説明

塗布状態検査装置及び方法並びにプログラム

【課題】部品形状に変更があった場合や、シール剤の軌跡が曲がったり、歪んだりしている場合であっても、軌跡全体にわたって漏れなく太さが適正であるか否かを判定することができる塗布状態検査装置を提供する。
【解決手段】シール剤Sが塗布されたワークWを撮像する撮像装置2と、撮像装置2によって撮像された撮影画像から、シール剤Sの塗布領域と塗布軌跡とを抽出する軌跡抽出部3−1と、抽出されたシール剤Sの塗布軌跡から、最小・最大太さ領域を生成する領域生成部3−2と、シール剤Sの塗布領域と最小・最大太さ領域とを比較してシール剤Sの太さが正常であるか否かを判定する画像判定部3−3とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗布物の太さを検査する塗布状態検査装置及び方法並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、駆動部を持ち、潤滑油を必要とする機械の組立てにおいて、機械部品の接合部にシリコーンを材料としたシール剤と呼ばれる液状の物質を塗布することによって、接合部からの油漏れを防止する手法が広く用いられている。このような液状物質の塗布においては、ノズルを移動させると共に、ノズルから粘性流体を吐出させて所望の位置に塗布する形式が広く使われている。
【0003】
この工程では、シール剤の切れによる油漏れの発生のほか、飛散による駆動部への異物混入などが考えられるため、目視、あるいは画像計測等の方法によって、正常に塗布されていることを検査することが一般的である。
【0004】
例えば、特許文献1では、シール剤塗布部の外側に設定される外部点を起点としてシール剤塗布部の外側を塗りつぶしたときに、シール剤塗布部の内側も同じ色で塗りつぶされるか否かによって、シール剤に切れ目が発生していないことを判定する方法が提案されている。また、特許文献2では、所定の検査ポイントを中心とした検査幅方向の両端位置を検出することによってシール剤の幅(太さ)を計測する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−261338号公報
【特許文献2】特開平8−334478号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の方法では、シール剤に発生した切れ目を発見することはできても、塗布されたシール剤の太さが適正であるか否かを検出することはできないという問題があった。
【0007】
また、特許文献2の方法では、あらかじめ設定された検査ポイント以外の箇所で塗布の太さに異常が発生している場合に、塗布の異常を検出することができないという問題があった。また、部品形状の変更などの理由によってシール剤の軌跡が変更された場合には、新たな軌跡に沿って検査ポイントを設定し直す必要があるという問題があった。
【0008】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、部品形状に変更があった場合や、シール剤の軌跡が曲がったり、歪んだりしている場合であっても、軌跡全体にわたって漏れなく太さが適正であるか否かを判定することができる塗布状態検査装置及び方法並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明では、塗布状態検査装置に係る第1の解決手段として、ワークに塗布された塗布物の塗布状態を検査する塗布状態検査装置であって、前記塗布物が塗布された前記ワークを撮像する撮像手段と、前記撮像手段によって撮像された撮影画像から、前記塗布物が塗布された塗布領域と前記塗布物の塗布軌跡とを抽出する軌跡抽出手段と、前記軌跡抽出手段により抽出された前記塗布物の塗布軌跡に基づいて、前記塗布物の塗布軌跡の許容範囲を定める、所定の最小太さ領域と所定の最大太さ領域を生成する領域生成手段と、前記軌跡抽出手段により抽出された前記塗布物の塗布領域と前記領域生成行程により生成された前記所定の最小太さ領域及び前記所定の最大太さ領域とを比較し、該比較結果に基づいて、前記塗布物の塗布領域の太さが適正であるか否かを判定する判定手段とを備えることを特徴とする。
また、塗布状態検査装置に係る第2の解決手段として、前記判定手段は、前記最小太さ領域が前記塗布領域に全て含まれ、かつ、前記塗布領域が最大太さ領域に全て含まれる場合には、前記塗布物の塗布の太さが適正であると判定し、前記塗布領域に含まれない前記最小太さ領域が存在する場合には、前記塗布物の塗布が細すぎる箇所が存在すると判定し、前記最大太さ領域に含まれない前記塗布領域が存在する場合には、前記塗布物の塗布が太すぎる箇所が存在すると判定することを特徴とする。
また、塗布状態検査装置に係る第3の解決手段として、前記領域生成手段は、前記塗布物の塗布軌跡を所定の最小太さになるように膨張させて前記所定の最小太さ領域を生成し、前記塗布物の塗布軌跡を所定の最大太さになるように膨張させて最大太さ領域を生成することを特徴とする。
また、塗布状態検査装置に係る第4の解決手段として、前記軌跡抽出手段は、前記撮像手段によって撮像された撮影画像から、前記塗布物の持つ色成分に基づいて、前記塗布物が塗布された塗布領域と、塗布されていない非塗布領域とに分割し、前記塗布領域の中心線を前記塗布軌跡として抽出することを特徴とする。
一方、本発明では、塗布状態検査方法に係る第1の解決手段として、ワークに塗布された塗布物の塗布状態を検査する塗布状態検査方法であって、前記塗布物が塗布された前記ワークを撮像する撮像行程と、前記撮像行程によって撮像された撮影画像から、前記塗布物が塗布された塗布領域と前記塗布物の塗布軌跡とを抽出する軌跡抽出行程と、前記軌跡抽出行程により抽出された前記塗布物の塗布軌跡に基づいて、前記塗布物の塗布軌跡の許容範囲を定める、所定の最小太さ領域と所定の最大太さ領域を生成する領域生成行程と、前記軌跡抽出行程により抽出された前記塗布物の塗布領域と前記領域生成行程により生成された前記所定の最小太さ領域及び前記所定の最大太さ領域とを比較し、該比較結果に基づいて、前記塗布物の塗布領域の太さが適正であるか否かを判定する判定行程とを有することを特徴とする。
また、塗布状態検査方法に係る第2の解決手段として、前記判定行程では、前記最小太さ領域が前記塗布領域に全て含まれ、かつ、前記塗布領域が最大太さ領域に全て含まれる場合には、前記塗布物の塗布の太さが適正であると判定し、前記塗布領域に含まれない前記最小太さ領域が存在する場合には、前記塗布物の塗布が細すぎる箇所が存在すると判定し、前記最大太さ領域に含まれない前記塗布領域が存在する場合には、前記塗布物の塗布が太すぎる箇所が存在すると判定することを特徴とする。
また、塗布状態検査方法に係る第3の解決手段として、前記領域生成行程では、前記塗布物の塗布軌跡を所定の最小太さになるように膨張させて前記所定の最小太さ領域を生成し、前記塗布物の塗布軌跡を所定の最大太さになるように膨張させて最大太さ領域を生成することを特徴とする。
また、塗布状態検査方法に係る第4の解決手段として、前記軌跡抽出行程では、前記撮像行程で撮像された撮影画像から、前記塗布物の持つ色成分に基づいて、前記塗布物が塗布された塗布領域と、塗布されていない非塗布領域とに分割し、前記塗布領域の中心線を前記塗布軌跡として抽出することを特徴とする。
さらに、本発明では、塗布状態検査プログラムに係る第1の解決手段として、ワークに塗布された塗布物の塗布状態を検査するために用いられる塗布状態検査プログラムであって、前記塗布物が塗布された前記ワークを撮像する撮像処理と、前記撮像処理によって撮像された撮影画像から、前記塗布物が塗布された塗布領域と前記塗布物の塗布軌跡とを抽出する軌跡抽出処理と、前記軌跡抽出処理により抽出された前記塗布物の塗布軌跡に基づいて、前記塗布物の塗布軌跡の許容範囲を定める、所定の最小太さ領域と所定の最大太さ領域を生成する領域生成処理と、前記軌跡抽出処理により抽出された前記塗布物の塗布領域と前記領域生成処理により生成された前記所定の最小太さ領域及び前記所定の最大太さ領域とを比較し、該比較結果に基づいて、前記塗布物の塗布領域の太さが適正であるか否かを判定する判定処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、塗布状態検査プログラムに係る第2の解決手段として、前記判定処理として、前記最小太さ領域が前記塗布領域に全て含まれ、かつ、前記塗布領域が最大太さ領域に全て含まれる場合には、前記塗布物の塗布の太さが適正であると判定し、前記塗布領域に含まれない前記最小太さ領域が存在する場合には、前記塗布物の塗布が細すぎる箇所が存在すると判定し、前記最大太さ領域に含まれない前記塗布領域が存在する場合には、前記塗布物の塗布が太すぎる箇所が存在すると判定する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、塗布状態検査プログラムに係る第3の解決手段として、前記領域生成処理として、前記塗布物の塗布軌跡を所定の最小太さになるように膨張させて前記所定の最小太さ領域を生成し、前記塗布物の塗布軌跡を所定の最大太さになるように膨張させて最大太さ領域を生成する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、塗布状態検査プログラムに係る第4の解決手段として、前記軌跡抽出処理として、前記撮像処理で撮像された撮影画像から、前記塗布物の持つ色成分に基づいて、前記塗布物が塗布された塗布領域と、塗布されていない非塗布領域とに分割し、前記塗布領域の中心線を前記塗布軌跡として抽出する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、部品形状に変更があった場合や、シール剤の軌跡が曲がったり、歪んだりしている場合であっても、軌跡全体にわたって漏れなく太さが適正であるか否かを判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態による塗布状態検査装置1の構成を示す概略図である。
【図2】本実施形態による塗布状態検査装置1の動作(検査動作)を説明するためのフローチャートである。
【図3】シール剤Sの塗布が正常(適正)である場合の検査動作を説明するための概念図である。
【図4】シール剤Sの塗布が細すぎる場合の検査動作を説明するための概念図である。
【図5】シール剤Sの塗布が太すぎる場合の検査動作を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0013】
図1は、本実施形態による塗布状態検査装置1の構成を示す概略図である。この図1に示すように、本実施形態における塗布状態検査装置1は、ワークWに塗布されたシール剤(塗布物)Sの太さを検査するものであり、シール剤Sが塗布されたワークWの上方に、シール剤S及びワークWを撮像する撮像装置2と、該撮像装置2が接続されている、画像検査を行う処理装置3とを備えている。
【0014】
処理装置3は、撮影された画像からシール剤Sの塗布が正常であるか否かを判定するものであり、軌跡抽出部3−1、領域生成部3−2、及び画像判定部3−3を備えている。軌跡抽出部3−1は、撮像装置2により撮像されたシール剤S及びワークWの撮影画像から、シール剤Sが塗布された塗布領域と塗布軌跡とを抽出する。領域生成部3−2は、抽出されたシール剤Sの塗布軌跡から、最小・最大太さ領域を生成する。画像判定部3−3は、シール剤Sの塗布領域と最小・最大太さ領域とを比較してシール剤Sの太さが正常であるか否かを判定する。
【0015】
図2は、本実施形態による塗布状態検査装置1の動作(検査動作)を説明するためのフローチャートである。また、図3は、シール剤Sの塗布が正常(適正)である場合の検査動作を説明するための概念図である。図4は、シール剤Sの塗布が細すぎる場合の検査動作を説明するための概念図である。図5は、シール剤Sの塗布が太すぎる場合の検査動作を説明するための概念図である。
【0016】
まず、撮像装置2により、シール剤Sが塗布されたワークWを撮像する(ステップS1)。次に、軌跡抽出部3−1において、撮影画像からシール剤Sの持つ色成分を抽出し、2値化処理を行い、シール剤Sが塗布されたシール剤塗布領域SSと、塗布されていない非塗布領域とに分割し(ステップS2)、シール剤塗布領域SSの中心線(軌跡)SCを抽出する(ステップS3:図3〜図5参照)。次に、領域生成部3−2で、シール剤Sの軌跡SCを所定の最小太さになるように膨張させた最小太さ領域MinSと、最大太さになるように膨張させた最大太さ領域MaxSを生成する(ステップS4、S5:図3〜図5参照)。
【0017】
画像判定部3−3では、最小太さ領域MinSがシール剤塗布領域SSに含まれるか否かを判定し(ステップS6)、最小太さ領域MinSがシール剤塗布領域SSに含まれる場合には、シール剤塗布領域SSが最大太さ領域MaxSに含まれるか否かを判定する(ステップS7)。
【0018】
そして、図3に示すように、最小太さ領域MinSがシール剤塗布領域SSに全て含まれ(ステップS6のYES)、かつ、シール剤塗布領域SSが最大太さ領域MaxSに全て含まれる場合には(ステップS7のYES)、シール剤Sの塗布の太さが正常(適正)であると判定する(ステップS8)。
【0019】
一方、図4に示すように、シール剤塗布領域SSに含まれない最小太さ領域MinSが存在する場合には(ステップS6のNO)、シール剤Sの塗布が細すぎる箇所が存在すると判定し(ステップS9)、異常であると判定する(ステップS11)。
【0020】
逆に、図5に示すように、最大太さ領域MaxSに含まれないシール剤塗布領域SSが存在する場合には(ステップS7のNO)、シール剤Sの塗布が太すぎる箇所が存在すると判定し(ステップS10)、異常であると判定する(ステップS11)。
【0021】
上述した実施形態によれば、撮影された画像より塗布されたシール剤塗布領域SSの中心線SCを軌跡として抽出し、抽出された軌跡を膨張させて最小太さ領域MinS・最大太さ領域MaxSを生成し、撮影されたシール剤塗布領域SSと最小太さ領域MinS・最大太さ領域MaxSを比較することによって、塗布されたシール剤Sの太さが所定の範囲内に収まっているか否かを判定するようにしたので、部品形状に変更があった場合でも特別な操作を必要とせずに、塗布されたシール剤Sの太さが適正であるか否かを判定することができる。
【0022】
また、連続的に抽出された軌跡SCを基に最小太さ領域MinS・最大太さ領域MaxSを生成するため、軌跡SCが曲がったり、歪んだりしている場合であっても、軌跡全体にわたって漏れなく太さが適正であるか否かを判定することができる。
【0023】
また、一連の処理は、一般的な画像処理手法を使用しているため、容易に実装可能、かつ高速に処理することが可能である。
【0024】
なお、上述した実施形態において、計側面の輝度を一定に保つために、照明をワークWの上方、撮像装置2に近接して設置するようにしてもよい。
【0025】
また、軌跡の変曲点周辺や、塗布の開始地点・終了地点などでは、塗布の太さに変動が発生しやすく、場所によってシール剤Sの塗布量を変化させる場合も考えられる。このような場合には、事前に太さが変化する範囲を指定し、その範囲に含まれる軌跡を膨張させる量を変えることによって、塗布の太さに変化がある場合でも、その変化に合わせて適切に太さが適正であることを判定することが可能である。
【0026】
また、既知の画像処理手法によって、シール剤Sに切れが存在しないこと、あるいは軌跡のずれが所定の範囲内であることを確認するなどの処理を追加し、組み合わせることが可能である。
【0027】
また、シール剤Sに限定せず、一般的な塗布物であっても、塗布の太さが適正であることを検査する工程に対して、この手法を適用することができる。
【符号の説明】
【0028】
1 塗布状態検査装置
2 撮像装置
3 処理装置
3−1 軌跡抽出部
3−2 領域生成部
3−3 画像判定部
S シール剤(塗布物)
W ワーク
SS シール剤塗布領域
SC 中心線
MinS 最小太さ領域
MaxS 最大太さ領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークに塗布された塗布物の塗布状態を検査する塗布状態検査装置であって、
前記塗布物が塗布された前記ワークを撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された撮影画像から、前記塗布物が塗布された塗布領域と前記塗布物の塗布軌跡とを抽出する軌跡抽出手段と、
前記軌跡抽出手段により抽出された前記塗布物の塗布軌跡に基づいて、前記塗布物の塗布軌跡の許容範囲を定める、所定の最小太さ領域と所定の最大太さ領域を生成する領域生成手段と、
前記軌跡抽出手段により抽出された前記塗布物の塗布領域と前記領域生成行程により生成された前記所定の最小太さ領域及び前記所定の最大太さ領域とを比較し、該比較結果に基づいて、前記塗布物の塗布領域の太さが適正であるか否かを判定する判定手段と
を備えることを特徴とする塗布状態検査装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記最小太さ領域が前記塗布領域に全て含まれ、かつ、前記塗布領域が最大太さ領域に全て含まれる場合には、前記塗布物の塗布の太さが適正であると判定し、
前記塗布領域に含まれない前記最小太さ領域が存在する場合には、前記塗布物の塗布が細すぎる箇所が存在すると判定し、
前記最大太さ領域に含まれない前記塗布領域が存在する場合には、前記塗布物の塗布が太すぎる箇所が存在すると判定する
ことを特徴とする請求項1に記載の塗布状態検査装置。
【請求項3】
前記領域生成手段は、
前記塗布物の塗布軌跡を所定の最小太さになるように膨張させて前記所定の最小太さ領域を生成し、前記塗布物の塗布軌跡を所定の最大太さになるように膨張させて最大太さ領域を生成する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の塗布状態検査装置。
【請求項4】
前記軌跡抽出手段は、
前記撮像手段によって撮像された撮影画像から、前記塗布物の持つ色成分に基づいて、前記塗布物が塗布された塗布領域と、塗布されていない非塗布領域とに分割し、前記塗布領域の中心線を前記塗布軌跡として抽出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の塗布状態検査装置。
【請求項5】
ワークに塗布された塗布物の塗布状態を検査する塗布状態検査方法であって、
前記塗布物が塗布された前記ワークを撮像する撮像行程と、
前記撮像行程によって撮像された撮影画像から、前記塗布物が塗布された塗布領域と前記塗布物の塗布軌跡とを抽出する軌跡抽出行程と、
前記軌跡抽出行程により抽出された前記塗布物の塗布軌跡に基づいて、前記塗布物の塗布軌跡の許容範囲を定める、所定の最小太さ領域と所定の最大太さ領域を生成する領域生成行程と、
前記軌跡抽出行程により抽出された前記塗布物の塗布領域と前記領域生成行程により生成された前記所定の最小太さ領域及び前記所定の最大太さ領域とを比較し、該比較結果に基づいて、前記塗布物の塗布領域の太さが適正であるか否かを判定する判定行程と
を有することを特徴とする塗布状態検査方法。
【請求項6】
前記判定行程では、前記最小太さ領域が前記塗布領域に全て含まれ、かつ、前記塗布領域が最大太さ領域に全て含まれる場合には、前記塗布物の塗布の太さが適正であると判定し、
前記塗布領域に含まれない前記最小太さ領域が存在する場合には、前記塗布物の塗布が細すぎる箇所が存在すると判定し、
前記最大太さ領域に含まれない前記塗布領域が存在する場合には、前記塗布物の塗布が太すぎる箇所が存在すると判定する
ことを特徴とする請求項5に記載の塗布状態検査方法。
【請求項7】
前記領域生成行程では、
前記塗布物の塗布軌跡を所定の最小太さになるように膨張させて前記所定の最小太さ領域を生成し、前記塗布物の塗布軌跡を所定の最大太さになるように膨張させて最大太さ領域を生成する
ことを特徴とする請求項5または6に記載の塗布状態検査方法。
【請求項8】
前記軌跡抽出行程では、
前記撮像行程で撮像された撮影画像から、前記塗布物の持つ色成分に基づいて、前記塗布物が塗布された塗布領域と、塗布されていない非塗布領域とに分割し、前記塗布領域の中心線を前記塗布軌跡として抽出することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の塗布状態検査方法。
【請求項9】
ワークに塗布された塗布物の塗布状態を検査するために用いられる塗布状態検査プログラムであって、
前記塗布物が塗布された前記ワークを撮像する撮像処理と、
前記撮像処理によって撮像された撮影画像から、前記塗布物が塗布された塗布領域と前記塗布物の塗布軌跡とを抽出する軌跡抽出処理と、
前記軌跡抽出処理により抽出された前記塗布物の塗布軌跡に基づいて、前記塗布物の塗布軌跡の許容範囲を定める、所定の最小太さ領域と所定の最大太さ領域を生成する領域生成処理と、
前記軌跡抽出処理により抽出された前記塗布物の塗布領域と前記領域生成処理により生成された前記所定の最小太さ領域及び前記所定の最大太さ領域とを比較し、該比較結果に基づいて、前記塗布物の塗布領域の太さが適正であるか否かを判定する判定処理と
をコンピュータに実行させることを特徴とする塗布状態検査プログラム。
【請求項10】
前記判定処理として、前記最小太さ領域が前記塗布領域に全て含まれ、かつ、前記塗布領域が最大太さ領域に全て含まれる場合には、前記塗布物の塗布の太さが適正であると判定し、前記塗布領域に含まれない前記最小太さ領域が存在する場合には、前記塗布物の塗布が細すぎる箇所が存在すると判定し、前記最大太さ領域に含まれない前記塗布領域が存在する場合には、前記塗布物の塗布が太すぎる箇所が存在すると判定する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項9に記載の塗布状態検査プログラム。
【請求項11】
前記領域生成処理として、
前記塗布物の塗布軌跡を所定の最小太さになるように膨張させて前記所定の最小太さ領域を生成し、前記塗布物の塗布軌跡を所定の最大太さになるように膨張させて最大太さ領域を生成する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項9または10に記載の塗布状態検査プログラム。
【請求項12】
前記軌跡抽出処理として、
前記撮像処理で撮像された撮影画像から、前記塗布物の持つ色成分に基づいて、前記塗布物が塗布された塗布領域と、塗布されていない非塗布領域とに分割し、前記塗布領域の中心線を前記塗布軌跡として抽出する処理をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項9〜11のいずれか一項に記載の塗布状態検査プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−237681(P2012−237681A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107569(P2011−107569)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】