとの、少なくとも一方で構成される、スライド変位可能に組付ける手段にあっては、塗布機能部のベース筒と取付け機能部の支持筒とを、両筒の長径方向に沿って相対変位させることになり、両筒の長径方向に沿って直線状に延びる筒壁部分を、スライド変位のガイド部分として機能させることができる。
【0019】
また、本発明の別の構成は、取付け機能部の支持筒の、長径方向に沿った上端側部分に、支持筒の筒壁を外側に厚くする形態で、下端面を膨出部段部とした膨出部を形成し、塗布機能部のベース筒の長径方向に沿った内周面部分の、中央より下端側寄りの箇所に、取り付け機能部の膨出部段部に下方から係止して、取付き機能部に対する塗布機能部の抜け出しを阻止するストッパーを突設した、ことにある。
【0020】
取付け機能部に膨出部段部を設け、塗布機能部にストッパーを設けたものにあっては、膨出部段部に対するストッパーの下方からの係止により、取付け機能部の支持筒にスライド変位可能に組付いている、塗布機能部のベース筒の抜け出しが防止される。
【0021】
また、本発明の別の構成は、取付け機能部の支持筒の、長径方向に沿った両外周面部分の下端部に係合凸部を突設し、塗布機能部のベース筒の、長径方向に沿った両内周面部分の下端部に、取付け機能部に塗布機能部が密に組付いた状態で、係合凸部が係合して、取付け機能部に対する塗布機能部の妄りなスライド変位の発生を阻止する係合凹部を設けた、ことにある。
【0022】
取付け機能部に係合凸部を設けると共に、塗布機能部に係合凹部を設けたものにあっては、係合凸部と係合凹部の係合により、取付け機能部の支持筒に対する、塗布機能部のベース筒の密な外嵌組付きが、塗布容器の使用中、安定して保持される。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明にあっては、吐出室は、内容液吐出通路の分岐点となっているので、この吐出室を開放すると、吐出室内は当然のこととして、容器体からの流路である吐出路と、櫛歯片間への吐出路との全てが、開放状態となるので、これらの吐出路の全ての洗浄が容易となる。
【0024】
また、吐出路の洗浄のために、塗布機能部と取付け機能部とを分離させる必要がなく、取付け機能部に対して塗布機能部をスライド復帰させるだけで、内容液の吐出および塗布可能な状態に復帰することでき、取扱いが簡単で、部品の紛失の恐れのないものとなる。
【0025】
係合溝と係合条との組合せと、ガイド長孔とガイド突片との組合せとの、少なくとも一方で構成される、スライド変位可能に組付ける手段にあっては、塗布機能部のベース筒と取付け機能部の支持筒の長径方向に沿って直線状に延びる筒壁部分を、スライド変位のガイド部分として機能させることができるので、両筒の相対スライド変位を、安定して良好に行わせることができる。
【0026】
取付け機能部に膨出部段部を設け、塗布機能部にストッパーを設けたものにあっては、取付け機能部の支持筒に対する塗布機能部のベース筒の抜け出しが防止されるので、吐出路洗浄時における、吐出室開放のための、取付け機能部に対する塗布機能部のスライド変位処理を安全に達成することができる。
【0027】
取付け機能部に係合凸部を設けると共に、塗布機能部に係合凹部を設けたものにあっては、取付け機能部の支持筒に対する、塗布機能部のベース筒の密な外嵌組付きが、塗布容器の使用中、安定して保持されるので、安全で良好な使用状態を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。
【0029】
本発明による塗布体1は、スクイズ性を有する容器体25やエアゾール式の容器体25の上端口部26に組付けられるもので、容器体25の口部26に組付く取付き筒22を有する取付け機能部12と、この取付け機能部12に密に組付き、2つ縦列設した複数の櫛歯片11間に、容器体25に収納された白髪染め液やヘアマニキュア等の内容液を吐出可能とした塗布機能部2と、から構成されている。
【0030】
取付け機能部12は、容器体25の口部26に外嵌組付きする取付き筒22と、容器体25に連通可能に接続して立ち上がり、内部に上下に貫通した吐出路21を形成した起立筒片20と、この起立筒片20の上端に、傾斜姿勢で連設された縦に長い有底長円短筒状の支持筒13とから構成されている。
【0031】
支持筒13(以下、図7〜図10参照)は、底板19の周端部を外鍔状に突周設した、縦長な有底長円短筒状をしていて、長径方向の上下両端部に、筒壁を外側に厚くした構成で膨出部14が形成されており、この膨出部14と底板19の外鍔状部分との間には、支持筒13の外周面に沿った構成で係合溝15が形成されている。
【0032】
上下の両膨出部14の表面の内、支持筒13の長径方向に沿った部分には、それぞれ左右一対の、横条状のガイド突片16が設けられているが、上側の膨出部14の下端面は、膨出部段部14aに形成されており、下側の膨出部14の表面には、左右一対の係止凸部17と、この係止凸部17に近接して位置する停止段部18とが形成されている。
【0033】
図示構成例は、容器体25がエアゾール容器であるので、(以下、図1参照)起立筒片20の下端の前側部分は、取付き筒22にヒンジ結合されており、また起立筒片20の下端部に垂下連設された接続筒片23を、容器体25のステム27に密嵌合させ、そして起立筒片20の下端部の後側部分に、取付け機能部12を回動下降変位させるための押し下げ片24を設けている。
【0034】
塗布機能部2(以下、図1〜図6参照)は、取付け機能部12の支持筒13への組付き部分を形成すると共に、支持筒13に密に外嵌して吐出室Aを形成する、縦長な有頂長円短筒体の下側の半円弧状となった筒壁部分を削除して開放したベース筒3と、2列の櫛歯片11を上下方向に沿って平行に設けると共に、両櫛歯片11の列の間に、上下に分割された縦に細長な吐出孔10を開設した頂板9とから構成されている。
【0035】
ベース筒3の内周面底端側部分には、取付け機能部12の係合溝15に係合する係合条4が、またベース筒3の長径方向に沿った筒壁部分には、取付け機能部12のガイド突片16が係合するガイド長孔5が設けられており、係合条4と係合溝15との組合せ、およびガイド長孔5とガイド突片16との組合せが、それぞれ支持筒13に対してベース筒3をスライド変位可能に組付ける手段を構成している。
【0036】
また、ベース筒3の長径方向に沿った筒壁部分の内周面の下側寄り部分には、取付け機能部12の膨出部段部14aに下方から突き当たって、ベース筒3の支持筒13からの抜け出しを防止するストッパー6が設けられており、また同じ内周面の下端部には、ベース筒3と支持筒13とが密に嵌合組付きした状態で、取付け機能部12の係合凸部17が係合する係合凹部7が形成されており、そしてベース筒3の開放された筒壁の下端面は、係合凸部17が係合凹部7に係合した状態で、支持筒13の停止段部18に突き当たる筒壁端面8となっている。
【0037】
塗布機能部と取付け機能部12との組付けは、取付け機能部12の支持筒13に対して塗布機能部2のベース筒3を、斜め上方から嵌合させて達成されるが、この嵌合組付けは、ベース筒3の開放された筒壁下端部から支持筒13をスライド挿入する形態で行い、上側の膨出部14をストッパー6が強引に乗り越えることにより達成される。
【0038】
ベース筒3内に支持筒13をスライド挿入させる際に、係合条4を係合溝15に係合させると共に、ガイド長孔5にガイド突片16を係合させ、これにより取付け機能部12に対する塗布機能部2のスライド変位を、常に一定した形態で行われるようにすると共に、ベース筒3と支持筒13の密な嵌合組付きを強固に確保するようにしている。
【0039】
支持筒13に対してベース筒3を下降限度まで移動させた状態(この状態では、係合凹部7に係合凸部17が係合していると共に、筒壁端面8が、下側の膨出部14に形成されている停止段部18に突き当たっている)では、ベース筒3と支持筒13の密な組付きが達成されるので、吐出室Aが密閉形成されることになり、この状態は、係合凹部7と係合凸部17の係合(図11参照)により、安定して維持される。
【0040】
吐出室Aを開放する際、すなわち塗布体1内を洗浄しようとする際は、取付け機能部12に対して塗布機能部2を斜め上方に押上げて、係合凹部7と係合凸部17の係合を強引に解除し、そのままストッパー6が膨出部段部14aに突き当たって(図12参照)、抜け出し不能となるまでスライド変位させる。
【0041】
この吐出室Aの開放状態にあっては、塗布体1内に形成されている内容液吐出流路の分岐箇所である吐出室Aが開放状態となるので、吐出室Aは当然として、吐出孔10、吐出路21も流路の内側から開放された状態となり、塗布体1の吐出流路全体の洗浄が可能となる。
【0042】
すなわち、塗布体1の吐出流路全体を露出させた状態で、例えば開放された吐出室Aに、水道の蛇口等から、直接水を注いで、塗布体1の内部を短時間に効果的に洗浄することができる。
【0043】
また、塗布体1を容器体25から外して、吐出室Aを開放した状態で、起立筒片20の下端開口部から水道水を注ぐことにより、吐出路21内は当然のこととして、塗布体1全体を洗浄することができ、洗浄後、新しい容器体25を組付けて、塗布体1を繰り返し使用することができる。また、同様に、塗布体1を容器体25から外し、吐出室Aを開放した状態で、塗布体1全体を洗面器等に溜めた水に浸漬して洗浄することもできる。
【0044】
なお、図示実施例にあっては、吐出孔10を、頂板9に直接開設した構造となっているが、これに限られることはなく、各櫛歯片11内に成形された吐出通路の基端開口部として構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態例の、要部を破断した主要部側面図である。
【図2】図1の実施形態例の、塗布機能部の不規則縦断側面図である。
【図3】図1の実施形態例の、塗布機能部の不規則下面図である。
【図4】図1の実施形態例の、塗布機能部の不規則上面図である。
【図5】図1の実施形態例の、塗布機能部の不規則正面図である。
【図6】図1の実施形態例の、塗布機能部の不規則背面図である。
【図7】図1の実施形態例の、取付け機能部の要部不規則縦断側面図である。
【図8】図1の実施形態例の、取付け機能部の要部不規則側面図である。
【図9】図1の実施形態例の、取付け機能部の要部不規則上面図である。
【図10】図1の実施形態例の、取付け機能部の要部不規則正面図である。
【図11】図1の実施形態例の、使用状態の要部不規則正面図である。
【図12】図1の実施形態例の、吐出室開放状態の不規則正面図である。
【符号の説明】
【0046】
1 ; 塗布体
2 ; 塗布機能部
3 ; ベース筒
4 ; 係合条
5 ; ガイド長孔
6 ; ストッパー
7 ; 係合凹部
8 ; 筒壁端面
9 ; 頂板
10 ; 吐出孔
11 ; 櫛歯片
12 ; 取付け機能部
13 ; 支持筒
14 ; 膨出部
14a; 膨出部段部
15 ; 係合溝
16 ; ガイド突片
17 ; 係合凸部
18 ; 停止段部
19 ; 底板
20 ; 起立筒片
21 ; 吐出路
22 ; 取付き筒
23 ; 接続筒片
24 ; 押下げ片
25 ; 容器体
26 ; 口部
27 ; ステム
A ; 吐出室
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容液を収納する容器体の口部に組付いて、列設した複数の櫛歯片間に、前記内容液を吐出可能とした塗布体を設けた塗布容器であって、頂板に前記櫛歯片を列設した、縦長の有頂長円短筒状のベース筒を有し、該ベース筒の長径方向の下端側の筒壁部分を開放した塗布機能部と、前記容器体の口部に組付く取付き筒を下端に設け、吐出路を上下に貫通形成した縦長筒状の起立筒片の上端に、前記ベース筒が密に外嵌して吐出室を形成する縦長な有底長円短筒状の支持筒を連設した取付け機能部とから成り、前記支持筒に対するベース筒の組付きを、両筒の長円形状の長径方向にスライド変位可能とした塗布容器。
【請求項2】
取付け機能部に対して、塗布機能部をスライド変位可能に組付ける手段として、前記取付け機能部の支持筒の外周面に周設された係合溝と、前記塗布機能部のベース筒の内周面に突周設されて、前記係合溝にスライド可能に係合する係合条との組合せと、前記ベース筒の両側の筒壁部分に、長径方向に沿って穿設されたガイド長孔と、前記支持筒の両側の外周面に突設され、前記ガイド長孔にスライド可能に係合するガイド突片との組合せの、少なくとも一つを設けた請求項1記載の塗布容器。
【請求項3】
取付け機能部の支持筒の、長径方向に沿った上端側部分に、前記支持筒の筒壁を外側に厚くする形態で、下端面を膨出部段部とした膨出部を形成し、塗布機能部のベース筒の長径方向に沿った内周面部分の、中央より下端側寄りの箇所に、前記膨出部段部に下方から係止して、前記取付き機能部に対する塗布機能部の抜け出しを阻止するストッパーを突設した請求項1または2記載の塗布容器。
【請求項4】
取付け機能部の支持筒の、長径方向に沿った両外周面部分の下端部に係合凸部を突設し、塗布機能部のベース筒の、長径方向に沿った両内周面部分の下端部に、前記取付け機能部に塗布機能部が密に組付いた状態で、前記係合凸部が係合して、前記取付け機能部に対する塗布機能部の妄りなスライド変位の発生を阻止する係合凹部を設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗布容器。
【請求項1】
内容液を収納する容器体の口部に組付いて、列設した複数の櫛歯片間に、前記内容液を吐出可能とした塗布体を設けた塗布容器であって、頂板に前記櫛歯片を列設した、縦長の有頂長円短筒状のベース筒を有し、該ベース筒の長径方向の下端側の筒壁部分を開放した塗布機能部と、前記容器体の口部に組付く取付き筒を下端に設け、吐出路を上下に貫通形成した縦長筒状の起立筒片の上端に、前記ベース筒が密に外嵌して吐出室を形成する縦長な有底長円短筒状の支持筒を連設した取付け機能部とから成り、前記支持筒に対するベース筒の組付きを、両筒の長円形状の長径方向にスライド変位可能とした塗布容器。
【請求項2】
取付け機能部に対して、塗布機能部をスライド変位可能に組付ける手段として、前記取付け機能部の支持筒の外周面に周設された係合溝と、前記塗布機能部のベース筒の内周面に突周設されて、前記係合溝にスライド可能に係合する係合条との組合せと、前記ベース筒の両側の筒壁部分に、長径方向に沿って穿設されたガイド長孔と、前記支持筒の両側の外周面に突設され、前記ガイド長孔にスライド可能に係合するガイド突片との組合せの、少なくとも一つを設けた請求項1記載の塗布容器。
【請求項3】
取付け機能部の支持筒の、長径方向に沿った上端側部分に、前記支持筒の筒壁を外側に厚くする形態で、下端面を膨出部段部とした膨出部を形成し、塗布機能部のベース筒の長径方向に沿った内周面部分の、中央より下端側寄りの箇所に、前記膨出部段部に下方から係止して、前記取付き機能部に対する塗布機能部の抜け出しを阻止するストッパーを突設した請求項1または2記載の塗布容器。
【請求項4】
取付け機能部の支持筒の、長径方向に沿った両外周面部分の下端部に係合凸部を突設し、塗布機能部のベース筒の、長径方向に沿った両内周面部分の下端部に、前記取付け機能部に塗布機能部が密に組付いた状態で、前記係合凸部が係合して、前記取付け機能部に対する塗布機能部の妄りなスライド変位の発生を阻止する係合凹部を設けた請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗布容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−50354(P2009−50354A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−218077(P2007−218077)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】
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