説明

塗布装置、塗布方法及び記憶媒体

【課題】スピンコーティング法において基板上に形成される塗布膜の膜厚について高い面内均一性が得られる技術を提供すること。
【解決手段】ウエハWの面内の膜厚分布は、レジスト液の種類及びウエハWの回転数の推移パターンを含む処理レシピに応じて決まる。そこで、予めLED41の照射を含まない処理レシピを用いてウエハWにレジスト塗布処理を行い、このウエハWの面内の膜厚分布を求める。このようにして、ウエハWの面内の膜厚分布における凹部8を事前に把握しておき、その上で、この膜厚分布における凹部8の位置にLED41を照射してウエハW上の当該部位を局所的に加熱する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板を回転させて塗布液を広げることにより基板上に塗布膜を形成するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造工程におけるフォトリソグラフィー工程では、基板に対してレジスト塗布処理、露光処理及び現像処理などが順次行われることにより、基板上に所定のレジストパターンが形成される。このうち、レジスト塗布処理では、例えば基板を先に回転させ、回転している基板の中心部にレジスト液を供給して、遠心力によりレジスト液を基板の表面全体に広げるスピンコーティング法が一般的に行われている。
【0003】
近年、コスト削減などの理由から、レジスト使用量の抑制の要望が高まっている。しかし、レジスト使用量を抑えると、基板上に形成されるレジスト膜の膜厚が不均一になりがちである。そこで、各半導体メーカーにおいては、基板の回転数の推移パターン(いわゆる回転数のプロファイル)、レジスト吐出速度などのレジスト吐出条件、塗布処理前クールプレート温度(塗布処理前の基板温度)及びレジスト温度などの調整やレジストの種類を検討することにより、レジスト膜の膜厚均一性の向上に努めている。しかし、回路パターンの微細化が進んでいることから膜厚についてより一層高い面内均一性が要求され、加えて更なるレジストの節約が求められており、両者を満たす手法の開発が望まれている。
【0004】
特許文献1には、塗布処理における光照射による基板の加熱について記載されているが、これはレジスト量が十分にある場合におけるレジストの乾燥時間の短縮が目的であり、本発明の課題は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−322791号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこのような背景の下になされたものであり、その目的は、スピンコーティング法において基板上に形成される塗布膜の膜厚について高い面内均一性が得られる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の塗布装置は、
基板の中心部に塗布ノズルから供給された塗布液を基板の回転による遠心力により基板の表面に広げて塗布する塗布装置において、
基板を水平に保持する保持部と、
この保持部を鉛直な軸の周りに回転させるための回転機構と、
基板の材料の吸収波長域を有する輻射光を基板に局所的に照射するための輻射源と、
塗布液の種類及び基板の回転数の推移パターンを含む処理レシピと、基板の径方向における輻射光の照射位置を特定するための照射情報と、を対応付けて記憶した記憶部と、
選択された処理レシピに応じた前記照射情報を読み出し、読み出した照射情報に基づいて、当該照射情報により特定される照射位置に、塗布液が基板の表面全体に塗布されかつ塗布液が乾燥していない状態である期間が含まれる時間帯にて、前記輻射源から輻射光を局所的に照射するように制御信号を出力する制御部と、を備え、
前記照射位置は、処理レシピに基づいて輻射光を照射せずに塗布膜を形成したときに基板の面内の膜厚分布プロファイルが凹状になる位置に対応していることを特徴とする。
【0008】
他の本発明の塗布装置は、
基板の中心部に塗布ノズルから供給された塗布液を基板の回転による遠心力により基板の表面に広げて塗布する塗布装置において、
基板を水平に保持する保持部と、
この保持部を鉛直な軸の周りに回転させるための回転機構と、
基板の材料の吸収波長域を有する輻射光を基板の特定の位置に当該基板の上方から局所的に照射するための輻射源と、を備え、
前記特定の位置は、輻射光を照射せずに塗布膜を形成したときに基板の面内の膜厚分布プロファイルが凹状になる位置であることを特徴とする。
【0009】
他の本発明の塗布方法は、
基板を保持部に水平に保持させる工程と、
前記保持部を回転させると共に基板の中心部に塗布液を供給し、塗布液を遠心力により基板の表面に広げる工程と、
塗布液の種類及び基板の回転数の推移パターンを含む処理レシピと、基板の径方向における輻射光の照射位置を特定するための照射情報と、を対応付けて記憶した記憶部から、選択された処理レシピに応じた前記照射情報を読み出す工程と、
読み出した照射情報に基づいて、当該照射情報により特定される照射位置に、塗布液が基板の表面全体に塗布されかつ塗布液が乾燥していない状態である期間が含まれる時間帯にて、基板の材料の吸収波長域を有する輻射光を局所的に照射する工程と、を含み、
前記照射位置は、処理レシピに基づいて輻射光を照射せずに塗布膜を形成したときに基板の面内の膜厚分布プロファイルが凹状になる位置に対応することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の塗布方法は、
基板を保持部に水平に保持させる工程と、
前記保持部を回転させると共に基板の中心部に塗布液を供給し、塗布液を遠心力により基板の表面に広げる工程と、
基板の特定の位置に、塗布液が基板の表面全体に塗布されかつ塗布液が乾燥していない状態である期間が含まれる時間帯にて、基板の材料の吸収波長域を有する輻射光を基板の上方から局所的に照射する工程と、を含み、
前記特定の位置は、輻射光を照射せずに塗布膜を形成したときに基板の面内の膜厚分布プロファイルが凹状になる位置であることを特徴とする。
【0011】
なお、本発明における記憶媒体は、
基板に塗布液を塗布する塗布装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、上述の塗布方法を実施するためのものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、塗布液の種類及び基板の回転数の推移パターンを含む処理レシピに応じて決まる基板の面内の膜厚分布プロファイルにおいて凹状になる位置を事前に把握しておき、当該位置に対応する基板の位置に輻射光を局所的に照射している。従って当該位置の塗布液が局所的に加熱されて膜厚が大きくなろうとするので、塗布膜の膜厚について高い面内均一性が得られる。
【0013】
また他の発明は、基板の面内の膜厚分布プロファイルにおいて凹状になる位置に輻射光を基板の上方から局所的に照射している。従って同様に塗布膜の膜厚について高い面内均一性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るレジスト塗布装置を示す断面図である。
【図2】前記塗布装置を示す平面図である。
【図3】前記加熱部におけるLEDの配置を示す平面図及び制御系や処理レシピを説明するブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る処理レシピと膜厚分布との関係を説明する縦断側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係る塗布処理のフロー図である。
【図6】本発明の実施形態に係る基板の回転数の一例を示す概要図である。
【図7】本発明の実施形態に係る作用を説明する膜厚分布図である。
【図8】本発明における他の実施形態に係るLED配置例を示す平面図である。
【図9】本発明における第2の実施形態に係るLEDの移動機構を示す斜視図である。
【図10】前記第2の実施形態に係るLED照射を示す斜視図である。
【図11】本発明における第3の実施形態に係るLEDの移動機構を示す平面図である。
【図12】前記第3の実施形態に係るLEDの移動機構の概要を示す側面図である。
【図13】本発明における実施例1に係るLED照射による膜厚分布プロファイルへの影響を示す散布図である。
【図14】本発明における実施例2に係るLEDの連続照射による膜厚分布プロファイルへの影響を示す散布図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の第1の実施形態における塗布装置として、レジスト塗布装置について図1〜図3を参照して説明する。図1、図2は夫々装置の縦断側面、横断平面を示しており、図1中の1は筐体であり、この筐体1はシャッタ12により開閉されるウエハWの搬入出口11を備えている。なお、図1における搬入出口11及びシャッタ12の位置は、図示内容を分かり易くするために、図2における位置と変えて表している。筐体1内の上部及び底部には、下降気流を形成するためのファンフィルタユニット(FFU)13及び雰囲気を吸引排気するための第1の排気ポート15が夫々設けられている。なお、図1中の14は、吸気ポートである。
【0016】
筐体1内には基板保持部をなすスピンチャック2が設けられている。スピンチャック2は、真空吸着によりウエハWを水平に保持するように構成されており、回転モータなどを含む回転機構である回転駆動部21により鉛直回りに回転できるようになっている。またスピンチャック2の下方側にはガイドリング31が設けられている。このガイドリング31は、スピンチャック2に保持されるウエハWの周縁部に相当する水平位置から外周側に向かって下がるように傾斜しており、このガイドリング31の外周縁は下方側に屈曲して延びている。前記スピンチャック2の周囲には、当該スピンチャック2及びガイドリング31を囲むカップ3が設けられている。
【0017】
このカップ3は、側周面とガイドリング31の外周縁との間に排出路をなす隙間32が形成されている。前記カップ3の下方側は、ガイドリング31の外周縁部分と共に屈曲路を形成して気液分離部を構成している。また前記カップ3の底部の内側領域には第2の排気ポート33が形成されている。さらに前記カップ3の底部の外側領域には排液ポート34が形成されている。
【0018】
筐体1内には図示しない3本の昇降ピンが、スピンチャック2を囲む位置で昇降自在に設けられている。筐体1の外に備えられており搬入出口11を介してウエハWを搬入出する図示しない搬送アームとスピンチャック2とのウエハWの受け渡しは、この昇降ピンを介して行われる。なお、この搬送アームとスピンチャック2とのウエハWの受け渡しは、図示しない昇降機構によりスピンチャック2を昇降させることで行えるようにしてもよい。
【0019】
また、スピンチャック2に保持されるウエハWの下方に相当する位置には、多数の輻射源41からなる加熱部4が設けられている。この実施形態では、図3に示すように、スピンチャック2を囲むように同心円状に多数の輻射源であるLED(発光ダイオード)41が配置されている。このLED41は、ウエハWの材料(基板材料)であるシリコンの吸収波長帯域である赤外線を発する。このため、スピンチャック2に保持されたウエハWの裏面に向けて赤外線をウエハWの径方向において局所的に照射することにより、ウエハWを局所的に加熱することができる。この例では、各同心円上の対応するLED41同士がウエハWの径方向に列をなし、全体としては放射状に配置されている。
【0020】
これらLED41は、同心円毎に位置するLED群をLEDのグループと呼ぶとすると、後述する点灯コントローラ55により、同心円状に区画される各LED41のグループ毎に、オン/オフすることができ、また電流値の調整により輻射強度つまり発光強度を制御できるようになっている。本願では、各LED41のグループにより、概略的に言えば加熱されるウエハWの領域、より詳しくはLED41の照射領域を、内側から順番に領域P1、P2、・・・、Pnと呼ぶ。これら領域P1〜Pnは、各同心円に配置されるLED41のグループに対応することから、説明を簡素化するためにウエハW側の各領域P1〜Pnに対応するLED41のグループについても夫々P1〜Pnの符号を使用することとする。そして、LED41の下部には、LED41の点灯を頻繁に行ってもLED41自体の温度が上がり過ぎないように、冷却ジャケット42が設けられている。この冷却ジャケット42に流す温調水は、例えば回転駆動部21のモータフランジ温調用の温調水を利用する。
【0021】
また、レジスト塗布装置は、ウエハW表面の中心部にレジスト液を供給するための塗布液ノズルであるレジスト液ノズル6及びウエハW表面の中心部に溶剤例えばシンナーを供給するための溶剤ノズル7を備えている。シンナーは、ウエハW上でのレジスト液の濡れ広がりを向上させるプリウエット処理を行うために供給される。前記レジスト液ノズル6は、レジスト液供給管61及び図示しないバルブや流量調整部等を含む供給機器群を介してレジスト液供給源62に接続されている。前記溶剤ノズル7は、溶剤供給管71及び図示しないバルブや流量調整部等を含む供給機器群を介して溶剤供給源72に接続されている。
【0022】
また、前記レジスト液ノズル6は、図2に示すように水平方向に伸びたアーム63を介して移動機構64に接続されている。前記アーム63は移動機構64により横方向に沿って設けられたガイドレール60に沿って、カップ3の一端側(図2では左側)の外側に設けられた待機位置65から他端側に向かって移動できると共に上下方向に移動できるように構成されている。また前記溶剤ノズル7は、レジスト液ノズル6と同様に水平方向に伸びたアーム73を介して移動機構74に接続されている。前記アーム73は移動機構74により前記ガイドレール60に沿ってカップ3の他端側(図2では右側)の外側に設けられた待機位置75から一端側に向かって移動できると共に上下方向に移動できるように構成されている。
【0023】
また、レジスト塗布装置は、後述する当該装置の一連の動作を制御する例えばコンピュータからなる制御部5を備えている。この制御部5は、図3に示すように、プログラム51、CPU53、レシピ格納部54、入力部56及びこれらを接続するバス50により構成される。プログラム51は、前記回転駆動部21、供給機器群及びLED41等の動作を制御するためのステップ群が含まれる。記憶部であるレシピ格納部54には、塗布処理の処理レシピが格納されている。
【0024】
この処理レシピは、塗布処理を行うために必要なパラメータを設定するための情報が書き込まれたデータであり、塗布処理ごとに処理レシピが存在する。図3では模式的にn個のレシピ1〜nが記憶部であるレシピ格納部54に格納されている状態を示している。パラメータとしては、レジストの種類、回転数の推移パターン(プロファイル)、レジストの吐出量、レジスト吐出のタイミング、カップ内の排気量、プリウエットのための溶剤の吐出量、溶剤の吐出のタイミングなどであるが、この例では更にLED41の点灯領域についても記載されている。
【0025】
回転数の推移パターンとは、基準となる時点例えばウエハWがスピンチャック2に保持された時点を基準にして各時刻と基板の回転数との関係、つまり基板の回転数の時間的推移を示すデータ(例えば後述の図6を参照)である。
LED41の点灯領域は、既述のように各同心円に対応するLED41のグループ毎に割り当てられたウエハW側の領域P1〜PnのうちLED41による照射領域であり、即ちLED41のグループの中で、点灯(オン)すべき領域(グループ)である。模式的に示せば例えば、処理レシピ1についてはP3〜P6、処理レシピ2についてはP4〜P7、処理レシピnについてはPk〜P(k+3)といった具合に設定される。LED41の点灯領域の設定については、次のようにして決められる。予めLED41の照射を含まない処理レシピを用いてレジスト液をウエハWに塗布し、その後当該ウエハWを加熱装置に搬入して加熱処理し、得られたレジスト膜について膜厚計によりウエハWの面内の膜厚分布プロファイル(以下、単に膜厚分布という。)を求める。そしてこの膜厚分布において凹状になる部位(膜厚が小さくなる部位)に対応する領域を領域P1〜Pnの中から選択する。
【0026】
ここでLED41によりウエハWに局部的に照射する理由を述べる前に、膜厚分布において凹状になる部位が発生する理由について説明しておく。この理由は推測ではあるが、以下のように考えられる。スピンコーティング法の場合、ウエハWの中央部にあるレジスト液に作用する遠心力は小さいため、膜厚は大きめになると考えられるが、ウエハW周縁部においては、レジスト液に作用する遠心力は大きい。しかしその一方で、レジスト液が中央部から周縁部に拡散する過程においてレジスト液が高濃度化しているものと考えられる。遠心力の影響よりレジスト液の高濃度化の影響の方が大きいことが、周縁部において膜厚が大きくなる原因の一つと考えられる。
【0027】
そこでLED41を照射すると、その照射領域のウエハ温度が局所的に上昇し、その結果、照射領域におけるレジスト液中に含まれる溶剤の揮発が促進され、照射領域のレジスト液の濃度がその他の領域にあるレジスト液の濃度より高くなる。高濃度のレジスト液は粘度が高いため、比較的高速でウエハWが回転しても、周縁方向に移動しにくくなり、このため照射領域における膜厚が増大する。その一方で、ウエハW周縁部においては半径方向から移動してくるレジスト液の移動が減少した状態で、レジスト液が振り切られる。その結果、照射領域の膜厚が増大すると共にウエハW周縁部における膜厚が減少するものと考えられる。
【0028】
このため、ウエハWの径方向に分割された前記領域P1〜Pnの中から前記凹状になる部位を加熱するための領域を求めて当該領域をその処理レシピに対応するLED41の点灯領域として設定している。ウエハWの径方向におけるLED41の数が多ければ多いほど、照射領域のいわば分解能が高く、そのため高い精度で前記凹状になる部位を局所的に加熱できる。以上のことから、LED41の点灯領域(例えばP3〜P6など)はウエハWの径方向における輻射光の照射位置を特定するための照射情報に相当する。
【0029】
処理レシピとLED41の点灯領域との関係の一例について述べる。ウエハWの中央部に供給されたレジスト液200は、その粘性に加え遠心力も周縁側に比べて小さいことから、ウエハWの周縁方向に拡散しにくい。また、周縁付近に達したレジスト液200については、周縁に近いほど作用する遠心力が大きいことから、周縁付近にもレジスト液200が集まり易い。よって、ウエハWの径方向の膜厚分布プロファイルをみると、ウエハWの中央部及び周縁部の膜厚が大きくその間において凹部8が形成される傾向がある。そして、図4に示すように、レジスト液200の粘度が高いと、その凹部8はウエハWの中央部側に寄りがちである。逆に、レジスト液200の粘度が低いと、膜厚分布プロファイルの凹部8はウエハWの周縁側に寄りがちになる。このため、レジスト液200の粘度が高いほど、LED41の点灯領域はウエハWの中心寄りになる。以上、処理レシピの項目の1つであるレジスト液200の粘度とLED41の点灯領域との関係について述べたが、処理レシピにおけるその他の項目である、例えばウエハWの回転数やレジスト液200の吐出時間についても、ウエハWの回転数が低いほどあるいはレジスト液200の吐出時間が短いほど、LED41の点灯領域はウエハWの中心寄りになる。
【0030】
また、この例では処理レシピの中でLED41をオンにする領域を設定しているが、LED41によりウエハWを局所的に加熱したときには近傍領域にも熱が伝導することから、この点も考慮して例えば領域P3〜P6についてはLED41の強度を最大に設定し、当該領域P3〜P6に隣接するP2、P7については、LED41の強度を最大よりも小さくしておき、結果としてできるだけ加熱すべき領域のみを加熱するように工夫してもよい。なお、既述のように図3のLED41の配置数や領域P3〜P6などの数は便宜上であるため、実際には、LED41の強度を最大にする領域や、当該領域の近傍にて少しLED41の強度を小さくする領域の数は、LED41の配置数や、膜厚分布の形状などに依存して決められることになる。
【0031】
プログラム51及び処理レシピは、例えばフレキシブルディスク(FD)、メモリーカード、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、ハードディスク等の記憶媒体に格納されて、制御部5にインストールされる。制御部5は、レシピ格納部54にインストールされた処理レシピに基づいて、プログラム51に則り、当該装置の動作を制御する。
【0032】
次に、上述の実施形態における作用について、図5〜図7を参照しながら説明する。図5は本実施形態の作用フローを説明する概要図であり、図6はそのときのウエハWの回転速度の時間的推移パターンを示すグラフであり、図7は本実施形態におけるLED41でのウエハWの加熱による膜厚均一化を説明するための、実験結果を基にした概要図である。以下に述べる動作が実行される前に、例えばオペレータにより入力部56から処理レシピが選択されており、プログラムがその処理レシピの内容を読み込んで当該内容に対応するステップが順次実行されることになる。まず、筐体1に設けられた搬入出口11のシャッタ12が開かれ、図示しない搬送アームによりウエハWが筐体1内に搬入されて、図示しない昇降ピンを介してスピンチャック2に吸着保持される。次に、待機位置75にあった溶剤ノズル7を移動機構74によりウエハWの上方略中央部に移動させた後、溶剤ノズル7よりウエハWにシンナー100を供給する(図5(a)及び図6中溶剤供給工程S1)。
【0033】
その後、スピンチャック2によりウエハWを例えば500rpmの回転速度V1で回転させ、ウエハW上のシンナー100をウエハWの表面全面に拡散させ、ウエハWの表面全体がシンナー100で濡れた状態になる(図5(b)及び図6中溶剤拡散工程S2)。この間に、溶剤ノズル7はウエハW上から元の待機位置75に退避し、待機位置65にあったレジスト液ノズル6を移動機構64によりウエハWの上方略中央部に移動させる。そして、レジスト液ノズル6からウエハWにレジスト液200の吐出が開始され、ウエハWの中心部にレジスト液200が供給される(図5(c))。このとき、ウエハWの回転速度をV1から高速の例えば2000〜4000rpmのV2まで上昇させる。このウエハWの回転における加速は、回転速度V1から回転速度が連続的に滑らかに変動するように徐々に加速される。言い換えると、ウエハWの回転加速度は、例えば零から次第に増加する。
【0034】
そして、ウエハWの回転速度がV2に近付いてきたら、回転加速度を次第に減少させ、ウエハWの回転速度をV2に滑らかに収束させる。こうして、ウエハWの回転速度をV1からV2に、図6のグラフ上でS字状に推移するように変動させる。回転速度がS字状に推移する間においてレジスト液200の吐出が行われ、ウエハWの中央部に供給されたレジスト液200は遠心力によりウエハWの表面全面に拡散された状態となる(図6中レジスト液塗布工程S3)。
【0035】
レジスト液200の吐出(供給)を終えた後、回転速度がV2から低速の例えば300rpmのV3に減速され、ウエハW上に拡散したレジスト液200は大まかに均され平坦化される(図5(d)及び図6中平坦化工程S4)。なお、回転速度をV2からV3に減速し始める時点とレジスト液200の吐出停止とのタイミングが同時であってもよい。この平坦化工程S4は、例えば1秒程度の間実行される。この平坦化工程S4の終了時点では、ウエハW上のレジスト液200の膜厚分布プロファイルは、大まかには平坦化されているが、図5(d)及び図7の上図に示すように、表面に凹部8が見受けられる状態である。次に、ウエハWは中速の例えば1500rpm程度の回転速度V4に加速され、ウエハW上のレジスト液200を乾燥させる(図6中乾燥工程S5)。
【0036】
この乾燥工程S5は、例えば20秒間程度実行され、この乾燥工程S5の開始と同時に、加熱部4によるウエハWの輻射加熱が開始される。即ち、制御部5のプログラム51は、既に選択された処理レシピに書き込まれているLED41の点灯領域を読み出し、点灯コントローラ55に出力する。点灯コントローラ55は、指定された点灯領域に対するLED41のグループ例えば図3のP4〜P7等をオンにする。これにより、点灯領域のLED41からウエハWに向かって赤外線が照射され、ウエハWにおける照射された領域が所定の温度例えば30℃〜40℃に局所的に加熱される(図5(e))。その結果、既述のように、照射領域においてはレジスト液200が遠心力に抗してこの領域に留まるようになり、その分ウエハWの周縁部ではウエハWの中心部から移動してくるレジスト液200の量が減少する。このようにして、照射領域では膜厚が増大すると共にウエハWの周縁部では逆に膜厚が減少するため、乾燥工程S5の後に最終的に得られるレジスト膜の厚さは均一になる(図7の下図)。こうして、ウエハWの表面上に面内の膜厚の均一性が高いレジスト膜が形成される。ウエハWの乾燥終了後、ウエハWは、回転停止されて、スピンチャック2上から図示しない昇降ピン及び搬送アームを介して筐体1の外に搬出されて、一連のレジスト塗布処理が終了する。
【0037】
上述の実施形態は、既述のように、レジスト液の粘度及びウエハWの回転数の推移パターンと、ウエハWの面内の膜厚分布における凹部8の位置とが対応していることと、レジストに流動性がある間に加熱すれば膜厚が大きくなることと、に着眼して塗布処理を行っている。即ち、予めLED41の照射を含まない処理レシピを用いてウエハWにレジスト塗布処理を行い、このウエハWの面内の膜厚分布を求め、この膜厚分布における凹部8の位置にLED41を照射して当該部位を局所的に加熱している。従って、凹部8に対応する部位のレジスト膜の膜厚が大きくなろうとするので、レジスト膜の膜厚について高い面内均一性が得られる。
【0038】
なお、上述の実施形態では、照射情報であるLED41の点灯領域の情報については、処理レシピを格納している記憶領域とは別の記憶領域に処理レシピと対応付けて書き込んでおき、処理レシピが選択されたときにその記憶領域から照射情報を読み出すようにしてもよい。
【0039】
また、上述の実施形態では、乾燥工程S5の開始と同時にLED41による照射を開始しているが、本発明におけるLED41の照射のタイミングはこれに限定されるものではない。LED41の照射は、例えば、レジスト液の吐出前やウエハW上にレジスト液を拡散している段階、あるいは平坦化工程S4の間に開始してもよい。また、LED41の照射終了のタイミングは、乾燥工程S5の間であってもよいし、乾燥工程S5の終了後でもよい。即ち、LED41がウエハWを照射するタイミングは、レジスト液がウエハWの表面全体に塗布されかつレジスト液が乾燥していない状態である期間が含まれる時間帯であればよい。
【0040】
更にまた加熱部4を構成するLED41の配置位置の他の例を図8に示す。
図8(a)では、LED41を1ヶ所にウエハWの径方向に一列だけ配置している。
図8(b)では、ウエハWの径方向に並ぶLED41の列を、互いにウエハWの周方向に180°ずらして2列配置している。
図8(c)では、ウエハWの径方向に並ぶLED41の列を、互いにウエハWの周方向に90°ずつずらして4列配置している。
図8(d)では、LED41の列をウエハWの周方向に複数箇所、例えば図8(c)のように4箇所に配置するが、互いに隣接するLED41の列の間において一方の列の各LED41が置かれる同心円帯域と他方の列の各LED41が置かれる同心円帯域とがウエハWの径方向で重なり合うようにLED41の列が設定されている。
【0041】
また、上述の実施形態ではレジスト膜の形成について述べているが、本発明はそれに限らず、ウエハW上に例えばSiO2膜の前駆物質を溶解した薬液を塗布して加熱処理することで、ウエハW上にSiO2膜を形成する場合も含む。
【0042】
次に、本発明における第2の実施形態について、図9及び図10を用いて説明する。図9は、レジスト液ノズル6を移動する移動機構9を示しており、この移動機構9は、X方向に伸びるガイドレール60に沿って移動する支柱94と、この支柱94に対して昇降自在に設けられた、水平に伸びるアーム91とを備えている。アーム91の先端部にはレジスト液ノズル6が取り付けられている。この実施形態では、LED41は、レジスト液ノズル6に対してX方向に離間した位置にて、アーム91に下向きに取り付けられている。従って、支柱94がガイドレール60に沿って移動すると、LED41の照射領域がウエハWの直径に沿って移動することとなる。
先の実施形態では、処理レシピに応じて点灯領域が照射情報として設定されていたが、この実施形態では、照射情報は、支柱94、つまりアーム91のX方向の停止位置として処理レシピに書き込まれる。
【0043】
図10は、LED41によりウエハWを局所的に照射している様子を示す図であり、照射のタイミングについては先の実施形態と同様である。図10では、便宜上、アーム91にLED41を1個設けた例を記載しているが、複数のLED41をX方向に配列し、既述の膜厚分布における凹部8の幅寸法に応じて、LED41の群の中から適数のLED41を点灯させるようにしてもよい。また、LED41を点灯させた状態で前記凹部8に対応する領域を1回あるいは2回以上往復するなどして、移動させるようにしてもよい。
また、LED41は、レジスト液ノズル6用のアームに取り付ける代わりに、溶剤ノズル7が設けられたアームに取り付けるようにしてもよいし、これらアームとは別途専用の移動機構、例えば図9に示すのと同様の移動機構に設けてもよい。
【0044】
このような実施形態によれば、先の実施形態の効果に加えて、ウエハWにおけるスピンチャック2による吸着部分の領域を加熱することができる利点がある。また、この実施形態では、LED41がウエハWの径方向に対して移動自在なため、使用するLED41の数を抑えることができる。
【0045】
本発明における第3の実施形態について、図11及び図12を用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様の構造及び作用の部分については、ここでの説明は省略する。この実施形態におけるレジスト塗布装置には、図11に示すように、ウエハWの中心部からガイドレール60と直交する方向に向かって伸びる移動機構9の一部であるアーム91が設けられている。このアーム91の下部には、図12に示すように、ウエハWの中心部から周縁部までウエハWの表面に対向するように、多数のLED41がウエハWの径方向に列を成して設けられている。アーム91は、支柱94を介してガイドレール60に沿って水平移動可能となっている。LED41は、点灯コントローラ55に接続されており、この点灯コントローラ55を介して各点灯領域毎のオン/オフ制御が行われ、第1の実施形態と同様に処理レシピに応じて点灯すべきLED41が選択される。
LED41による照射を行う際には、レジスト液ノズル6が待機位置65に向けて移動を開始した後、アーム91がウエハWの中央位置まで移動する。そして、照射情報に基づくウエハW上の照射領域に対してLED41から赤外線の照射が行われる。
【0046】
このような実施形態においても、先の実施形態と同様の効果が得られる。なお、本実施形態における多数のLED41は、レジスト液ノズル6のアーム63あるいは溶剤ノズル7のアーム73の下部に、ウエハWの表面と対向するようにウエハWの径方向に列を成して設けられていてもよい。本発明は、第1の実施形態と第2あるいは第3の実施形態とを合わせて、ウエハWを上下両方から加熱するようにしてもよい。
【実施例】
【0047】
続いて、本発明におけるLED41による照射の効果を確認するために行った実施例について説明する。
[実施例1]
図13は、直径300mmのウエハWにレジスト液を塗布する際に、上述の第1の実施形態のようにLED41による照射を行い、そのときにLED41に印加する電流値、即ちLED41の照射強度をパラメータとして膜厚分布プロファイルの変化を測定した結果を示したものである。このときの実験条件は、照射前のLED41自体の温度が25℃(室温)、照射時間が5秒間、そしてLED照射位置がウエハWの中心部からの径方向の距離で65mm〜90mmである。また、本実験におけるパラメータであるLED41の電流値は、0mA、50mA、75mA、100mA、150mA及び200mAと設定して測定したが、図13には、分かり易くするために、0mA、50mA、100mA及び200mAについてのみ示した。
図13に示すように、LED41の電流値が大きいほど、照射位置のレジスト膜の膜厚が大きくなるという結果となった。このことから、LED41による照射によりレジスト膜の膜厚を制御できること、そしてLED41の照射強度を調整することにより照射位置の膜厚の増加量を調整できる可能性があることが確認された。
【0048】
[実施例2]
本実施例では、上述の実施例1と同様、LED41による照射を交えたレジスト塗布処理をウエハW10枚に対して連続で行い、その間における塗布処理の安定性(膜厚分布プロファイルの再現性)について確認を行った。特に、ウエハWの連続処理を行うとLED41の発光する頻度が高くなるため、LED温度の上昇及びそれによる膜厚分布プロファイルへの影響が予想されることから、塗布処理終了直後のLED温度も測定した。本実施例の実験条件は、照射前のLED41自体の温度が25℃(室温)、照射時間が5秒間、LED41への印加電流値が100mA、そしてLED照射位置がウエハWの中心部からの径方向の距離で65mm〜90mmである。図14は、そのときのウエハW全10枚夫々についての、LED照射を行わなかった場合の膜厚分布プロファイルに対するLED照射を行った場合の膜厚分布プロファイルにおける膜厚差を示したものである。
図14では、ウエハWの径方向における各測定位置毎に、全10枚分の膜厚差がプロットされているが、各測定位置における各ウエハW間の膜厚差は、ウエハWの径方向におけるどこの位置においても1nm程度内に収まっている。この値は、LED照射をしない1枚のウエハW内における膜厚分布プロファイル(図13におけるLED電流値が0mAのプロット)の最大膜厚差と同等であり、またLED照射による照射位置における膜厚の増加量の最大値よりも小さい。また、最後の10枚目のウエハWの塗布処理が終了した時点において、LED41の温度は40℃まで上昇していた。これらのことから、塗布処理においてウエハWを連続処理する中で膜厚分布プロファイルが変化する可能性は低く、またLED温度が少なくとも40℃以下の場合では、LED41の昇温による膜厚増加量の変化は少ないものと考えられる。
【符号の説明】
【0049】
W ウエハ
P1〜Pn LEDの各グループ及び当該グループによる照射領域
1 筐体
2 スピンチャック
3 カップ
4 加熱部
41 LED
42 冷却ジャケット
5 制御部
54 レシピ格納部
6 レジスト液ノズル
7 溶剤ノズル
8 膜厚分布プロファイルにおける凹部
9 第2及び第3の実施形態におけるLEDの移動機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の中心部に塗布ノズルから供給された塗布液を基板の回転による遠心力により基板の表面に広げて塗布する塗布装置において、
基板を水平に保持する保持部と、
この保持部を鉛直な軸の周りに回転させるための回転機構と、
基板の材料の吸収波長域を有する輻射光を基板に局所的に照射するための輻射源と、
塗布液の種類及び基板の回転数の推移パターンを含む処理レシピと、基板の径方向における輻射光の照射位置を特定するための照射情報と、を対応付けて記憶した記憶部と、
選択された処理レシピに応じた前記照射情報を読み出し、読み出した照射情報に基づいて、当該照射情報により特定される照射位置に、塗布液が基板の表面全体に塗布されかつ塗布液が乾燥していない状態である期間が含まれる時間帯にて、前記輻射源から輻射光を局所的に照射するように制御信号を出力する制御部と、を備え、
前記照射位置は、処理レシピに基づいて輻射光を照射せずに塗布膜を形成したときに基板の面内の膜厚分布プロファイルが凹状になる位置に対応していることを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
前記輻射源は、基板の径方向に多数配列され、
前記照射情報は、多数の輻射源の一部である複数の輻射源を特定するための情報であることを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
【請求項3】
基板の中心部に塗布ノズルから供給された塗布液を基板の回転による遠心力により基板の表面に広げて塗布する塗布装置において、
基板を水平に保持する保持部と、
この保持部を鉛直な軸の周りに回転させるための回転機構と、
基板の材料の吸収波長域を有する輻射光を基板の特定の位置に当該基板の上方から局所的に照射するための輻射源と、を備え、
前記特定の位置は、輻射光を照射せずに塗布膜を形成したときに基板の面内の膜厚分布プロファイルが凹状になる位置であることを特徴とする塗布装置。
【請求項4】
塗布液が基板の表面全体に塗布されかつ塗布液が乾燥していない状態である期間が含まれる時間帯にて、前記輻射源から輻射光を基板に対して局所的に照射するように制御信号を出力する制御部を備えていることを特徴とする請求項3に記載の塗布装置。
【請求項5】
前記輻射源は、基板の径方向に移動自在な移動部材に設けられたことを特徴とする請求項3または4記載の塗布装置。
【請求項6】
前記制御部は、塗布液が基板全体に広がった後に輻射源から輻射光を基板に照射するように制御信号を出力するものであることを特徴とする請求項1、2または4に記載の塗布装置。
【請求項7】
前記輻射源は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか一項に記載の塗布装置。
【請求項8】
基板を保持部に水平に保持させる工程と、
前記保持部を回転させると共に基板の中心部に塗布液を供給し、塗布液を遠心力により基板の表面に広げる工程と、
塗布液の種類及び基板の回転数の推移パターンを含む処理レシピと、基板の径方向における輻射光の照射位置を特定するための照射情報と、を対応付けて記憶した記憶部から、選択された処理レシピに応じた前記照射情報を読み出す工程と、
読み出した照射情報に基づいて、当該照射情報により特定される照射位置に、塗布液が基板の表面全体に塗布されかつ塗布液が乾燥していない状態である期間が含まれる時間帯にて、基板の材料の吸収波長域を有する輻射光を局所的に照射する工程と、を含み、
前記照射位置は、処理レシピに基づいて輻射光を照射せずに塗布膜を形成したときに基板の面内の膜厚分布プロファイルが凹状になる位置に対応することを特徴とする塗布方法。
【請求項9】
輻射光の輻射は、基板の径方向に多数配列された輻射源を用いて行われ、
前記照射情報は、多数の輻射源の一部である複数の輻射源を特定するための情報であることを特徴とする請求項8記載の塗布方法。
【請求項10】
基板を保持部に水平に保持させる工程と、
前記保持部を回転させると共に基板の中心部に塗布液を供給し、塗布液を遠心力により基板の表面に広げる工程と、
基板の特定の位置に、塗布液が基板の表面全体に塗布されかつ塗布液が乾燥していない状態である期間が含まれる時間帯にて、基板の材料の吸収波長域を有する輻射光を基板の上方から局所的に照射する工程と、を含み、
前記特定の位置は、輻射光を照射せずに塗布膜を形成したときに基板の面内の膜厚分布プロファイルが凹状になる位置であることを特徴とする塗布方法。
【請求項11】
輻射光の照射は、基板の径方向に移動自在に設けられた輻射源により行われることを特徴とする請求項10記載の塗布方法。
【請求項12】
基板への輻射光の照射開始は、塗布液が基板全体に広がった後であることを特徴とする請求項8ないし11のいずれか一項に記載の塗布方法。
【請求項13】
輻射光を照射する輻射源は、発光ダイオードであることを特徴とする請求項8ないし12のいずれか一項に記載の塗布方法。
【請求項14】
基板に塗布液を塗布する塗布装置に用いられるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、
前記コンピュータプログラムは、請求項8ないし13のいずれか一つに記載の塗布方法を実施するためのものであることを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−119536(P2012−119536A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−268778(P2010−268778)
【出願日】平成22年12月1日(2010.12.1)
【出願人】(000219967)東京エレクトロン株式会社 (5,184)
【Fターム(参考)】