説明

塗布装置

【課題】ホースやチューブ等の液送管手段と収容容器や加圧タンク等との接続部における空気の侵入を阻止した塗布装置を提供する。
【解決手段】開閉可能な蓋体22bを備えた加圧タンク22aと、加圧タンク内に圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、該加圧タンク内に設置されたプラスチック容器10と、該プラスチック容器の広口開口部14に先端開口部が連通する液送管手段20と、該液送管手段の後端開口部に接続された塗布ノズル手段と、を含み、プラスチック容器は、柔軟性を有するプラスチック容器本体12と、広口開口部に取付けられた長尺状流路部材18と、を有する塗布装置であって、プラスチック容器本体の広口開口部に該長尺状流路部材の上端取付け部24を嵌着し、密封連通手段70を介して、液送管手段を該上端取付け部の液吐出口に密封状態で連通した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粘性液体、特に湿気硬化型の接着性を有する硬化性組成物又は酸素硬化型の接着性を有する硬化性組成物を、柔軟性を有する袋又は容器に収納し外部から圧力を加えることによって当該袋又は容器を変形縮小せしめて内部の粘性液体を外部に排出せしめて塗布する際に有効に使用されるプラスチック容器を有する塗布装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、湿気硬化型接着剤又は酸素硬化型接着剤を塗布する塗布装置においては、接着剤が空気に触れると硬化してしまうため、接着剤が飛散するとその飛散箇所においてそのまま固まってしまって汚れの原因となる等の不都合が生じるので、空気に接触させない状態で接着剤を塗布する必要がある。
【0003】
このような空気との接触を嫌う液体を塗布する装置についての提案も従来からなされている。例えば、粘性液体等を柔軟性を有する袋又は容器に収納し外部から圧力を加えることによって当該袋又は容器を変形縮小せしめて内部の粘性液体を外部に排出せしめて塗布するようにした装置としては、「接着剤を充填させた変形可能な密閉容器、密閉容器を収容する加圧タンク、加圧タンクの外側に配備した吐出部と密閉容器とを連結するホース、加圧タンクへの加圧装置とからなる接着剤塗布装置において、密閉容器に水性接着剤を充填し、密閉容器に連結したホースの先端をスプレーガンに連結させ、密封容器のホース取り付け部の外側の壁面に収縮時の変形を規制する鍔状の補強部を設けた接着剤塗布装置。」(特許文献1の請求項1)が知られている。
【0004】
また、塗装装置として、「請求項1ないし7のいずれか1項記載の液体の収容容器と、前記収容容器を構成する内側容器の液体排出口に連結され、その内部に圧力流体を導入する流体導入手段と、前記ポンプユニットに連結され、このポンプユニットによって加圧されて送出される液体を被塗装物に噴霧する手段と、を備えることを特徴とする塗装装置。」(特許文献2の請求項8)も知られている。そして、この塗装装置において、液体の収容容器としては、「空気との接触を嫌う液体を収容し、該液体を排出するときに容器内に可及的に空気を侵入させずに排出する収容容器であって、容積を自在に変化できる柔軟な袋状で、前記液体を排出するポンプユニットに連結される液体排出口が設けられた内側容器と、容積が不変で、前記内側容器を収容した状態で密閉可能であり、該内側容器を収容して密閉した状態で内部に圧力流体が導入される外側容器と、を備え、前記内側容器に収容した液体が排出されるのに伴って該内側容器の内部に形成される空気領域を前記外側容器に導入される圧力流体で押し狭めて、前記内側容器に可及的に空気を侵入させないようにして前記内側容器から液体が排出されるようにしたことを特徴とする液体の収容容器。」(特許文献2の請求項1)を開示している。
【0005】
上記した特許文献1及び2はいずれも空気との接触を嫌う液体を塗布する装置に関するものであるが、ホースやチューブ等の液送管手段と収容容器や加圧容器(加圧タンク)等との接続部の密封構造は必ずしも厳密な機構が採用されているともいえないので、それらの接続部分からの空気の侵入により当該液体が硬化することによる各種のトラブルが発生することが避けられなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−247073号公報
【特許文献2】特開2010−247878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記した従来の塗布装置の問題点に鑑み、ホースやチューブ等の液送管手段と収容容器や加圧容器(加圧タンク)等との接続部の密封構造についてその密封効果を高めるための構造について研究を重ねた結果完成されたものであって、当該接続部における空気の侵入を完全に阻止可能とし上記したようなトラブルの発生を皆無とした塗布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の塗布装置は、開閉可能な蓋体を備えた加圧タンクと、前記加圧タンク内に圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、該加圧タンク内に設置されたプラスチック容器と、該プラスチック容器の広口開口部に先端開口部が連通する液送管手段と、該液送管手段の後端開口部に接続された塗布ノズル手段と、を含み、
前記プラスチック容器は、広口開口部を開穿するとともに内部に粘性液体が充填されかつ加圧によって押し潰されて前記粘性液体が前記広口開口部から加圧吐出されるように形成された柔軟性を有するプラスチック容器本体と、前記プラスチック容器本体の内部に延出するように前記広口開口部に取付けられかつ前記粘性液体が加圧吐出される際に当該粘性液体の吐出流路を形成する長尺状流路部材と、を有し、
前記加圧タンク内に圧縮空気が供給されると、該加圧タンク内に設置された前記プラスチック容器が加圧され押し潰されてその内部の粘性液体を前記長尺状流路部材を介して該プラスチック容器から吐出し、ついで前記液送管手段を介して前記塗布ノズル手段から噴出して所定部位に当該粘性液体を塗布することができるように作用する塗布装置であって、
前記長尺状流路部材が、前記プラスチック容器本体の広口開口部に着脱自在に取付けられかつ中央部に液吐出口を開口した上端取付け部と、該プラスチック容器本体の内部に延出するように該取付け部に一体的に取付けられた長尺状流路部と、を有し、該長尺状流路部材が該広口開口部に着脱自在に装着されるように構成し、該プラスチック容器本体の広口開口部に該長尺状流路部材の上端取付け部を嵌着し、密封連通手段を介して前記液送管手段を該上端取付け部の液吐出口に密封状態で連通せしめ、
前記密封連通手段が、前記長尺状流路部材の上端取付け部の上面形状に対応する下面形状を有しかつ下部上面には受け段部を形成するとともに中央部に挿通口を開口した長尺円筒基体と、円形板の中央部に前記受け段部に当接する貫通穴を開穿しかつ該円形板の周縁部から垂設された環状側壁の内面側に前記プラスチック容器本体の広口開口部の円筒側壁の内面に形成された雄螺子部に螺合可能な雌螺子部を形成したキャップ部材と、を含み、前記長尺円筒基体の上端開口部が前記液送管手段の先端開口部に対応する寸法を有し、
前記長尺円筒基体の上端開口部と前記液送管手段の先端開口部とを連通状態で密封接合手段によって密封接合せしめるとともに、前記長尺円筒基体を前記長尺状流路部材の上端取付け部の上面に当接せしめ、前記キャップ部材の貫通穴を前記受け段部に当接させた状態で前記プラスチック容器本体の広口開口部の円筒側壁の雄螺子部に該キャップ部材の雌螺子部を螺合させて螺子締めすることによって、該液送管手段が前記長尺状流路部材の上端取付け部の液吐出口に密封状態で連通せしめられるようにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明の塗布装置において、前記密封接合手段が、内周面に雌螺子部を螺設した円筒ベース体と、上端部外周面に前記円筒ベース体の雌螺子部の下部に螺合する下部第1雄螺子部を螺設するとともに下端部外周面に下部第2雄螺子部を螺設しかつ中央部に前記長尺円筒基体が挿通可能とされた下部挿通口を穿設した下部円筒保持部材と、下端部外周面に前記円筒ベース体の雌螺子部の上部に螺合する上部第1雄螺子部を螺設するとともに上端部外周面に上部第2雄螺子部を螺設しかつ中央部に前記液送管手段が挿通可能とされた上部挿通口を穿設した上部円筒保持部材と、を有し、
前記長尺円筒基体の上端部分を下部環状締具の貫通孔及び前記下部円筒保持部材の下部挿通口に挿通するとともに前記液送管手段の先端部分を上部環状締具の貫通孔及び前記上部円筒保持部材の上部挿通口に挿通し、ついで前記下部円筒保持部材の下部第1雄螺子部を前記円筒ベース体の下部側の雌螺子部に螺入せしめかつ前記上部円筒保持部材の上部第1雄螺子部を前記円筒ベース体の上部側の雌螺子部に螺入せしめ、さらに前記下部第2雄螺子部に前記下部環状締具の雌螺子部を螺入しかつ前記上部第2雄螺子部に前記上部環状締具の雌螺子部を螺入することによって前記長尺円筒基体の上端開口部と前記液送管手段の先端開口部とを連通状態で密封接合せしめて当該長尺円筒基体の上端開口部と当該液送管手段の先端開口部とを密封接合せしめるようにした構成を採用するのが好ましい。
【0010】
前記密封接合手段が、上下方向に貫通するように穿設された挿通口を具備しかつ上部に上部雄螺子部を設け及び下部に下部雄螺子部を設けた円筒保持部材を有し、
前記長尺円筒基体の上端部分を下部環状締具の貫通孔及び前記円筒保持部材の挿通口の下部部分に挿通するとともに前記液送管手段の先端部分を上部環状締具の貫通孔及び前記円筒保持部材の挿通口の上部部分に挿通し、ついで前記下部雄螺子部に前記下部環状締具の雌螺子部を螺入しかつ前記上部雄螺子部に上部環状締具の雌螺子部を螺入することによって前記長尺円筒基体の上端開口部と前記液送管手段の先端開口部とを連通状態で密封接合せしめて当該長尺円筒基体の上端開口部と当該液送管手段の先端開口部とを密封接合せしめるようにした構成を採用することもできる。
【0011】
さらに、前記密封接合手段が、前記加圧タンクの蓋体中央部に穿設された中央穴の内周面に螺設された蓋体雌螺子部を備えた螺合保持部と、上端部外周面に前記螺合保持部の蓋体雌螺子部の下部に螺合する下部第1雄螺子部を螺設するとともに下端部外周面に下部第2雄螺子部を螺設しかつ中央部に前記長尺円筒基体が挿通可能とされた下部挿通口を穿設した下部円筒保持部材と、下端部外周部に前記螺合保持部の蓋体雌螺子部の上部に螺合する上部第1雄螺子部を螺設するとともに上端部外周面に上部第2雄螺子部を螺設しかつ中央部に前記液送管手段が挿通可能とされた上部挿通口を穿設した上部円筒保持部材とを有し、
前記長尺円筒基体の上端部分を下部環状締具の貫通孔及び前記下部円筒保持部材の下部挿通口に挿通するとともに前記液送管手段の先端部分を上部環状締具の貫通孔及び前記上部円筒保持部材の上部挿通口に挿通し、ついで前記下部円筒保持部材の下部第1雄螺子部を前記下部側の蓋体雌螺子部に螺入せしめかつ前記上部円筒保持部材の上部第1雄螺子部を前記上部側の蓋体雌螺子部に螺入せしめ、さらに前記下部第2雄螺子部に前記下部環状締具の雌螺子部を螺入しかつ前記上部第2雄螺子部に前記上部環状締具の雌螺子部を螺入することによって前記長尺円筒基体の上端開口部と前記液送管手段の先端開口部とを連通状態で密封接合せしめて当該長尺円筒基体の上端開口部と当該液送管手段の先端開口部とを密封接合せしめるようにした構成を好適に採用することができる。
【0012】
さらにまた、前記密封接合手段が、前記加圧タンクの蓋体中央部に穿設された中央穴の内周面に螺設された蓋体雌螺子部を備えた螺合保持部と、上下方向に貫通するように穿設された挿通口を具備しかつ上部に上部径大雄螺子部を設けるとともに上端部に上部径小雄螺子部を設け及び下部に下部径小雄螺子部を設けた長尺円筒保持部材を有し、
前記長尺円筒保持部の上部径大雄螺子部を前記螺合保持部に螺入し、前記長尺円筒基体の上端部分を下部環状締具の貫通孔及び前記長尺円筒保持部材の挿通口の下部部分に挿通するとともに前記液送管手段の先端部分を上部環状締具の貫通孔及び前記長尺円筒保持部材の挿通口の上部部分に挿通し、ついで前記下部径小雄螺子部に前記下部環状締具の雌螺子部を螺入しかつ前記上部径小雄螺子部に上部環状締具の雌螺子部を螺入することによって前記長尺円筒基体の上端開口部と前記液送管手段の先端開口部とを連通状態で密封接合せしめて当該長尺円筒基体の上端開口部と当該液送管手段の先端開口部とを密封接合せしめるようにした構成を採用することも可能である。
【0013】
前記長尺状流路部が側面に1以上の流路穴を開穿した管状体であるのが好適である。前記粘性液体としては、湿気硬化型の接着性を有する硬化性組成物又は酸素硬化型の接着性を有する硬化性組成物を適用対象とすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の塗布装置によれば、ホースやチューブ等の液送管手段と収容容器や加圧容器(加圧タンク)等との接続部における空気の侵入を完全に阻止可能とし、当該接続部からの空気の侵入により当該液体が硬化してしまうことに起因する各種のトラブルの発生を皆無とすることができるという効果を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の塗布装置の概略的構成を示す説明図である。
【図2】本発明の塗布装置で用いられるプラスチック容器を加圧タンクの内部に設置した1つの実施の形態を示す断面的説明図で、プラスチック容器本体に粘性液体を満タン充填した状態を示す。
【図3】図2の状態からプラスチック容器本体が外側から加圧されて変形収縮されるとともに粘性液体が外部に排出される中間状態を示す断面的説明図である。
【図4】図3の状態からさらに加圧されてプラスチック容器本体が完全に押し潰されて粘性液体の全量が外部に排出された最終状態を示す断面的説明図である。
【図5】図2の状態から蓋体を外しかつ長尺円筒基体及びキャップ部材を長尺状流路部材から外した状態を示す断面的説明図である。
【図6】図2のプラスチック容器本体の広口開口部に長尺状流路部材、長尺円筒基体及びキャップ部材を取付けた状態を示す拡大した摘示図で、(a)は上面説明図、(b)は断面説明図である。
【図7】図6(b)における各部材を分解して示す分解断面説明図である。
【図8】図2の要部を拡大して示した拡大断面説明図である。
【図9】図8の構造を分解して示す断面分解説明図で、(a)は蓋体の上方に位置する各部材を示し、(b)は蓋体を含めてその下方に位置する各部材を示す。
【図10】本発明の塗布装置で用いられるプラスチック容器を加圧タンクの内部に設置した他の実施の形態の要部を示す拡大断面説明図である。
【図11】図10の構造を分解して示す断面分解説明図で、(a)は下部環状締具及びその上方に位置する各部材を示し、(b)は密封連通手段及び長尺円筒部材を示す。
【図12】本発明の塗布装置で用いられるプラスチック容器に使用される長尺状流路部材の一例を示す説明図で、(a)は上面説明図、(b)は断面説明図である。
【図13】図12と同様の長尺状流路部材を示す図面で、(a)は全体を示す斜視説明図、(b)は上端部を省略し長尺部のみを示す斜視説明図である。
【図14】図4の状態においてプラスチック容器本体及び長尺状流路部材の合体物から長尺円筒基体、キャップ部材及び液送管手段の合体物を抜き出した状態を示す説明図である。
【図15】塗布装置において長尺状流路部材を使用しない場合にプラスチック容器本体から液送管手段を抜き出した状態を示す説明図である。
【図16】キャップ部材の形状の一例を示す斜視説明図である。
【図17】ワンタッチ継手を用いて密封構造を形成した場合の構造例を示す断面説明図である。
【図18】図17における各部材を分解して示す分解説明図である。
【図19】上部円筒保持部材の上部挿通口の内周面の形状の1例を示す図面で、(a)は分解断面説明図、(b)は図19(a)の矢印A部分の拡大断面説明図である。
【図20】長尺状流路部材の取付け部と密封連通手段との接合状態の他の例を示す図6と同様の図面で、(a)は上面説明図、(b)は断面説明図である。
【図21】長尺状流路部材の取付け部と密封連通手段との接合状態のさらに他の例を示す図6と同様の図面で、(a)は上面説明図、(b)は断面説明図である。
【図22】長尺状流路部材の取付け部と密封連通手段との接合状態の別の例を示す図6と同様の図面で、(a)は上面説明図、(b)は断面説明図である。
【図23】密封接合手段の他の例を示す図8と同様の拡大断面説明図である。
【図24】図23の構造を分解して示す断面分解説明図で、(a)は蓋体の上方に位置する各部材を示し、(b)は蓋体を含めてその下方に位置する各部材を示す。
【図25】密封接合手段の別の例を示す図8と同様の拡大断面説明図である。
【図26】図25の構造を分解して示す断面分解説明図で、(a)は下部環状締具及びその上方に位置する各部材を示し、(b)は密封連通手段及び長尺円筒部材を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、これらは例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
【0017】
図1は本発明の塗布装置の概略的構成を示す説明図である。図1において、符号60は本発明の塗布装置で、加圧タンク22を有している。該加圧タンク22内にはプラスチック容器10が設置されている。該プラスチック容器10はプラスチック容器本体12及び長尺状流路部材18を有している。62は圧縮空気供給手段で、前記加圧タンク22内に空気供給管21を介して圧縮空気を供給する作用を行う。20は粘性液体を供給する液送管手段で、該液送管手段20の一端はプラスチック容器本体12の広口開口部14に連通し、該液送管手段20の他端には塗布手段64が接続されており、該プラスチック容器10に充填された粘性液体を塗布手段64に供給する作用を行う。66,68は圧縮空気供給手段62と塗布手段64とを接続する開側空気供給管及び閉側空気供給管で、それぞれ塗布手段64のオンオフを行うものである。なお、塗布手段64としては、ノズル手段、スプレー手段、ロールコーター等を例示することができる。
【0018】
前記プラスチック容器10の長尺状流路部材18は、前記プラスチック容器本体12の広口開口部14に着脱自在に取付けられかつ中央部に液吐出口23を開口した上端取付け部24と、該プラスチック容器本体12の内部に延出するように該上端取付け部24に一体的に取付けられた長尺状流路部26aと、を有し、該長尺状流路部材18が該広口開口部14に着脱自在に装着されるように構成されている。
【0019】
図2はプラスチック容器を加圧タンクの内部に設置した1つの実施の形態を示す断面的説明図で、プラスチック容器本体に粘性液体を満タン充填した状態を示す。図2において、符号10はプラスチック容器で、プラスチック容器本体12を有している。該プラスチック容器本体12は加圧によって押し潰し可能なように柔軟性を有するプラスチック材料、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等によって形成されているが、柔軟性、経済性、成形のし易さより、軟質ポリエチレンが特に適している。該プラスチック容器本体12の上部には広口開口部14が開穿されている。該プラスチック容器本体12の内部には粘性液体16が充填可能とされている。該プラスチック容器本体12の内部に粘性液体16が充填された場合には、該プラスチック容器本体12の外側から圧力が加えられると、該プラスチック容器本体12は加圧によって変形縮小し、最終的には押し潰されて内部の粘性液体16が前記広口開口部14から液送管手段20を介して加圧吐出されるように作用する。該液送管手段20の材質としてはテフロン(登録商標)が好適である。
【0020】
粘性液体16としては、粘度が5〜500Pa・s/23℃、好ましくは10〜100Pa・s/23℃、より好ましくは15〜60Pa・s/23℃の粘性液体が適用可能である。前記粘性液体16としては、特に接着性を有する硬化性組成物を挙げることができる。該接着性を有する硬化性組成物としては、例えば、接着剤、シール材、ポッティング材等が例示される。前記粘性液体のタックフリータイム(TFT)は、0〜60分、好ましくは0〜10分、より好ましくは0〜3分の範囲が好適である。本発明の塗布装置においては、粘度及びタックフリータイムが上記範囲の粘性液体に適用したとき、従来品に比べて汚れにくいという甚大な効果が達成される。
【0021】
前記接着性を有する硬化性組成物としては、湿気硬化型もしくは酸素硬化型等の空気に触れて常温で硬化可能な常温硬化型の硬化性組成物が好ましく、特に、変成シリコーン系、ポリウレタン系、シリコーン系等の湿気硬化型接着剤がより好適に用いられる。
【0022】
図2において、18は長尺状流路部材で、前記プラスチック容器本体12の内部に延出するように前記広口開口部14に取付けられかつ前記粘性液体16が加圧吐出される際に当該粘性液体16の流路を形成確保する機能を有するように構成されている。該長尺状流路部材18は粘性液体の流路を形成するように作用すればよいもので、後述するように種々の形態が考えられるが、図2の図示例では、上端取付け部24と、前記プラスチック容器本体12の内部に延出するように該上端取付け部24に一体的に取付けられた長尺状円柱管体30aからなる長尺状流路部26aと、を有し、該長尺状円柱管体30aの側壁に1又は複数(図示例では複数)の流路穴32を開口した構造を示してある。28は該長尺状流路部材18の下端開口端部である。
【0023】
長尺状流路部材の材質は、成形可能なものなら特に選ばないが、嵌合のし易さより、柔軟性を有するプラスチック材料、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン、ナイロン、フッ素ゴム、シリーコーンゴム、EPDM、SBS、SIS、SEBS等がよく、射出成形がし易く、安価であることから、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン樹脂がより良く、特に柔軟で、安価な軟質ポリエチレンが良い。長尺状流路部材は上端取付け部が単純な円柱(回転体)構造より成るとき長尺状流路部の形状を適切選定すれば、単純な金型構造になり、上記した材質の選定と組み合わせることにより、安価に長尺状流路部材を製造することが出来る。また、該長尺状流路部材18の材質としては、硬質ポリエチレンを用いることも可能であるが、この硬質ポリエチレンはその厚さ調整をすることで柔軟性を持たせることができる利点がある。例えば、長尺状流路部26aを5mm程度の厚さ及び上端取付け部24を0.7mm程度の厚さとすれば、適度な柔軟性を持たせることができ好適である。
【0024】
図2において、符号22は加圧タンクで、圧縮空気供給手段(図示せず)から空気供給管21を介して加圧空気が内部に導入されるように構成されている。前記プラスチック容器10は使用に際しては、該加圧タンク22内に設置した状態で使用され、図3に示したように、該プラスチック容器10の外側から圧力(例えば、加圧条件0.3〜1.0MPa)を加えて該プラスチック容器本体12を加圧変形し内部の粘性液体16を前記広口開口部14から液送管手段20を介して吐出する作用を行い、最終的には、図4に示したように、前記プラスチック容器本体12が加圧によって完全に押し潰されてその内部に収納された粘性液体16を全て吐出されるように働くものである。そして、図4に示したような完全に押し潰されたプラスチック容器10、換言すれば、プラスチック容器本体12と前記長尺状流路部材18は再利用することなく、押し潰した状態のままで廃棄処分が可能である。例えば、長尺状流路部材18を再利用する場合には、使用後の長尺状流路部材18をプラスチック容器本体12から引き抜いて使用することになるが、その際に長尺状流路部材18に付着している粘性液体が周囲に飛び散り汚れの原因になるが、本発明においてはプラスチック容器本体12とともに長尺状流路部材18もそのまま廃棄可能としてあるのでそのような汚れの発生は皆無となる利点がある。
【0025】
図12は本発明の塗布装置で用いられるプラスチック容器に使用される長尺状流路部材の一例を示す説明図で、(a)は上面説明図、(b)は断面説明図である。図13は図12と同様の長尺状流路部材を示す図面で、(a)は全体を示す斜視説明図、(b)は上端部を省略し長尺部のみを示す斜視説明図である。前記長尺状流路部材18は、図12及び図13によく示されるように、前記プラスチック容器本体12の広口開口部14に取付けられかつ中央部に液吐出口23を開口した上端取付け部24と、前記プラスチック容器本体12の内部に延出するように該上端取付け部24に一体的に取付けられかつ中心部に貫通流路25aを開口した長尺状流路部26aと、を有している。
【0026】
前記上端取付け部24は液吐出口23を形成する内周壁27と該内周壁27から支持壁29によって所定間隔を介して離間した位置に設けられた外周壁31を有している。該内周壁27の内径は上部部分が下部部分よりも径大となるとともに該内周壁の上端面は内方に傾斜した上端テーパ部33となっている。該外周壁31の上端部は外方に折曲されて外周段部35が形成されている。該外周段部35を前記プラスチック容器本体12の広口開口部14の外周縁部に嵌合することによって該長尺状流路部材18を該広口開口部14に着脱自在に装着することができる。
【0027】
該プラスチック容器本体12の広口開口部14は広口に形成されているので、該長尺状流路部材18を該広口開口部14に着脱自在に装着する構成としておくと、該長尺状流路部材18を嵌着しない状態で、粘性液体16を該プラスチック容器本体12内に注入する際には広口開口部14から余裕をもって粘性液体16を注入することができ、注入終了後に該長尺状流路部材18を該広口開口部14に嵌着する手順とすれば、粘性液体の注入作業を何らの支障なくおこなうことができるという利点がある。一方、事前に該長尺状流路部材18を広口開口部14に取り付けてしまうと、粘性液体16は該長尺状流路部材18の幅狭に開口されている液吐出口23を介して粘性液体16を注入することとなり、その注入作業は広口開口部14を利用して注入する場合に比較して注入作業に支障が生じてしまう不都合がある。
【0028】
前記長尺状流路部材18は、プラスチック容器本体12が最終的に押し潰された状態でも、プラスチック容器本体12の内部に残留している粘性液体16が吐出又は排出可能なように作用することが必須である。図2〜図7の例では、長尺状流路部材18の長尺状流路部26aとしては下端を下端開口端部28とした長尺状円柱管体30aの側壁に1又は複数(図示例では複数)の流路穴32を開口した構造を示した。この構造の長尺状流路部材18によれば、例え、プラスチック容器本体12が押し潰されても、下端開口端部28及び1又は複数の流路穴32のいずれかは開口状態を維持して粘性液体16の排出流路が確保されるように働くことが可能である。上記の構成においては、上記した流路穴32は開口されているため、粘性液体16は最初に流路穴32を通過し次に前記液吐出口23及び前記広口開口部14を通過して最終的に液送管手段20を介して加圧吐出されるものである。なお、上記流路穴32が十分に開口されていれば、下端開口端部28の開口は必須ではなく、閉鎖されていても十分なる流路確保が行えることはいうまでもない。
【0029】
上記したプラスチック容器本体12が最終的に押し潰された状態でも、プラスチック容器本体12の内部に残留している粘性液体16が吐出又は排出可能に作用するようにした長尺状流路部の構造は図12及び図13に示した構造以外にも多くの態様が考えられ、要は粘性液体16がプラスチック容器本体12から押出される際に粘性液体16の排出流路が確保されるように作用する構造であればよいもので、図12及び図13の構造に限定されないことはいうまでもない。
【0030】
前記粘性液体16としては、空気中の湿気と接触して硬化する湿気硬化型の接着性を有する硬化性組成物又は空気中の酸素と接触して硬化する酸素硬化型の接着性を有する硬化性組成物を適用対象とする場合には、前述したような粘性液体の飛散による汚れの発生は完全に防止されかつ上記した硬化性組成物の塗布作業を行う場合にはその塗布作業が簡略化されるので大きな作業改善が可能となる。
【0031】
図2〜図9において、符号70は密封連通手段で、前記長尺状流路部材18の上端取付け部の上面形状に対応する下面形状を有しかつ下部上面には受け段部76を形成するとともに中央部に挿通口を開口した長尺円筒基体74を有している。該長尺円筒基体74の下端開口部には内方に傾斜する下端テーパ部79が形成されている。80はキャップ部材で、円形板82の中央部に前記長尺円筒基体74の受け段部76に当接する貫通穴84を開穿しかつ該円形板82の周縁部から垂設された環状側壁86の内面側に前記プラスチック容器本体12の広口開口部14の円筒側壁14aの内面に形成された雄螺子部14bに螺合可能な雌螺子部88が形成されている。前記長尺円筒基体74の上端開口部74aが前記液送管手段20の先端開口部20aに対応する寸法を有しており、後述するように該上端開口部74aと該先端開口部20aとが連通状態で密封接合可能となっている。なお、キャップ部材80の形状についての特別の限定はないが、図16に示すように、環状側壁86の外周面に複数個(図示例では8個)の凹部86aを形成しておくと該キャップ部材80を手で操作する際に指を各凹部86aにかけて行うことによって操作の簡便化を図ることができる。
【0032】
上記した密封連通手段70の長尺円筒基体74を前記長尺状流路部材18の上端取付け部24に装着せしめる態様について説明する。該長尺円筒基体74の下端部を該上端取り付け部24の上面に当接せしめると、図6(b)に示すように、該長尺状流路部材18の内周壁27の上端テーパ部33と該長尺円筒基体74の下端テーパ部79とが互いに当接して密封状態とすることができる構造となっている。なお、上記密封連通手段70の長尺円筒基体74を前記長尺状流路部材18の上端取付け部24に装着せしめる態様については種々の変形が考えられるが、以下に説明する。
【0033】
図20は長尺状流路部材の取付け部と密封連通手段との接合状態の他の例を示す図6と同様の図面で、(a)は上面説明図、(b)は断面説明図である。図20に示した構造例は、長尺状流路部材18の上端取付け部24の内周壁27の上端テーパ部33と密封連通手段70の長尺円筒基体74の下端テーパ部79のテーパの傾斜方向が図6におけるそれらと逆転しておりかつ該内周壁27の内径は上部部分と下部部分とが同径となっている点を除いて図6と同様の構成を有するものである。この場合は図6の場合とは反対に該長尺円筒基体74の下端部を長尺状流路部材18の上端取り付け部24に当接すると、図20に示されるように該内周壁27の上端テーパ部33と該長尺円筒基体74の下端テーパ部79とが互いに当接して密封状態とすることができる構造となっている。
【0034】
図21は長尺状流路部材の取付け部と密封連通手段との接合状態のさらに他の例を示す図6と同様の図面で、(a)は上面説明図、(b)は断面説明図である。図21に示した構造例は、長尺状流路部材18の上端取り付け部24の内周壁27の設置が省略され、液吐出口23の径が貫通流路25aの径よりも大でありかつ長尺円筒基体74の下端部長さが支持壁29の下方まで延長されている点を除いて図6と同様の構成を有するものである。この場合は該長尺円筒基体74の下端テーパ部79が支持壁29の内周縁部に当接して密封状態とすることができる構造となっている。
【0035】
図22は長尺状流路部材の取付け部と密封連通手段との接合状態の別の例を示す図6と同様の図面で、(a)は上面説明図、(b)は断面説明図である。図22に示した構造例は、図20の構造例をさらに変形させたもので、密封連通手段70の長尺円筒基体74の下端テーパ部79を省略して長尺円筒基体74の下面全体を面一に形成し、長尺状流路部材18の上端取付け部24の内周壁27の上端テーパ部33の上端が上記長尺円筒基体74の下面に当接するように構成されている。
【0036】
図2〜図5、図8及び図9において、符号200は密封接合手段である。該密封接合手段200は、図8及び図9によく示されるように、内周面に雌螺子部202を螺設した円筒ベース体204を有している。206は下部円筒保持部材で、その外周面の上部は径大外周面とされ、該径大外周面には前記円筒ベース体204の雌螺子部202の下部に螺合する下部第1雄螺子部208が螺設されている。また該下部円筒保持部材206の外周面の下部は径小外周面とされ、該径小外周面には下部第2雄螺子部210が螺設されている。該下部円筒保持部材206の中央部には前記長尺円筒基体74が挿通可能とされた下部挿通口212が穿設され、該下部挿通口212の下端内周面には下方に径大となる環状雌テーパ部214が形成されている。
【0037】
222は下部補助円筒体で、その内部には前記長尺円筒基体74が挿通可能とされた挿通孔224が開口されており、その先端外周部には上方に径小となり基端部を環状段部226とした環状雄テーパ部228が形成されている。230は下部環状締具で、その内部には貫通孔232が開穿されている。該貫通孔232の上部内周部には前記下部円筒保持部材206の下部第2雄螺子部210に螺合する雌螺子部234が形成され、かつ該貫通孔232の中央内周部には環状受け段部236が形成されている。また該貫通孔232の下部内周部には前記下部補助円筒体222が挿通可能とされている。
【0038】
図8及び図9において、240は上部円筒保持部材で、その下端部外周面に前記円筒ベース体204の雌螺子部202の上部に螺合する上部第1雄螺子部242が螺設されている。また該上部円筒保持部材240の外周面の上部は径小外周面とされ、該径小外周面には上部第2雄螺子部244が螺設されている。該上部円筒保持部材240の中央部には前記液送管手段20が挿通可能とされた上部挿通口246が穿設され、該上部挿通口246の上端内周面には上方に径大となる環状雌テーパ部248が形成されている。
【0039】
256は上部補助円筒体で、その内部には前記液送管手段20が挿通可能とされた挿通孔258が開口されており、その先端外周部には上方に径小となり基端部を環状段部260とした環状雄テーパ部262が形成されている。264は上部環状締具で、その内部には貫通孔266が開穿されている。該貫通孔266の下部内周部には前記上部円筒保持部材240の上部第2雄螺子部244に螺合する雌螺子部268が形成され、かつ該貫通孔266の中央内周部には環状受け段部270が形成されている。また該貫通孔266の上部内周部には前記上部補助円筒体256が挿通可能とされている。
【0040】
前記密封接合手段200による液送管手段20と長尺円筒基体74との密封接合作用は次の通りである。前記長尺円筒基体74の上端部分を前記下部円筒保持部材206の下部挿通口212、前記下部補助円筒体222の挿通孔224及び前記下部環状締具230の貫通孔232に挿通し、ついで前記下部円筒保持部材206の下部第1雄螺子部208を前記円筒ベース体204の下部側の雌螺子部202に螺入せしめるとともに該下部補助円筒体222をその環状雄テーパ部228が該下部円筒保持部材206の環状雌テーパ部214に当接した状態として下部環状締具230の雌螺子部234を下部円筒保持部材206の下部第2雄螺子部210に螺合締付けることによって当該長尺円筒基体74の上端部分を密封状態で保持した状態で円筒ベース体204の下部側に取付けることができる。
【0041】
一方、前記液送管手段20の先端部分を前記上部円筒保持部材240の上部挿通口246、前記上部補助円筒体256の挿通孔258及び前記上部環状締具264の貫通孔266に挿通し、ついで前記上部円筒保持部材240の上部第1雄螺子部242を前記円筒ベース体204の上部側の雌螺子部202に螺入せしめるとともに該上部補助円筒体256をその環状雄テーパ部262が該上部円筒保持部材240の環状雌テーパ部248に当接した状態として上部環状締具264の雌螺子部268を上部円筒保持部材240の上部第2雄螺子部244に螺合締付けることによって当該液送管手段20の先端部分を密封状態で保持した状態で円筒ベース体204の上部側に取付けることができる。このようにして、前記長尺円筒基体74の上端開口部74aと前記液送管手段20の先端開口部20aとを連通状態で密封接合せしめることが可能である。上記した下部補助円筒体222及び上部補助円筒体256は前記下部環状締具230及び上部環状締具264による締付作用をより効果的に実施できる作用を果たすが、これらの下部補助円筒体222及び上部補助円筒体256を使用しない場合でも十分なる締付作用が行われることは勿論である。なお、図示したように、前記長尺円筒基体74の上端開口部74aと前記液送管手段20の先端開口部20aとを互いに当接状態で連通し密封接合せしめるのが好適である。
【0042】
前記長尺円筒基体74を加圧タンク22の蓋体22bに挿通取付けする手段としては従来公知の態様を採用することもできるが、本発明の塗布装置においてはより好ましい挿通取付け態様として、図8及び図9によく示されるような態様を採用するので以下に説明する。図8及び図9において、符号22Dは螺合保持部で、加圧タンク22の蓋体22bの中央部に穿設された中央穴22cの内周面に螺設された蓋体雌螺子部22dを具備している。
【0043】
符号280は長尺円筒基体74を蓋体雌螺子部22dに挿通取付けるための取付け手段である。該取付け手段280は円筒保持部材282を有している。該円筒保持部材282の外周面の上部は径大外周面とされ、該径大外周面には前記蓋体雌螺子部22dの下部に螺合する径大雄螺子部284が螺設されている。また該円筒保持部材282の外周面の下部は径小外周面とされ、該径小外周面には径小雄螺子部286が螺設されている。該円筒保持部材282の中央部には前記長尺円筒基体74が挿通可能とされた挿通口288が穿設され、該挿通口288の下端内周面には下方に径大となる環状雌テーパ部290が形成されている。
【0044】
294は補助円筒体で、その内部には前記長尺円筒基体74が挿通可能とされた挿通孔296が開口されており、その先端外周部には上方に径小となり基端部を環状段部298とした環状雄テーパ部300が形成されている。302は環状締具で、その内部には貫通孔304が開穿されている。該貫通孔304の上部内周部には前記円筒保持部材282の径小雄螺子部286に螺合する雌螺子部306が形成され、かつ該貫通孔304の中央内周部には環状受け段部308が形成されている。また該貫通孔304の下部内周部には前記補助円筒体294が挿通可能とされている。
【0045】
前記取付け手段280によって長尺円筒基体74を蓋体雌螺子部22dに挿通取付ける作用は次の通りである。前記長尺円筒基体74の上端部分を前記円筒保持部材282の挿通口288、前記補助円筒体294の挿通孔296及び前記環状締具302の貫通孔304に挿通し、ついで前記円筒保持部材282の径大雄螺子部284を前記蓋体雌螺子部22dに螺入せしめるとともに該補助円筒体294をその環状雄テーパ部300が該円筒保持部材282の環状雌テーパ部290に当接した状態として環状締具302の雌螺子部306を円筒保持部材282の径小雄螺子部286に螺合締付けることによって当該長尺円筒基体74の上端部分を密封状態で保持した状態で蓋体雌螺子部22dの下部側に取付けることができる。
【0046】
前記長尺円筒基体74の材質としては、強靭性の面からは6−ナイロンが好ましく、また、付着した粘性液体の拭き取りやすさの面からは高密度ポリエチレン(HDPE)が好適に用いられる。前記キャップ部材80の材質としては硬質ポリエチレンを用いるのが好ましい。
【0047】
図8及び図9に示した構造例では、補助円筒体222,256、294を円筒保持部材206,240、282の挿通口212、246、288に挿通する構造を示したが、これらの補助円筒体222,256、294以外にも同様の作用を果たす部材であれば使用可能なものであり、ワンタッチ継手機構を適用することもでき、その例を図17及び図18に示して説明する。図17及び図18において、120はワンタッチ継手機構を備えた締付部材で、上部円筒保持部材240の上部第2雄螺子部244に後記する雌螺子部130を介して螺着される。該ワンタッチ継手機構を備えた締付部材120は段付円筒部材122を有している。該段付円筒部材122には中心挿通穴124が穿設されている。該段付円筒部材122の下部には径小円筒部126が形成され、上部には径大円筒段部128が設けられている。該径小円筒部126の内周面には雌螺子部130が形成されている。132は該段付円筒部材122の上部の環状段部空間に配置されたパッキンである。該パッキン132にはロッククロウ134が隣接して取り付けられている。136はスリーブで、ロッククロウ134を押圧する作用を行う。138は押えブロックでスリーブ136を押さえるように働く。このような構成とすることによって、液送管手段20はワンタッチ継手機構を備えた締付部材120が螺着された上部円筒保持部材240の上部挿通口246内に密封状態で装着される。上記した図17及び図18の説明においては、液送管手段20をワンタッチ継手機構を備えた締付部材120を螺着した上部円筒保持部材240で保持する場合について述べたが、ワンタッチ継手機構を備えた締付部材120を下部円筒保持部材206に螺着した構成(図示せず)及びワンタッチ継手機構を備えた締付部材120を円筒保持部材282に螺着した構成(図示せず)によって同様に長尺円筒基体74を保持することができることは勿論であり、その場合の具体的な構成についての図示及び説明は冗長を避けるため省略する。なお、ワンタッチ継手の構造は種々知られており、上記した構造以外に、特開平1−206196、実開平4―35669、実用新案登録第2575755号、実用新案登録第2524012号等の公報に記載されたワンタッチ継手の構造を適用することもできる。
【0048】
また、図8及び図9に示した補助円筒体222,256、294を使用する構造例や図17及び図18に示したワンタッチ継手機構を備えた締付部材120以外にも密着保持を行う構成を採用することができる。例えば、図19(a)(b)に示すように補助円筒体を用いることなく上部円筒保持部材240の上部挿通口246の内周面の上端部に下方に向かって径小となる、つまり図19(b)に示すように断面形状は楔形状となる環状テーパ部246aを1個以上(図示例では3個)設ける構成を採用することもできる。上記した図19の説明においては、液送管手段20を保持する場合について述べたが、下部円筒保持部材206及び円筒保持部材282に環状テーパ部を形成する構成を適用することによって同様に長尺円筒基体74を保持することができることは勿論であり、その場合の具体的な構成についての図示及び説明は冗長を避けるため省略する。
【0049】
図2〜図9に示した塗布装置においては、円筒ベース体204に螺設された雌螺子部202を介して当該長尺円筒基体74の上端開口部74aと当該液送管手段20の先端開口部20aとを密封接合せしめる構造について説明したが、図10及び図11に示したように加圧タンク22の蓋体22bに螺設された蓋体雌螺子部22dを介して長尺円筒基体74の上端開口部74aと液送管手段20の先端開口部20aとを密封接合せしめる構成を採用することも可能であり、この構成の場合には円筒ベース体204及び取付け手段280の設置を省略できるので、その分だけコストダウンを図れるという利点がある。その構成について以下に説明する。
【0050】
図10及び図11に示した塗布装置の構成においては、図2〜図9に示した長尺円筒基体74を蓋体雌螺子部22dに挿通取付けるための取付け手段280の設置並びに円筒ベース体204の設置を省略し、当該円筒ベース体204の雌螺子部202に対応する作用を、加圧タンク22の蓋体22bに螺設された蓋体雌螺子部22dを備えた螺合保持部22Dによって代替させるもので、その他の部材については変更することなく同様の部材を利用することができる。従って、図10及び図11の構成において、円筒ベース体204を利用する図2〜図9の説明は、円筒ベース体204の雌螺子部202の代わりに蓋体雌螺子部22dを置き換えることによってそのまま利用できるので、冗長を避けるため再度の説明は省略する。
【0051】
図8及び図9においては密封接合手段200が円筒ベース体204、下部円筒保持部材206及び上部円筒保持部材240をそれぞれ別体として有している例について述べたが、これらを一体的に形成して同様の作用を行わせることも可能であり、その場合の構造例を図23及び図24によって説明する。図23及び図24において、符号350は円筒保持部材で、上下方向に貫通するように穿設された挿通口352を備えている。該円筒保持部材350の中央部には中央ベース体354が設けられている。該中央ベース体354の上部には上部径小円筒部356が設けられ、下部には下部径小円筒部358が設けられている。該上部径小円筒部356の外面には上部雄螺子部360が螺設され、該下部径小円筒部358の外面には下部雄螺子部362が螺設されている。該上部径小円筒部356の上端部には上部環状雌テーパ部364が形成されており、該下部径小円筒部358の下端部には下部環状雌テーパ部366が形成されている。
【0052】
図23及び図24において、前記長尺円筒基体74の上端部分を下部環状締具230の貫通孔232及び前記円筒保持部材350の挿通口352の下部部分に挿通するとともに前記液送管手段20の先端部分を上部環状締具264の貫通孔266及び前記円筒保持部材350の挿通口352の上部部分に挿通し、ついで前記下部雄螺子部362に前記下部環状締具230の雌螺子部234を螺入しかつ前記上部雄螺子部360に上部環状締具264の雌螺子部268を螺入することによって前記長尺円筒基体74の上端開口部74aと前記液送管手段20の先端開口部20aとを連通状態で密封接合せしめて当該長尺円筒基体74の上端開口部74aと当該液送管手段20の先端開口部20aとを密封接合せしめることができる。なお、図23及び図24において、下部補助円筒体222及び上部補助円筒体256は、前述したように、下部環状締具230及び上部環状締具264の締付効果を高めるために使用されるが、その使用を省略しても十分な締付効果が得られることはいうまでもない。
【0053】
図10及び図11においては密封接合手段200として下部円筒保持部材206及び上部円筒保持部材240をそれぞれ別体とし、それらを螺合保持部22Dに螺合させる構造例について述べたが、下部円筒保持部材206及び上部円筒保持部材240を一体的に形成して同様の作用を行わせることも可能であり、その場合の構造例を図25及び図26によって説明する。図25及び図26において、符号400は長尺円筒保持部材で、上下に貫通する挿通口402を有している。該長尺円筒保持部材400の中央部には中央ベース体404が設けられている。該中央ベース体404の上部には上部径大円筒部406が設けられ、該上部径大円筒部406の上部には上部径小円筒部408が連設されている。該中央ベース体404の下部には下部径小円筒部410が設けられている。該上部径大円筒部406の外面には上部径大雄螺子部412が螺設され、該上部径小円筒部408の外面には上部径小雄螺子部414が螺設され、該下部径小円筒部410の外面には下部径小雄螺子部416が螺設されている。該上部径小円筒部408の上端部には上部環状雌テーパ部418が形成されており、該下部径小円筒部410の下端部には下部環状雌テーパ部420が形成されている。
【0054】
図25及び図26において、前記長尺円筒保持部400の上部径大雄螺子部412を前記螺合保持部22Dに螺入し、前記長尺円筒基体74の上端部分を下部環状締具230の貫通孔232及び前記長尺円筒保持部材400の挿通口402の下部部分に挿通するとともに前記液送管手段20の先端部分を上部環状締具264の貫通孔266及び前記長尺円筒保持部材400の挿通口402の上部部分に挿通し、ついで前記下部径小雄螺子部416に前記下部環状締具230の雌螺子部234を螺入しかつ前記上部径小雄螺子部414に上部環状締具264の雌螺子部268を螺入することによって前記長尺円筒基体74の上端開口部74aと前記液送管手段20の先端開口部20aとを連通状態で密封接合せしめて当該長尺円筒基体74の上端開口部74aと当該液送管手段20の先端開口部20aとを密封接合せしめることができる。なお、図25及び図26において、下部補助円筒体222及び上部補助円筒体256は、前述したように、下部環状締具230及び上部環状締具264の締付効果を高めるために使用されるが、その使用を省略しても十分な締付効果が得られることはいうまでもない。
【0055】
上記の構成により、本発明の塗布装置の作用を図2〜図4によって説明する。まず、前記圧縮空気供給手段62から空気供給管21を介して前記加圧タンク22内に圧縮空気が供給されると、図2に示したように、該加圧タンク22内に設置されかつ粘性液体16が満タン状態で充填されている前記プラスチック容器10が加圧される。次に、図3に示したように、当該プラスチック容器10が加圧によって縮小変形してその内部の粘性液体16が前記長尺状流路部材18を介して該プラスチック容器10から吐出される。ついで、該吐出された粘性液体16は液送管手段20を介して塗布手段64から噴出して所定部位に当該粘性液体16を塗布される。この塗布作業において、粘性液体16が全て吐出使用された状態では、図4に示したように、前記プラスチック容器10が加圧によって押し潰されてしまう。この時点ではプラスチック容器10の内部に充填されていた粘性液体16は全て加圧吐出されて存在せず、当該押し潰されたプラスチック容器本体12と前記長尺状流路部材18だけが残っている状態となっている。そして、図14に示したように、加圧タンク22のタンク本体22aから蓋体22bを外し、次いで使用済みの押し潰された状態のプラスチック容器10、つまりプラスチック容器本体12と長尺状流路部材18の合体物から密封連通手段70、キャップ部材80及び液送管手段20の合体物を抜き取り分離して、該タンク本体22a内に残されたプラスチック容器本体12と長尺状流路部材18の合体物は廃棄処分される。この押し潰された状態のプラスチック容器10から長尺状流路部材18を取り出して再利用しようとすると、当該長尺状流路部材18に付着している粘性液体が飛散して作業現場を汚染する原因となるという不都合が生じるが、本発明では押し潰されたプラスチック容器10、つまりプラスチック容器本体12と長尺状流路部材18とは廃棄可能に形成されているので、そのまま廃棄でき上記のような汚染が発生することはないという利点がある。なお、図10〜図11に示した塗布装置においても、その作用は上記した説明と略同様であるので、再度の説明は省略する。
【0056】
図15に示したような前記長尺状流路部材をプラスチック容器106内に設置しない装置においては、液送管手段110をプラスチック容器106内に延伸し粘性液体112中に突っ込んで使用することになる。この場合には液送管手段110の先端が閉塞されてしまうと簡単に流路が閉鎖されてしまうため、プラスチック容器106内の粘性液体112が全量排出されない等の事故が発生する場合があるが、例え粘性液体112が全量排出されたとしても、図15に示したように、加圧タンク102のタンク本体102aから蓋体102bを外し、プラスチック容器106から液送管手段110を引き抜くと液送管手段110に付着した粘性液体112が飛び散る不具合に加え、その飛び散りを防ぐためには液送管手段110から粘性液体112をウエス(ボロ切れ)で拭き取る必要があり、余分な手間がかかる難点がある。さらに、その際、きれいに拭き取れればよいが、回数を重ねるとどうしても粘性液体112(例えば、硬化した接着剤)のカス状物が液送管手段に付着し、液送管手段110を再度使用する際にこのカス状物が粘性液体112に混入しやすくなり、塗布ノズル手段等の各部材等の詰まりの原因となり、粘性液体112(例えば、接着剤)の塗布ができなくなる等の不都合が発生してしまう。特に、湿気硬化型接着剤では接着剤のカスが出やすく、塗布ノズル手段等の各部材等の詰まりが顕著となり問題となる。
【0057】
さらにいえば、粘性液体、例えば湿気硬化型接着剤を塗布する際に使用される加圧タンクにおいては、圧力は一般的に0.3〜1.0MPa程度が使用される。そのため、その圧力に耐えかつ高い密閉性を維持するために加圧タンクの蓋体は肉厚で重量(例えば、6〜10kg程度の重量)があるように形成されており、従って、プラスチック容器の切り替え作業は通常は3人の作業員(1人は蓋体を持ち上げている間に残りの二人で長尺の液送管手段の抜き差しを含めたプラスチック容器の交換を行う)によって行われているものである。塗布作業の終了後などに粘性液体を収容するプラスチック容器の交換を行う場合には、図14に示すように、蓋体を外してプラスチック容器から液送管手段を外して古いプラスチック容器を廃棄し、次に新しいプラスチック容器を加圧タンク内に収納して長尺の液送管手段を当該プラスチック容器に挿通するというような作業を行う必要があり、該液送管手段の先端から粘性液体、例えば接着剤が飛散することによる汚れの発生が多発してしまうものである。また、粘性液体として硬化速度の速い(3分〜10分で硬化する)タイプの湿気硬化型接着剤を使用する場合には、特に迅速な作業が要求されるのでその作業は困難を伴うことになる。
【0058】
このような従来の液送管手段のみを使用する場合の種々の問題は長尺状流路部材18を設置したプラスチック容器10の使用によって全て解消するものである。例えば、上記したプラスチック容器の切り替え作業は上記したように3人で行っていたものが、本発明の塗布装置におけるプラスチック容器を適用することによって、2人(1人は蓋体を持ち上げている間に残りの1人で長尺の液送管手段の抜き差しを含めたプラスチック容器の交換を行う)で行うことが可能となる。本発明の塗布装置におけるプラスチック容器、長尺状流路部材及び塗布装置は当業界において従来から大きな問題とされてきた上記の問題を効果的に解消するもので、非常に大きなメリットを有するものである。
【符号の説明】
【0059】
10,106:プラスチック容器、12:プラスチック容器本体、14:広口開口部、14a:円筒側壁、14b:雄螺子部、16、112:粘性液体、18:長尺状流路部材、20、110:液送管手段、20a:先端開口部、21、104:空気供給管、22,102:加圧タンク、22a,102a:タンク本体、22b,102b:蓋体、22c:中央穴、22d:蓋体雌螺子部、22D:螺合保持部、23:液吐出口、24:上端取付け部、25a:貫通流路、26a:長尺状流路部、27:内周壁、28:下端開口端部、29:支持壁、30a:長尺状円柱管体、31:外周壁、32:流路穴、33:上端テーパ部、35:外周段部、60:本発明の塗布装置、62:圧縮空気供給手段、64:塗布手段、66:開側空気供給管、68:閉側空気供給管、70:密封連通手段、74:長尺円筒基体、74a:上端開口部、76:受け段部、79:下端テーパ部、80:キャップ部材、82:円形板、84:貫通穴、86:環状側壁、86a:凹部、88:雌螺子部、120:ワンタッチ継手機構を備えた締付部材、122:段付円筒部材、124:中心挿通穴、126:径小円筒部、128:径大円筒段部、130:雌螺子部、132:パッキン、134:ロッククロウ、136:スリーブ、138:押えブロック、200:密封接合手段、202:雌螺子部、204:円筒ベース体、206:下部円筒保持部材、208:下部第1雄螺子部、210:下部第2雄螺子部、212:下部挿通口、214:環状雌テーパ部、222:下部補助円筒体、224:挿通孔、226:環状段部、228:環状雄テーパ部、230:下部環状締具、232:貫通孔、234:雌螺子部、236:環状受け段部、240:上部円筒保持部材、242:上部第1雄螺子部、244:上部第2雄螺子部、246:上部挿通口、246a:環状テーパ部、248:環状雌テーパ部、256:上部補助円筒体、258:挿通孔、260:環状段部、262:環状雄テーパ部、264:上部環状締具、266:貫通孔、268:雌螺子部、270:環状受け段部、280:取付け手段、282:円筒保持部材、284:径大雄螺子部、286:径小雄螺子部、288:挿通口、290:環状雌テーパ部、294:補助円筒体、296:挿通孔、298:環状段部、300:環状雄テーパ部、302:環状締具、304:貫通孔、306:雌螺子部、308:環状受け段部、350:円筒保持部材、352:挿通口、354:中央ベース体、356:上部径小円筒部、358:下部径小円筒部、360:上部雄螺子部、362:下部雄螺子部、364:上部環状雌テーパ部、366:下部環状雌テーパ部、400:長尺円筒保持部材、402:挿通口、404:中央ベース体、406:上部径大円筒部、408:上部径小円筒部、410:下部径小円筒部、412:上部径大雄螺子部、414:上部径小雄螺子部、416:下部径小雄螺子部、418:上部環状雌テーパ部、420:下部環状雌テーパ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な蓋体を備えた加圧タンクと、前記加圧タンク内に圧縮空気を供給する圧縮空気供給手段と、該加圧タンク内に設置されたプラスチック容器と、該プラスチック容器の広口開口部に先端開口部が連通する液送管手段と、該液送管手段の後端開口部に接続された塗布ノズル手段と、を含み、
前記プラスチック容器は、広口開口部を開穿するとともに内部に粘性液体が充填されかつ加圧によって押し潰されて前記粘性液体が前記広口開口部から加圧吐出されるように形成された柔軟性を有するプラスチック容器本体と、前記プラスチック容器本体の内部に延出するように前記広口開口部に取付けられかつ前記粘性液体が加圧吐出される際に当該粘性液体の吐出流路を形成する長尺状流路部材と、を有し、
前記加圧タンク内に圧縮空気が供給されると、該加圧タンク内に設置された前記プラスチック容器が加圧され押し潰されてその内部の粘性液体を前記長尺状流路部材を介して該プラスチック容器から吐出し、ついで前記液送管手段を介して前記塗布ノズル手段から噴出して所定部位に当該粘性液体を塗布することができるように作用する塗布装置であって、
前記長尺状流路部材が、前記プラスチック容器本体の広口開口部に着脱自在に取付けられかつ中央部に液吐出口を開口した上端取付け部と、該プラスチック容器本体の内部に延出するように該取付け部に一体的に取付けられた長尺状流路部と、を有し、該長尺状流路部材が該広口開口部に着脱自在に装着されるように構成し、該プラスチック容器本体の広口開口部に該長尺状流路部材の上端取付け部を嵌着し、密封連通手段を介して前記液送管手段を該上端取付け部の液吐出口に密封状態で連通せしめ、
前記密封連通手段が、前記長尺状流路部材の上端取付け部の上面形状に対応する下面形状を有しかつ下部上面には受け段部を形成するとともに中央部に挿通口を開口した長尺円筒基体と、円形板の中央部に前記受け段部に当接する貫通穴を開穿しかつ該円形板の周縁部から垂設された環状側壁の内面側に前記プラスチック容器本体の広口開口部の円筒側壁の内面に形成された雄螺子部に螺合可能な雌螺子部を形成したキャップ部材と、を含み、前記長尺円筒基体の上端開口部が前記液送管手段の先端開口部に対応する寸法を有し、
前記長尺円筒基体の上端開口部と前記液送管手段の先端開口部とを連通状態で密封接合手段によって密封接合せしめるとともに、前記長尺円筒基体を前記長尺状流路部材の上端取付け部の上面に当接せしめ、前記キャップ部材の貫通穴を前記受け段部に当接させた状態で前記プラスチック容器本体の広口開口部の円筒側壁の雄螺子部に該キャップ部材の雌螺子部を螺合させて螺子締めすることによって、該液送管手段が前記長尺状流路部材の上端取付け部の液吐出口に密封状態で連通せしめられるようにしたことを特徴とする塗布装置。
【請求項2】
前記密封接合手段が、内周面に雌螺子部を螺設した円筒ベース体と、上端部外周面に前記円筒ベース体の雌螺子部の下部に螺合する下部第1雄螺子部を螺設するとともに下端部外周面に下部第2雄螺子部を螺設しかつ中央部に前記長尺円筒基体が挿通可能とされた下部挿通口を穿設した下部円筒保持部材と、下端部外周面に前記円筒ベース体の雌螺子部の上部に螺合する上部第1雄螺子部を螺設するとともに上端部外周面に上部第2雄螺子部を螺設しかつ中央部に前記液送管手段が挿通可能とされた上部挿通口を穿設した上部円筒保持部材と、を有し、
前記長尺円筒基体の上端部分を下部環状締具の貫通孔及び前記下部円筒保持部材の下部挿通口に挿通するとともに前記液送管手段の先端部分を上部環状締具の貫通孔及び前記上部円筒保持部材の上部挿通口に挿通し、ついで前記下部円筒保持部材の下部第1雄螺子部を前記円筒ベース体の下部側の雌螺子部に螺入せしめかつ前記上部円筒保持部材の上部第1雄螺子部を前記円筒ベース体の上部側の雌螺子部に螺入せしめ、さらに前記下部第2雄螺子部に前記下部環状締具の雌螺子部を螺入しかつ前記上部第2雄螺子部に前記上部環状締具の雌螺子部を螺入することによって前記長尺円筒基体の上端開口部と前記液送管手段の先端開口部とを連通状態で密封接合せしめて当該長尺円筒基体の上端開口部と当該液送管手段の先端開口部とを密封接合せしめるようにしたことを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
【請求項3】
前記密封接合手段が、上下方向に貫通するように穿設された挿通口を具備しかつ上部に上部雄螺子部を設け及び下部に下部雄螺子部を設けた円筒保持部材を有し、
前記長尺円筒基体の上端部分を下部環状締具の貫通孔及び前記円筒保持部材の挿通口の下部部分に挿通するとともに前記液送管手段の先端部分を上部環状締具の貫通孔及び前記円筒保持部材の挿通口の上部部分に挿通し、ついで前記下部雄螺子部に前記下部環状締具の雌螺子部を螺入しかつ前記上部雄螺子部に上部環状締具の雌螺子部を螺入することによって前記長尺円筒基体の上端開口部と前記液送管手段の先端開口部とを連通状態で密封接合せしめて当該長尺円筒基体の上端開口部と当該液送管手段の先端開口部とを密封接合せしめるようにしたことを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
【請求項4】
前記密封接合手段が、前記加圧タンクの蓋体中央部に穿設された中央穴の内周面に螺設された蓋体雌螺子部を備えた螺合保持部と、上端部外周面に前記螺合保持部の蓋体雌螺子部の下部に螺合する下部第1雄螺子部を螺設するとともに下端部外周面に下部第2雄螺子部を螺設しかつ中央部に前記長尺円筒基体が挿通可能とされた下部挿通口を穿設した下部円筒保持部材と、下端部外周部に前記螺合保持部の蓋体雌螺子部の上部に螺合する上部第1雄螺子部を螺設するとともに上端部外周面に上部第2雄螺子部を螺設しかつ中央部に前記液送管手段が挿通可能とされた上部挿通口を穿設した上部円筒保持部材とを有し、
前記長尺円筒基体の上端部分を下部環状締具の貫通孔及び前記下部円筒保持部材の下部挿通口に挿通するとともに前記液送管手段の先端部分を上部環状締具の貫通孔及び前記上部円筒保持部材の上部挿通口に挿通し、ついで前記下部円筒保持部材の下部第1雄螺子部を前記下部側の蓋体雌螺子部に螺入せしめかつ前記上部円筒保持部材の上部第1雄螺子部を前記上部側の蓋体雌螺子部に螺入せしめ、さらに前記下部第2雄螺子部に前記下部環状締具の雌螺子部を螺入しかつ前記上部第2雄螺子部に前記上部環状締具の雌螺子部を螺入することによって前記長尺円筒基体の上端開口部と前記液送管手段の先端開口部とを連通状態で密封接合せしめて当該長尺円筒基体の上端開口部と当該液送管手段の先端開口部とを密封接合せしめるようにしたことを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
【請求項5】
前記密封接合手段が、前記加圧タンクの蓋体中央部に穿設された中央穴の内周面に螺設された蓋体雌螺子部を備えた螺合保持部と、上下方向に貫通するように穿設された挿通口を具備しかつ上部に上部径大雄螺子部を設けるとともに上端部に上部径小雄螺子部を設け及び下部に下部径小雄螺子部を設けた長尺円筒保持部材を有し、
前記長尺円筒保持部の上部径大雄螺子部を前記螺合保持部に螺入し、前記長尺円筒基体の上端部分を下部環状締具の貫通孔及び前記長尺円筒保持部材の挿通口の下部部分に挿通するとともに前記液送管手段の先端部分を上部環状締具の貫通孔及び前記長尺円筒保持部材の挿通口の上部部分に挿通し、ついで前記下部径小雄螺子部に前記下部環状締具の雌螺子部を螺入しかつ前記上部径小雄螺子部に上部環状締具の雌螺子部を螺入することによって前記長尺円筒基体の上端開口部と前記液送管手段の先端開口部とを連通状態で密封接合せしめて当該長尺円筒基体の上端開口部と当該液送管手段の先端開口部とを密封接合せしめるようにしたことを特徴とする請求項1記載の塗布装置。
【請求項6】
前記粘性液体が湿気硬化型の接着性を有する硬化性組成物又は酸素硬化型の接着性を有する硬化性組成物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の塗布装置。
【請求項7】
前記長尺状流路部が側面に1以上の流路穴を開穿した管状体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の塗布装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−223715(P2012−223715A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−94216(P2011−94216)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000108111)セメダイン株式会社 (92)
【Fターム(参考)】