説明

塗布法及び塗布装置

【課題】ロッドコーターやナイフコーターの様に基板に塗布ヘッドを圧着して行う塗布法において基板と塗布ヘッドの間に穴の開いたシートを挿入して塗布し穴の開いた部分のみに限定して塗布する。
【解決手段】必要な部分のみに限定して塗布し、樹脂5の節約を行う。そのために、塗布ヘッド4と基板2との間に穴の開いたシート3を挿入し穴の開いた部分のみに塗布膜を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
所定の形状に塗布膜を形成する方法と、その装置に関するもの。
【背景技術】
【0002】
一般的な塗布は基板面全面に塗布し塗布乾燥後必要部分のみを使用する。
不要な部分も塗布する為塗布液が無駄になる事に成る。一方印刷で行う事が有るが塗布によるものほど塗布面の平坦性が得られない。
【0003】
本案は塗布による平坦性を求めつつ、トリミング即ち画像形成を行いながら塗布し不要な部分を塗布しない為のものである
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的な塗布は不要な部分も含めほぼ基板の全面を塗布する技術で、塗布液の無駄が発生するという課題を抱えている。
【0005】
本案はトリミング(画像形成)しながら塗布する塗布法である為不要な部分に無駄な塗布を行わず塗布液を節約する事が出来る。
【課題を解決する為の手段】
【0006】
本案は上記課題を解決する為に考案したもので、基板に圧着し間隙により塗布する方法例えばナイフコーター、ロッドコーター、メイヤーバーを用いる塗布法において塗布ヘッドと基板の間に塗布する部分のみに穴が設けてあるシートを挟み、
【0007】
該シートを基板とともに動かし、この穴の部分のみに樹脂をとうし、穴の形状に従ってトリミング(画像形成)された塗布膜を形成する。
【発明の効果】
【0008】
本案により、
1、不要な部分を塗布しない為、塗布液を節約できる。
2、基板面の選択的部分に樹脂を塗布する場合一般に印刷法によって行われるが印刷は塗布面より平坦性が悪く品質上問題がある事。又印刷適正にあった樹脂の物性が求められ使用する樹脂が限定される。
【0009】
本案は塗布法である為、樹脂の物性は低粘度、高粘度、高粘着性、速乾性のある樹脂など比較的自由に使用できる事、
【0010】
塗布による平坦性をそのまま生かしながら画像形成が出来る事、シートの厚みに従って塗布される為シートの膜厚を変える事によって容易に安定した塗布膜厚を得る事が出来る。
【発明を実施する為の最良の形態】
【0011】
金属板、樹脂板又は金属シート、樹脂シートに所定の穴を開けたもの又必要において板(又はシート)の下面(基板に接する面)にシリコンゴムの塗布を行ったものを画像形成(トリミング)用シートとして準備、基板に該シートを圧着、上面に樹脂を滴下、
【0012】
塗布ヘッドを圧着しシート面上を移動、シートの穴を通して基板面に樹脂を供給し、トリミングされた塗布膜を得る。
【実施例1】
【0013】
請求項1および2の例を図1に説明するならば、金属板又は(片面がシリコンゴムによってできている)シリコンブランケットに100φの穴を開けたものを画像形成用シートとする、該シートを基板に圧着、
【0014】
又該シートのシリコンゴム面を基板に圧着し、該シート上面より樹脂を滴下、塗布ヘッドを該シートに圧着固定、基板と伴に該シートを塗布ヘッド下で移動、100φの円形形状を持った塗布膜を得る。
【実施例2】
【0015】
請求項5を図4によって説明する。
画像形成用シートを先端と後端とを接合し円筒状に形成し円筒状の画像形成用シート(10)とする、該シートは基板(2)を挟んで設けてある回転する圧胴(11)が設けられ、圧着しながら伴に回転するように設けてある。
【0016】
該シートの表面には所定の箇所に100φの穴(7)が設けてある、該シートが基板と接する位置には塗布ヘッド(4)および樹脂供給器(6)が設けてある。
【0017】
使用に当たっては、樹脂供給器で塗布ヘッドの前部に樹脂を供給。該シートと圧胴を回転しロールシート状の基板(2)面上に100φの塗布膜を形成した。
該シートが円筒でエンドレスである為、長尺のシート状基板を連続的に塗布できる。
【実施例3】
【0018】
請求項6を図2によって説明する。
基板(2)上に所定の形状の穴を施した画像形成用シート(3)を圧着、所定の位置に塗布ヘッド(4)と該シートを基板に圧着するシート押具(8)を塗布ヘッドの前方(未塗布方向)の所定の距離に固定、
【0019】
基板(2)と該シート(3)を移動したのちに該シートを剥離し画像形成された塗布膜を得た。該押具によってシートと基板が押えられて居る為、樹脂が基板と該シートの隙間にはみ出す事なく穴の形状に従った塗布膜を形成した。
【実施例4】
【0020】
請求項7を図3によって説明する。
基板(2)上に所定の形状の穴を施した画像形成用シート(3)を圧着、所定の位置に塗布ヘッドと該シートを基板に圧着する押具を一体化した、ヘッドと押具の一体具(9)を固定、
【0021】
該具の樹脂溜り(16)に樹脂を充填、基板と該シートを移動し画像形成塗布膜を得た。樹脂が樹脂溜りで保持されて居る為、塗布ヘッドの前方に流れ出す事なく又樹脂が基板と該シートの隙間にはみ出す事なく穴の形状に従った塗布膜を形成した。
【産業上の利用可能性】
【0022】
基板面上に部分的に塗布、トリミングが望ましい塗布等を行う際に利用される
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】に請求項1および2の方法と請求項3の塗布器を説明する図。基板(2)と塗布ヘッド(4)の間に画像形成シート(3)を入れヘッドの前に樹脂(5)供給し基板と画像形成シート(3)を基板定盤(1)とともに動かす塗布法とその塗布器を説明する図
【図2】に請求項6の説明の図で、図1に示す塗布器にシート押具(8)を取り付けた図の説明の図
【図3】請求項7にしめす塗布器の説明の図で、図1の塗布器の塗布ヘッドを変え、ヘッドと押具の一体具(9)つけた説明の図
【図4】請求項5の説明の図で、画像形成シートを円筒状に構成し、ともに圧着回転する圧胴(11)を設け長尺のシート状基板(2)を連続的に塗布できる装置の説明図
【図5】請求項6に使用されるヘッドと押具の一体具の説明の図で塗布ヘッド(4)とシート押具(8)を一体とし間に樹脂溜り(16)機能を持たせたヘッドと押具の一体具(9)の説明の図、▲1▼に側面図、▲2▼に斜視図を示す
【図6】通常の塗布器を説明する図で基板(2)面に樹脂(5)を滴下、塗布ヘッド(4)を圧着し該ヘッドと基板を相対的に移動する事によって成る塗布方法を示す図
【図7】請求項4に示す塗布ヘッドの図。▲1▼はエッジを持ったコッター、▲2▼はワイヤーを棒状に巻きつけて構成したロッド、▲3▼は金属棒をエッチングしてミゾを構成したメイヤーバー、▲4▼は金属の棒の一部を刃(15)にしたナイフヘッドを示す図
【図8】画像形成用シートの説明の図 ▲1▼は請求項1に示す画像形成用シートの説明図。金属板又は樹脂板をベース(17)とし所定の形状の穴(7)を設ける。▲2▼は請求項2に示すもので▲1▼のシートの基板と圧着する面にシリコンゴム膜をつけた画像形成用シートの説明図
【符号の説明】
1、基板定盤 2、基板 3、画像形成用シート 4、塗布ヘッド
5、樹脂 6、樹脂供給装置 7、穴 8、シート押具
9、ヘッドと押具の一体具 10、円筒状の画像形成用シート
11、圧胴 12、エッジ 13、ワイヤー
14、エッチング溝 15、刃 16、樹脂溜り 17、ベース
18、シリコンゴム膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板面に樹脂を滴下、塗布ヘッドを圧着しヘッドと基板を相対的に移動する事によって成る塗布方法において、基板(2)と塗布ヘッド(4)の間に所定の形状に対応する穴(7)を設けた画像形成用シート(3)を挟み塗布、穴の形状に相応して塗布膜を形成する事を特徴とする塗布法。
【請求項2】
画像形成用シート(3)の基板との圧着面側にシリコンゴム膜(18)を形成する事を特徴とする請求項1
【請求項3】
基板面に樹脂を供給、塗布ヘッドを圧着しヘッドと基板を相対的に移動する構成を持った塗布器において、基板(2)と塗布ヘッド(4)の間に所定の形状に対応する穴(7)を設けた画像形成用シート(3)を挟み基板に圧着、該シートを基板と伴に移動する事を特徴とする塗布器。
【請求項4】
塗布ヘッドとして、コッター(図7▲1▼)、ロッド(図7▲2▼)、メイヤーバー(図7▲3▼)又はナイフヘッド(図7▲4▼)のいずれかを用いる事を特徴とした請求項3
【請求項5】
画像形成用シートを円筒状に構成し、基板面上に圧着し回転しながら塗布面を形成する事を特徴とした請求項4
【請求項6】
塗布ヘッドの未塗布方向である前位置に画像形成用シートを基板に圧着するシート押具(8)を設けた事を特徴とする請求項4、及び5
【請求項7】
塗布ヘッド(4)とシート押具(8)を一体構成とし樹脂溜り(16)機能を持たせたヘッドと押具の一体具(9)を設けた事を特徴とする請求項6

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図8】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−161780(P2012−161780A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39008(P2011−39008)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【出願人】(503113463)
【Fターム(参考)】