説明

塗布方法および塗布装置

【課題】複数の凹部が形成された可撓性を有する基材をより低工数かつ簡単な構成で位置決めして、凹部のそれぞれにインクジェット方式によりインクを塗布できる塗布方法を提供する。
【解決手段】基材Fは長手方向Xに張力を受けて所定の高さHRで保持されると共に、短手方向Yに位置決めされ、保持された基材Fは所定の高さHRの面で受け止められ、インクを吐出する複数のノズル13は基材Fの側部近傍のホームポジションHPで待機させられ、短手方向Y及び所定の高さHRで保持された基材Fが吸着プレート8上に画像表示領域S単位で供給され、吸着固定された後に、複数のノズル13がホームポジションHPから短手方向Yに移動されながら、任意のノズル13から画像表示領域Sに配設されている複数の凹部Pのそれぞれにインクが吐出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可撓性を有する長尺状の基材上に格子状に配列された複数の凹部のそれぞれにインクジェット方式によりインクを塗布する方法およびその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像表示機器に使用されるカラーフィルタに画素要素を形成する色素を塗布する方法の一つとして、従来からインクジェット法が提案されている。具体的には、マトリクス状に遮光部が形成されたガラス等で作成された基板上に形成された複数の区画のそれぞれに、塗布ヘッドのノズルからインクを吐出して塗布し、インク層が形成される(特許文献1参照)。
【0003】
図10に、インクジェット方式を用いた、カラーフィルタの画素要素形成に用いられる塗布装置の一例を示す。塗布装置100は、機台101、吸着テーブル103(保持ステージ)、塗布ガントリ104、およびカメラガントリ106を含む。吸着テーブル103、塗布ガントリ104、およびカメラガントリ106は機台101上に配置されている。保持ステージである吸着テーブル103は、カラーフィルタ基板であるガラス基板102を吸着保持する。同図において、X軸およびY軸は、吸着テーブル103により保持されたガラス基板102の上面と平行な平面を規定すべく設定された互いに直交する軸であり、Z軸は同平面と直交する軸である。吸着テーブル103は、図示しない駆動機構およびガイド機構によってZ軸周りに回転されて、ガラス基板102を所定の位置に位置決めする。本例においては、ガラス基板102は矩形状に形成されると共にその長辺および短辺がそれぞれX軸およびY軸に平行なX方向およびY方向に平行に位置決めされる。
【0004】
塗布ガントリ104は、塗布ヘッドバー105を保持するものであり、ガラス基板102の所定位置にインクを塗布するため、図示しない駆動機構およびガイド機構によって、X方向に駆動される。なお、塗布ヘッドバー105は、ガラス基板102に対する相対位置を調整するため、図示しない駆動機構、ガイド機構によってZ軸に平行なZ方向にもY方向にも駆動される。
【0005】
カメラガントリ106は、アラインメントカメラ107および108とスキャンカメラ109を保持するものである。アラインメントカメラ107および108は、ガラス基板102の位置合わせのために、ガラス基板102のマーク(図示せず)の検出に用いられる。スキャンカメラ109は、ガラス基板102に供給されたインクを検出するための計測に用いられる。カメラガントリ106は、ガラス基板102の位置合わせや、吐出されたインクの検出のため、図示しない駆動機構およびガイド機構によってX方向に駆動される。アラインメントカメラ107および108とスキャンカメラ109は、図示しない駆動機構およびガイド機構によってY方向にも駆動される。
【0006】
アラインメントカメラ107および108による、ガラス基板102のマーク検出結果に基づいて、吸着テーブル103をZ軸周りに回転させ、および/またはY方向に移動して、ガラス基板102の位置合わせを行う。ガラス基板102のX軸方向の位置の誤差は、インクの吐出タイミングを調整することにより修正する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−273868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年の画像表示機器、特に携帯用の画像表示機器に対する耐衝撃性の向上、軽量化、および薄型化等の要求に応えるには、上述のガラス基板では困難である。さらに、電子ペーパーに代表される可撓性を有すると共に軽量の画像表示機器に対する要求には、対応不可と言わざるを得ない。
【0009】
このような要求に対しては、ガラス基板の代わりに可撓性を有する樹脂フィルム等を、画像表示機器の基材として使用することが考えられる。ガラス基板の個々をそれぞれ1枚の樹脂フィルムに置き換えれば、耐衝撃性、軽量化、および薄型化の要求に対しては非常に有効である。しかしながら、樹脂フィルムはその可撓性のために、1枚ずつ個別に搬送したり位置決めしたりするなどの取り扱いが非常に困難である。
【0010】
本発明においては、上述の問題に鑑みて、可撓性を有する画像表示機器の製造において、可撓性基材をより簡単な構成で位置決めして、基材に形成された複数の凹部のそれぞれにインクジェット方式によりインクを塗布できる塗布方法および塗布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の塗布方法は、矩形シート状の基材の長手方向に所定間隔で連続して形成されている複数の矩形領域に格子状に配設されている複数の凹部のそれぞれに複数のノズルを用いてインクジェット方式により所定の色調のインクを塗布する塗布方法であって、
前記基材をその長手方向に所定の張力を掛けて所定の高さで保持すると共に、当該長手方向に垂直な短手方向に位置決めする第1の保持工程と、
前記位置決めされた基材を前記所定の高さに位置する面で受け止める第2の保持工程と、
前記複数のノズルを前記保持された基材から外れた、当該基材の側部近傍の待機位置で待機させる待機工程と、
前記短手方向および前記所定の高さに保持された前記基材を、前記矩形領域の単位で供給する基材供給工程と、
前記供給された矩形領域の基材を吸着固定する矩形領域固定工程と、
前記矩形領域の、前記長手方向におけるX位置誤差と、前記短手方向におけるY位置誤差と、前記長手方向に対する平行誤差とを求めるアライメント情報算出工程と、
前記X位置誤差に基づき、前記矩形領域に対する前記複数のノズルのX方向の位置を補正する工程と、
前記平行誤差に基づき、前記矩形領域に対する前記複数のノズルの配列方向の傾きを補正する工程と、
前記複数のノズルの前記矩形領域に対する位置および配列方向の傾きが補正された後に、前記複数のノズルを前記待機位置から前記短手方向に平行な第1の塗布スキャン方向に移動させながら、当該複数のノズルの中の任意のノズルから、前記吸着固定された矩形領域に配設されている複数の凹部のそれぞれにインクを吐出させるインク吐出工程とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の塗布方法および塗布装置によると、可撓性を有する長尺状の基材に格子状に配列された複数の凹部に迅速に且つ精度良くインクを塗布できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施の形態に係る塗布装置と樹脂フィルムとを示す模式図である。
【図2】図1に示した塗布ユニットと樹脂フィルムとを示す平面図である。
【図3】図2に示した樹脂フィルムにおける搬送単位の説明図である。
【図4】図2に示したインクジェットヘッドバーのインク塗布面を表す模式図である。
【図5】図4に示したヘッドモジュールにおけるノズルの配列を表す模式図である。
【図6】本発明の実施例1に係る塗布ユニットの樹脂フィルムに対する塗布動作を示す平面図である。
【図7】図6に示した塗布装置の動作を表すフローチャートである。
【図8】本発明の実施例2に係る塗布ユニットの樹脂フィルムに対する塗布動作を示す平面図である。
【図9】図8に示した塗布装置の動作を表すフローチャートである。
【図10】従来の塗布装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
まず、図1、図2、図3、図4、および図5を参照して、本発明の実施の形態に係る塗布方法および塗布装置について説明する。そして、図6および図7を参照して、本発明の実施例1に係る塗布方法および塗布装置について説明し、図8および図9を参照して、本発明の実施例2に係る塗布方法および塗布装置について説明する。
【0015】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る塗布装置2の上流側には巻出部1が設けられると共に、下流側には巻取部3が設けられている。巻出部1、塗布装置2、および巻取部3は、それぞれが軸Axに沿って配置されている。樹脂フィルムFは、巻出部1においてロールWr1の状態で保持されると共に、巻取部3によって巻き取られて、ロールWr3の状態で保持される。なお、樹脂フィルムFは巻出部1のリールR1でガイドされて、軸Axに平行なX方向に繰り出される。なお、X方向は、樹脂フィルムFの長手方向でもある。巻取部3は塗布装置2から繰り出された樹脂フィルムFをリールR3でガイドしながら巻き取る。本発明においては、画像表示器の基材、すなわちインクが塗布される対象物はガラス基板の代わりに可撓性を有する長尺の矩形のシート状の樹脂フィルムFが用いられる。
【0016】
図2に示すように、樹脂フィルムFは、従来のガラス基板の1枚に取って代わるものではなく、複数枚のガラス基板が連続して長尺状に構成されたものに対応している。これにより、その可撓性ゆえに個々では取り扱いが困難な樹脂フィルムFをより容易に取り扱うと共に、複数枚のガラス基板に相当する領域に迅速、連続的、かつ正確にインクを塗布することを図っている。
【0017】
樹脂フィルムFには、インクが塗布されることによって、画像表示器における画素となるべき凹部P(図2)が予め格子状のパターンに形成されている。凹部Pを画素要素Pと呼ぶ。本実施の形態では、樹脂フィルムFとして、ポリエチレンテレフタレートからなる、厚さが約100μmのシート状のフィルムが使用されるが、これに限られるものではない。
【0018】
図1に戻って、巻出部1、塗布装置2、および巻取部3は、それぞれ、自身の動作を制御する制御器1C、制御器2C、および制御器3Cを含む。制御器1Cと制御器2CはラインL1で相互に接続され、制御器2Cと制御器3CはラインL2で相互に接続されている。制御器1Cは自身の動作状態を示す制御信号Sc12をラインL1を介して制御器2Cに送信し、制御器3Cは自身の動作状態を示す制御信号Sc32をラインL2を介して制御器2Cに送信する。制御器2Cは、受信した制御信号Sc12および制御信号Sc32に基づいて、全体としての塗布動作を決定して、ラインL1を介して制御器1Cに対する制御信号Sc21を送信し、ラインL2を介して制御器3Cに対する制御信号Sc23を送信する。このようにして、塗布動作が制御される。後ほど図7および図9を参照して、それぞれ異なる実施例における制御器2Cによる塗布動作制御について詳述する。
【0019】
樹脂フィルムFは床FLからリールR1およびR3の外周上端高さHRで、その長手方向(X方向)に所定の張力が掛かった状態で、リールR1およびリールR3によって保持されると共に、X方向に所定枚数の画像表示器に相当する分だけ間欠移動しながら搬送されて、塗布装置2に供給される。このように1回の間欠移動動作によって搬送される樹脂フィルムFの領域を搬送単位Utと呼ぶ。
【0020】
図3を参照して、搬送単位Utについて簡単に説明する。樹脂フィルムFは中心軸Afに沿って延在する長尺のシートであり、中心軸Afが上述の軸Axと平行になるように配置される。図3(a)には、搬送単位Utに1枚分の画像表示器に相当する画像表示領域Sが形成されている例が示されている。画像表示領域Sには、画素要素である凹部Pが格子状のパターンに形成されている。画像表示領域Sは、中心軸Afに平行な方向(X方向)に長さLsxだけ延在し、中心軸Afに垂直な方向(Y方向)に長さLsyだけ延在している。なお、樹脂フィルムFに準じて、長さLsxおよび長さLsyをそれぞれ画像表示領域Sの長さおよび幅と呼ぶ。
【0021】
図3(b)には、搬送単位Utに複数枚の画像表示領域S1・・・Sn(nは2以上の整数)が形成されている例が示されている。本例においては、9(3×3)枚の画像表示領域S1〜Snが規則正しく配列されている。画像表示領域S、およびS1〜Snは、それぞれ従来のガラス基板の1枚に相当する。画像表示領域S1〜Sn(n=9)は、図3(a)の画像表示領域Sが、凹部Pを有しない部分によってn(n=9)個に分割されたものと同等である。なお、本実施の形態においては、説明の簡便化のために、搬送単位Utには従来のガラス基板の1枚に相当する画像表示領域Sが形成されているものとする。なお、図2における例では、図3(a)に示した搬送単位Utに1枚分の画素表示に相当する画像表示領域Sが形成されている樹脂フィルムFが用いられている。
【0022】
図1に示すように、塗布装置2においては、樹脂フィルムFは、床FLから高さHRになるように設置された吸着プレート8の上面にガイドされる。これにより、樹脂フィルムFは、巻出部1、塗布装置2、および巻取部3の間で、ほぼ高さHRの位置で張力が掛かった状態で保持かつ搬送される。塗布装置2は、図1において、吸着プレート8より下部に位置する塗布ベース2Bと、吸着プレート8を含み塗布ベース2Bより上部に位置する塗布ユニット2Gとに大別される。
【0023】
このように、樹脂フィルムFは、その短手(軸Axに垂直な)方向であるY(幅)方向およびX(長さ)方向に関してリールR1およびリールR3によっておおよそ位置決め(ガイド)され、Z(高さ)方向に関してはリールR1、吸着プレート8、およびリールR3によって位置決め(ガイド)されている。
【0024】
所定の枚数の画像表示器に相当する樹脂フィルムFの搬送単位Utが吸着プレート8上に供給(載置)される。そして、吸着プレート8は樹脂フィルムFを吸着固定する。吸着固定された樹脂フィルムFに対して、複数のインクジェットノズル13(図5)を備えるインクジェットヘッドバー5が相対移動しながら、前記インクジェットノズル13により、画素要素である複数の凹部Pから任意に選択される凹部Pに対して、インクが塗布される。塗布装置2(主に、塗布ユニット2G)の構成およびその動作について、図2、図6、および図8を参照して後ほど詳述する。
【0025】
好ましくは、インクが塗布された樹脂フィルムFは、塗布装置2と巻取部3との間に設けられた装置(図示せず)において、乾燥および検査等の処理が行われる。その後、樹脂フィルムFは巻取部3において、ロール状に巻き取られる。
【0026】
図2を参照して、塗布ユニット2Gの構成について説明する。樹脂フィルムFには連続する3つの搬送単位Ut1、Ut2、およびUt3が形成されている。そして、搬送単位Ut1、Ut2、およびUt3のそれぞれには、1枚の画像表示器に相当する画像表示領域S1、S2、およびS3が形成されている。上述のように、本例においては画像表示領域Sは、従来のガラス基板の1枚に相当するが、複数のガラス基板に相当するように構成しても良い。
【0027】
塗布ユニット2Gは、フロントフレームFRf、バックフレームFRb、塗布ガントリ4、カメラガントリ6、および吸着プレート8(保持ステージ)を含む。フロントフレームFRfおよびバックフレームFRbは、軸Ax(X方向)に垂直なY方向に平行に延在するように塗布装置2のベース(図示せず)に固定されている。なお、フロントフレームFRfは上流(巻出部1)側に、バックフレームFRbは下流(巻取部3)側に配置されている。つまり、フロントフレームFRfおよびバックフレームFRbは、X方向、Y方向、およびZ方向に関して固定されている。
【0028】
塗布ガントリ4は、フロントフレームFRfおよびバックフレームFRbに対して、Y方向にスライド可能に取り付けられると共に、図示されていない駆動手段によってY方向に高精度にスライドされる。塗布ガントリ4には、インクを樹脂フィルムFに対して塗布するインクジェットヘッドバー5が保持されている。インクジェットヘッドバー5は、軸Axに平行な軸A5に沿って所定長Lだけ延在する。インクジェットヘッドバー5の延在長Lは、画像表示領域Sの長さLsxより長く設定されている。また、インクジェットヘッドバー5は、図示されていない駆動手段により、軸A5上の任意の点(好ましくは、中心)を通るZ軸(図示せず)を中心として任意の角度θだけ回転可能に保持されている。さらに、インクジェットヘッドバー5は、その回転軸がX方向に所定の距離△Xだけ、左右に移動可能に保持されている。
【0029】
つまり、インクジェットヘッドバー5は、X方向(軸Ax)に対して0°以上θ°以下の範囲の角度を成した状態で、X方向に△Xだけスライドできるように構成されている。なお、インクジェットヘッドバー5は、樹脂フィルムFへのインク塗布動作が開始する迄、或いはインク塗布動作間は、樹脂フィルムFを外れたホームポジションHPで待機させられる。ホームポジションHPは、好ましくは、画像表示領域Sに形成された複数の凹部(画素要素)Pの中で最初にインクが塗布される凹部Pに間近の位置が好ましいが、メンテナンス、フラッシング待機、ヘッド交換、および清掃などの作業性を考慮して決定される。これについては、後ほど詳述する。
【0030】
カメラガントリ6は、塗布ガントリ4と同様に、Y方向にスライド可能にフロントフレームFRfおよびバックフレームFRbに取り付けられていると共に、図示されていない駆動装置によってY方向に高精度にスライドされる。カメラガントリ6は、それぞれX方向に高精度にスライドできるアラインメントカメラ7およびスキャンカメラ9を保持している。アラインメントカメラ7およびスキャンカメラ9は、図示されていない駆動手段により、X方向に高精度にスライドされる。
【0031】
アラインメントカメラ7は、インクジェットヘッドバー5を樹脂フィルムFに対して位置合わせするための、樹脂フィルムFのマーク(図示せず)の検出に用いられる。スキャンカメラ9は、樹脂フィルムFの画像表示領域S以外の所定の部分にテストパターンとして吐出されたインクを検出するための計測に用いられる。アラインメントカメラ7およびスキャンカメラ9は、インクジェットヘッドバー5の樹脂フィルムFに対する位置合わせや、吐出されたインクの検出のため、図示しない駆動機構およびガイド機構によってX方向に駆動される。アラインメントカメラ7およびスキャンカメラ9は、Y方向にも駆動される。
【0032】
図4を参照して、インクジェットヘッドバー5について説明する。本例においては、インクジェットヘッドバー5には、3つのヘッドユニット10a、10b、および10c(必要に応じて、ヘッドユニット10と総称する)がX方向に所定の距離D2だけ離間して平行に設けられている。以降、距離D2を必要に応じてヘッドユニット離間距離D2と称する。ヘッドユニット10は、それぞれ異なる色調のインクを吐出する3つのヘッドモジュール11a、11b、および11c(必要に応じて、ヘッドモジュール11と総称する)が設けられている。ヘッドモジュール11がX方向にインクを塗布できる長さをヘッドモジュール塗布幅Wmと呼ぶ。なお、ヘッドモジュール塗布幅Wmに関しては、後ほど図5を参照して説明する。
【0033】
ヘッドモジュール11a、11b、および11cは所定の距離D1ずつX方向にシフトして配置されている。以降、距離D1を必要に応じてヘッドモジュールシフト距離D1と称する。なお、ヘッドモジュールシフト距離D1はヘッドモジュール塗布幅Wmに相当し、ヘッドユニット離間距離D2はヘッドモジュール塗布幅Wmの2倍(2Wm)に相当する。つまり、1つのヘッドユニット10がX方向にインクを塗布できる長さをヘッドユニット塗布幅Wuと称する。ヘッドユニット塗布幅Wuはヘッドモジュール塗布幅Wmの3倍(3Wm)である。結果、インクジェットヘッドバー5をY方向に移動させることによって、X方向にヘッドユニット塗布幅Wuの3倍の長さに渡ってインクを樹脂フィルムFに塗布することができる。なお、ヘッドユニット塗布幅Wuは、通常90mm程度である。
【0034】
本例においては、インクジェットヘッドバー5のX方向の塗布幅は3・Wuである。しかしながら、必要に応じて、L(Lは自然数)個のヘッドユニット10を設けることにより、塗布幅をL・Wuとすることができる。インクジェットヘッドバー5のX方向の塗布幅L・Wuは次式(1)を満たす。
L・Wu≧Lsx ・・・・ (1)
【0035】
図5を参照して、ヘッドモジュール11について説明する。ヘッドモジュール11は、X方向を長辺とし、Y方向を短辺とする矩形状の吐出面を有している。ヘッドモジュール11には、X方向を長辺とし、Y方向を短辺とする矩形状の吐出面を有する塗布ヘッド12が複数個(本例においては5)、Y方向に隣接して設けられている。つまり、ヘッドモジュール11の吐出面は、複数の塗布ヘッド12の吐出面で構成されている。
【0036】
塗布ヘッド12の吐出面には、X方向に所定の間隔で配列された、同一の色調のインクを吐出する複数のノズル13がY方向に複数段(本例においては、2段)に渡って設けられている。なお、上述のように、ヘッドモジュール11はそれぞれ同一色調のインクを吐出するので、1つのヘッドモジュール11に設けられている全てのノズル13は同一色調のインクを吐出できる。樹脂フィルムFの凹部P、つまり画素要素への塗布は1つのヘッドモジュール11に設けられているノズル13の全てを使用する必要はなく、1つの画素要素を塗布するのに必要なノズル数を自由に選択できる。
【0037】
しかしながら、ノズル13は、完全に全く同じものを作製するのは困難であるため、ノズル毎に微妙にインクの吐出量が異なる。この吐出量の差は微妙な差であるが、広範囲の領域を塗布した場合は、この微妙な違いが塗布ムラとなって現れる。本発明の出願人は、この塗布ムラを解消する塗布方法を特願2009−221161号において提案している。同塗布法においては、インクジェットヘッドバー5に設けられている同一色調のインクを吐出できる全てのノズル13から吐出量が所定の値になるようにする任意のノズルを選択して、隣接する画素要素とのインクの塗布量の違いを十分に小さな違いにすることにより、塗布ムラの解消を図っている。つまり、インクジェットヘッドバー5に設けられている同一色調のノズル13の全てから、任意に組み合わせたノズル13にのみインクを対象の画素要素(凹部P)に吐出させるように制御している。
【0038】
上述のように、インクの吐出量を均一にして、画素要素毎のインク塗布量を均一にしても、画素要素毎の乾燥条件の相違が、画素要素間での色ムラに繋がる乾燥ムラを招くことがある。本発明の出願人は、さらに、この画素要素間の乾燥ムラを防止する塗布方法を、特開2009−169415号公報に提案している。同塗布方法においては、ヘッドモジュールをX方向に塗布幅Wmより短い距離の移動を行わせて、1度ヘッドモジュールが通過した場所を、再度ヘッドモジュールが通過するラップ部をヘッドモジュールの端部で塗布した部分に設けることにより、ラップ部の形成がヘッドモジュール端部で塗布した領域の乾燥環境をヘッドモジュール中央部で塗布した領域の乾燥環境に近づけることにより、乾燥ムラの低減を図っている。
【0039】
実施例1および実施例2においては、樹脂フィルムFの中心軸Afが、巻出部1、塗布装置2、および巻取部3の共通の軸Axに対して、平行ではなく、θ°だけ傾いている場合の、インクジェットヘッドバー5の塗布スキャン方法が異なる点を除いて、同様に構成され同様に制御される。この違いは、塗布ユニット2Gの、主にインクジェットヘッドバー5の機構および制御器2Cの制御方法の違いによって実現される。よって、実施例1および実施例2における塗布ユニット2Gとインクジェットヘッドバー5と制御器2Cとのそれぞれを、塗布ユニット2Ga(図6)および2Gb(図8)とし、インクジェットヘッドバー5a(図6)および5b(図8)とし、制御器2Caおよび2Cbとして識別して以下に説明する。同様に、塗布装置2も塗布装置2aおよび2bとして識別する。なお、塗布装置2aおよび2bと制御器2Caおよび2Cbについては、図1を援用する。
【0040】
(実施例1)
図6および図7を参照して、本発明の実施例1に係る塗布方法および塗布装置について説明する。上述のように、本実施例における塗布ユニット2Gaは、インクジェットヘッドバー5がインクジェットヘッドバー5aに交換されている点を除いて、塗布ユニット2Gと同様に構成されている。インクジェットヘッドバー5aは、インクジェットヘッドバー5と同様に、X方向(軸Ax)に対して0°以上θ°以下の範囲の角度を成した状態で、X方向に△Xだけスライドできるように構成されている。なお、θおよび△Xはそれぞれ次式(2)および(3)を満たす。
0≦θ≦1° ・・・・(2)
0≦△X≦Wu ・・・・(3)
【0041】
次に、図7を参照して、主に制御器2Ca(図1を援用)の動作を中心に、本実施例における塗布装置2aによる樹脂フィルムFに対するインク塗布動作について説明する。なお、実施例1および実施例2において共通の動作については、実施の形態における構成要素の動作として述べる。
【0042】
上述のように、樹脂フィルムFはリールR1、リールR3、および吸着プレート8によって、X方向、Y方向、およびZ方向に関してガイドされた状態で、塗布装置2による塗布動作が開始される。なお、インクジェットヘッドバー5aは、樹脂フィルムFへのインク塗布動作が開始する迄、或いはインク塗布動作の合間は、樹脂フィルムFを外れたホームポジションHPで待機させられる。ホームポジションHPは、好ましくは、画像表示領域Sに形成された複数の凹部(画素要素)Pの中で最初にインクが塗布される凹部Pに間近の位置が好ましいが、メンテナンス、フラッシング待機、ヘッド交換、および清掃などの作業性を考慮して決定される。
【0043】
動作が開始すると、まず、ステップS1において、本処理における各種パラメータが初期化される。具体的には、ロールWr1単位の樹脂フィルムFの画像表示領域Sの枚数を示す画像表示領域カウンタCs及び画像表示領域S単位の塗布スキャン動作の回数を示す塗布スキャンカウンタCaがそれぞれ0にセットされ、画像表示領域S単位の最大塗布スキャン回数を示す画像表示領域最大塗布スキャン値Camax及び樹脂フィルムFの単位で塗布されるべき画像表示領域Sの枚数を示す樹脂フィルム最大塗布枚数Csmaxのそれぞれが所定の値に設定され、マッピングデータDmが所定の値Dに設定される。塗布スキャンとは、インクジェットヘッドバー5a(塗布ガントリ4)が、画像表示領域Sに対して、Y方向(ホームポジションHPとカメラガントリ6との間)に1回移動しながらインクを塗布することを言う。マッピングデータDmは、インクジェットヘッドバー5aが所定の座標(画像表示領域Sに対するインクジェットヘッドバー5aの相対位置)にある時に、どのノズル13からインクを吐出するかを、個々の凹部(画素要素)Pについて規定するデータである。
【0044】
次に、ステップS2において、塗布装置2(制御器2C)から巻出部1(制御器1C)および巻取部3(制御器3C)に対して、樹脂フィルムFを1枚の画像表示領域S分だけ、吸着プレート8(塗布ユニット2G)上に供給するように要求する制御信号Sc21およびSc23が出力される。巻出部1および巻取部3は、制御信号Sc21およびSc23に応答して、リールR1およびR3をX方向に回転させて、それぞれ樹脂フィルムFを張力を掛けながら、1枚の画像表示領域Sを吸着プレート8上に供給する。そして、巻出部1(制御器1C)および巻取部3(制御器3C)は、制御信号Sc12およびSc32を出力して、画像表示領域Sの供給完了を塗布装置2に知らせる。
【0045】
ステップS4において、塗布装置2(制御器2C)は、制御信号Sc12およびSc32に応答して、巻出部1(制御器1C)および巻取部3(制御器3C)に対して、供給された画像表示領域Sを吸着プレート8上に載置させる制御信号Sc21およびSc23を出力する。巻出部1(制御器1C)および巻取部3(制御器3C)は、それぞれ、制御信号Sc21およびSc23に応答して、画像表示領域S(搬送単位Ut)を吸着プレート8上に載置させた後に、制御信号Sc12およびSc32を出力する。塗布装置2(制御器2C)は、制御信号Sc12およびSc32に応答して、吸着プレート8により画像表示領域Sを吸着固定させる。
【0046】
ステップS5において、画像表示領域カウンタCsに1が加算される(Cs=Cs+1)。加算後のカウンタCsは、現在塗布装置2に供給されている画像表示領域Sが、樹脂フィルムFにおいて、何枚目の画像表示領域Sであるかを表す。つまり、上述のステップS1において、画像表示領域カウンタCsは0に設定されているので、画像表示領域カウンタCsは1、つまり、動作開始直後には樹脂フィルムFの1枚目の画像表示領域Sが吸着プレート8上に吸着固定されてことが示される。
【0047】
ステップS6において、制御器2Cは塗布ユニット2Gのカメラガントリ6およびアラインメントカメラ7を起動して、樹脂フィルムF(画像表示領域S)の所定の領域に設けられているマーク(図示せず)を検出する。
【0048】
ステップS8aにおいて、ステップS6で得られた検出結果に基づいて、画像表示領域Sのアライメント情報IAaを生成する。アライメント情報IAaは、X位置誤差Ex、Y位置誤差Ey、および平行誤差Eθを含む。X位置誤差Exは画像表示領域SのX方向における位置ずれ量であり、Y位置誤差Eyは画像表示領域SのY方向における位置ずれ量であり、平行誤差Eθは画像表示領域SのX(軸Ax)方向に対する傾き(非平行度)である。
【0049】
平行誤差Eθの意味について簡単に説明する。画像表示領域Sが吸着プレート8上に正しく位置決めされている場合には、X位置誤差Ex、Y位置誤差Ey、および平行誤差Eθはゼロであり、樹脂フィルムFの延在中心軸Afは軸Axと一致する。しかしながら、画像表示領域Sが正しく位置決めされていない場合には、塗布開始の前にインクジェットヘッドバー5aの姿勢、位置、およびインクの吐出開始位置を補正する必要がある。具体的には、図2に示すように、平行誤差Eθが0の場合は、X位置誤差Exに基づいて塗布ガントリ4をX方向に移動させ、Y位置誤差Eyに基づいてインクジェットヘッドバー5aのインク塗布開始タイミング(位置)を修正すれば対応できる。
【0050】
一方、平行誤差Eθがゼロでない場合、インクジェットヘッドバーの軸A5が画像表示領域Sに設けられた複数の凹部Pの中心軸Af(X方向)の配列に対して、平行誤差Eθだけ傾いている。つまり、軸A5方向に配列された複数のノズル13(ヘッドモジュール11)が、画像表示領域S(複数の凹部P)に対して平行に対向していないことを意味する。よって、平行誤差Eθが0の場合のように、X位置誤差Exに基づいて塗布ガントリ4をX方向に移動させ、Y位置誤差Eyに基づいてインクジェットヘッドバー5aのインク塗布開始タイミング(位置)を修正しても対応できない。
【0051】
よって、本実施例においては、インクジェットヘッドバー5aを平行誤差Eθ分だけ回転させて、傾いた画像表示領域Sの中心軸Af方向に並んだ画素要素(画像表示領域S)に対して平行に位置させた状態で、インクジェットヘッドバー5aの画像表示領域Sに対するX位置、インクジェットヘッドバー5aのインク塗布開始タイミングの修正を可能にすることを意図している。
【0052】
ステップS10において、X位置補正が行われる。具体的には、X位置誤差Exに基づいて、インクジェットヘッドバー5aのX方向の位置が補正される。
【0053】
ステップS12において、θ補正が行われる。具体的には、平行誤差Eθに基づいて、インクジェットヘッドバー5aがθ回転される。結果、インクジェットヘッドバー5aのノズル13の列は、画像表示領域Sの画素要素のX方向配列に対して平行に対向する。
【0054】
ステップS14において、塗布ガントリ4(インクジェットヘッドバー5a)がホームポジションHPから本来の塗布開始位置まで移動される。つまり、上述のステップS10およびS12において、インクジェットヘッドバー5aがホームポジションHPでX位置補正およびθ補正された後に、インクジェットヘッドバー5aはホームポジションHPより塗布開始位置に移動する。つまり、塗布開始位置に到達した時点では、インクジェットヘッドバー5aのX位置補正およびθ補正は不要である。
【0055】
また、X位置補正及びθ補正に時間が掛かる場合でも、インクジェットヘッドバー5aはホームポジションHP上にあるので、塗布直前までフラッシングを行うことができ、インク乾きによるノズル詰まりを防止できる。なお、両ステップにおける処理の順番は前後しても良いし、同時であってもよい。
【0056】
ステップS16aにおいて、ステップS10およびS12において修正された姿勢および位置で、インクジェットヘッドバー5aによる画像表示領域Sに対する塗布スキャンが開始される。なお、Y位置誤差Eyに基づいて、画像表示領域Sに対するインクの吐出開始タイミングが補正される。そして、軸Axに対して垂直(バックフレームFRbおよびフロントフレームFRfに対して平行)な塗布スキャン方向Mに沿って、インクジェットヘッドバー5a(ヘッドモジュール11)が移動されて塗布スキャンが実行される。
【0057】
インクジェットヘッドバー5aが画像表示領域Sにおけるカメラガントリ6側(ホームポジションHPの反対側)に到達した時点で、1回の塗布スキャン動作が完了する。ステップS17において、塗布スキャンカウンタCaに1が加算される(Ca=Ca+1)。加算後のカウンタCaは、現在塗布装置2に供給されている画像表示領域Sに対して、既に完了している塗布スキャン動作の回数を表す。
【0058】
ステップS18において、カウンタCaを参照して、直前に完了した塗布スキャン動作が、当該画像表示領域Sに対する1回目の塗布スキャンである(カウンタCa=1)か否かが判断される。Yesと判断される場合は、以下に説明するステップS28〜S40において、テストパターンの塗布、検査、及び検査結果に基づいてマッピングデータの更新等が行われると共に、処理はステップS16aに戻って、画像表示領域Sの画素要素に対する塗布スキャンが継続される。Noと判断される場合は、ステップS20において、カウンタCaを参照して、画像表示領域Sに対する塗布スキャンが完了したか否かが判断される。
【0059】
ステップS20においてNoと判断される場合は、処理はステップS16aに戻って、画像表示領域Sの画素要素に対する塗布スキャンが継続される。そして、画像表示領域Sの塗布スキャンが完了した時点(Ca=Camax)で、Yesと判断されて、処理は次のステップS22に進む。ステップS22以降の処理については後述する。
【0060】
上述のステップS18において、直前に完了した塗布スキャン動作が、当該画像表示領域Sに対する1回目の塗布スキャンである(Ca=1)と判断された場合に行われるステップS28〜S40の処理について説明する。まず、ステップS28において、画像表示領域Sにおけるカメラガントリ6側(ホームポジションHPの反対側)に到達したインクジェットヘッドバー5aの全てのノズル13が、樹脂フィルムFの画像表示領域S以外の所定の部分に対して、所定のテストパターンにインクを吐出する。なお、テストパターンを塗布する箇所は、樹脂フィルムFにおける、画像表示領域S以外の部分であればよく、カメラガントリ6側の部分には限られない。
【0061】
次に、ステップS30において、ステップS28で形成されたテストパターンを、スキャンカメラ9(カメラガントリ6)で撮影する。このテストパターンの撮影と、画像表示領域Sに対する2回目以降の塗布スキャン(ステップS16a)とは、同時に行うことができる。
【0062】
ステップS32において、撮影されたテストパターンのデータを画像処理して検査する。具体的には、テストパターンの画像から、ノズル毎の吐出位置と吐出量とを求める。ステップS34において、検査結果を、塗布装置2の制御器2Cにフィードバックする。
【0063】
ステップS36において、制御器2C内に格納されたマッピングソフトが、画像処理されたデータ(ノズル毎の吐出位置と吐出量)が所定のパターンを満たしているか否かに基づいて、異常があるノズルを特定すると共に、検査結果が許容範囲内であるか否かを判断する。判断の結果は、塗布装置2が行う塗布工程を、その前工程及び後工程と併せて統括するコンピュータに送信される。Noと判断される場合は、処理はステップS40に進んで、エラー処理(ライン停止、メンテナンス等)を行う。併せて、現在塗布スキャンを行っている画像表示領域Sも不良である可能性が高い旨を、上記コンピュータに送信する。
【0064】
ステップS36においてYesと判断される場合は、ステップS38においてマッピングデータの更新(リマッピング)が行われる。具体的には、ステップS36で求めた、異常があるノズルを特定する情報に基づいて、マッピングデータDmを更新し(個々の凹部(画素要素)Pについて、インクジェットヘッドバー5aが所定の座標に位置した時に、どのノズル13からインクを吐出するかの規定を修正する)、更新後のマッピングデータをDm(Cs)とする。後述するように、このマッピングデータDm(Cs)は、(Cs+1)枚目の画像表示領域Sに対する塗布スキャンに使用される。
【0065】
このように、本実施例においては、画像表示領域Sが塗布装置2に供給される度にテストパターンの塗布及び検査を行い、その検査結果に基づいてマッピングデータDmを更新して、次に供給される画像表示領域Sの塗布スキャンに反映する。塗布処理を連続して行うと、インクの乾燥や異物発生によってノズルからのインク吐出量が減少したり、ノズルが詰まったりする可能性があり、その場合、使用されたノズルから、予定された量のインクが吐出されない。本実施例においては、直前の画像表示領域Sに対する各ノズルからのインク吐出位置と吐出量をカメラで確認し、マッピングデータDmに反映させることで、使用するノズルの選択と、吐出座標を変更するので、連続して画像表示領域Sを塗布しても、塗布ムラのないカラーフィルタを製造することができる。
【0066】
ステップS20においてYesと判断される場合(画像表示領域Sの塗布スキャンが完了(Ca=Camax)した場合)は、処理は次のステップS22に進む。ステップS22において、塗布ガントリ4はホームポジションHPに戻り、ステップS24で待機モードに入る。ホームポジションHPにおいては、フラッシングや、ブリーディングおよびクリーニングなどのノズル詰まり防止処理が適時行われる。なお、ホームポジションHPは、樹脂フィルムFから離反した位置にあるので、フラッシングや、ブリーディングおよびクリーニングの際のインクによって、樹脂フィルムFが不用意に汚染されることが防止される。さらにステップS25において、画像表示領域S単位の塗布スキャン動作の回数を示す塗布スキャンカウンタCaが初期化される(Ca=0)。
【0067】
ステップS26で、樹脂フィルムFの単位で塗布スキャンを完了している(Cs=Csmax)か否か、つまり、塗布スキャンされていない画像表示領域Sが残っているか否かが判断される。Noの場合、処理はステップS2に戻り上述の処理を繰り返す。上述したように、Cs枚目の画像表示領域Sに対する塗布スキャン時には、(Cs−1)枚目の画像表示領域Sに対して行ったテストパターン検査に基づいて更新されたマッピングデータDm(Cs−1)が使用される。ステップS26において、本画像表示領域SにおいてYes(樹脂フィルムFの単位で塗布スキャンを完了している(Cs=Csmax))と判断された時点で塗布処理が終了する。
【0068】
本実施例において、凹部Pは格子状のパターンに形成されているが、凹部Pの形状や配置はこれに限らず、所定の形状の凹部が所定のパターンで均等に配列されているものに適用できることは言うまでもない。そのような例としては、六角形の凹部がハニカム状に配置されているものを挙げることができる。
【0069】
上述のように、本実施例においては、ホームポジションHP上でフラッシングを行いながら樹脂フィルムFの傾斜に対するインクジェットヘッドバー5のX位置補正およびθ補正が行われる。その後、インクジェットヘッドバー5は塗布開始位置に移動して、即塗布スキャンが開始されるので、X位置補正およびθ補正と塗布スキャン開始との間にノズル13の詰まりの発生を防止できる。この意味より、ホームポジションHPと塗布開始位置との距離は、クリーニングサイクルに要する時間を考慮して決定される。
【0070】
つまり、インクジェットヘッドバー5(塗布ガントリ4)の移動速度をVとして、ホームポジションHPと塗布開始位置との距離をDとし、フラッシングインターバルをTiとすると、次式(4)が成立する。
D≦V・Ti/K ・・・・(4)
【0071】
なお、フラッシングインターバルTiは、ノズル13が詰まらない範囲内で任意に設定可能であり、Kは自然数である。K=1の場合は、インクジェットヘッドバー5はホームポジションHPから塗布開始位置に移動する間にフラッシングを行うことはない。K≧2の場合、(K−1)がインクジェットヘッドバー5がホームポジションHPから塗布開始位置に移動する間にフラッシングを行う回数を意味する。移動中のフラッシングは、トレイ等の上で行うように設定される。
【0072】
また、本実施例においては、Cs枚目の画像表示領域Sに対する塗布スキャン時には、(Cs−1)枚目の画像表示領域Sに対して行ったテストパターン検査に基づいて更新されたマッピングデータDm(Cs−1)が使用される。しかしながら、カメラガントリ6の移動速度やテストパターンのデータを画像処理する演算速度が十分に速ければ、Cs枚目の画像表示領域Sに対して行ったテストパターン検査に基づいて更新されたマッピングデータDm(Cs)を使用して、当該Cs枚目の画像表示領域Sに対する塗布スキャンを行うことが可能である。
【0073】
さらに、Cs枚目の画像表示領域Sに対して行ったテストパターン検査に基づいて更新されたマッピングデータDm(Cs)を、その後供給される複数枚の画像表示領域Sに対する塗布スキャンに使用することも可能である。このようなマッピングデータDmの適用は、最初に供給される複数枚の画像表示領域Sに対してその都度テストパターン検査を行い、その検査結果のばらつきが小さい(所定の範囲内である)場合に行うことが望ましい。
【0074】
なお、本発明においては、従来の個々のガラス基板とは異なり、複数の画像表示領域Sが連続的に形成されたシート状の樹脂フィルムFにインクジェット印刷が行われる。そのために、個々のガラス基板の位置及び姿勢の補正が行われる代わりに、樹脂フィルムFの傾きに応じて画像表示領域Sに対する塗布装置側の位置及び姿勢の補正が行われる。隣り合う画像表示領域Sに関して、樹脂フィルムFの傾きのばらつきは、個々のガラス基板の位置及び姿勢のばらつきに比べて小さく、再現性も高い。よって、連続する画像表示領域Sでの塗布装置側の補正量は小さいので、補正に要する工数も小さく、連続する画像表示領域Sに対して高速にインクの塗布を行うことができるとともに、1つ前の画像表示領域Sに塗布されたテストパターンに基づいて作成されたマッピングデータDmを、現画像表示領域Sに適応することにより、より迅速且つ効率的なインク塗布を可能としている。
【0075】
(実施例2)
次に、図8および図9を参照して、本発明の実施例2に係る塗布方法および塗布装置について説明する。上述のように、本実施例と実施例1との実質上の違いはインクジェットヘッドバー5の塗布スキャン方法(方向)である。具体的には、実施例1においては、軸Axに対する樹脂フィルムF(中心軸Af)の傾きθを打ち消すように、インクジェットヘッドバー5a(ヘッドモジュール11、ノズル13)は回転(θ補正)されて、中心軸Af方向に配列された凹部Pに対して平行に対向される。その状態で、インクジェットヘッドバー5a(塗布ガントリ4)はY方向(塗布スキャン方向M)に移動しながら、凹部Pに対して塗布スキャンする。つまり、インクジェットヘッドバー5aは、中心軸Afに対して、πではなく(π−θ)の角度で交差(傾斜)して塗布スキャン方向Mに移動する。
【0076】
これに対して、本実施例においては、インクジェットヘッドバー5bが中心軸Afに対して平行に対向すると共に、中心軸Afに対してπで交差して塗布スキャンできるように考案されたものである。軸Ax(塗布装置2)に対してθだけ傾斜した、樹脂フィルムFの中心軸Af(樹脂フィルムF)に対して、πで交差する塗布スキャン方向を補正塗布スキャン方向Emと呼ぶ。
【0077】
図8に示すように、補正塗布スキャン方向Emは、中心軸Af(樹脂フィルムF)に対して垂直(π)、軸Ax(塗布装置2、X方向)に対してθで交差する。よって、塗布スキャン方向Mに対してθで交差する。同図において、補正塗布スキャン方向Emを斜辺とし、塗布スキャン方向Mを隣辺とし、軸Ax(X方向)に平行な底辺から成る直角三角形が成立する。斜辺の長さを画像表示領域Sの幅Lsyとすると、底辺の長さ△Mxは次式(5)で表される。
△Mx=Lsy・Sinθ ・・・・(5)
【0078】
画像表示領域Sの中心軸Afに平行な両端部に位置する対応する凹部Pは、軸Axに関して△Mx=Lsy・Sinθだけずれている。よって、インクジェットヘッドバー5bをY方向(軸Axに垂直)に移動させるのと同時にSinθだけX方向(軸Axに平行)に移動させれば、インクジェットヘッドバー5bは中心軸Afに平行に対向しながら、中心軸Afに対してπで交差して塗布スキャンできる。つまり、補正塗布スキャン方向Emはθの関数である。
【0079】
よって、本実施例においては、インクジェットヘッドバー5bはインクジェットヘッドバー5aと同様にX方向(軸Axに平行)に△Xだけスライドできると共に、さらに△Mxだけスライドできる。なお、△Mxは次式(6)を満たす。
0≦△Mx≦Lsy・Sinθ ・・・・(6)
【0080】
以下に、図9を参照して、本実施例における動作について説明する。図9に示すフローチャートは、上述の図7に示したフローチャートにおいて、ステップS8a及びステップS16aがそれぞれステップS8b及びステップS16bに置き換えられている。ステップS8bにおいては、アライメント情報IAa(S8a)の代わりにアライメント情報IAbが算出される。アライメント情報IAbは、アライメント情報IAaに補正塗布スキャン方向Emが追加されている。つまり、アライメント情報IAbは、X位置誤差Ex、Y位置誤差Ey、平行誤差Eθ、および補正塗布スキャン方向Emが算出される。
【0081】
ステップS16bにおいては、ステップS16aにおけるのと同様に、ステップS10、S12、およびS14において修正された姿勢および位置で、インクジェットヘッドバー5bの画像表示領域Sに対する塗布スキャンが開始される。但し、軸Axに対して垂直な塗布スキャン方向Mに対して、sinθで補正された補正塗布スキャン方向Emに沿って、インクジェットヘッドバー5b(ヘッドモジュール11)が移動されて塗布スキャンが実行される。つまり、△Mxは、塗布スキャン動作中にインクジェットヘッドバー5bがX方向に移動される量である。
【0082】
このようにして、本実施例においては、実施例1における特徴に加えて、インクジェットヘッドバー5bを樹脂フィルムFの中心軸Afに平行に対向しながら、中心軸Afに対してπで交差して塗布スキャンできる。つまり、画像表示領域Sに対するインクジェットヘッドバー5b(ノズル13)の位置関係が、実施例1において、中心軸Afが軸Axに平行に供給された時と同じ状態で塗布スキャンできる。
【0083】
本発明の塗布方法は、可撓性を有する画像表示器の製造以外に、従来の画像表示器の製造、ナノインクを用いた配線パターンの形成、有機TFT(Thin Film Transistor)用液を用いたTFTの形成等に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明は、可撓性を有する長尺状の基材に形成された複数の凹部にインクを塗布する方法に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 巻出部
2 塗布装置
3 巻取部
4 塗布ガントリ
5、5a、5b インクジェットヘッドバー
6 カメラガントリ
7 アラインメントカメラ
8 吸着プレート
9 スキャンカメラ
10、10a、10b、10c ヘッドユニット
11、11a、11b、11c ヘッドモジュール
12 塗布ヘッド
13 ノズル
F 樹脂フィルム
D1 ヘッドモジュールシフト距離
D2 ヘッドユニット離間距離
HP ホームポジション
IAa、IAb アライメント情報
Ex X位置誤差
Ey Y位置誤差
Eθ 平行誤差
Em 補正塗布スキャン方向
R1、R3 リール
S、S1、S2、S3 画像表示領域
Wr1、Wr3 ロール
Wm ヘッドモジュール塗布幅
Wu ヘッドユニット塗布幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形シート状の基材の長手方向に所定間隔で連続して形成されている複数の矩形領域に格子状に配設されている複数の凹部のそれぞれに複数のノズルを用いてインクジェット方式により所定の色調のインクを塗布する塗布方法であって、
前記基材をその長手方向に所定の張力を掛けて所定の高さで保持すると共に、当該長手方向に垂直な短手方向に位置決めする第1の保持工程と、
前記位置決めされた基材を前記所定の高さに位置する面で受け止める第2の保持工程と、
前記複数のノズルを前記保持された基材から外れた、当該基材の側部近傍の待機位置で待機させる待機工程と、
前記短手方向および前記所定の高さに保持された前記基材を、前記矩形領域の単位で供給する基材供給工程と、
前記供給された矩形領域の基材を吸着固定する矩形領域固定工程と、
前記矩形領域の、前記長手方向におけるX位置誤差と、前記短手方向におけるY位置誤差と、前記長手方向に対する平行誤差とを求めるアライメント情報算出工程と、
前記X位置誤差に基づき、前記矩形領域に対する前記複数のノズルのX方向の位置を補正する工程と、
前記平行誤差に基づき、前記矩形領域に対する前記複数のノズルの配列方向の傾きを補正する工程と、
前記複数のノズルの前記矩形領域に対する位置および配列方向の傾きが補正された後に、前記複数のノズルを前記待機位置から前記短手方向に平行な第1の塗布スキャン方向に移動させながら、当該複数のノズルの中の任意のノズルから、前記吸着固定された矩形領域に配設されている複数の凹部のそれぞれにインクを吐出させるインク吐出工程とを備える塗布方法。
【請求項2】
前記Y位置誤差に基づいた、前記矩形領域に対する前記複数のノズルのY方向の位置の補正は、前記インク吐出工程において行われることを特徴とする、請求項1に記載の塗布方法。
【請求項3】
前記アライメント情報算出工程においては、さらに、前記平行誤差に基づき、前記矩形領域に対する前記複数のノズルの配列方向の傾きを算出し、前記短手方向に対して前記算出された傾きだけ補正して第2の塗布スキャン方向を求め、
前記インク吐出工程においては、前記複数のノズルを前記第2の塗布スキャン方向に移動させながらインクを塗布させることを特徴とする、請求項1に記載の塗布方法。
【請求項4】
前記インク吐出工程を行う前に、前記矩形領域に対してテストパターンを塗布する工程をさらに備える、請求項1に記載の塗布方法。
【請求項5】
前記テストパターンを塗布する工程の後に、当該塗布されたテストパターンを撮影する工程をさらに備える、請求項4に記載の塗布方法。
【請求項6】
前記塗布されたテストパターンを撮影する工程と、前記矩形領域に対する、2回目以降の前記インク吐出工程とを同時に行うことを特徴とする、請求項5に記載の塗布方法。
【請求項7】
前記撮影されたテストパターンを検査する工程と、
前記撮影されたテストパターンの検査結果をフィードバックする工程と、
前記検査結果を判断する工程とを備える、請求項5に記載の塗布方法。
【請求項8】
前記検査結果に基づいて、前記複数の凹部のそれぞれに対してインクを吐出するノズルを決定するマッピングデータを生成するマッピング工程をさらに備える、請求項7に記載の塗布方法。
【請求項9】
前記インク吐出工程は、前記マッピングデータに基づいて行われることを特徴とする、請求項8に記載の塗布方法。
【請求項10】
前記マッピングデータは、画像表示領域に塗布されたテストパターンの検査結果に基づいて更新されることを特徴とする、請求項9に記載の塗布方法。
【請求項11】
前記マッピングデータは、塗布スキャンが行われる画像表示領域の1つ前の画像表示領域に塗布されるテストパターンの検査結果に基づいて更新されることを特徴とする、請求項9に記載の塗布方法。
【請求項12】
前記判断結果に基づき、エラー処理を行う工程をさらに備える、請求項7に記載の塗布方法。
【請求項13】
矩形シート状の基材の長手方向に所定間隔で連続して形成されている複数の矩形領域に格子状に配設されている複数の凹部のそれぞれに複数のノズルを用いてインクジェット方式により所定の色調のインクを塗布する塗布装置であって、
前記基材をその長手方向に所定の張力を掛けて所定の高さで保持すると共に、当該長手方向に垂直な短手方向に位置決めする第1の保持手段と、
前記位置決めされた基材を前記所定の高さに位置する面で受け止める第2の保持手段と、
前記複数のノズルを前記保持された基材から外れた、当該基材の側部近傍の待機位置で待機させる待機手段と、
前記短手方向および前記所定の高さに保持された前記基材を、前記矩形領域の単位で供給する基材供給手段と、
前記供給された矩形領域の基材を吸着固定する矩形領域固定手段と、
前記矩形領域の、前記長手方向におけるX位置誤差と、前記短手方向におけるY位置誤差と、前記長手方向に対する平行誤差とを求めるアライメント情報算出手段と、
前記X位置誤差に基づき、前記矩形領域に対する前記複数のノズルのX方向の位置を補正するX位置補正手段と、
前記平行誤差に基づき、前記矩形領域に対する前記複数のノズルの配列方向の傾きを補正するθ補正手段と、
前記複数のノズルの前記矩形領域に対する位置および配列方向の傾きが補正された後に、前記複数のノズルを前記待機位置から前記短手方向に平行な第1の塗布スキャン方向に移動させながら、当該複数のノズルの中の任意のノズルから、前記吸着固定された矩形領域に配設されている複数の凹部のそれぞれにインクを吐出させるインク吐出手段とを備える塗布装置。
【請求項14】
前記Y位置誤差に基づいた、前記矩形領域に対する前記複数のノズルのY方向の位置の補正は、前記インク吐出手段によって行われることを特徴とする、請求項13に記載の塗布装置。
【請求項15】
前記アライメント情報算出手段は、さらに、前記平行誤差に基づき、前記矩形領域に対する前記複数のノズルの配列方向の傾きを算出すると共に前記短手方向に対して前記算出された傾きだけ補正して第2の塗布スキャン方向を求め、
前記インク吐出手段は、前記複数のノズルを前記第2の塗布スキャン方向に移動させながらインクを塗布させることを特徴とする、請求項13に記載の塗布装置。
【請求項16】
前記インク吐出手段は、前記凹部へのインク塗布を行う前に、前記矩形領域に対してテストパターンを塗布することを特徴とする、請求項13に記載の塗布装置。
【請求項17】
前記塗布されたテストパターンを撮影するテストパターン撮影手段をさらに備える、請求項16に記載の塗布装置。
【請求項18】
前記撮影されたテストパターンを検査する手段と、
前記撮影されたテストパターンの検査結果をフィードバックする手段と、
前記検査結果を判断する手段とを備える、請求項17に記載の塗布装置。
【請求項19】
前記検査結果に基づいて、前記複数の凹部のそれぞれに対してインクを吐出するノズルを決定するマッピングデータを生成するマッピング手段をさらに備える、請求項18に記載の塗布装置。
【請求項20】
前記インク吐出手段は、前記マッピングデータに基づいて、前記複数のノズルの中の任意のノズルから、前記複数の凹部のそれぞれにインクを吐出させることを特徴とする、請求項19に記載の塗布装置。
【請求項21】
前記マッピングデータは、画像表示領域に塗布されたテストパターンの検査結果に基づいて更新されることを特徴とする、請求項20に記載の塗布装置。
【請求項22】
前記マッピングデータは、塗布スキャンが行われる画像表示領域の1つ前の画像表示領域に塗布されるテストパターンの検査結果に基づいて更新されることを特徴とする、請求項20に記載の塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−81372(P2012−81372A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226966(P2010−226966)
【出願日】平成22年10月6日(2010.10.6)
【出願人】(000219314)東レエンジニアリング株式会社 (505)
【Fターム(参考)】