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塗料オーバースプレーを分離する分離デバイス
説明

塗料オーバースプレーを分離する分離デバイス

塗装施設の塗料オーバースプレーを含んだ使用済み室内空気から塗料オーバースプレーを分離する分離デバイスであって、少なくとも1つの分離面(42a,42b;142a,142b;242a,242b)を備え、前記使用済み室内空気が前記分離面に沿って案内されうるとともに、前記分離面が導電性を呈する態様で高電圧源(74;174;274)の一極に接続されている。空気の流れの中に配列された電極デバイス(56;156;256)は、分離面(42a,42b;142a,142b;242a,242b)に関連付けられていて、前記高電圧源(74;174;274)の他極に接続されている。塗料オーバースプレーは、導電性を呈する分離液によって分離面(42a,42b;142a,142b;242a,242b)から移送され、分離液は、前記分離面(42a,42b;142a,142b;242a,242b)に対して供給されうるとともに、前記分離面(42a,42b;142a,142b;242a,242b)の上方を流れ、それにより、少なくとも固体のうちの大部分が、通過する使用済み室内空気から分離液に移動するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塗装施設のオーバースプレーを含んだ使用済みブース空気から塗料オーバースプレーを分離する分離デバイスに関し、この分離デバイスは、
a) 少なくとも1つの分離面を具備し、使用済みブース空気がこの分離面に沿って案内されうるとともに、この分離面が導電性を呈する態様で高電圧源の一極に接続されており、
さらに、
b) 空気の流れの中に配列されていて、分離面に関連付けられるとともに高電圧源の他極に接続された、電極手段と、
c)分離された塗料オーバースプレーを分離面から移送する移送手段とを具備している。
【背景技術】
【0002】
塗料が手動または自動で製品に付与されるとき、一般的に固形物と、溶媒および結合剤のうちの少なくとも一方との両方を含む塗料の流れの一部は、製品に付与されない。この塗料の流れの一部は、専門家の間で「オーバースプレー(overspray)」と称されている。このオーバースプレーは、スプレーブースにおける空気流によって取り除かれ、分離処理部に供給される。
【0003】
特に塗料の消費量が比較的大きいシステム、例えば車体を塗装するためのシステムの場合には、湿式分離システムを用いるのが好ましい。商業的に知られた湿式分離器においては、空気流を加速させるノズルに向けて上方から移動してくる使用済みブース空気とともに水が流れる。このノズルにおいて、ノズルを通過する使用済みブース空気が水とともに旋回される。オーバースプレーの粒子はこの処理の間に概ね水へと移り、その結果として、この空気が概ね浄化済みの状態で湿式分離器を離れるとともに、塗料オーバースプレーの粒子が水の中に存するようになる。そして、これら粒子は水の中から回収されうるし、或いは廃棄されうる。
【0004】
公知の湿式分離器の場合、要求される非常に多量の水を循環させるために比較的大量のエネルギが必要である。塗料結合用および接着剤除去用の化学薬品を大量に使用するとともに塗料スラッジを廃棄するので、浄化水を用意するのに多大なコストがかかる。さらに、空気は、浄化水との激しい接触の結果として非常に大量の水分を取り除き、このことにより、空気循環モードにおいて空気を用意するためのエネルギ消費量が大きくなるという結果をもたらす。
【0005】
これとは対照的に、商業的に知られた冒頭で述べたタイプの分離デバイスの場合には、分離が乾燥状態で行われ、その乾燥状態において、通過する使用済みブース空気とともに運ばれる塗料オーバースプレーの粒子が電極手段によりイオン化する。そして、分離面と電極手段との間に形成される電場のために、塗料オーバースプレーの粒子が分離面に移動し、そこで分離される。
分離面に付着した塗料オーバースプレーの粒子は、例えば分離面から機械的に剥がされて移送されうる。
【0006】
かかる分離器は非常に効率的な浄化作用を有する。しかしながら、処理が連続的であるべき場合には、分離面と電極手段との間において十分に強力な電場を形成可能であることを保証するために継続して注意を払う必要がある。この強力な電場の形成作用は、塗料オーバースプレーの層が絶縁作用を有するので、分離面における塗料オーバースプレーの特定の層厚までのみ可能である。しかしながら、必要とされる分離面からの塗料オーバースプレーの連続的な除去作用は、非常に顕著な構造上の複雑さに関連付けられるとともに故障しやすくなりうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、前述したタイプの分離デバイスにおいて、塗料オーバースプレーの分離面からの移送作用を改善し、かつ簡略化した分離デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、前述したタイプの分離デバイスにおいて、
d) 導電性を呈する分離液が前記分離面に対して供給されうるようになっていて、前記分離液は前記分離面の上方を流れ、それにより、少なくとも固体のうちの大部分が、通過する前記使用済みブース空気から前記分離液に移動して、それにより移送されるようになる、分離デバイスによって達成される。
【0009】
したがって、本発明は、電場を用いることにより使用済みブース空気から塗料オーバースプレーを良好に分離する利点と、塗料オーバースプレーを液体において良好に移送することとを組み合わせる。
分離液が分離面に沿って継続して流れるため、それにより吸着される塗料オーバースプレーが連続的に移送され、それにより、結果的に絶縁作用をもたらすようになる分離面に対する塗料オーバースプレーの接着作用が低減する。
【0010】
電極手段がプレート形状の電極および少なくとも1つのワイヤ電極を備えるのが好ましい。ワイヤ電極は放電電極として作用し、それにより、使用済みブース空気によって運ばれる塗料オーバースプレーの粒子が効果的にイオン化されうる。プレート形状の電極と分離面との間の相互作用によって均質な場が形成されうるようになり、それにより、イオン化した塗料オーバースプレーの粒子が確実に分離面に向かうようになりうる。
【0011】
ここで、プレート形状の電極はグリッド電極の形態をなすのが有利である。グリッド部において旋回作用が生じ、その結果、グリッド部を通過する使用済みブース空気内における塗料オーバースプレーの粒子がより均一に分布するようになり、このことは次いで分離面における塗料オーバースプレーの分離作用に好ましい影響を与える。
電極手段が互いに平行に延在する複数のワイヤ電極を備える場合には、塗料オーバースプレーの粒子のイオン化作用の効率が増大する。
【0012】
異なる方向に向けられた2つの分離面を備えた分離ユニットを付与するのが有利である。少なくとも1つの分離ユニットの前記分離面が、少なくともその一部において互いに平行に延在する場合には、複数の分離ユニットが直列に配列されうるとともに、それにより利用可能な構造上の空間が良好に利用されるようになる。
複数の分離ユニットが配列されており、それぞれにおいて、1つの分離面を有する2つの分離ユニットが互いに対向して在るとともに、それぞれにおいて、電極手段が2つの分離ユニットの対向する分離面の間に配列されるのが特に好ましい。結果として、単一の電極手段が2つの分離面と協働して、それにより分離デバイスの有効性が向上する。
【0013】
前記少なくとも1つの分離面が、前記少なくとも1つのワイヤ電極に沿って延在する少なくとも1つの湾曲部を備える場合には、ワイヤ電極の領域における使用済みブース空気の流速を低減させられる。したがって、多量の使用済みブース空気が、ワイヤ電極の影響下の領域においてより長い時間を費やすようになり、それにより、それらのうちのより多くの割合の塗料オーバースプレーの粒子がイオン化されるようになる。さらに、旋回作用および乱流作用が湾曲形状の領域において生じ、それにより塗料オーバースプレーの粒子がより均一に分布するようになる。
【0014】
ここで、好ましくは、前記少なくとも1つの分離面の湾曲部の数は、ワイヤ電極の数に合致しており、それにより、前述した効果がそれぞれのワイヤ電極の領域において生じるようになる。
1つまたは2つ以上の湾曲部の湾曲形状部が、断面において円弧に沿って延在し、その円弧の中心点が前記ワイヤ電極と同心であるようにした分離デバイスにより、特に良好な分離結果が達成されうる。
全般的に、前記少なくとも1つのワイヤ電極が配列されており、それにより、オーバースプレーを含んだ前記使用済みブース空気が、前記プレート形状の電極の前に前記ワイヤ電極に到達するようになることが、効果的な分離作用のために有利である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1の例示的な実施形態に係るオーバースプレー分離デバイスを備えた表面仕上げシステムの塗装ブースを示す正面図である。
【図2】図1の塗装ブースの斜視図である。
【図3】図1の分離デバイスの2つの分離ユニットおよび3つの電極手段を示す斜視図である。
【図4】図3の電極手段を備えた2つの分離ユニットを示す鉛直方向の断面図である。
【図5】それぞれ第2の例示的な実施形態に係る2つの分離ユニットおよび3つの電極手段の斜視図である。
【図6】第2の例示的な実施形態に係る図5の分離ユニットおよび電極手段を複数個具備するオーバースプレー分離デバイスを示す斜視図である。
【図7】第3の例示的な実施形態に係る2つの分離ユニットと、図3における第1の例示的な実施形態に係る3つの電極手段とを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、本発明の例示的な実施形態についてより詳細に以下に述べる。
まず始めに図1および図2を参照する。ここで、符号2は表面仕上げシステムにおける塗料ブースを全体として指しており、この塗装ブース内において、例えば塗装ブース2の上流に位置していて具体的には図示されない前処置部署において浄化されて脱脂された後の車体4が塗装される。
【0017】
塗装ブース2は、その頂部に配列されるとともに、鉛直方向の側壁8a,8bおよび水平方向のブース天井10によって境界決めされた塗装路6を備えており、塗装路6は、オーバースプレーを含む使用済みブース空気が下方に流れうるように端側部において下方に向かって開放している。ブース天井10は、従来の態様により空気供給室(図示せず)の下方の境界部としてのフィルタ天井を備えた構成になっている。
【0018】
公知であって本明細書においては詳述されないコンベヤシステム16を担持する鋼製構造体14は、側壁8a,8bの下方縁部を側面に配してなる塗装路6の下方開口部12の高さに配列されている。コンベヤシステム16は、塗装されるべき車体4を塗装路6の入口側から出口側まで移送するのに用いられうる。塗装路6の内部には塗料付与手段が形成されていて、これは具体的には図示されていないが、塗料を車体4に公知の態様で付与するために用いられうる。
【0019】
塗装路6の下方開口部12の下方には、塗装路6に向かって上方に開放している分離室18が形成されており、この分離室18において、塗装処理の際に生じる塗料オーバースプレーが分離される。
分離室18は、図2において視認可能なベースプレート20と、鉛直方向の2つの側壁22a,22bと、鉛直方向の2つの端壁とによって境界決めされているが、鉛直方向の2つの端壁は図1および図2において省略されている。
【0020】
分離室18の長手方向に並べて配列された複数の分離ユニット26を備えた分離デバイス24が分離室18内に配列されている。分離ユニット26のより詳細については後述する。
【0021】
2つの空気バッフル28a,28bは、分離デバイス24と塗装路6との間の分離室18の領域に形成されていて、分離室18の側壁22a,22bを始点としてまず下方に向かって収斂するとともに分離デバイス24に対面する端部領域において分離デバイス24の側方の境界部に向かって発散している。空気バッフル28a,28bおよび図示されない対応する空気バッフルは、これらの端部側において分離デバイス24に到るまで下方に延在している。
【0022】
分離ユニット26は、空気を分離デバイス24から下方に流出できるようにしてなる支持フレーム30に載置されている。さらに空気バッフル32が分離デバイス24の下方に形成されていて、分離室18内において分離デバイス24に沿って延在している。この空気バッフル32は、図1および図2において、分離室18の左側の側壁22aに対面する鉛直部32aと、分離室18の反対側の側壁22bの方向において斜め下方に延びる部分32bとを備えている。
【0023】
収集チャネル34は、空気バッフル32の鉛直部32aと、図1および図2における分離室18の左側の側壁22aとの間に配列されていて、図1においてその概略のみが示されている。収集チャネル34は、空気バッフル32の鉛直部32aに対して平行に延在するとともに、水平面に対して長手方向に傾斜している。
【0024】
図3および図4は、分離デバイス24の隣接する2つの分離ユニット26を示している。図から分かるように、分離ユニット26は、平行して互いに離間する2つの矩形の側方プレート36a,36bを備えていて、これらは上方の対向する端縁において湾曲部38によって互いに連結されており、湾曲部38の外形の内部形状の断面は半円に相当し、分離ユニット26の上側部を形成している。
分離ユニット26の湾曲部38は、その頂部においてオーバーフローチャネル40の形態をなすように形成されている。これについてはより詳しく後述する。
側方プレート36a,36bの各外表面は、分離面42a,42bをそれぞれ形成している。これらについてもより詳しく後述する。
【0025】
側方プレート36a,36bは、これらの下方縁部において、分離ユニット26の側方プレート36a,36bに対して平行に延びるとともに図3の手前側において分離ユニット26の第1の端側部46の方向に下方に傾斜する排出チャネル44a,44bをそれぞれ担持している。排出チャネル44a,44bは、分離ユニット26の側方プレート36a,36bを備えたこれらの端側部において終端している(図3参照)。排出チャネル44a,44bは、これらの端部48a,48bにおいて、分離ユニット26の第1の端側部46に対してそれぞれ開放している(図3参照)。
【0026】
図1および図2から分かるように、各分離ユニット26は、その第1の端側部46に配列された第1の端壁50aを備えている。参照符号が付与されていない分離ユニット26の反対側の端側部は、第2の端壁50bによって覆われている。分離ユニット26の端壁50a,50bは、関連付けられたオーバーフローチャネル40の端側部を遮断(close off)している。これら2つの端壁50a,50bは合成材料により形成される。分離ユニット26の第1の端壁50aには、2つの開口52a,52bが形成されており、排出チャネル44a,44bの各々が端部48a,48bにおいてこれら開口52a,52bにそれぞれ通じている。排出チャネル44a,44bに対向する各端壁50aの側部において、液滴受け54a,54bが開口52a,52bに取り付けられている。これら液滴受けは輪郭が定められた部分からなる形態をなしており、それらの断面は排出チャネル44a,44bの断面に対応する。
【0027】
分離デバイス24が塗装ブース2の分離室18内に配列されているとき、各分離ユニット26の液滴受け54a,54bは収集チャネル34の上方において突出している。
分離デバイス24において、2つの隣接する分離ユニット26は、それらの間に維持される或る間隔を伴って配列されている。隣接する2つの分離ユニット26の間において、また、分離デバイス24内部において最も外側に位置する2つの分離ユニット26のそれぞれ開放している側方プレート36a,36bにおいて、電極手段56が延在しており、これら電極手段56のそれぞれは、図4にそれ自体は示されない高電圧源に接続されている。一変更例において、電極手段56が単一の高電圧源により印加されるようにしてもよい。分離ユニット26はアース電位をなしている。
【0028】
各電極手段56は、互いに平行に延在する2つの直線状の電極ストリップ58a,58bを備えている。これら電極ストリップは、グリッド電極62を電極手段56のフィールド部(field section)60に保持しており、このグリッド電極の縁部64a,64bは、電極ストリップ58a,58bの間において電極ストリップ58a,58bに直交して延在している。電極ストリップ58a,58bは、電極手段56のコロナ部(corona section)66において、放電電極として機能する複数のコロナワイヤ68を保持している。これらコロナワイヤ68は、電極ストリップ58a,58bにより予め定まる平面においてグリッド電極62の縁部64a,64bに対して平行に伸びていて、互いに等間隔に配列されている。
【0029】
図3および図4から分かるように、電極手段56の全体の範囲は分離ユニット26の側方プレート36a,36bの範囲に概ね対応している。電極手段56は、グリッド電極62の下方縁部64bが側方プレート36a,36bそれぞれの下方端の高さにおよそ配列されるように配列されている。
【0030】
分離デバイス24が作動しているときに、塗装処理の際に生じる塗料オーバースプレーから固体粒子を取り除ける分離液が、分離ユニット26の側方プレート36a,36bの各分離面42a,42bを排出チャネル44a,44bまで下方に流れる。
【0031】
この目的のために、この分離液は、分離ユニット26の湾曲部38におけるオーバーフローチャネル40に供給される。分離液は、オーバーフローチャネル40から、分離ユニット26の湾曲部38の湾曲した側部70a,70bにわたって移動する。湾曲した側部70a,70bは、オーバーフローチャネル40の隣を側方プレート36a,36bまで到るようにそれぞれ凝集性フィルムとして延びており、分離液は、やはり分離液の凝集性フィルムとしての分離面42a,42bを下方に流れる。
【0032】
電極手段56のコロナワイヤ68の数およびこれらの互いの間隔は、オーバースプレーの粒子の分離挙動の関数として変更されうる。例示的な当該実施形態において、4つのコロナワイヤ68が付与されていて、これらのうちの最も上方に位置するコロナワイヤ68は分離ユニット26の湾曲部38の隣に配列される一方で、その下方のコロナワイヤ68は、分離ユニット26の各側方プレート36a,36bにそれぞれ隣接する領域になお位置している。
【0033】
それぞれの第2の例示的な実施形態として、図5は、変更した分離ユニット126および変更した電極手段156を示しており、図6は、前述した構成要素を具備する変更した分離デバイス124を示している。図1から図4における分離ユニット26、電極手段56および分離デバイス24のそれぞれの構成要素に対応する、分離ユニット126、電極手段156および分離デバイス124のそれぞれの構成要素には、同一の参照符号に100を足した符号がそれぞれ付されている。
【0034】
分離ユニット126は、とりわけ排出チャネル144a,144bが分離ユニット126の端側部146を越えて突出している点において、分離ユニット26とは異なる。突出部172a,172bは、前述した液滴受け54a,54bに相当するものであり、この理由のため、これらについては分離デバイス124に関連して説明を要さない。
【0035】
図6から分かるように、分離ユニット126の排出チャネル144a,144bの突出部172a,172bは、分離デバイス124の各端壁150aにおける開口152a,152bをそれぞれ通って延在している。
【0036】
図5は高電圧源174を示しており、この高電圧源174は、各分離ユニット126の側方プレート136a,136bの間に配列されていて、電極手段156に接続されている。また、高電圧源174は、第1の例示的な実施形態に係る分離ユニット26のそれぞれについて対応して存在していてもよい。それぞれの場合において、個々の分離ユニット126および個々の電極手段156は、このように分離モジュール176を形成している。それに対応して、図1から図4において、個々の分離ユニット26および個々の電極手段56もまたそれぞれ分離モジュール76を形成する。
【0037】
また、図5において、ストラット178a,178b,178cが視認可能であり、これらは、分離ユニット126の底部、中央部および頂部のそれぞれにおいて、分離ユニット126の2つの側方プレート136a,136bの内面を互いに連結している。
【0038】
第2の例示的な実施形態に係る電極手段156の場合において、保護棒180が、最も上方に位置するコロナワイヤ168の上方において、電極ストリップ158a,158bに対して直交してそれらの間に伸びており、物体または粒子が、塗装路6から、コロナワイヤ168に接触するようになる電極手段156に落下しうるリスクを低減している。
【0039】
これら以外については、分離ユニット26、電極手段56および分離デバイス24に関してそれぞれ前述したことが、分離ユニット126、電極手段156および分離デバイス124にもそれぞれ対応して当てはまる。
ここで、図1から図4に係る分離デバイス24の例示のために、前述した分離デバイスの基本原理について説明する。図5および図6に係る分離デバイス124は塗装ブース2内において同様の態様で用いられる。
【0040】
車体が塗装路6において塗装されるとき、塗装路6内のブース空気は塗料オーバースプレーの粒子を含んでいる。これら粒子は、そのときになお液体であるか、または粘性を有し、或いは粘性を有する液体でありうるうが、既におおよそ固体になったものでもよい。塗料オーバースプレーを含んだ使用済みブース空気は、塗装路6の下方開口部12を通って分離室18内に流れる。分離室において、この空気は、空気バッフル28a,28bにより分離デバイス24の方向に進路を変えられ、そして隣接する分離ユニット26の間を通って下方空気バッフル32の方向に流れる。
コロナワイヤ68において公知の態様でコロナ放電が発生し、このコロナ放電は、そこを通過する使用済みブース空気中のオーバースプレーの粒子を効果的にイオン化させる。
【0041】
イオン化したオーバースプレーの粒子は、2つの隣接する分離ユニット26のアース電位をなす側方プレート36a,36bと、電極手段56の第1の部位60においてそれら側方プレート36a,36bの間に延在するグリッド電極62とを通過する。グリッド電極62と側方プレート32a,32bとの間に形成される電場のため、イオン化したオーバースプレーの粒子は、分離ユニット26の側方プレート36a,36bの分離面42a,42bにおいて分離され、これら分離面上方を流れる分離液によってそこで吸着される。
【0042】
イオン化したオーバースプレーの粒子の一部には、分離ユニット26におけるコロナワイヤ68の領域における電極手段56の第2の部位66において既に分離されるものがある。分離ユニット26のコロナワイヤ68と各側方プレート36a,36bとの間に存在する電場は、グリッド電極62の領域における電場よりも不均一であるが、しかしながら、この理由のため、対応する分離ユニット26におけるイオン化したオーバースプレーの粒子の分離は、より管理し易く、かつより効果的である。
【0043】
これら分離ユニット26の間を通過する際に浄化される空気は、図1および図2において右手に示された分離室18の側壁22bの方向に、下方空気バッフル32によって進路を変えられ、そこから空気は、必要に応じて特定の処置を受けた後に、新鮮な空気として再び塗装路6に供給されうる。この処置としては、特に温度および空気湿度の再調整、さらに必要に応じて空気中になお存在する溶剤の除去がありうる。
【0044】
分離ユニット26にわたって下方に流れるとともに、このときオーバースプレーの粒子を含んだ分離液は、分離ユニット26の排出チャネル44a,44bまで下方に移動する。排出チャネル44a,44bが傾斜している結果として、オーバースプレーの粒子を含んだ分離液は、各端壁50aに形成された開口52a,52bの方向に流れ、これらを通ってそこから液滴受け54a,54bを介して収集チャネル34に流入する。オーバースプレーの粒子を含んだ分離液は、収集チャネル34を通って塗装ブース2から流出する。そして、オーバースプレーの粒子を分離液から除去する浄化処理および再処理のために、或いは廃棄するために移送されうる。
【0045】
図7は、第3の例示的な実施形態に従ってさらに変更された2つの分離ユニット226を示す。図1〜図4に係る分離ユニット26の構成要素に対応する分離ユニット226の構成要素は、同一の参照符号に200を足した符号がそれぞれ付されている。さらに、3つの電極手段256が図7において視認でき、これら電極手段256は、図3および図4に係る電極手段156に対応する。分離ユニット226および電極ユニット256は、それぞれにおいてモジュール276を形成する。
【0046】
分離ユニット226において、側方プレート236a,236bは波形部282a,282bを有しており、これら波形部282a,282bは、分離ユニット226の湾曲部238の各側部270a,270bに隣接している。排出チャネル244a,244bと波形部282a,282bとの間において、各側方プレート236a,236bは平面部284a,284bを備えている。
【0047】
各波形部282a,282bは、平面部284a,284bの間においてかつこれら平面部284a,284bに対して平行に延在する、分離ユニット226の中央平面部に対して、それぞれ内方に湾曲した内方湾曲部286a,286b,286c,286dと、外方に湾曲していてそれぞれコロナワイヤ268に沿って延在する外方湾曲部288とを有している。したがって、側方プレート236a,236bの各波形部282a,282bの内方湾曲部286の数は、電極手段256のコロナワイヤ268の数に対応している。
明確化のために、それぞれにおいて、内方湾曲部286a,286b,286c,286dのうちの1つのみと、外方湾曲部288のうちの1つのみとに対して参照符号が付与されている。
【0048】
下方に在る2つの内方湾曲部286a,286bおよび最も上方に在る内方湾曲部286dの湾曲形状部は、断面で見たときに円弧に沿って延びる。内方湾曲部286a,286b,286dは、それぞれ隣接するコロナワイヤ268に対して配列されており、それによりコロナワイヤ268は、各湾曲部286a,286b,286dのいずれかのプロフィルにより形成される円弧に対し、断面で見たときに同心であるようになる。最も上方に在る内方湾曲部86dは、下方に在る2つの内方湾曲領域286a,286bよりも鉛直方向において幾分短い。
【0049】
最も上方に在る湾曲部286dの下方に配列される内方湾曲部286cにおいて、曲率半径は底部から上方に向かって減少しており、それにより断面で見たときに内方湾曲部286cが放物線状のプロフィルを有するようになる。結果として、2つの隣接する分離ユニット226の対向する側部270a,270bの外方端部の間における空間は、各側方プレート236a,236bの対向する平面部284a,284bの間における空間よりも水平面においてより小さくなる。
【0050】
2つの隣接する分離ユニット226の空間は、電極手段256がそれら分離ユニット226の間に配列されるとともに、コロナワイヤ268がそれぞれにおいて、内方湾曲部286a,286b,286dのいずれかの対向する2つにより形成された断面略円弧形をなした部分の中心点に対し、断面で見たときに同心であるように調整される。
【0051】
分離ユニット226の波形部282a,282bの内方湾曲部286が在るために、それら分離ユニット226の間に形成されていてオーバースプレーを含んだ使用済みブース空気が流れるチャネルは、内方湾曲部286の箇所においてそれぞれ局所的に幅広になっている。結果として、側方プレート236a,236bの内方湾曲部286の高さにおいて、流速の低下がそれぞれ生じ、それにより、各コロナワイヤ268を通過する使用済みブース空気がコロナワイヤ268の影響を受ける領域においてより長く留まるようになる。
【0052】
結果として、所与の量の使用済みブース空気において、当該コロナワイヤ268によって順次イオン化されるオーバースプレーの割合がより大きくなる。分離ユニット226の側方プレート236a,236bの内方湾曲部286が使用済みブース空気の流れる方向において直列に配列されているために、連続平面をなす側方プレート236a,236bにおいて使用済みブース空気が同一の流速である場合よりも、顕著により大きい割合のオーバースプレーが、コロナワイヤ268を備えた第2の電極部266においてイオン化される。この理由から、使用済みブース空気の処理量の全体的な増大を達成できる。なぜなら、コロナワイヤ268の領域における滞在時間が、完全に平面をなす側方プレート236a,236bを備えていて流速が低い場合における滞在時間に対応するように、オーバースプレーを含んだ使用済みブース空気の流速が上昇しうるためである。
【0053】
流速は、例えば4〜6倍に増大しうる。例えば第1の例示的な実施形態に係る分離ユニット26を備えた分離装置24において、オーバースプレーの粒子を含んだ使用済みブース空気の流速が0.25m/sでありうるとともに、十分な分離性能がなお達成できる場合であって、分離ユニット226が用いられる場合には、使用済みブース空気の流速は、適切な分離結果を達成しながら1m/s〜1.5m/sまで上昇しうる。流速が増大されるべき場合には、分離装置の高さが同一の分離作用を達成するために対応して増大されうる。
【0054】
さらに、2つの分離ユニット226の対向する側方プレート236a,236bにおける波形部232a,232bの領域において、旋回作用および乱流作用が生じ、それにより、使用済みブース空気によって運ばれる塗料オーバースプレー粒子がコロナワイヤ268の領域において均一に分布し、したがってより効果的にイオン化されうるようになる。
【0055】
いずれもここでは図示されない電極手段56または156の変形例において、グリッド電極62または162の代わりにプレート電極が付与される。しかしながら、イオン化した塗料オーバースプレーの粒子の分離作用は、グリッド電極62または162の存在下においてより効果的に進む。なぜなら、使用済みブース空気のわずかな旋回作用がそのグリッドまたはグリッドロッドにおいて発生するとともに、イオン化した塗料オーバースプレーの粒子が、連続した電極面を備えたプレート電極よりもグリッド電極62または162の領域において結果的により均等に分布するためである。
【0056】
分離ユニット226の分離面242a,242bにおいて分離液によって吸着された分離された塗料オーバースプレーの粒子においてもなお生じうる分離面242a,242bに対するあらゆる接着作用を低減するために、各分離ユニット226の分離面242a,242bを付着防止用コーティング、例えばテフロン(登録商標)でコーティングしてもよい。
【0057】
分離液は、オーバーフローチャネルからオーバーフローチャネルの外方縁の上方と、分離ユニット26,126または226の湾曲部38,138または238の湾曲側部70a,70b,170a,170bまたは270a,270bの上方とを通って側方プレート36a,36b,136a,136bまたは236a,236bまで移動するが、このオーバーフローチャネルの代わりに、分離ユニット26,126,226に対して、分離液を分離ユニット26,126,226に付与できるようにする代替的な装置を付与することも可能である。この目的のために、例えば散水装置、スロットノズルまたは単にオリフィスを備えたチューブを湾曲部38,138または238の上方に配列してもよい。
【0058】
電極手段56,156,256と、分離ユニット26,126,226のアース電位をなす側方プレート36a,36b,136a,136b,236a,236bとの間の相互作用のためには、分離液が導電性を呈することが重要である。分離液は、例えば水または油をベースにしていて、分離液内の塗料オーバースプレーの粒子の凝集作用、硬化作用、粘着性低下作用のうちの少なくとも1つを助勢する添加剤が付与されたものでありうる。
【0059】
分離液の導電性は、50μS/cm〜5000μS/cmの範囲、特に1000μS/cm〜3000μS/cmの範囲であるのが好ましく、添加剤、例えば塩によって調整されうる。
【0060】
塗料オーバースプレーを含んだ使用済みブース空気からの塗料オーバースプレーの電気的分離作用と、塗料オーバースプレーの粒子を吸着して移送するための分離液の使用との組合せによって、オーバースプレーを含んだ使用済みブース空気の効率的かつ効果的な浄化作用が可能になる。そして、浄化された使用済みブース空気は、既に前述したように回路内においてスプレーブースまで再供給されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
塗装施設のオーバースプレーを含んだ使用済みブース空気から塗料オーバースプレーを分離する分離デバイスであって、
a) 少なくとも1つの分離面(42a,42b;142a,142b;242a,242b)を備え、前記使用済みブース空気が前記分離面に沿って案内されうるとともに、前記分離面が導電性を呈する態様で高電圧源(74;174;274)の一極に接続されており、
さらに、
b) 空気の流れの中に配列されていて、前記分離面(42a,42b;142a,142b;242a,242b)に関連付けられるとともに前記高電圧源(74;174;274)の他極に接続される電極手段(56;156;256)と、
c) 分離された前記塗料オーバースプレーを前記分離面(42a,42b;142a,142b;242a,242b)から移送する、移送手段とを備えた、分離デバイスにおいて、
d) 導電性を呈する分離液が前記分離面(42a,42b;142a,142b;242a,242b)に対して供給されうるようになっていて、前記分離液は前記分離面(42a,42b;142a,142b;242a,242b)の上方を流れ、それにより、少なくとも固体のうちの大部分が、通過する前記使用済みブース空気から前記分離液に移動して、それにより移送されるようになることを特徴とする、分離デバイス。
【請求項2】
前記電極手段(56;156;256)がプレート形状の電極(62;162;262)および少なくとも1つのワイヤ電極(68;168;268)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の分離デバイス。
【請求項3】
前記プレート形状の電極(62;162;262)がグリッド電極(62;162;262)の形態をなすことを特徴とする、請求項2に記載の分離デバイス。
【請求項4】
前記電極手段(56;156;256)が、互いに平行に延在する複数のワイヤ電極(68;168;268)を備えることを特徴とする、請求項2または3に記載の分離デバイス。
【請求項5】
異なる方向に向けられた2つの分離面(42a,42b;142a,142b;242a,242b)を備えた少なくとも1つの分離ユニット(26,126,226)が付与されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の分離デバイス。
【請求項6】
少なくとも1つの分離ユニット(26,126,226)の前記分離面(42a,42b;142a,142b;242a,242b)が、少なくともその一部において互いに平行に延在することを特徴とする、請求項5に記載の分離デバイス。
【請求項7】
複数の分離ユニット(26,126,226)が配列されており、それぞれにおいて、1つの分離面(42a,42b;142a,142b;242a,242b)を有する2つの分離ユニット(26,126,226)が互いに対向して在るとともに、それぞれにおいて、電極手段(56;156;256)が2つの分離ユニット(26;126;262)の対向する分離面(42a,42b;142a,142b;242a,242b)の間に配列されることを特徴とする、請求項5または6に記載の分離デバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの分離面(242a,242b)が、前記少なくとも1つのワイヤ電極(268)に沿って延在する少なくとも1つの湾曲部(286a,286b,286c,286d)を備えることを特徴とする、請求項2を引用する請求項2〜7のいずれか1項に記載の分離デバイス。
【請求項9】
前記少なくとも1つの分離面(242a,242b)の湾曲部(286a,286b,286c,286d)の数がワイヤ電極(268)の数に合致することを特徴とする、請求項8に記載の分離デバイス。
【請求項10】
1つまたは2つ以上の湾曲部(286a,286b,286d)の湾曲形状部が、断面において円弧に沿って延在し、その円弧の中心点が前記ワイヤ電極(268)と同心であることを特徴とする、請求項8または9に記載の分離デバイス。
【請求項11】
前記少なくとも1つのワイヤ電極(68;168;268)が配列されており、それにより、オーバースプレーを含んだ前記使用済みブース空気が、前記プレート形状の電極(62;162;262)の前に前記ワイヤ電極(68;168;268)に到達するようになることを特徴とする、請求項2〜10のいずれか1項に記載の分離デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−501821(P2012−501821A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525441(P2011−525441)
【出願日】平成21年8月22日(2009.8.22)
【国際出願番号】PCT/EP2009/006105
【国際公開番号】WO2010/025844
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511056714)アイゼンマン アクチェンゲゼルシャフト (15)
【Fターム(参考)】